JP2947599B2 - 熱収縮チューブ - Google Patents

熱収縮チューブ

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JP2947599B2
JP2947599B2 JP2244249A JP24424990A JP2947599B2 JP 2947599 B2 JP2947599 B2 JP 2947599B2 JP 2244249 A JP2244249 A JP 2244249A JP 24424990 A JP24424990 A JP 24424990A JP 2947599 B2 JP2947599 B2 JP 2947599B2
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電気絶縁材料,機械保護,配線材集束等に
用いられる熱収縮チューブに関する。更に詳しくは、耐
熱性,耐油性及び柔軟性に優れたフッ素ゴム収縮チュー
ブに関する。
(従来の技術) 熱収縮チューブは、従来から多種類知られており、フ
ッ素樹脂,シリコーンゴム,架橋ポリエチレン,架橋塩
化ビニル等が材料として使用されている。フッ素ゴム
は、上記の例の材料と異なり、そのもの自体、チューブ
を拡管した後、そのままの径を維持固定するための手段
を有しておらず、そのため、従来から様々な工夫がなさ
れている。
例えば、フッ素ゴムを改良した例として日本特許出願
公開平2−59325号公報に示されたごとく、フッ化ビニ
リデン系フッ素ゴムのフッ化ビニリデンの含有量を通常
よりも多くし、ポリフッ化ビニリデン部分の結晶を利用
することにより拡管後の形状固定手段を得た例が知られ
ている。
また、元々形状固定手段を有する他材料を混練する例
として、日本特許出願公開昭57−129720号公報並びに57
−129721号公報には、それぞれフッ素ゴムと特定量の酢
酸ビニル共重合樹脂とのブレンドによるもの、フッ素ゴ
ムと特定量のエチルアクリレートを含有したエチレン−
エチルアクリレート共重合樹脂とのブレンドによるもの
が示されている。ここで、エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂とエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂が、形
状固定手段を有する材料として用いられている。
(本発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のフッ化ビニリデン系フッ素ゴム
を改質する方法では、従来例の実施例に示されているご
とく、2%モジュラスが9.4kgf/mm2とフッ素ゴムとして
は、通常の0.2kgf/mm2に比較して著しく高く、フッ素樹
脂に近く柔軟性に劣る。
また、元々形状固定手段を有する他材料を混練する従
来例は、150℃程度の耐熱性のチューブを目標としてい
る。フッ素ゴムは、本来200℃程度の耐熱性を有してお
り、この方法もフッ素ゴムの耐熱性を充分に活かすこと
はできていない。また、この公知例では、フッ素ゴムと
してはフッ化ビニリデン系のみを検討しており、電気特
性,柔軟性及び耐熱性に優れるテトラフルオロエチレン
−α−オレフィン共重合体については、検討されていな
かった。
本発明においては、テトラフルオロエチレン−α−オ
レフィン共重合体の有する200℃程度の耐熱性と、フッ
素ゴム特有の柔軟性,電気特性等といった特性をそのま
まに保った熱収縮チューブを製造すべく種々検討した結
果本発明に至った。
(課題を解決するための手段) 即ち本発明は、ムーニー粘度(ML1+10,100℃)65以上
のテトラフルオロエチレン−α−オレフィン共重合体10
0重量部に、示差走査熱量計で測定した結晶融解熱が25J
/g以上のエチレン−メタアクリル酸エステル共重合体10
重量部以上40重量部以下を混合した組成物を管状に押出
し、架橋した後、拡管固定処理したことを特徴とする熱
収縮チューブである。
本発明で用いられるテトラフルオロエチレン−α−オ
レフィン共重合体としては、α−オレフィンとしてプロ
ピレンを用いたものが商業的に生産され、様々なムーニ
ー粘度のものや、テトラフルオロエチレン含有のものが
容易に入手できるので、好ましい。ムーニー粘度(ML
1+10,100℃)としては、65以上であることが必要であ
る。ムーニー粘度が65未満であると、特に未架橋の押出
チューブ同士が架橋工程待ちで保管されている内に粘着
してしまい好ましくない。また、チューブを架橋し拡管
しても、形状固定が不充分で予定よりも小さな径の製品
になってしまい好ましくない。本発明で用いられるエチ
レン−メタアクリル酸エステル共重合体としては、一般
に市販されているものをそのまま用いることができる
が、示差走査熱量計で測定した結晶融解熱が25J/g以上
である必要がある。結晶融解熱が25J/g未満であると、
架橋したチューブを拡管しても、形状固定が不充分で予
定よりも小さな径の製品になってしまい好ましくない。
また、前記エチレン−メタアクリル酸エステル共重合
体は、テトラフルオロエチレン−α−オレフィン共重合
体100重量部に対して、10重量部以上40重量部以下混合
される。40重量部以下の配合量であれば、エチレン−メ
タアクリル酸エステル共重合体は、他のエチレン共重合
体には見られない性質であるが、テトラフルオロエチレ
ン−α−オレフィン共重合体の耐熱性をほとんど低下さ
せない。10重量部未満では架橋したチューブを拡管して
も、形状固定ができ難く、40重量部を超えると耐熱性が
下がってしまい好ましくない。
本発明では、上記の成分以外にタルク,クレー,炭酸
カルシウム,けい酸カルシウム,シリカ等の無機充填
剤,その他安定剤,加工助剤,顔料,可塑剤等を混合す
ることが可能である。前述したこれらの成分は、公知の
方法によって混合されコンパウンドとされた後、通常の
単軸押出機,単軸ベント押出機,2軸ベント押出機等の公
知の押出機によりチューブ状に押出成形される。これを
電子線または過酸化物によって架橋する。架橋を効率よ
く行うために、多官能アリル化合物や多官能(メタ)ア
クリル酸化合物を、あらかじめコンパウンドに混合する
ことができる。過酸化物架橋の場合は、過酸化物をコン
パウンドにあらかじめ混合するか、チューブと過酸化物
とを接触・浸透させるかの方法で更に混合する。架橋条
件は、電子線による場合は常温付近で行われ、過酸化物
による場合は100〜250℃の高温で行われる。続いて、エ
チレン−メタアクリル酸エステル共重合体の結晶融点以
上の温度でブローイング等によって拡管され、冷却固定
化されて熱収縮チューブが製造される。
(作 用) ある程度以上の結晶を持つエチレン−メタアクリル酸
エステル共重合体は、テトラフルオロエチレン−α−オ
レフィン共重合体に形状を固定する手段を与える一方、
非常によく混合するので、本来のテトラフルオロエチレ
ン−α−オレフィン共重合体の耐熱性を保つことができ
る。
(実施例) 以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳細に
説明する。
表−1には、実施例及び比較例で使用した材料を示し
た。ここで、TFE−Prとはテトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体を示し、EMMAとはエチレン−メタアク
リル酸エステル共重合体を示す。この材料を、表−2に
示した比率で、あらかじめ50℃に予熱した3リットルニ
ーダーに、合計量が4kgになるように仕込み、5分間混
合した。電子線架橋の場合は、練り上がったコンパウン
ドをシート化した後、ヘッド温度120℃,L/D=20の20mm
単軸押出機により、外径4mm,内径3mmのチューブを成形
し、その後5Mradの電子線を照射して架橋した。
過酸化物架橋の場合は、ニーダーで練り上がったコン
パウンドに、オープンロール上でα,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(日本
油脂製、商品名パーブチルP)を60グラム混合した。ヘ
ッド温度90℃,L/D=30の20mm単軸ベント押出機により、
外径4mm,内径3mmのチューブを成形し、その後直ちに200
℃の溶解塩中で架橋した。ベント圧力は、30mmHgであっ
た。
このようにして製造した架橋チューブを80℃に予熱
し、その後圧力4kg/cm2の100℃の窒素ガスを送り込んで
拡管し、その状態で水冷固定化することにより熱収縮チ
ューブを製造した。
その熱収縮チューブの外径(拡管後外径),40℃で1
週間放置したときの外径変化率(保存時外径変化率),
未架橋のチューブを巻き取った状態で1週間放置したと
きの粘着状況(未架橋品粘着性),熱収縮した状態での
初期の引張強度と伸び率,250℃で1週間熱老化させた後
の引張強度保持率(熱老化後強度保持率)と伸び保持率
を表−2に併記した。尚、いずれの場合も熱収縮させた
後は、元の外径4mmに戻り、2%モジュラスは0.2〜0.4k
gf/mm2の範囲であった。
まず、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1
においては、本発明の範囲の粘度を有するTFE−Prを用
いているが、比較例1においては、本発明の範囲よりも
小さい粘度のTFE−Prを使用しているため、拡管中はお
およそ同じ外径まで膨張したが、水冷して圧力を取り除
くと、形状固定が不充分なため拡大した外径を維持でき
ず、小さめの外径となってしまった。また、耐熱性が劣
り未架橋品では粘着性もあり好ましくない。
実施例1,5と比較例2とを比較すると、実施例1,5にお
いては、本発明の範囲の結晶融解熱を持つEMMAを使用し
ているが、比較例2においては、本発明の範囲よりも小
さい結晶融解熱のEMMAを使用しているため、圧力を取り
除くと、拡大した外径を維持できず、小さめの外径とな
ってしまった。また、保存中の外径変化も大きくなる。
実施例1,3,4と比較例3,4とでは、EMMAの量を比較し
た。熱老化性に関しては、熱老化後強度保持率が70%を
超えていれば200℃程度の耐熱性を有していると判断で
きるが、本発明の範囲よりもEMMAの量を多く使用した比
較例3では、熱老化後強度保持率が70%を割り込み好ま
しくない。また、EMMAの量を少なく使用した比較例4で
は、拡管しても、圧力を取り除くと、拡大した外径を維
持できず好ましくない。
(発明の効果) 本発明によれば、テトラフルオロエチレン−α−オレ
フィン共重合体の200℃程度の耐熱性と、フッ素ゴム特
有の柔軟性,電気特性,機械強度等の特性をそのままに
保った熱収縮チューブが製造できる。この熱収縮チュー
ブは、電気絶縁材料及び配線材料として柔軟で取り扱い
易く、また200℃近い熱がかかる所でも使用することが
できる。これを使用すれば、電気機器の安全性を高める
ことができるなど、産業上有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムーニー粘度(ML1+10,100℃)65以上のテ
    トラフルオロエチレン−α−オレフィン共重合体100重
    量部に、結晶融解熱が25J/g以上のエチレン−メタアク
    リル酸エステル共重合体10重量部以上40重量部以下を混
    合した組成物を管状に押出し、架橋した後、拡管固定処
    理したことを特徴とする熱収縮チューブ。
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