JP2931452B2 - パワー式ヘッドレスト構造 - Google Patents

パワー式ヘッドレスト構造

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JP2931452B2
JP2931452B2 JP3242395A JP24239591A JP2931452B2 JP 2931452 B2 JP2931452 B2 JP 2931452B2 JP 3242395 A JP3242395 A JP 3242395A JP 24239591 A JP24239591 A JP 24239591A JP 2931452 B2 JP2931452 B2 JP 2931452B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シートバックの上端
に設けられ、モータの駆動に伴う、前後方向へのヘッド
レストの揺動によって、着座者の頭部の位置に応じた前
後位置を調整可能とするパワー式ヘッドレスト構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、乗用車等のシートに代表され
るように、各種車両のシートのシートバック上端に、着
座者の頭部を支持するヘッドレストが配設されている。
ヘッドレストは、一般に、2本の、ステーと称するパイ
プ状の支持ロッドを介して、たとえば、フロントシー
ト、リヤシートのシートバック上端にそれぞれ取付けら
れている。
【0003】このようなヘッドレストとして、たとえ
ば、モータの駆動により、シートバックに対して前後方
向に移動可能な、いわゆるパワー式ヘッドレストと称さ
れる構成が知られている。このようなパワー式ヘッドレ
ストのモータとして、通常、DCギヤードモータが利用
でき、スイッチ手段等の操作により駆動制御可能に構成
されている。
【0004】このようなパワー式ヘッドレストによれ
ば、スイッチ手段等の操作のもとで、着座者が、たとえ
ば、自己の体形や好み等に応じたヘッドレストの前後位
置を調整することによって、ヘッドレストの最適な頭部
支持位置が任意に得られる。そのため、着座者頭部の安
全性、および、着座者の快適性が容易に確保できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なパワー式ヘッドレストとして、たとえば、モータをヘ
ッドレストに内蔵した構成が知られている。
【0006】しかしながら、このような構成において
は、モータの内蔵により、ヘッドレストの重量が増加す
る。ヘッドレストが重量化すると、衝突時等における前
後方向への慣性力が増大してヘッドレストに作用するた
め、ステー等を変形、破損する虞れがあり、安全上好ま
しくない。
【0007】また、ヘッドレスト内は狭く、モータや駆
動機構等のためのスペースが広く確保できない。そのた
め、ヘッドレスト内部における構成の複雑化は避けられ
ず、作業の煩雑化に伴って、作業性が低下する。
【0008】そして、モータ等のためのスペースの確保
により、ヘッドレストが大型化しやすいため、この点か
らも、ヘッドレストへのモータの内蔵は好ましくない。
【0009】また、このような構成においては、ヘッド
レストに内蔵されたモータに電流を供給する電気配線
が、ヘッドレスト、シートバック間に介在されるため、
電気配線が邪魔となり、シートバック上端からのヘッド
レストの取外しが行なえない。
【0010】そのため、自動車の所有者がヘッドレスト
を任意に取外して、シートカバーやピローブーツを装
着、交換することができないとともに、ヘッドレストの
取外しの要求されるフルフラットシートにパワー式ヘッ
ドレストが利用できない。
【0011】この発明は、ヘッドレストの軽量化をはか
るとともに、シートバック上端からの取外しを可能とす
るパワー式ヘッドレスト構造の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明によれば、パイプ状に形成されたステー
が、シートバック内の係止部材の軸受に対して着脱自在
に挿入、連結可能であり、シートバック内のモータの駆
動に伴って回転する非円形の回り止め形状の駆動ピン
が、この係止部材の軸受内に回転自在に突設されてい
る。
【0013】また、連動手段が、回動自在、かつ軸線方
向に移動可能にパイプ状のステー内に配設されて、偏倚
手段の偏倚力のもとで下方に偏倚されたトルクシャフト
と、ステーの上端に回動自在に突設されてギヤボックス
の入力軸受に連結されるとともに、対応する回り止め形
状にそれぞれ形成された上端凹部への延出端の挿入、係
合のもとで、トルクシャフトに一体的に回動可能に連結
された連結ピンとを備えて形成されている。そして、駆
動ピンに対応する回り止め形状の凹部が、トルクシャフ
トの下端に、駆動ピンの挿入を保障するだけの深さを有
して形成され、この凹部への駆動ピンの挿入、係合のも
とで、ヘッドレスト内のモータとシートバック内の駆動
機構とが連動可能となっている。
【0014】
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。
【0016】図1、図2に示すように、この発明に係る
パワー式ヘッドレスト構造10において、ヘッドレスト12
は、パイプ状の一対のステー14を介して、シートバック
16の上端に取付けられている。そして、パワー式ヘッド
レスト構造10においては、ヘッドレスト12の内部に配設
された駆動機構18とシートバック16の内部に配設された
モータ20とが連動手段22によって連結され、モータの駆
動に伴う駆動機構の作動によって、ヘッドレストが、シ
ートバックに対して前後方向に揺動可能となっている。
【0017】図2を見るとわかるように、シートバック
16は、たとえば、下降時のヘッドレスト12を収納可能な
凹部24を着座面17の上端に有するリヤシートのシートバ
ックとして形成されている。そして、凹部底面24a のス
ルーガイド26へのステー14の挿着によって、ヘッドレス
ト12がシートバック着座面17の上端、つまりはシートバ
ック16の上端に取付けられている。
【0018】図1に示すように、スルーガイド26は、ス
テー14の遊挿可能な貫通孔28を有して形成され、たとえ
ば、止めねじ30によって、シートバック内のユニットベ
ース32に固着されている。そして、スルーガイドの貫通
孔28を介してシートバック16の内部に挿入されたステー
14の下端は、たとえば、ユニットベース32に上下移動可
能に支持されたスライダ34の軸受35に挿入、係止されて
いる。
【0019】ユニットベース32は、たとえば、前方に突
出されたボックス状のケーシング36を一体的に有して形
成され、シートバックフレーム38等に溶接等によって固
着されている。また、ユニットベース32は、たとえば、
ケーシング36の上壁36a 、下壁36b 間に架設、固定され
た一対のガイドロッド40を有して形成されている。
【0020】そして、スライダ34が、一対のガイドロッ
ド40によって上下移動可能に支持されるとともに、下端
に設けられた支持アーム42を介して上下駆動機構に連結
され、上下駆動用モータ(ともに図示しない)の駆動に
連動する上下駆動機構の作動のもとで、スライダがガイ
ドロッドに沿って上下移動可能となっている。
【0021】このような構成では、上下駆動機構の作動
に伴う、スライダ34の上下移動によって、ステー14が、
スルーガイドの貫通孔28に沿って上下移動し、ステーの
上下移動に伴って、ヘッドレスト12がシートバック16に
対して昇降される。
【0022】なお、モータの駆動に連動してスライダ34
を上下移動させるための上下駆動機構として、たとえ
ば、公知の種々の構成のものが利用できるとともに、上
下駆動機構の構成自体はこの発明の趣旨でないため、こ
こでは詳細に説明しない。
【0023】ここで、このような構成においては、たと
えば、容易な操作のもとでステー14を係止、係止解除可
能な係止手段(図示しない)をスライダ34の軸受内に有
することが好ましい。このような構成では、ステー、係
止手段間の係止、係止解除によって、ステー、スライダ
間が着脱可能に連結される。
【0024】また、図1に加えて図3を見るとよくわか
るように、スライダ34は、回転自在に軸支、突設された
駆動ピン44を軸受内に有して形成され、駆動ピンが、た
とえば、トルクケーブル46を介して、DCギヤードモー
タ等からなるモータ20の出力軸(図示しない)に連動可
能に連結されている。駆動ピン44は、たとえば、非円形
の回り止め形状、たとえば、断面略四角形等の多角形状
に形成されている。
【0025】そして、連動手段22が、駆動ピン44を介し
て、モータ20に連動可能に連結されている。図3に示す
ように、連結手段22は、たとえば、ステー14の内部に配
設されたトルクシャフト48を備えて構成されている。
【0026】トルクシャフト48は、たとえば、スライダ
軸受内の駆動ピン44の回り止め形状に対応する非円形の
凹部50を下端に有して形成され、ステー14の下端に嵌着
された内方フランジ付きのブッシュ52によって、脱落不
能に軸支されている。
【0027】また、ステー14の上方に突出する連結ピン
54が、ステー上端に嵌着されたブッシュ56に離脱不能に
軸支されている。そして、連結ピン54の下方に延出され
た一体的な延出端58とトルクシャフト48の上端に設けら
れた凹部60との係合によって、連結ピンがトルクシャフ
トに連結されている。
【0028】連結ピンの延出端58、トルクシャフト上端
の凹部60は、対応する非円形の回り止め形状にそれぞれ
形成され、上端凹部への延出端の挿入、係合によって、
トルクシャフト48、連結ピン54が一体的に回転可能とな
っている。
【0029】このような構成では、スライダの軸受35へ
のステー14の挿着によって、トルクシャフトの下端凹部
50に駆動ピン44が挿入、係合されて、モータ20、トルク
シャフト48間が連動可能に連結され、トルクシャフトを
介して、ステー上端の連結ピン54がモータの駆動に連動
して回動される。
【0030】ここで、この発明においては、トルクシャ
フト48がステー14の内部で軸線方向に移動可能に設けら
れるとともに、偏倚手段62の偏倚力のもとでトルクシャ
フトを連結ピン54に対して下方に偏倚するように構成さ
れている。偏倚手段62として、たとえば、トルクシャフ
トの上端凹部60の内部に配設された圧縮コイルばねが利
用できる。
【0031】このような構成では、スライダの軸受35へ
のステー14の挿着時に、駆動ピン44、トルクシャフト48
間の角度がずれていても、圧縮コイルばね(偏倚手段)
62の偏倚力に抗するトルクシャフトの押上げによって、
駆動ピン、トルクシャフトの非係合状態のまま、ステー
がスライダ34に挿着される。そして、モータ20の駆動に
伴って駆動ピン44が回転し、トルクシャフトの下端凹部
50の角度に整列したとき、圧縮コイルばね62の偏倚力の
もとで、トルクシャフト48が下降して、トルクシャフト
の下端凹部、駆動ピン間が係合されて、トルクシャフ
ト、駆動ピンが一体的に回転される。
【0032】そのため、ステー挿入時おける、トルクシ
ャフト48、駆動ピン44の角度調整が不要となり、トルク
シャフト、駆動ピン間の係合が容易に得られ、スライダ
34へのステー14の挿着時の作業性が向上される。
【0033】また、図1、図4に示すように、ベースブ
ラケット64が、一対のステー14の上端間に架設、固着さ
れている。図1、図3に加えて図4を見るとわかるよう
に、ベースブラケット64は、たとえば、基部64a、後壁6
4b および一対の側壁64c,64d を持つ前面、上面の開放
された形状に、鋼板等から折曲成形されている。そし
て、ベースブラケット64は、たとえば、上方に突出した
支持片66を周縁に持つ一対の挿通孔68を基部64a に有し
て形成され、挿通孔へのステー14の挿入、および、支持
片へのステー上端の溶着等によって、ベースブラケット
がステー上端に固定されている。
【0034】そして、連結手段22を介して、ヘッドレス
ト内の駆動機構18が、シートバック内のモータ20に連動
可能に連結されている。
【0035】駆動機構18は、たとえば、ギヤボックス70
とピニオンギヤ72とを備えて構成されている。図3、図
4を見るとわかるように、ギヤボックス70は、たとえ
ば、連動可能な入力軸受74と出力軸受76とを有して形成
され、入力軸受が連動手段の連結ピン54に、出力軸受が
ピニオンギヤ72にそれぞれ連結されている。
【0036】ギヤボックスの入力軸受74は、連結ピン54
の挿入、係合可能な対応する非円形状に形成され、入力
軸受への連結ピンの挿入、係合によって、連結手段22、
入力軸受74が一体的に回転可能となっている。
【0037】また、図4に示すように、たとえば、ピニ
オンギヤ72がスプライン軸78を一体的に有して形成され
るとともに、ギヤボックスの出力軸受76がスプライン軸
に対応する貫通したボスとして形成され、出力軸受への
スプライン軸の挿入、係合によって、出力軸受、ピニオ
ンギヤが一体的に回転可能となっている。
【0038】ここで、図1、図4を見るとわかるよう
に、ギヤボックス70は、たとえば、ブラケット80を介し
てベースブラケット64に取付けられている。ブラケット
80は、たとえば、略L形状に折曲成形されるとともに、
スペーサ82a 、ねじ部82b を有する延出ロッド82を折曲
片80a に一体的に有して形成され、基片80b が、止めね
じ84、ナット86によってベースブラケットの基部64a に
固定されている。
【0039】そして、ギヤボックスの挿通孔88へのブラ
ケットの延出ロッド82の挿通、および、ギヤボックス70
の対向サイドでのねじ部82b へのナット90の螺着によっ
て、ギヤボックスがブラケット80、つまりはベースブラ
ケット64に取付けられている。
【0040】また、ピニオンギヤ72は、たとえば、止め
ねじ92、ナット94によってベースブラケットの後壁64b
に固定された略L形状のブラケット96とベースブラケッ
トの側壁64c 間に架設、軸支されている。図4を見ると
わかるように、ブラケット96、ベースブラケットの側壁
64c は、整列する挿通孔98,100をそれぞれ有して形成さ
れ、ブッシュ102 を介するピニオンギヤの各端末の延出
端72aの挿入によって、ピニオンギヤ72が取付けられて
いる。
【0041】なお、ギヤボックス70は、入力軸受74、出
力軸受76間が連動可能であれば足り、その構成自体はこ
の発明の趣旨でないため、詳細に説明しない。
【0042】また、実施例においては、ギヤボックスの
出力軸受76、ピニオンギヤ72間がスプライン軸78によっ
て連結されているが、互に一体的に回転可能であれば足
りる。そのため、スプライン軸78に限定されず、対応す
る非円形の回り止め形状によって、ギヤボックスの出力
軸受76、ピニオンギヤ72間を一体的に回転可能に連結す
る構成としてもよい。
【0043】図1、図4に加えて図5を見るとわかるよ
うに、シャフト104が、ブラケット80、ベースブラケッ
トの側壁64d 間に架設、軸支されるとともに、ピニオン
ギヤ72の噛合可能な歯部106 を持つギヤプレート108
が、シャフトの一サイドに固着されている。
【0044】シャフト104 は、一端、たとえば、ギヤプ
レートサイドの端末に延出端104aを、他端にねじ孔104b
をそれぞれ有して形成されている。そして、たとえば、
ブッシュ110 を介するブラケットの挿通孔108 への延出
端104aの挿入、および、ブッシュ112 を介して側壁の挿
通孔114 に挿入された段付きボルト116 との螺着によっ
て、シャフト104 が、ブラケット80、ベースブラケット
の側壁64d 間で軸線方向に移動不能に軸支されている。
【0045】また、図4、図5に示すように、ギヤプレ
ートの歯部106 は、シャフト104 を中心とする円弧状に
穿設されたギヤプレート108 の長孔118 の外周縁118a
に、内歯として形成されている。このような構成では、
ピニオンギヤ72と歯部106 との噛合により、ピニオンギ
ヤの回転に伴って、ギヤプレート108 が、シャフト104
を中心としてシャフトとともに対応する方向に回動す
る。
【0046】ここで、シャフト104 は、たとえば、所定
間隔離反して配設、固着された一対のサポートアーム12
0 を有して形成され、ヘッドレスト本体122 がサポート
アームに固着されている。そして、図5に示すように、
このようなヘッドレスト本体122 の回りに、たとえば、
弾性体からなるパッド124 を配設し、パッドを表皮等よ
りなるトリムカバー126 で被覆して、ヘッドレスト12が
形成されている。
【0047】このような構成によれば、ピニオンギヤ72
の回転に伴うギヤプレートの回転によって、ヘッドレス
ト本体122 、つまりはヘッドレスト12が、シャフト104
を中心にステー14、ベースブラケット64に対して前後方
向に揺動される。
【0048】ここで、図1、図3に示すように、たとえ
ば、トーションばね128 が、一方のサポートアーム120
に隣接してシャフト104 に巻装され、トーションばねの
一端128aがサポートアームに、他端128bがベースブラケ
ットの基部64a にそれぞれ係止されている。トーション
ばね128 は、サポートアーム120 をベースブラケット64
に対して後方、たとえば、図5の時計方向に偏倚するよ
うに構成されている。
【0049】このような構成では、ギヤプレート108
が、シャフト104 を介して、常に後方、つまり、図5の
時計方向に偏倚されるため、トーションばね128 の偏倚
力のもとでギヤプレートの歯部106 がピニオンギヤ72に
押付けられる。そのため、ピニオンギヤ72に対するギヤ
プレートの歯部106 のガタつきに起因するヘッドレスト
12のガタつきが十分に抑制できる。従って、ヘッドレス
ト内部からの異音の発生が防止され、着座者に不安感を
与えることもない。
【0050】なお、モータ20の駆動制御は、通常、リヤ
シート着座者およびドライバーの操作可能な位置に設け
られたスイッチ手段(図示しない)等によって行なわれ
る。
【0051】ここで、図5に示すような起立位置をヘッ
ドレスト12の初期位置と仮定して、この発明のパワー式
ヘッドレスト構造10の動作を以下に説明する。
【0052】ヘッドレスト12の起立位置において、スイ
ッチ手段等を前倒れ方向に操作し、モータ20を、たとえ
ば、正転させると、トルクケーブル46を介して、駆動ピ
ン44がトルクシャフト48とともに対応する方向に回転す
る。すると、ステー上端の連結ピン54がトルクシャフト
48とともに回転し、ピニオンギヤ72がギヤボックス70を
介して、対応する方向に回転する。そして、ピニオンギ
ヤ72の回転により、ギヤプレート108 、つまりはシャフ
ト104 が前倒れ方向、つまり、図中反時計方向に回動し
て、ヘッドレスト12が、図6に示すように、前倒れ方向
に揺動される。
【0053】また、図6に示すような状態からスイッチ
手段等を起立方向に操作し、モータ20を逆転させると、
トルクシャフト48が、ピニオンギヤ72とともに逆回転さ
れる。すると、ピニオンギヤ72の逆回転によって、ギヤ
プレート108 が、シャフト104 を伴って図中時計方向に
回動し、ヘッドレスト12が、シャフト104 を中心とし
て、起立方向に揺動される(図5参照)。
【0054】上記のように、この発明のパワー式ヘッド
レスト構造10によれば、シートバック16に内蔵されたモ
ータ20の駆動が、ステー内の連動手段22を介して、ヘッ
ドレスト12に内蔵された駆動機構18に伝達され、駆動機
構の作動によって、ヘッドレストがシートバックに対し
て前後方向に揺動される。
【0055】つまり、モータ20をヘッドレスト12に内蔵
することなく、パワー式ヘッドレストが構成できるた
め、ヘッドレストの軽量化が十分にはかられる。そのた
め、衝突時等における、前後方向へのヘッドレスト12の
慣性力は抑制され、ステーの変形、破損等が十分に防止
できる。
【0056】そして、モータ20がシートバック16に内蔵
されるため、ヘッドレスト12の内部の構成が簡素化され
るとともに、ヘッドレスト内への電気配線が不要とな
る。そのため、ヘッドレストの組立作業が簡単化し、作
業性が向上される。
【0057】また、モータ20が、着座者の耳から遠いシ
ートバック16の内部に設けられるため、モータの駆動音
が着座者の耳に入りにくくなり、着座者に不快感、不安
感を与えることもない。
【0058】更に、ステー14の内部に配設、構成された
連動機構22によって、ヘッドレスト内の駆動機構18、シ
ートバック内のモータ20間を連結する構成では、連動機
構がヘッドレスト12、シートバック16の外部に露出しな
いため、ヘッドレスト等の外観品質を低下させることも
ない。
【0059】そして、トルクシャフト48をステー14の内
部で軸線方向に移動可能に設け、偏倚手段62の偏倚力の
もとで、連結ピン54に対して下方に偏倚しているため、
ステー挿入時おける、トルクシャフト、駆動ピン44の角
度調整が不要となり、トルクシャフト、駆動ピン間の係
合が容易に得られる。従って、スライダ34へのステー14
の挿着時の作業性が向上される。
【0060】また、ステー14、スライダ34間を着脱可能
としているため、シートバック上端からのヘッドレスト
12の取外しが可能となる。そのため、自動車の所有者
が、任意にヘッドレスト12を取外すことができ、所有者
等の好みに応じたシートカバー、ピローブーツ等の装
着、交換が自由に行なえる。
【0061】
【0062】そして、シートバック上端からのヘッドレ
スト12の取外しが行なえることにより、ヘッドレストの
取外しの要求されるフラットシートにも、パワー式ヘッ
ドレストが利用でき、パワー式ヘッドレストの利用範囲
が十分に拡大される。
【0063】また、ステー14、スライダ34間を容易な操
作のもとで着脱可能にすれば、シートバック16の組立工
程後に、ヘッドレスト12の取付け作業を行なうことがで
きる。そのため、シートバック16の組立作業が容易に行
なえ、この点からも、作業性の向上が十分にはかられ
る。
【0064】更に、この発明において、ヘッドレスト12
は、ステー14を伴うことなく、ステーに対して前後方向
に揺動されるとともに、ステー内部の連動機構22を介し
て、モータ20の駆動がヘッドレスト内のギヤボックス70
に伝達される。そのため、実施例のように、シートバッ
ク16の内部で昇降可能なスライダ34にステー14を取付け
る構成とすれば、前後方向に揺動可能なヘッドレスト12
の昇降化がはかられる。
【0065】つまり、ヘッドレスト12の前後移動、昇降
の双方の組合せが、構成を複雑化することなく容易に行
なえるため、ヘッドレストの前後位置、上下位置の双方
の調整により、着座者の体形、好み等に応じた最適な位
置が一層確実に得られる。
【0066】
【0067】実施例において、ギヤプレートの歯部106
は、長孔内に設けられた内歯として具体化されている
が、これに限定されず、たとえば、外歯として形成して
もよい。また、ギヤプレート108 自体をピニオンギヤの
噛合可能なセクタギヤとして形成してもよい。
【0068】更に、実施例においては、リヤシートに装
着されるパワー式ヘッドレスト構造として具体化してい
るが、これに限定されず、たとえば、フロントシートの
パワー式ヘッドレストにこの発明を応用してもよい。
【0069】なお、この発明のパワー式ヘッドレスト構
造は、自動車用シートに適するとはいえ、これに限定さ
れず、他のシート、たとえば、電車、飛行機、船舶等の
シートに応用してもよい。また、この発明の思想は、こ
れらの車両用シートに限定されず、指圧用シート、理髪
用シートおよび一般家庭用シート等にも応用できる。
【0070】上述した実施例は、この発明を説明するた
めのものであり、この発明を何等限定するものでなく、
この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも
全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0071】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るパワー式
ヘッドレスト構造によれば、シートバックに内蔵された
モータの駆動が、連動手段を介して、ヘッドレストに内
蔵された駆動機構に伝達され、駆動機構の作動によっ
て、ヘッドレストがシートバックに対して前後方向に揺
動される。そのため、ヘッドレストの軽量化により、衝
突時等における、前後方向へのヘッドレストの慣性力が
抑制され、ステーの変形、破損等が十分に防止できる。
【0072】そして、シートバック内へのモータの配設
により、ヘッドレスト内への電気配線が不要となるとと
もに、モータの駆動をシャフトの回動に変換、伝達すれ
ば足り、ヘッドレスト内の駆動機構の構成が簡素化され
る。そのため、ヘッドレストの組立作業が簡単化し、作
業性が向上される。
【0073】また、ステーの内部に配設、構成された連
動手段によって、ヘッドレスト内の駆動機構、シートバ
ック内のモータ間を連結する構成では、連動手段がヘッ
ドレスト、シートバックの外部に露出しないため、ヘッ
ドレスト等の外観品質を低下させることもない。
【0074】更に、この発明では、連動手段のトルクシ
ャフトをステー内で上下移動可能とし、偏倚手段からの
偏倚力のもとで下方に偏倚しているため、係止部材の軸
受へのステーの挿着時に、駆動ピン、トルクシャフトの
角度がずれていても、モータの駆動に伴う駆動ピン、ト
ルクシャフトの下端凹部の角度の整列によって、駆動ピ
ン、下端凹部間が偏倚力のもとで自動的に係合される。
従って、係止部材へのステーの挿着時の作業性が向上さ
れる。
【0075】そのため、ステー挿入時おける、トルクシ
ャフト、駆動ピンの角度調整が不要となり、トルクシャ
フト、駆動ピン間の係合が容易に得られ、シートバック
上端へのヘッドレストの取付け時における作業性が向上
される。
【0076】また、この発明のように、シートバックの
内部で昇降可能なスライダにステーを取付ける構成とす
れば、前後方向に揺動可能なヘッドレストの昇降化がは
かられる。つまり、ヘッドレストの前後移動、昇降の双
方の組合せが、構成を複雑化することなく容易に行なえ
るため、ヘッドレストの前後位置、上下位置の双方の調
整により、着座者の体形、好み等に応じた最適な位置が
一層確実に得られる。
【0077】更に、ステー、係止部材間が着脱可能であ
るため、シートバック上端からのヘッドレストの取外し
が可能となる。そのため、自動車の所有者が、任意にヘ
ッドレストを取外すことができ、所有者等の好みに応じ
たシートカバー、ピローブーツ等の装着、交換が自由に
行なえる。
【0078】そして、シートバック上端からのヘッドレ
ストの取外しが行なえることにより、ヘッドレストの取
外しの要求されるフラットシートにも、パワー式ヘッド
レストが利用でき、パワー式ヘッドレストの利用範囲が
十分に拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパワー式ヘッドレスト構造の概
略正面図である。
【図2】パワー式ヘッドレストの装着されたシートバッ
クの概略斜視図である。
【図3】図1の線A−Aに沿った断面図である。
【図4】パワー式ヘッドレスト構造の概略分解斜視図で
ある。
【図5】ヘッドレストの起立位置における、パワー式ヘ
ッドレスト構造の概略縦断面図である。
【図6】ヘッドレストの前倒れ位置における、パワー式
ヘッドレスト構造の概略縦断面図である。
【符号の説明】
10 パワー式ヘッドレスト構造 12 ヘッドレスト 14 ステー 16 シートバック 18 駆動機構 20 モータ 22 連動手段 34 スライダ 48 トルクシャフト 54 連結ピン 62 偏倚手段 70 ギヤボックス 72 ピニオンギヤ 74 ギヤボックスの入力軸受 76 ギヤボックスの出力軸受 104 シャフト 106 ギヤプレートの歯部 108 ギヤプレート 122 ヘッドレスト本体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のステーを介してシートバック上端
    に取付けられたヘッドレストに、入力軸受に連動する出
    力軸受にピニオンギヤの連結されたギヤボックスと;回
    動自在なシャフトと;シャフトに一体的に固着されて、
    ギヤボックスのピニオンギヤに噛合されたギヤプレート
    と;を具備する駆動機構を内蔵し、ピニオンギヤの回転
    に伴うギヤプレート、シャフトの一体的な回動のもと
    で、ヘッドレストを前後方向に揺動可能とするととも
    に、ギヤボックスの入力軸受に連結された連動手段を介
    して、シートバック内のモータをヘッドレスト内の駆動
    機構に連動可能に連結したパワー式ヘッドレスト構造で
    あり、 パイプ状に形成された上記ステーが、シートバック内の
    係止部材の軸受に対して着脱自在に挿入、連結可能であ
    り、シートバック内のモータの駆動に伴って回転する非
    円形の回り止め形状の駆動ピンが、この係止部材の軸受
    内に回転自在に突設されるとともに、 上記連動手段が、回動自在、かつ軸線方向に移動可能に
    パイプ状のステー内に配設されて、偏倚手段の偏倚力の
    もとで下方に偏倚されたトルクシャフトと;ステーの上
    端に回動自在に突設されてギヤボックスの入力軸受に連
    結されるとともに、対応する回り止め形状にそれぞれ形
    成された上端凹部への延出端の挿入、係合のもとで、ト
    ルクシャフトに一体的に回動可能に連結された連結ピン
    と;を備え、 駆動ピンに対応する回り止め形状の凹部が、トルクシャ
    フトの下端に、駆動ピンの挿入を保障するだけの深さを
    有して形成され、この凹部への駆動ピンの挿入、係合の
    もとで、ヘッドレスト内のモータとシートバック内の駆
    動機構とを連動可能としたことを特徴とするパワー式ヘ
    ッドレスト構造。
  2. 【請求項2】 シートバック内の係止部材が、上下駆動
    用モータの駆動のもとで上下移動するスライダであり、
    駆動ピンが、ステーの挿入、連結されるスライダの軸受
    内に回転自在に突設された請求項1記載のパワー式ヘッ
    ドレスト構造。
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