JPH08302137A - 含フッ素樹脂組成物 - Google Patents

含フッ素樹脂組成物

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JPH08302137A
JPH08302137A JP12951395A JP12951395A JPH08302137A JP H08302137 A JPH08302137 A JP H08302137A JP 12951395 A JP12951395 A JP 12951395A JP 12951395 A JP12951395 A JP 12951395A JP H08302137 A JPH08302137 A JP H08302137A
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JP
Japan
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fluorine
copolymer
tetrafluoroethylene
composition
vinylidene fluoride
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JP12951395A
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Kiyoto Suzuki
清人 鈴木
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Nissei Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 明色配合が可能であり、柔軟性、機械的強
度、内面タック性及び組成物成分相互の相溶性にも優れ
た含フッ素樹脂組成物を提供する。 【構成】 四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとフ
ッ化ビニリデンの組成比が55:35:10、75:1
5:10、40:5:55、30:15:55の4点で
囲まれた範囲内にある含フッ素熱可塑性エラストマー共
重合体と四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとフッ
化ビニリデンの組成比が35:40:25、35:1
5:50、0:25:75、0:60:40の4点で囲
まれた範囲内にある含フッ素エラストマー共重合体とを
2:8〜8:2の重量比で配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素樹脂組成物に関
し、特に、明色配合が可能であり、柔軟性、機械的強
度、内面タック性及び組成物成分相互の相溶性に優れた
電線用被覆材、電気絶縁チューブ、熱収縮性チューブ等
に利用できる含フッ素樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】含フッ素エラストマー及びフッ素系樹脂
は、耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れているため、ガス
ケット、パッキン、O−リング、ホース等の用途に幅広
く利用されており、近年では、フッ素系樹脂の曲げ難さ
を改良するために含フッ素熱可塑性エラストマーも開発
されてきている。(特開昭61−20724号公報、特
開昭61−21114号公報)。
【0003】しかしながら、フッ素系樹脂、含フッ素エ
ラストマーあるいは含フッ素熱可塑性エラストマーを単
独で使っていたのでは、明色配合が可能であり、柔軟
性、機械的強度、内面タック性すべてに優れた電気絶縁
チューブ類を形成できず、その改善が望まれていた。一
般に、フッ素系樹脂単体では柔軟性に、また含フッ素エ
ラストマー単体では機械的強度に問題があり、更に、含
フッ素熱可塑性エラストマーを単体で用いた場合には、
耐熱性、内面タック性及び柔軟性に問題がある。
【0004】特に、含フッ素熱可塑性エラストマーの場
合には、常温でのゴム弾性保持と高温下でのプラスチッ
ク的な流動性とを共に付与するために、組成物の組成比
率を変更できる範囲は非常に狭い範囲に限られてしま
い、これらの持つ特性を大きく変えることは難しく、上
記のすべての特性を満足する含フッ素熱可塑性エラスト
マーは市販されていないのが現状である。
【0005】一方、柔軟性と機械的強度を合わせ持った
材料として、特開昭63−313411号公報、特開昭
63−284713号公報、特公平2−17341号公
報等には、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体にエ
チレン−四フッ化エチレン共重合体のようなフッ素系樹
脂を溶融ブレンドし、放射線架橋を施した組成物も開示
されている。
【0006】一般に、これらの組成物の化学組成は非常
に類似しており、その結果、共重合体相互の相溶性も良
好であり、組成物の物性も向上する。しかしながら、通
常、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体は褐色であ
ることから組成物の白色化(明色化)が困難であり、無
理に白色化を施しても架橋物の物性が著しく低下すると
いった問題が発生する。
【0007】ここで、四フッ化エチレン−プロピレン共
重合体として、数平均分子量が10万以上の高分子量の
ものを用いれば明色化は達成できるが、このように高分
子量の四フッ化エチレン−プロピレン共重合体は押出加
工性に乏しく、押出加工性を高めるためにエチレン系ポ
リマー等の加工助剤を併用する必要があった。これらの
組成物に対して、エチレン系ポリマーを配合すると機械
的強度が低下してしまうため、機械的強度を維持するた
めにはフッ素系樹脂であるエチレン−四フッ化エチレン
共重合体の配合比率を高めざるを得ず、その結果、柔軟
性が低下してしまうという欠点を有していた。
【0008】このような柔軟性の低下を抑えるために特
開平6−9844号公報には、数平均分子量が10万以
上のテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とエ
チレン系ポリマーとを98:2〜80:20の重量組成
比で含む組成物100重量部に対して、フッ化ビニリデ
ンを含むフッ素ゴム共重合体を50重量部以下配合して
なることを特徴とする電気絶縁性組成物が記載されてい
る。
【0009】しかしながら、特開平6−9844号公報
記載の組成物では、基本的にフッ素ゴム組成物が主体で
あるため、柔軟性には問題ないが、機械的強度が低く、
フッ素系樹脂を配合した組成物のように高い機械的強度
を維持できないという問題がある。
【0010】一方、明色配合が可能な例として、四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン系
共重合体、又はフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン
共重合体をフッ化ビニリデンと溶融ブレンドした系につ
いても、特公昭53−14099号、米特許47134
18号等に開示例があるが、組成物の機械的強度を増す
ためにはフッ化ビニリデンの配合比率を高めざるを得
ず、その結果、柔軟性が低下してしまい、これらの組成
物においても、柔軟性を損なわずに機械的強度を向上さ
せることは達成できていないのが現状である。
【0011】また、特開平2−258324号公報に
は、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラ
フルオロエチレン三元共重合体からなる含フッ素共重合
体から選ばれた少なくとも1種とフッ素系グラフト共重
合体との混合物を化学架橋して成ることを特徴とする熱
収縮性チューブが記載されているが、この混合物は、フ
ッ素系グラフト共重合体がフッ化ビニリデン六フッ化プ
ロピレン系共重合体とエチレン−クロロトリフルオロエ
チレン共重合体とのグラフト共重合体であって、本発明
の共重合体とは化学的構造を異にするだけでなく、機械
的強度には優れるが、硬度が高く、チューブ等を成形し
た際には、非常に曲げ難くなるという問題がある。
【0012】この曲げ難さは、上記フッ素系グラフト共
重合体である含フッ素熱可塑性エラストマーを単独で用
いた場合でも、結果は同様であり、問題を解決できな
い。このように近年、機械的強度と柔軟性ともに優れた
共重合体として、含フッ素熱可塑性エラストマーが注目
されている。
【0013】このような含フッ素熱可塑性エラストマー
としては、例えば、エチレン−四フッ化エチレン共重合
体と六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体と
のブロック共重合熱可塑性エラストマーが市販されてい
るが、この共重合体は圧縮永久歪みが悪く、加熱巻付性
にも劣っているため一般に放射線架橋を施してチューブ
等を成形する必要がある。しかしながら、これらのチュ
ーブを空気中で放射線架橋するとチューブ内面のタック
性が増し、チューブがベタつくという欠点を有してい
る。
【0014】このため、例えば特開昭62−14693
1号公報には、チューブの回りのガス雰囲気をN2 ガス
等の不活性ガスに置換することが開示されているが、チ
ューブ内に溶存する酸素の影響を無視できるまで、又は
内面タックが起こらない程度までガス置換を行うこと
は、実際には極めて煩雑な作業であり非常に手間がかか
る。
【0015】ここで、これら含フッ素熱可塑性エラスト
マーの表面タック性を改良するために特開昭61−21
114号公報には、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロ
プロペン又はこれらと他のエチレン系不飽和単量体のブ
ロック共重合体で、エラストマー性ポリマー鎖セグメン
ト及び非エラストマー性ポリマー鎖セグメントから成る
含フッ素熱可塑性エラストマーに、分子中に2個以上
の、不飽和結合官能基を持つ多官能性モノマーと亜鉛化
合物あるいは鉛化合物を添加して成るフッ素ゴム配合組
成物が記載されているが、これら亜鉛化合物あるいは鉛
化合物を添加しても、チューブ等の内面タック性の改良
には効果は不十分である。他の含フッ素熱可塑性エラス
トマーとしてフッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、
四フッ化エチレンを主体とするものも最近開発されてい
る。
【0016】この含フッ素熱可塑性エラストマーは、フ
ッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチレ
ンの組成比が10:35:55、10:15:75、5
5:5:40、55:15:30の4点で囲まれた範囲
内にある含フッ素共重合体であり、従来の含フッ素エラ
ストマー(フッ化ビニリデン、六フッ化プロピレン、四
フッ化エチレンの組成比が25:40:35、50:1
5:35、75:25:0、40:60:0の4点で囲
まれた範囲内にあるもの)とは、性質が本質的に異な
り、従来のエラストマーには、認められない融点を有
し、かつ、その機械的強度はエラストマーの2〜3倍と
高く、エラストマーのように補強材となる充填剤を混入
したり、架橋を施したりしなくとも十分使用できるもの
として、近年注目をあびている。
【0017】しかしながら、この含フッ素共重合体は、
機械的特性には大変優れているものの、やはり硬度が高
く、これらで作られたチューブ等は曲げ難くかつ融点が
110〜160℃程度と比較的低いため、耐熱性等の点
で問題がある。
【0018】このように、含フッ素エラストマー又は含
フッ素熱可塑性エラストマーにフッ素樹脂をブレンドし
たり含フッ素エラストマーに含フッ素熱可塑性エラスト
マーをブレンドしたり、又は含フッ素熱可塑性エラスト
マーを単体で使用していたのでは、明色配合が可能でし
かも柔軟性、機械的特性、内面タック性及び組成物成分
相互の相溶性というすべての面でともに優れた組成物を
得ることはできなかった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、明色配合が可能であり、
柔軟性、機械的強度、内面タック性及び組成物成分相互
の相溶性にも優れた含フッ素樹脂組成物を提供すること
にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく種々検討を重ねた結果、共に四フッ化エチレ
ン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体よ
り成り、その各成分の組成比が異なる含フッ素熱可塑性
共重合体と含フッ素エラストマーとを混合することを着
想し、本発明を完成するに至った。
【0021】即ち、本発明は、四フッ化エチレンと六フ
ッ化プロピレンとフッ化ビニリデンの組成比が55:3
5:10、75:15:10、40:5:55、30:
15:55の4点で囲まれた範囲内にある含フッ素熱可
塑性エラストマー共重合体と四フッ化エチレンと六フッ
化プロピレンとフッ化ビニリデンの組成比が35:4
0:25、35:15:50、0:25:75、0:6
0:40の4点で囲まれた範囲内にある含フッ素エラス
トマー共重合体とを2:8〜8:2の重量比で配合した
ことを特徴とする含フッ素樹脂組成物である。
【0022】本発明で用いられる四フッ化エチレン、六
フッ化プロピレン、フッ化ビニリデンからなる含フッ素
熱可塑性エラストマー共重合体は、図1に示すように、
それらの組成比が55:35:10、75:15:1
0、40:5:55、30:15:55の4点で囲まれ
る範囲内にあり、従来のフッ化ビニリデン−六フッ化プ
ロピレン−四フッ化エチレン含フッ素エラストマーと
は、組成比が異なり、融点の有無においてもまったく異
なるポリマーである。本発明で用いられる含フッ素熱可
塑性共重合体としては、THVポリマー〔3M社製〕を
好ましく用いることができる。
【0023】一方、含フッ素エラストマー共重合体は、
同じく図1に示すように、上記組成比が35:40:2
5、35:15:50、0:25:75、0:60:4
0の4点で囲まれた範囲内にあり、基本的に融点を有し
ていない。
【0024】これらの含フッ素エラストマーは、この範
囲内のものであればすべて用いることはできるが、特に
耐油性や耐ガソリン性等を考慮した場合には、四フッ化
エチレンと六フッ化プロピレンとフッ化ビニリデンとの
組成比が15〜30:25〜30:60〜40程度の通
常市販されている四フッ化エチレン−六フッ化プロピレ
ン−フッ化ビニリデン共重合体が好ましく用いられる。
【0025】これらの含フッ素熱可塑性エラストマー共
重合体及び含フッ素エラストマー共重合体は、その各成
分の組成比に差があるものの基本的には双方とも四フッ
化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニリデンと
いう同組成の共重合体であるため、相互の共重合体を混
合した場合には非常に相溶性がよく、又これらの共重合
体は、双方のブレンド比率を多少変更してもあまり硬度
が変化せず、柔軟性を保つことができるという利点を有
している。
【0026】一般に、柔軟性と機械的強度の双方の特性
を同時に満足するには、含フッ素熱可塑性エラストマー
と含フッ素エラストマーとを2:8〜6:4の重量比で
配合したものがよく、さらに好ましくは3:7〜5:5
である。含フッ素熱可塑性エラストマー成分が8:2よ
り多くなると、組成物の柔軟性が低下し、ゴム弾性が低
下してしまう。逆に、フッ素系エラストマー成分が2:
8よりと多くなると、組成物の機械的強度が低下してし
まう。
【0027】ここで、 本発明の含フッ素樹脂組成物
は、一般に化学架橋又は電離性放射線を用いて架橋され
る。電離性放射線としては、X線、γ線、陽子線、重陽
子線、中性子線、α線、β線などを挙げることができる
が、好ましくは、γ線、又はβ線を用いる。また、化学
架橋は一般に成形温度を落として行えば可能であるが、
加硫時間が非常に長くなり、成形性も悪いので、一般に
電離性放射線による架橋を行うのが好ましい。
【0028】更に、架橋度の向上を達成するために架橋
助剤を用いるのが好ましい。架橋助剤としては、アリル
型化合物、イオウ、有機アミン類、マレイミド類、メタ
クリレート類、ジビニル化合物、ポリブタジエン等が挙
げられるが、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリ
ルシアヌレートに代表されるアリル型化合物が最も好ま
しく、その配合量は架橋度の向上と効果の飽和の両面か
ら通常2〜10重量部、好ましくは3〜5重量部であ
る。
【0029】また、押出成形時における架橋助剤と前記
樹脂及びゴムの成分とを混練し易くするために、無機充
填剤を用いる。無機充填剤としては、タルク、クレー、
無水珪酸、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム等が挙げら
れるが、無水珪酸、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、
タルクは、多量に配合しても引張特性をあまり低下させ
ないので好ましい。
【0030】特に1〜3μmの範囲の粒径の炭酸カルシ
ウム又はタルクは、押出成形時発泡の発生を抑制し、チ
ューブ成形時のチューブのヘタリ防止や内面タック性の
改善に効果があり、通常10〜50重量部、好ましくは
20〜30重量部である。
【0031】更に、上記成分以外に架橋効率を上げるた
めの希土類酸化物の添加、安定剤、顔料、酸化防止剤、
滑剤等の添加剤を種々配合することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1〜5及び比較例1〜7 練り上がり総量の組成物の体積が2.4リットルになる
ように、比重に応じて総重量を決め、表1、2に示した
材料をその配合比に従って、160℃に予熱した3リッ
トル加圧型ニーダーに仕込んだ。加圧ぶたをおろし、一
対の回転羽根の一方の回転数を29rpm、他方の回転
数を43rpmにして混練を開始した。始め、ポリマー
のみで2分間、混練し、次いで、すべての配合剤を投入
し、5分間混練した。その後、混練物を排出し、ロール
ミルにてシート状に形を整えた。
【0033】この混練物を、ダイス温度180℃、ヘッ
ド温度180℃、シリンダー1温度170℃、シリンダ
ー2温度130℃に設定した40mm押出機(L/D=
22)を用い、内径2.5mm、肉厚0.5mmのチュ
ーブ状に押出成形した。
【0034】次いで、保有能力100万キュリーのCo
60線源を用い、100KGyのγ線を照射し、架橋せし
めた。
【0035】なお、比較例3、4においてはニーダー温
度を200℃にして混練し、ダイス温度、ヘッド温度、
シリンダー1温度、シリンダー2温度をそれぞれ200
℃、200℃、180℃、150℃とし、比較例5、6
では、250℃にてニーダー混練を行い、ダイス温度、
ヘッド温度、シリンダー1温度、シリンダー2温度をそ
れぞれ260℃、260℃、240℃、220℃にて押
出成形を行った。また、比較例7では80℃にてニーダ
ー混練を行い、80℃にて40mmゴム用押出機(L/
D=16)にて同様にチューブ状に押出成形した。
【0036】上記のようにして、架橋せしめたチューブ
について、抗張力、伸び率、耐熱性、硬度、及び内面タ
ック性を測定した。これらの測定方法は次の通りであ
る。
【0037】(1)初期抗張力、初期伸び率は、JIS
C 3005(絶縁体の引張り試験)に従い、チュー
ブ形状にて測定を行った。ここで初期抗張力1.3kg
/mm2 以上、初期伸び率200%以上が一般要求値で
ある。
【0038】(2)耐熱性は、架橋チューブを250℃
で96時間熱老化させた後、JISC 3005(絶縁
体の引っ張り試験)により、抗張力及び伸びを測定し、
初期値に比べ抗張力、伸びともに80%以上であれば○
とし、80%未満を×とした。
【0039】(3)硬度は、JIS K 6253に従
い、架橋チューブを縦方向に引き裂き、このような試験
片を3枚積み重ねマイクロ試験片を作成し、ウォーレス
式硬さ試験機を用いて、IRHDで硬さを直読して測定
した。通常85以下が一般要求値である。
【0040】(4)内面タック性は、該チューブを5c
m長に切りこの中央部に直径10mmの鉄棒を乗せ、こ
の鉄棒に荷重を乗せ、鉄棒と荷重とを合わせた総重量を
1kgとし、この状態に1分間保つ。1分後、荷重を取
り除きチューブの復元性を観察する。チューブ内面同志
の貼り付きが15秒以内に無くなれば○として、15秒
を越えれば×とした。
【0041】結果は、表1及び表2に示す通りであっ
た。
【表1】
【表2】 表1、2に示した結果から明らかな様に実施例1〜5
は、初期強さ、伸び、耐熱性に優れ内面タック性にも優
れ、また硬度がウォーレス式硬さ試験機のIRHDにお
ける硬さで最大でも80以下と従来のものに比べ、非常
に曲げ易く、軟質塩化ビニル程度の硬さに保つことがで
きた。
【0042】更に、これら実施例1〜5の組成物は、白
色度の点においても実用上問題がなく、また、両成分の
相互間の相溶性についても、組成物を透過型電子顕微鏡
写真で観察した際の各分散相の大きさが平均400nm
程度であり、相溶性も非常に良好であった。
【0043】一方、必要量以上に含フッ素熱可塑性共重
合体を配合した場合(比較例1)、には硬度が上昇して
しまい非常に曲げ難くなる。また、配合量が少なすぎる
場合(比較例2)や、含フッ素熱可塑性エラストマー共
重合体を配合しない場合(比較例7)では初期抗張力の
上昇が不十分であった。
【0044】ポリフッ化ビニリデンを配合した場合(比
較例3)、セフラルソフト型の含フッ素熱可塑性エラス
トマー(比較例4)、ダイエルサーモ型の含フッ素熱可
塑性エラストマーのみの場合(比較例5)、及びダイエ
ルサーモ型の含フッ素熱可塑性エラストマーとエチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体を混合した場合(比
較例6)では耐熱性が不十分となり、特に比較例5のダ
イエルサーモ型の含フッ素熱可塑性エラストマー単体の
場合、空気中では内面タック性は改善できない。
【0045】
【発明の効果】本発明の含フッ素樹脂組成物によれば明
色配合が可能であり、耐熱性、機械的強度、及び内面タ
ック性に優れ、しかも硬度が低く曲げ易い成型品を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する含フッ素熱可塑性エラストマ
ー共重合体の組成比及び含フッエラストマー共重合体の
組成比を示す三元組成図である。
【符号の説明】
VDF フッ化ビニリデン HFP 六フッ化プロピレン TFE 四フッ化エチレン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四フッ化エチレンと六フッ化プロピレン
    とフッ化ビニリデンの組成比が55:35:10、7
    5:15:10、40:5:55、30:15:55の
    4点で囲まれた範囲内にある含フッ素熱可塑性エラスト
    マー共重合体と四フッ化エチレンと六フッ化プロピレン
    とフッ化ビニリデンの組成比が35:40:25、3
    5:15:50、0:25:75、0:60:40の4
    点で囲まれた範囲内にある含フッ素エラストマー共重合
    体とを2:8〜8:2の重量比で配合したことを特徴と
    する含フッ素樹脂組成物。
JP12951395A 1995-04-27 1995-04-27 含フッ素樹脂組成物 Pending JPH08302137A (ja)

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