JPS61177286A - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、レーザビームを用いて情報の記録・再生を行
なう光学情報記録媒体及びその製造方法に関する。

〔発明の技術的背景と問題点〕

基板上に形成された記録膜ｌこ記録すべき情報に対応さ
せたパルス変調レーザビームを照射して、局部的に加熱
しピット称される孔部を形成する記録媒体は公知である
。かかる記録媒体に用いる記録膜は、利用しつる半導体
レーザ強度の上限が２０ｍＷ程度と小さいため、低融点
金属が用いられる。

代表的なものとしてＴｅ、Ｉｎ、Ｂｌ、Ｐｂ、Ｓｎ、Ａ
ｓ、８ｅ等が挙げられる。

しかしながら、この様な従来の記録媒体には、以下の欠
点がある。第１点は、上記低融点金属からなる記録媒体
を大気中ｌこ保管した場合、空気中の酸素、水分により
酸化されることである。記録膜が酸化されれば、光学反
射率・透過率が変化して記録媒体としての機能は失なわ
れてしまう。第２点は、ピットの形成がリムと称される
ピット周辺ｌこおける記録膜の肉盛りの生成を伴ない再
生信号のＣ／Ｎｉ劣化させることである。またリム形状
は必ずしも一様でなく、記録膜が不均一に凝固して小球
状に付着した乱れた形状のリムの形成されることも多い
。この様ナリム形状は再生信号のＣ／Ｎ　　を更に劣化
させる。

上記第１の欠点ζこ関しては、有機樹脂等を保護膜とし
て積層する手法が知られている。しかし、この手法は有
機樹脂を介する通気量が比較的大きく、実際面ｌこおい
てさほど有効な酸化防止効果の得られないことも知られ
ている。より望ましい手法は、本発明者らζこより特開
昭５８−９２３１として開示されるように低融点金属と
炭化水素とを混合させた記録膜を用いる方法である。こ
の方法によると低融点金属は微粒子状となって炭化水素
におＳわれるため著しく耐酸化性が向上し、媒体の長寿
命化が可能になる。

一方、記録膜にピットを形成せず、逆にレーザビームの
照射によりバブルと称さｎる隆起変形部を形成して情報
の記録を行なう、いわゆるバブルモード情報記録媒体が
、例えば特開昭５６−１２７９３７号公報（文献■）、
特開昭５６−６５３４１号公報等（文献■）ｌこより提
案されている。こｎらの情報記録媒体では、ピットを形
成する媒体における前記第２の問題は本質的に存在しな
い。ところが、文献■に記載された媒体は、基板上に透
明な有機物中間鳴、金属質光吸収層を積層して構成され
、金属質光吸収−の局部加熱により間接的ｌこ有機物中
間層を加熱し、該中間層から発生するガスによって金属
質光反射＠を隆起・変形させてバブルを形成するもので
あるため、光利用効率が著しく劣り、記・縁のために極
めて大きいエネルギーを必要とする欠点がある。また、
文献■に記載された媒体は、基板上に金属質光反射・眉
、光透過層および金属質光吸収層を積層して構成され、
光吸収層の局部加熱により光透過層を間接的に加熱し、
光透過層から発生するガスで光吸収層を隆起・変形させ
てバブルを形成するものであり、基板上に光反射層が形
成されていることから文献■に比べて光の利用効率が高
い利点がある。しかし、この媒体は３層構造であるため
に製造工程が著しく複雑化し、歩留りが悪く、製造コス
トが上昇するという大きな問題がある。しかも実際に記
録感度の向上を図るためには、光透過層、光吸収層の厚
さをそれぞれの１の屈折率、使用レーザビームの波長に
応じて光の利用効率が最大となるように厳密に制御する
必要があり、この要請も製造を困難にする要因となって
いる。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、上記バブル形成配録媒体の如く機能の
異なる薄膜を積層することなく、単層と云う単純な構成
でありながら、耐酸化性の大きく、且つ、ピットを形成
させることなく安定な記録の可能な情報記録媒体及びそ
の製造方法を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明の情報記録媒体は、金属炭化物マトリクス中（こ
金属微粒子の分散する構造からなる記録膜を有している
。

金属微粒子は光吸収作用を有するから、金属微粒子の金
属炭化物マトリクスに対する体積率を変化させることに
より光吸収率を容易に制御することが可能である。即ち
、光吸収率を向上させ商い記録感度を得ることができる
。

金属微粒子は、本来非結晶化しやすい種類の金属から構
成される。パルス状のレーザビームを照射すると金属微
粒子は温度上昇した後、冷却する過程を経過する。この
温度上昇の程度及び冷却速度は、照射レーザビームの強
度及び照射時間を変化させることにより制御することが
できる。そこで情報記録媒体中未記録部分ζこおける金
属微粒子が非結晶状態にあれば、金属微粒子が融解に致
らない温度領域における長時間の温度上昇、さらに必要
ならゆるやかな冷却過程を経過するような即ち、低パワ
ー長パルス幅のレーザビ−ムの照射（こより金属微粒子
を結晶状態に転移させることができる。他方、未記録部
分における金唄微粒子が結晶状態にあれば、金属微粒子
を融解に致る温度−ヒ昇、及び急速な冷却過程を経過す
るような、即ち、高パワー低パルス幅のレーザビームの
照射により金属微粒子を非結晶状態に転移させることが
できる。金属が結晶状態にあるか非結晶状態にあるかｌ
こよって情報記録媒体の光学濃度は変化する。光学濃度
の変化は、光学的吸収率あるいは反射率の変化を必然的
に伴なう。即ち、情報の記録・再生を光学的に容易に行
なうことができる。

金属炭化物は、大気中−こ放置された場合、安定な炭化
物から構成される。従って、この金属炭化物はマｌ−Ｉ
Ｊクスとして分散する金属微粒子の大気中水分や酸素に
よる酸化に対する防止剤として作用する。即ち、情報記
録媒体の長寿命化をはかる）　　　ことができる。

金属炭化物は、金属微粒子が凝集等を生じて分散状聾が
低下することのないよう、その含有率は大きく設定され
る。従って、記録時の高パワーレーザビームの照射部こ
より金蛎微粒子が融解に致ってもピットは形成されない
。即ち、ピット周辺ｌこおけるリム等再生信号のＣ／Ｎ
を低下させる要因を形成することなく記録を行なうこと
ができる。

本発明情報記録媒体の製造方法においては、金Ｎ　炭化
物マドＩ＋クスの形成及び金属微粒子の分散をスパタリ
ング番こより同時に行なう。従って、金属粒子の粒成長
は飛来する金属炭化物分子に妨げられるから容易に微粒
子が形成でき、しかも、均−Ｉこ金属炭化物マトリクス
中へ分散させることができる。

〔発明の効果〕

本発明の情報記録媒体によれば、記録感度が高く、大気
中に保管された場合の寿命が長く、さらに再生信号のＣ
／Ｎ　が高いと云う情報記録媒体Ｉこ必要不可欠な要求
項目を満足させることができる。

本発明の情報記録媒体の製造方法によれば、金）４微粒
子を均一に金属炭化物マトリクス中へ分散できるから、
記録の分解能が高く、従って、高密度記録ができる。

〔発明の実施例〕

次ζこ本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、本発明の一実施例に係る情報記録媒体１０を
模式的に示す図である。第１図中１は、非結晶化しやす
い金属微粒子２が、金属炭化物マトリクス３中に分散し
た記録膜である。基板４は、例えばポリカーボネート、
エポキシ、アクリルなどの有機樹脂あるいはガラスから
構成される。

第２図は、本発明の一実施例に係る情報記−媒体の記録
状態を模式的に示す図である。第２図中５は、記録用レ
ーザビームの照射により光学濃度変化の与えられた金属
微粒子である。この光学濃度変化は、ビーム照射部分と
未照射部分における金属微粒子の結晶状態の違いにより
生成されたものである。

この様に光学濃度変化の形により情報の記録された情報
記録媒体からの再生は、記録時に照射したレーザビーム
の強度で１１５以下のレーザビームを記録膜部こ照射し
、その反射光または透過光をつ、ｙ。

検出器で検出することｔこよって行なう。元学績度変化
の形で与えられた記録情報は、ピット形成に不可避ナリ
ムの形成等を伴なわないため、Ｃ／Ｎの高い再生情報と
して検出できる。

仄に、記・縁膜１を構成する各材料について具体的に説
明する。記録膜１のマトリクスである金属炭化物として
は、第１ｉこ記録媒体の長寿命化の観点から大気中に保
管された場合、水分等に対して安定な金属炭化物であれ
ば、いかなるものも使用可能である。第２にレーザビー
ムの照射に対して安定なマトリクスを維持する観点から
、耐熱性のある金属炭化物であれば、いかなるものも使
用可能である。上記２項目の要請を満足するものとして
以下に挙げるものが適当である。即ち、共有性炭化物で
あるＳ　ｉ　Ｃ、Ｂ、Ｃまたは侵入型炭化物であってＭ
Ｃ型のＴｉｃ、ＺｒＣ，ＨｆＣ，ＶＣ，ＮｂＣ，ＴａＣ
。

Ｍ　ｏ、Ｃ、Ｗｅ　、　ＭＣ，型のＶＣ，、Ｔ　ａ　Ｃ
８，Ｍ　ｏ　Ｃ！　、　ＷＣＩである。これらは、いず
れも熱的・化学的に極めて安定である。

また、これらの金属炭化物マトリクス中ｌこ分散させる
金属微粒子としては、非結晶化しやすい金ＰＡｆ、にら
いかなるものも使用可能であるが、特（こ好ましいもの
は、ＴＩ、Ｖ、Ｚｎ、Ｉｎ、Ｓｉ、Ｇｅ、Ｓｎ、Ｓｂ。

ｔ３ｉ、Ｓｅ、Ｔｅである。

次に、本発明の悄＠１記録媒体の製造方法の一実施例を
第３図を参照して説明する。第３図は本発明の情報記録
媒体における記録膜を形成するためのスパタリング装置
の構成を示したもので、３１は真空容器、３２はガス導
入口、３３は真空ポンプｌこ接続された排気口、３４は
ターゲットの接続さｎる電極、３５は基板が設置される
対向電極、３６は高周波電力を印加するための端子であ
る。

記録膜を形成する場合、対向′成極３５上ζこ基板４を
設置するとともに、電極３４に例えば第４図（こ示すよ
うなターゲットを接続する。第４図に示すターゲットは
、ＳｉＣ等の金属炭化物ターゲット４１上にＧｅ等の金
属ペレット４２を設置し、さらに金属炭化物ターゲット
４１の裏面にバッキングプレート４３を設けたものであ
る。金属ペレット４２の数量は、記録膜１における金属
炭化物マトリクスに対する金属微粒子の占めるべき割合
に応して決定される。

本実施例においては、先ず真空容器３１内部を１０−’
Ｔｏｒｒ程度迄排気した後、ガス導入口３２より例えば
Ａｒ等の布ガスを１．０　’−３Ｔｏｒ　ｒ　〜１０　
”Ｔｏｒｒ、例えばＩ　Ｘ　１０　”Ｔｏｒｒになるよ
う導入する。仄に、端子３６より第４図【こ示したター
ゲット３４Ｇこ尚周波′電力（１３，５６ＭＨＢ）を印
加し、プラズマを発生させる。この工程により対向電極
３５上に設置された基板４上に金属炭化物マトリクス中
ζこ金属微粒子の分散した記録膜が堆積する。’Ａ　ｈ
　ｓ　この記録膜堆積工程の間、基板４を通常用いられ
る方法により回転させることが望ましい。

金属炭化物マトリクス中（こ分散する金属微粒子は、粒
径が小さく、均一番こ分散することが必要である。記録
スポットの形状は照射ビーム径に大略等しいφ１μｍ程
度であるから、金属微粒子の粒径が０．１μｍ以上にな
ると記録スポットの形状が乱れ、従って、再生信号のＣ
／Ｎが低下するからである。

望ま・しい範囲は５〜１１００ｎ、特に好ましいのは１
０〜５０％ｍ　である。上記したスパタリングによる記
録膜の製造方法Ｉこ２いては、基板上に飛来するのが、
凝集することのない金属及び金属炭化物の原子ないし分
子であるから極めて均一に金属微粒子２が金属炭化物マ
トリクス３中に分散した記録膜１を得ることができる。

金属微粒子２の金属炭化物マトリクス３１こ対する割合
は、金属微粒子と金属炭化物との性質及び記録媒体とし
ての光学的吸収率２反射率等を考慮して定められる。望
ましい範囲は、体積係で１０〜７０％の範囲である。金
属微粒子１の含有率が過少であれば光学的吸収率が低下
して記録感度が低下するし、過大であれば金属微粒子ど
おしが凝集してしまい分解能が低下するからである。

記録膜の陵厚ζ寸、記録感度と媒体としての長期安定性
・分解能とを考慮して定められる。膜厚が過大であれば
記録感度の低下を招き、瀞少であれば膜厚方向に存在し
つる金属粒粒子の数量が減少し分解能が低下するととも
に金属微粒子と大気中水分との反応が促進され安定性が
失なわれるからである。望ましい範囲は、膜厚方向に金
属微粒子が少くきも５個以上存在しつる３０〜１０００
ｍである。

次（こ本発明のより具体的な実施例について説明する。

〔実施例−１〕 直径φ８″の８ｉＣターデッドを具備した高周波２極ス
パタリング装置を用い８ｉＣターゲツト上にＳｉＣに対
する面積比で２０％に相当する複数のＧｅペレットを設
置し、対向′成極上にガラス基板を設置した。真空容器
を５　Ｘ　１０　’Ｔｏｒｒに排気した後、Ａｒガスを
２Ｘ１０−”Ｔｏｒｒになるよう導入し５００Ｗの高周
波電力（１３，５６ＭＨ，）　　を印加してプラズマを
１０分間発生させた。この工程により基板上には厚さ９
０ｎｍの記録膜が堆積した。

こうして製作した情報記録媒体を６０　Ｏｒｐｍの速度
で回転させ、出力ＩＱｍＷ、パルス＠１μｓｅｃのＧａ
Ａｌ？Ａｓ半導体レーザビーム（波長８３０ｎｍ）を照
射して記録を行なった。次に０，５ｍＷの連続ビームを
照射して再生を行なった。反射光ｌこおける記録部分と
未記録部分との再生信号コントラスト比は０．５と云う
良い値が得られた。この記録済の情報記録媒体の記録膜
表面を光学顕微鏡で観察したところ、配録用レーザビー
ムの照射部の光学濃度は、未照射部に比べ高くなってい
ることが確認された。

次に、この記録済の情報記録媒体を７０℃、８５％ＲＨ
の条件に設定されている恒温恒湿槽に１０日間放置した
。この加速劣化テストを行なった情報記録媒体の記録膜
表面を光学顕微鏡で観察したと゛　　ころ、ピンホール
の発生等劣化の兆候と云うべき状態変化は認められなか
った。

次に本実施例−１と同一条件でＫＢｒ　　上に堆積させ
た記録膜をＫ　Ｂ　ｒから剥離後、透過型電子顕微鏡で
観察したところ、Ｇｅの微粒子が均一にＳｉＣマトリク
ス中に分散しているのが認められた。

Ｇｅ微粒子の粒径は約２Ｑｎｍであり、５ｔｓＮ、マド
ｊ　　　リクスに対するＧｅ微粒子の割合は、体積率で
４０チと求められた。

〔実施例−２〕 実施１（１１−１と同一のスパタリング装置を用い、Ｔ
ｉＣを金属炭化物ターゲット、金属ペレットとしてＴｅ
、８ｅ、Ｓｂ、旧とした４種の情報記録媒体を製作した
。金属ペレットのＴｉＣターゲットｉこ対する面積比は
いずれも４０チ、印加電力はいずれも４００Ｗ、［厚は
いずれも１００ｒ＋ｍである。実施例＝１と同様に記録
再生特性を調べたところ実施例−１と同様に良好な結果
が得られた。

〔実施例−３〕 実施例−１と同一のスパタリング装置を用い、Ｇｅを金
属ペレット、金属炭化物ターゲットとしてＺｒＣ，Ｈｆ
Ｃ，ＴａＣ，ＮｂＣとした４棟の情報記録媒体を製作し
た。Ｇｅペレットの金属窒化物ターゲットに対する面積
比はいずれも３０％、印加電力はいずれも５００Ｗ、膜
厚はいずれも１１００ｎである。実施例−１と同様にし
て配録再生特性を調べたところ、再生信号におけるコン
トラスト比は０．４以上という良好な結果が得られた。

次に、この情報記録媒体を７０℃、８５４ＲＨの条件の
恒温恒湿槽に１０日間放置した。放置後、記録面を光学
顕微鏡で観察したところ、ピンホールの発生は認められ
なかった。比較例としてＧｅのみからなる記録媒体を製
作し、同一条件で加速劣化テストを行なった。１０日間
放置したＧｅ膜には明らかなピンホールの発生が認めら
れた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る情報記録媒体の断面を
模式的に示す図、第２図は本発明の一実施例に係る情報
記録媒体の記録後の状態における断面を模式的に示す図
、第３図は本発明の情報記録媒体の製造法を説明するた
めのスパタリング装置の構造を模式的に示す図、第４図
は本発明の情報配録媒体における記録膜形成に用いるタ
ーゲットの一例を示す図である。 １・・・記録膜、２・・・金属微粒子、３・・・金属炭
化物マ）　ＩＪクス、４・一基板、５・・・光学濃度の
変化した金属微粒子、１０・・・本発明の情報記録媒体
、３１・・・真空容器、３２・・・ガス導入口、３３・
・・排気口、３４・・・電極、３５・・・対向電極、３
６・・・電力端子、４１・・・金属炭化物ターゲット、
４２・・・金属ベレット、４３・・・バッキングプレー
ト。 代理人弁理士　　則　近　憲　佑（ほか１名）第１図 第２図 第８図 第４図

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）基板上に形成された記録膜にレーザビームを照射
   して、光学的に検出可能な光学濃度変化を与えて記録を
   行なう情報記録媒体において、前記記録膜は金属炭化物
   マトリクス中に金属微粒子の分散する構成であることを
   特徴とする情報記録媒体。
2. （２）金属微粒子が低融点金属からなることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の情報記録媒体。
3. （３）金属微粒子がＺｎ、Ｉｎ、Ｇｅ、Ｓｎ、Ｓｂ、Ｂ
   ｉ、Ｓｅ、Ｔｅのうちのいずれかを含むことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の情報記録媒体。
4. （４）金属炭化物がＳｉＣ、ＴｉＣのいずれかであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の情報記録媒
   体。
5. （５）基板上に形成された記録膜にレーザビームを照射
   して、光学的に検出可能な光学濃度変化を与えて記録を
   行なう情報記録媒体の製造方法において、該記録膜は金
   属炭化物マトリクス中に金属微粒子の分散する構成であ
   り、スパタリングにより金属炭化物マトリクスの形成と
   金属微粒子の分散とを同時に行なうことを特徴とする情
   報記録媒体の製造方法。