JP2832742B2 - カルバペネム誘導体 - Google Patents

カルバペネム誘導体

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JP2832742B2
JP2832742B2 JP2148727A JP14872790A JP2832742B2 JP 2832742 B2 JP2832742 B2 JP 2832742B2 JP 2148727 A JP2148727 A JP 2148727A JP 14872790 A JP14872790 A JP 14872790A JP 2832742 B2 JP2832742 B2 JP 2832742B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗生物質として有用なカルバペネム誘導体又
はその塩に関する。
〔従来の技術〕
従来、ペニシリン系及びセファロスポリン系の抗生物
質は安全性に優れていることから、感染症治療に広く用
いられてきた。しかし、これらの抗生物質はすべての菌
種に対して有効とはいえず、また耐性を獲得した菌種の
出現によりその適用範囲が制限されてきている。この耐
性化は、薬剤の細胞膜透過性を妨げること、またβ−ラ
クタマーゼを産生することによりこれらの抗生物質のβ
−ラクタム環を開裂せしめること等によると報告されて
いる。
これに対し、1976年に発見されたカルバペネム骨格を
有するチエナマイシンは、それまでのペニシリン系やセ
ファロスポリン系の抗生物質に対する耐性菌に対しても
有効であり、かつ優れた抗菌力を示すことから、新しい
抗生物質として有望視された。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、チエナマイシン及びその後数多く報告
された他のカルバペネム誘導体は、物理化学的に不安定
であることと、腎臓のデヒドロペプチダーゼ(DHP)等
の酵素によって簡単に分解される欠点があり、DHP阻害
剤との配合剤として使用せざるを得ない。また、特開昭
60−233076号公報にはβ−ラクタマーゼ産生菌に安定で
あり、物理化学的にも安定で強い抗菌活性を示す1−β
−メチルカルバペネム化合物が開示されている。しかし
ながら、これらの化合物もDHPに対する安定性や抗菌活
性についてはなお満足すべきものではない。
従って、物理化学的安定性、β−ラクタマーゼ等の酵
素に対する安定性並びに抗菌活性に優れたカルバペネム
誘導体の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
かかる現状において、本発者は、鋭意研究を重ねた結
果、下記一般式(I)で表わされる化合物が上記目的を
達成し得るものであることを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は一般式(I) 〔式中、R1は低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル
基又は保護されたヒドロキシ低級アルキル基を示し、CO
OR2はカルボキシル基、カルボキシレートアニオン又は
保護されたカルボキシル基を示し、R3は水素原子又は低
級アルキル基を示し、R4は次の式(1)又は(2) (ここでR5は何もないか、水素原子、置換基を有してい
てもよい低級アルキル基又は置換基を有していてもよい
カルバモイル基を、R6は水素原子、ハロゲン原子、置換
基を有していてもよい低級アルキル基、カルボキシル
基、置換基を有していてもよいカルボニル基、ヒドロキ
シル基、イミノ基、シアノ基、置換基を有していてもよ
いアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基
又は低級アルコキシ基を示し、l、m及びnはそれぞれ
1〜3の数を示す)で表わされる基を示す〕 で表わされるカルバペネム誘導体又はその塩を提供する
ものである。
本明細書においてカルバペネムとは、次式に示す骨格
を有する化合物を意味する。
また、本明細書において低級アルキル基としては、例
えば炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げ
られる。
式(I)中、R1の低級アルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の低級
アルキル基が挙げられ、ヒドロキシ低級アルキル基とし
ては、上述の低級アルキル基にヒドロキシ基が結合した
もの等が挙げられるが、特に1−ヒドロシエチル基が好
ましい。
また、斯かるヒドロキシ低級アルキル基を保護する基
としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチル
シリル基又はp−もしくはo−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル基等が挙げられる。
これらのR1が結合するカルバペネム骨格の6位不斉炭
素原子上での立体配置はS配置が好ましい。
また、ヒドロキシ低級アルキル基のヒドロキシ基が結
合している炭素原子が不斉炭素原子である場合のヒドロ
キシ基が結合している炭素原子上での立体配置はR配置
であるのが好ましい。
本発明においてR1としては、特にヒドロキシ基がエチ
ル基の1位(カルバペネム骨格の8位)にR配置に結合
している1−ヒドロキシエチル基がカルバペネム骨格の
6位炭素原子にS配置で結合しているものが好ましい。
式(I)中、R2としては、メチル基、エチル基、イソ
ブチル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;メトキ
シメチル基、メトキシエチル基等の炭素数1〜6のアル
コキシ基が置換した低級アルキル基が挙げられる。
カルボキシル基(COOR2)の保護基としては、例えば
o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンゾ
ヒドリル基−2−ナフチルメチル基等のアラルキル基や
アリル基、トリメチルシリル基等の炭素数1〜6のアル
キルシリル基などの温和な条件下で容易に除去し得るエ
ステル残基、あるいはピバロイルオキシメチル基等の炭
素数1〜6の脂肪族アシルオキシメチル基、フタリジル
基などの生体内で代謝されるエステル残基が挙げられ
る。
式(I)中、R3としては、水素原子又はメチル基、エ
チル基、プロピル基等の低級アルキル基が挙げられる
が、更に炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が
好ましく、特にメチル基が好ましい。
これらのR3のカルバペネム骨格1位不斉炭素原子に対
する立体配置はR配置であることが好ましい。
式(I)中、R4は前記式(1)又は(2)で示される
ものであるが、特に以下に示すような架橋構造を有する
環状アミノ基が好ましい。
式(1)及び式(2)中、R5はあってもなくてもよ
い。R5が存在する場合、その具体例としては、水素原
子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
等の低級アルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチ
ル基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した低級ア
ルキル基;アミノメチル基、ジメチルアミノメチル基等
の低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基の置換
した低級アルキル基;保護されていてもよいカルボキシ
ル基が置換した低級アルキル基;カルバモイルメチル
基、N−メチルカルバモイルメチル基、N,N−ジメチル
カルバモイルメチル基等の低級アルキル基が置換してい
てもよいカルバモイル基の置換した低級アルキル基;シ
アノ基が置換した低級アルキル基などが挙げられる。
また、R6としては、水素原子;塩素原子、フッ素原子
等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の低級アルキ
ル基;低級アルキル基が置換していてもよいカルバモイ
ル基の置換した低級アルキル基;カルボキシル基;カル
ボニル基、低級アルコキシカルボニル基等の置換基を有
していてもよいカルボニル基;ヒドロキシル基;イミノ
基;シアノ基;アミノ基、低級アルキル基が置換したア
ミノ基等の置換基を有していてもよいアミノ基;カルバ
モイル基、低級アルキル基が置換したカルバモイル基等
の置換基を有していてもよいカルバモイル基;メトキシ
基、エトキシ基等の低級アルコキシ基等などが挙げられ
る。
なお、置換基R4がその中に不斉炭素原子を有する場
合、一般式(I)で表わされる本化合物には立体異性体
が存在することになる。例えば、不斉炭素原子が1個の
ばあいには2種の立体異性体が生じるので、便宜上、以
下の記載においては一方を〔異性体A〕、他方を〔異性
体B〕とした。
本発明化合物(I)は例えば次に示す方法又はに
従って製造することができる。
2−フェニルスルフィニル体を経由する合成法 〔式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を示し、Ph
はフェニル基を示し、Mは水素原子又はアルカリ金属原
子を示す〕 すなわち、カルバペネム誘導体(II)を適当な溶媒中
にて酸化剤を用いて酸化してスルホキシド体(III)と
なし、次いで適当な溶媒中にてチオール化合物(IV)と
の置換反応を行えば、本発明化合物(I)が得られる。
原料であるカルバペネム誘導体(II)は公知の方法、
例えば特開昭58−26887号公報に記載の方法に従って合
成することができる。
まず、カルバペネム誘導体(II)の酸化反応を行う
が、この反応に用いられる溶媒としては、ジクロルメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水
素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
酢酸、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、
単にDMFという)、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド(以下、単にDMSOという)、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン(以下、単にTHFという)、水
及びリン酸緩衝液等の、反応原料、生成物に支障を来さ
ない溶媒(混合溶媒も含む)が好適である。
本反応に用いられる酸化剤としては、例えば過安息香
酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸、過酸化水素、二酸
化セレン、オゾン又はメタ過ヨード酸ナトリウムなどが
挙げられ、特にm−クロロ過安息香酸が、スルホキシド
体(III)が高収率で得られるため好ましい。
また、反応温度は−50℃〜50℃、特に−30℃〜室温が
有利であり、反応時間は5分〜4時間であるが、通常は
30分〜1時間で十分である。
次いで、得られたスルホキシド体(III)のチオール
化合物(IV)による置換反応を行う。
この置換反応において、チオール化合物(IV)は通常
スルホキシド体の1〜3当量、特に1〜2当量使用する
ことが好ましい。
本反応に用いられる溶媒としてはジクロルメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸、
ピリジン、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSO、アセト
ニトリル、THF、水及びリン酸緩衝液等の、反応原料、
生成物に支障を来さな溶媒(混合溶媒も含む)が好適で
ある。
反応温度は−50℃〜室温、特に−30℃〜0℃が好適で
あり、反応時間は通常15分〜2時間、特に30分〜1時間
が好適である。
一般式(IV)のチオール体は塩基と共存させると反応
性に富み、良好に反応が進行するが、塩基なしでも勿論
進行する。ここで使用出来る塩基としては、トリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビ
シクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(以下、DBUとい
う)、N−メチルモルホリン、キヌクリジン、3−キヌ
クリジノール等の有機塩基、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩
基、カリウム−t−ブトキサイド、ナトリウムメトキサ
イド等の金属アルコラート類が挙げられ、特にジイソプ
ロピルエチルアミン、DBU等の有機塩基が好適に使用さ
れる。また、チオール化合物(IV)と塩基とは当量で使
用するのが好ましい。但し、チオール化合物(IV)が酸
付加塩である場合は、更に付加されている酸を中和する
に必要な量の塩基を加えることにより良好な結果を得る
ことが出来る。
2−リン酸エステルを経由する合成法 〔式中、R1、R2、R3、R4、Ph及びMは前記と同じ意味を
示す〕 すなわち、カルバペネム誘導体(V)に適当な溶媒中
で塩基の存在下、ジフェニルホスホリルクロリドを反応
させて活性な中間体(VI)となし、次いで適当な溶媒中
でチオール化合物(IV)との置換反応を行えば、本発明
化合物(I)が得られる。
まず、カルバペネム誘導体(V)にジフェニルホスホ
リルクロリドを反応させるが、この反応は公知の方法、
例えば、Heterocycles(1984)21,29 Shih,D.H.等に記
載の方法、あるいはそれに準ずる方法に従って行うこと
ができる。
この反応に用いられる溶媒としては、原料及び生成物
に悪影響を及ぼさないアセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSO、THF、
ジクロルメタン、クロロホルム、アセトニトリルあるい
はこれらの混合溶媒が挙げられる。
本反応で使用できる塩基としては、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、N−メチルモ
ルホリン、キヌクリジン、3−キヌクリジノール等の有
機塩基、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、カリウム−t−ブ
トキサイド、ナトリウムメトキサイド等の金属アルコラ
ート類が挙げられ、特にジイソプロピルエチルアミン、
DBU等の有機塩基が好適に使用される。
また、反応温度は−50℃〜室温、特に−40℃〜0℃が
好適であり、反応時間は15分〜8時間、特に30分〜4時
間が好適である。
次いで、得られた中間体(VI)のチオール化合物(I
V)による置換反応を行うが、この際中間体(VI)を単
離してから置換反応を行うこともできるが、単離せずに
そのままで置換反応を行ってもよい。
この置換反応において、チオール化合物(IV)は、通
常中間体(VI)の1〜2当量で使用することが好まし
い。
本反応に用いられる溶媒としては、上述のカルバペネ
ム誘導体(V)とジフェニルホスホリルクロリドとの反
応に使用されるのと同様な溶媒が挙げられるが、活性中
間体(VI)を単離せずに置換反応を行う場合には、カル
バペルネム誘導体(V)とジフェチルホスホリルクロリ
ドとの反応に用いたのと同一の溶媒を用いるのが好まし
い。
反応温度は−50℃〜室温、特に−40℃〜0℃が好適で
あり、反応時間は30分〜1日、特に1時間〜6時間が好
適である。
一般式(IV)のチオール体は塩基と共存させると反応
性に富み、良好な反応が進行するが、塩基なしでも勿論
進行する。ここで使用できる塩基としては前述のの方
法において置換反応に用いたのと同様な塩基が挙げられ
るが、特にジイソプロピルエチルアミン、DBUが好適に
用いられる。
チオール化合物(IV)と塩基は当量で使用するのが好
ましいが、チオール化合物が酸付加塩である場合は、更
に付加されている酸を中和するに必要な量の塩基を加え
ることにより良好な結果を得ることが出来る。
また、本発明化合物(I)に保護基が有る場合には、
所望により保護基を脱離させることができる。脱離法と
しては、水素添加による還元的分解、化学的還元、酸、
塩基又は酵素を用いた加水分解による方法などが挙げら
れる。
例えば、一般式(I)において、R2がエステル残基、
例えば、p−ニトロベンジル基、ベンジル基、ベンズヒ
ドリル基もしくは2−ナフチルメチル基である場合に
は、パラジウム担持炭素、酸化自金、その他の公知の金
属触媒を用いて接触還元することにより、脱保護し、一
般式(I)でCOOR2がカルボキシル基又はカルボキシレ
ートアニオンであるカルバペネム誘導体とすることが出
来る。ここで、反応溶媒としてはジオキサン、THF、緩
衝液(混合溶媒を含む)等が用いられ、好適には含水ジ
オキサン、リン酸緩衝液とTHFとの混合溶媒などが用い
られる。反応は、例えば1〜4気圧の水素圧下にて、好
適には10〜30℃の温度下、通常30分〜16時間、好ましく
は10分〜1時間行うのが好ましい。
また、一般式(I)のR2がp−ニトロベンジル基であ
る場合には、THF、ジオキサンなどの水溶性有機溶媒中
で、塩化アンモニウム水溶液と鉄分とを反応させること
により、更にR2がアリル基である場合には、THF、ジク
ロルメタンなどの非プロトン性溶媒中で、テトラキスト
リフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリフェニル
ホスフィン及び2−エチルヘキサン酸を反応させること
により、一般式(I)でCOOR2がカルボキシル基又はカ
ルボキシレートアニオンであるカルバペネム誘導体を得
ることが出来る。
本発明化合物(I)のうち、カルボキシル基が保護さ
れた化合物の中には、その物性によっては単離精製しに
くいものがあるが、最終的に一般式(I)中COOR2がカ
ルボキシル基もしくはカルボキシレートアニオンである
化合物の製造を目的とする場合には、中間のカルボキシ
保護成績体を単離することなく、同一反応容器中で、も
しくは簡単な通常の後処理を施した後、保護基を脱離さ
せれば良好な結果が得られる場合がある。これは、特に
大量の目的物を製造する場合には、煩雑な作業もなく、
収率、品質の点でも優れた簡便な方法である。本発明化
合物(I)は通常の単離手段、即ち、抽出後濃縮し、更
に必要により再結晶、再沈澱、カラムクロマトグラフィ
ーなどによって精製することが出来る。また、一般式
(I)の化合物は結晶化することによって高純度のもの
が得られ、この目的の為に塩とすることにより好ましい
結果が得られる。その際、塩としては必ずしも無毒性酸
付加塩である必要はなく、毒性のある塩として結晶化
し、精製の後、酸を除去するかもしくは薬理学上許容さ
れる塩に変換して目的化合物を純度良く得ることが出来
る。
また、体内で代謝されるエステル類を製造するには、
ペニシリン類、セファロスポリン類に於ける方法に準じ
て、一般式(I)に於けるCOOR2のR2としてあらかじめ
入れておくか、又はカルボキシル基あるいはカルボキシ
レートアニオンの化合物をエステル化すれば良い。
本発明化合物(I)は薬理学的に許容される塩として
用いてもよく、その塩として例えば、ナトリウム、カリ
ウム、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩;アルキ
ルハライド、アルコキシハライド、カルバモイルアルキ
ルハライド、置換カルバモイルアルキルハライド等のア
ンモニウム塩;トリエチルアミン、プロカイン、ベンジ
ルアミン等とのアミン塩;ペニシリン類やセファロスポ
リン類の塩形成に用いられる他のアミン類などとの無毒
性塩が挙げられるが、特にナトリウム塩、カリウム塩が
好ましい。また、本発明のカルバペネム誘導体には塩基
性基が存在するので、医薬品として許容される酸付加
塩、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸などの鉱酸
あるいは酢酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、
メタンスルホン酸などの有機酸との塩類とすることも出
来る。特に好適な塩としては、塩酸塩、硫酸塩を挙げる
ことができる。また、本発明化合物(I)は溶媒和した
ものでもよく、例えば水和物としてもよい。
本発明化合物(I)は慣用される製剤用担体、安定化
剤、溶解補助剤、賦形剤を用いて通常の方法で医薬品製
剤とすることが出来る。投与は錠剤、丸剤、カプセル
剤、顆粒剤などの経口投与あるいは静注、筋注剤、坐剤
等の非経口投与の種々の方法があるが、静脈注射が好ま
しい。投与量は通常成人1日250mg〜3000mgであり、こ
れを数回に分割投与するが、年齢、性別、症状により適
宜増減することが出来る。
〔発明の効果〕
本発明のカルバペネム誘導体は新規な化合物であり、
物理化学的安定性及びβ−ラクタマーゼ等の酵素に対す
る安定性に優れ、且つペニシリン系やセファロスポリン
系の抗生物質の耐性菌に対しても抗菌活性を有し、ヒト
及び動物の感染症の予防及び治療剤として極めて有用な
ものである。
〔実施例〕
以下、参考例及び実施例により、本発明を更に説明す
る。
参考例1 3−メルカプトキヌクリジン: 〔式中、Phは前記と同じ意味を有する〕 1) トリフェニルホスフィン6.47gを乾燥テトラヒド
ロフラン15mlに溶解し、−20℃でジエチルアゾジカルボ
キシレート3.78mlのテトラヒドロフラン溶液を滴下し、
15分後同温度で3−ヒドロキシキヌクリジン1.91gを加
え、更にチオ安息香酸2.65mlのテトラヒドロフラン溶液
をアルゴン気流下、滴下し室温に戻して1時間撹拌反応
した。
反応液を濃縮後、ベンゼンを加え析出固体を濾去、残
渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに付
し黄色のシロップ状の3−ベンゾイルチオキヌクリジン
3.91gを定量的に得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.0−2.2(5H,m) 2.5−4.0(7H,m) 7.3−7.7(3H,m) 7.92(2H,d) 2) 1)で得られた3−ベンゾイルチオキヌクリジン
2.09gをエタノール50mlに溶解し、氷冷下撹拌し、濃ア
ンモニア水15mlを滴下し、室温でアルゴン気流下一晩反
応した。反応液を濃縮後、ベンゼンを加え析出した固体
を濾去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、黄色油状の標題化合物1.09gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.0−2.4(5H,m) 2.4−3.6(7H,m) 参考例2 6−cis−メルカプト−2−(p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)−2−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタ
ン: 〔式中、PNZはp−ニトロベンジルオキシカルボニル基
を示す〕 1) トリフェニルホスフィン0.862gのテトラヒドロフ
ラン3ml溶液に−20℃でジエチルアゾジカルボキシレー
ト0.557gのテトラヒドロフラン2ml溶液を滴下し、2−
ベンジル−6−trans−ヒドロキシ−2−アザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン〔R.F.Borne et al,J.Heterocyclic
Chem.,10,241(1973)〕0.435gのテトラヒドロフラン1m
l溶液を同温下で加え、更に、チオ安息香酸0.417gのテ
トラヒドロフラン2ml溶液を加えた後、室温で40分撹拌
した。濃縮後ベンゼンを加え析出物を除き、重曹水で洗
浄後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼ
ン:酢酸エチルエステル=49:1)により精製し、6−ci
s−ベンゾイルチオ−2−ベンジル−2−アザビシクロ
〔2.2.2〕オクタンを黄褐色シロップで定量的に得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.0−2.0(7H,m) 2.0−3.0(3H,m) 3.85(2H,d) 4.0−4.4(1H,m) 7.1−7.8(8H,m) 7.8−8.0(2H,m) 2) 1)で得られた6−cis−ベンゾイルチオ−2−
ベンジル−2−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン0.676g
をジクロルメタン10mlに溶解し、氷冷撹拌下p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニルクロリド0.647gを加えた後、
室温で一晩反応した。水洗、乾燥、留去後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチルエス
テル=99:1)より精製し黄色シロップの6−cis−ベン
ゾイルチオ−2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−2−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン0.541g(71
%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.2−2.2(7H,m) 2.3−2.6(2H,br,s) 3.9−4.4(2H,m) 5.33(2H,q) 7.3−7.8(5H,m) 7.96(2H,d) 8.28(2H,d) 3) 2)で得られた6−cis−ベンゾイルチオ−2−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−アザビ
シクロ〔2.2.2〕オクタン0.541gにエタノール15mlテト
ラヒドロフラン4mlを加えアルゴン雰囲気下氷冷してア
ンモニア水3mlを加え、室温で一晩反応した。10%塩酸
で中和した後、有機溶媒を留去し、クロロホルムで抽出
し、乾燥、留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ベンゼン:酢酸エチルエステル=49:1)より精製
し、淡黄色シロップの標題化合物0.31g(79%)を得
た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.2−2.6(7H,m) 3.2−3.6(3H,m) 3.8−4.0(1H,m) 5.22(2H,s) 7.50(2H,d) 8.22(2H,d) 参考例3 3−メルカプト−2−メチルキヌクリジン: 1) トリフェニルスルフィン3.03gのテトラヒドロフ
ラン10ml溶液に−20℃でジエチルアゾジカルボキシレー
ト1.96gのテトラヒドロフラン5ml溶液を滴下し、次いで
2−メチル−3−ヒドロキシキヌクリジン1.06gのテト
ラヒドロフラン3ml溶液を同温下で加え、更にチオ安息
香酸1.45gのテトラヒドロフラン10ml溶液を加えた後、
室温で8時間撹拌した。濃縮後ベンゼンを加え、析出固
体を除き、重曹水で洗浄後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム:メタノール=49:1)より精
製し、黄色シロップの3−ベンゾイルチオ−2−メチル
キヌクリジン0.563gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.30(3H,d) 1.4−2.1(5H,m) 2.7−3.2(4H,m) 3.3−3.8(1H,m) 4.0−4.3(1H,m) 7.3−7.7(3H,m) 8.00(2H,d) 2) 1)で得られた3−ベンゾイルチオ−2−メチル
キヌクリジン563mgをエタノール20mlに溶解し、氷冷ア
ルゴン雰囲気下、濃アンモニア水15mlを加えた後、室温
で一晩、密栓をして反応した。濃縮後、水を加え、クロ
ロホルムで抽出(塩析)し乾燥、濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
97:3)より精製し、淡褐色オイルとして標題化合物207m
gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.30(3H,d) 1.0−2.1(5H,m) 2.5−3.6(6H,m) 実施例1 (1R,5S,6S,8R)−2−〔(キヌクリジン−3−イル)
チオ〕−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカ
ルバペネム−3−カルボン酸: 1) p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)−2−(フ
ェニルスルフィニル)−6−(1−ヒドロキシエチル)
1−メチルカルバペネム−3−カルボキシレート210mg
をテトラヒドロフラン2ml、アセトニトリル2ml、DMSO0.
5mlの混合溶媒に溶解し、アルゴン気流下−40℃で3−
メルカプトキヌクリジン(参考例1)134mgを加え、同
温度で10分間反応した。反応液にn−ヘキサンを加えて
洗浄後、上清液を除き、残渣をシリカゲルを用いたカラ
ムクロマトグラフィーに付し、淡黄色のp−ニトロベン
ジル(1R,5S,6S,8R)−2−〔(キヌクリジン−3−イ
ル)チオ〕−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチ
ルカルバペネム−3−カルボキシレート188mgを得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.21(3H,d) 1.31(3H,d) 1.0−2.2(5H,m) 2.2−4.4(11H,m) 5.38(2H,q) 7.68(2H,d) 8.21(2H,d) 2) 1)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8
R)−2−〔(キヌクリジン−3−イル)チオ〕−6−
(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカルバペネム−
3−カルボキシレート188mgをテトラヒドロフラン7ml、
リン酸緩衝液7mlに溶解し、10%Pd−C 100mgを加え4気
圧の水素雰囲気下、室温で15分間振とうした。触媒を濾
去し、テトラヒドロフランを留去したのち、残渣をダイ
ヤイオンHP−20(日本錬水株式会社)、次いでHPLCで精
製することにより、標題化合物の異性体A19mg、異性体B
21mgを得た。
異性体A1 H−NMR(D2O)δppm:1.24(3H,d) 1.32(3H,d) 1.82−1.92(1H,m) 2.00〜2.10(1H,m) 2.13−2.25(2H,m) 2.35−2.45(1H,m) 3.08(1H,dq) 3.00−3.45(5H,m) 3.50(1H,dd) 3.75−3.85(2H,m) 4.22−4.31(2H,m) 異性体B1 H−NMR(D2O)δppm:1.24(3H,d) 1.32(3H,d) 1.91−2.00(1H,m) 2.01−2.11(1H,m) 2.11−2.20(1H,m) 2.26−2.36(1H,m) 2.38−2.42(1H,m) 3.27−4.00(5H,m) 3.41−3.48(1H,m) 3.50(1H,dd) 3.76−3.84(2H,m) 4.23−4.31(2H,m) 実施例2 (1R,5S,6S,8R)−2−〔(1−メチルキヌクリジニ
ウム−3−イル)チオ〕−6−(1−ヒドロキシエチ
ル)−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシレー
ト: 実施例1 1)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S,
8R)−2−〔(キヌクリジン−3−イル)チオ〕−6−
(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカルバペネム−
3−カルボキシレート216mgをアセトン2mlに溶解し、ヨ
ードメチル0.276mlを加え、5℃で一晩撹拌した。反応
液を濃縮後、ヘキサン、エーテルで洗浄し、THF7ml及
び、M/15リン酸緩衝液(pH7.0)7ml、10%Pd−C 100mg
を加え、4kg/m2の水素雰囲気下室温で、15分間接触還元
を行った。触媒を濾去し、濾液を濃縮後、濃縮液をダイ
アイオンHP−20(30ml)のカラムクロマトグラフィーに
付し、水、次いで5%THF−水で溶出した。5%THFの溶
出画分を減圧下濃縮した。濃縮液をHPLCにて精製し、異
性体A42.4mg、異性体B37.7mgを無色固体として得た。
異性体A1 H−NMR(D2O)δppm:1.24(3H,d) 1.32(3H,d) 1.90−2.00(1H,m) 2.05−2.15(1H,m) 2.20−2.30(2H,m) 2.40−2.50(1H,m) 3.03(3H,s) 3.20−3.28(1H,m) 3.35−3.55(6H,m) 3.80−3.95(2H,m) 4.20−4.30(2H,m) 異性体B1 H−NMR(D2O)δppm:1.24(3H,d) 1.33(3H,d) 2.00−2.10(1H,m) 2.10−2.18(1H,m) 2.18−2.28(1H,m) 2.32−2.42(1H,m) 2.42−2.82(1H,m) 3.02(3H,s) 3.25−3.35(1H,m) 3.38−3.54(5H,m) 3.54−3.63(1H,m) 3.82−3.95(2H,m) 4.24−4.33(2H,m) 実施例3 (1R,5S,6S,8R)−2−〔(2−アガビシクロ〔2.2.
2〕オクタン−6−イル)チオ〕−6−(1−ヒドロキ
シエチル)−1−メチルカルバペネム−3−カルボン
酸: 1) p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)−2−(フ
ェニルスルフィニル)−6−(1−ヒドロキシエチル)
−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシレート175m
gをTHF1.5ml、アセトニトリル1.5ml、DMSO 0.4mlに溶解
し、アルゴン雰囲気下、−40℃で6−cis−メルカプト
−2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−
アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(参考例2)206mg、キ
ヌクリジン41mgを加え、同温度で20分反応した。反応液
をn−ヘキサン−石油エーテルで洗浄後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ベンゼン:酢酸エチルエステ
ル=9:1)より精製し淡黄色アモルファスのp−ニトロ
ベンジル(1R,5S,6S,8R)−2−〔(2−p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル−2−アザビシクロ〔2.2.2〕
オクタン−6−イル)チオ〕−6−(1−ヒドロキシエ
チル)−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシレー
ト230mg(93%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.0−2.5(15H,m) 3.0−3.8(4H,m) 4.0−4.5(2H,m) 5.26(2H,s) 5.38(2H,q) 7.4−7.8(4H,m) 8.24(4H,d) 2) 1)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8
R)−2−〔(2−p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル−2−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン−6−イル)
チオ〕−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカ
ルバペネム−3−カルボキシレート220mgをTHF7ml、リ
ン酸緩衝液7ml(pH7.0,1/15M)に溶解し、10%Pd−C 25
0mgを加え、水素雰囲気下、室温、4気圧で30分間振と
うした。触媒を除き、THFを留去した後、ダイヤイオンH
P−20(30ml、水→5%THF−水)より精製後、HPLCで精
製し、標題化合物の異性体A5mg、異性体B8mgを得た。
異性体A1 H−NMR(D2O)δppm:1.26(3H,d) 1.32(3H,d) 1.48(1H,dd) 1.65−1.75(1H,m) 1.75−1.85(1H,m) 1.85−1.90(2H,m) 2.09(br,s) 2.30−2.40(2H,m) 3.27(2H,dd) 3.35−3.45(2H,m) 3.50(1H,dd) 3.70−3.80(1H,m) 4.20−2.30(2H,m) 異性体B1 H−NMR(D2O)δppm:1.23(3H,d) 1.33(3H,d) 1.70−1.80(1H,m) 1.80−1.90(1H,m) 1.90−2.00(1H,m) 2.05−2.15(1H,m) 2.20−2.30(1H,m) 2.30−2.40(1H,m) 3.20−3.40(1H,m) 3.50(1H,dd) 3.60−3.70(1H,m) 3.70−3.80(1H,m) 4.20−4.30(2H,m) 実施例4 (1R,5S,6S,8R)−2−〔(2−メチルキヌクリジン
−3−イル)チオ〕−6−(1−ヒドロキシエチル)1
−メチルカルバペネム−3−カルボン酸: 1) p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)−2−オキ
ソ−1−メチルカルバペナムカルボシレート217mgをア
セトニトリル0.8mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、ジイ
ソプロピルエチルアミン85mgを0℃でゆっくり加え、続
いて、ジフェニルホスホリルクロリド177mgをゆっくり
加え、30分同温で反応後、−35℃に冷却し、ジイソプロ
ピルエチルアミン81mg、続いて3−メルカプト−2−メ
チルキヌクリジン(参考例3)99mgを加え、同温で40分
反応した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:メタノール=19:1)より精製し、更
に、クロロホルムを加え、重曹水で洗浄、乾燥、濃縮
し、あわ状物質のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R)
−2−〔(2−メチルキヌクリジン−3−イル)チオ〕
−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカルバペ
ネム−3−カルボキシレート275mg(92%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.1−2.3(14H,m) 2.6−3.7(8H,m) 4.1−4.4(2H,m) 5.38(2H,q) 7.70(2H,d) 8.24(2H,d) 2) 1)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8
R)−2−〔(2−メチルキヌクリジン−3−イル)チ
オ〕−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカル
バペネム−3−カルボシレート275mgをテトラヒドロフ
ラン7ml、リン酸緩衝液7mlに溶解し、10%Pd−C 300mg
を加えて、水素雰囲気下、室温、4気圧で60分間振とう
した。触媒を除き、テトラヒドロフランを留去したの
ち、ダイヤイオンHP−20を用いたカラムクロマトクラン
フィーに付し、次いでHPLCで精製し、異性体A56mg、異
性体B54mgを得た。
異性体A1 H−NMR(D2O)δppm:1.23(3H,d) 1.32(3H,d) 1.57(3H,d) 1.75−1.85(1H,m) 2.00−2.10(1H,m) 2.10−2.25(2H,m) 2.30−2.40(1H,m) 3.30−3.40(1H,m) 3.35−3.50(2H,m) 3.50−3.60(2H,m) 3.90−4.00(1H,m) 4.10−4.20(1H,m) 4.20−4.30(2H,m) 異性体B1 H−NMR(D2O)δppm:1.22(3H,d) 1.33(3H,d) 1.51(3H,d) 1.85−1.95(1H,m) 2.10−2.20(3H,m) 2.45−2.55(1H,m) 3.18−3.27(1H,m) 3.35−3.55(4H,m) 3.55−3.65(1H,m) 3.90−3.95(1H,m) 4.00−4.10(1H,m) 4.20−4.30(2H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 453/02 - 453/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1は低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル
    基又は保護されたヒドロキシ低級アルキル基を示し、CO
    OR2はカルボキシル基、カルボキシレートアニオン又は
    保護されたカルボキシル基を示し、R3は水素原子又は低
    級アルキル基を示し、R4は次の式(1)又は(2) (ここでR5は何もないか、水素原子、置換基を有してい
    てもよい低級アルキル基又は置換基を有していてもよい
    カルバモイル基を、R6は水素原子、ハロゲン原子、置換
    基を有していてもよい低級アルキル基、カルボキシル
    基、置換基を有していてもよいカルボニル基、ヒドロキ
    シル基、イミノ基、シアノ基、置換基を有していてもよ
    いアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基
    又は低級アルコキシ基を示し、l、m及びnはそれぞれ
    1〜3の数を示す)で表わされる基を示す〕 で表わされるカルバペネム誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】R1が1−ヒドロキシエチル基である請求項
    1記載のカルバペネム誘導体。
  3. 【請求項3】R1が1−ヒドロキシエチル基であり、5
    −、6−及び8−位の配置が(5S,6S,8R)である請求項
    1記載のカルバペネム誘導体。
  4. 【請求項4】R1が1−ヒドロキシエチル基であり、R3
    メチル基であり、1−、5−、6−及び8−位の配置が
    (1R,5S,6S,8R)である請求項1記載のカルバペネム誘
    導体。
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