JP3017125B2 - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JP3017125B2
JP3017125B2 JP9103564A JP10356497A JP3017125B2 JP 3017125 B2 JP3017125 B2 JP 3017125B2 JP 9103564 A JP9103564 A JP 9103564A JP 10356497 A JP10356497 A JP 10356497A JP 3017125 B2 JP3017125 B2 JP 3017125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディスクに関し、
特に、金属反射膜を有する第1の基板と半透明膜を有す
る第2の基板とを光硬化性透明接着剤で貼り合わせた構
造を持ち、半透明膜の特性を活かしてディスクの片面か
ら第1、第2の基板の両方に記録された情報にアクセス
可能な高密度記録光ディスクおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】単一波長の読み出しビームで2層に記録
された情報を片面から読み出し可能な光ディスクの構成
を図1に示す。このディスクは、信号面に反射膜(例え
ばAl合金膜)が形成されたポリカーボネート樹脂など
からなる透明基板1と、信号面に 使用レーザ波長領域
の光を、例えば30%程度反射するように設計された半
透明膜4が形成された透明基板3を、それぞれの信号面
を内側にして透明接着剤5で貼り合わせた構造を持って
いる。信号の再生原理は、1層目の記録面に記録された
情報はレーザ光6の焦点を半透明膜4側の信号面に合わ
せ、半透明膜4からの反射光7の強度を検出器で検出
し、2層目の信号面に記録された情報はレーザ光8の焦
点を反射膜2側の信号面に合わせ、半透膜膜4を通過し
た戻り光9の強弱を検出器で検出する。この1層目およ
び2層目からのそれぞれの反射率は30±10%程度が
必要で、しかもこの範囲内で1層目、2層目それぞれの
反射率が近い値をとることが好ましい。
【0003】このディスクを作製する上では、2枚のデ
ィスクを光硬化性透明接着剤で均一に貼り合わせる技術
と、半透明膜の材料選択と光学設計が重要なポイントと
なる。光硬化性透明接着剤で均一に貼り合わせる技術と
しては、2Pスピンコート法、2Pプレス法があるが、
膜厚の均一性、生産性、脱泡の面から2Pスピンコート
法が有利である。2Pスピンコート装置について詳細に
述べると、1枚目のディスクを接着面を上向きにしてス
ピンナーテーブルの上に載せ、例えば20rpmの低速
で回転させながらディスクの半径方向中央部(例えば半
径40mmの位置付近)に光硬化性透明接着剤を円環状
に滴下し、滴下完了後2枚目のディスクを接着面を下向
きにして落下させると、光硬化性透明接着剤は上側ディ
スクの自重で内周側、外周側へ円環の幅を広げながら展
開し始める。内周側へ十分に展開したところでスピンナ
ーテーブルを例えば2000rpm以上で回転させ2枚
の光ディスクの界面の全面に光硬化性透明接着層を形成
することができる。この方法に用いられる光硬化性接着
剤としては作業性の面から室温で粘度300〜600c
psのものが一般的である。また、硬化前の光硬化性接
着剤の表面張力は、反射膜および半透明膜との密着性に
主眼をおき、20℃における値が、28〜36dyn・
cm-1が一般的である。この表面張力の調整には界面活
性剤が用いられる。
【0004】次に半透明膜であるが、材料としては、A
u、Ag、Cuがその反射率の高さから有望であるが、
Auは価格の問題、Cuは耐久性の問題があり、Agが
有利である。ただし、金属薄膜の場合、その結晶粒の大
きさ如何によっては、使用した光硬化性接着剤の表面張
力との関係で、光硬化性接着剤が金属薄膜中に浸透して
ディスクの反射率にばらつきを生じ、再生信号波形が不
明瞭になることがある。誘電体薄膜材料では、SiN
x ,SiOx などが有望であるが、反応性スパッタに所
以する基板からの脱ガスの影響などを十分に制御する必
要があるなど、各材料とも一長一短がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のこの様
な問題を解決し、安価で、耐久性に富み、片面からの2
層読み出しを良好に行うことのできる光ディスクを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による光ディスク
の製造方法は、金属反射膜を有する第1の基板と、半透
明膜を有する第2の基板とを光硬化性透明接着剤によっ
て貼り合わせて光ディスクを製造する方法において、前
記第2の基板に前記半透明膜としてAgまたはAgを主
成分とする合金からなり、厚さが125Å以上かつ22
5Å以下である半透明膜を形成する工程、および前記半
透明膜の平均結晶粒径をY(Å)としたとき、硬化前の
20℃における表面張力Xが、Y≦40X−350、た
だし20≦X≦38、を満足する光硬化性透明接着剤に
よって前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせる
工程を有することを特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、片面2層読み
出しのための半透明膜として、AgまたはAgを主成分
とする合金を用いる。半透明膜の厚さは125Å〜22
5Åであり、半透明膜の膜厚が125Åより薄いと読み
出し光の大部分が透過して反射光の強度が弱くなり過
ぎ、逆に半透明膜の膜厚が225Åより厚いと読み出し
光の大部分が反射して第2層の読み出しが不可能とな
る。Agを主成分とする合金半透明膜に添加されるC
u、W、およびMgの量は0.5at%〜10at%で
あり、0.5at%より少ないと平均結晶粒径が大きく
なって、使用可能な光硬化性接着剤の選択の幅が狭くな
り、10at%より多いと反射率の低下を招く。
【0011】そして、その半透明膜の結晶粒径に最適な
表面張力を有する光硬化性透明接着剤を用いて2枚のデ
ィスクを貼り合わせる。光硬化性透明接着剤として、以
下の実施例では、アクリレート系のオリゴマーおよびモ
ノマーに光重合開始剤、増感剤を配合した紫外可視光硬
化タイプの粘度500cps(25℃)のものを用い
た。比較例および実施例中に記述の表面張力の調整は界
面活性剤を添加して行った。界面活性剤の添加限界は1
%程度で、表面張力の下限は18dyn・cm-1(20
℃)程度が限界であった。ウレタン系の接着剤も使用可
能である。
【0012】以下に実施例および比較例を挙げて本発明
をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えな
い限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】比較例1 ターゲットが自転および公転可能なスパッタリング装置
を用い、Agターゲットを装着して直径120mm、厚
さ0.575mmのポリカーボネート基板の信号面側
に、Arガス流量50sccm、スパッタ圧力1mTo
rr、スパッタ電力0.25kW、スパッタ時間42s
ecの条件で、厚さ175ÅのAg膜を製膜した。この
膜の結晶粒の大きさはX線回折による粒径評価により平
均930Åであった。この値は製膜条件によっても多少
変化する。次に、公知の方法によって、Ag膜上に記録
層を形成し、情報を記録した。別の直径120mm、厚
さ0.6mmのポリカーボネート基板を用い、Al合金
ターゲットを装着してDCマグネトロンスパッタリング
法により平均厚さ600ÅのAl合金膜を製膜した。さ
らに、公知の方法によってAl合金膜上に記録層を形成
し、情報を記録した。この様にしてAg膜が製膜された
ディスクとAl合金膜が製膜されたディスクを、それぞ
れの製膜面を内側にして20℃における表面張力30d
yn・cm-1の光硬化性接着剤で2Pスピンコート法で
貼り合わせようとしたところ、光硬化性接着剤が塗布直
後に大部分の領域でAg膜内部に浸透し、その部分に大
きな変色が認められた。そのため、これ以上のディスク
作製を中断した。
【0014】比較例2 20℃における表面張力が31dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例1と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、ディスク外観を調査したところ、比較例1に示
したような光硬化性接着剤のAg膜内部への浸透に基づ
く変色は肉眼では観察されなかった。このディスクにつ
いて、Ag膜側からAg膜およびAl合金膜に波長65
0nmのレーザダイオードの焦点を合わせ、それぞれの
反射率を測定したところ、Ag膜側からの反射率、Al
膜側からの反射率は、それぞれ31%および33%で所
望の反射率を満足していた。しかし、オシロスコープで
観察したAl合金膜からの再生信号波形は非常に不明瞭
で、光硬化性接着剤が僅かではあるがAg膜中に浸透し
ていると想定された。
【0015】実施例1 20℃における表面張力が32dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例1と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、Ag膜側からAg膜およびAl合金膜に波長6
50nmのレーザダイオードの焦点を合わせ、それぞれ
の反射率を測定したところ、Ag膜側からの反射率、A
l膜側からの反射率は、それぞれ31%および33%で
所望の反射率を満足していた。また、Al合金膜側から
の再生信号波形も明瞭であった。これは、光硬化性接着
剤の表面張力が増加し、光硬化性接着剤のAg膜への浸
透が抑えられたことによる。
【0016】実施例2 20℃における表面張力が38dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例1と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、Ag膜側からAg膜およびAl合金膜に波長6
50nmのレーザダイオードの焦点を合わせ、それぞれ
の反射率を測定したところ、Ag膜側からの反射率、A
l膜側からの反射率は、それぞれ31%および33%で
所望の反射率を満足していた。また、Al合金膜側から
の再生信号波形も明瞭であった。これは、実施例1と同
様に、光硬化性接着剤の表面張力が増加し、光硬化性接
着剤のAg膜への浸透が抑えられたことによる。
【0017】比較例3 20℃における表面張力が39dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例1と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、Ag膜側からAg膜およびAl合金膜に波長6
50nmのレーザダイオードの焦点を合わせ、それぞれ
の反射率を測定したところ、Ag膜側からの反射率、A
l膜側からの反射率は、それぞれ31%および33%で
所望の反射率を満足していた。また、Al合金膜側から
の再生信号波形も実施例1、実施例2と同じ結果が得ら
れた。しかし、このディスクの透明接着層には泡の形成
が認められた。これは、接着剤の表面張力が高過ぎ、反
射膜および半透明膜との濡れ性が悪く、そのために貼り
合わせ時に泡の混入頻度が高くなったためと想定され
た。
【0018】比較例4 AgCu1.5at%合金ターゲットを装着し、比較例
1と同じように直径120mm、厚さ0.575mmの
ポリカーボネート基板の信号面に、Arガス流量50s
ccm、スパッタ圧力1mTorr、スパッタ電力0.
25kW、スパッタ時間42secの条件で、厚さ17
5ÅのAgCu合金膜を製膜した。製膜速度はAg膜の
場合とほぼ同じであった。この膜の結晶粒の大きさはX
線回折による粒径評価の結果より平均800Åであっ
た。次に、公知の方法によって、AgCu膜上に記録層
を形成し、情報を記録した。
【0019】このAgCu合金膜が製膜されたディスク
と、比較例1と同じ方法でAl膜が製膜されたディスク
を、それぞれの製膜面を内側にして20℃における表面
張力27dyn・cm-1の光硬化性接着剤で2Pスピン
コート法で貼り合わせようとしたところ、光硬化性接着
剤が塗布直後に大部分の領域でAgCu合金膜内部に浸
透し、その部分に大きな変色が認められた。そのため、
これ以上のディスク作製を中断した。
【0020】比較例5 20℃における表面張力が28dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例4と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、ディスク外観を調査したところ、比較例4に示
したような光硬化性接着剤のAgCu合金膜内部への浸
透に基づく変色は肉眼では観察されなかった。このディ
スクについて、AgCu合金膜側からAgCu合金膜お
よびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオードの
焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、A
gCu合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率
は、それぞれ31%および33%で所望の反射率を満足
していた。しかし、オシロスコープで観察したAl合金
膜からの再生信号波形は非常に不明瞭で、光硬化性接着
剤が僅かではあるがAgCu合金膜中に浸透していると
想定された。
【0021】実施例3 20℃における表面張力が29dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例4と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCu合金膜側からAgCu合金膜およびA
l合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦点を
合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、AgCu
合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率は、それ
ぞれ31%および33%で所望の反射率を満足してい
た。また、Al合金膜側からの再生信号波形も明瞭であ
った。これは、光硬化性接着剤の表面張力が増加し、光
硬化性接着剤のAgCu合金膜への浸透が抑えられたこ
とによる。
【0022】実施例4 20℃における表面張力が38dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例4と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCu合金膜側からAgCu合金膜およびA
l合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦点を
合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、AgCu
合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率は、それ
ぞれ31%および33%で所望の反射率を満足してい
た。また、Al合金膜側からの再生信号波形も明瞭であ
った。これは、実施例3と同様に光硬化性接着剤の表面
張力が増加し、光硬化性接着剤のAgCu合金膜への浸
透が抑えられたことによる。
【0023】比較例6 20℃における表面張力が39dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例4と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCu合金膜側からAgCu合金膜およびA
l合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦点を
合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、AgCu
合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率は、それ
ぞれ31%および33%で所望の反射率を満足してい
た。また、Al合金膜側からの再生信号波形も実施例
3、実施例4と同じ結果が得られた。しかし、このディ
スクの透明接着層には泡の形成が認められた。これは、
接着剤の表面張力が高過ぎ、反射膜および半透明膜との
濡れ性が悪く、そのために貼り合わせ時に泡の混入頻度
が高くなったためである。
【0024】比較例7 Ag(CuW)1.5at%合金ターゲットを装着し、
比較例1と同じように直径120mm、厚さ0.575
mmのポリカーボネート基板の信号面に、Arガス流量
50sccm、スパッタ圧力1mTorr、スパッタ電
力0.25kW、スパッタ時間42secの条件で、厚
さ175ÅのAgCuW合金膜を製膜した。製膜速度は
Ag膜の場合とほぼ同じであった。この膜の結晶粒の大
きさはX線回折による粒径評価の結果より平均600Å
であった。次に、公知の方法によって、AgCuW膜上
に記録層を形成し、情報を記録した。
【0025】このAgCuW合金膜が製膜されたディス
クと、比較例1と同じ方法でAl膜が製膜されたディス
クを、それぞれの製膜面を内側にして20℃における表
面張力22dyn・cm-1の光硬化性接着剤で2Pスピ
ンコート法で貼り合わせようとしたところ、光硬化性接
着剤が塗布直後に大部分の領域でAgCuW合金膜内部
に浸透し、その部分に大きな変色が認められた。そのた
め、これ以上のディスク作製を中断した。
【0026】比較例8 20℃における表面張力が23dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例7と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、ディスク外観を調査したところ、比較例7に示
したような光硬化性接着剤のAgCuW膜内部への浸透
に基づく変色は肉眼では観察されなかった。このディス
クについて、AgCuW合金膜側からAgCuW合金膜
およびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオード
の焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、
AgCuW合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射
率は、それぞれ31%および33%で所望の反射率を満
足していた。しかし、オシロスコープで観察したAl合
金膜からの再生信号波形は非常に不明瞭で、あった。こ
れは光硬化性接着剤が僅かではあるがAgCuW合金膜
中に浸透していることによる。
【0027】実施例5 20℃における表面張力が24dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例7と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCuW合金膜側からAgCuW合金膜およ
びAl合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦
点を合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、Ag
CuW合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率
は、それぞれ31%および33%で所望の反射率を満足
していた。また、Al合金膜側からの再生信号波形も明
瞭であった。これは、光硬化性接着剤の表面張力が増加
し、光硬化性接着剤のAgCuW合金膜への浸透が抑え
られたことによる。
【0028】実施例6 20℃における表面張力が32dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例7と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCuW合金膜側からAgCuW合金膜およ
びAl合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦
点を合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、Ag
CuW合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率
は、それぞれ31%および33%で所望の反射率を満足
していた。また、Al合金膜側からの再生信号波形も明
瞭であった。これは、光硬化性接着剤の表面張力が増加
し、光硬化性接着剤のAgCuW合金膜への浸透が抑え
られたことによる。
【0029】実施例7 20℃における表面張力が38dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例7と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCuW合金膜側からAgCuW合金膜およ
びAl合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦
点を合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、Ag
CuW合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率
は、それぞれ31%および33%で所望の反射率を満足
していた。また、Al合金膜側からの再生信号波形も明
瞭であった。これは、実施例3と同様に光硬化性接着剤
の表面張力が増加し、光硬化性接着剤のAgCuW合金
膜への浸透が抑えられたことによる。
【0030】比較例9 20℃における表面張力が39dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例7と同じ条件で2
枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスクに
ついて、AgCuW合金膜側からAgCuW合金膜およ
びAl合金膜に波長650nmのレーザダイオードの焦
点を合わせ、それぞれの反射率を測定したところ、Ag
CuW合金膜側からの反射率、Al膜側からの反射率
は、それぞれ31%および33%で所望の反射率を満足
していた。また、Al合金膜側からの再生信号波形も実
施例1、実施例2と同じ結果が得られた。しかし、この
ディスクの透明接着層には泡の形成が認められた。これ
は、接着剤の表面張力が高過ぎ、反射膜および半透明膜
との濡れ性が悪く、そのために貼り合わせ時に泡の混入
頻度が高くなったためである。
【0031】比較例10 Ag(CuMg)1.5at%合金ターゲットを装着
し、比較例1と同じように直径120mm、厚さ0.5
75mmのポリカーボネート基板の信号面に、Arガス
流量50sccm、スパッタ圧力1mTorr、スパッ
タ電力0.25kW、スパッタ時間42secの条件
で、厚さ175ÅのAgCuW合金膜を製膜した。製膜
速度はAg膜の場合とほぼ同じであった。この膜の結晶
粒の大きさはX線回折による粒径評価の結果より平均4
50Åであった。次に、公知の方法によって、AgCu
Mg膜上に記録層を形成し、情報を記録した。
【0032】このAgCuMg合金膜が製膜されたディ
スクと、比較例1と同じ方法でAl膜が製膜されたディ
スクを、それぞれの製膜面を内側にして20℃における
表面張力18dyn・cm-1の光硬化性接着剤で2Pス
ピンコート法で貼り合わせようとしたところ、光硬化性
接着剤が塗布直後に大部分の領域でAgCuW合金膜内
部に浸透し、その部分に大きな変色が認められた。その
ため、これ以上のディスク作製を中断した。
【0033】比較例11 20℃における表面張力が19dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例10と同じ条件で
2枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスク
について、ディスク外観を調査したところ、比較例10
に示したような光硬化性接着剤のAgCuMg膜内部へ
の浸透に基づく変色は肉眼では観察されなかった。この
ディスクについて、AgCuMg合金膜側からAgCu
Mg合金膜およびAl合金膜に波長650nmのレーザ
ダイオードの焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定し
たところ、AgCuMg合金膜側からの反射率、Al膜
側からの反射率は、それぞれ31%および33%で所望
の反射率を満足していた。しかし、オシロスコープで観
察したAl合金膜からの再生信号波形は非常に不明瞭
で、光硬化性接着剤が僅かではあるがAgCuMg合金
膜中に浸透していることによる。
【0034】実施例8 20℃における表面張力が20dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例10と同じ条件で
2枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスク
について、AgCuMg合金膜側からAgCuMg合金
膜およびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオー
ドの焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したとこ
ろ、AgCuMg合金膜側からの反射率、Al膜側から
の反射率は、それぞれ31%および33%で所望の反射
率を満足していた。また、Al合金膜側からの再生信号
波形も明瞭であった。これは、光硬化性接着剤の表面張
力が増加し、光硬化性接着剤のAgCuMg合金膜への
浸透が抑えられたことによる。
【0035】実施例9 20℃における表面張力が28dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例10と同じ条件で
2枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスク
について、AgCuMg合金膜側からAgCuMg合金
膜およびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオー
ドの焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したとこ
ろ、AgCuMg合金膜側からの反射率、Al膜側から
の反射率は、それぞれ31%および33%で所望の反射
率を満足していた。また、Al合金膜側からの再生信号
波形も明瞭であった。これは、光硬化性接着剤の表面張
力が増加し、光硬化性接着剤のAgCuMg合金膜への
浸透が抑えられたことによる。
【0036】実施例10 20℃における表面張力が32dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例10と同じ条件で
2枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスク
について、AgCuMg合金膜側からAgCuMg合金
膜およびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオー
ドの焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したとこ
ろ、AgCuMg合金膜側からの反射率、Al膜側から
の反射率は、それぞれ31%および33%で所望の反射
率を満足していた。また、Al合金膜側からの再生信号
波形も明瞭であった。これは、光硬化性接着剤の表面張
力が増加し、光硬化性接着剤のAgCuMg合金膜への
浸透が抑えられたことによる。
【0037】実施例11 20℃における表面張力が38dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例10と同じ条件で
2枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスク
について、AgCuMg合金膜側からAgCuMg合金
膜およびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオー
ドの焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したとこ
ろ、AgCuW合金膜側からの反射率、Al膜側からの
反射率は、それぞれ31%および33%で所望の反射率
を満足していた。また、Al合金膜側からの再生信号波
形も明瞭であった。これは、実施例3と同様に光硬化性
接着剤の表面張力が増加し、光硬化性接着剤のAgCu
Mg合金膜への浸透が抑えられたことによる。
【0038】比較例12 20℃における表面張力が39dyn・cm-1の光硬化
性接着剤で貼り合わせた以外は比較例10と同じ条件で
2枚のディスクを貼り合わせた。貼り合わせたディスク
について、AgCuMg合金膜側からAgCuMg合金
膜およびAl合金膜に波長650nmのレーザダイオー
ドの焦点を合わせ、それぞれの反射率を測定したとこ
ろ、AgCuMg合金膜側からの反射率、Al膜側から
の反射率は、それぞれ31%および33%で所望の反射
率を満足していた。また、Al合金膜側からの再生信号
波形も実施例1、実施例2と同じ結果が得られた。しか
し、このディスクの透明接着層には泡の形成が認められ
た。これは、接着剤の表面張力が高過ぎ、反射膜および
半透明膜との濡れ性が悪く、そのために貼り合わせ時に
泡の混入頻度が高くなったためである。
【0039】以上の結果を図2にまとめて示す。折れ線
ABCより左では接着剤が半透明膜中に浸透し、線DE
より右では接着在中に泡が存在する。良好な結果が得ら
れるのは、折れ線ABCと線DEの間の領域、すなわ
ち、半透明膜の平均結晶粒径をY(Å)、光硬化性透明
接着剤の硬化前の20℃における表面張力をX(dyn
・cm-1)としたとき、平均結晶粒径Yと表面張力Xの
関係が、Y≦40X−350、ただし20≦X≦38、
を満足する範囲である。なお、半透明膜として、Wおよ
びMgが単独でAgに添加されてもよく、Cu、W、M
gの3種が同時にAgに添加されてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半透明膜の材料としたAgまたはAgを主成分とする合
金を用い、その結晶粒の大きさに最適な表面張力を有す
る光硬化性透明接着剤を使用して2枚のディスクを貼り
合わせるので、単一波長の光で片面2層読み出し可能な
光ディスクを効率よく作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面2層読み出しディスクの構成を説明する図
である。
【図2】本発明実施例および比較例における貼り合わせ
結果に対する結晶粒の大きさと接着剤の表面張力の影響
を示す線図である。
【符号の説明】
1、3 透明基板 2 反射膜 4 半透明膜 5 光硬化性透明接着剤層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属反射膜を有する第1の基板と、半透
    明膜を有する第2の基板とを光硬化性透明接着剤によっ
    て貼り合わせて光ディスクを製造する方法において、 前記第2の基板に前記半透明膜としてAgまたはAgを
    主成分とする合金からなり、厚さが125Å以上かつ2
    25Å以下である半透明膜を形成する工程、および前記
    半透明膜の平均結晶粒径をY(Å)としたとき、硬化前
    の20℃における表面張力Xが、Y≦40X−350、
    ただし20≦X≦38、を満足する光硬化性透明接着剤
    によって前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせ
    る工程を有することを特徴とする光ディスクの製造方
    法。
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