JP2001011439A - 14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及び放射線像変換パネル - Google Patents

14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及び放射線像変換パネル

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JP2001011439A
JP2001011439A JP11188683A JP18868399A JP2001011439A JP 2001011439 A JP2001011439 A JP 2001011439A JP 11188683 A JP11188683 A JP 11188683A JP 18868399 A JP18868399 A JP 18868399A JP 2001011439 A JP2001011439 A JP 2001011439A
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phosphor
alkaline earth
earth metal
rare earth
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JP11188683A
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Masato Funahashi
真人 舟橋
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその蛍光体を含む放
射線像変換パネルのX線損傷を減少させる。 【解決手段】 14面体型希土類賦活アルカリ土類金属
フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の基本組成式を、 BaFX・aRbX′・bMX″:cEu (但し、X、X′、X″はCl、Br、Iより選ばれる
少なくとも1種のハロゲンを表し、MはK、Csより選
ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、a、bお
よびcは、それぞれ、0<a≦0.01、0≦b≦0.
01、0<c≦0.01の範囲にある数値を表す。)と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、14面体型の希土
類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍
光体、およびその輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55−12145号に記載されてい
るような輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が
知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放
射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するも
ので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられ
た放射線をパネルの輝尽性蛍光体に吸収させたのち、輝
尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)
で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄
積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)と
して放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号
を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写体あるい
は被検体の放射線画像を可視像として再生するものであ
る。読み取りを終えたパネルは、残存する画像の消去が
行なわれた後、次の撮影のために備えられる。すなわ
ち、放射線像変換パネルは繰り返し使用することができ
るものである。
【0003】上記の放射線像記録再生方法によれば、従
来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放
射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝
線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができると
いう利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回
の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対し
て、この放射線像変換方法では放射線像変換パネルをく
り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有
利である。
【0004】放射線像記録再生方法に用いられる放射線
像変換パネルは、蛍光体層が自己支持性である場合は別
として、基本構造は支持体とその表面に設けられた輝尽
性蛍光体層とからなるものである。輝尽性蛍光体層は、
通常は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結
合剤とからなる層であるが、蒸着法や焼結法によって形
成される結合剤を含まず輝尽性蛍光体の凝集体のみから
構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍光体の
凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている輝尽性蛍光
体層を持つ放射線像変換パネルも知られている。これら
のいずれの蛍光体層も、輝尽性蛍光体はX線などの放射
線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示
す性質を有するものであるから、被写体を透過したある
いは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比
例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収さ
れ、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射
線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像
は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として
放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み
取って電気信号に変換することにより、放射線エネルギ
ーの蓄積像を画像化することが可能となる。また、輝尽
性蛍光体層の表面(支持体に面していない側の表面)に
は通常、ポリマーフィルムあるいは無機物の蒸着膜など
からなる保護膜が設けられており、蛍光体層を化学的な
変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0005】放射線像変換パネルに利用される輝尽性蛍
光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽
発光を示す蛍光体であるが、実用上では、波長が400
〜900nmの範囲にある励起光によって300〜50
0nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的であ
る。従来より放射線像変換パネルに用いられてきた輝尽
性蛍光体の例としては、希土類賦活アルカリ土類金属フ
ッ化ハロゲン化物系蛍光体をあげることができる。
【0006】希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲ
ン化物系輝尽性蛍光体は、感度が優れ、また放射線像変
換パネルとして使用した場合に鮮鋭度の高い放射線再生
画像をもたらすため、実用上において優れた輝尽性蛍光
体ということができるものである。しかし、放射線像記
録再生方法の実用化が進むにつれて、更に高性能の輝尽
性蛍光体への要望が高まっている。
【0007】特開平7−233369号は、より鮮鋭度
の向上した放射線像変換パネルを提供するために、従来
用いられている希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロ
ゲン化物系輝尽性蛍光体が板状粒子からなっていること
に注目し、14面体型形状にある特定の基本組成式を有
する希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系
輝尽性蛍光体と、その輝尽性蛍光体を利用した放射線像
変換パネルを提案している。また、特開平10−881
25号は、特開平7−233369号に記載された14
面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物
系輝尽性蛍光体に比べて、さらに輝尽発光、消去特性、
残像特性、フェーディング特性、そしてX線残光性など
の面から改良した14面体型希土類賦活アルカリ土類金
属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体と、その輝尽性蛍
光体を利用した放射線像変換パネルを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、放射線像変換パネルは繰り返し使用することがで
きるので、資源保護、経済効率の面からも優れている
が、長期間に亘って放射線像変換パネルに対しX線照射
を繰り返し行った場合、放射線像変換パネルの輝尽性蛍
光体が損傷を受ける場合があることが知られている。い
わゆるこのX線損傷は、輝尽性蛍光体の物質自体の損傷
であるため輝尽発光強度に影響を与え感度を下げる一因
とされている。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
であり、従来の14面体型希土類賦活アルカリ土類金属
フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体に比べてX線損傷の
少ない14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハ
ロゲン化物系輝尽性蛍光体、及びその蛍光体を含む放射
線像変換パネルを提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の14面体型希土
類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍
光体は、基本組成式(I): BaFX・aRbX′・bMX″:cEu …(I) (但し、X、X′、X″はCl、Br、Iより選ばれる
少なくとも1種のハロゲンを表し、MはK、Csより選
ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、a、bお
よびcは、それぞれ、0<a≦0.01、0≦b≦0.
01、0<c≦0.01の範囲にある数値を表す。)で
表されることを特徴とするものである。蛍光体組成にお
ける係数a、b、cは、得られた蛍光体を分析して求め
た数値である。蛍光体組成は蛍光体製造時の焼成工程の
前後で変化が生じるため、蛍光体製造時に用いた各原料
の各成分の比と出来上がった蛍光体の各成分の比は若干
異なる。
【0011】本発明の14面体型希土類賦活アルカリ土
類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、基本組成
式(I)におけるbが0<b≦0.01であることが好
ましい。
【0012】本発明の放射線像変換パネルは、基本組成
式(I): BaFX・aRbX′・bMX″:cEu …(I) (但し、X、X′、X″はCl、Br、Iより選ばれる
少なくとも1種のハロゲンを表し、MはK、Csより選
ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、a、bお
よびcは、それぞれ、0<a≦0.01、0≦b≦0.
01、0<c≦0.01の範囲にある数値を表す。)で
表される14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を含むことを特徴とするも
のである。本発明の放射線像変換パネルに含まれる14
面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物
系輝尽性蛍光体は、基本組成式(I)におけるbが、0
<b≦0.01の範囲にあることが好ましい。
【0013】なお、上記基本組成式(I)の輝尽性蛍光
体は、その輝尽性蛍光体としての基本的な特性を変えな
い限り、所望により、他のアルカリ金属、ストロンチウ
ムなどの他のアルカリ土類金属、もしくはそれら以外の
元素を含んでいてもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明の14面体型希土類賦活アルカリ
土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、基本組
成式(I): BaFX・aRbX′・bMX″:cEu …(I) (但し、X、X′、X″=Cl、Br、Iより選ばれる
少なくとも1種のハロゲンを表し、M=K、Csより選
ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、a、bお
よびcは、それぞれ、0<a≦0.01、0≦b≦0.
01、0<c≦0.01の範囲にある数値を表す。)と
し、Rbを14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体に含ませたので、放射線
像変換パネルのX線損傷を効果的に減少させることがで
きる。また、Rbの組成を0.01以下としたので、輝
尽発光量が低下したり、あるいは消去特性が悪くなるこ
とがない。
【0015】また、蛍光体組成における係数であるa、
bおよびcを0<a≦0.01、0≦b≦0.01、0
<c≦0.01と全て上限を0.01としたので、放射
線像変換パネルの初期感度を向上させることができる。
【0016】なお、RbとKあるいはRbとCsのよう
に、KまたはCsをRbと共存させて14面体型希土類
賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光
体に含ませることにより、放射線像変換パネルのX線損
傷をさらに効果的に減少させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。本発明の14面体型希土類賦活アル
カリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、バ
リウム、ルビジウム、ユーロピウム、カリウム、セシウ
ムなどの各種金属のハロゲン化物を利用し、特開平7−
233369号に記載の方法に準ずる方法を利用して製
造することができる。
【0018】本発明の14面体型の希土類賦活アルカリ
土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、正六面
体と正八面体との中間多面体であり、通常、アスペクト
比は1.0〜5.0の範囲にあり、その形状は、上記の
特開平7−233369号に写真で示されたものと同様
である。
【0019】本発明の放射線像変換パネルは、その輝尽
性蛍光体層に、前記の各基本組成式で表わされる14面
体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系
輝尽性蛍光体を含んでおり、その輝尽性蛍光体層は通
常、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合
剤とからなるのものである。蛍光体層中にはさらに、他
の輝尽性蛍光体および/または着色剤などの添加剤が含
まれていてもよい。
【0020】次に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にと
り、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明
する。
【0021】蛍光体層は、次のような公知の方法により
支持体上に形成することができる。まず、輝尽性蛍光体
と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合
剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製
する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比
は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種
類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との
混合比は、1:1〜1:100(重量比)の範囲から選
ばれ、そして特に1:8〜1:40(重量比)の範囲か
ら選ぶのが好ましい。
【0022】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一に
塗布することにより塗膜を形成する。この塗布操作は、
通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロール
コーター、ナイフコーターなどを用いることにより行な
うことができる。
【0023】支持体としては、従来の放射線像変換パネ
ルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができ
る。公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光
体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネ
ルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上
させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面に
ゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層を形
成したり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質か
らなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸
収性物質からなる光吸収層などを形成することが知られ
ている。本発明において用いられる支持体についても、
これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は
所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任
意に選択することができる。さらに特開昭58−200
200号に記載されているように、得られる画像の鮮鋭
度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支
持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層また
は光吸収層などが設けられている場合には、その表面を
意味する)には微小凹凸が形成されていてもよい。
【0024】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体と
の混合比などによって異なるが、通常は20μm〜1m
mの間で調整されるが、50μm〜500μmとするの
がより好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上
記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する必
要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラス
チックシートなどのシート上に塗布液を塗布し乾燥する
ことにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持体上
に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持体
と蛍光体層とを接合してもよい。
【0025】通常の放射線像変換パネルにおいては、前
述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表
面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための
透明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜
は、本発明による放射線像変換パネルについても設置す
ることが好ましい。保護膜としては、セルロース誘導体
やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有機高
分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体
層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリ
エチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透
明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して
蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あ
るいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜
したものなどが用いられる。また、有機溶媒可溶性のフ
ッ素系樹脂の塗布膜により形成され、パーフルオロオレ
フィン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末を分散、含
有させた保護膜であってもよい。
【0026】なお、得られる画像の鮮鋭度を向上させる
ことを目的として、本発明の放射線像変換パネルを構成
する上記各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色され
ていてもよく、独立した着色中間層を設けてもよい(特
公昭54−23400号参照)。
【0027】上記の方法により、支持体上に、基本組成
式(I)で表わされる14面体型希土類賦活アルカリ土
類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とこれを分散
状態で含有支持する結合剤とからなる蛍光体層が付設さ
れてなる本発明の放射線像変換パネルを製造することが
できる。以下にその実施例を示す。
【0028】(実施例1) BaFBr0.850.15・0.003RbBr・0.003CsB
r:0.005Euの製造 1150mlのBaBr2 水溶液(2.5モル/l)、
36mlのEuBr3水溶液(0.2モル/l)、およ
び1812mlの水を容積4000mlの反応容器に入
れた。この反応容器中の反応母液(BaBr2 濃度:
0.96モル/l)を60℃に保温し、直径60mmの
スクリュー型攪拌羽根を500rpmで回転させて、反
応母液を攪拌した。288mlのNH4F水溶液(5モ
ル/ml)を、攪拌下に保温している上記の反応母液中
にローラーポンプを用いて4.8ml/分の送液速度で
注入し、沈殿物を生成させた。注入の完了後も保温と攪
拌を2時間続けて沈殿物の熟成を行なった。次に沈殿物
を濾別し、メタノール2lで洗浄した。次いで、洗浄し
た沈殿物を取り出し、120℃で4時間真空乾燥させ
て、320gの蛍光体前駆体結晶(以下、BFB結晶と
いう)を得た。得られた結晶を走査型電子顕微鏡で観察
したところ、その大部分が14面体型の結晶であった。
次に、この結晶を光回折型粒子サイズ分布測定器(堀場
製作所株式会社製:LA−500)で測定したところ、
平均結晶サイズは6.5μmであることが確認された。
【0029】次に、2850mlのBaI2 水溶液
(4.0モル/l)、90mlのEuI3 水溶液(0.
2モル/l)、および60mlの水を容積4000ml
の反応容器に入れた。この反応容器中の反応母液(Ba
2 濃度:3.80モル/l)を60℃に保温し、直径
60mmのスクリュー型攪拌羽根を500rpmで回転
させて、反応母液を攪拌した。720mlのHF水溶液
(5モル/ml)を、攪拌下に保温している上記の反応
母液中にローラーポンプを用いて12ml/分の送液速
度で注入し、沈殿物を生成させた。注入の完了後も保温
と攪拌とを2時間続けて沈殿物の熟成を行なった。次に
沈殿物を濾別し、イソプロパノール2lで洗浄した。次
いで、洗浄した沈殿物を取り出し、120℃で4時間真
空乾燥させて、1000gの蛍光体前駆体結晶(以下、
BFI結晶という)を得た。この結晶を光回折型粒子サ
イズ分布測定器で測定したところ、平均結晶サイズは
6.5μmであることが確認された。
【0030】上記のBFB結晶を312g、BFI結晶
を66g、さらにこれにRbBrを0.77g、CsB
rを0.99gとり、そして焼成時の焼結による粒子形
状の変化や粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防
止するために、アルミナの超微粒子粉体を1.0g添加
し、さらにBaF2 を6.2g加えて、ミキサーで充分
に攪拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一
に付着させた。これを石英ボートに充填し、チューブ炉
を用い、弱酸性雰囲気中、850℃で3時間焼成して標
記の組成式で表わされるルビジウム添加ユーロピウム賦
活フッ化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0031】(実施例2)CsBrをKBrにかえ、そ
の添加量を0.55gとした以外は実施例1と同様にし
て、BaFBr0.850.15・0.003RbBr・0.003KB
r:0.005Eu 組成の14面体型ユーロピウム賦活フッ
化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0032】(実施例3)CsBrを添加しなかった以
外は実施例1と同様にして、BaFBr0.850.15・0.
003RbBr:0.005Eu 組成の14面体型ユーロピウ
ム賦活フッ化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0033】(実施例4)RbBrの添加量を2.56
gとした以外は実施例3と同様にして、BaFBr0.85
0.15・0.01RbBr:0.005Eu 組成の14面体型ユ
ーロピウム賦活フッ化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0034】(比較例1)RbBr及びCsBrを添加
しなかった以外は実施例1と同様にして、BaFBr
0.850.15:0.005Eu 組成の14面体型ユーロピウム
賦活フッ化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0035】(比較例2)RbBrを添加しなかった以
外は実施例1と同様にして、BaFBr0.850.15・0.
003CsBrI:0.005Eu 組成の14面体型ユーロピ
ウム賦活フッ化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0036】(比較例3)RbBrを添加しなかった以
外は実施例2と同様にして、BaFBr0.850.15・0.
003KBr:0.005Eu 組成の14面体型ユーロピウム
賦活フッ化臭化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0037】(比較例4)RbBrの代わりにKBrを
0.55g添加した以外は実施例1と同様にして、Ba
FBr0.850.15・0.003KBr・0.003CsBr:0.00
5Eu 組成の14面体型ユーロピウム賦活フッ化臭化バ
リウム蛍光体粒子を得た。
【0038】上記実施例と比較例のそれぞれで得られた
14面体型ユーロピウム賦活フッ化臭化バリウム輝尽性
蛍光体の特性を、輝尽発光量、X線損傷、消去特性で評
価した。
【0039】輝尽発光量(PSL)は、所定量の蛍光体
に80kVpのX線を200mR照射して10秒後に、
半導体レーザ光(波長660nm)を4.8J/m2
射して蛍光体を励起し、その蛍光体から放射された輝尽
発光光を光学フィルタ(B−410)を通して光電子増
倍管で受光することにより輝尽発光量(PSL)を測定
した。発光量(PSL)は大きい方が好ましいことは勿
論である。
【0040】X線損傷は、上記のPSL測定方法と同じ
方法で測定した輝尽発光量(PSL)を初期PSLと
し、その測定対象とした蛍光体に80kVp−Al3m
m当量のX線を3000R照射した後の輝尽発光量すな
わち照射後PSLの比(照射後PSL/初期PSL)で
評価した。
【0041】消去特性は次のような消去値で評価した。
上記のPSL測定方法と同じ方法で測定した輝尽発光量
(PSL)を初期PSLとし、その測定対象とした蛍光
体に次に、白色蛍光灯の光をシャープカット光学フィル
タ(SC−46)を通して50万Lux・秒照射して消
去操作を行なった。この消去操作を施した蛍光体につい
て、X線照射を行なわない以外は上記と同じ方法で再
度、輝尽発光量(PSL)を測定して、それを消去後P
SLとし、初期PSLに対する消去後PSLの比(消去
後PSL/初期PSL)を消去値として示した。この消
去値は小さい方が好ましいことは勿論である。
【0042】結果を表に示す。
【0043】
【表1】
【0044】この表から明らかなように、Rbを基本組
成とした14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体(実施例1〜4)は、Rb
を基本組成に含まない14面体型希土類賦活アルカリ土
類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体(比較例1〜
4)に比較してX線損傷を効果的に減少させた。また、
RbとKあるいはRbとCsのように、KまたはCsを
Rbとともに基本組成とした14面体型希土類賦活アル
カリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体(実施
例1、2)は、Rbを単独で含むもの(実施例3、4)
に比較して、X線損傷をさらに減少させた。一方、Rb
の組成が0.01の時には(実施例4)X線損傷に関し
ては好ましい結果が得られたものの、一方でPSLが低
下する傾向および消去特性が悪化する傾向が確認でき
た。
【0045】すなわち、本発明の14面体型希土類賦活
アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
は、基本組成式をBaFX・aRbX′・bMX″:c
Eu(但し、X、X′、X″=Cl、Br、Iより選ば
れる少なくとも1種のハロゲンを表し、M=K、Csよ
り選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、a、
bおよびcは、それぞれ、0<a≦0.01、0≦b≦
0.01、0<c≦0.01の範囲にある数値であ
る。)とし、Rbを14面体型希土類賦活アルカリ土類
金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の基本組成と
し、その組成を0.01以下としたので、輝尽発光量を
低下させることなく、また消去特性を悪化させることな
く放射線像変換パネルのX線損傷を効果的に減少させる
ことができる。また、RbとKあるいはRbとCsのよ
うに、KまたはCs基本組成に加えることにより、さら
に放射線像変換パネルのX線損傷を効果的に減少させる
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本組成式(I): BaFX・aRbX′・bMX″:cEu …(I) (但し、X、X′、X″はCl、Br、Iより選ばれる
    少なくとも1種のハロゲンを表し、MはK、Csより選
    ばれる少なくとも1種のアルカリ金属を表し、a、bお
    よびcは、それぞれ、0<a≦0.01、0≦b≦0.
    01、0<c≦0.01の範囲にある数値を表す。)で
    表される14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化
    ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の14面体型希土類賦活ア
    ルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を含
    むことを特徴とする放射線像変換パネル。
JP11188683A 1999-07-02 1999-07-02 14面体型希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及び放射線像変換パネル Withdrawn JP2001011439A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103555323A (zh) * 2013-10-29 2014-02-05 昆明理工大学 一种光激励荧光粉及其制备方法

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