JP2950781B2 - 多孔質メソカーボンマイクロビーズ - Google Patents

多孔質メソカーボンマイクロビーズ

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JP2950781B2 JP8254716A JP25471696A JP2950781B2 JP 2950781 B2 JP2950781 B2 JP 2950781B2 JP 8254716 A JP8254716 A JP 8254716A JP 25471696 A JP25471696 A JP 25471696A JP 2950781 B2 JP2950781 B2 JP 2950781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は新規な多孔質炭素系
物質に係るものであり、より詳しくは多孔質化して高比
表面積を有することとなった新規な形態のメソカーボン
マイクロビーズに係るものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、石炭系タールピッチあるいは石
油系重質油ピッチ等のピッチ類を約350〜450℃の
温度条件下で加熱処理すると、光学的に等方性であるピ
ッチ中から光学的異方性の小球体が発生し成長するが、
この小球体を凝集させることなく残余のピッチから分離
したものは一般にメソカーボンマイクロビーズと称され
ている(炭素 NO.72(1973)の第3〜7頁参
照)。このピッチ類が加熱によって炭化する過程であら
われる光学的異方性小球体は高分子量の縮合多環芳香
族化合物が層状に配列し、これが積層した、いわゆる黒
鉛結晶と類似の構造をもつものであって、黒鉛結晶の前
駆体といわれている。この小球体は有機溶剤に難溶であ
るので、例えば溶剤分別等の手段によりピッチマトリッ
クスから分離することによりメソカーボンマイクロビー
ズとして単離取得される。 【0003】このメソカーボンマイクロビーズは、小球
体という形状的特徴および黒鉛類似の構造を有するこ
と、更には高化学活性であること等の特徴を活かして種
々の用途が期待されており、例えば高密度炭素材、高選
択性触媒あるいはガスクロマトグラフィー又は液体クロ
マトグラフィーの充填材等への利用が考えられている
(特開昭56−96710号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メソカ
ーボンマイクロビーズの表面は比較的平滑な為に上記の
如き種々の用途に利用する際、今一つ応用範囲が狭い難
点があり、例えばガスクロマトグラフィー又は液体クロ
マトグラフィー等の充填材に応用するには比表面積が小
さ過ぎる問題があり、未だ実用化されるには到っていな
い。 【0005】そこで、本発明者等は上記課題を解決すべ
く鋭意検討の結果、特定処理により高比表面積を有する
メソカーボンマイクロビーズを取得し得ることを見い出
その結果、多孔質メソカーボンマイクロビーズをは
じめて実現せしめることに成功して本発明に到達した。 【0006】本発明の目的は、高比表面積を有する多孔
質メソカーボンマイクロビーズを提供することにあ。 【0007】 【課題を解決するための手段】しかして、かかる目的を
充足する本発明の要旨は、ピッチ類を加熱して得られ
る、光学的異方性を有する小球体であって、かつ比表面
積が200〜700m 2 /gである多孔質メソカーボン
マイクロビーズにある。この多孔質メソカーボンマイク
ロビーズはピッチ類を加熱処理することによりマトリ
ックスピッチ中にメソフェース小球体を含有するピッチ
体を形成し、該ピッチ体に芳香族系油を添加し、マトリ
ックスピッチとメソフェース小球体を分別することなく
該ピッチ体を100〜400℃で加熱処理した後メソフ
ェース小球体を分離することによって得られる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズを製造する
ための原料には特に制限はなく、広く一般に用いられ
る原料、例えば石炭系タールやピッチ、あるいは石油
系重質油やピッチなどのピッチ類が用いられる。これら
のピッチ類を好ましくはちっ素気流中350〜50
0℃で0.5〜10時間加熱処理を行ないマトリック
スピッチ中にメソフェース小球体を通常1〜25重量%
含有するピッチ体を得る。 【0009】次に、得られたメソフェース小球体含有ピ
ッチ体にピッチ体1重量部に対して芳香族系油を0.
1〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部、最
も好ましいのは1〜2重量部添加混合し、次いで芳香族
系油の添加混合されたピッチ体を更に加熱処理するが、
本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズを取得する
為にはこの再度の加熱処理の際にマトリックスピッチ
とメソフェース小球体を分別しないことが重要である。 【0010】即ち、従来メソカーボンマイクロビーズ
取得するには場合によっては加温状態で芳香族系油を
用いてピッチ体からメソフェース小球体マトリック
スピッチを分別する処理を行うのが普通である。しかし
本発明では理由は充分に明らかではないものの前記
再度の加熱処理の際にマトリックスピッチの実質量
存在させなければならない。従って場合により過剰のマ
トリックスピッチを一部除去する様な変更は可能である
が、ピッチ体からマトリックスピッチを実質的に除去す
る様な分別操作は避けるべきである。 【0011】しかして、そのマトリックスピッチの必要
な存在量は、種々の場合で異なり、一概に特定できない
が、メソフェース小球体に対して少くとも0.2重量
部、より好ましくは0.5重量部以上、最も好ましくは
1重量部以上である。 【0012】トリックスピッチとメソフェース小球体
と芳香族系油を含んだピッチ体は、上記再度の加熱処
理、即ち、100〜400℃、好ましくは300〜37
0℃の温度で、0.5〜4時間、好ましくは、1〜2時
間熱処理に付される。そしてその後は常法による分離操
作、例えば熱濾過等によりメソカーボンマイクロビーズ
を分離取得、次いでこれをキノリン等の溶剤で洗浄す
る等の操作により本発明の多孔質メソカーボンマイクロ
ビーズが得られる。 【0013】上記メソフェース小球体の加熱処理に使用
される芳香族系油としては、一般には沸点が70℃〜4
50℃の芳香族炭化水素又はその誘導体を挙げることが
できるが、加熱処理の容易さ等も加味して、沸点が20
0℃〜400℃程度の比較的重質の芳香族系油がより好
ましい。具体的にはアントラセン油、クレオソート油、
石油系芳香族油等が好適に用いられるが、特にアントラ
セン油を用いるのが好ましい。 【0014】なお、本発明において、前記加熱処理を実
施する場合、芳香族系油が系内に常に存在していること
が重要であり、単なる開放加熱だと芳香族系油が蒸発飛
散するので、この加熱処理は、冷却器等による還流下ま
たは加圧下で行なうのが好ましい。また、本発明の多孔
質メソカーボンマイクロビーズを分離する際、キノリン
等による溶剤分別は芳香族系油を実質的に除去した後行
なうのが好ましい。 【0015】本発明の多孔質メソカーボンマイクロビー
ズは上記の操作によって得られるが、このものは200
〜700m 2 /gの比表面積を有している。すなわち既
存のメソカーボンマイクロビーズの比表面積が数m2
gであるのと比較して数百倍の比表面積を有しており、
各種の期待される用途に於て幅広い適応性を有するが、
例えば吸着材、クロマトグラフ用充填材等の用途に特に
適したものである。 【0016】 【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記実施例
によって限定されるものではない。 実施例1 キノリン不溶分を除去したコールタールピッチ14.0
kgをN2 気流中で430℃、150分間加熱処理し、
メソフェース小球体を13重量%含有する熱処理ピッチ
5.6kgを得た。 【0017】この熱処理ピッチ体は、その1重量部に対
し1倍量のアントラセン油を加えて混合し冷却還流操
作を行いつつ370℃で1時間加熱処理後常法により、
200℃で熱濾過を行ない、次いで1リットルのキノリ
ンで洗浄を行なった。更に少量のアルコールで洗浄処理
しキノリンを完全に除去して、本発明の多孔質メソカー
ボンマイクロビーズ0.7kgを得た。 【0018】この多孔質メソカーボンマイクロビーズの
比表面積はBET吸着法によってラングミュアーの式に
より測定したところ、その測定結果は295m2 /gで
あった。また得られた多孔質メソカーボンマイクロビー
ズを走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面は多孔質
であった。 【0019】比較例 実施例で得られた熱処理ピッチを2倍量のキノリンで溶
剤分別し、更に少量のアルコールで洗浄キノリンを完全
に除去してメソカーボンマイクロビーズを得た。このメ
ソカーボンマイクロビーズの比表面積は2.6m2 /g
であった。またこのメソカーボンマイクロビーズの表面
状態を走査型電子顕微鏡で観察したところ、メソカーボ
ンマイクロビーズの表面は平滑であった。 【0020】実施例2 実施例1と同様にして、製造した5.6kgの熱処理ピ
ッチに2倍量の洗浄油を加えて混合し、320℃、1時
間、2kg/cm2 2 加圧下で加熱処理後、200℃
で熱濾過を行ない、次いで1リットルのキノリンで洗浄
を行った。 【0021】更に少量のアルコールで洗浄処理しキノリ
ンを完全に除去して、本発明の多孔質メソカーボンマイ
クロビーズを0.7kg得た。得られた多孔質メソカー
ボンマイクロビーズを走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、表面は多孔質であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−30887(JP,A) 特開 昭56−96710(JP,A) 特公 昭59−17044(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ピッチ類を加熱して得られる、光学的異方性を有す
    る小球体であって、かつ比表面積が200〜700m 2
    /gであることを特徴とする多孔質メソカーボンマイク
    ロビーズ。
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JPS5854081B2 (ja) * 1980-01-04 1983-12-02 興亜石油株式会社 メソカ−ボンマイクロビ−ズの製造法
JPS5917044A (ja) * 1982-07-17 1984-01-28 Daido Kogyo Co Ltd 無段変速機用ベルト
JPS5930887A (ja) * 1982-08-11 1984-02-18 Koa Sekiyu Kk バルクメソフエ−ズの製造装置

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