JP2945356B2 - 不飽和第四級アンモニム塩の安定な水溶液 - Google Patents

不飽和第四級アンモニム塩の安定な水溶液

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JP2945356B2 JP9197778A JP19777897A JP2945356B2 JP 2945356 B2 JP2945356 B2 JP 2945356B2 JP 9197778 A JP9197778 A JP 9197778A JP 19777897 A JP19777897 A JP 19777897A JP 2945356 B2 JP2945356 B2 JP 2945356B2
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    • C07C219/04Compounds containing amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton having esterified hydroxy groups and amino groups bound to acyclic carbon atoms of the same carbon skeleton the carbon skeleton being acyclic and saturated
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の存在下で〔化
3〕:
【0002】
【化3】 (ここで、R1 は水素原子またはメチル基を表す)で表
されるN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
(II)を下記: R−X (III) (ここで、Rはメチル基またはベンジル基を表し、Xは
Cl、Br、IまたはCH3−SO4 から選択される)で表
される第四級化剤(III) と反応させて得られる〔化
4〕:
【0003】
【化4】 (ここで、R1 、RおよびXは上記と同じ意味を有す
る)で表される不飽和第四級アンモニウム塩(I)(以下第
四級塩ともいう)の水溶液に関するものである。(I) で
表される第四級アンモニウム塩は水処理用凝集剤として
使用されるポリマーの製造で用いられる。
【0004】
【従来の技術】第四級アンモニウム塩(I) 合成の主たる
問題点はモノマー(II)の水に対する感受性と、反応器内
で反応混合物が重合する危険性および貯蔵中に第四級塩
(I) が重合する危険性である。特開昭57-109,747号およ
び特開昭第57-109,749号には、一般式(I) で表される塩
の安定化方法が記載されている。この方法ではこの塩に
少なくとも一種のキレート化剤(アミノカルボン酸にす
ることができる)とニトロソ化合物またはキノン型化合
物とを添加する。実際には、アミノカルボン酸としての
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびニトリロ三
酢酸の第三ナトリウム塩をニトロソ化合物またはベンゾ
キノンと一緒に用いて、メタクリロイロキシエチルトリ
メチルアンモニウムクロライドの水溶液を安定化させて
いる。欧州特許第302,122 号には金属イオン封鎖剤とし
てのEDTAが記載されている、この特許には水と非プ
ロトン性溶媒とで構成される媒質中で第四級化を行う不
飽和第四級アンモニウム塩の合成方法が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、アミノカ
ルボン酸とその塩からなる群に属する特定の金属イオン
封鎖剤を用いることによって室温で非常に優れた安定性
を示す塩溶液が得られるということを見出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の対象は、モノマ
ー(II)と第四級化剤(III) とを反応させて得られる一般
式(I) で表される少なくとも一種の不飽和第四級アンモ
ニウム塩の安定した水溶液であり、モノマー(II)と一緒
に少なくとも一種の安定化剤を含み、さらに少なくとも
一種の金属イオン封鎖剤を含む水溶液において、金属イ
オン封鎖剤がジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレン
トリアミン五酢酸の第五ナトリウム塩、N-(ヒドロキシ
エチル)-エチレンジアミン三酢酸およびN-(ヒドロキシ
エチル)エチレンジアミン三酢酸の第三ナトリウム塩か
らなる群の中から選択されることを特徴とする水溶液に
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】一般に、本発明における金属イオ
ン封鎖剤の含有率は一般式(I) で表される第四級アンモ
ニウム塩の水溶液に対して約1〜100ppmである。金属イ
オン封鎖剤は反応開始時にモノマー(II)に添加するのが
好ましい。安定化剤は3,5-ジ-tert-ブチル-4- ハイドロ
キシトルエン、ハイドロキノンメチルエーテル、ハイド
ロキノン、カテコール、tert- ブチルカテコールおよび
これらの混合物の中から選択される。本発明の安定化剤
の含有率は一般式(I) で表される第四級アンモニウム塩
の水溶液に対して約20〜1200ppm である。本発明の第四
級アンモニウム塩水溶液は約50〜85重量%の塩(I) を含
む水溶液である。
【0008】本発明はさらに他の対象は、上記一般式(I
I)および(III) で表される少なくとも一種の(メタ)ア
クリルモノマーと少なくとも一種の第四級化剤とから、
反応開始時にモノマー(II)と一緒に導入した少なくとも
一種の安定化剤の存在下で、一般式(I) で表される不飽
和第四級アンモニウム塩を含む安定した水溶液を製造す
る方法において、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸の第五ナトリウム塩、N-(ヒドロ
キシエチル)-エチレンジアミン三酢酸およびN-(ヒドロ
キシエチル)エチレンジアミン三酢酸の第三ナトリウム
塩からなる群の中から選択した少なくとも一種の金属イ
オン封鎖剤を反応開始時にモノマー(II)に添加するか、
および/または生成した水溶液に添加することを特徴と
する方法にある。
【0009】安定化剤の例とその好ましい量と金属イオ
ン封鎖剤の好ましい量は上記の通りである。金属イオン
封鎖剤は一般に水溶液の状態で入手可能であるので、本
発明の金属イオン封鎖剤は水溶液の状態で添加される。
事実、Versenex 80 の名称で市販のジエチレントリアミ
ン五酢酸は約40重量%の水溶液として供給される。本発
明方法の特に好ましい具体例は欧州特許第0,250,325 号
の対象となるものである。そのためには下記のようにす
る: (a) 閉じた反応器内へ反応に必要な第四級化剤(III) の
5〜20重量%を連続的に導入して、(メタ)アクリルモ
ノマー(II)と反応させるか、(a')閉じた反応器内で、
(メタ)アクリルモノマー(II)と(メタ)アクリルモノ
マー(III) の重量に対して5〜20重量%の第四級塩(I)
の水溶液(50〜85重量%の第四級塩を含有する)とを導
入し、 (b) 水に対する第四級アンモニウム塩(I) の濃度が所望
値になるまで水と第四級化剤(III) の残部とを添加し、 (c)(a)または(a')と(b) の操作中、温度を30〜60℃に保
ち、 (d)(a)または(a')と(b) の操作中、特に反応終了近くに
反応混合物中に酸素含有ガスを連続的に吹き込み、この
際、反応器出口から排出される全ガス量と反応器の入口
に導入される酸素との体積比が 100/1以下にする。
【0010】反応中、反応器から排出されるガスの体積
と反応器の入口から導入される酸素との比は50/1以下
に設定するのが好ましい。反応混合物が第四級アンモニ
ウム塩(I) で過飽和になるのを防ぐために、(b)の操作
中、導入する第四級化剤(III) に対する水のモル比は2.
2 〜3.7 に設定する。(a) または(a')と(b) の操作中、
温度は45℃〜55℃に保つのが好ましい。また、(a) また
は(a')の操作中、第四級化剤(III) または50〜85重量%
の第四級塩(I) を含む水溶液の導入量は約10重量%にす
るのが有利である。本発明の方法は大気圧〜1.6 バール
の絶対圧下で実施するのが好ましい。
【0011】第四級化剤(III) が反応温度で気体である
揮発性化合物の場合には、反応中の第四級化剤の導入は
排気中への損失を最小限に抑えるような方法で行う。そ
れによって損失は化学量論量の10モル%以下に保たれ
る。特に第四級化剤(III) が高い蒸気圧を有するか、反
応温度において揮発性である場合には、反応器から排出
されるガスをガス中に含まれる痕跡量の第四級化剤(II
I) を除去するための処理装置へ送る。好ましくはガス
を(メタ)アクリルモノマー(II)を含む第2の反応器へ
送り、そこで第四級化剤(III) を捕捉する。反応終了
後、高速の酸素含有ガス流量、例えば空気流を用いて反
応混合物をフラッシングすることによって反応混合物中
に溶解した痕跡量の第四級化剤(III)を除去する。
【0012】本発明方法に特に好適な第四級化剤(III)
はハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチル、臭化メチ
ル、ヨウ化メチル、塩化ベンジル、臭化ベンジルおよび
ヨウ化ベンジルと、硫酸ジメチル等である。本発明は、
下記の実施例からより明確に理解できよう。しかし、本
発明が下記実施例に限定されるものではない。以下の実
施例ではパーセントの値は重量%を表し、以下の略語が
使用されている: DAMEA :N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート DAMEMA:N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト Adamquat MC 80:アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド80%水溶液 Madquat MC 75 :メタクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド75%水溶液 HQME :ハイドロキノンメチルエーテル Versenex 80 :ジエチレントリジアミン五酢酸の第五
ナトリウム塩(40重量%の活性成分を含む水溶液)
【0013】
【実施例】実施例1Adamquat MC 80の調製 ジャケット付反応器に 800ppm のHQMEで安定化した
429 gのDAMEAを攪拌しながら入れる。合計6時間
の反応中、温度を47℃、圧力を大気圧に保ち、反応器入
口から一定流量0.4 Nl/時で連続的に空気を導入する。
流速39g/時で0.5 時間かけて20gの塩化メチル (反応
に必要な塩化メチル合計量の12%) を導入し、次いで、
143 gの水と139 gの塩化メチルとをそれぞれ流速32g
/時および39g/時で同時に導入する。水/塩化メチル
のモル比は2.3である。その後、生成物が高温のうちに
5Nl/時の割合で0.5 時間空気を注入する。720 gのAd
amquat MC 80が回収される。得られた生成物は 100ppm
のVersenex80を用いて安定化する。生成した塩の水溶液
の貯蔵安定性試験の結果は〔表1]に示す。この貯蔵安
定性試験は Versenex 80を添加したAdamquat MC 80を80
%充填した密閉試験管をサーモスタット制御油浴(温度
92℃)に浸漬し、Adamaquat MC 80が重合するまでの時
間でVersenex 80 を評価する。
【0014】実施例2 Versenex 80 の代わりに〔表1〕に記載の他の金属イオ
ン封鎖剤を用いて実施例1と同様に操作した。結果は
〔表1〕に示してある。〔表1〕には金属イオン封鎖剤
を用いない対照試験(実施例3)と本発明以外の金属イ
オン封鎖剤を用いた比較実施例4〜7の結果を示す。
【0015】
【表1】
【0016】実施例8 Madquat MC75の調製 ジャケット付反応器に、80ppm のHQMEおよび10ppm
のVersenex 80 (40%水溶液の状態で)で安定化した31
4 gのDAMEAを攪拌しながら入れた。合計7.5 時間
の反応中、温度を50℃で圧力を大気圧に保ち、反応器入
口から一定流量0.4 Nl/時で空気を連続的に導入した。
流速22g/時で0.5 時間かけて11gの塩化メチル (反応
に必要な塩化メチル合計量の10%) を導入し、次いで、
138 gの水と残りの塩化メチル (100 gの塩化メチル)
をそれぞれ流速21g/時および17g/時で同時に導入し
た。水/塩化メチルのモル比は3.46である。反応終了が
近づいた時点 (約6.5 時間後) で、塩化メチルの流量を
除々に5g/時まで低下させる。その後、生成物が高温
のうちに5Nl/時の割合で0.5 時間空気を注入する。54
5 gのMadquat MC 75 が回収される。本実施例8でMadq
uat MC 75 と一緒に使用した安定化剤および金属イオン
封鎖剤の量および得られた水溶液の貯蔵安定性の観察結
果は〔表2〕に示してある。金属イオン封鎖剤を添加し
ないで実施例8と同様に操作した対照実施例9の結果も
併せて〔表2〕に示す。
【0017】
【表2】
【0018】実施例10 Madquat MC 75 の調製 異なる量の安定化剤を使用して実施例8と同様に操作し
た。結果は〔表3〕に示す。この表は〔表2〕と類似し
ているが、生成した溶液の温度70℃における安定性が最
後の欄に示してある。金属イオン封鎖剤を用いなかった
対照実施例11の結果もあわせて〔表3〕に示す。
【0019】
【表3】 (*)重合テストが陽性になるまでの時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−109747(JP,A) 特開 昭57−109749(JP,A) 特開 平5−295011(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 219/08 C07C 213/10 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の存在下で、下記〔化1〕: 【化1】 (ここで、R1 は水素原子またはメチル基を表す)で表
    されるN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
    (II)を下記: R−X (III) (ここで、Rはメチル基またはベンジル基を表し、 XはCl、Br、IまたはCH3-SO4 から選択される)で
    表される第四級化剤(III) と反応させて得られる下記
    〔化2〕: 【化2】 (ここで、R1 、RおよびXは上記と同じ意味を表す)
    で表される不飽和第四級アンモニウム塩(I) の安定化さ
    れた水溶液であって、モノマー(II)と組み合わされた少
    なくとも一種の安定化剤を含み、さらに少なくとも一種
    の金属イオン封鎖剤を含む水溶液において、 金属イオン封鎖剤がジエチレントリアミン五酢酸、ジエ
    チレントリアミン五酢酸の第五ナトリウム塩、 N-(ヒド
    ロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸およびN-(ヒド
    ロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸の第三ナトリウ
    ム塩からなる群の中から選択されることを特徴とする水
    溶液。
  2. 【請求項2】 金属イオン封鎖剤の含有率が第四級アン
    モニウム塩(I) の水溶液に対して1〜100ppmである請求
    項1に記載の水溶液。
  3. 【請求項3】 安定化剤が 3,5- ジ-tert-ブチル-4- ヒ
    ドロキシトルエン、ハイドロキノンメチルエーテル、ハ
    イドロキノン、カテコール、tert- ブチルカテコールお
    よびこれら安定化剤の混合物からなる群の中から選択さ
    れる請求項1または2に記載の水溶液。
  4. 【請求項4】 安定化剤の含有率が第四級アンモニウム
    塩(I) 水溶液に対して約20〜1200ppm である請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の水溶液。
  5. 【請求項5】 第四級アンモニウム塩(I) の濃度が50〜
    85重量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の水
    溶液。
  6. 【請求項6】 反応開始時に請求項1に記載の一般式(I
    I)で表されるモノマーと一緒に少なくとも一種の安定化
    剤を導入し、その存在下で、請求項1に記載の一般式(I
    I)および(III) で表される少なくとも一種の(メタ)ア
    クリルモノマーと少なくとも一種の第四級化剤とから請
    求項1に記載の一般式(I) で表される不飽和第四級アン
    モニウム塩を含む安定な水溶液を製造する方法におい
    て、 ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五
    酢酸の第五ナトリウム塩、N-(ヒドロキシエチル)- エ
    チレンジアミン三酢酸およびN-(ヒドロキシエチル)エ
    チレンジアミン三酢酸の第三ナトリウム塩からなる群の
    中から選択される少なくとも一種の金属イオン封鎖剤
    を、反応開始時にモノマー(II)に添加するか、および/
    または生成した水溶液に添加することを特徴とする方
    法。
  7. 【請求項7】 金属イオン封鎖剤を水溶液の状態で添加
    する請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】下記 (a)〜(d) である請求項6または7に
    記載の方法: (a) 閉じた反応器内へ第四級化剤は連続的に導入して、
    反応に必要な第四級化剤(III) の5〜20重量%を(メ
    タ)アクリルモノマー(II)と反応させるか、 (a')閉た反応器内に(メタ)アクリルモノマー(II)
    と、(メタ)アクリルモノマー(II)の重量に対して5〜
    20重量%の50〜85重量%の第四級アンモニウム塩を含む
    第四級アンモニウム塩(I) 水溶液とを導入し、 (b) 水に対する第四級アンモニウム塩(I) の濃度が所望
    の値になるまで水と第四級化剤(III) の残部とを加え、 (c)(a)または(a')と(b) の操作中、温度を30〜60℃に保
    ち、 (d)(a)または(a')と(b) の操作中、特に反応終了近くで
    反応混合物中に酸素含有ガスを連続的に吹き込み、この
    際、反応器出口から排出される全ガス量と反応器の入口
    から導入される酸素との比を 100/1以下に維持する。
  9. 【請求項9】 大気圧〜1.6 バールの絶対圧下で反応を
    行う請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 反応器から排出されるガスを、(メ
    タ)アクリルモノマーを含む第2の第四級化反応器で構
    成される処理装置へ送って、ガスに含まれる痕跡量のR
    −Xを除去する請求項8または9に記載の方法。
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