JP2934274B2 - カルバペネム誘導体 - Google Patents

カルバペネム誘導体

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JP2934274B2
JP2934274B2 JP2073645A JP7364590A JP2934274B2 JP 2934274 B2 JP2934274 B2 JP 2934274B2 JP 2073645 A JP2073645 A JP 2073645A JP 7364590 A JP7364590 A JP 7364590A JP 2934274 B2 JP2934274 B2 JP 2934274B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、カルバペネム骨格を有する新規な抗生物質
に関する。
従来の技術 ペニシリンおよびセファロスポリン系の抗生物質は安
全性に優れており感染症治療に広く用いられてきた。し
かし、これらは全ての菌種に有効とはいえず、また、耐
性を獲得した菌株の出現により適用範囲が制限されつつ
ある。この耐性化は、薬剤の細胞透過性を妨げること、
または、β−ラクタマーゼを産生して薬剤を不活性化す
ることによることが報告されている。
1976年に発見されたカルバペネム骨格を有するチエナ
マイシンはそれまでの抗生物質に対する耐性菌にも有効
であり、かつ、優れた抗菌活性を示した。
解決しようとする問題点 チエナマイシンおよびその後数多く報告された他のカ
ルバペネム誘導体は、物理化学的に不安定であること
と、腎臓のデヒドロペプチダーゼ(DHP)等の酵素によ
って簡単に分解される欠点があり、DHP阻害剤との合剤
として使用せざるを得ない。
また、特開昭60-233076号公報にはβ−クラタマーゼ
産生菌に安定であり、物理化学的にも安定で強い抗菌活
性を示す1−β−メチルカルバペネム化合物が開示され
ている。しかしながら、これらの化合物もなお満足すべ
きものではない。
本発明者は、さらに優れたカルバペネム誘導体を見出
すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。
問題点を解決するための手段 〈発明の構成〉 本発明は一般式I で表わされるカルバペネム誘導体およびその塩に関
し、式中、R1は低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキ
ル基または保護されたヒドロキシ低級アルキル基を意味
し、COOR2はカルボキシル基、カルボキシレートアニオ
ンまたは保護されたカルボキシル基を意味し、R3は水素
原子または低級アルキル基を意味し、R4は水素原子また
は低級アルキル基を意味し、nは1、2または3を意味
する。
本明細書でカルバペネムとは次の骨格を有する化合物
を意味し、本発明はこの骨格に種々の置換基を有するカ
ルバペネム誘導体に関する。
式Iにおける置換基について説明する。
R1としてはヒドロキシル基を有することもあるメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基等の低級アルキル(C1-C6アルキル)基が挙げ
られ、1−ヒドロキシエチル基が、特に1−ヒドロキシ
エチル基が6位炭素原子にS配置の立体配置であってそ
のヒドロキシル基がエチル基の1位(一般にカルバペネ
ム8位といわれる)にR配置に結合している場合が好適
例として挙げられる。
R2として水素原子またはメチル、エチル、イソブチ
ル、第三ブチル等の炭素数1〜6個(C1-6)を有する直
鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、メトキシメチル、メ
トキシエチル等のC1-C6アルコキシC1-C6アルキル基、ピ
バロイルオキシメチル基などのC1-C6脂肪族アシルオキ
シメチル基およびフタリジル基を挙げることができる。
更に、カルボキシル基の保護基を兼ね、温和な条件で容
易に除去し得るエステル残基として、例えばp−ニトロ
ベンジル、ベンズヒドリルもしくは2−ナフチルメチル
基等のアラルキル基、アリル基またはトリメチルシリル
等のC1-C6アルキルシリル基等が挙げられ、p−ニトロ
ベンジル基、アリル基が好適である。さらに、本発明の
化合物がおかれている環境(pH)により、COOR2はカル
ボキシル基またはカルボキシレートアニオンのいずれか
の状態にある。
代謝され得るエステル残基の好ましい例としては、ピ
バロイルオキシメチル基、フタリジル基、アセトキシカ
ルボニルオキシメチル基が挙げられる。
R3としては水素原子またはメチル、エチル、プロピル
等の炭素数1〜4個を有する直鎖状もしくは分岐鎖状低
級アルキル基が挙げられ、メチル基が好適である。この
際1位の不斉炭素原子に関する立体配置としてはR配置
のものが適当である。
本発明の化合物は、薬理学的に許容される塩として用
いてよいが、その例としては次のようなものがある。
すなわち、カルボン酸の無毒性塩、例えば、ナトリウ
ム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム等の金属
塩、アンモニウム塩およびトリエチルアミン、プロカイ
ン、ベンジルアミンとの塩ならびにペニシリン類、セフ
ァロスポリン類の塩形成に用いられる他のアミン類のよ
うな無毒性のアミン類との塩を包含する。特に好適な塩
としてはナトリウム塩、カリウム塩を挙げることができ
る。
本発明のカルバペネム誘導体には塩基性基が存在する
ので、医薬として許容される酸付加塩、例えば、塩類、
臭化水素酸、リン酸、硫酸等の鉱酸あるいは酢酸、クエ
ン酸、コハク酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸等
の有機酸との塩類とすることもできる。特に好適な塩と
しては、塩酸塩、硫酸塩を挙げることができる。また、
式Iの化合物は種々の溶媒和したものでもよく、例え
ば、水和物としてもよい。
本発明化合物は、大腸菌、プロテウス、クレブシェ
ラ、エンテロバクター、ストレプトコッカス、スタフィ
ロコッカス等を始め緑膿菌にも優れた抗菌力を示し、各
種感染症、例えば、呼吸器感染症、外傷・熱傷・手術創
による二次感染症の治療に有効である。
本発明の化合物は慣用される製剤用担体、安定化剤、
溶解補助剤、賦形剤を用いて通常の方法で製剤とするこ
とができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤な
どの経口投与あるいは静注、筋注剤、坐剤などの非経口
投与の種々の方法があるが、通常は静脈注射が好まし
い。投与量は通常成人1日250mg〜3,000mgであり、これ
を数回に分割投与するが、年令、性別、症状により適宜
増減することができる。
本発明の化合物は、次の反応式で例示する方法によっ
て製造することができる。
公知の方法(Heterocycles (1984)21,29 D.H.Shih
et al)およびそれに準ずる方法に従い、化合物II(式
中、R1、R2およびR3は前記に同じ)にジフェニルホスホ
リルクロリドを作用させることにより、活性な中間体II
Iに導くことができる。
この反応は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン等のアルキルアミン類、DBU、N−メチルモル
ホリン等の脂環状アミン類、キヌクリジン、3−キヌク
リジノール等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、
カリウムt−ブトキサイド、ナトリウムメトキサイド等
の金属アルコラート類、ナトリウムアミド、水酸化ナト
リウム等の存在下で行うのが好ましく、ジイソプロピル
エチルアミン、DBUが好適である。
また、通常は原料および生成物に悪影響を及ぼさない
溶媒中で反応を行うのが適当であり、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキサイド(DMSO)、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジクロルメタン、クロロホルムおよびこれらの混
合溶媒を例示することができる。
反応温度は−50℃乃至室温、特に−40℃〜0℃が好適
である。反応時間は15分から8時間、特に30分から8時
間が好適である。
活性な中間体IIIは、単離してまたは単離せずにチオ
ール化合物IVと置換反応させて化合物Iに導くことがで
きる。
チオール化合物IVは塩基と共存させると反応性に富
み、良好に反応が進行するが、塩基なしでも勿論反応は
進行する。使用可能な塩基としては前段階の反応に例示
したものでよくジイソプロピルエチルアミン、DBUが好
適である。この塩基はチオール化合物IVと当量で使用す
るのが好ましいが、チオール化合物が酸付加塩である場
合は、付加されている酸を中和するに必要な量の塩基を
さらに加えることにより良好な結果を得ることができ
る。
この反応も、原料および生成物を悪影響を及ぼさない
溶媒中で反応を行うのが一般的であり、前段階の反応に
例示されたものが使用できる。中間体IIIを単離しない
場合は同じ溶媒で反応を続けるのが好ましい。
反応温度は−50℃乃至室温、特に−40℃〜0℃が好適
である。反応時間は30分から一日間、特に1時間から6
時間が好適である。
置換生成体は通常の後処理により単離することがで
き、必要に応じてシリカゲルを用いたカラムクロマトグ
ラフィに付し、クロロホルム、酢酸エチル、ジクロルメ
タン、メタノールあるいはこれらの混合溶媒を用いて精
製するこできる。
上述の置換反応成績体に保護基がある場合には、所望
により保護基を脱離させることができる。脱離法として
は、水素添加による還元的分解、化学的還元、酸、塩基
または酵素を用いた加水分解による方法等が挙げられ
る。
一般式Iの化合物において、置換基R2がエステル残
基、例えば、p−ニトロベンジル基、ベンジル基、ベン
ズヒドリル基もしくは2−ナフチルメチル基である場合
には、パラジウム担持炭素、酸化白金、その他の公知の
金属触媒を用いて接触還元することにより脱保護し、一
般式IでCOOR2がカルボキシル基またはカルボキシレー
トアニオンであるカルバペネム誘導体とすることができ
る。反応溶媒としてジオキサン、THF、水、緩衝液(混
合溶媒をも含む)を用い、好適には含水ジオキサン、リ
ン酸緩衝液とTHFとの混合溶媒などを用い、1〜4気圧
の水素圧下で0℃〜50℃、好適には10℃〜30℃で、30分
〜16時間、通常は10分〜1時間反応させることによっ
て、COOR2がカルボキシル基またはカルボキシレートア
ニオンであるカルバペネム誘導体Iを得ることができ
る。
また、化合物IのR2がp−ニトロベンジル基である場
合には、これにTHF、ジオキサン等の水溶性有機溶媒中
で、塩化アンモニウム水溶液と鉄粉とを反応させること
により、さらにR2がアリル基である場合にはTHF、メチ
レンクロリド等の非プロトン性溶媒中で、テトラキスト
リフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリフェニル
ホスフィンおよび2−エチルヘキサン酸で処理すること
によりさらにR2が2,2,2−トリクロロエチル基である場
合には、亜鉛末還元により脱保護してもそれぞれCOOR2
がカルボキシル基もしくはカルボキシレートアニオンで
ある目的化合物Iを得ることができる。
上述の置換成績体はその物性によっては単離精製しに
くいものがあり、一般式のCOOR2がカルボキシル基もし
くはカルボキシレートアニオンである化合物の製造を目
的とする場合には、中間の置換成績体を単離することな
く、同一反応容器中で、もしくは簡単な通常の後処理を
施した後、保護基を脱離させることにより良好な結果が
得られる場合がある。これは、特に大量の目的物を製造
する際には、繁雑な作業もなく、収率、品質の点でも優
れた簡便な方法である。
目的化合物Iは通常の単離手段、すなわち、抽出後濃
縮し、さらに必要により再結晶、再沈殿、クロマトグラ
フィなどによって精製することができる。また、化合物
Iは結晶化することによって高純度のものが得られ、こ
の目的のために塩とすることにより好ましい結果が得ら
れる。その際、塩としては必ずしも無毒性酸付加塩であ
る必要はなく、毒性のある塩として結晶化し、精製の後
酸を除去するかもしくは薬理上許容される塩に変換して
目的化合物を純度良く得ることができる。
体内で代謝されるエステル類を製造するには、ペニシ
リン類やセファロスポリン類に用いられている方法(例
えば、J.Med.Chem.(1970),13,607参照)に準じて、
一般式IにおけるCOOR2のR2としてあらかじめ入れてお
くか、またはカルボキシル基あるいはカルボキシレート
アニオンの化合物をエステル化すれば良い。
以下に、実施例および参考例により本発明化合物の製
造方法をより具体的に説明する。構造式中のPNBはp−
ニトロベンジルを、PMBはp−メトキシベンジルを、PNZ
はp−ニトロベンジルオキシカルボニルを、Phはフェニ
ルを意味する。
実施例1 (1)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)−6−(1
−ヒドロキシエチル)−2−{[(2S,4S)−1−p−
ニトロベンジルオキシカルボニル−2−(3−オキソピ
ペラジン−1−イル)カルボニルピロリジン−4−イ
ル]チオ}−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシ
レート p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)−6−(1−ヒ
ドロキシエチル)−1−メチル−2−オキソカルバペナ
ム−3−カルボキシレート302mgをアセトニトリルに溶
解し、−5℃でジフェニルホスホリルクロライド0.24ml
およびジイソプロピルエチルアミン0.21mlを加えて、3
時間撹拌した。反応温度を−30℃に冷却し、(2S,4S)
−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−
(3−オキソピペラジン−1−イル)カルボニル−4−
メルカプトピロリジン315mg、ジイソプロピルエチルア
ミン0.29mlを加え同温度で4時間撹拌した。溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ
に付し、353mgの標題化合物を得た。
NMR(CDCl3)δ: 1.2−1.5(6H,m),1.8−2.0(1H,m),2.5−2.9(1H,
m),3.0−4.8(14H,m),5.29,5.46(各1H,各d),7.4−
7.8(4H,m),8.23(4H,brd) (2)ソジウム(1R,5S,6S,8R)−6−(1−ヒドロキ
シエチル)−2−{[(2S,4S)−2−(3−オキソピ
ペラジン−1−イル)カルボニルピロリジン−4−イ
ル]チオ}−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシ
レート (R1=CH3(OH)CH−、R2=Na、R2=CH3、R4=H、n
=2) p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)−6−(1−ヒ
ドロキシエチル)−2−{[(2S,4S)−1−p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル−2−(3−オキソピペラ
ジン−1−イル)カルボニルピロリジン−4−イル]チ
オ}−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシレート
350mgをTHF12ml、リン酸緩衝液12mlの混液に溶解し、Pd
−Cを加えて、4気圧の水素雰囲気下、接触還元を行っ
た。触媒を濾去し、濾液を濃縮し、ダイヤイオンHP-20
を用いたカラムクロマトグラフィにより精製した。目的
物を含む画分をさらにHPLCにより精製し、標記化合物を
得た。
NMR(D2O)δ: 1.24(3H,d),1.33(3H,d),1.65−1.73(1H,m),2.7
5−2.83(1H,m),3.11(1H,dd),3.23(1H,dd),3.40−
3.54(4H,m),3.76−3.93(3H,m),4.15−4.35(5H,m) このものの各種菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)
の一部を示せば、E.コリ,NIHJ<0.1、Pr.ブルガリス,08
602<0.1、K.ニューモニエ,TYPE 1<0.1、Ps.エルギノ
ーザ,32122<0.1、S.アウレウス,209P<0.1であった。
また、マウスLD50(i.v.)は2g/kg以上であった。
実施例2 ソジウム(1R,5S,6S,8R)−6−(1−ヒドロキシエ
チル)−2−{[(2S,4S)−2−(4−オキソイミダ
ゾリジン−1−イル)カルボニルピロリジン−4−イ
ル]チオ}−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシ
レート (R1=CH3(OH)CH-、R2=Na、R3=CH3、R4=H、n=
1) 実施例1と同様にして標題化合物を得た。
NRM(D2O)δ: 1.25(3H,d),1.33(3H,d),1.71−1.76(1H,m),2.7
5−2.81(1H,m),3.05−3.10(1H,m),3.23−3.27(1H,
m),3.41−3.48(2H,m),3.86(1H,m),3.95−4.02(1
H,m),4.05−4.34(4H,m),4.95−5.19(2H,m) 参考例1 (1)(2S,4R)−1−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン
酸 (2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボ
ン酸25gを水100mlに溶解し、ジオキサン100mlを加えて
氷冷下撹拌反応した。この溶液にクロロギ酸p−ニトロ
ベンジルエステル41.1gを加え、3時間撹拌した。反応
液を減圧濃縮し、残渣に10%クエン酸水溶液100mlを加
えて酸性とし、2−ブタノンを用いて抽出した。有機層
を水洗したのち、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去
して、54.3gの標題化合物を得た。
NRM(DMSO-d6)δ: 1.80−2.15(1H,m),3.00−3.60(4H,m),4.05−4.25
(1H,m),4.31(2H,s),7.60(2H,d,J=9Hz),8.22(2
H,d,J=9Hz) (2)p−メトキシベンジル(2S,4R)−1−(p−ニ
トロベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロ
リジン−2−カルボキシレート (2S,4R)−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸5
4.3gをDMF 540mlに溶解し、p−メトキシベンジルクロ
ライド47.5ml及びトリエチルアミン51.2mlを加えた。ア
ルゴン気流下70℃に加熱、撹拌した。14時間後溶媒を減
圧濃縮して残渣をカラムクロマトグラフィにより精製
し、標題化合物57.1gを得た。
NRM(CDCl3)δ: 1.80−2.40(2H,m),3.60−3.90(2H,m),3.80(1H,
s),4.40−4.47(2H,m).5.00−5.32(4H,m),6.70−8.
40(8H,m) (3)p−メトキシベンジル(2S,4S)−1−(p−ニ
トロベンジルオキシカルボニル)−4−ベンゾイルチオ
ピロリジン−2−カルボキシレート トリフェニルホスフィン27.5gをTHF400に溶解し、−2
0℃に冷却、撹拌した。ジエチルアゾジカルボキシレー
ト16.5mlを加え20分間撹拌すると、白色結晶が析出し
た。p−メトキシベンジル(2S,4R)−1−(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリ
ジン−2−カルボキシレート30.1gおよびチオ安息香酸1
2.4mlのTHF溶液を滴下し、冷浴を外し室温で16時間撹拌
した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィに付し、標題化合物37.5gを得た。
NMR(CDCl3)δ: 1.95−2.40(1H,m),2.50−3.05(1H,m),3.40−3.75
(1H,m),3.74(3H,s),3.95−4.35(2H,m),4.35−4.7
0(1H,m),4.90−5.35(4H,m),6.60−8.30(13H,m) (4)(2S,4S)−1−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)−4−ベンゾイルチオピロリジン−2−カル
ボン酸 p−メトキシベンジル(2S,4S)−1−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−4−ベンゾイルチオピロ
リジン−2−カルボキシレート37.5gにアニソール15ml
を加え氷冷下撹拌した。トリフルオロ酢酸100mlを加
え、さらに室温下2時間反応させた。トリフルオロ酢酸
を減圧濃縮し、残渣にキシレン50mlを加えて再度減圧濃
縮した。2時間減圧下に放置後、クロロホルムを加える
と結晶が析出した。これを濾取して標題化合物を19.9g
得た。
NMR(DMSO-d6)δ: 1.80−2.25(1H,m),2.60−3.65(3H,m),3.95−4.60
(2H,m),5.25(2H,m),7.40−8.30(9H,m) (5)(2S,4S)−1−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)−2−(3−オキソピペラジン−1−イル)
カルボニル−4−ベンゾイルチオピロリジン (2S,4S)−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)−4−ベンゾイルチオピロリジン−2−カルボン
酸799mgをジクロルメタンに溶解し、シュウ酸クロリド
0.348mlおよびDMF一滴を室温で加え1時間撹拌した。溶
媒を留去し、残渣をジクロルメタンに溶解し、0℃に冷
却し3−オキソピペラジン470mlおよびトリエチルアミ
ン0.695mlを加え同室温で2時間撹拌した。反応物をク
ロロホルムで希釈して水洗し、有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィに付し標題化合物を722mg得た。
NMR(CDCl3)δ: 1.9−2.3(1H,m),2.7−3.1(1H,m),3.1−4.5(10H,
m)5.23(2H,s),7.4−7.7,7.9−8.1(7H,m),8.2−8.4
(2H,m) (6)(2S,4S)−1−(p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)−2−(3−オキソピペラジン−1−イル)
カルボニル−4−メルカプトピロリジン (2S,4S)−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)−2−(3−オキソピペラジン−1−イル)カル
ボニル−4−ベンゾイルチオピロリジン497mgのメタノ
ール溶液にナトリウムメトキサイド111mgを−5℃に冷
却下加えた。同温度で2時間撹拌後、1N塩酸で中和し溶
媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィに付し標題化合物を315mg得た。
NMR(CDCl3)δ: 1.9−2.3(1H,m),2.6−3.0(1H,m),3.2−4.8(10H,
m)5.21(2H,s),7.4−7.6(2H,m),8.2−8.4(2H,m) 参考例2 (2S,4S)−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)−2−(4−オキソイミダゾリジン−1−イル)
カルボニル−4−メルカプトピロリジン 参考例1と同様にて標題化合物を得た。
NMR(CDCl3)δ: 1.8−2.2(1H,m),2.5−2.9(1H,m),3.2−5.2(8H,
m),5.21(2H,s),7.50(2H,d),8.21(2H,d) 発明の効果 本発明の新規なカルバペネム誘導体は、グラム陽性
菌、陰性菌、さらには偏性嫌気性菌に対して強力な抗菌
活性を示し、ペニシリンおよびセファロスポリン耐性菌
にも高い感受性を示すなど、極めて広い抗菌スペクトル
を有する。さらに本発明の化合物は物理化学的性質に優
れ、腎臓のデヒドロペプチターゼ、β−ラクタマーゼな
どによる酵素分解も受けにくい。また、本発明の化合物
は中枢毒性や腎毒性が見られず極めて安全性が高く、優
れた体内動態、すなわち各臓器で高い組織内濃度が認め
られ、且つ、血中半減期が長い等抗菌剤として極めて優
れた性質を有し、医薬として期待される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−19787(JP,A) 特開 昭60−58987(JP,A) 特開 昭60−104088(JP,A) 特開 昭60−233076(JP,A) 特開 平3−264586(JP,A) 特開 平4−211083(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 477/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I で表わされる化合物およびその塩。式中、R1は低級アル
    キル基、ヒドロキシ低級アルキル基または保護されたヒ
    ドロキシ低級アルキル基を意味し、COOR2はカルボキシ
    ル基、カルボキシレートアニオンまたは保護されたカル
    ボキシル基を意味し、R3は水素原子または低級アルキル
    基を意味し、R4は水素原子または低級アルキル基を意味
    し、nは1、2または3を意味する。
  2. 【請求項2】R1が1−ヒドロキシエチル基である請求項
    1記載の化合物。
  3. 【請求項3】(6S,8R)−6−(1−ヒドロキシエチ
    ル)カルバペネム誘導体である請求項1または2の化合
  4. 【請求項4】(1R,5S,6S,8R)−6−(1−ヒドロキシ
    エチル)−1−β−メチルカルバペネム誘導体である請
    求項1、2または3の化合物
  5. 【請求項5】nが2である請求項1、2、3または4の
    化合物
  6. 【請求項6】ソジウム(1R,5S,6S,8R)−6−(1−ヒ
    ドロキシエチル)−2−{[(2S,4S)−2−(3−オ
    キソピペラジン−1−イル)カルボニルピロリジン−4
    −イル]チオ}−1−メチルカルバペネム−3−カルボ
    キシレートである請求項1、2、3、4または5の化合
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