JPH0885786A - セリウム付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル - Google Patents

セリウム付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル

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JPH0885786A
JPH0885786A JP24871694A JP24871694A JPH0885786A JP H0885786 A JPH0885786 A JP H0885786A JP 24871694 A JP24871694 A JP 24871694A JP 24871694 A JP24871694 A JP 24871694A JP H0885786 A JPH0885786 A JP H0885786A
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JP24871694A
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Yasuo Iwabuchi
康夫 岩渕
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消去特性が改良された新規なセリウム賦活弗
化ハロゲン化バリウム蛍光体およびそれを用いた放射線
像変換パネルを提供する。 【構成】 組成式:BaFX・aMX’: bCe3+(た
だし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンであり、MはK及びRbから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り、X’は、F、Cl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは10-5
a≦10-1の範囲の数値であり、そしてbは10-5≦b
≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム賦
活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体及びそれを用いた放
射線像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なセリウム付活弗
化ハロゲン化バリウム系の輝尽性蛍光体、およびその輝
尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線像
変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55−12145号公報に記載され
ているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が
知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放
射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するも
ので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられ
た放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そのの
ちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励
起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光
体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発
光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って
電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写
体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生する
ものである。読み取りを終えた該パネルは、残存する画
像の消去が行なわれた後、次の撮影のために備えられ
る。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用する
ことができる。
【0003】上記の放射線像変換方法によれば、従来の
放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線
写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量
で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという
利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線像変換方法では放射線像変換パネルをくり返し
使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利であ
る。
【0004】輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励
起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用
上では、波長が400〜900nmの範囲にある励起光
によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示
す蛍光体が一般的に利用される。従来より放射線像変換
パネルに用いられてきた輝尽性蛍光体の例としては、二
価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍
光体を挙げることができる。放射線像変換方法に用いら
れる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体と
その表面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるもので
ある。ただし、蛍光体層が自己支持性を有する場合には
必ずしも支持体を必要としない。輝尽性蛍光体層は、通
常は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合
剤とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着
法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで輝尽
性蛍光体の凝集体のみから構成されるものが知られてい
る。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が
含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネルも知られている。これらのいずれの蛍光体層でも、
輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光
の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものであ
るから、被写体を透過したあるいは被検体から発せられ
た放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネ
ルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体ある
いは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像とし
て形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射するこ
とにより輝尽発光光として放出させることができ、この
輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換するこ
とにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが
可能となる。
【0005】なお、輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面
していない側の表面)には通常、ポリマーフィルムある
いは無機物の蒸着膜などからなる保護膜が設けられてい
て、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から
保護している。
【0006】これまでに各種の用途において多数の蛍光
体が見い出されている。しかし、前記のような輝尽性を
示す蛍光体としては、僅かな種類のものが確認されてい
るのみである。従って、実用上に利用できるレベルの輝
尽性を示す蛍光体の探索は依然として重要である。
【0007】従来より、X線、電子線、あるいは紫外線
などの放射線を照射したのち可視乃至赤外領域の電磁波
(励起光)で励起すると、近紫外乃至青色領域に発光
(輝尽発光)を示す輝尽性蛍光体として、セリウム付活
弗化ハロゲン化バリウム蛍光体(BaFX:Ce3+;た
だし、Xは弗素以外のハロゲンである)が知られている
(特開昭55−12145号、特開昭55−84389
号公報等)。従ってこの蛍光体は、放射線像変換方法に
使用される放射線像変換パネル用の輝尽性蛍光体として
使用できるものである。そして、このセリウム付活弗化
ハロゲン化バリウム蛍光体はユーロピウム付活弗化ハロ
ゲン化バリウム蛍光体に比べて応答速度が速く、このた
めセリウム付活弗化ハロゲン化バリウム蛍光体を前記の
放射線像変換方法に利用すると、画像情報の読み出しが
速いとの利点がある。
【0008】西独国特許第3834414号公報には、
セリウム付活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:C
3+)を製造する際に弗化ナトリウム(NaF)または
ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(Na2 SiF6 )を
添加してもよいことが記載されているが、この化合物が
蛍光体の輝尽発光輝度等の特性にどのような影響を及ぼ
すかについての記述は全くない。一方、特開平5−30
6393号公報には、輝尽発光輝度が向上したセリウム
付活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:Ce3+)と
して、セリウム付活弗化ハロゲン化バリウムに対し、N
a、Cs、CaまたはSrが添加されたセリウム付活弗
化ハロゲン化バリウム系蛍光体が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、Na、
Cs等の金属が添加されたセリウム付活弗化ハロゲン化
バリウム蛍光体(BaFX:Ce3+)は、画像情報の読
み出し速度及び輝尽発光輝度が向上した放射線像変換パ
ネル用の輝尽性蛍光体として既に知られている。しかし
ながら、上記輝尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネル
は、再使用における画像特性の低下が見られる場合があ
る。即ち、放射線像変換方法では、被写体を透過した放
射線をパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののち励起
光により輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネル
ギーを蛍光として放出させ、次いでこの蛍光から放射線
画像を可視像として再生する。そしてこの読み取りを終
えたパネルは、残存する画像の消去が行なわれた後、次
の撮影のために備えられる。この消去操作を受けた後の
輝尽性蛍光体中には、まだ放射線エネルギーがある程度
残存しているが、このエネルギーが比較的多く残った放
射線像変換パネルを再度使用した場合、得られる放射線
画像には、前回撮影で残った潜像(放射線エネルギー)
も画像として加わることになるため、画像特性の低下が
見られる。具体的には、消去前の最初の輝尽発光光量に
対する消去後の輝尽発光光量の値(消去値)が大きい場
合に、放射線像変換パネルの再使用における画像特性を
低下させることになる。従って、本発明は、消去特性が
改良された新規なセリウム付活弗化ハロゲン化バリウム
蛍光体およびそれを用いた放射線像変換パネルを提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】組成式(I): BaFX・aMX’: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり、MはK及びRb
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
であり、X’はF、Cl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは10-5
≦a≦10-1の範囲の数値であり、そしてbは10-5
b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム
付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体、およびこの輝尽
性蛍光体を含む蛍光体層を有する放射線像変換パネル。
上記アルカリ金属の添加量であるaは、10-5a≦5×
10-2の範囲の数値であることが好ましく、さらに10
-4≦a≦10-2の範囲の数値が好ましい。bの値は、1
-5以上(1×10-5≦b)であることが好ましく、そ
して10-2以下(b≦1×10-2)であることが好まし
い。尚、組成式(I)中のBaFXは、それぞれの原子
が厳密に等モルを表わしているのではなく、互いに10
モル%以下程度の範囲で変動すると考えられる。例え
ば、原材料の量を化学量論的に正確に秤量、焼成して蛍
光体を得ても、ハロゲン化物の種類、焼成温度等によ
り、得られる蛍光体の性質及び組成は変化するためであ
る。
【0011】本発明の、組成式(I)で表わされるK又
はRbのアルカリ金属が添加されたセリウム付活弗化ハ
ロゲン化バリウム系蛍光体の製造方法について、以下に
詳しく説明する。
【0012】まず、蛍光体原料として、 1)弗化バリウム(BaF2 )、 2)塩化バリウム(BaCl2 )、臭化バリウム(Ba
Br2 )および沃化バリウム(BaI2 )からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲン化バリウム、ただ
し、上記1)及び2)の原料の代わりに、BaFCl、
BaFBrあるいはBaFIのハロゲン化バリウムを用
いても良い。 3)ハロゲン化物、酸化物、硝酸塩などのセリウム化合
物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物、そ
して更に 4)弗化カリウム(KF)、臭化カリウム(KBr)、
沃化カリウム(KI)、塩化カリウム(KCl)、弗化
ルビジウム(RbF)、臭化ルビジウム(RbBr)、
沃化ルビジウム(RbI)及び塩化ルビジウム(RbC
l)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物、
を用意する。場合によっては、さらにハロゲン化アンモ
ニウム(NH4 X”;ただしX”はCl、BrまたはI
である)などをフラックスとして使用してもよい。
【0013】蛍光体の製造に際しては、まず上記1)の
弗化バリウム、2)のハロゲン化バリウム、3)のセリ
ウム化合物及び4)の臭化カリウム等のアルカリ成分を
化学量論的に前記組成式(I)におよそ従う相対比とな
るように秤量し、それらを混合して蛍光体原料の混合物
を調製する。
【0014】蛍光体原料混合物の調製は、 i) 上記1)〜4)の蛍光体原料を単に混合する、 ii) 上記1)、2)及び4)の蛍光体原料をまず混合
し、この混合物を100℃以上の温度で数時間加熱した
のち、得られた熱処理物に上記4)の蛍光体原料を混合
する、 iii)上記1)、2)及び4)の蛍光体原料を懸濁液の状
態でまず混合し、この懸濁液を加温下(好ましくは50
〜200℃の温度)で減圧乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥な
どにより乾燥し、しかるのち得られた乾燥物に上記3)
の蛍光体原料を混合する、 などのいずれの方法によって行なってもよい。
【0015】なお上記ii) の方法の変法として、上記
1)〜4)の蛍光体原料を混合し、この混合物に上記熱
処理を施す方法を利用してもよい。また、上記iii)の方
法の変法として、上記1)〜4)の蛍光体原料を懸濁液
の状態で混合し、この懸濁液を乾燥する方法を利用して
もよい。あるいはまた、上記3)の蛍光体原料を熱処理
後もしくは乾燥後の混合物に添加混合してもよいし、焼
成を二度以上行なう場合には上記3)の蛍光体原料は一
次焼成後に添加してもよい。
【0016】上記i)、ii)およびiii)のいずれの方法に
おいても、混合には各種ミキサー、V型ブレンダー、ボ
ールミル、ロッドミルなどの通常の混合機が用いられ
る。
【0017】次に、上記のようにして調製された蛍光体
原料混合物を石英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボ
などの耐熱性容器に充填し、電気炉の炉芯に入れて焼成
を行なう。焼成温度は400〜1300℃の範囲が適当
であり、好ましくは500〜1100℃の範囲、特に好
ましくは800〜1100℃の範囲である。焼成時間は
蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度および炉からの取
出し温度などによっても異なるが、一般には0.5〜1
0時間(好ましくは0.5〜4時間)が適当である。焼
成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲
気などの中性雰囲気、あるいは少量の水素ガスを含有す
る窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰
囲気などの弱還元性雰囲気が利用される。窒素ガス雰囲
気が好ましい。
【0018】なお、上記のようにして蛍光体原料混合物
を一度焼成したのちその焼成物を電気炉から取り出して
放冷し、必要により乳鉢、ボールミル、チューブミル、
遠心ミルなどの通常の粉砕機を用いて微粉末状に粉砕
し、更にその粉砕物を電気炉に入れて再焼成(二次焼
成)を行なってもよい。再焼成の際の焼成温度は400
〜1300℃の範囲が適当であり、焼成時間は0.5〜
10時間が適当であり、また焼成雰囲気としては上記の
弱還元性雰囲気および中性雰囲気を利用することができ
る。窒素ガス雰囲気が好ましい。
【0019】上記焼成によって粉末状の蛍光体が得られ
る。得られた蛍光体については、必要に応じて更に洗
浄、乾燥、ふるい分けなどの蛍光体の製造における各種
の一般的な操作を行なってもよい。なお、蛍光体は温水
で分解しやすいので洗浄はアセトン、酢酸エチル、エタ
ノールなどの有機溶媒で行なう。
【0020】以上に説明した製造法によって、 BaFX・aMX’: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり、MはK及びRb
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
であり、X’はF、Cl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは10-5
≦a≦10-1の範囲の数値であり、そしてbは10-5
b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム
付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体が得られる。
【0021】次に、本発明の放射線像変換パネルの製造
法について述べる。
【0022】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層は、上記一般式(I)で表わされるK等のアルカリ
金属が添加されたセリウム付活弗化ハロゲン化バリウム
系蛍光体を含む層であり、通常は、輝尽性蛍光体とこれ
を分散状態で含有支持する結合剤とからなるのものであ
るが、必要に応じて、結合剤を含まないで輝尽性蛍光体
の凝集体のみから構成されるもの、あるいは輝尽性蛍光
体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている蛍光体
層などでもよい。
【0023】次に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にと
り、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明
する。
【0024】蛍光体層は、次のような公知の方法により
支持体上に形成することができる。まず、輝尽性蛍光体
と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合
剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製
する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比
は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種
類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との
混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から
選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範
囲から選ぶのが好ましい。上記のようにして調製された
蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の
表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。この
塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレ
ード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いるこ
とにより行なうことができる。
【0025】支持体としては、従来の放射線像変換パネ
ルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができ
る。公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光
体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネ
ルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上
させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面に
ゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層とし
たり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からな
る光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性
物質からなる光吸収層などを設けることが知られてい
る。本発明において用いられる支持体についても、これ
らの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に
選択することができる。さらに特開昭58−20020
0号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭
度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支
持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層また
は光吸収層などが設けられている場合には、その表面を
意味する)には微小凹凸が形成されていてもよい。
【0026】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体と
の混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1
mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmと
するのが好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも
上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する
必要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラ
スチックシ−トなどのシ−ト上に塗布液を塗布し乾燥す
ることにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持体
上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持
体と蛍光体層とを接合してもよい。
【0027】前述のように、通常は、蛍光体層の上に保
護膜が付設される。保護膜には、セルロース誘導体やポ
リメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子
物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の
上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチ
レンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明な
ガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光
体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるい
は無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜した
ものなどが用いられる。また、有機溶媒可溶性のフッ素
系樹脂の塗布膜により形成され、パーフルオロオレフィ
ン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末を分散、含有さ
せた保護膜であってもよい。
【0028】なお、得られる画像の鮮鋭度を向上させる
ことを目的として、本発明の放射線像変換パネルを構成
する上記各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色され
ていてもよく、独立した着色中間層を設けてもよい(特
公昭54−23400号公報参照)。
【0029】上記の方法により、支持体上に、上記一般
式(I)で表わされるセリウム付活弗化ハロゲン化バリ
ウム中に上記Cu等の金属が添加された(所望により更
にハロゲン化ナトリウム等が添加された)セリウム付活
弗化ハロゲン化バリウム系輝尽性蛍光体とこれを分散状
態で含有支持する結合剤とからなる蛍光体層が付設され
てなる本発明の放射線像変換パネルを製造することがで
きる。
【0030】
【実施例】
【0031】[実施例1]弗化臭化バリウム(BaFB
r)1.00モル(236.2g)、弗化バリウム(B
aF2 )5.61×10-3モル(0.9829g)、臭
化セリウム(CeBr3 )3×10-4モル(0.113
9g)及び臭化カリウム(KBr)3×10-4モル
(0.0357g)をボールミルで十分に混合した。こ
の混合物をアルミナルツボに充填して石英炉芯のチュー
ブ型電気炉に室温にて入れ、炉内を1×10-2トール以
下の真空に排気し、窒素(N2 )ガスを炉内が760ト
ールになるまで導入した。この窒素雰囲気下で970℃
の温度で2時間焼成した。焼成後、真空にして室温まで
冷却し、アルミナルツボを電気炉から取り出した(一次
焼成)。得られた焼成物を粉砕したのち篩にかけた。得
られた焼成物を粉砕し、この焼成物に焼結防止剤を加え
て石英ボートに充填してチューブ型電気炉に入れ、上記
と同様に窒素ガスを導入し、窒素雰囲気下870℃の温
度で2時間焼成した。焼成後、石英ボートを電気炉から
取り出して窒素雰囲気中で室温まで冷却した(二次焼
成)。得られた焼成物を粉砕したのち篩にかけた。この
ようにしてBaFBr・0.0003KBr:0.0003Ce3+
組成式のセリウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体を得
た。
【0032】[実施例2]実施例1において、臭化カリ
ウム(KBr)3×10-4モル(0.0357g)に代
えて臭化ルビジウム(RbBr)3×10-4モル(0.
0496g)を使用した以外は、実施例1の方法と同様
の操作を行なうことにより、BaFBr・0.0003RbB
r:0.0003Ce3+の組成式のセリウム付活弗化臭化バリ
ウム系蛍光体を得た。
【0033】[比較例1]実施例1において、臭化カリ
ウム(KBr)を用いない以外は実施例1の方法と同様
の操作を行なうことによって、BaFBr:0.0003Ce
3+の組成式のセリウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体を
得た。
【0034】[比較例2]実施例1において、臭化カリ
ウム(KBr)3×10-4モル(0.0357g)に代
えて臭化ナトリウム(NaBr)3×10-4モル(0.
0306g)を使用した以外は、実施例1の方法と同様
の操作を行なうことにより、BaFBr・0.0003NaB
r:0.0003Ce3+の組成式のセリウム付活弗化臭化バリ
ウム系蛍光体を得た。
【0035】[比較例3]実施例1において、臭化カリ
ウム(KBr)3×10-4モル(0.0357g)に代
えて臭化セシウム(CsBr)3×10-4モル(0.0
638g)を使用した以外は、実施例1の方法と同様の
操作を行なうことにより、BaFBr・0.0003CsB
r:0.0003Ce3+の組成式のセリウム付活弗化臭化バリ
ウム系蛍光体を得た。
【0036】[蛍光体の評価] (1)PSL感度(輝尽発光輝度) 上記の各蛍光体に80KVpのX線を1R照射したの
ち、He−Neレーザー光(633nm)を12J/m
2 照射して励起し、蛍光体から放射された輝尽発光光を
フィルター(B−410)を通して光電子増倍管で受光
することにより、蛍光体の輝尽発光輝度(初期発光量)
を測定した。 (2)消去特性(消去値) 上記輝尽発光輝度(初期発光量)の測定後、UVカット
イルターが装着された蛍光灯にて各蛍光体に消去操作を
500000ルックス・秒行ない、次いで上記(1)と同様に
レーザーを照射して蛍光体の輝尽発光輝度(消去後の発
光量)を測定した。消去特性は、下記式より求められる
消去値として示した。
【0037】得られた結果を表1に示す。
【0038】
【表1】 表1 ────────────────────────── 添加物 PSL感度 消去値 ────────────────────────── 実施例1 KBr 50 6.2×10-4 実施例2 RbBr 60 1.0×10-3 ────────────────────────── 比較例1 −− 30 1.8×10-3 比較例2 NaBr 60 1.5×10-3 比較例3 CsBr 100 1.5×10-3 ──────────────────────────
【0039】[実験結果]表1に示した結果から明らか
なように、K又はRbが少量添加された本発明のセリウ
ム付活弗化臭化バリウム系蛍光体(実施例1及び2)
は、これらが添加されていない公知のセリウム付活ハロ
ゲン化バリウム系蛍光体(比較例1)に比べてPSL感
度及び消去特性において優れている。更に、他のアルカ
リ金属であるNaが少量添加されたセリウム付活弗化臭
化バリウム系蛍光体(比較例2)に比べて、PSL感度
は同等で、再生特性が優れており、Csが少量添加され
たセリウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体(比較例3)
に比べて、PSL感度は劣っているが再生特性が優れて
いる。従って、本発明の本発明のセリウム付活弗化臭化
バリウム系蛍光体は、再生特性が重視される用途に好適
であるといえる。
【0040】[実施例3]次に、本発明の放射線像変換
パネルを製造例を記載する。蛍光体層形成材料として、
実施例1で得たBaFBr・0.0003KBr:0.0003Ce
3+の組成式のセリウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体3
56g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン
(株)製デスモラック4125)15.8g、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン−ト
ルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサー
によって分散し、粘度25〜30PSの塗布液を調製し
た。この塗布液をドクターブレードを用いて下塗り付ポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した後、1
00℃で15分間乾燥させて、蛍光体層を形成した。
【0041】次に、保護膜形成材料として、フッ素系樹
脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭
硝子(株)製ルミフロン LF100)70g、架橋剤:イソ
シアネート(住友バイエルウレタン(株)製デスモジュ
ールZ4370)25g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂5
g、およびシリコーン樹脂微粉末(KMP−590、信
越化学工業(株)製、粒子径1〜2μm)10gをトル
エン−イソプロピルアルコール(1:1)混合溶媒に添
加し、塗布液を作った。この塗布液を上記のようにして
予め形成しておいた蛍光体層上にドクターブレートを用
いて塗布し、次に120℃で30分間熱処理して熱硬化
させるとともに乾燥し、厚さ10μmの保護膜を設け
た。以上の方法により、放射線像変換パネルを得た。
【0042】[実施例4]蛍光体として、実施例2で得
たセリウム付活弗化臭化バリウム系蛍光体を用いた以外
は、実施例3の操作と同じ操作を行ない、それぞれ、支
持体、輝尽性蛍光体層および保護層からなる放射線像変
換パネルを得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式(I): BaFX・aMX’: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のハロゲンであり、MはK及びRb
    からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
    であり、X’はF、Cl、BrおよびIからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは10-5
    ≦a≦10-1の範囲の数値であり、そしてbは10-5
    b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム
    付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体。
  2. 【請求項2】 輝尽性蛍光体を含む蛍光体層を有する放
    射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体が、組成式
    (I): BaFX・aMX’: bCe3+ …(I) (ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のハロゲンであり、MはK及びRb
    からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
    であり、X’はF、Cl、BrおよびIからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは10-5
    ≦a≦10-1の範囲の数値であり、そしてbは10-5
    b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム
    付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体であることを特徴
    とする放射線像変換パネル。
JP24871694A 1994-09-16 1994-09-16 セリウム付活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体および放射線像変換パネル Withdrawn JPH0885786A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7153450B2 (en) 1999-09-01 2006-12-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method and apparatus for preparing rare earth-activated barium fluorohalide based phosphor

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