JP2924122B2 - モールド整流子の製造方法 - Google Patents

モールド整流子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電動工具,電気掃除機等に使用される整流
子電動機のモールド整流子に関するものである。
従来の技術 従来のモールド整流子について、第2図,第3図に基
づいて説明する。
第2図は従来のモールド整流子の径方向の一部断面図
である。リング状に配設された複数の整流子片1は内径
部を合成樹脂2のモールドにより一体化され、となり合
う各整流子片間にアンダカット溝4が施こされている。
前記整流子片1は良導電性の金属の引抜き加工などで
摺動部1aと保持部1bが形成されている。
摺動部1aの径方向の厚みは摺動による摩耗と機械的強
度,熱容量などによって決定され、保持部1bは、摺動部
1aの幅にくらべやや細くされるとともに、その側面に複
数の溝が設けられ樹脂2による保持強度が十分に得られ
るようになされている。モールド整流子の製造に際し、
この整流子片1は、第3図に示すごとくモールド金型3
の内径に摺動部1aの側面1cどうしを当接させてリング状
に配設された後、保持部1bを含む中心部を合成樹脂2に
よりモールドされ各整流子片1どうしが一体化された
後、となり合う整流子片1の当接部にカッターにより外
周側からアンダカット溝4が施こされ、となり合う整流
子片1どうしが絶縁される。
発明が解決しようとする課題 このとき、摺動部の径方向の厚みが大きい整流子片で
は深い溝をアンダカットせねばならずその加工に時間を
費やしコストの増大をまねくと言う問題が有った。
本発明は上記課題に鑑み、アンダカットの加工時間を
短縮したコストの安いモールド整流子を提供するもので
ある。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本願発明のモールド整流
子は、複数個の整流子片をリング状に配置し、合成樹脂
にて一体化した後外周側よりのアンダーカットにて電気
的に切り離すモールド整流子であって、隣り合う整流子
片の摺動部側面の内径側の一部に凹部段差を設けるもの
である。
作用 整流子片の摺動部側面の内径側の一部に凹部段差を設
けることにより、複数の整流子片をリング状に形成する
際、摺動部側面の外径側どうしを当接させることにより
モールド金型内に配設しやすくなる。また、モールド成
形後は段差部にも合成樹脂が充填されるので機械的保持
強度を向上させることができる。さらにはアンダカット
に際し、整流子片外周部の凸部のみの浅い溝加工です
む。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面に基づき説明す
る。
第1図は本発明のモールド整流子10の径方向の一部断
面図である。
本発明のモールド整流子11は摺動部11a側面の内径側
の一部に凹部段差12を形成した複数の整流子片11がリン
グ状に配設され、内径部の保持部11bで合成樹脂13のモ
ールドにより一体化され、となり合う整流子片11の側面
にアンダカット溝14が施こされている。
整流子片11の摺動部11aの側面に形成される凹部段差1
2は径方向には大きい方がアンダカット溝14が浅くてす
むが大きすぎると摩耗しろが少なくなり、また熱容量が
小さくなって整流子としての性能が低下するので必要に
応じ適宜決定される。また、周方向の段差は子片間の絶
縁が保てる大きさであれば良く、本実施例ではアンダカ
ット溝の幅よりやや広くして樹脂自身の機械的強度を確
保するようにされている。
上記のように、摺動部側面の内径側に凹部段差を設け
ることにより浅いアンダカット溝とすることができるの
でその加工時間を短縮した安価なモールド整流子を提供
することができる。
なお、本実施例では摺動部側面を凹部段差を有する形
状としたが、この形状は半円形またはテーパー状の凹部
形状でもよいことは言うまでもない。
発明の効果 本発明の整流子片の摺動面の内径側に凹部段差を形成
することにより、整流子の摩耗しろ、機械的強度熱容量
を損うことなく、アンダカット溝を浅くすることがで
き、その加工時間を短縮して安価なモールド整流子を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のモールド整流子の径方向の
部分断面図、第2図は従来例のモールド整流子の径方向
の部分断面図、第3図は従来例の整流子片を成形金型に
配設しモールドしたところを示す部分図である。 1,11……整流子片、1a,11a……摺動部、1b,11b……保持
部、12……凹部段差、13……合成樹脂。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の整流子片を密接してリング状に配置
    した状態で合成樹脂にて一体化し、しかる後に前記整流
    子片どうしの接触部にアンダーカット溝を施すことで前
    記整流子片どうしを電気的に切り離すことで製造される
    モールド整流子の製造方法であって、アンダーカット溝
    を施される前の整流子片周方向端面が、隣合う整流子片
    との接触面と、前記接触面の内径側に設けられた凹部段
    差とからなり、かつ前記凹部段差は各整流子片間の電気
    絶縁距離および、整流子の必要な摩耗しろおよび熱容量
    を確保できる寸法とする事を特徴とするモールド整流子
    の製造方法。
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