JPH05210870A - 光ディスク用基板およびその製造方法 - Google Patents

光ディスク用基板およびその製造方法

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JPH05210870A
JPH05210870A JP4025229A JP2522992A JPH05210870A JP H05210870 A JPH05210870 A JP H05210870A JP 4025229 A JP4025229 A JP 4025229A JP 2522992 A JP2522992 A JP 2522992A JP H05210870 A JPH05210870 A JP H05210870A
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guide
optical disk
dielectric film
resin
substrate
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Masahiko Sekiya
昌彦 関谷
Aritami Yonemura
有民 米村
Kiyoshi Chiba
潔 千葉
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】トラッキングサーボ用ガイドからの十分なトラ
ッキング信号強度を得つつ、かつ情報再生信号品質、お
よび製造時の歩留り、コスト等を向上させる。 【構成】光ディスク用基板としては、レーザ光によるト
ラッキングサーボのための凹凸形状のガイドをデータ用
領域に隣接して形成した面を有するものであって、基板
材料が少なくとも前記ガイドを形成する部分において有
機物樹脂からなり、前記ガイドを形成した基板面上の少
なくともガイド上に誘電体膜を形成し、さらにその上に
前記ガイドによる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦
化層を形成する。またその製造方法においては、樹脂も
しくはその希釈溶液を塗布して平坦化層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ等の光により情
報の記録、再生、消去等を行う光ディスクに関するもの
であり、特に、その記録膜が形成される基板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、高密度、大容量の情報記
録媒体として種々の研究、開発、商品化が行われてい
る。そうした中で現在市販の光ディスクにおいては、情
報の記録、再生、消去等を行う際の光によるトラッキン
グサーボを行うために、記録膜を形成する基板の表面に
凹凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成してい
る。このガイドとしては、基板表面に渦巻状もしくは同
心円状に配列した溝による場合などがある。そしてトラ
ッキングサーボの制御は、このガイドからの回折光を用
いて行われる。
【0003】しかし、データ用領域に隣接してこの凹凸
形状のガイドがあることにより信号品質が低下してしま
うということが知られている。すなわちガイドによる凹
凸のために、記録層にも凹凸が形成され、それによるビ
ット形状の崩れ等が生じて信号のC/Nの低下等が起こ
る。この問題点を解決するべく、特開平3-40248 号公報
等では、十分な強度のトラッキングサーボ用信号を得る
ためにトラッキング用金属反射膜をガラス基板上に形成
し、かつ、再生信号品質を低下させないために、平坦化
層を設け、平坦面上に形成された記録層から十分な強度
の再生信号を得るという方式が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこの方式は、
金属反射膜を基板上に形成する際にエッチング等の煩雑
な方法を用いなければならないため、製造時の歩留り、
コスト等の点で問題があり、大量生産には不向きであ
る。
【0005】本発明は、前述の問題点を解決すべく鑑み
なされたものである。具体的には、トラッキングサーボ
のためのガイドからの十分なトラッキング信号強度が得
られ、かつ、記録膜が平坦面に設けられるために現在市
販の光ディスクよりも高い情報再生信号品質が得られる
という新しい方式からなり、しかも製造時の歩留り、コ
スト等も、特開平3-40248 号公報記載の方式よりも大幅
に改善できるような光ディスク用基板を得ることを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光ディス
ク用基板は、レーザ光によるトラッキングサーボための
凹凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成した面
を有する光ディスク用基板において、基板材料が少なく
とも前記ガイドを形成する部分において有機物樹脂から
なり、前記ガイドを形成した基板面上の少なくともガイ
ド上に誘電体膜を形成し、さらにその上に前記ガイドに
よる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦化層を形成
し、前記誘電体膜の屈折率が前記ガイドを形成する部分
の基板材料と前記平坦化層とよりも高いことを特徴とし
ている。
【0007】また本発明にかかる光ディスク用基板の製
造方法は、前述の光ディスク用基板を製造する際に、樹
脂もしくはその希釈溶液を塗布して平坦化層を形成する
ことを特徴としている。
【0008】本発明者らは、次のような検討により本発
明を考案するに至った。
【0009】トラッキングサーボの制御には、ガイド部
からのトラッキングサーボ用光の回折光が用いられる。
その際には、ガイド部分からの十分な反射光強度が得ら
れることが、安定なトラッキングサーボ性能を得るため
には必要である。具体的には、そのガイドでのトラッキ
ングサーボ用光の反射率が10%以上であることが好まし
い。このような条件を満足するためには、ガイドを形成
する部分の基板材料と前記平坦化層とよりも屈折率が高
く、かつ透明性の高い材料である誘電体膜を少なくとも
ガイド上に設ければよい。そしてこの誘電体膜は、十分
な反射光強度を得るためには、トラッキングサーボ用の
光の波長において屈折率n≧1.6 であることが好まし
い。
【0010】このような材料としては、AlN、ZnS、Si
3 4 、AlSiN、SiO、SiO2 、Zr 2 3 、In2 3
SnO2 、Ta2 5 、AlON、SiON、ZrON、InON、
SnON、TaONまたはこれらの混合体などが適用でき
る。
【0011】より安定したトラッキングサーボ性能を
得、かつ高い再生信号強度を得るためには、トラッキン
グサーボ用の光に対する反射率が15%以上であることが
好ましい。そのためにはトラッキングサーボ用の光の波
長において、屈折率n≧1.8 である材料が好ましい。
【0012】この点ではAlSiN、Si3 4 、Zr2 3
Ta2 5 、ZrON、TaON等の無機窒化物および/また
は無機酸化物が好ましく、特に耐候性の点ではAlSiNが
好ましい。
【0013】誘電体膜の膜厚d(nm)に関しては周期
的に高反射率が得られるところがあらわれるため、その
高反射率が得られるいずれの膜厚を選択しても問題ない
が、生産性を考慮すると薄い方がよい。
【0014】この膜厚d(nm)は、誘電体膜の屈折率
によって異なるが、上述の無機窒化物、酸化物等の場合
に屈折率nは 1.6〜2.3 の範囲であるため、20≦d≦16
0 の範囲にあることが好ましい。
【0015】窒化物および/または酸化物の誘電体にお
いては、窒化度および/または酸化度を低くすると光の
吸収率が高くなり、記録再生特性に悪影響をおよぼす。
しかしこれと同時に屈折率が高くなり、必要な反射光量
を得るための誘電体膜の膜厚を薄くできることから、生
産性を向上させることができる。
【0016】また、誘電体膜としては、前述の各材料の
単一材料の単層膜に限ることなく、複数の種類の複層膜
を設けてもよい。
【0017】誘電体膜の製造方法としては、公知の真空
蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCV
D法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光デ
ィスクとしては、高温高湿の耐環境試験での剥離等を生
じさせないために、基板との密着性が大きい条件で作製
することが好ましい。このためにはスパッタリング法が
好ましい。
【0018】この誘電体膜は、少なくともガイド上に設
けることが必要である。また製造上の有利からは、ガイ
ドを有する基板表面全面に設けることが好ましい。
【0019】ところで、上述のように100 nm前後の膜
厚の誘電体膜を設けた場合、その表面形状は、ガイド形
状をそのまま残したものとなっている。この表面を平坦
化するためには、粘性の低い物質を塗布するなどしてガ
イドによる凹凸を埋める必要がある。この平坦化した面
に記録膜を形成すると、情報の記録ビット形状がガイド
形状に影響されず、良好なビット形状が得られ、高い再
生信号が得られる。
【0020】この平坦化層の膜厚t(nm)は、ガイド
上の部分において50≦t≦500 の範囲にあることが好ま
しい。すなわち、ガイドの深さは40nm以上であること
が好ましいことから、これを埋めるには平坦化層の膜厚
が50nm以上であることが好ましい。またトラッキング
サーボ用の光の反射率をかせぎつつ、生産性を考慮する
と、この膜厚は500 nm以下であることが好ましい。
【0021】この平坦化層に用いる材料は、ガイドによ
る凹凸を埋めて平坦面が得られるものであれば特に限定
はない。しかし、製造上の容易さから、樹脂を用いるこ
とが好ましい。
【0022】このような樹脂としては、光ディスクに使
用可能な樹脂であれば特に制約はない。例えば、紫外線
硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、エポキシ樹脂、シリケ
ート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性
樹脂などを使用することができる。
【0023】ただし本発明の目的の被膜を得るために
は、希釈して粘性を低くした上で塗布することが作業性
上好ましいことから、樹脂としては一般的な有機溶剤に
可溶であることが好ましい。
【0024】光ディスクの製造工程では、生産性が高
い、保護効果が大きい等の理由により紫外線硬化樹脂や
電子線硬化樹脂がしばしば使用される。電子線硬化型樹
脂より設備的に有利な紫外線硬化樹脂が最も良く利用さ
れている。このような紫外線硬化樹脂は通常例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ化合物(オリゴマー)のアク
リレートのように水酸基やエポキシ基等の官能基を持つ
化合物(オリゴマー)をアクリル化またはメタアクリル
化することによって得られる比較的分子量が大きい、オ
リゴマーのアクリレートと称される化合物と単官能
((メタ)アクリロイルオキシ基)または2〜6個の官
能基((メタ)アクリロイルオキシ基)を持つ化合物と
光重合開始剤等の混合された組成物として市販されてお
り容易に手に入れることができる。例えば大日本インキ
化学(株)より“SD―17”、“SD―301”、三
菱レイヨン(株)より“UR―4502”等の名称によ
り市販されている。また電子線硬化型の樹脂としては三
菱レイヨン(株)の“MH―7135”などがある。
【0025】エポキシ樹脂としては、光ディスクに使用
可能なものであれば、特に制約はない。通常のビスフェ
ノールから誘導されたものを使用することができる。た
だし、この用途上透明性が要求されるので、硬化剤の選
択には充分注意する必要がある。効果速度、透明性の点
からペンタエリスリトールから誘導されるジアミンなど
が好ましく使用される。例えば油化シエル(株)のエポ
メート“N―002”などを好ましい硬化剤として挙げ
ることができる。
【0026】シリケート樹脂としては多くのものが市販
されているが前述のエポキシ樹脂と同様に、光ディスク
に使用することができるものであれば使うことができ
る。例えばアルキルシロキサン等の熱硬化タイプとアク
リルシリコーン化合物等の紫外線硬化タイプなどがあ
る。例えば昭和電工(株)のガラスレジン“GR―65
0”や信越化学の“KP―85”、“KNS―530
0”などを使用することができる。
【0027】熱可塑性樹脂としては、記録膜に影響を与
えず、適当な溶剤、特に有機溶剤に可溶であり、均一で
透明な塗布膜を与える有機重合体を使用することができ
る。例えばポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメ
タアクリレートのようなアクリレート樹脂、ポリアクリ
ロニトル、ポリメタアクリロニトルのようなアクリルニ
トリル樹脂、フッ化ビニル・ヘキサフルオロプロピレン
共重合体のようなフッ素樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル
等のビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂等の樹脂およびそれらの混合物、共重合体等が好まし
く用いられる。
【0028】平坦化層の形成方法としては、スピンコー
ト、スクリーン印刷、ロールコート、スプレーコート、
ディッピング、スパッタコート等が使用可能である。こ
こで樹脂を硬化させたものからなる平坦化層を形成する
際、作業性からは樹脂もしくはその希釈溶液を塗布して
形成する方法が好ましい。さらに生産性、コスト等をも
考慮した場合には、前述の方法の中でも、スピンコート
法が好ましい。
【0029】ここでスピンコート法による場合、前述の
膜厚で平坦化層を形成するには、塗布時の樹脂原料を溶
媒で希釈するなどして粘性率を低くする必要がある。そ
の際には温度20℃での硬化前の粘性率が、膜厚 200〜50
0 nmとするためには50cP以下、膜厚50〜200 nmと
するためには30cP以下であることが好ましい。
【0030】希釈用の溶媒としては、有機物樹脂基板を
用いる場合、基板への化学的なダメージを与えないもの
であり、かつ、樹脂硬化時には大部分揮発するような物
質であれば特に限定されないが、毒性等も考慮した取扱
い易さの点から、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、エチルアルコール等が好ましい。
【0031】一方、基板表面に設けられているガイドの
深さは、安定したトラッキング性能を得るためには40n
m以上の深さのガイドを設けることが好ましい。さらに
より安定したトラッキング性能を得るためには、70nm
以上の深さのガイドを設けることが好ましい。このと
き、ガイドの形状は特に限定するものではない。しか
し、ガイドおよびガイド上の誘電体膜からの反射の効果
を有利にするためにはV形状の溝が好ましい。
【0032】基板材料は、少なくともガイドを形成する
部分においては、有機物樹脂を用いることが生産性から
好ましい。このとき、全体を有機物樹脂で形成した基
板、あるいは2P法によりガラス基板上にガイドを形成
する部分だけ硬化性樹脂の層を形成した基板にすること
もできる。
【0033】この基板材料に用いる有機物樹脂としは、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
2―メチルペンテン樹脂、ポリオレフィン樹脂、あるい
はそれらの共重合体等を用いることができる。中でも機
械強度、耐候性、耐熱性、透湿性、ならびに低価格であ
る点でポリカーボネート樹脂が好ましい。そしてこのポ
リカーボネード樹脂を用いて基板材料全体を形成するこ
とが、生産性からは好ましい。
【0034】本発明による光ディスク用基板は上述のよ
うな手段で作製することができるが、その上に形成され
る記録膜の種類は特に限定されない。現在市販が開始さ
れているところの、希土類遷移金属非晶質合金などを用
いた光磁気記録膜をはじめ、無機及び有機の相変化記録
膜、追記型記録膜等、全てが使用可能である。また、そ
の構成に関しても特に限定はない。具体的には記録層を
透明誘電体層でサンドイッチした構成、記録層のレーザ
光入射側と反対側の面に金属反射層を設けた構成、更に
は保護層として無機および/または有機保護層を設けた
構成等、あらゆる構成が適用可能である。
【0035】また、現行の光ディスクに形成されている
トラッキングサーボのための凹凸形状のガイドは、約1.
6 μmピッチの同心円状もしくは渦巻状のものである
が、本発明はこの形状に限定されるものではない。また
このトラックピッチが1.6 μmより狭いものに対しても
適用可能であることは言うまでもない。
【0036】
【実施例、比較例1、2】以下のようにして図1、図
2、図3に示す構成の光磁気記録媒体を作成し評価し
た。図において、1はガイドを表面に形成した基板、2
はガイド上の誘電体層、3は平坦化層、4は記録層下の
誘電体層、5は記録層、6は記録層上の誘電体層、7は
金属反射層、8は有機保護層である。
【0037】まず、表面にサーボトラック用のガイドを
形成したポリカーボネート樹脂(PC)による基板1を
用意した。この基板1は、外形が直径 130mm、厚さ
1.2mmの円盤で、表面にサーボトラック用ガイドとし
て 1.6μmピッチで深さ70nmの溝が渦巻状に形成して
ある。
【0038】この基板1を用いて記録層を形成する際
に、ガイド上の誘電体層とさらに平坦化層を設けたもの
(実施例)、ガイド上の誘電体層を設けずに平坦化層の
みを設けたもの(比較例1)、ガイド上の誘電体層と平
坦化層の両方を設けなかったもの(比較例2)の3種類
を、次のようにして作成した。
【0039】まず基板1を3ターゲットの高周波マグネ
トロンスパッタ装置(アネルバ製SPF―430H型)
の真空槽内に固定し、 5.3×10-5Paになるまで排気す
る。なお、膜形成において基板1は15rpm で回転させ
た。そしてガイド上の誘電体層2として、AlSiN膜を次
のようにして形成した。すなわち、ターゲットとしては
直径 100mm、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50 )の
焼結体を用い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30v
ol%)を導入し、圧力 0.4Paになるようにガス流量を調
整した。そして放電電力 400W、放電周波数 13.56MHz
で高周波スパッタリングを行い、ガイド上の誘電体層2
としてAlSiN膜を80nm堆積した。
【0040】この基板をスパッタリング装置から取り出
し、スピンコーターに取りつけた。そして基板を3000rp
m で回転させながら、紫外線硬化性のフェノールノボラ
ックエポキシアクリレート樹脂を塗布した。このとき、
樹脂は塗布前にブチルアルコールによって希釈し、温度
20℃にて粘性率がおよそ40cPとなるように調整した。
塗布後、スピンコーターから取りはずし、紫外線照射装
置を通過させて樹脂を硬化させ、ガイド上以外の領域で
の厚さが約 250nmとなる平坦化層3を設けた(実施
例)。
【0041】また基板1に対して、ガイド上の誘電体層
2を設けずに、直接実施例と同様の方法で平坦化層3を
約 250nmとなるように設けた(比較例1)。
【0042】これらの基板と、ガイド上の誘電体層2と
平坦化層3を設けていない、直径 130mm、厚さ 1.2m
mの円盤で、 1.6μmピッチのグルーブを有するポリカ
ーボネート樹脂(PC)のディスク基板1(比較例2)
とを、再び3ターゲットの高周波マグネトロンスパッタ
装置(アネルバ製SPF―430H型)の真空槽内に固
定し、 5.3×10-5Paになるまで排気する。なお、膜形成
において基板1は15rpm で回転させた。
【0043】これら3つの基板上に、以下の手順で全く
同じ構成からなる光磁気記録媒体用の多層膜を形成し
た。
【0044】まず記録層下の誘電体層4としてAlSiN膜
を形成した。すなわち、ターゲットとしては直径 100m
m、厚さ 5mmの円盤状のAlSi(50:50 )の焼結体を用
い、真空槽内にAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)を導
入し、圧力 0.4Paになるようにガス流量を調整した。放
電電力 400W、放電周波数 13.56MHzで高周波スパッタ
リングを行い、誘電体層4としてAlSiN膜を 110nm堆
積した。
【0045】次に光磁気記録層5として、ターゲットを
TbFeCo(22:71:7 )合金の円盤に変え、スパッタリング
ガスを純Ar(純度99.999%)とし、圧力0.67Pa、放電電
力 100WでTbFeCo合金膜(Tc= 190℃)を20nm堆積し
た。
【0046】続いて、記録層上の誘電体層6としてター
ゲットを前記のAlSiの焼結体ターゲットに戻し、スパッ
タリングガスもAr/N2 混合ガス(N2 30vol%)に戻
し、第1の透明誘電体層4と同様の放電条件で、AlSiN
膜を25nm堆積した。
【0047】最後に、金属反射膜7を形成した。ターゲ
ットとしては、直径 100mm、厚さ5mmのAlの円盤上
にTiのチップ( 5× 5× 1mm)を適当数配置したもの
を用い、スパッタリングガスを純Ar(純度99.999%)に
変え、記録層5と同様の放電条件で金属反射層7として
AlTi(98:2)を80nm堆積した。
【0048】このサンプルを再度スパッタリング装置か
ら取り出し、スピンコーターに取り付けた。ディスクを
3000rpm で回転させながら紫外線硬化性のフェノールノ
ボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布した後、紫外
線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ、約20μmの有
機保護層8を設けた。この際には、約20μmと厚い膜厚
で設定するため、ブチルアルコールで希釈を行い、粘性
率 500cP前後の状態で塗布した。
【0049】以上の手順で、図1(実施例)、図2(比
較例1)、図3(比較例2)に示す構成の光磁気記録媒
体を得た。
【0050】これら各サンプルのC/Nの記録パワー依
存性を測定した。測定には、光磁気記録再生装置(パル
ステック工業製DDU―1000型)を用い、半径30m
m位置のトラックにおいて、ディスク回転速度1800rpm
、信号周波数 3.7MHz(パルスduty33%)、外部磁場
300Oe、再生パワー 1.5mWとし、記録パワーを変化さ
せてC/Nを測定した。そしてC/Nが最大となる記録
パワーと、その時のC/N値を求めた。
【0051】その結果実施例と比較例2のサンプルで
は、安定したトラッキングサーボ状態が得られた。しか
し比較例1のサンプルは、トラッキングサーボができ
ず、C/Nの測定も不能であった。そしてC/Nが最大
となる記録パワーは、実施例、比較例2ともに 5.5m
W、そのときのC/N値は51dB(実施例)と48dB(比較
例2)であった。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したごとく、安定な
トラッキングサーボ性能を確保しつつ、従来よりも高い
C/Nを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の積層構成
【図2】比較例1の積層構成
【図3】比較例2の積層構成
【符号の説明】
1 ガイドを表面に形成した基板 2 ガイド上の誘電体層 3 平坦化層 4 記録層下の誘電体層 5 記録層 6 記録層上の誘電体層 7 金属反射層 8 有機保護層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光によるトラッキングサーボための
    凹凸形状のガイドをデータ用領域に隣接して形成した面
    を有する光ディスク用基板において、基板材料が少なく
    とも前記ガイドを形成する部分において有機物樹脂から
    なり、前記ガイドを形成した基板面上の少なくともガイ
    ド上に誘電体膜を形成し、さらにその上に前記ガイドに
    よる凹凸を埋めて表面を平坦化させる平坦化層を形成
    し、前記誘電体膜の屈折率が前記ガイドを形成する部分
    の基板材料と前記平坦化層とよりも高いことを特徴とす
    る光ディスク用基板。
  2. 【請求項2】誘電体膜が少なくともガイド側の基板面全
    面に形成された請求項1記載の光ディスク用基板。
  3. 【請求項3】基板材料全体がポリカーボネート樹脂から
    なる請求項1〜2のいずれかに記載の光ディスク用基
    板。
  4. 【請求項4】ガイドの深さが40nm以上である請求項1
    〜3のいずれかに記載の光ディスク用基板。
  5. 【請求項5】ガイドの深さが70nm以上である請求項4
    記載の光ディスク用基板。
  6. 【請求項6】誘電体膜の屈折率nが、トラッキングサー
    ボのために用いる光の波長において、n≧1.6 である請
    求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク用基板。
  7. 【請求項7】誘電体膜の屈折率nが、トラッキングサー
    ボのために用いる光の波長において、n≧1.8 である請
    求項6記載の光ディスク用基板。
  8. 【請求項8】誘電体膜が無機窒化物および/または無機
    酸化物からなる請求項6〜7のいずれかに記載の光ディ
    スク用基板。
  9. 【請求項9】誘電体膜がAlSiNからなる請求項1〜8の
    いずれかに記載の光ディスク用基板。
  10. 【請求項10】誘電体膜の膜厚d(nm)が、20≦d≦
    160 の範囲にある請求項8〜9のいずれかに記載の光デ
    ィスク用基板。
  11. 【請求項11】平坦化層が樹脂を硬化させたものからな
    る請求項1〜10のいずれかに記載の光ディスク用基
    板。
  12. 【請求項12】平坦化層の膜厚t(nm)が、ガイド上
    の部分において50≦t≦500 の範囲にある請求項1〜1
    1のいずれかに記載の光ディスク用基板。
  13. 【請求項13】請求項11〜12のいずれかに記載の光
    ディスク用基板の製造方法において、樹脂もしくはその
    希釈溶液を塗布して平坦化層を形成することを特徴とす
    る光ディスク用基板の製造方法。
  14. 【請求項14】樹脂もしくはその希釈溶液をスピンコー
    ト法により塗布して平坦化層を形成する請求項13記載
    の光ディスク用基板の製造方法。
  15. 【請求項15】樹脂もしくはその希釈溶液が、硬化前に
    は20℃にて粘性率50cP以下である請求項14記載の光
    ディスク用基板の製造方法。
  16. 【請求項16】樹脂もしくはその希釈溶液が、硬化前に
    は20℃にて粘性率30cP以下である請求項14記載の光
    ディスク用基板の製造方法。
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