JP2758413B2 - カルバペネム化合物 - Google Patents

カルバペネム化合物

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JP2758413B2 JP63281799A JP28179988A JP2758413B2 JP 2758413 B2 JP2758413 B2 JP 2758413B2 JP 63281799 A JP63281799 A JP 63281799A JP 28179988 A JP28179988 A JP 28179988A JP 2758413 B2 JP2758413 B2 JP 2758413B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、2位に二環性複素環チオ基をもつカルバペ
ネム誘導体(I)及びその塩に関するものである。
<従来の技術> 従来から広く利用されている有力な抗生物質として抗
菌スペクトルの広いペニシリン、セファロスポリン系抗
生物質が知られており、各種感染症に対して優れた効果
を発揮してきた。しかしながら、有効な抗菌剤が次々に
使用されるため病原菌の耐性株を生じ、このため更に新
しい抗菌剤の必要が絶えず生じる。即ち、上記ペニシリ
ン、セファロスポリン系抗生物質においても、耐性菌の
出現のため抗菌スペクトル、抗菌活性、体内動態あるい
は安全性などの面で、必ずしも満足度の高いものとはい
えなくなっている。
チエナマイシンは既知のカルバペネムの一種であり
(特開昭51−73191号)、ペニシリン、セファロスポリ
ン系抗生物質の耐性菌に対しても感受性を示し、広い抗
菌スペクトルを有する。以来カルバペネム誘導体の合成
研究および類似の骨格を持つ化合物の合成研究が盛んに
行われている。しかし従来公知のカルバペネム系、ペネ
ム系抗生物質は物理化学的に不安定であり、腎臓のデヒ
ドロペプチダーゼなどにより分解を受け易く、医薬品と
して評価の高い化合物は得られていない。
<発明が解決しようとする問題点> 以上のように、感染症の治療には抗生物質が有効であ
るが、一方で耐性菌の出現という問題をかかえ、従来か
ら広い抗菌スペクトルを有するものとして多用されてき
たペニシリン、セファロスポリン系抗生物質についても
例外ではなく、耐性菌の出現に伴い抗菌スペクトルなど
の点で問題となっている。
本発明の目的は広い抗菌スペクトルを有し、ペニシリ
ン、セファロスポリン系抗生物質の耐性菌に対しても感
受性を示し、しかも物理化学的性質においても有利な新
しい抗生物質を提供することにある。
<問題点を解決するための手段> 本研究者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の一般式
(I)を有する新規カルバペネム誘導体は、グラム陽性
菌、陰性菌に対して強力な抗菌活性を示し、また偏性嫌
気性菌に対しても高活性を示し、更に、ペニシリン、セ
ファロスポリン耐性菌にも高い感受性を示す等、極めて
広い抗菌スペクトルを有することを見いだした。更に、
本発明のカルバペネム誘導体は物理化学的安定性にも優
れ、β−ラクタメース等による酵素分解も受けにくい
等、抗菌薬として有用性が高いことを見いだし本発明を
完成した。
すなわち本願発明は、次式(I)の化合物、およびそ
の塩、並びにその異性体に関するものである。
{[上記式中、 (イ)R1は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低
級アルキル基、または保護されたヒドロキシ低級アルキ
ル基、 (ロ)COOR2は、カルボキシル基、カルボキシレートア
ニオン、または保護されたカルボキシル基、 (ハ)R3は、次式: (式中、X、Y、およびZは窒素原子または炭素原子を
表し、 R4およびR5は、各々独立に、下記に示す基の群: −H,−OH,−CH3,−C2H5,−NH2,−CONH2,−CO2H,−
CN,−F,−Cl,−SCH3,−OCONH2,−OCH3,−CONHCH3
−CON(CH32,−NHCOCH3,−NHCOCH2NH2,−NHCOCONH
2,−SOCH3,−NHCONH2,−SO2CH3,−SO2NH2,−CSN
H2,−NO2,−C(=NH)NH2,−C(=NCH3)NHCH3
−C(=NCH3)N(CH32,−NHC(=NH)NH2,−C
F3,−C(=NOH)CH3,−C(=NOCH3)CONH2,−CH2C
ONH2,−CH2CN,−CH2CONHCH3,−CH2CH2OH,−CH2CH
2F,−CH2F, から選ばれる基である。) で表される二環性複素環基から選ばれる基である。] を表す。} また本願発明は、下記の各々にも関するものである。
すなわち、 置換基R1が1−ヒドロキシエチル基である上記の化合物
およびその塩; (5S,6S,8S)−6−(1−ヒドロキシエチル)カルバペ
ネム誘導体である上記の化合物またはその塩; 置換基R3が下記の二環性複素環基の群: (式中、R4およびR5は、各々独立に、下記に示す基の
群: −H,−OH,−CH3,−C2H5,−NH2,−CONH2,−CO2H,−
CN,−F,−Cl,−SCH3,−OCONH2,−OCH3,−CONHCH3
−CON(CH32,−NHCOCH3,−NHCOCH2NH2,−NHCOCONH
2,−SOCH3,−NHCONH2,−SO2CH3,−SO2NH2,−CSN
H2,−NO2,−C(=NH)NH2,−C(=NCH3)NHCH3
−C(=NCH3)N(CH32,−NHC(=NH)NH2,−C
F3,−C(=NOH)CH3,−C(=NOCH3)CONH2,−CH2C
ONH2,−CH2CN,−CH2CONHCH3,−CH2CH2OH,−CH2CH
2F,−CH2F, から選ばれる基である。) から選ばれる基である式(I)の化合物またはその塩; 一般式(Ia): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
−CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩; 一般式(Ib): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
−CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩; 一般式(Ic): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
−CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩; 一般式(Id): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
−CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩; 一般式(Ie): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
−CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩; 一般式(If): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
−CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩; 等である。
前記一般式(I)において、好適なカルバペネム誘導
体は以下のような置換基、R1、R2及びR3を有するもので
ある。
まずR1としては水素原子またはヒドロキシル基を有す
ることもあるメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基等のC1−C6アルキル基が挙
げられる。
R2としては水素原子またはメチル、エチル、イソブチ
ル、第三級ブチル等の炭素数1−4個を有する直鎖状若
しくは分岐鎖状低級アルキル基、メトキシメチル、メト
キシエチル等のC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、ピ
バロイルオキシメチル基等のC1−C6脂肪族アシルオキシ
メチル基、フタリジル基または本発明の化合物の製造に
際して、カルボキシル基の保護基を兼ね、温和な条件下
で容易に除去し得るエステル残基として、例えばo−ニ
トロベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒドリル若
しくは2−ナフチルメチル基等のアラルキル基、アリル
基、またはトリメチルシリル等のC1−C6アルキルシリル
基等が挙げられる。
また、COOR2として、R2がナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属類との塩である場合もあり、更に一級、二
級、三級の有機アミン類との塩である場合もある。ま
た、本発明の置換基R3の状態に依存して、例えばR3が塩
基性基である場合、酸との塩を形成し、R2は水素原子の
状態で存在することもあり、このような一般式(I)の
酸付加塩は以下の如く記載することもできる。: (式中、X-は酸のアニオンを意味する。) 更にR3が塩基性基である場合、本発明の化合物がおかれ
ている環境(pH)により、COOR2はカルボキシル基の場
合とカルボキシレートアニオンの場合のいずれかの状態
にあり、これはいわゆるアミノ酸のような双性イオン
(Zwitter ion)構造で存在する場合を意味し、一般式
(I)の化合物はこのような双性イオン構造の化合物を
も包含するものである。
本発明のカルバペネム誘導体において、好適な置換基
R3の例としては以下のものが包含される。置換基R3が以
下の式: (ただし、X,Y,Zは窒素または炭素であり、R4及びR5
上記定義通りである) で示されるものから選ばれるような誘導体であり、この
場合、R4、R5としては以下の群から選ばれる一種である
ことが好ましい。
本発明において好ましいカルバペネム誘導体は、以下
に示すような二環性複素環基(R3)を有するものであ
る。
なお、本発明においてR3が不斉炭素原子を有する場
合、立体異性体が存在する。例えば、不斉炭素原子が1
個の場合、2種の立体異性体が生ずるので、以下の記載
においては一方を「異性体A」他方を「異性体B」と便
宜上記述した。
一般式(I)において、5位の炭素原子の立体配置は
天然のチエナマイシンに対応するR配置が好適であり、
また好適なR1としては水素原子及び1−ヒドロキシエチ
ル基が挙げられる。特に好適な例としては1−ヒドロキ
シエチル基の結合する6位炭素原子の立体配置がS配置
であり、ヒドロキシル基の置換する8位炭素原子の立体
配置がR配置のものが挙げられる。
更に詳しく態様を示せば、特に好適なR2としては、水
素原子またはアニオン荷電であり、代謝されうるエステ
ル残基の好ましい例としてはピバロイルオキシメチル
基、フタリジル基、アセトキシカルボニルオキシメチル
基が挙げられる。また、一般式(I)の化合物の合成に
際し、カルボキシル基の保護基として好適なエステル残
基はp−ニトロベンジル基、アリル基等が挙げられる。
なお、本発明の化合物及び中間体のあるものは互変異
性体の構造をとることも考えられる。本明細書ではこれ
らを一種類の構造式で表すが、これは限定を意味するも
のではない。
好適なR3としては以下に例示するような二環性複素環
基を挙げることが出来る。
で示される各誘導体である。
前記した一般式(I)の化合物の薬理学的に許容され
る塩は、カルボン酸無毒性塩、例えば、ナトリウム、カ
リウム、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩、アン
モニウム塩及びトリエチルアミン、プロカイン、ベンジ
ルアミンとの塩及びペニシリン類、セファロスポリン類
の塩形成に用いられる他のアミン類のような無毒性のア
ミン類との塩を包含する。特に好適な塩としてはナトリ
ウム塩、カリウム塩を挙げることができる。
本発明のカルバペネム誘導体には塩基性基が存在する
ので、医薬として許容される酸付加塩、例えば塩酸、臭
化水素酸、リン酸、硫酸等の鉱酸あるいは酢酸、クエン
酸、コハク酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸等有
機酸との塩類とすることもできる。
特に好適な塩としては、塩酸塩、硫酸塩を挙げること
ができる。また、式(I)の化合物は種々の溶媒和した
ものでも良く、例えば水和物も本発明の範囲に含まれ
る。
本発明の化合物は慣用される製剤用担体、安定化剤、
溶解補助剤、賦形剤を用いて通常の方法で製剤とするこ
とができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口投与
あるいは静注、筋注剤、坐剤等の非経口投与のいずれで
あっても良い。投与量は通常成人1日250mg〜3000mgで
あり、これを数回に分割投与するが、年令、性別、症状
により適宜増減することができる。
本発明の化合物(I)は、下記の反応式で例示する方
法によって製造することができる。
第1工程: 公知の方法(特開昭58−26887)及びそれに準ずる方
法で合成できる一般式(II)(式中、R1は前記と同じ、
R2は前記エステル残基、R6は有機基、例えばアルキル
基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル基等のアルキル基;フェニル、ナフチル基等のア
リール基;2−アシルアミノエチル基、2−アシルアミノ
ビニル基;ベンジル、メチルベンジル、フェネチル基等
のアルキル基)で示されるカルバペネム誘導体を、適当
な溶媒中で酸化剤、例えば過安息香酸、m−クロロ過安
息香酸、過酢酸、過酸化水素、二酸化セレン、オゾン又
はメタ過ヨード酸ナトリウム等、好適には、m−クロロ
過安息香酸で酸化するとスルホキシド体(III)が高収
率で得られる。ここに得られるスルホキシド体は立体異
性体の混合物であるが、分離することなく好適に次の第
2工程の反応に使用することができる。本反応に用いら
れる反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン(以下、THFと略記する)等のエーテル類、
酢酸、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、D
MFと略記する)、水及びリン酸緩衝液等の反応原料、生
成物に支障をきたさない溶媒(混合溶媒も含む)が好適
に用いられる。反応温度は−50℃〜50℃、好適には−30
℃〜室温の緩和な温度条件が有利である。反応時間は5
分〜4時間、通常は30分〜1時間で十分である。
第2工程: 本工程は、上述の如く得られたスルホキシド体(II
I)とチオール体(IV)(式中、R3は前記定義通りであ
る)、又その酸付加塩若しくはその反応性誘導体との置
換反応である。本反応に用いられる反応溶媒としては、
メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン等のケトン類、DMF、アセトアミ
ド、DMSO、THF、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホ
トリアミド、水等の反応原料、生成物に支障をきたさな
い溶媒(混合溶媒も含む)が好適に用いられる。反応温
度は−50℃〜室温、特に−30℃〜0℃が好適である。反
応時間は通常15分〜2時間、特に30分〜2時間が好適で
ある。
一般式(IV)のチオール体は塩基と共存させると反応
性に富み、良好に反応が進行するが、塩基なしでも勿論
進行する。使用可能な塩基としてはトリエチルアミン、
ジイソプロピルエチルアミン等のアルキルアミン類、1,
8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンテセン(以下、
DBUと略記する)、N−メチルモルホリン等の脂環状ア
ミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、カリウム t−ブ
トキサイド、ナトリウムメトキサイド等の金属アルコラ
ート類、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム等が挙げ
られ、ジイソプロピルエチルアミン、DBUが好適に使用
される。
一般式(IV)のチオール化合物の反応性誘導体の例と
しては、一般式:MS−R3(式中、Mはアルカリ金属であ
り、R3は前記定義通りである)で表されるチオレート化
合物が挙げられる。この置換反応において、一般式(I
V)のチオール化合物は、通常スルホキシド体(III)の
1〜3当量、特に1〜2当量で使用することが好適であ
り、また塩基はチオール化合物(IV)と当量で使用する
ことが好ましい。ただし、チオール化合物(IV)が酸付
加塩である場合は、更に、付加されている酸を中和する
に必要な量の塩基を加えることにより良好な結果を得る
事ができる。
上述の反応において生成する置換成績体は通常の後処
理により単離される。
第3工程: 上述の置換反応成績体に保護基がある場合には、更に
所望により保護基を脱離することができる。保護基の脱
離法としては、水素添加による還元的分解、化学的還
元、酸、塩基又は酵素を用いた加水分解による方法等が
挙げられる。
一般式(I)において、置換基R2はエステル残基であ
り、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基若しくは
2−ナフチルメチル基等である場合には、パラジウム担
持炭素、酸化白金、その他の公知の金属触媒を用いて接
触還元することにより脱保護し、一般式(I)COOR2
カルボキシル基又はカルボキシレートアニオンであるカ
ルバペネム誘導体とすることができる。反応溶媒として
ジオキサン、THF、水、緩衝液(混合溶媒をも含む)を
用い、好適には含水THF、含水ジオキサン、リン酸緩衝
液とTHFとの混合溶媒等を用い、1−4気圧の水素圧下
にて、0℃〜50℃、好適には10℃〜30℃で、30分〜16時
間、好適には10分〜1時間反応することによって、一般
式(I)COOR2がカルボキシル基又はカルボキシレート
アニオンである目的のカルバペネム誘導体を得ることが
できる。また、一般式(I)のR2がp−ニトロベンジル
基である場合には、THF、ジオキサン等の水溶性有機溶
媒中で塩化アンモニウム水溶液と鉄粉とを反応させるこ
とにより、更に、R2がアリル基である場合にはTHF、メ
チレンクロリド等の非プロトン性溶媒中で、テトラキス
トリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリフェニ
ルホスフィンおよび2−エチルヘキサン酸と反応させる
ことにより、更に、R2が2,2,2−トリクロロエチル基で
ある場合には亜鉛末還元により脱保護することによって
も、それぞれ一般式(I)のCOOR2がカルボキシル基若
しくはカルボキシレートアニオンである目的化合物を得
ることができる。
上述の第2工程における置換成績体はその物性によっ
ては単離精製しにくいものがあり、一般式(I)のCOOR
2がカルボキシル基若しくはカルボキシレートアニオン
である化合物の製造を目的とする場合には、中間の置換
成績体を単離することなく、同一反応容器中で、若しく
は簡単な通常の後処理を施した後、保護基を脱離するこ
とにより良好な結果が得られる場合がある。これは、特
に大量の目的物を製造する際には、繁雑な作業もなく、
収率、品質の点でも優れた簡便な方法である。
一般式(I)の目的化合物は通常の単離手段、即ち抽
出後、濃縮し、更に必要により再結晶、再沈澱、クロマ
トグラフィー等によって精製することができる。また、
一般式(I)の化合物は結晶化することによって高純度
のものが得られ、この目的のために塩とすることにより
好ましい結果が得られる。その際、塩としては必ずしも
無毒性酸付加塩である必要はなく、毒性のある塩として
結晶化し、精製の後酸を除去するか、若しくは薬理上許
容される塩に変換して目的化合物を純度良く得ることが
できる。
体内で代謝されるエステル類を製造するには、ペニシ
リン類やセファロスポンリン類における方法に準じて、
一般式(I)のCOOR2のR2としてあらかじめ入れておく
か、またはカルボキシル基あるいはカルボキシレートア
ニオンの化合物をエステル化すればよい。
実施例 以下、実施例及び参考例に従って本発明の化合物の製
造方法をより具体的に説明する。しかしながら、本発明
の範囲は以下の実施例により何等制限されない。なお、
下記の実施例及び参考例の構造式において以下の略号を
使用する。: 実施例1 (5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ
−[1,2−c]イミダゾール−7−イル)チオ]−6−
(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸の製造: (1)p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−2−[(6,7
−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−7
−イル)チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートの合成: p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−6−(1−ヒドロ
キシエチル)−2−フェニルスルフィニル−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボキシレート456mgをTHF5ml
アセトニトリル5ml,DMSO 0.5mlの混液に溶解し、−50℃
に冷却攪拌下6,7−ジヒドロ−7−メルカブト−5H−ピ
ロロ[1,2−c]イミダゾール280mgを加え、同温にて50
分攪拌する。反応液にイソプロピルエーテルを加え、上
澄液を傾瀉して除去し、更にイソプロピルエーテルにて
洗浄し、標記化合物を定量的に得る。
NMRδ(CDCl3): 1.38(3H,d,J=6Hz,CH3) 2.60−2.90(1H,m) 2.90−3.80(4H,m) 3.90−4.50(4H,m) 4.60−4.80(1H,m) 5.23 and 5.52(each 1H,each d,J=15Hz) 6.88(1H,br s) 7.50(1H,s) 7.64 and 8.22(each 2H,each d,J=9Hz) (2)(5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピ
ロロ−[1,2−c]イミダゾール−7−イル)チオ]−
6−(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン−2−
エム−3−カルボン酸の合成: (1)で得た化合物220mgをTHF 15ml及びpH6のPhosph
ate Buffer 15mlの混液に溶かし、酸化白金220mgを加え
4 atomで40分間、還元反応に付す。触媒を濾去し、濾液
及び洗液を減圧濃縮し、濃縮液をタイヤイオンHP−20
(20×300mm)のカラムクロマトグラフィーで精製す
る。水で溶出される最初の画分50mlを除去し、次いで水
及び5%THF−水で溶出部分を合わせ、減圧濃縮し、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)[担体:ヌウレオシ
ル(Nucleosil)7C18(20×300mm)、溶媒:6%アセトニ
トリル−水、流速:9ml/分]にて精製し、目的物を含む
保持時間8.4分の画分をそれぞれ分取し、凍結乾燥する
と黄淡色粉末の異性体A,Bが得られる。(収量 異性体A
9mg、異性体B 16mg) 異性体A: UVλmax(H2O)nm:300 NMRδ(D2O): 1.305(3H,d,J=6Hz,CH3) 2.70−2.74(1H,m) 3.18−3.60(3H,m) 3.47(1H,dd,J=2.6Hz) 4.23−4.46(4H,m) 4.80(HOD) 4.91−4.93(1H,m) 7.26(1H,br s) 8.42(1H,s) HPLC保持時間(分):8.4 [HPLC条件:上記に同じ] 異性体B: UVλmax(H2O)nm:300 NMRδ(D2O): 1.305(3H,d,J=6Hz,CH3) 2.66−2.71(1H,m) 3.17−3.25(2H,m) 3.32−3.38(1H,m) 3.47(1H,dd,J=2,6Hz) 4.23−4.44(4H,m) 4.80(HOD) 4.89−4.91(1H,m) 7.21(1H,br s) 8.35(1H,m) HPLC保持時間(分):10.4 [HPLC条件:上記に同じ] 実施例2 (5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ
−[1,2−c]イミダゾール−6−イル)チオ]−6−
(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸の製造: (1)p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−2−[(6,7
−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−c]イミダゾール−6
−イル)チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートの合成: p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−6−(1−ヒドロ
キシエチル)−2−フェニルスルフィニル−1−カルバ
ペン−2−エム−3−カルボキシレート923mgをTHF 5ml
アセトニトリル5ml,DMSO 0.5mlの混液に溶解し、−50℃
に冷却攪拌下6,7−ジヒドロ−6−メルカブト−5H−ピ
ロロ[1,2−c]イミダゾール744mgを加え、同温にて3
時間攪拌する。反応液にイソプロピルエーテルを加え、
上澄液を傾瀉して除去し、更にイソプロピルエーテルに
て洗浄し、残渣をシリカゲル10gを用いたカラムクロマ
トグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(9:
1)の流分より、標記化合物を定量的に得る。収量313mg NMRδ(CDCl3): 1.30(3H,d,J=6Hz,CH3) 5.32 and 5.40(each 1H,each d,J=15Hz) 7.17(1H,br s) 7.70 and 8.20(each 2H,each d,J=9Hz) 8.57(1H,br s) (2)(5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピ
ロロ−[1,2−c]イミダゾール−6−イル)チオ]−
6−(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン−2−
エム−3−カルボン酸の合成: (1)で得た化合物313mgをTHF 15ml及びpH7のPhosph
ate Buffer 15mlの混液に溶かし、酸化白金190mgを加え
4 atomで15分間、還元反応に付す。触媒を濾去し、濾液
及び洗液を減圧濃縮し、濃縮液をタイヤイオンHP−20
(20×300mm)のカラムクロマトグラフィーで精製す
る。水で溶出される最初の画分50mlを除去し、次いで水
及び5%THF−水で溶出部分を合わせ、減圧濃縮し、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)[担体:ヌクレオシ
ル(Nucleosil)7C18(20×300mm)、溶媒:5%アセトニ
トリル−水、流速:12.5ml/分]にて精製し、目的物を含
む保持時間6.5分、8分の画分をそれぞれ分取し、凍結
乾燥すると淡黄色粉末の異性体A,Bが得られる。(収量
異性体A 8mg、異性体B 20mg) 異性体A: UVλmax(H2O)nm:300 NMRδ(D2O): 1.305(3H,d,J=6Hz,CH3) 3.08(1H,dd,J=4.8,16.7Hz) 3.22(1H,dd,J=8.7,17.5Hz) 3.30(1H,dd,J=8.7,17.5Hz) 3.455(1H,dd,J=2.4,6.4Hz) 3.55(1H,dd,J=7.9,16.7Hz) 4.24−4.29(2H,m) 4.33(1H,dd,J=4.8,12.7Hz) 4.59−4.62(1H,m) 4.73(1H,dd,J=7.9,12.7Hz) 4.80(HOD) 7.16(1H,s) 8.54(1H,s) HPLC保持時間(分):6.5 HPLC条件:上記に同じ] 異性体B: UVλmax(H2O)nm:300 NMRδ(D2O): 1.305(3H,d,J=6Hz,CH3) 3.04(1H,dd,J=3.2,16.7Hz) 3.25(1H,dd,J=6.4,16.8Hz) 3.27(1H,dd,J=7.2,16.8Hz) 3.46(1H,dd,J=2.4,6.4Hz) 3.505(1H,dd,J=7.9,16.7Hz) 4.24−4.29(2H,m) 4.315(1H,dd,J=4.5,12.7Hz) 4.59−4.62(1H,m) 4.73(1H,m) 4.80(HOD) 7.13(1H,s) 8.46(1H,s) HPLC保持時間(分):8 [HPLC条件:上記に同じ] 実施例3 (5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ
−[1,2−a]イミダゾール−6−イル)チオ]−6−
(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン−2−エム
−3−カルボン酸の製造: (1)p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−2−[(6,7
−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール−6
−イル)チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−
カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートの合成: p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−6−(1−ヒドロ
キシエチル)−2−(2−p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノエチルスルフィニル)−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボキシレート410mgをアセトニト
リル10mlに懸濁し、氷却攪拌下6,7−ジヒドロ−6−メ
ルカブト−5H−ピロロ[1,2−a]イミダゾール200mgを
加え、同温にて30分間攪拌する。反応液にイソプロピル
エーテルを加え、上澄液を傾瀉して除去し、更にイソプ
ロピルエーテルにて洗浄し、残渣をシリカゲル6gを用い
たカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メ
タノール(97:3)の流分より、標記化合物を得る。収量
170mg NMRδ(CDCl3): 1.38(3H,d,J=6Hz,CH3) 2.7−3.7(5H,m) 3.7−4.6(5H,m) 5.1−5.5(2H,m) 6.87(1H,s) 7.06(1H,s) 7.58 and 8.21(each 2H,each d,J=9Hz) (2)(5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピ
ロロ−[1,2−a]イミダゾール−6−イル)チオ]−
6−(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン−2−
エム−3−カルボン酸の合成: (1)で得た化合物170mgをTHF 7ml及びpH6のPhospha
te Buffer 7mlの混液に溶かし、酸化白金100mgを加え4
atomで1時間、還元反応に付す。触媒を濾去し、濾液及
び洗液を減圧濃縮し、濃縮液をタイヤイオンHP−20(20
×200mm)のカラムクロマトグラフィーで精製する。水
で溶出される最初の画分50mlを除去し、次いで水及び5
%THF−水で溶出部分を合わせ、減圧濃縮し、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)[担体:ヌクレオシル(Nu
cleo−sil)7C18(20×300mm)、溶媒:5%アセトニトリ
ル−水、流速:10ml/分]にて精製し、目的物を含む保持
時間7.5分、8分の画分をそれぞれ分取し、凍結乾燥す
ると淡黄色粉末の異性体A,Bが得られる。(収量異性体A
7.5mg、異性体B 6mg) 異性体A: UVλmax(H2O)nm:297 NMRδ(D2O): 1.31(3H,d,J=6Hz,CH3) 3.21(1H,dd,J=4.8,17.5Hz) 3.25(2H,d,J=8.7Hz) 3.46(1H,dd,J=3.2,6.4Hz) 3.71(1H,dd,J=7.9,17.5Hz) 4.2−4.3(3H,m) 4.6−4.8(2H,m) 7.35(1H,s) 7.36(1H,s) HPLC保持時間(分):7.5 [HPLC条件:上記に同じ] 異性体B: UVλmax(H2O)nm:298 NMRδ(D2O): 1.31(3H,d,J=6Hz,CH3) 3.2−3.3(3H,m) 3.47(1H,dd,J=3.2,6.4Hz) 3.73(1H,dd,J=7.9,18.3Hz) 4.2−4.3(3H,m) 4.6−4.8(2H,m) 4.80(HOD) 7.35(2H,s) HPLC保持時間(分):8 [HPLC条件:上記に同じ] 実施例4 (5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ
−[2,1−c]−1,2,4−トリアゾール−6−イル)チ
オ]−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボン酸の製造: (1)p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−2−[(6,7
−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリアゾ
ール−6−イル)チオ]−6−(1−ヒドロキシエチ
ル)−1−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレー
トの合成: p−ニトロベンジル(5R,6S,8R)−6−(1−ヒドロ
キシエチル)−2−(2−p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノエチルスルフィニル)−1−カルバペン
−2−エム−3−カルボキシレート422mgをアセトニト
リル4ml、THF 4ml、DMSO 0.5mlに溶解し、−50℃に冷却
攪拌下6,7−ジヒドロ−6−メルカブト−5H−ピロロ
[2,1−c]−1,2,4−トリアゾール198mg及びジイソプ
ロピルエチルアミン0.122mlを加え、同温にて10分間攪
拌する。反応液にエーテルを加え、上澄液を傾瀉して除
去し、更にエーテルにて洗浄し、残渣をシリカゲル7gを
用いたカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム
−メタノール(31:9)の流分より、標記化合物を定量的
に得る。収量211mg NMRδ(DMSO−d6): 1.15(3H,d,J=6Hz,CH3) 2.8−3.1(1H,m) 3.1−3.7(3H,m) 3.7−4.3(2H,m) 4.3−4.8(2H,m) 5.0−5.3(2H,m) 5.38(2H,d,J=4Hz) 7.69 and 8.22(each 2H,each d,J=9Hz) 8.3,8.4(each 1/2H,s) (2)(5R,6S,8R)−2−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピ
ロロ−[2,1−c]−1,2,4−トリアゾール−6−イル)
チオ]−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−カルバペ
ン−2−エム−3−カルボン酸の合成: (1)で得た化合物208mgをTHF 7ml及び水14ml混液に
溶かし、NaHCO3 37mgを加え、酸化白金200mgの存在下4
atomで15分間、還元反応に付す。触媒を濾去し、濾液及
び洗液を減圧濃縮し、濃縮液をタイヤイオンHP−20(20
×200mm)のカラムクロマトグラフィーで精製する。水
で溶出される最初の画分50mlを除去し、次いで水及び5
%THF−水で溶出部分を合わせ、減圧濃縮し、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)[担体:ヌクレオシル(Nu
cleosil)7C18(20×300mm)、溶媒:水、流速:10ml/
分]にて精製し、目的物を含む保持時間14分の画分を分
取し、凍結乾燥すると淡黄色粉末の異性体混合物が得ら
れる。(収量49mg) NMRδ(D2O): 1.305(3H,d,J=6.4Hz,CH3) 3.03 and 3.06(each 1/2H,each dd,J=5.6,17.5Hz) 3.1−3.4(2H,m) 3.457 and 3.463(each 1/2H,each dd,J=3.2,6.4H
z) 3,54 and 3.56(each 1/2H,each dd,J=8.7,17.5Hz) 4.1−4.2(1H,m) 4.2−4.3(2H,m) 4.6 and 4.62(each 1/2H,each t,J=7.9Hz) 4.65−4.7(1H,m) 8.4 and 8.41(each 1/2H,each s) HPLC保持時間(分):14 [HPLC条件:上記に同じ] <発明の効果> 本発明のカルバペネム誘導体は、物理化学的安定性に
優れた化合物であるとともにグラム陽性菌、例えば、S.
アウレウス、S.スミス、S.エピデルミディス,56500、St
r.ピオゲネス,G−36、Str.ミチス,IID685、Str.フェカ
リス,ATCC19433等及びグラム陰性菌、例えば、E.コリ,N
IHJ、S.フレキシネリ,2a 5503、Sal.エンテリチディス,
IID604、H.アルベイ,IID 978、C.フロインディ,IID 97
6、Pr.ブルガリス,08601、Pr.ミラビリス,IFO 3849、K.
ニューモニエ、Type 1、Ent.クロアカエ,03402、Ent.エ
ロゲネス,ATCC 8329、Ser.マルセッセンス,10100、Y.エ
ンテロコリチカ,Te 591、A.フェカリス,ATCC 19108、P
S.エルギノーザ,32233等の広範囲の好気性菌に対して強
い抗菌活性を示し、更にB.フラジリス,PA−2−11、F.
ニュークリエイタム,IPP 143、C.ペルフリンジェンス,2
2、C.ディフィシル,GAI−0547等の偏性嫌気性菌に対し
ても強い抗菌活性を示し、抗菌剤として有用であり、人
及び家畜の医薬として安全に使用され、また魚類にも用
いることができる。
本発明の化合物は飼料の防腐、医療用機器等の殺菌剤
としても使用できる。
本発明によって得られる化合物のうちのいくつかのも
のの抗菌活性を次表に示す。比較化合物としてMK−0787
が表に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早野 健 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第一製薬中央研究所内 審査官 横尾 俊一 (56)参考文献 特開 昭61−83184(JP,A) 特開 昭62−61985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 519/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I)の化合物、およびその塩、並び
    にその異性体。 [上記式中、 (イ)R1は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低
    級アルキル基、または保護されたヒドロキシ低級アルキ
    ル基、 (ロ)COOR2は、カルボキシル基、カルボキシレートア
    ニオン、または保護されたカルボキシル基、 (ハ)R3は、次式で表される二環性複素環基から選ばれ
    る基: (式中、X、Y、およびZは窒素原子または炭素原子を
    表し、 R4およびR5は、各々独立に、下記に示す基の群: −H,−OH,−CH3,−C2H5,−NH2,−CONH2,−CO2H,−
    CN,−F,−Cl,−SCH3,−OCONH2,−OCH3,−CONHCH3
    −CON(CH32,−NHCOCH3,−NHCOCH2NH2,−NHCOCONH
    2,−SOCH3,−NHCONH2,−SO2CH3,−SO2NH2,−CSN
    H2,−NO2,−C(=NH)NH2,−C(=NCH3)NHCH3
    −C(=NCH3)N(CH32,−NHC(=NH)NH2,−C
    F3,−C(=NOH)CH3,−C(=NOCH3)CONH2,−CH2C
    ONH2,−CH2CN,−CH2CONHCH3,−CH2CH2OH,−CH2CH
    2F,−CH2F, から選ばれる基である。) を表す。]
  2. 【請求項2】置換基R1が1−ヒドロキシエチル基である
    請求項1)に記載の化合物およびその塩
  3. 【請求項3】(5S,6S,8S)−6−(1−ヒドロキシエチ
    ル)カルバペネム誘導体である請求項2)に記載の化合
    物またはその塩
  4. 【請求項4】置換基R3が下記の二環性複素環基の群: (式中、R4およびR5は、各々独立に、下記に示す基の
    群: −H,−OH,−CH3,−C2H5,−NH2,−CONH2,−CO2H,−
    CN,−F,−Cl,−SCH3,−OCONH2,−OCH3,−CONHCH3
    −CON(CH32,−NHCOCH3,−NHCOCH2NH2,−NHCOCONH
    2,−SOCH3,−NHCONH2,−SO2CH3,−SO2NH2,−CSN
    H2,−NO2,−C(=NH)NH2,−C(=NCH3)NHCH3
    −C(=NCH3)N(CH32,−NHC(=NH)NH2,−C
    F3,−C(=NOH)CH3,−C(=NOCH3)CONH2,−CH2C
    ONH2,−CH2CN,−CH2CONHCH3,−CH2CH2OH,−CH2CH
    2F,−CH2F, から選ばれる基である。) から選ばれる基である請求項1)、2)、または3)に
    記載の化合物またはその塩
  5. 【請求項5】一般式(Ia): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
    シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
    素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
    −CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩
  6. 【請求項6】一般式(Ib): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
    シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
    素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
    −CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩
  7. 【請求項7】一般式(Ic): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
    シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
    素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
    −CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩
  8. 【請求項8】一般式(Id): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
    シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
    素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
    −CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩
  9. 【請求項9】一般式(Ie): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
    シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
    素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
    −CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩
  10. 【請求項10】一般式(If): (式中、R2は、水素原子、またはCOOR2としてカルボキ
    シレートアニオンを表し、R4およびR5は各々独立に、水
    素原子、−CH3、−CH2OH、−CONH2、−CONHMe、または
    −CONMe2を表す。) で示される化合物およびその塩
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