JP2927426B2 - 歯 車 - Google Patents

歯 車

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    • F16H55/02—Toothed members; Worms
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    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22—CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F5/00—Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the special shape of the product
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は焼結又は鍛造によ
り、軸端面に曲り歯カサ歯車などの歯部を設けた歯車に
関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に中小型のこの種歯車は、鉄系など
の金属粉を金型で型押し焼結した後、再度金型による再
圧縮で寸法矯正（サイジングと称する）を施して製造さ
れている。鍛造によるものも同様にサイジングして仕上
げられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】サイジングは、焼結又
は鍛造されたワークを金型の下パンチに挿入して、上パ
ンチにより押圧して行われるが、挿入時ワーク軸端面の
歯部を上パンチの歯型に合致させるため、位置合わせが
必要である。
【０００４】この位置合わせは人手を要すると共に、位
置合わせ不良による金型事故やワーク歯部のぶっつけ打
痕の発生するおそれがあるなどの問題がある。またこの
人手を要することが生産効率を下げ、自動化のネックと
なっている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題を解消するもので、その特徴とするところは、歯車外
周面に軸方向にサイジングにおける位置合わせ用の切欠
き溝を設けたことである。この切欠き溝により、サイジ
ングにおけるワーク挿入時の機械的なワーク位置決め
は、金型に切欠き溝に対応する凸部を設けるなどして極
めて容易に確実に行なうことができる。
【０００６】またこの切欠き溝の外周方向の幅Ｔ1 や位
置、並びに軸方向角度、長さを次のように特定すること
により、切欠き溝によるワーク及びワーク形成用の金型
の歯形の強度の低下或はへたりや欠損の発生を防ぎ、ス
ムースな位置合わせを行うことができる。
【０００７】その１つは、切欠き溝の外周方向の幅Ｔ1
を歯のピッチ幅Ｔと同一乃至それより狭くすることであ
る。この場合、切欠き溝を歯先面を除く１つの傾斜面と
これに続く歯底面の範囲内に渡って形成するか、又は歯
先面を含みこれに続く１つの傾斜面と歯底面の範囲内に
渡って形成することが好ましい。
【０００８】他の１つは、切欠き溝の外周方向の幅を歯
のピッチ幅より広くすることである。この場合、切欠き
溝を１つの歯先面をはさむ両傾斜面に続く両歯底面に渡
って形成することが好ましい。
【０００９】切欠き溝の深さは、その目的とする位置合
わせの機能を果たせる範囲で、できるだけ小さい方が、
操作上も歯車の機械的強度上も好ましく、歯車の仕様に
もよるが略０．５〜３ｍｍの範囲である。
【００１０】形状は後述の実施例のように曲面状、半円
状が好ましいが、Ｖ字状などで他の形でも差し支えな
い。なお、切欠き溝は軸に正確に平行させ、かつ歯車外
周面軸方向に完全に突切って形成されていることをが、
機械的に位置合わせする上で好ましい。
【００１１】また実施例では、切欠き溝を相対向して２
個設けたものについて示したが、必要によっては、１個
に減らすか又は増すこともできる。このような構成を備
えた歯車は、位置合わせに手数を要するカサ歯車特に曲
り歯カサ歯車において最も効果的である。
【００１２】
【発明の実施の形態】具体的な実施の形態は実施例によ
って説明する。
【００１３】
【実施例】図１は焼結鉄製の曲り歯カサ歯車の実施例を
示すもので、（イ）は正面図、（ロ）はそのＡ−Ａ断面
図、（ハ）は切欠き溝４の構成を説明するための歯部１
の上面並びに斜視面よりの概略図である。歯車外周径Ｄ
は４６．５ｍｍ、歯車内周径Ｄ1 は３３ｍｍ、軸穴径Ｄ
2 は１２ｍｍ、円錐角Ｒ１４５°、曲り歯の歯数は３６
枚、歯のピッチ幅Ｔは４ｍｍ、歯車軸高さＨは１３．３
ｍｍである。なお歯形はグリーソン、モジュール１．２
５、圧力角２０°、軸角９０°、ネジレ角３５°、ネジ
レ方向右に設定し、焼結鉄の硬度はＨＲＡ６０以上、密
度は６．９ｇ／ｃｍ3 以上とした。
【００１４】外周面２には相対向して軸方向に平行に突
切った切欠き溝４、５が設けられている。
【００１５】この切欠き溝４、５は、軸端側から見て曲
り歯の１つの傾斜面Ｂの中程６から開始して、これに続
く歯底面Ｃの後端近い７に至る間に渡って、半径１．５
ｍｍの半円形状であって、外周面に軸に平行に突切って
形成されている。
【００１６】この切欠き溝においては、ワーク形成用金
型の外周傾斜面Ｂの６部分がシャープエッジとなり、又
歯底面Ｃの７よりの残部分がせまいため、これらの部分
が欠け易い心配がある。またワーク側においても６部分
がシャープエッジで、歯先面Ｄ付近に低密度を生じ易い
ため、この部分が共当り等で欠け易い心配がある。
【００１７】図２（イ）（ロ）は、図１（ハ）に対応す
る図で、切欠き溝の位置、形状のみをそれぞれ変えた別
の実施例である。（イ）においては切欠き溝４は、傾斜
面Ｂの歯先面Ｄに接する上端部８から開始して、歯底面
Ｃの中央部９に至るまでの半径２ｍｍの半円形状に形成
して、外周傾斜面Ｂのシャープエッジを無くし、歯底面
Ｃの９よりの残部を大きくしたものである。
【００１８】図２（ロ）は、（イ）を更に改善したもの
で、切欠き溝４は歯先面Ｄの１端１０から開始して、こ
れに続く傾斜面Ｂを次第に深まる平面で経て、歯底面Ｃ
の中央部９に至る曲面でつながった曲面状に形成したも
のである。この構成により、スムースな位置合わせと、
金型、ワークの欠損の心配もさらにうすらぐ。
【００１９】図３は同じく図１（ハ）に対応する切欠き
溝の幅、形状のみを変えた別の実施例を示すものであ
る。切欠き溝４は、その外周方向の幅Ｔ1 を歯のピッチ
幅Ｔより大きくしたものの１つで、歯底面Ｃの中程１１
から開始して、これに続く傾斜面Ｂ、歯先面Ｄ、傾斜面
Ｂを経て歯底面Ｃの中央部９に至る曲面状に形成したも
のである。
【００２０】この構成にしたことにより、位置合わせも
スムースで、シャープエッジによる金型、ワークの欠損
事故の心配も解消されるが、歯車が相手ピニオン歯車と
噛み合って矢印の方向に回転する場合、切欠き溝による
噛み合い面積の減少による歯面のへたりの心配が生じて
来る。
【００２１】従って、この実施例の切欠き溝の最も深い
ところで２．５ｍｍであるが、位置合わせの機能を失な
わない範囲で浅く、幅もシャープエッジの生じない範囲
で狭くすることが好ましい。なお位置合わせ用の切欠き
溝を、例えばキー溝のように、軸穴に設けることは型押
焼結上もサイジング機構上も極めて困難である。
【００２２】
【発明の効果】本発明の歯車は、サイジングにおける位
置合わせが容易、確実で、製造しやすく製造コストも低
減できる。また歯車の品質も従来品と同等以上に保つこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】曲り歯カサ歯車の実施例で（イ）は正面図、
（ロ）はそのＡ−Ａ断面図、（ハ）は切欠き溝を説明す
る歯部の上面並びに斜視面よりの概略図である。
【図２】（イ）（ロ）は、それぞれ切欠き溝の構成のみ
を変えた、別の実施例を説明するための図１（ハ）に対
応する図である。
【図３】更に切欠き溝の構成のみを変えた別の実施例を
示すための図１（ハ）に対応する図である。
【符号の説明】
Ｄ0 歯車外周径 Ｄ1 歯車内周径 Ｄ2 軸穴径 Ｒ 円錐角 Ｈ 歯車軸の高さ Ｔ 歯のピッチ幅 Ｔ1 切欠き溝の外周方向の幅 Ｂ 歯の傾斜面 Ｃ 歯底面 Ｄ 歯先面 １ 歯部 ２ 歯車外周面 ４、５ 切欠き溝 ６ 傾斜面の中程 ７ 歯底面の後端近く ８ 傾斜面の上端部 ９ 歯底面の中央部 １０ 歯先面の１端 １１ 歯底面の中程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F16H 55/17 B21K 1/30 B21D 28/04,43/00 B21D 43/05,43/06 B22F 5/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 軸端面に歯部を有する金型成形歯車にお
    いて、歯車外周面に軸方向にサイジングにおける位置合
    わせ用の切欠き溝を設けたことを特徴とする歯車。
  2. 【請求項２】 切欠き溝の外周方向の幅を、歯のピッチ
    幅と同一乃至それより狭くしたことを特徴とする請求項
    １記載の歯車。
  3. 【請求項３】 切欠き溝の外周方向の幅は、歯先面を除
    く１つの傾斜面とこれに続く歯底面の範囲内に渡るか、
    又は歯先面を含みこれに続く１つの傾斜面と歯底面の範
    囲内に渡って形成されてなることを特徴とする請求項２
    記載の歯車。
  4. 【請求項４】 切欠き溝の外周方向の幅を、歯のピッチ
    幅より広くしたことを特徴とする請求項１記載の歯車。
  5. 【請求項５】 切欠き溝の外周方向の幅は、１つの歯先
    面をはさむ両傾斜面に続く両歯底面の範囲内に渡って形
    成されてなることを特徴とする請求項４記載の歯車。
  6. 【請求項６】 切欠き溝は軸に平行して歯車外周面を突
    切って形成されているか、及び又はその形成数は１個以
    上で、歯面はカサ歯車又は曲り歯カサ歯車であることを
    特徴とする請求項１、２、３、４又は５記載の歯車。
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