JP2650241B2 - 多孔質メソカーボンマイクロビーズ及びその製造方法 - Google Patents

多孔質メソカーボンマイクロビーズ及びその製造方法

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JP2650241B2 JP60080931A JP8093185A JP2650241B2 JP 2650241 B2 JP2650241 B2 JP 2650241B2 JP 60080931 A JP60080931 A JP 60080931A JP 8093185 A JP8093185 A JP 8093185A JP 2650241 B2 JP2650241 B2 JP 2650241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な多孔質炭素系物質に係るものであり、
より詳しくは多孔質化して高比表面積を有することとな
つた新規な形態のメソカーボンマイクロビーズ並びにそ
の製造方法に係るものである。
一般に、石炭系タールピツチあるいは石油系重質油ピ
ツチ等のピツチ類を約350〜450℃の温度条件下で加熱処
理すると、高学的に等方性であるピツチ中から光学的異
方性の小球体が発生し成長するが、この小球体を一般に
メソカーボンマイクロビーズと称する。このようにピツ
チ類が加熱によつて炭化する過程であらわれる光学的異
方性小球体は高分子量の縮合多環芳香族化合物が層状に
配列し、これが積層した、いわゆる黒鉛結晶と類似の構
造をもつものであつて、黒鉛結晶の前駆体といわれてい
る。この小球体は有機溶剤に難溶であるので、例えば溶
剤分別等の手段によりピツチマトリツクスから分離する
ことによりメソカーボンマイクロビーズとして単離取得
される。
このメソカーボンマイクロビーズは、小球体という形
状的特徴および黒鉛類似の構成を有すること、更には高
化学活性であること等の特徴をを活かして種々の用途が
期待されており、例えば高密度炭素材、高選択性触媒あ
るいはガスクロマトグラフイー又は液体クロマトグラフ
イーの充填材等への利用が考えられている。
しかしながら、メソカーボンマイクロビーズの表面は
比較的平滑な為に上記の如き種々の用途に利用する際、
今一つ応用範囲が狭い難点があり、例えばガスクロマト
グラフイー又は液体クロマトグラフイー等の充填材に応
用するには比表面積が小さ過ぎる問題点があり、未だ実
用化されるには致つていない。
そこで、本発明者等は上記問題点を解決すべく鋭意検
討の結果、特定処理により高比表面積を有するメソカー
ボンマイクロビーズを生成せしめ得ることを見い出しそ
の結果、多孔質メソカーボンマイクロビーズをはじめて
実現せしめることに成功して本発明に到達した。
本発明の目的は、高比表面積を有する多孔質メソカー
ボンマイクロビーズを提供することにあり、又本発明の
他の目的は、かゝる多孔質メソカーボンマイクロビーズ
の製造方法の一例を提供することにある。
しかして、かゝる目的を充足する本発明の要旨はピッ
チ類を加熱して得られる、光学的異方性を有する小球体
であって、かつ比表面積が10m2/g以上である多孔質メソ
カーボンマイクロビーズにあり、また、かゝる多孔質メ
ソカーボンマイクロビーズはピツチ類を加熱処理するこ
とによりマトリツクスピツチ中にメソフエース小球体を
含有するピツチ体を形成し、該ピツチ体に芳香族系油を
添加し、マトリツクスピツチとメソフエース小球体を分
別することなく該ピツチ体を100〜400℃で加熱処理した
後メソフエース小球体を分離することによつて得られ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズを製造す
るための原料には特に制限はなく、広く一般に用いられ
る原料、例えば石炭系タールやピツチ、あるいは石油系
重質油やピツチなどのピツチ類が用いられる。
これらのピツチ類を好ましくはちつ素気流中350〜500
℃で0.5〜10時間加熱処理を行ないマトリツクスピツチ
中にメソフエース小球体を通常1〜25重量%含有するピ
ツチ体を得る。
次に、得られたメソフエース小球体含有ピツチ体にピ
ツチ体1重量部に対して芳香族系油を0.1〜10重量部、
より好ましくは0.3〜5重量部、最も好ましいのは1〜
2重量部添加混合し、次いで芳香族系油の添加混合され
たピツチ体を更に加熱処理するが、本発明な多孔質メソ
カーボンマイクロビーズを実現する為にはこの再度の加
熱処理の際にマトリツクスピツチとメソフエース小球体
を分別しないことが重要である。
即ち、従来メソフエース小球体を取得するのに、特に
加温状態で芳香族系油を用いてピツチ体からメソフエー
ス小球体マトリツクスピツチを分別処理することが普通
であるが、本発明では理由は充分に明らかではないもの
の前記再度の加熱処理の際にマトリツクスピツチなお実
質量の存在が影響を有する。従つて場合により過剰のマ
トリツクスピツチを一部除去する様な変更は可能である
が、ピツチ体からマトリツクスピツチを実質的に除去す
る様な分別操作は避けるべきである。
しかして、そのマトリツクスピツチの必要な存在量
は、種々の場合で異なり、一概に特定できないが、メソ
フエース小球体に対して少くとも0.2重量部、より好ま
しくは0.5重量部以上、最も好ましくは1重量部以上で
ある。
かくして、マトリツクスピツチとメソフエース小球体
と芳香族系油を含んだピツチ体は、上記再度の加熱処
理、即ち、100〜400℃、好ましくは300〜370℃の温度
で、0.5〜4時間、好ましくは、1〜2時間熱処理に付
される。そしてその後は常法例えば熱過等によりメソ
カーボンマイクロビーズを分離した後キノリン等の溶剤
で洗浄する等の操作により本発明の多孔質メソカーボン
マイクロビーズが得られる。
上記メソフエーズ小球体の加熱処理に使用される芳香
族系油としては、一般には沸点が70℃〜450℃の芳香族
炭化水素又はその誘導体を挙げることができるが、加熱
処理の容易さ等も加味して、沸点が200℃〜400℃程度の
比較的重質の芳香族系油がより好ましい。
具体的にはアントラセン油、クレオソート油、石油系
芳香族油等が好適に用いられるが、特にアントラセン油
を用いるのが好ましい。
なお、本発明において、前記加熱処理を実施する場
合、芳香族系油が系内に常に存在していることが重要で
あり、単なる開放加熱だと芳香族系油が蒸発飛散するの
で、この加熱処理は、冷却器等による還流下または加圧
下で行なうのが好ましい。
なお、本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズを
分離する際、キノリン等による溶剤分別は芳香族系油を
実質的に除去した後行なうのが好ましい。
以上の操作によつて得られた本発明の多孔質メソカー
ボンマイクロビーズは既存のメンソカーボンマイクロビ
ーズの比表面積が数m2/gであるのと比較して数100倍な
比表面積を有しており、各種の期待される用途に於て幅
広い適応性を有するが、例えば吸着材、クロマトグラフ
用充填材等の用途に特に適したものである。
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り下記実施例によつ
て限定されるものではない。
実施例1 キノリン不溶分を除去したコールタールピツチ14.0kg
をN2気流中で430℃、150分間加熱処理し、メソフエース
小球体を13重量%含有する熱処理ピツチ5.6kgを得た。
この熱処理ピツチ体は、その1重量部に対し1倍量の
アントラセン油を加えて混合し冷却還流操作を行いつつ
370℃で1時間加熱処理後常法により、200℃で熱ロ過を
行ない、次いで1のキノリンで洗浄を行なつた。
更に少量のアルコールで洗浄処理しキノリンを完全に
除去して、本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズ
0.7kgを得た。
こと多孔質メソカーボンマイクロビーズの比表面積は
BET吸着法によつてラングミユアーの式により測定した
ところ、その測定結果は295m2/gであつた。
また得られた多孔質メソカーボンマイクロビーズを走
査型電子顕微鏡で表面を観察した。その結果を第1図に
示す。
比較例 実施例で得られた熱処理ピツチを2倍量のキノリンで
溶剤分別し、更に少量のアルコールで洗浄処理しキノリ
ンを完全に除去してメソカーボンマイクロビーズを得
た。このメソカーボンマイクロビーズの比表面積は2.6m
2/gであつた。
またこのメソカーボンマイクロビーズの表面状態を走
査型電子顕微鏡で観察し、その結果を第2図に示す。
第2図から明らかなように得られたメソカーボンマイ
クロビーズの表面は平滑であることがわかる。
実施例2 実施例1と同様にして、製造した5.6kgの熱処理ピツ
チに2倍量の洗浄油を加えて混合し、320℃、1時間、2
kg/cm2N2加圧下で加熱処理後、200℃で熱ろ過を行な
い、次いで1のキノリンで洗浄を行なつた。
更に少量のアルコールで洗浄処理しキノリンを完全に
除去して、本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズ
0.7kg得た。
得られた多孔質メソカーボンマイクロビーズを走査型
電子顕鏡で表面を観察した。その結果を第3図に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図はそれぞれ実施例で1及び2で得られ
た本発明の多孔質メソカーボンマイクロビーズの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真であり、第2図は比較例で得ら
れた従来のメソカーボンマイクロビーズの粒子構造を示
す電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピッチ類を加熱処理することによりマトリ
    ックスピッチ中にメソフェース小球体を含有するピッチ
    体を形成し、該ピッチ体に芳香族系油を添加混合し、マ
    トリックスピッチとメソフェース小球体を分別すること
    なく該ピッチ体を100〜400℃で加熱処理した後、メソフ
    ェース小球体を分離することを特徴とする比表面積が10
    m2/g以上である多孔質メソカーボンマイクロビーズの製
    造方法。
JP60080931A 1985-04-16 1985-04-16 多孔質メソカーボンマイクロビーズ及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2650241B2 (ja)

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