JP2003286235A - 不飽和第四級アンモニウム塩の製造方法 - Google Patents

不飽和第四級アンモニウム塩の製造方法

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Toru Endo
透 遠藤
Akira Ogawa
朗 小川
Shuhei Otsuka
修平 大塚
Isao Kaneko
功 兼子
Tomoki Fukui
友基 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸エステルアミンと塩化メ
チルの反応終了後に、重合増粘を抑制し、かつ、安全に
反応液を取り扱うことができる不飽和第四級アンモニウ
ム塩の製造方法を提供する。 【解決手段】 反応器内において、(メタ)アクリル酸
エステルアミンと塩化メチルとを反応させて不飽和第四
級アンモニウム塩を合成した後に、酸素濃度0.1〜1
6容量%の酸素と不活性ガスの混合ガスを反応器内に導
入し、反応器内から塩化メチルを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和第四級アン
モニウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和第四級アンモニウム塩は、単独重
合、あるいは、他のモノマーとの共重合(グラフト重合
を含む)により陽イオン性、導電性、水溶性、接着性な
どの機能を有するポリマーを容易に与えるため、凝集
剤、帯電防止剤、土壌改良剤、導電加工剤、染色改良
剤、紙力増強剤、紙の濾水性向上剤、化粧品、樹脂改質
剤などの原料モノマーとして幅広く用いられている。
【0003】不飽和第四級アンモニウム塩は、(メタ)
アクリル酸エステルアミンを塩化メチル等のハロゲン化
アルキルでアルキル化することにより製造される。この
反応方法は、得られる不飽和第四級アンモニウム塩の形
態や種類によっても異なり、有機溶媒中で反応させる方
法や、水あるいは水を含む溶媒中で反応させる方法が知
られている。
【0004】例えば、特開昭52−27712号公報に
は、アセトニトリル中で反応させる方法が開示されてい
る。特開昭59−110660号公報には、アセトンな
どのケトン類中で反応させる方法が開示されている。ま
た、特開昭51−76216号公報には、水溶液中、反
応温度50℃以下で反応させる方法が開示されている。
特開平8−268985号公報には、水あるいは水−ア
セトン混合溶媒中で反応させる方法が開示されている。
【0005】不飽和第四級アンモニウム塩の製造におい
ては、通常、アルキル化反応後の反応器中に原料の塩化
メチルが残存している。塩化メチルは、一定量以上の酸
素と混合した場合、爆発の危険性が生じることが知られ
ている。また、アルキル化反応後には重合増粘が起こり
やすい。そのため、反応終了後には、爆発の危険性がな
い状態で、かつ、重合増粘を抑制しつつ反応器内から塩
化メチルを除去することが望まれる。
【0006】特許公報第2886990号には、アルキ
ル化反応終了後、通常の減圧操作を行う方法、具体的に
は、反応器内を減圧にして反応液内に溶解している塩化
メチルを脱気する方法が記載されている。しかし、この
方法では、不飽和第四級アンモニウム塩の重合増粘を抑
制するのに有効な反応液中の溶存酸素も減圧により減少
する。そのため、酸素による重合増粘抑制効果が低減
し、重合増粘が起こる場合がある。
【0007】特開平4−217648号公報には、アル
キル化反応終了後、反応器上層のアルキル化剤(塩化メ
チル等)を窒素等の不活性ガスで置換し、次いで反応液
内に空気を吹き込み、反応液内に溶解しているアルキル
化剤を除去する方法が開示されている。しかし、この方
法では、2段階で塩化メチル等のアルキル化剤を除去し
ており、操作が煩雑である。また、反応液内に溶解して
いる塩化メチルの量によっては吹き込んだ空気と反応器
から出てくるガス中で爆鳴気を形成する場合があり、安
全面で懸念が残る。
【0008】特許公報第2773049号には、3〜1
0バールの絶対圧下におけるアルキル化反応終了時に、
圧力を次第に大気圧まで下げると同時に反応器中に導入
された酸素の容積流量に対する反応器から出てくるガス
の全容積流量の割合を100以下とする方法が記載され
ている。しかし、この方法では、反応器から出てくるガ
ス中の酸素濃度は1〜100容積%の範囲になり、反応
器から出てくるガス中の塩化メチル濃度と酸素濃度の関
係によっては爆鳴気を形成する場合があって安全面で懸
念が残る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、(メタ)ア
クリル酸エステルアミンと塩化メチルの反応終了後に、
重合増粘を抑制し、かつ、安全に反応液を取り扱うこと
ができる不飽和第四級アンモニウム塩の製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明により達成できる。 反応器内において、下記一般式(1)で表される(メ
タ)アクリル酸エステルアミンと塩化メチルとを反応さ
せて、下記一般式(2)で表される不飽和第四級アンモ
ニウム塩を合成する反応工程と、反応工程後に、酸素濃
度0.1〜16容量%の酸素と不活性ガスの混合ガスを
反応器内に導入し、反応器内から塩化メチルを除去する
塩化メチル除去工程とを有する不飽和第四級アンモニウ
ム塩の製造方法。
【0011】
【化2】
【0012】(式(1)中、R1は水素原子またはメチ
ル基を示し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、nは2または3を示す。式(2)中、R1
は水素原子またはメチル基を示し、R2、R3はそれぞれ
炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは2または3を示
す。) 前記塩化メチル除去工程において、反応工程後、まず
前記酸素と不活性ガスの混合ガスを反応器内に導入して
反応器内の気相部の圧力を0を超え100kPa以下上
昇させ、その後に反応器内のガスの排出を開始する前記
の不飽和第四級アンモニウム塩の製造方法。 前記塩化メチル除去工程において、前記酸素と不活性
ガスの混合ガスを反応器内の液相部に導入する前記ま
たはの不飽和第四級アンモニウム塩の製造方法。 前記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エス
テルアミンが、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステ
ルまたはメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステルで
ある前記〜のいずれかの不飽和第四級アンモニウム
塩の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、(メタ)アクリル酸
エステルアミンと塩化メチルとの反応終了後に、酸素濃
度0.1〜16容量%の酸素と不活性ガスの混合ガス
(以下、酸素含有ガスともいう。)を反応器内に導入
し、反応器内から塩化メチルを除去する。酸素含有ガス
は反応器内の液相部(反応液)に導入することが好まし
い。反応器内に導入する酸素含有ガスの酸素濃度を16
容量%以下にすることにより、塩化メチルとの爆鳴気を
形成することなく、極めて安全に操作を行うことができ
る。また、反応器内に導入する酸素含有ガスの酸素濃度
を0.1容量%以上にすることにより、反応液中に溶解
している酸素量の過大な減少を防止でき、その結果、不
飽和第四級アンモニウム塩の重合増粘を抑制しつつ、反
応液中の塩化メチルを除去することができる。
【0014】上記操作において、16容量%より高い酸
素濃度を持つ酸素と不活性ガスの混合ガス、例えば空気
などを反応液内に吹き込む場合、爆鳴気を形成する可能
性がある。また、反応器内の気相部の塩化メチルを減圧
や不活性ガスによる置換であらかじめ除去した後に空気
を吹き込む場合も、反応液に溶解している塩化メチルの
量によっては爆鳴気を形成する可能性があり、本発明と
比較して安全性の面で劣る。一方、反応器内の塩化メチ
ルを減圧によって除去する場合は、本発明と比較して重
合増粘抑制の効果が劣る。ただし、本発明のように、ま
ず酸素と不活性ガスの混合ガスの吹き込みを行って反応
器内を加圧し、次いで反応器内の圧力を降下させる場合
は、減圧状態になっても適当な酸素分圧が確保でき、十
分に重合増粘を抑制することができる。
【0015】なお、ここで「(メタ)アクリル酸エステ
ルアミン」とは、「アクリル酸エステルアミン」および
「メタクリル酸エステルアミン」を意味する。
【0016】以下、本発明を詳しく説明する。
【0017】反応原料の上記一般式(1)で表される
(メタ)アクリル酸エステルアミンは、目的とする不飽
和第四級アンモニウム塩に応じて適宜決めることができ
る。(メタ)アクリル酸エステルアミンとして、具体的
には、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチルエステル、アクリル酸ジ
メチルアミノプロピルエステル、メタクリル酸ジメチル
アミノプロピルエステル等が挙げられる。
【0018】用いる(メタ)アクリル酸エステルアミン
は、工業的に得られるものであればどのような品質のも
のでもよいが、製品品質向上の点からできるだけ高純度
のものが好ましい。
【0019】本発明において用いる塩化メチルは、工業
的に得られるものであればどのような品質のものでもよ
いが、製品品質向上の点からできるだけ高純度のものが
好ましい。
【0020】本発明では、まず、反応器内において、
(メタ)アクリル酸エステルアミンと塩化メチルとを反
応させて不飽和第四級アンモニウム塩を合成する(反応
工程)。反応方法および反応条件は、公知の方法に従っ
て適宜決めることができる。
【0021】(メタ)アクリル酸エステルアミンと塩化
メチルの仕込み比率は適宜決めることができる。通常、
塩化メチルの使用量(反応器内に導入する量)は、(メ
タ)アクリル酸エステルアミン1モルに対して1モル以
上が好ましく、1.01モル以上がより好ましい。塩化
メチルの使用量(反応器内に導入する量)は、(メタ)
アクリル酸エステルアミン1モルに対して10モル以下
が好ましく、1.3モル以下がより好ましい。
【0022】溶媒としては、アセトニトリル、アセトン
等の有機溶媒や、水、水と有機溶媒の混合溶媒を用いる
ことができる。中でも、水溶液として使用されることが
多い点から、溶媒として水を用い、不飽和第四級アンモ
ニウム塩を水溶液の形態で得ることが好ましい。溶媒の
使用量は適宜決めることができる。
【0023】本発明では、反応液に重合禁止剤を添加し
てもよい。本発明において用いる重合禁止剤は特に限定
されず、公知のものいずれも用いることができる。重合
禁止剤としては、例えば、モノメチルハイドロキノン、
ハイドロキノン、フェノチアジン、クペロン、t−ブチ
ルカテコール、硫酸銅などが挙げられる。重合禁止剤
は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。重合
禁止剤の使用量は適宜決めることができる。溶媒として
水を用いて反応を行う場合、重合禁止剤の使用量は、得
られる不飽和第四級アンモニウム塩水溶液中で100質
量ppm〜20000質量ppmになることが好まし
い。
【0024】本発明では、反応器内に(メタ)アクリル
酸エステルアミンと溶媒とを含む反応液を仕込んだ後、
反応器内に塩化メチルを導入して反応を行い、不飽和第
四級アンモニウム塩を合成する。
【0025】塩化メチルの導入は、反応器内の気相部に
塩化メチルを導入し、反応液に塩化メチルを溶解させて
もよく、また、反応液中に塩化メチルをバブリングし、
反応液に塩化メチルを溶解させてもよい。塩化メチルの
導入効率の点からは、反応液中に塩化メチルをバブリン
グすることが好ましい。また、塩化メチルの導入効率を
高める点から、加圧状態で塩化メチルを導入することが
好ましい。また、液体の塩化メチルを用いる場合は、そ
のまま液面に滴下すればよい。
【0026】反応温度は適宜決めることができ、通常、
0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。ま
た、反応温度は、通常、100℃以下が好ましく、70
℃以下がより好ましい。温度の制御は、塩化メチルの導
入開始前から行ってもよく、塩化メチルの導入を開始し
てから行ってもよい。
【0027】反応圧力は適宜決めることができる。反応
器内の気相部のゲージ圧力は、通常、−100kPa以
上が好ましく、−50kPa以上がより好ましい。ま
た、反応器内の気相部のゲージ圧力は、通常、1500
kPa以下が好ましく、300kPa以下がより好まし
い。
【0028】反応時間は適宜決めればよいが、通常、1
〜12時間程度とすることができる。
【0029】以上のようにして(メタ)アクリル酸エス
テルアミンと塩化メチルとを反応させた後、酸素濃度
0.1〜16容量%の酸素と不活性ガスの混合ガス(酸
素含有ガス)を反応器内に導入し、反応器内から塩化メ
チルを除去する(塩化メチル除去工程)。
【0030】酸素含有ガスの酸素濃度は、不飽和第四級
アンモニウム塩の重合増粘を抑制する点から、1容量%
以上がより好ましく、4容量%以上が特に好ましい。ま
た、酸素含有ガスの酸素濃度は、吹き込みガスと塩化メ
チルによる爆鳴気形成を防止する点から、8容量%以下
がより好ましい。
【0031】酸素含有ガスの酸素源は空気でもよく、純
酸素でもよい。つまり、酸素含有ガスとしては、空気と
不活性ガスの混合ガスでもよく、純酸素と不活性ガスの
混合ガスでもよい。不活性ガスとしては、例えば、窒
素、アルゴンなどが挙げられる。
【0032】酸素含有ガスの導入は、反応器内の気相部
に酸素含有ガスを導入してもよく、反応液中に酸素含有
ガスをバブリングしてもよい。また、両者を同時に行っ
てもよい。反応液中に溶解している塩化メチルを効率的
に除去する点からは、反応液中に酸素含有ガスをバブリ
ングすることが好ましい。
【0033】反応器内に導入する酸素含有ガスの全体積
は、より十分に塩化メチルを除去する点から、標準状態
基準で反応液の体積に対して1倍以上が好ましく、30
倍以上がより好ましい。また、反応器内に導入する酸素
含有ガスの全体積は、標準状態基準で反応液の体積に対
して1000倍以下が好ましく、300倍以下がより好
ましい。
【0034】酸素含有ガスの導入時間は、0.1時間以
上が好ましく、0.5時間以上がより好ましい。また、
酸素含有ガスの導入時間は、10時間以下が好ましく、
5時間以下がより好ましい。
【0035】酸素含有ガスを導入する際の反応液の温度
は、0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
また、酸素含有ガスを導入する際の反応液の温度は、1
00℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。酸
素含有ガスを導入する際の反応液の温度を上記の範囲に
することにより、より高品質の製品が得られる。
【0036】本発明では、反応終了後、酸素含有ガスを
密閉状態にある反応器内に導入して反応器内圧力を上昇
させ、その後に反応器内のガスの排出を開始することが
好ましい。この際、反応器内圧力を0kPaを超え10
0kPa以下上昇させることが好ましい。この操作によ
って、重合増粘を抑制するのに十分な反応液中の溶存酸
素濃度を保ちつつ、より効率よく、安全に反応器内から
塩化メチルを除去することができる。
【0037】以上のようにして反応器内の気相部に残存
している塩化メチル、および、反応液内に溶解している
塩化メチルを十分に除去する。その後、必要に応じて、
溶媒の除去等の操作を行ってもよい。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0039】実施例および比較例において、反応器出口
から排出されるガス(排気ガス)の組成はガスクロマト
グラフィーにて分析した。
【0040】<実施例1>原料供給管と攪拌機とを備え
た加圧反応容器(容量3L)内に、アクリル酸ジメチル
アミノエチルエステル1431.9g(10モル)と水
490.2gとモノメチルハイドロキノン4.8g(得
られると予想されるアクリロイルオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド80質量%水溶液の質量24
00gに対して2000質量ppm)とを仕込んだ。そ
して、この混合液を撹拌しながら、塩化メチルをバブリ
ングさせた。塩化メチルは混合液に吸収され、アクリル
酸ジメチルアミノエチルエステルと反応してアクリロイ
ルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドを生
成した。反応温度は30〜50℃、反応圧力(ゲージ圧
力)は−50〜150kPaであり、反応は5時間で終
了した。得られたアクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド80質量%水溶液は2407.
5gであった。この際、反応での塩化メチルの使用量
(反応器内に導入した量)は540.3g(10.7モ
ル)であり、反応分以外の54.9gの塩化メチルは反
応容器内の気相部や反応液中に残存していた。
【0041】反応終了後、反応液の温度を50℃に保ち
ながら、反応液内に酸素濃度8.0容量%の酸素含有ガ
ス(組成:酸素8容量%、窒素92容量%)を0.12
3/hでバブリングさせた。そして、反応器内の圧力
が20kPa増加した後(1分後)に、反応器内の圧力
を徐々に大気圧まで降下させながら、酸素含有ガスをさ
らに2時間バブリングさせて反応液中に溶解している塩
化メチルを除去した。反応器内に導入した酸素含有ガス
の全体積は、標準状態基準で反応液の体積に対して11
3倍であった。この際、反応器出口からの排気ガス中の
酸素濃度は常に8.0容量%以下であり、いかなる塩化
メチル濃度においても不燃性の気体であった。また、得
られたアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド80質量%水溶液は、重合増粘していなか
った。
【0042】<実施例2>反応液内にバブリングさせる
酸素含有ガスの酸素濃度を4.0容量%(組成:酸素4
容量%、窒素96容量%)とした以外は実施例1と同様
の操作を行った。この際、反応器出口からの排気ガス中
の酸素濃度は常に4.0容量%以下であり、いかなる塩
化メチル濃度においても不燃性の気体であった。また、
得られたアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド80質量%水溶液は、重合増粘していな
かった。
【0043】<比較例1>実施例1と同様に反応を行
い、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド80質量%水溶液を生成した。反応終了後、
反応容器内をゲージ圧力−50kPaの減圧にし、反応
液中に溶解している過剰の塩化メチルを除去し始めたと
ころ、しばらくして重合増粘を起こした。
【0044】<比較例2>反応液内にバブリングさせる
ガスを窒素とした以外は実施例1と同様の操作を行い、
反応液中に溶解している過剰の塩化メチルを除去し始め
たところ、しばらくして重合増粘を起こした。
【0045】<比較例3>反応液内にバブリングさせる
ガスを空気とした以外は実施例1と同様の操作を行い、
反応液中に溶解している過剰の塩化メチルを除去し始め
たところ、開始10分後の反応器出口からの排気ガスの
組成は塩化メチル11.7容量%、酸素18.5容量%、
窒素69.8容量%であり、このガスは可燃性を有する
ものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、(メタ)アクリル酸エ
ステルアミンと塩化メチルの反応終了後に反応器内の気
相部および反応液中に残存する過剰の塩化メチルを除去
する工程を、爆発の危険性なく、安全に行うことができ
る。また、従来技術では最も重合増粘が起きやすいこの
工程において、十分に重合増粘を抑制することができ
る。しかも、本発明では煩雑な操作は含まれていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 修平 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 兼子 功 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社横浜事業所内 (72)発明者 福井 友基 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC52 AD30 BB61 BC11 BE30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器内において、下記一般式(1)で
    表される(メタ)アクリル酸エステルアミンと塩化メチ
    ルとを反応させて、下記一般式(2)で表される不飽和
    第四級アンモニウム塩を合成する反応工程と、 反応工程後に、酸素濃度0.1〜16容量%の酸素と不
    活性ガスの混合ガスを反応器内に導入し、反応器内から
    塩化メチルを除去する塩化メチル除去工程とを有する不
    飽和第四級アンモニウム塩の製造方法。 【化1】 (式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、
    2、R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、
    nは2または3を示す。式(2)中、R1は水素原子ま
    たはメチル基を示し、R2、R3はそれぞれ炭素数1〜4
    のアルキル基を示し、nは2または3を示す。)
  2. 【請求項2】 前記塩化メチル除去工程において、 反応工程後、まず前記酸素と不活性ガスの混合ガスを反
    応器内に導入して反応器内の気相部の圧力を0を超え1
    00kPa以下上昇させ、 その後に反応器内のガスの排出を開始する請求項1に記
    載の不飽和第四級アンモニウム塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記塩化メチル除去工程において、前記
    酸素と不活性ガスの混合ガスを反応器内の液相部に導入
    する請求項1または2に記載の不飽和第四級アンモニウ
    ム塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)で表される(メタ)ア
    クリル酸エステルアミンが、アクリル酸ジメチルアミノ
    エチルエステルまたはメタクリル酸ジメチルアミノエチ
    ルエステルである請求項1〜3のいずれかに記載の不飽
    和第四級アンモニウム塩の製造方法。
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