JP2620088B2 - 光磁気記録素子及びその製法 - Google Patents
光磁気記録素子及びその製法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は書換え可能なディスク等に用いられる光磁気
記録素子に関し、耐候性、硬度及び耐環境性に優れ且つ
製造効率を高めることができた光磁気記録素子並びにそ
の製法に関するものである。
記録素子に関し、耐候性、硬度及び耐環境性に優れ且つ
製造効率を高めることができた光磁気記録素子並びにそ
の製法に関するものである。
近時、書換えが可能な光磁気記録媒体が盛んに研究さ
れており、この記録方式はその媒体に集束レーザー光を
投光して局部加熱し、これによってビットを書込み、そ
して、磁気光学効果を利用して読出すという点が特徴で
あり、この媒体には希土類元素−遷移金属元素から成る
非晶質金属磁化膜が注目されている。
れており、この記録方式はその媒体に集束レーザー光を
投光して局部加熱し、これによってビットを書込み、そ
して、磁気光学効果を利用して読出すという点が特徴で
あり、この媒体には希土類元素−遷移金属元素から成る
非晶質金属磁化膜が注目されている。
この希土類元素にはGd,Tb,Dy等が、一方の遷移金属に
はFe,Co等が提案され、それぞれの元素を少なくとも一
種選択して組合せ、これによって媒体用材料としてお
り、例えばGdDyFe,GdTbFe,DyFeCo等がある。
はFe,Co等が提案され、それぞれの元素を少なくとも一
種選択して組合せ、これによって媒体用材料としてお
り、例えばGdDyFe,GdTbFe,DyFeCo等がある。
ところが、このような磁性媒体は酸化され易いという
欠点があり、この酸化が進行すると媒体が透明化し、光
磁気特性を低下させる。そこで、本発明者等はこの磁性
媒体の上に保護層を形成して耐酸化性及び耐食性を高め
ることを既に特願昭61−257750号により提案した。
欠点があり、この酸化が進行すると媒体が透明化し、光
磁気特性を低下させる。そこで、本発明者等はこの磁性
媒体の上に保護層を形成して耐酸化性及び耐食性を高め
ることを既に特願昭61−257750号により提案した。
この提案によれば、磁性層の上にチタニウム金属、チ
タニウム金属合金又は化学量論組成に至らないチタニウ
ム化合物のいずれかから選択されたチタニウム系保護層
並びに樹脂保護層を順次形成する。そして、このチタニ
ウム系保護層(以下、チタニウムをTiと略す)により記
録感度を損わずに磁性層の耐食性を格段に高めることが
でき、更に樹脂保護層によりその耐食性効果を維持せし
めている。
タニウム金属合金又は化学量論組成に至らないチタニウ
ム化合物のいずれかから選択されたチタニウム系保護層
並びに樹脂保護層を順次形成する。そして、このチタニ
ウム系保護層(以下、チタニウムをTiと略す)により記
録感度を損わずに磁性層の耐食性を格段に高めることが
でき、更に樹脂保護層によりその耐食性効果を維持せし
めている。
しかし乍ら、このような保護層においては、Ti系保護
層と樹脂保護層のいずれも硬度が低く、そのためにこの
表面に傷が付き易くなり、所謂、耐傷性に劣る。特に磁
界変調用バイアス磁界印加ヘッドを磁性層に近づけた場
合、ディスク基板の面振れ、装置自体の振動などにより
ディスク表面と磁界印加ヘッドが接触し、記録ビットも
しくはガイドトラックに損傷を与える恐れがある(これ
はヘッドクラッシュと呼ばれる)。
層と樹脂保護層のいずれも硬度が低く、そのためにこの
表面に傷が付き易くなり、所謂、耐傷性に劣る。特に磁
界変調用バイアス磁界印加ヘッドを磁性層に近づけた場
合、ディスク基板の面振れ、装置自体の振動などにより
ディスク表面と磁界印加ヘッドが接触し、記録ビットも
しくはガイドトラックに損傷を与える恐れがある(これ
はヘッドクラッシュと呼ばれる)。
また、保護層はスパッタリング法、真空蒸着法又はCV
D法などの薄膜形成手段により形成されるが、その形成
に当たっては高い成膜速度が望まれる。
D法などの薄膜形成手段により形成されるが、その形成
に当たっては高い成膜速度が望まれる。
更に光磁気記録素子には温度や湿度等の変化又はその
過酷な条件下においても記録感度を低下せしめないよう
な優れた耐環境性が要求される。
過酷な条件下においても記録感度を低下せしめないよう
な優れた耐環境性が要求される。
従って本発明の目的は磁性媒体の腐蝕を防ぎ、高い記
録感度をもつ高性能な光磁気記録素子を提供することに
ある。
録感度をもつ高性能な光磁気記録素子を提供することに
ある。
本発明の他の目的は磁性媒体用保護層の耐傷性を高
め、そして、耐環境性にも優れた高信頼性の光磁気記録
素子を提供することにある。
め、そして、耐環境性にも優れた高信頼性の光磁気記録
素子を提供することにある。
本発明の更に他の目的はヘッドクラッシュをなくし、
磁界変調用に適した光磁気記録素子を提供することにあ
る。
磁界変調用に適した光磁気記録素子を提供することにあ
る。
更に本発明の目的は上記のような光磁気記録素子を製
作するに当たって、その磁性媒体用保護層を高い成膜速
度で形成できる光磁気記録素子の製法を提供することに
ある。
作するに当たって、その磁性媒体用保護層を高い成膜速
度で形成できる光磁気記録素子の製法を提供することに
ある。
本発明によれば、基体上に少なくとも膜面に垂直な方
向に磁化容易軸を有する非晶質磁性層とチタニウム酸化
物から成る非磁性層とが形成され、該非磁性層はチタニ
ウム原子に対する酸素原子比率が0.05〜0.90の範囲内に
設定されていることを特徴とする光磁気記録素子が提供
される。
向に磁化容易軸を有する非晶質磁性層とチタニウム酸化
物から成る非磁性層とが形成され、該非磁性層はチタニ
ウム原子に対する酸素原子比率が0.05〜0.90の範囲内に
設定されていることを特徴とする光磁気記録素子が提供
される。
更に本発明によれば、基体上に少なくとも膜面に垂直
な方向に磁化容易軸を有する非晶質磁性層とチタニウム
酸化物から成る非磁性層を気相成長させる光磁気記録素
子の製法であって、チタニウム金属から成るターゲット
並びに不活性ガス及び酸素ガスから成るスパッタリング
用ガスを具備した反応性スパッタリング法によりチタニ
ウム原子に対する酸素原子比率が0.05〜0.90の範囲内に
設定された前記非磁性層を形成することを特徴とする光
磁気記録素子の製法が提供される。
な方向に磁化容易軸を有する非晶質磁性層とチタニウム
酸化物から成る非磁性層を気相成長させる光磁気記録素
子の製法であって、チタニウム金属から成るターゲット
並びに不活性ガス及び酸素ガスから成るスパッタリング
用ガスを具備した反応性スパッタリング法によりチタニ
ウム原子に対する酸素原子比率が0.05〜0.90の範囲内に
設定された前記非磁性層を形成することを特徴とする光
磁気記録素子の製法が提供される。
本発明の光磁気記録素子は磁性層が形成される基体と
して種々の形状を取り得るが、以下、ディスク用基板を
例にとって詳細に説明する。
して種々の形状を取り得るが、以下、ディスク用基板を
例にとって詳細に説明する。
第1図及び第2図は本発明光磁気記録素子の典型的な
層構成を示しており、基板1上に干渉層2を介して磁性
層3を形成し、この磁性層3の上に前記したようなチタ
ニウム酸化物(以下、TiOXと略す)から成る保護層4を
形成する。或いは第2図に示すように第1図の積層構成
より干渉層2を除いてもよい。
層構成を示しており、基板1上に干渉層2を介して磁性
層3を形成し、この磁性層3の上に前記したようなチタ
ニウム酸化物(以下、TiOXと略す)から成る保護層4を
形成する。或いは第2図に示すように第1図の積層構成
より干渉層2を除いてもよい。
本発明においては、このTiOX保護層4のチタニウム
(Ti)原子に対する酸素(O)原子の組成比率が0.05〜
0.90、好適には0.10〜0.75の範囲内になるように設定す
ることが重要である。
(Ti)原子に対する酸素(O)原子の組成比率が0.05〜
0.90、好適には0.10〜0.75の範囲内になるように設定す
ることが重要である。
この原子組成比率が0.05未満の場合には硬度が低下
し、その成膜速度が小さくなる。一方、0.90を越える場
合には耐熱衝撃性に劣ったり、或いは成膜速度が小さく
なる。
し、その成膜速度が小さくなる。一方、0.90を越える場
合には耐熱衝撃性に劣ったり、或いは成膜速度が小さく
なる。
このようにTiOX保護層はTi原子と0原子の組成比率が
重要であるが、原子間の結合状態については未だ十分に
解明しきれていない。
重要であるが、原子間の結合状態については未だ十分に
解明しきれていない。
また、Ti原子は0原子と結合し易い性質があり,その
ためにTiOX層形成後にその表層部が若干多く0原子が含
まれている場合があるが、このような表層部の0原子組
成比率は本発明の上記比率より除外する。
ためにTiOX層形成後にその表層部が若干多く0原子が含
まれている場合があるが、このような表層部の0原子組
成比率は本発明の上記比率より除外する。
このTiOX保護層4の厚みは200〜2000Å、好適には400
〜800Åの範囲内に設定すればよく、この範囲内であれ
ば記録感度を低下させずに高い保護膜効果が実現でき
る。
〜800Åの範囲内に設定すればよく、この範囲内であれ
ば記録感度を低下させずに高い保護膜効果が実現でき
る。
また、TiOX保護層4はTi原子と0原子を主要構成原子
とするものであるが、上記原子以外の原子の含有を排除
するものではない。例えば、反応性スパッタリング法に
より形成する場合、そのターゲットにTi金属を用いる
が、そのターゲットに含まれる他の金属が成膜に伴って
含有されてもよく、これら他種金属には、例えばAlCr1,
Si,Mn,Mo,V,Zr等がある。或いは薄膜形成に伴って残留
空気中のN2ガスが混入される場合もある。これらの原子
はTiOX保護層全体当たり5原子%まで混入されることが
許容される。
とするものであるが、上記原子以外の原子の含有を排除
するものではない。例えば、反応性スパッタリング法に
より形成する場合、そのターゲットにTi金属を用いる
が、そのターゲットに含まれる他の金属が成膜に伴って
含有されてもよく、これら他種金属には、例えばAlCr1,
Si,Mn,Mo,V,Zr等がある。或いは薄膜形成に伴って残留
空気中のN2ガスが混入される場合もある。これらの原子
はTiOX保護層全体当たり5原子%まで混入されることが
許容される。
前記磁性層(非晶質磁性層)は膜面に垂直な方向に磁
化容易軸を有する非晶質垂直磁化膜から成り、例えばGd
DyFe,GdTbFe,TbFeCo,DyFeCo,GdTbDyFe,GdTbFeCo,TbDyFe
Co,GdDyFeCo等々がある。
化容易軸を有する非晶質垂直磁化膜から成り、例えばGd
DyFe,GdTbFe,TbFeCo,DyFeCo,GdTbDyFe,GdTbFeCo,TbDyFe
Co,GdDyFeCo等々がある。
また、前記干渉層2は誘導体材料から成り、基板1と
磁性層3の間に介在させてエンハンスメント構成と成
し、これにより、みかけのカー回転角を増大させて性能
指数を高め、更にレーザー光による記録密度を向上させ
ることができる。この干渉層2はSiN,AlN,SiC,CdS,TiN,
ZnS,MgF2,Al2O3,CeO2,ZrO2,SiO,SiO2,CdO,Bi2O3などの
材料により形成される。
磁性層3の間に介在させてエンハンスメント構成と成
し、これにより、みかけのカー回転角を増大させて性能
指数を高め、更にレーザー光による記録密度を向上させ
ることができる。この干渉層2はSiN,AlN,SiC,CdS,TiN,
ZnS,MgF2,Al2O3,CeO2,ZrO2,SiO,SiO2,CdO,Bi2O3などの
材料により形成される。
更に前記基板1にはガラス板やプラスチック板が用い
られ、このプラスチック基板用材料としてポリカーボネ
ート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂などがある。
られ、このプラスチック基板用材料としてポリカーボネ
ート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂などがある。
また本発明においては、上記TiOX保護層が積層される
光磁気記録素子の構成は第1図及び第2図に限らず、例
えばこれらの図に示された保護層4の上に他の保護層を
積層しても何等差支えない。この保護層として金属層又
は樹脂層などがある。そして、この樹脂にはエポキシ
系、ポリエステル系、アクリル系、アクリルウレタン系
の樹脂がある。或いは第3図に示すように第2図の構成
を2個用意し、これを接着層5を介して貼り合せてもよ
い。
光磁気記録素子の構成は第1図及び第2図に限らず、例
えばこれらの図に示された保護層4の上に他の保護層を
積層しても何等差支えない。この保護層として金属層又
は樹脂層などがある。そして、この樹脂にはエポキシ
系、ポリエステル系、アクリル系、アクリルウレタン系
の樹脂がある。或いは第3図に示すように第2図の構成
を2個用意し、これを接着層5を介して貼り合せてもよ
い。
本発明の光磁気記録素子は薄膜形成手段により形成す
ることができ、例えば真空蒸着法,スパッタリング法、
イオンプレーティング法、イオン注入法、メッキ法等々
がある。
ることができ、例えば真空蒸着法,スパッタリング法、
イオンプレーティング法、イオン注入法、メッキ法等々
がある。
前記TiOX保護層を形成する場合、上記いずれの薄膜形
成手段も用いることができるが、反応性スパッタリング
法が所望通りの組成制御ができ易いという点で有利であ
る。
成手段も用いることができるが、反応性スパッタリング
法が所望通りの組成制御ができ易いという点で有利であ
る。
この反応性スパッタリング法によりTiOX保護層を形成
する場合には、ターゲットにTi金属を配置し、そして、
スパッタリング用ガスにアルゴン(Ar)ガス、ネオン
(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス又はキセノン(Xe)
ガスなどの不活性ガスを用いればよい。尚、この成膜法
においてはTiOX保護層に不活性ガスの原子が不可避的に
混入される。
する場合には、ターゲットにTi金属を配置し、そして、
スパッタリング用ガスにアルゴン(Ar)ガス、ネオン
(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス又はキセノン(Xe)
ガスなどの不活性ガスを用いればよい。尚、この成膜法
においてはTiOX保護層に不活性ガスの原子が不可避的に
混入される。
次に本発明の実施例を述べる。
(例1) 交流三源マグネトロンスパッタリング装置を用いてポ
リカーボネート製ディスク基板に干渉層(シリコンナイ
トライドを主要成分とし、これにY原子、Al原子及び0
原子を含む層であり、これは、所謂、YSiA10N層・・・
イットリウムサイアロン層と呼ばれる層である)を750
Åの厚みで形成し、更にGdDyFe垂直磁化膜(この膜の原
子組成比は(Gy0.60,Dy0.40)0.25Fe0.75である)を325
Åの厚みで順次形成した。そして、同装置内で続けてTi
OX保護層を650Åの厚みで形成し、第1図に示す構成の
光磁気記録素子を製作した。
リカーボネート製ディスク基板に干渉層(シリコンナイ
トライドを主要成分とし、これにY原子、Al原子及び0
原子を含む層であり、これは、所謂、YSiA10N層・・・
イットリウムサイアロン層と呼ばれる層である)を750
Åの厚みで形成し、更にGdDyFe垂直磁化膜(この膜の原
子組成比は(Gy0.60,Dy0.40)0.25Fe0.75である)を325
Åの厚みで順次形成した。そして、同装置内で続けてTi
OX保護層を650Åの厚みで形成し、第1図に示す構成の
光磁気記録素子を製作した。
このTiOX保護層の成膜条件は到着真空度を10-4mTorr
とし、そして、Ti金属をターゲットとし、投入電力パワ
ーを500W、Arガス流量を33sccM、スパッタガス圧を3mTo
rrに設定し、O2ガス流量を10sccM以内で種々変化させ
た。尚、O2ガス導入時も3mTorrのスパッタガス圧となる
ようにガス流量排気調節バルブにて調整した。
とし、そして、Ti金属をターゲットとし、投入電力パワ
ーを500W、Arガス流量を33sccM、スパッタガス圧を3mTo
rrに設定し、O2ガス流量を10sccM以内で種々変化させ
た。尚、O2ガス導入時も3mTorrのスパッタガス圧となる
ようにガス流量排気調節バルブにて調整した。
このようにした場合、TiOX保護層のO2ガス流量に対す
る原子組成比は第1表に示す通りである。尚、この原子
組成比はXPS法により求めており、そして、各々の試料
に対して実験を5回繰り返して得られる平均値である。
る原子組成比は第1表に示す通りである。尚、この原子
組成比はXPS法により求めており、そして、各々の試料
に対して実験を5回繰り返して得られる平均値である。
(例2) 本例においては、(例1)に示した各試料の硬度をマ
イクロビッカース硬度(荷重50Kg/mm2)により測定した
ところ、第4図に示す通りの結果が得られた。
イクロビッカース硬度(荷重50Kg/mm2)により測定した
ところ、第4図に示す通りの結果が得られた。
この結果より明らかな通り、O2ガスを僅かに流すだけ
でTi金属に比べて飛躍適な高硬度特性が得られ、そし
て、O2ガス流量が5sccM又は10sccMの場合、即ち、試料N
o.7又はNo.8においては若干硬度低下が認められた。し
かし乍ら、この結果によれば、試料No.2〜No.8のすべて
の試料が高硬度特性を示すことが判る。特に、試料No.2
〜5は高い硬度を示すことが判る。
でTi金属に比べて飛躍適な高硬度特性が得られ、そし
て、O2ガス流量が5sccM又は10sccMの場合、即ち、試料N
o.7又はNo.8においては若干硬度低下が認められた。し
かし乍ら、この結果によれば、試料No.2〜No.8のすべて
の試料が高硬度特性を示すことが判る。特に、試料No.2
〜5は高い硬度を示すことが判る。
(例3) 本例においては、O2ガス流量に対する成膜速度を測定
した。この測定については、O2ガスを導入しないで成膜
した場合(試料No.1)の成膜レートに対するO2ガスを導
入した場合の成膜レートの比率をスパッタ成長レート比
とし、この比を成膜速度として表しており、この結果は
第5図に示す通りである。
した。この測定については、O2ガスを導入しないで成膜
した場合(試料No.1)の成膜レートに対するO2ガスを導
入した場合の成膜レートの比率をスパッタ成長レート比
とし、この比を成膜速度として表しており、この結果は
第5図に示す通りである。
この結果より明らかな通り、ガス流量が3.0sccMに至
るまで漸次スパッターレート比が大きくなっている。即
ち、試料No.1から試料No.5に至るまで順次成膜速度が大
きくなっていることが判る。
るまで漸次スパッターレート比が大きくなっている。即
ち、試料No.1から試料No.5に至るまで順次成膜速度が大
きくなっていることが判る。
然るに、O2ガス流量が3sccM以上になるとTiOX層が透
明になると共に成膜速度が急激に小さくなる。
明になると共に成膜速度が急激に小さくなる。
かくして(例1)〜(例3)から明らかな通り、試料
No.2〜No.8は高硬度性を示し、更に試料No.2〜No.5は高
い成膜速度が得られた。従って、試料No.2〜5が高硬度
性及び高速成膜性を示している。
No.2〜No.8は高硬度性を示し、更に試料No.2〜No.5は高
い成膜速度が得られた。従って、試料No.2〜5が高硬度
性及び高速成膜性を示している。
(例4) 次に本例においては、各TiOX層の色調を目視し、更に
各試料について温湿度サイクルテストを行い、また、C/
N比を測定したところ、第2表に示す通りの結果が得ら
れた。
各試料について温湿度サイクルテストを行い、また、C/
N比を測定したところ、第2表に示す通りの結果が得ら
れた。
C/N比は線束4m/sec、記録周波数1MHz、バイアス磁界2
00Gaussの条件により求めた。そして、GdDyFe垂直磁化
膜の厚みが325Åに設定されているので、TiOX保護層が
反射膜としても作用し、そのために光沢によりC/N比が
異なる。
00Gaussの条件により求めた。そして、GdDyFe垂直磁化
膜の厚みが325Åに設定されているので、TiOX保護層が
反射膜としても作用し、そのために光沢によりC/N比が
異なる。
また、温湿度サイクルテストはJIS−C5024に基づく条
件で10サイクル繰り返しており、その評価を三段階に区
分した。○印は外観、性状ともにほとんど変化がなかっ
た場合であり、△印は点状の腐蝕が僅かに発生したが、
実用上支障がない場合であり、×印は腐蝕や膜のフクレ
又は膜中のクラック発生が顕著となった場合を示す。
件で10サイクル繰り返しており、その評価を三段階に区
分した。○印は外観、性状ともにほとんど変化がなかっ
た場合であり、△印は点状の腐蝕が僅かに発生したが、
実用上支障がない場合であり、×印は腐蝕や膜のフクレ
又は膜中のクラック発生が顕著となった場合を示す。
第2表より明らかな通り、試料No.3とNo.4は温湿度サ
イクルテストにより優れた耐環境性があることが判る。
また、試料No.2は若干点状の腐食があったが、実用上支
障はなかった。
イクルテストにより優れた耐環境性があることが判る。
また、試料No.2は若干点状の腐食があったが、実用上支
障はなかった。
然るに、試料No.1は点状の腐食と膜のフクレが多発し
ており、そして、試料No.5、No.6、No.7には放射状のク
ラックが多発していた。
ており、そして、試料No.5、No.6、No.7には放射状のク
ラックが多発していた。
尚、本発明者等の実験によれば、試料No.2,3,4のそれ
ぞれのTiOX保護層の圧縮応力が試料No.1のものに比べて
約半分にまで緩和しており、その値は約5×108dyn/cm2
であった。
ぞれのTiOX保護層の圧縮応力が試料No.1のものに比べて
約半分にまで緩和しており、その値は約5×108dyn/cm2
であった。
かくして試料No.2〜4が高硬度性及び高速成膜性を示
し、更に耐熱衝撃性及びC/N比にも優れていることが判
る。
し、更に耐熱衝撃性及びC/N比にも優れていることが判
る。
(例5) 本例においては、第1表に示した各試料TiOX層の比抵
抗を測定した。
抗を測定した。
この測定結果は第6図に示す通りであり、O2ガス流量
が大きくなるに伴って比抵抗が大きくなる傾向にあり、
O2ガス流量が3.0cccM以上、即ち、試料No.6,7,8になる
と比抵抗値が無限大となり、実質上絶縁性を示した。
が大きくなるに伴って比抵抗が大きくなる傾向にあり、
O2ガス流量が3.0cccM以上、即ち、試料No.6,7,8になる
と比抵抗値が無限大となり、実質上絶縁性を示した。
この結果より、本発明に係るTiOX層は比抵抗を測定す
ることによっても判り、その比抵抗値は102〜3×103μ
Ω−cmである。
ることによっても判り、その比抵抗値は102〜3×103μ
Ω−cmである。
(例6) 次に、各試料TiOX層の結晶構造をX線回折法による結
晶ピークよって求めたところ、第3表に示す通りの結果
が得られた。そして、本発明者等はこれら結晶構造とTi
OX層の組成比とは密接な関係があると考えられる。
晶ピークよって求めたところ、第3表に示す通りの結果
が得られた。そして、本発明者等はこれら結晶構造とTi
OX層の組成比とは密接な関係があると考えられる。
また、Ti原子の電子状態をエスカ法により調べたとこ
ろ、Ti2pのスペクトル分離から試料No.5にはTiOととも
にTiO2の、試料No.6にはTiO2の状態結合エネルギに対応
するピークが検出された。
ろ、Ti2pのスペクトル分離から試料No.5にはTiOととも
にTiO2の、試料No.6にはTiO2の状態結合エネルギに対応
するピークが検出された。
尚、本実施例においてはポリカーボネート製ディスク
基板を用いて実験したが、ガラス基板を用いて同様な結
果が得られることを確認した。
基板を用いて実験したが、ガラス基板を用いて同様な結
果が得られることを確認した。
以上の通り、本発明の光磁気記録素子によれば、温度
や湿度等の変化又はその過酷な条件下においても記録感
度が低下せず、更に高硬度且つ高耐食性を備えており、
これにより、高性能且つ長期信頼性の光磁気記録素子が
提供される。
や湿度等の変化又はその過酷な条件下においても記録感
度が低下せず、更に高硬度且つ高耐食性を備えており、
これにより、高性能且つ長期信頼性の光磁気記録素子が
提供される。
また、本発明の光磁気記録素子の製法によれば、磁性
媒体用保護層を高い成膜速度で形成することができ、こ
れにより、製造効率を高めることができる。
媒体用保護層を高い成膜速度で形成することができ、こ
れにより、製造効率を高めることができる。
第1図、第2図及び第3図は本発明光磁気記録素子の積
層構造を示す断面図、第4図は酸素ガス流量に対するチ
タニウム酸化物層の硬度を示す線図、第5図は酸素ガス
流量に対するチタニウム酸化物層のスパッターレート比
を示す線図、第6図は酸素ガス流量に対するチタニウム
酸化物層の比抵抗を示す線図である。 1……基板 2……干渉層 3……磁性層 4……チタニウム酸化物保護層
層構造を示す断面図、第4図は酸素ガス流量に対するチ
タニウム酸化物層の硬度を示す線図、第5図は酸素ガス
流量に対するチタニウム酸化物層のスパッターレート比
を示す線図、第6図は酸素ガス流量に対するチタニウム
酸化物層の比抵抗を示す線図である。 1……基板 2……干渉層 3……磁性層 4……チタニウム酸化物保護層
Claims (2)
- 【請求項1】基体上に少なくとも膜面に垂直な方向に磁
化容易軸を有する非晶質磁性層とチタニウム酸化物から
成る非磁性層とが形成され、該非磁性層はチタニウム原
子に対する酸素原子比率が0.05〜0.90の範囲内に設定さ
れていることを特徴とする光磁気記録素子。 - 【請求項2】基体上に少なくとも膜面に垂直な方向に磁
化容易軸を有する非晶質磁性層とチタニウム酸化物から
成る非磁性層を気相成長させる光磁気記録素子の製法で
あって、チタニウム金属から成るターゲット並びに不活
性ガス及び酸素ガスから成るスパッタリング用ガスを具
備した反応性スパッタリング法によりチタニウム原子に
対する酸素原子比率が0.05〜0.90の範囲内に設定された
前記非磁性層を形成することを特徴とする光磁気記録素
子の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21834587A JP2620088B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 光磁気記録素子及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21834587A JP2620088B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 光磁気記録素子及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6460838A JPS6460838A (en) | 1989-03-07 |
JP2620088B2 true JP2620088B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=16718415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21834587A Expired - Fee Related JP2620088B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 光磁気記録素子及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2620088B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0661040B2 (ja) * | 1984-12-03 | 1994-08-10 | ヤマハ株式会社 | 楽音信号発生装置 |
-
1987
- 1987-08-31 JP JP21834587A patent/JP2620088B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6460838A (en) | 1989-03-07 |
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