JP2934108B2 - セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル - Google Patents

セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なセリウム賦活弗
化ハロゲン化バリウム系の輝尽性蛍光体、およびその輝
尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像
変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55−12145号公報に記載され
ているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が
知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放
射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するも
ので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられ
た放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そのの
ちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励
起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光
体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発
光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って
電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写
体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生する
ものである。読み取りを終えた該パネルは、残存する画
像の消去が行なわれた後、次の撮影のために備えられ
る。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用する
ことができる。
【0003】上記の放射線像変換方法によれば、従来の
放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線
写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量
で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという
利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線像変換方法では放射線像変換パネルをくり返し
使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利であ
る。
【0004】輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励
起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用
上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光
によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示
す蛍光体が一般的に利用される。従来より放射線像変換
パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては、二
価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍
光体を挙げることができる。放射線像変換方法に用いら
れる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体と
その表面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるもので
ある。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必
ずしも支持体を必要としない。輝尽性蛍光体層は、通常
は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤
とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法
や焼結法によって形成される結合剤を含まないで輝尽性
蛍光体の凝集体のみから構成されるものが知られてい
る。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が
含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネルも知られている。これらのいずれの蛍光体層でも、
輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光
の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものであ
るから、被写体を透過したあるいは被検体から発せられ
た放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネ
ルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体ある
いは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像とし
て形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射するこ
とにより輝尽発光光として放出させることができ、この
輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換するこ
とにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが
可能となる。
【0005】なお、輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面
していない側の表面)には通常、ポリマーフィルムある
いは無機物の蒸着膜などからなる保護膜が設けられてい
て、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から
保護している。
【0006】これまでに各種の用途において多数の蛍光
体が見い出されている。しかし、前記のような輝尽性を
示す蛍光体としては、僅かな種類のものが確認されてい
るのみである。従って、実用上に利用できるレベルの輝
尽性を示す蛍光体の探索は依然として重要である。
【0007】従来より、X線、電子線、あるいは紫外線
などの放射線を照射したのち可視乃至赤外領域の電磁波
(励起光)で励起すると、近紫外乃至青色領域に発光
(輝尽発光)を示す輝尽性蛍光体として、セリウム賦活
弗化ハロゲン化バリウム蛍光体(BaFX:Ce3+;た
だし、Xは弗素以外のハロゲンである)が知られている
(特開昭55−12145号、特開昭55−84389
号公報等)。従ってこの蛍光体は、放射線像変換方法に
使用される放射線像変換パネル用の輝尽性蛍光体として
使用できるものである。そして、このセリウム賦活弗化
ハロゲン化バリウム蛍光体はユーロピウム賦活弗化ハロ
ゲン化バリウム蛍光体に比べて応答速度が速く、このた
めセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体を前記の
放射線像変換方法に利用すると、画像情報の読み出しが
速いとの利点がある。
【0008】西独国特許第3834414号公報には、
セリウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:C
3+)を製造する際に弗化ナトリウム(NaF)または
ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(Na2 SiF6 )を
添加してもよいことが記載されているが、該化合物が蛍
光体の輝尽発光輝度にどのような影響を及ぼすかについ
ての記述は全くない。また、特開昭58−109897
号公報には、ハロゲン化ナトリウムを含有する二価ユー
ロピウム賦活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体(BaFX
・xNaX':aEu2+;ただし、XおよびX’はいずれ
もCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種であり、
xおよびaはそれぞれ0<x≦10-1および0<a≦
0.2なる条件を満たす数である)が記載されている
が、セリウムで賦活された蛍光体についての記述はな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の放射線像変換方
法においては、X線等の放射線による被曝線量を少なく
するためにできるだけ高感度であることが望ましく、使
用される輝尽性蛍光体はその輝尽発光輝度が少しでも高
いことが要求されている。従って、本発明は、そのよう
な要求を満たす新規な輝尽性蛍光体を提供するものであ
る。さらに詳しくは、本発明は、輝尽発光強度が向上し
た新規なセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】組成式(I): BaFX・aNaX'・dCsX"・eCaX'"2・fSrX""2・gCaO・hSrO:bCe3+ …(I) (ただし、XはBr及び/又はIであり;X’はBr及
び/又はIであり;X”、X'"、及びX""はF、Cl、
Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり;a、d、e、f、g及びhは、10-4
a+d+e+f+g+h≦10-1の条件を満足する数値
であり;そしてbは、10-5≦b≦10-2の数値の範囲
である。)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バ
リウム系蛍光体。
【0011】上記の組成式(I)において、得られる輝
尽発光の強度レベルを考慮すると、a、d、e、f、g
およびhの値のいずれかが10-4以上(1×10-4
a、1×10-4≦d、1×10-4≦e、1×10-4
f、1×10-4≦gもしくは1×10-4≦h)であるこ
と、特に10-3以上(1×10-3≦a、1×10-3
d、1×10-3≦e、1×10-3≦f、1×10-3≦g
もしくは1×10-3≦h)であることが好ましく、そし
て10-2以下(a≦1×10-2、d≦1×10-2、e≦
1×10-2、f≦1×10-2、g≦1×10-2、もしく
はh≦1×10-2)であることが好ましい。一方、bの
値は、10-5以上(1×10-5≦b)であることが好ま
しく、そして10-2以下(b≦1×10-2)であること
が好ましい。
【0012】上記のセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウ
ム系蛍光体の代表例として、下記組成式(II): BaFX・aNaX':bCe3+ …(II) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はBrおよ
び/またはIであり;そしてaおよびbはそれぞれ、0
<a≦10-1(1×10-1)および10-5(1×1
-5)≦b≦10-2(1×10-2)の範囲の数値であ
る)で表わされる輝尽性を示すセリウム賦活弗化ハロゲ
ン化バリウム系蛍光体が挙げられる。
【0013】上記一般式(II)において、得られる輝尽
発光の強度レベルを考慮すると、aの値は10-4以上
(1×10-4≦a)であること、特に10-3以上(1×
10-3≦a)であることが好ましく、そして10-2以下
(a≦1×10-2)であることが好ましい。一方、bの
値は、10-5以上(1×10-5≦b)であることが好ま
しく、そして10-2以下(b≦1×10-2)であること
が好ましい。
【0014】本発明の、組成式(I)で表わされるセリ
ウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体は、 1)ハロゲン化バリウム、セリウム化合物、そしてハロ
ゲン化ナトリウム、ハロゲン化セシウム、ハロゲン化カ
ルシウム、ハロゲン化ストロンチウム、酸化カルシウム
及び/又は酸化ストロンチウムからなる蛍光体原料の混
合物を調製する工程、および 2)該蛍光体原料混合物を弱還元性もしくは中性雰囲気
下あるいは微量酸素導入雰囲気下で、400乃至130
0℃の範囲の温度で0.5乃至10時間焼成する工程、 からなる製造法により製造することができる。
【0015】本発明のセリウム賦活弗化ハロゲン化バリ
ウム系蛍光体の製造法を以下に詳しく説明する。
【0016】まず、蛍光体原料として、 1)弗化バリウム(BaF2)、 2)臭化バリウム(BaBr2)及び/又は沃化バリウ
ム(BaI2)、 3)臭化ナトリウム(NaBr)、沃化ナトリウム(N
aI)、弗化セシウム(CsF)、塩化セシウム(Cs
Cl)、臭化セシウム(CsBr)、沃化セシウム(C
sI)、弗化カルシウム(CaF2)、塩化カルシウム
(CaCl2)、臭化カルシウム(CaBr2)、沃化カ
ルシウム(CaI2)、弗化ストロンチウム(Sr
2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、臭化ストロ
ンチウム(SrBr2)、沃化ストロンチウム(Sr
2)、酸化カルシウム(CaO)、及び/又は酸化ス
トロンチウム(SrO)、 4)ハロゲン化物、酸化物、硝酸塩などのセリウム化合
物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物、を
用意する。場合によっては、さらにハロゲン化アンモニ
ウム(NH4X”:ただしX”はCl、BrまたはIで
ある)などをフラックスとして使用してもよい。
【0017】蛍光体の製造に際しては、まず上記1)の
弗化バリウム、2)のハロゲン化バリウム、3)のハロ
ゲン化ナトリウム(および/またはハロゲン化セシウ
ム、ハロゲン化カルシウム、ハロゲン化ストロンチウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム)、および
4)のセリウム化合物を、化学量論的に前記組成式
(I)に対応する相対比となるように秤量混合して蛍光
体原料の混合物を調製する。
【0018】蛍光体原料混合物の調製は、 i) 上記1)〜4)の蛍光体原料を単に混合する、 ii) 上記1)〜3)の蛍光体原料をまず混合し、この混
合物を100℃以上の温度で数時間加熱したのち、得ら
れた熱処理物に上記4)の蛍光体原料を混合する、 iii)上記1)〜3)の蛍光体原料を懸濁液の状態でまず
混合し、この懸濁液を加温下(好ましくは50〜200
℃の温度)で減圧乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥などにより
乾燥し、しかるのち得られた乾燥物に上記4)の蛍光体
原料を混合する、 などのいずれの方法によって行なってもよい。
【0019】なお上記ii) の方法の変法として、上記
1)〜4)の蛍光体原料を混合し、この混合物に上記熱
処理を施す方法を利用してもよい。また、上記iii)の方
法の変法として、上記1)〜4)の蛍光体原料を懸濁液
の状態で混合し、この懸濁液を乾燥する方法を利用して
もよい。あるいはまた、上記3)の蛍光体原料を熱処理
後もしくは乾燥後の混合物に添加混合してもよいし、焼
成を二度以上行なう場合には上記3)の蛍光体原料は一
次焼成後に添加してもよい。上記i)、ii)およびiii)の
いずれの方法においても、混合には各種ミキサー、V型
ブレンダー、ボールミル、ロッドミルなどの通常の混合
機が用いられる。
【0020】次に、上記のようにして調製された蛍光体
原料混合物を石英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボ
などの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉芯に入れて焼成
を行なう。焼成温度は400〜1300℃の範囲が適当
であり、好ましくは500〜1000℃の範囲である。
焼成時間は蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度および
炉からの取出し温度などによっても異なるが、一般には
0.5〜10時間が適当である。焼成雰囲気としては、
窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中性雰囲
気、あるいは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲
気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還
元性雰囲気、あるいは微量酸素導入雰囲気が利用され
る。
【0021】なお、上記のようにして蛍光体原料混合物
を一度焼成したのちその焼成物を電気炉から取り出して
放冷し、必要により乳鉢、ボールミル、チューブミル、
遠心ミルなどの通常の粉砕機を用いて微粉末状に粉砕
し、更にその粉砕物を電気炉に入れて再焼成(二次焼
成)を行なってもよい。再焼成の際の焼成温度は400
〜1300℃の範囲が適当であり、焼成時間は0.5〜
10時間が適当であり、また焼成雰囲気としては上記の
弱還元性雰囲気および中性雰囲気、さらに微量の酸素が
導入された雰囲気を利用することができる。
【0022】上記焼成によって粉末状の蛍光体が得られ
る。得られた蛍光体については、必要に応じて更に洗
浄、乾燥、ふるい分けなどの蛍光体の製造における各種
の一般的な操作を行なってもよい。なお、蛍光体は温水
で分解しやすいので洗浄はアセトン、酢酸エチル、エタ
ノールなどの有機溶媒で行なう。
【0023】以上に説明した製造法によって、組成式
(I): BaFX・aNaX'・dCsX"・eCaX'"2・fSrX""2・gCaO・hSrO:bCe3+ …(I) (ただし、XはBr及び/又はIであり;X’はBr及
び/又はIであり;X”、X'"、及びX""はF、Cl、
Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり;a、d、e、f、g及びhは、10-4
a+d+e+f+g+h≦10-1の条件を満足する数値
であり;そしてbは、10-5≦b≦10-2の数値の範囲
である。)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バ
リウム系蛍光体が得られる。
【0024】次に、本発明の放射線像変換パネルの製造
法について述べる。
【0025】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層は、上記一般式(I)で表わされるセリウム賦活弗
化ハロゲン化バリウム系蛍光体を含む層であり、通常
は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合
剤とからなるのものであるが、必要に応じて、結合剤を
含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるも
の、あるいは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質
が含浸されている蛍光体層などでもよい。
【0026】次に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にと
り、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明
する。
【0027】蛍光体層は、次のような公知の方法により
支持体上に形成することができる。まず、輝尽性蛍光体
と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合
剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製
する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比
は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種
類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との
混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から
選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範
囲から選ぶのが好ましい。上記のようにして調製された
蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の
表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。この
塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレ
ード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いるこ
とにより行なうことができる。
【0028】支持体としては、従来の放射線像変換パネ
ルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができ
る。公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光
体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネ
ルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上
させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面に
ゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層とし
たり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からな
る光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性
物質からなる光吸収層などを設けることが知られてい
る。本発明において用いられる支持体についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に
選択することができる。さらに特開昭58−20020
0号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭
度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支
持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層また
は光吸収層などが設けられている場合には、その表面を
意味する)には微小凹凸が形成されていてもよい。
【0029】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体と
の混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1
mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmと
するのが好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも
上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する
必要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラ
スチックシ−トなどのシ−ト上に塗布液を塗布し乾燥す
ることにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持体
上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持
体と蛍光体層とを接合してもよい。
【0030】前述のように、通常は、蛍光体層の上に保
護膜が付設される。保護膜には、セルロース誘導体やポ
リメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子
物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の
上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチ
レンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明な
ガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光
体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるい
は無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜した
ものなどが用いられる。また、有機溶媒可溶性のフッ素
系樹脂の塗布膜により形成され、パーフルオロオレフィ
ン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末を分散、含有さ
せた保護膜であってもよい。
【0031】なお、得られる画像の鮮鋭度を向上させる
ことを目的として、本発明の放射線像変換パネルを構成
する上記各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色され
ていてもよく、独立した着色中間層を設けてもよい(特
公昭54−23400号公報参照)。
【0032】上記の方法により、支持体上に、一般式
(I)のセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系輝尽性
蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからな
る蛍光体層が付設されてなる本発明の放射線像変換パネ
ルを製造することができる。
【0033】
【実施例】[実施例1] 弗化バリウム(BaF)7.57g、臭化バリウム
(BaBr)12.58gおよび臭化セリウム(Ce
Br)0.0322gをボールミルで十分に混合した
後、混合物に臭化ナトリウム(NaBr)0.0026
gを添加して更に均一に混合した。この混合物を石英ボ
ートに充填してチューブ型電気炉に入れ、窒素雰囲気下
で900℃の温度で2時間焼成した。焼成後、石英ボー
トを電気炉から取り出して窒素雰囲気中で室温まで冷却
した。得られた焼成物を粉砕したのち篩にかけた。この
ようにして、BaFBr・0.0003 NaBr:
0.001Ce3+の組成式で表されるセリウム賦活弗
化臭化バリウム系蛍光体を得た。
【0034】[実施例2〜5]実施例1において、臭化
ナトリウムの量をそれぞれ0.0087g、0.026
1g、0.087g及び0.261gとすること以外は
実施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、それ
ぞれBaFBr・0.001NaBr:0.001Ce3+、BaFB
r・0.003NaBr:0.001Ce3+、BaFBr・0.01 Na
Br:0.001Ce3+、BaFBr・0.03 NaBr:0.001C
3+の組成式で表わされる各種のセリウム賦活弗化臭化
バリウム系蛍光体得た。
【0035】[比較例1]実施例1において、臭化ナト
リウムを用いないこと以外は実施例1の方法と同様の操
作を行なうことによって、BaFBr:0.001Ce3+の組
成式で表されるセリウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体を
得た。
【0036】[実施例6]実施例1において、臭化セリ
ウムおよび臭化ナトリウムの量をそれぞれ0.0161
gおよび0.0087gとすること以外は実施例1の方
法と同様の操作を行なうことにより、BaFBr・0.001
NaBr:0.0005 Ce3+の組成式で表されるセリウム賦
活弗化臭化バリウム系蛍光体を得た。
【0037】[実施例7]実施例1において、臭化セリ
ウムおよび臭化ナトリウムの量をそれぞれ0.0161
gおよび0.087gとすること以外は実施例1の方法
と同様の操作を行なうことによって、BaFBr・0.01
NaBr:0.0005 Ce3+の組成式で表されるセリウム賦
活弗化臭化バリウム系蛍光体を得た。
【0038】[比較例2]実施例1において、臭化セリ
ウムの量を0.0161gとしかつ臭化ナトリウムを用
いないこと以外は実施例1の方法と同様の操作を行なう
ことにより、BaFBr:0.0005 Ce3+の組成式で表さ
れるセリウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体を得た。
【0039】[実施例8]実施例1において、臭化ナト
リウムの代りに沃化ナトリウム(NaI)0.0127
gを用いること以外は実施例1の方法と同様の操作を行
なうことにより、BaFBr・0.001NaI:0.001Ce3+
の組成式で表されるセリウム賦活弗化臭化バリウム系蛍
光体を得た。
【0040】[実施例9、10]実施例1において、臭
化ナトリウムの代りに沃化ナトリウム(NaI)をそれ
ぞれ0.127gおよび1.27g用いること以外は実
施例1の方法と同様の操作を行なうことによって、それ
ぞれBaFBr・0.01 NaI:0.001Ce3+およびBaF
Br・0.1NaI:0.001Ce3+の組成式で表される二種類
のセリウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体を得た。
【0041】[比較例3]実施例1において、臭化ナト
リウムの代りに弗化ナトリウム(NaF)0.036g
を用いること以外は実施例1の方法と同様の操作を行な
うことによって、BaFBr・0.01 NaF:0.001Ce3+
の組成式で表されるセリウム賦活弗化臭化バリウム系蛍
光体を得た。
【0042】[比較例4]実施例1において、臭化ナト
リウムの代りにヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(Na
2 SiF6 )0.159gを用いること以外は実施例1
の方法と同様の操作を行なうことにより、BaFBr・
0.01Na2 SiF6 :0.001Ce3+の組成式で表されるセ
リウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体を得た。
【0043】[蛍光体の評価]上記の各蛍光体に80K
VpのX線を300mR照射したのちHe−Neレーザ
ー光(633nm)を12J/m2 照射して励起し、蛍
光体から放射された輝尽発光をフィルター(B390)
を通して光電子増倍管で受光することにより、蛍光体の
輝尽発光輝度を測定した。なお、輝尽発光のピークはい
ずれも420nmであった。得られた結果をまとめて表
1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】[実験結果]表1に示した結果から明らか
なように、少量のNaBrまたはNaIを含有する本発
明のセリウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体(実施例1
〜10)は、これらを含有しない従来の蛍光体(比較例
1、2)に比べて高輝度の輝尽発光を示した。また、N
aFまたはNa2 SiF6 を含有する公知の蛍光体(比
較例3、4)は輝尽発光の輝度が向上するどころか逆に
減少した。
【0046】[実施例16]次に、本発明の放射線像変
換パネルを製造例を記載する。
【0047】蛍光体層形成材料として、実施例1で得た
セリウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体(BaFBr・
0.0003 NaBr:0.001Ce3+)356g、ポリウレタ
ン樹脂(住友バイエルウレタン(株)製デスモラック41
25)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.
0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶
媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度2
5〜30PSの塗布液を調製した。この塗布液をドクタ
ーブレードを用いて下塗り付ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に塗布した後、100℃で15分間乾燥さ
せて、蛍光体層を形成した。
【0048】次に、保護膜形成材料として、フッ素系樹
脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭
硝子(株)製ルミフロン LF100)70g、架橋剤:イソ
シアネート(住友バイエルウレタン(株)製デスモジュ
ールZ4370)25g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂5
g、およびシリコーン樹脂微粉末(KMP−590、信
越化学工業(株)製、粒子径1〜2μm)10gをトル
エン−イソプロピルアルコール(1:1)混合溶媒に添
加し、塗布液を作った。この塗布液を上記のようにして
予め形成しておいた蛍光体層上にドクターブレートを用
いて塗布し、次に120℃で30分間熱処理して熱硬化
させるとともに乾燥し、厚さ10μmの保護膜を設け
た。以上の方法により、放射線像変換パネルを得た。
【0049】[実施例12〜20]蛍光体として、実施
例2〜10で得たセリウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光
体を用いた以外は、実施例11の操作と同じ操作を行な
い、それぞれ、支持体、輝尽性蛍光体層および保護層か
らなる放射線像変換パネルを得た。
【0050】[実施例21]弗化バリウム(BaF2
7.47g、臭化バリウム(BaBr2 )10.65
g、沃化バリウム(BaI2 )2.47gおよび臭化セ
リウム(CeBr3 )0.097gをボールミルで充分
に混合したのち、混合物に臭化セシウム(CsBr)
0.018gを添加して更に均一に混合した。この混合
物を石英ボートに充填してチューブ型電気炉に入れ、窒
素雰囲気下で920℃の温度で2時間焼成した。焼成
後、石英ボートを電気炉から取り出して窒素雰囲気中で
室温まで冷却した。得られた焼成物を粉砕した後篩にか
けた。このようにしてBaFBr0.850.15・0.001Cs
Br:0.003Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活弗化
臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0051】[実施例22、23]実施例21におい
て、臭化セシウムの量をそれぞれ0.18gおよび1.
8gとすること以外は実施例21の方法と同様の操作を
行なうことによって、それぞれBaFBr0.850.15
0.01 CsBr:0.003Ce3+及びBaFBr0.850.15
0.1CsBr:0.003Ce3+の組成式で示されるセリウム
賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0052】[実施例24〜26]実施例21におい
て、臭化セシウムを弗化カルシウムに替え、それぞれの
量を0.007g、0.066gおよび0.659gと
すること以外は実施例21の方法と同様の操作を行なう
ことによって、それぞれBaFBr0.850.15・0.001C
aF2: 0.003Ce3+、BaFBr0.850.15・0.01 Ca
2: 0.003Ce3+、およびBaFBr0.850.15・0.1C
aF2:0.003 Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活弗
化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0053】[実施例27〜29] 実施例21において、臭化セシウムを弗化ストロンチウ
ムに替え、それぞれの量を0.011g、0.106g
および1.059gとすること以外は実施例21の方法
と同様の操作を行なうことによって、それぞれBaFB
0.850.15・0.001SrF:0.00
3Ce3+、BaFBr0.850.15・0.01
SrF:0.003Ce3+、およびBaFBr
0.850.15・0.1SrF:0.003Ce
3+の組成式で示されるセリウム賦活弗化臭化沃化バリ
ウム系蛍光体を得た。
【0054】[実施例30〜32]実施例21におい
て、臭化セシウムを酸化カルシウムに替え、それぞれの
量を0.005g、0.047gおよび0.473gと
すること以外は実施例21の方法と同様の操作を行なう
ことによって、それぞれBaFBr0.850.15・0.001C
aO:0.003Ce3+、BaFBr0.850.15・ 0.01Ca
O:0.003Ce3+、およびBaFBr0.850.15・0.1Ca
O:0.003Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活弗化臭
化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0055】[実施例33〜35]実施例21におい
て、臭化セシウムを酸化ストロンチウムに替え、それぞ
れの量を0.009g、0.087g、および0.87
4gとすること以外は実施例21の方法と同様の操作を
行なうことによって、それぞれBaFBr0.850.15
0.001SrO:0.003Ce3+、BaFBr0.850.15・ 0.0
1SrO:0.003Ce3+、およびBaFBr0.850.15・0.
1SrO:0.003Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活
弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0056】[実施例36]実施例21において、同量
の臭化セシウムと一緒に、0.007gの弗化カルシウ
ム、および0.011gの弗化ストロンチウムを加えた
以外は実施例21の方法と同様の操作を行なうことによ
って、BaFBr0.850.15・0.001CsBr・0.001Ca
2・0.001 SrF2: 0.003Ce3+の組成式で示されるセ
リウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0057】[実施例37]実施例21において、同量
の臭化セシウムと一緒に、0.005gの酸化カルシウ
ム、および0.009gの酸化ストロンチウムを加えた
以外は実施例21の方法と同様の操作を行なうことによ
って、BaFBr0.850.15・0.001CsBr・0.001Ca
O・0.001SrO:0.003Ce3+の組成式で示されるセリウ
ム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0058】[比較例5]実施例21において、臭化セ
シウムを用いないこと以外は実施例21の方法と同様の
操作を行なうことによって、BaFBr0.850.15:0.0
03Ce3+の組成式で表されるセリウム賦活弗化臭化バリ
ウム蛍光体を得た。
【0059】[蛍光体の評価]上記の各蛍光体の輝尽発
光輝度を前記の方法により測定した。なお、輝尽発光の
ピークはいずれも420nmであった。得られた結果を
まとめて表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】[実験結果]表2に示した結果から明らか
なように、臭化セシウム、弗化カルシウム、弗化ストロ
ンチウム、酸化カルシウム、または酸化ストロンチウム
を単独もしくは組合せて含有する本発明のセリウム賦活
弗化臭化バリウム系蛍光体(実施例21〜37)は、こ
れらを含有しない従来の蛍光体(比較例5)に比べて高
輝度の輝尽発光を示した。
【0062】[実施例38]弗化バリウム(BaF2
7.47g、臭化バリウム(BaBr2 )12.53g
および臭化セリウム(CeBr3 )0.097gをボー
ルミルで十分に混合した後、混合物に弗化セシウム(C
sF)0.013gを添加して更に均一に混合した。こ
の混合物を石英ボートに充填してチューブ型電気炉に入
れ、窒素雰囲気下で900℃の温度で2時間焼成した。
焼成後、石英ボートを電気炉から取り出して窒素雰囲気
中で室温まで冷却した。得られた焼成物を粉砕したのち
篩にかけた。このようにしてBaFBr・0.001CsF:
0.003Ce3+の組成式で表されるセリウム賦活弗化臭化
沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0063】[実施例39〜41]実施例38におい
て、弗化セシウムを、それぞれ、塩化セシウム(0.0
14g)、臭化セシウム(0.018g)及び沃化セシ
ウム(0.022g)に替えること以外は実施例38の
方法と同様の操作を行なうことにより、それぞれBaF
Br・0.001CsCl:0.003Ce3+、BaFBr・0.001C
sBr:0.003Ce3+、およびBaFBr・0.001CsI:
0.003Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活弗化臭化
沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0064】[実施例42〜45]実施例38におい
て、弗化セシウムを、それぞれ、弗化カルシウム(0.
007g)、塩化カルシウム(0.009g)、臭化カ
ルシウム(0.017g)及び沃化カルシウム(0.0
25g)に替えること以外は実施例38の方法と同様の
操作を行なうことにより、それぞれBaFBr・0.001C
aF2:0.003 Ce3+、BaFBr・0.001CaCl2: 0.0
03Ce3+、BaFBr・0.001CaBr2: 0.003Ce3+
およびBaFBr・ 0.001 CaI2:0.003 Ce3+の組成
式で示されるセリウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光
体を得た。
【0065】[実施例46〜49]実施例38におい
て、弗化セシウムを、それぞれ、弗化ストロンチウム
(0.011g)、塩化ストロンチウム(0.013
g)、臭化ストロンチウム(0.021g)、及び沃化
ストロンチウム(0.029g)に替えること以外は実
施例38の方法と同様の操作を行なうことにより、それ
ぞれBaFBr・0.001SrF2: 0.003Ce3+、BaFB
r・0.001SrCl2: 0.003Ce3+、BaFBr・0.001S
rBr2: 0.003Ce3+、およびBaFBr・0.001SrI
2: 0.003Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活弗化臭
化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0066】[比較例6]実施例38において、臭化セ
シウムを用いないこと以外は実施例38の方法と同様の
操作を行なうことによって、BaFBr:0.003Ce3+
組成式で表されるセリウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体
を得た。
【0067】[蛍光体の評価]上記の各蛍光体の輝尽発
光輝度を前記の方法により測定した。なお、輝尽発光の
ピークはいずれも420nmであった。得られた結果を
まとめて表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】[実験結果]表3に示した結果から明らか
なように、セシウム、カルシウムおよびストロンチウム
は、弗化物、塩化物、臭化物、および沃化物のいずれの
ハロゲン化物として添加されても、高輝度の輝尽発光を
示すことが確認された。
【0070】[実施例50]弗化バリウム(BaF2
7.47g、臭化バリウム(BaBr2 )10.65
g、沃化バリウム(BaI2 )2.47gおよび臭化セ
リウム(CeBr3 )0.016gをボールミルで充分
に混合したのち、混合物に臭化セシウム(CsBr)
0.018gを添加して更に均一に混合した。この混合
物を石英ボートに充填してチューブ型電気炉に入れ、窒
素雰囲気下で920℃の温度で2時間焼成した。焼成
後、石英ボートを電気炉から取り出して窒素雰囲気中で
室温まで冷却した。得られた焼成物を粉砕した後篩にか
けた。このようにしてBaFBr0.850.15・0.001Cs
Br: 0.0005Ce3+の組成式で示されるセリウム賦活弗
化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0071】[実施例51、52]実施例50におい
て、臭化セリウムの量をそれぞれ0.032gおよび
0.320gとすること以外は実施例50の方法と同様
の操作を行なうことによって、それぞれBaFBr0.85
0.15・0.001CsBr:0.001Ce3+及びBaFBr0.85
0.15・0.001CsBr: 0.01Ce3+の組成式で示される
セリウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0072】[比較例7〜9]実施例50、51および
52において、臭化セシウムを加えなかった以外は、実
施例50、51および52の方法と同様の操作を行なう
ことによって、それぞれBaFBr0.850.15: 0.0005
Ce3+、 BaFBr0.850.15:0.001Ce3+およびBa
FBr0.850.15: 0.01Ce3+の組成式で示されるセリ
ウム賦活弗化臭化沃化バリウム系蛍光体を得た。
【0073】[蛍光体の評価]上記の各蛍光体の輝尽発
光輝度を前記の方法により測定した。なお、輝尽発光の
ピークはいずれも420nmであった。得られた結果を
まとめて表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】[実験結果]表4に示した結果から、前述
の本発明の効果(発光輝度の向上)は、賦活元素のセリ
ウムの量(賦活量)を変えても、同様に現われることが
確認された。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、セリウム賦活弗化ハロ
ゲン化バリウム蛍光体に、臭化ナトリウム、沃化ナトリ
ウム、ハロゲン化セシウム、ハロゲン化カルシウム、ハ
ロゲン化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化ストロ
ンチウムを単独もしくは組合せて添加することにより、
該蛍光体の輝尽発光輝度が著しく向上した新規な輝尽性
蛍光体となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅本 千之 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 中村 隆 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−260884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 11/00 - 11/89 G21K 4/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式(I): BaFX・aNaX'・dCsX"・eCaX'"2・fSrX""2・gCaO・hSrO:bCe3+ …(I) (ただし、XはBr及び/又はIであり;X’はBr及
    び/又はIであり;X”、X'"、及びX""はF、Cl、
    Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
    ロゲンであり;a、d、e、f、g及びhは、10-4
    a+d+e+f+g+h≦10-1の条件を満足する数値
    であり;そしてbは、10-5≦b≦10-2の数値の範囲
    である。)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バ
    リウム系蛍光体。
  2. 【請求項2】 組成式(I)において、eが、e≦10
    -2の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の
    セリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体。
  3. 【請求項3】 組成式(II): BaFX・aNaX’:bCe3+ …(II) (ただし、XはBr及び/又はIであり;X’はBr及
    び/又はIであり;aおよびbはそれぞれ、0<a≦1
    -1、およびは、10-5≦b≦10-2の数値の範囲であ
    る。)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウ
    ム系蛍光体。
  4. 【請求項4】 輝尽性蛍光体を含む蛍光体層を有する放
    射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体が請求項1乃
    至3のうちのいずれかの項に記載されたセリウム賦活弗
    化ハロゲン化バリウム系蛍光体であることを特徴とする
    放射線像変換パネル。
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