JPH0629407B2 - 螢光体およびそれを用いた放射線像変換パネル - Google Patents

螢光体およびそれを用いた放射線像変換パネル

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JPH0629407B2
JPH0629407B2 JP59274847A JP27484784A JPH0629407B2 JP H0629407 B2 JPH0629407 B2 JP H0629407B2 JP 59274847 A JP59274847 A JP 59274847A JP 27484784 A JP27484784 A JP 27484784A JP H0629407 B2 JPH0629407 B2 JP H0629407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、蛍光体およびそれを用いた放射線像変換パネ
ルに関するものである。さらに詳しくは本発明は、二価
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系
蛍光体、およびこの蛍光体を用いた放射線像変換パネル
に関するものである。
[発明の技術的背景および従来技術] 近年において、二価のユーロピウムで賦活したアルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体(MIIFX:Eu2+
ただし、MIIはBa、CaおよびSrからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり、Xは
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンである)は、X線などの放射線の照射を
受けるとそのエネルギーの一部を吸収して蓄積し、その
のち450〜900nmの波長領域の電磁波の照射を受
けると近紫外乃至青色領域に発光を示すこと、すなわ
ち、該蛍光体は輝尽発光を示すことが見出されている
(この輝尽発光のピーク波長は、蛍光体の成分であるハ
ロゲンXの種類に依存して約385〜405nmの波長
領域にある)。特に、この二価ユーロピウム賦活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体は、輝尽性蛍光体を
利用する放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変
換パネル(蓄積性蛍光体シート)用の蛍光体として非常
に注目され、多くの研究が行なわれている。
放射線像変換パネルは、その基本構造として支持体と、
その片面に設けられた少なくとも一層の輝尽性蛍光体を
分散状態で含有支持する結合剤からなる蛍光体層とから
構成されるものである。なお、この蛍光体層の支持体と
は反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には
一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化
学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
上記の輝尽性蛍光体からなる放射線像変換パネルを用い
る放射線像記録再生方法は、従来の放射線写真法に代わ
る有力な方法であり、たとえば特開昭55−12145
号公報などに記載されているように、被写体を透過し
た、あるいは被検体から発せられた放射線エネルギーを
放射線像変換パネルを構成する輝尽性蛍光体に吸収さ
せ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線および赤外線か
ら選ばれる電磁波(励起光)で時系列的に励起すること
により、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネル
ギーを蛍光として放出させ、この蛍光を光電的に読取っ
て電気信号を得たのち、この電気信号を感光フィルム等
の記録材料、CRT等の表示装置上に可視像として再生
するものである。
この方法によれば、従来の放射線写真法を利用した場合
に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な
放射線画像を得ることができるという利点がある。従っ
て、放射線像記録再生方法は、特に医療診断を目的をす
るX線撮影等の直接医療用放射線撮影において非常に利
用価値の高いものである。
上述の放射線像記録再生方法の実施において放射線像変
換パネル自体は、放射線の照射および励起光の照射によ
っても殆ど変質することがないため、長期間にわたって
繰り返し使用することができる。通常、パネルに蓄積さ
れた放射線エネルギーの読出し操作は、励起光としてレ
ーザー光を用い、先ずこのレーザー光でパネルを走査し
てパネル中の輝尽性蛍光体を時系列的に励起することに
より蓄積されている放射線エネルギーを蛍光として放出
させ、次いでこの蛍光を光検出器で検出することにより
行なわれている。
実際の使用においてはレーザー光による走査だけではパ
ネルに蓄積された放射線エネルギーが充分に放出し尽さ
れず、従って、パネルに残存する放射線エネルギーを放
出させるために、たとえば特開昭56−11392号公
報に開示されているように、パネルの読出し後に、蛍光
体の輝尽発光の励起波長領域の光をパネルに照射して残
存する放射線エネルギーを消去する方法が提案されてい
る。
しかしながら、輝尽性蛍光体を含有するパネルにおいて
は上記のような光による消去を行なった後、一度は消去
されたようにみえた放射線エネルギーが、時間の経過と
共にその一部が回復する(読出し可能となる)現象が見
出されている。この現象(残像特性)は、励起光あるい
は消去光の照射では放出されにくい放射線エネルギー
(実際はトラップにいる電子の形でエネルギーが蓄積さ
れている)が、時間の経過と共に放出され易い放射線エ
ネルギーに変換される(放出されにくいトラップから放
出され易いトラップに電子が移動する)ためと考えられ
る。パネルを繰り返し使用する場合、この残像特性は得
られる画像の画質に悪影響を及ぼすことになる。
従って、光による消去では除去されえず、光消去後時間
の経過と共に放出され易くなる残存放射線エネルギーの
量を低減させることにより、画質に悪影響を及ぼす残像
特性を少しでも改良することは大きな意味がある。
本出願人は、蛍光体の輝尽発光輝度の向上を目的とし
て、前記蛍光体の一種である二価ユーロピウム賦活弗化
ハロゲン化バウリム蛍光体に特定量のハロゲン化ナトウ
ムが含有されてなる蛍光体について既に出願している
(特開昭59−56479号公報)。このハロゲン化ナ
トリウムが含有された二価ユーロピウム賦活弗化ハロゲ
ン化バリウム系蛍光体は、ハロゲン化ナトウム未添加の
蛍光体よりも高輝度の輝尽発光を示すが、その反面、上
述したような輝尽発光特性が悪化する傾向にある。従っ
て、ハロゲン化ナトリウム含有二価ユーロピウム賦活弗
化ハロゲン化バリウム系蛍光体における輝尽発光特性の
改良が望まれている。
[発明の要旨] 本発明は、輝尽発光特性が向上した二価ユーロピウム賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体を提供す
ることをその目的とするものである。なお、本発明にお
いて輝尽発光特性の向上とは特に、蛍光体に放射線を照
射したのち一度励起光で励起し、さらに光による消去を
行なった後、一定時間経過後再び励起光で励起したとき
の残存発光量が低減することを意味する。
また、本発明は、残像特性が向上した二価ユーロピウム
賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体使用の
放射線像変換パネルを提供することもその目的とするも
のである。
本発明者は、上記目的を達成するために、ハロゲン化ナ
トリウム含有二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物蛍光体について種々の研究を行なった。
その結果、該蛍光体に弗化インジウムおよび/または酸
化インジウムをある特定の範囲で含有させることによ
り、その輝尽発光特性を顕著に改良することができるこ
とを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の蛍光体は、組成式(I): MIIFX・aNaX′・bA:xEu2+ …(I) (ただし、MIIはBa、CaおよびSrからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
およびX′はいずれもCl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;AはIn
およびInからなる群より選ばれる少なくと
も一種であり;そして、a、bおよびxはそれぞれ0<
a≦2.0、3×10-4≦b≦2×10-2および0<x
≦0.2の範囲の数値である) で表わされる、特定量のハロゲン化ナトリウムに加えて
弗化インジウムおよび/または酸化インジウムを特定量
含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体である。
また、本発明の放射線像変換パネルは、支持体とこの上
に設けられた輝尽性蛍光体層とから実質的に構成されて
いる放射線像変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層
が、上記組成式(I)で表わされる二価ユーロピウム賦
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体を含有す
ることを特徴とする。
本発明は、上記組成式(I)で表わされる二価ユーロピ
ウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体に
X線などの放射線を照射した後励起光で励起したときの
輝尽発光量(初期発光量)に対して、この励起の後消去
を行ない、さらに一定時間経過後この蛍光体を再び励起
光で励起したときの輝尽発光量(残存発光量)が顕著に
低減するという新たな知見に基づいて完成されたもので
ある。
従って、上記組成式(I)で表わされる二価ユーロピウ
ム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体を用
いた本発明の放射線像変換パネルはその残像特性が向上
するために、画質の優れた画像を定常的に得ることがで
きる。
[発明の構成] 上記組成式(I)で表わされる本発明の二価ユーロピウ
ム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体は、
たとえば、以下に記載するような製造法により製造する
ことができる。
まず、蛍光体原料として、 1)アルカリ土類金属弗化物、 2)アルカリ土類金属ハロゲン化物(ただし、アルカリ
土類金属弗化物は除く)、 3)弗化インジウムおよび酸化インジウムからなる群よ
り選ばれる選ばれる少なくとも一種の化合物、 4)ハロゲン化ナトリウム(ただし、弗化ナトリウムは
除く)、および 5)ハロゲン化物、酸化物、硝酸塩、硫酸塩などのユー
ロピウムの化合物からなる群より選ばれる少なくとも一
種の化合物、 を用意する。場合によっては、さらにハロゲン化アンモ
ニウムなどをフラックスとして使用してもよい。
蛍光体の製造に際しては先ず、上記1)のアルカリ土類
金属弗化物、2)のアルカリ土類金属ハロゲン化物、
3)の弗化インジウムおよび/または酸化インジウム、
4)のハロゲン化ナトリウムおよび5)のユーロピウム
化合物を用いて、化学量論的に、組成式(II): MIIFX・aNaX′・bA:xEu (II) (ただしMII、X、X′、A、a、bおよびxの定義は
前述と同じである) に対応する相対比となるように秤量混合する。
上記の混合物操作は、たとえば懸濁液の状態で行なわれ
る。そして、この蛍光体原料混合物の懸濁液から水分を
除去することにより固形状の乾燥混合物が得られる。こ
の水分の除去操作は、常温もしくはあまり高くない温度
(たとえば、200℃以下)にて、減圧乾燥、真空乾
燥、あるいはその両方により行なわれるのが好ましい。
もちろん混合操作は上記の方法に限られるものでない。
なお、上記3)の弗化インジウムおよび/または酸化イ
ンジウムおよび4)のハロゲン化ナトリウムは、蛍光体
原料の秤量混合時に添加しないでこの乾燥混合物に添加
されてもよい。さらに、以下に述べるように乾燥混合物
の焼成を二度以上行なう場合には、3)および4)の化
合物は一次焼成後に添加されてもよい。
次に得られた乾燥混合物は微細に粉砕され、その粉砕物
は石英ボート、アルミナルツボなどの耐熱性容器に充填
されて、電気炉中で焼成が行なわれる。焼成温度は50
0〜1300℃の範囲が適当であり、焼成時間は蛍光体
原料混合物の充填量および焼成温度などによっても異な
るが、一般には0.5〜6時間が適当である。焼成雰囲
気としては、少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲
気、あるいは、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気
などの弱還元性の雰囲気を利用する。使用されるユーロ
ピウム化合物が三価のユーロピウムを含む場合には、そ
の弱還元性の雰囲気によって焼成過程において三価のユ
ーロピウムは二価のユーロピウムに還元される。
なお、上記の焼成条件で蛍光体原料混合物を一度焼成し
たのちにその焼成物を放冷後粉砕し、さらに再焼成(二
次焼成)を行なう方法を利用してもよい。再焼成は、上
記の弱還元性雰囲気あるいは窒素ガス雰囲気、アルゴン
ガス雰囲気などの中性雰囲気下で、500〜800℃の
焼成温度にて0.5〜12時間かけて行なわれる。
上記焼成によって粉末状の本発明の蛍光体が得られる。
なお、得られた粉末状の蛍光体については、必要に応じ
て、さらに、洗浄、乾燥、ふるい分けなどの蛍光体の製
造における各種の一般的な操作を行なってもよい。
以上に説明した製造法により、下記組成式(I)で表わ
される本発明の二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系蛍光体が得られる。
組成式(I): MIIFX・aNaX′・bA:xEu2+ …(I) (ただし、MIIはBa、CaおよびSrからなる群より
選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
およびX′はいずれもCl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;AはIn
およびInからなる群より選ばれる少なくと
も一種であり;そして、a、bおよびxはそれぞれ0<
a≦2.0、3×10-4≦b≦2×10-2および0<x
≦0.2の範囲の数値である) 上記組成式(I)で表わされる本発明の蛍光体におい
て、X線などの放射線を照射した後450〜900nm
の波長領域の電磁波で励起した時の輝尽発光特性(残存
発光量/初期発光量の比率、すなわち相対発光量)の点
から、弗化インジウムおよび/または酸化インジウムの
含有量を表わすb値は6×10-3≦b≦10-2の範囲に
あるのが好ましい。
また、主として絶対発光量(初期発光量の絶対値)の点
から、ハロゲン化ナトリウムを表わすNaX′はNaB
rであるのが好ましく、その量を表わすa値は10-5
a≦5×10-1の範囲にあるのが好ましく、さらに好ま
しくは5×10-4≦a≦10-2の範囲である。
上記相対発光量および絶対発光量の点から、組成式
(I)においてアルカリ土類金属を表わすMIIはBaで
あるのが好ましく、さらに好ましくは本出願人による特
願昭59−11763号明細書に記載されているよう
に、MIIがBa、CaおよびSrからなり、CaとSr
の総和量が5×10-2(グラム当量)以下の範囲にある
場合である。ユーロピウムの賦活量を表わすx値は10
-5≦x≦10-1の範囲にあるのが好ましい。
組成式(I)においてハロゲンを表わすXは、絶対発光
量の点からBrおよびIのうちの少なくとも一種である
のが好ましい。なお、上述のように本発明の蛍光体の輝
尽励起スペクトルは450〜900nmの波長領域にあ
るが、そのピーク波長はハロゲンXに依存してCl、B
r、Iの順に次第に長波長側へシフトする。従って、現
在励起光の光源としての実用が考えられているHe−N
eレーザー(633nm)、半導体レーザー(赤外線放
射)等とのマッチングの点からも、ハロゲンを表わすX
はBrおよびIのうちの少なくとも一種であるのが好ま
しい。
上記組成式(I)で表わされる本発明の蛍光体の一例で
あるBaFBr・0.001NaBr・bInF:0.0005
Eu2+蛍光体を結合剤中に分散状態で含有させた蛍光体
層を有する放射線像変換パネルについては、蛍光体中の
InFの含有量を表わすb値と相対発光量は第1図に
示すような関係にある。なお、第1図において、縦軸の
相対発光量は初期発光量を測定した後白色蛍光灯で約3
分間光消去を行ない、さらに35℃の温度で3時間経過
後同一条件で再び測定したときの残存発光量の相対値
(残存発光量/初期発光量)で表わされている。
第1図の曲線1から明らかなように、上記BaFBr・
0.001NaBr・bInF:0.0005Eu2+蛍光体を含
有する放射線像変換パネルは、蛍光体における弗化イン
ジウムの含有量(b値)が3×10-4≦b≦2×10-2
の範囲である場合にその残存発光量が減少する(すなわ
ち、残像特性が向上する)。そして特にb値が6×10
-3≦b≦10-2の範囲である場合に、この蛍光体を用い
たパネルはその残像特性が著しく向上する。
また第2図の曲線1は、上記組成式(I)で表わされる
本発明の蛍光体の一例であるBaFBr・0.001NaB
r・bIn:0.0005Eu2+蛍光体を結合剤中に分
散状態で含有させた蛍光体層を有する放射線像変換パネ
ルについて、蛍光体中のInの含有量を表わすb
値と相対発光量との関係を示す。第2図から、二価ユー
ロピウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体において弗化イ
ンジウムの代りに酸化インジウムを添加した場合にも、
上記と同様に残存発光量が減少することが明らかであ
る。
このような傾向は、組成式(I)で表わされる他の二価
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系
蛍光体を用いた放射線像変換パネルにおいても同様であ
ることが確認されている。
なお、本発明の二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系蛍光体は、基本組成として上記組成
式(I)を有するもであり、その製造に際してはInF
および/またはInを添加することによる効果
(残存発光量の減少)が失われない範囲内で種々の添加
成分が添加されていてもよく、そのような添加成分を含
むものも本発明の蛍光体に包含される。添加成分の具体
例としては、次のような物質を挙げることができる。
特開昭55−160078号公報に記載されているよう
な金属酸化物;特開昭59−27980号公報に記載さ
れているようなテトラフルオロホウ酸化合物;特開昭5
9−47289号公報に記載されているようなヘキサフ
ルオロ化合物;特開昭59−75200号公報に記載さ
れているアルカリ金属ハロゲン化物(MX″;ただ
し、MはLi、K、RbおよびCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″は、
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである)、二価金属のハロゲン化物
(MII:ただし、MIIはBeおよびMgからなる
群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり、X
はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンである)および三価金属のハロゲ
ン化物(MIIIX′;ただし、MIIIはAl、Gaお
よびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価
金属であり、X′はF、Cl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特
開昭56−116777号公報に記載されているZrお
よびSc;特開昭57−23673号公報に記載されて
いるB;特開昭57−23675号公報に記載されてい
るAs;および、特開昭59−56480号公報に記載
されているような遷移金属。
なお、上記特開昭55−160078号公報に記載され
ているような金属酸化物の添加は、特に焼成工程におけ
る蛍光体の焼結防止、並びに得られる蛍光体の輝尽発光
輝度および粉体流動性の向上に効果がある。金属酸化物
を添加する場合に、その量はMIIFX母体1モルに対し
て5×10-5〜0.5モル、好ましくは10-5〜0.3
モル、さらに好ましくは10-4〜0.2モルの範囲であ
る。特に好ましい金属酸化物としてはSiOおよびA
が挙げられる。
次に、本発明の放射線像変換パネルについて説明する。
本発明の放射線像変換パネルは、基本的には支持体と、
その上に設けられた蛍光体層とから構成されるものであ
り、蛍光体層は、輝尽性蛍光体を分散状態で含有支持す
る結合剤からなるものである。蛍光体層は、たとえば、
次のような方法により支持体上に形成することができ
る。
まず上記組成式(I)で表わされる輝尽性蛍光体の粒子
と結合剤とを適当な溶剤に加え、これを充分に混合し
て、結合剤溶液中に蛍光体粒子が均一に分散した塗布液
を調製する。
蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、
デキストラン等のポサッカライド、またはアラビアゴム
のような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラー
ル、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロ
ース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリア
ルキル(メタ)アクリレート、酸化ビニル・酢酸ビニル
コポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチ
レート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなど
のような合成高分子物質などにより代表される結合剤を
挙げることができる。このような結合剤のなかで特に好
ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、
ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロース
と線状ポリエステルとの混合物およびニトロセルロース
とポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物であ
る。なお、これらの結合剤は架橋剤によって架橋された
ものであってもよい。
塗布液調整用の溶剤の例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級ア
ルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドな
どの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級ア
ルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルなどのエーテル;そして、それらの混合物を挙
げることができる。
塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的とす
る放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによっ
て異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比は、
1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そ
して特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶ
のが好ましい。
なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体粒子の分
散性を向上させるための分散剤、また、形成後の蛍光体
層中における結合剤と蛍光体粒子との間の結合力を向上
させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されてい
てもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例とし
ては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界
面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例
としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸
ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジェチル、フ
タル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリ
コール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフ
タリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、ト
リエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、
ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなど
のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエ
ステルなどを挙げることができる。
上記のようにして調製された蛍光体粒子と結合剤とを含
有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一に塗布する
ことにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、
通常の塗布手段、たとえばドクターブレード、ロールコ
ーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なう
ことができる。
塗膜形成後、塗膜を乾燥して支持体上への蛍光体層の形
成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像
変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との
混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1m
mとする。ただし、この層厚は50乃至500μmとす
るのが好ましい。
また、蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に塗
布液を直接塗布して形成する必要はなく、たとえば、別
に、ガラス板、金属板、プラスチックシートなどのシー
ト上に塗布液を塗布し乾燥することにより蛍光体層を形
成した後、これを支持体上に押圧するか、あるいは接着
剤を用いるなどして支持体と蛍光体層とを接合してもよ
い。なお、蛍光体層は一層だけでもよいが、二層以上を
積層してもよい。積層する場合にはそのうちの少なくと
も一層が上記の二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属
弗化ハロゲン化物系蛍光体を含有する層であればよい。
また、単層および積層のいずれの場合においても、上記
蛍光体とともに別種の輝尽性蛍光体を併用することがで
きる。
支持体は、従来の放射線写真法における増感紙の支持体
として用いられている各種の材料あるいは放射線像変換
パネルの支持体として公知の各種の材料から任意に選ぶ
ことができる。そのような材料の例としては、セルロー
スアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリ
カーボネートなどのプラスチック物質のフィルム、アル
ミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、通
常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チタンな
どの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコー
ルなどをサイジングした紙などを挙げることができる。
ただし、放射線像変換パネルの情報記録材料としての特
性および取扱いなどを考慮した場合、本発明において特
に好ましい支持体の材料はプラスチックフィルムであ
る。このプラスチックフィルムにはカーボンブラックな
どの光吸収性物質が練り込まれていてもよく、あるいは
二酸化チタンなどの光反射性物質が練り込まれていても
よい。前者は高鮮鋭度タイプの放射線像変換パネルに適
した支持体であり、後者は高感度タイプの放射線像変換
パネルに適した支持体である。
公知の放射線像変換パネルにおいては、支持体と蛍光体
層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネル
としての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上さ
せるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼ
ラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層とした
り、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる
光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物
質からなる光吸収層を設けることも行なわれている。本
発明で用いられる支持体についても、これらの各種の層
を設けることができる。
さらに、特開昭58−200200号公報に記載されて
いるように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的
で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の
表面に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが
設けられている場合には、その表面を意味する)には、
微細な凹凸が均質に形成されていてもよい。
通常の放射線像変換パネルにおいては、支持体に接する
側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的お
よび化学的に保護するための透明な保護膜が設けられて
いる。このような透明保護膜は、本発明の放射線像変換
パネルについても設置することが好ましい。
透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセル
ロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメ
タクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のよう
な透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶
液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成すること
ができる。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどから別
に形成した透明な薄膜を蛍光体層の表面に適当な接着剤
を用いて接着するなどの方法によっても形成することが
できる。このようにして形成する透明保護膜の膜厚は、
約3乃至20μmとするのが望ましい。
なお、特開昭55−163500号公報、特開昭57−
96300号公報等に記載されているように、本発明の
放射線像変換パネルは着色剤によって着色されていても
よく、着色によって得られる画像の鮮鋭度を向上させる
ことができる。また特開昭55−146447号公報に
記載されているように、本発明の放射線像変換パネルは
同様の目的でその蛍光体層中に白色粉体が分散されてい
てもよい。
以下に、本発明の実施例および比較例を記載する。ただ
し、これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 弗化バリウム(BaF)175.34g、臭化バリウ
ム(BaBr・2HO)333.18g、および臭
化ユーロピウム(EuBr)0.392gを蒸留水
(HO)500ccに添加し、混合して懸濁液とし
た。この懸濁液を60℃で3時間減圧乾燥した後、さら
に150℃で3時間の真空乾燥を行なった。その乾燥物
を乳鉢を用いて微細に粉砕した後、その粉砕物100g
に弗化インジウム(InF)0.218gおよび臭化
ナトリウム(NaBr)0.044gを添加混合して、
均一な混合物とした。
次いで、得られた蛍光体原料混合物をアルミナルツボに
充填し、これを高温電気炉に入れて焼成を行なった。焼
成は、一酸化炭素を含む二酸化炭素雰囲気中にて900
℃の温度で1.5時間かけて行なった。焼成が完了した
後、焼成物を炉外に取り出して冷却した。得られた焼成
物を粉砕して、弗化インジウムが含有された粉末状の二
価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体(BaF
Br・0.001NaBr・:0.003InF:0.0005E
2+)を得た。
また、上記蛍光体の製造において弗化インジウムの添加
量をBaFBr1モルに対して10-4〜4×10-4モル
の範囲で変化させることにより、弗化インジウムの含有
量の異なる種々の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウ
ム系蛍光体を得た。
次に、得られた各蛍光体を用いて以下のようにして放射
線像変換パネルを製造した。
蛍光体粒子と線状ポリエステル樹脂との混合物にメチル
エチルケトンを添加し、さらに硝化度11.5%のニト
ロセルロースを添加して蛍光体粒子を分散状態で含有す
る分散液を調製した。この分散液に燐酸トリクレジル、
n−ブタノール、そしてメチルエチルケトンを添加した
のち、プロペラミキサーを用いて充分に撹拌混合して、
蛍光体粒子が均一に分散し、かつ結合剤と蛍光体粒子と
の混合比が1:20、粘度が25〜35PS(25℃)
の塗布液を調製した。
この塗布液を、ガラス板上に水平に置いた二酸化チタン
練り込みポリエチレンテレフタレートシート(支持体、
厚み:250μm)の上にドクターブレードを用いて均
一に塗布した。そして塗布後に、塗膜が形成された支持
体を乾燥器内に入れ、この乾燥器の内部の温度を25℃
から100℃に徐々に上昇させて、塗膜の乾燥を行なっ
た。このようにして、支持体上に層厚が200μmの蛍
光体層を形成した。
そして、この蛍光体層の上にポリエチレンテレフタレー
トの透明フィルム(厚み:12μm、ポリエステル系接
着剤が付与されているもの)を接着剤層側を下に向けて
置いて接着することにより、透明保護膜を形成し、支持
体、蛍光体層および透明保護膜から構成された放射線像
変換パネルを製造した。
[比較例1] 実施例1において、粉砕物100gに弗化インジウムを
添加しないで臭化ナトリウムのみを添加すること以外は
実施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、粉末
状の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体
(BaFBr:0.001NaBr:0.0005Eu2+)を得
た。
次いで、得られた蛍光体粒子を用いて、実施例1の方法
と同様の方法で、支持体、蛍光体層および透明保護膜か
ら構成された放射線像変換パネルを製造した。
[実施例2] 実施例1において、粉砕物100gに弗化インジウムお
よび臭化ナトリウムに加えて二酸化ケイ素(SiO
0.1gを添加すること以外は実施例1の方法と同様の
操作を行なうことにより、弗化インジウムおよび二酸化
ケイ素が含有された粉末状の二価ユーロピウム賦活弗化
臭化バリウム系蛍光体(BaFBr・0.001NaBr・
0.003InF・0.004SiO:0.0005Eu2+)を得
た。
また、上記蛍光体の製造において実施例1の方法と同様
の操作を行なうことにより、弗化インジウムの含有量の
異なる種々の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム系
蛍光体を得た。
次いで、得られた各蛍光体粒子を用いて、実施例1の方
法と同様の方法で、支持体、蛍光体層および透明保護膜
から構成された放射線像変換パネルを製造した。
[比較例2] 実施例1において、粉砕物100gに弗化インジウムを
添加しないで臭化ナトリウムおよび二酸化ケイ素のみを
添加すること以外は実施例1の方法と同様の操作を行な
うことにより、粉末状の二価ユーロピウム賦活弗化臭化
バリウム系蛍光体(BaFBr・0.001NaBr・0.004
SiO:0.0005Eu2+)を得た。
次いで、得られた蛍光体粒子を用いて、実施例1の方法
と同様の方法で、支持体、蛍光体層および透明保護膜か
ら構成された放射線像変換パネルを製造した。
次に、実施例1および比較例1、並びに実施例2および
比較例2で得られた各々の放射線像変換パネルを以下に
記載する残像特性試験により評価した。
放射線像変換パネルに管電圧80KVpのX線を照射し
た後、He−Neレーザー光(波長:632.8nm)
を10line/mmの走査密度で走査して励起したと
きの輝尽発光量(初期発光量)を測定した。また、この
パネルを白色蛍光灯で約3分間光消去し、その後35℃
の温度で3時間放置した後再びHe−Neレーザー光で
励起して輝尽発光量(残存発光量)を測定した。残像特
性は、[残存発光量/初期発光量]の比率を相対発光量
として評価を行なった。
得られた結果をまとめて第1図にグラフの形で示す。
第1図は、BaFBr・0.001NaBr・bInF
0.0005Eu2+蛍光体を含有する放射線像変換パネルおよ
びBaFBr・0.001NaBr・bInF・0.004Si
:0.0005Eu2+蛍光体を含有する放射線像変換パネ
ルについて、横軸にInFの含有量(b値)をとり、
縦軸に相対発光量をとったグラフ(それぞれ、曲線1お
よび2)である。
第1図から明らかなように、本発明のBaFBr・0.00
1NaBr・bInF:0.0005Eu2+蛍光体もしくは
BaFBr・0.001NaBr・bInF・0.004SiO
:0.0005Eu2+蛍光体を含有するいずれの放射線像変
換パネルにおいても、b値が3×10-4≦b≦2×10
-2の範囲にある場合に蛍光体の残存発光量が減少し、残
像特性が向上した。特に、後者のSiOが添加された
蛍光体は残存発光量の顕著な減少を示した。
[実施例3] 実施例1において、粉砕物100gに弗化インジウムの
代りに酸化インジウム(In)0.353gを添
加すること以外は実施例1の方法と同様の操作を行なう
ことにより、酸化インジウムが含有された粉末状の二価
ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム系蛍光体(BaFB
r・0.001NaBr・0.003In:0.0005Eu2+
を得た。
また、上記蛍光体の製造において実施例1の方法と同様
の操作を行なうことにより、酸化インジウムの含有量の
異なる種々の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム系
蛍光体を得た。
次いで、得られた各蛍光体粒子を用いて、実施例1の方
法と同様の方法で、支持体、蛍光体層および透明保護膜
から構成された放射線像変換パネルを製造した。
[実施例4] 実施例3において、粉砕物100gに酸化インジウムお
よび臭化ナトリウムに加えて二酸化ケイ素0.1gを添
加すること以外は実施例3の方法と同様の操作を行なう
ことにより、酸化インジウムおよび二酸化ケイ素が含有
された粉末状の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム
系蛍光体(BaFBr・0.001NaBr・0.003In
・0.004SiO:0.0005Eu2+)を得た。
また、上記蛍光体の製造において実施例3の方法と同様
の操作を行なうことにより、酸化インジウムの含有量の
異なる種々の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム系
蛍光体を得た。
次いで、得られた各蛍光体粒子を用いて、実施例1の方
法と同様の方法で、支持体、蛍光体層および透明保護膜
から構成された放射線像変換パネルを製造した。
次に、実施例3および実施例4で得られた各放射線像変
換パネルを上記残像特性試験により評価した。得られた
結果をまとめて第2図にグラフの形で示す。
第2図は、BaFBr・0.001NaBr・bIn
:0.0005Eu2+蛍光体を含有する放射線像変換パ
ネル、およびBaFBr・0.001NaBr・bIn
・0.004SiO:0.0005Eu2+蛍光体を含有する放
射線像変換パネルについて、横軸にInの含有量
(b値)をとり、縦軸に相対発光量をとったグラフ(そ
れぞれ、曲線1および2)である。
第2図から明らかなように、本発明のBaFBr・0.00
1NaBr・bIn:0.0005Eu2+蛍光体もしく
はBaFBr・0.001NaBr・bIn・0.004S
iO:0.0005Eu2+蛍光体を含有するいずれの放射線
像変換パネルにおいても、b値が3×10-4≦b≦2×
10-2の範囲にある場合に蛍光体の残存発光量が減少
し、残像特性が向上した。特に、後者のSiOが添加
された蛍光体は残存発光量の顕著な減少を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、BaFBr・0.001NaBr・bInF
0.0005Eu2+蛍光体を含有する放射線像変換パネルおよ
びBaFBr・0.001NaBr・bInF・0.004Si
:0.0005Eu2+蛍光体を含有する放射線像変換パネ
ルについて、InFの含有量(b値)と相対発光量と
の関係を示すグラフ(それぞれ、曲線1および2)であ
る。 第2図は、BaFBr・0.001NaBr・bIn
:0.0005Eu2+蛍光体を含有する放射線像変換パ
ネル、およびBaFBr・0.001NaBr・bIn
・0.004SiO:0.0005Eu2+蛍光体を含有する放
射線像変換パネルについて、Inの含有量(b
値)と相対発光量との関係を示すグラフ(それぞれ、曲
線1および2)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−56749(JP,A) 特開 昭61−72087(JP,A) 特開 昭61−72088(JP,A) 特開 昭59−56749(JP,A) 特開 昭61−157572(JP,A) 特開 昭61−157574(JP,A)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式(I): MIIFX・aNaX′・bA:xEu2+ …(I) (ただし、MIIはBa、CaおよびSrからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
    およびX′はいずれもCl、BrおよびIからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;AはIn
    およびInからなる群より選ばれる少なくと
    も一種であり;そして、a、bおよびxはそれぞれ0<
    a≦2.0、3×10-4≦b≦2×10-2および0<x
    ≦0.2の範囲の数値である) で表わされる二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗
    化ハロゲン化物系蛍光体。
  2. 【請求項2】組成式(I)におけるbが6×10-3≦b
    ≦10-2の範囲の数値であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】組成式(I)におけるaが10-5≦a≦5
    ×10-1の範囲の数値であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の蛍光体。
  4. 【請求項4】組成式(I)におけるMIIがBaであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の蛍光体。
  5. 【請求項5】組成式(I)におけるXがBrおよびIの
    うちの少なくとも一種であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の蛍光体。
  6. 【請求項6】組成式(I)におけるX′がBrであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の蛍光体。
  7. 【請求項7】組成式(I)におけるxが10-5≦x≦1
    -1の範囲の数値であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の蛍光体。
  8. 【請求項8】支持体とこの上に設けられた輝尽性蛍光体
    層とから実質的に構成されている放射線像変換パネルに
    おいて、該輝尽性蛍光体層が、下記組成式(I)で表わ
    される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロ
    ゲン化物系蛍光体を含有することを特徴とする放射線像
    変換パネル。 組成式(I): MIIFX・aNaX′・bA:xEu2+ …(I) (ただし、MIIはBa、CaおよびSrからなる群より
    選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X
    およびX′はいずれもCl、BrおよびIからなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;AはIn
    およびInからなる群より選ばれる少なくと
    も一種であり;そして、a、bおよびxはそれぞれ0<
    a≦2.0、3×10-4≦b≦2×10-2および0<x
    ≦0.2の範囲の数値である)
  9. 【請求項9】組成式(I)におけるbが6×10-3≦b
    ≦10-2の範囲の数値であることを特徴とする特許請求
    の範囲第8項記載の放射線像変換パネル。
  10. 【請求項10】組成式(I)におけるaが10-5≦a≦
    5×10-1の範囲の数値であることを特徴とする特許請
    求の範囲第8項記載の放射線像変換パネル。
  11. 【請求項11】組成式(I)におけるMIIがBaである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の放射線像
    変換パネル。
  12. 【請求項12】組成式(I)におけるXがBrおよびI
    のうちの少なくとも一種であることを特徴とする特許請
    求の範囲第8項記載の放射線像変換パネル。
  13. 【請求項13】組成式(I)におけるX′がBrである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の放射線像
    変換パネル。
  14. 【請求項14】組成式(I)におけるxが10-5≦x≦
    10-1の範囲の数値であることを特徴とする特許請求の
    範囲第8項記載の放射線像変換パネル。
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