JP2921431B2 - 電子写真感光体の製造方法および浸漬塗布装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法および浸漬塗布装置

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JP2921431B2
JP2921431B2 JP4795195A JP4795195A JP2921431B2 JP 2921431 B2 JP2921431 B2 JP 2921431B2 JP 4795195 A JP4795195 A JP 4795195A JP 4795195 A JP4795195 A JP 4795195A JP 2921431 B2 JP2921431 B2 JP 2921431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体の製造
方法及びそのための浸漬塗布装置に関し、特に電子写真
感光体の製造において円筒状基体の外周面に有機感光層
を形成する浸漬塗布方法及びそのための浸漬塗布装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層を構成す
る光導電材料としては、セレン、硫化カドミウム、酸化
亜鉛等の無機化合物およびポリビニルカルバゾールに代
表される有機化合物が提案されており、また、感光層を
電荷発生層と電荷輸送層とに分離した積層型電子写真感
光体においては、電荷発生材料および電荷輸送材料とし
て、種々の有機化合物が提案され、有機感光体として実
用化されている。従来、このような有機感光体の製造方
法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピン塗布
法、ビード塗布法、ワイヤーバー塗布法、ブレード塗布
法、ローラー塗布法、押出し塗布法、カーテン塗布法等
の各種塗布方法が知られているが、特に円筒状基体の外
周面に均一な感光層を形成する方法としては、浸漬塗布
法が広く用いられている。
【0003】近年、電子写真感光体が使用される複写
機、プリンター、ファクシミリ等の装置に対しては、小
型化、軽量化の要求が強く、これに伴って電子写真感光
体も年々小径化がはかられている。電子写真感光体、特
に小径の円筒状基体を使用した電子写真感光体を浸漬塗
布法によって製造する方法としては、生産性向上の観点
から、特開平5−88385号公報、特開平6−262
113号公報に記載されているように、複数の円筒状基
体を同時に塗布液に浸漬し、引き上げる多本同時浸漬塗
布方法が一般的に採用されている。特に、円筒状基体同
士の間隔が狭くなれば、さらに生産性が上がり有利とな
るが、その際に、円筒状基体引上げ時に形成される塗布
膜から発生する溶剤蒸気や、塗布液槽液面から発生する
溶剤蒸気の影響により、円筒状基体上に形成される塗布
膜の指触乾燥速度がそれぞれの円筒状基体間、および円
筒状基体一本内で不均一となり、膜厚ムラを発生してし
まう。その回避策としては、特開昭59−127049
号公報等に記載されているように、円筒状基体が液体液
面より引き上げられていない時に、液受け槽近傍に外部
よりエアーを送り込み、液受け槽近傍より溶剤蒸気濃度
を事前に低減し、指触乾燥速度を促進させるもの、特開
平3−151号公報等に記載されているように、液受け
槽近傍に溶剤蒸気排出口を設け、ON−OFF機構を付
与した強制排気装置に連結し、塗布液槽液面から引上げ
時に円筒状基体周辺の溶剤蒸気濃度を制御するもの等に
より、膜厚ムラを抑制することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】浸漬塗布時において、
円筒状基体の周辺の溶剤蒸気濃度が不均一になるという
課題に対する従来技術での回避策では、未だ十分ではな
い。例えば、オーバーフロー液受け槽近傍に溶剤蒸気排
出口を設け、強制的排出装置を配設しても、排出口やエ
アー供給口近傍に位置する円筒状基体の周辺の溶剤蒸気
濃度は低いが、離れた箇所のそれは高くなり、溶剤蒸気
濃度の均一化をはかることは困難であった。また、円筒
状基体が塗布液面より引上げられていない時に、液受け
槽近傍に外部よりエアーを送り込み、液受け槽近傍より
溶剤蒸気を同伴したエアーを排出し、塗布液槽液面から
円筒状基体を引上げる時に、円筒状基体周辺の溶剤蒸気
濃度を事前に低減するものにおいても、塗布液面より蒸
発する溶剤蒸気の滞留を防止するには有効であるが、円
筒状基体引上げ時に形成される塗布膜より発生する溶剤
蒸気を排出できないため、円筒状基体周辺の溶剤蒸気濃
度は上昇すると共に、溶剤蒸気濃度ムラが発生してしま
い、やはり均一化をはかることは困難であった。また、
ON−OFF機構を付与した強制排気装置に連結して
も、均一化をはかることは、ON−OFF動作で、円筒
状基体周辺溶剤蒸気濃度の追従に遅れが発生し、前記同
様、均一化をはかるのは困難であった。すなわち、溶剤
蒸気濃度を低減することは達成できても、各円筒状基体
周辺の溶剤蒸気濃度にバラツキが発生してしまい、各円
筒状基体、および円筒状基体一本内の膜厚ムラ抑制に
は、充分な効果が得られなかった。比較的薄い膜厚が要
求される電荷発生層或いは下引き層では、特に上記現象
の影響が大きく、塗布膜厚ムラの発生が顕著である。ま
た、生産性向上の観点から、複数の円筒状基体を同時に
塗布液から引き上げる多本同時浸漬塗布を行う場合も、
同様に上記現象の影響が大きく、塗布膜厚ムラの発生が
顕著である。
【0005】そこで、円筒状基体引上げ時に形成される
塗布膜から発生する溶剤蒸気、および塗布液槽液面から
蒸発する溶剤蒸気を円筒状基体周辺で、できるだけ均一
に排出する必要がある。一方で、上記のように、円筒状
基体引上げ時に形成される塗布膜から発生する溶剤蒸
気、および塗布液槽液面から発生する溶剤蒸気の濃度ム
ラに起因する塗布膜厚ムラとは別に、系外エアー流れの
影響で発生する塗布膜厚ムラがあるため、系外エアーの
影響を防止する目的で塗布槽上部にエアーよけフードを
設置していることが一般に行われている。しかしなが
ら、このエアーよけフードは、前述溶剤蒸気を円筒状基
体周辺から均一に排出することを困難にしている。
【0006】そこで、本発明は、従来の技術における上
記のような問題を解決することを目的としてなされたも
のである。すなわち、本発明の目的は、円筒状基体引上
げ時に形成される塗布膜から発生する溶剤蒸気、および
塗布液槽液面から発生する溶剤蒸気を、系外エアーの影
響を防止する目的で塗布液槽上部にエアーよけフードを
配設した場合においても、均一に排出することができ、
塗布膜厚ムラの発生を抑制することができる電子写真感
光体製造装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、円筒状基体上に、浸漬塗布法によって膜厚ムラのな
い感光層構成層を形成することができる電子写真感光体
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗布液を収容
する塗布液槽、該塗布槽よりオーバーフローする塗布液
を回収するためのオーバーフロー管及び液受けタンク、
回収した塗布液を塗布槽に供給する塗布液循環手段を設
けてなり、円筒状基体を塗布液中に浸漬し、引上げて塗
布する電子写真感光体製造用浸漬塗布装置において、
剤蒸気排出口を前記オーバーフロー管の途中の塗布槽
の液面よりも低い位置に、塗布液循環手段の外部に排出
するように設けてなることを特徴とする。本発明の電子
写真感光体の製造方法は、上記の浸漬塗布装置を使用す
るものであって、円筒状基体を、塗布槽に収容された塗
布液中に浸漬し、引上げて感光層構成層を形成するもの
であり、該塗布液槽よりオーバーフローする塗布液をオ
ーバーフロー管で回収して循環させ、該オーバーフロー
管の途中であって、該塗布槽の液面よりも低い位置に設
けられた溶剤蒸気排出口より溶剤蒸気を塗布液循環手段
の外部に排出しながら浸漬塗布を行うことを特徴とす
る。
【0008】すなわち、本発明における浸漬塗布方法
は、塗布液槽内の塗布液面が円筒状基体引上げ時、一定
に保持されるように塗布液を常にオーバーフローさせ、
オーバーフローした液は、塗布液槽周辺上部に設けられ
た液受け槽からオーバーフロー管を通り、液受けタンク
で回収され、再度、塗布液槽に供給される塗布液循環機
構を有する塗布装置を用いることにより行われるもので
あって、円筒状基体引上げ時に発生する塗布膜からの溶
剤蒸気および塗布液槽液面から発生する溶剤蒸気を前記
オーバーフロー管の途中であって、オーバーフロー面よ
り低い位置に設けた溶剤ガス排出口より排出しながら塗
布することを特徴とする。その際、溶剤蒸気排出効果を
促すために、塗布液の溶剤として、空気より比重の重い
溶剤蒸気を発生する溶剤を使用することが好ましい。ま
た、溶剤蒸気排出効果を得るために、塗布液温度での飽
和蒸気圧が300mmHg以下の溶剤を使用した系に適
用するのが好ましい。また、本発明は、有機感光体の感
光層構成層である下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の
形成に好適に適用することができる。また、本発明は、
複数の円筒状基体の外周面に同時に塗膜を形成させる多
本同時塗布に特に有効である。その際、塗布液槽中央に
配列する円筒状基体周辺の溶剤蒸気排出効果を上げるた
めに、中央に配列する円筒状基体は、外側に配列する円
筒状基体の間に位置して、互いに隣接する円筒状基体の
距離が等しくなるように配置するのが好ましい。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
本発明の1本とり浸漬塗布装置の一例の概略の構成を示
すものであり、円筒状基体を塗布液槽から引上げ途中の
状態を示すものである。塗布液1は、液受けタンク2か
ら供給配管3を通してポンプ4によって圧送され、フィ
ルター5を介して塗布液槽6内に供給される。塗布液槽
6に供給された塗布液はオーバーフローし、塗布液槽6
の上端周辺に設けられた塗布液受け槽7で補集されオー
バーフロー管8に流出し、塗布液受けタンク2に回収さ
れる。この浸漬塗布装置を用いて浸漬塗布を行う場合、
円筒状基体9が塗布液槽6に浸漬され、その後、引き上
げられた時、塗布液槽液面10を一定に保持する目的
で、常にオーバーフローするように塗布液循環手段によ
って塗布液を循環する。さらに、オーバーフロー管8の
途中に溶剤蒸気を排出する排出口12が設けられている
が、排出口12は、塗布液槽液面10より低い位置に設
けられていることが必要である。また、塗布液槽6の上
部には、外部のエアー流れの影響を防止するためフード
11を設けている。ここで、排出口12を設けない場合
や、排出口12を塗布液槽液面10より高い箇所に設置
した場合は、円筒状基体9に形成される塗布膜から蒸発
する溶剤蒸気、及び塗布液槽液面10より蒸発する溶剤
蒸気は、外部のエアー流れに影響を受けないようフード
11を配設していることも影響し、円筒状基体周辺に滞
留する。この溶剤蒸気は、円筒状基体9に形成される塗
布膜の指触乾燥速度ムラを発生させる。しかしながら、
本発明においては、溶剤蒸気を排出する排出口12をオ
ーバーフロー管8の途中で塗布液槽液面10より低い位
置に設けているから、円筒状基体周辺の溶剤蒸気を非常
に均一に排出することが可能となり、その効果により膜
厚ムラの発生を防止することができる。溶剤蒸気の比重
が空気より重い場合には、この排出効果は一層促進され
るので好ましい。
【0010】図2は本発明の多本同時浸漬塗布装置の一
例の概略の構成を示すものであり、円筒状基体を塗布液
槽から引上げ途中の状態を示すものである。塗布液14
は、液受けタンク15から供給配管16を通してポンプ
17によって圧送され、フィルター18を介して塗布液
槽19内に供給される。塗布液槽19は槽内塗布液流速
均一性を得るために下部にメッシュ20を挿入してあ
る。塗布液槽19内に供給された塗布液はオーバーフロ
ーし、塗布液槽19の上端周辺に設けられた塗布液受け
槽21で補集されオーバーフロー管22に流出し塗布液
受けタンク15に回収される。この浸漬塗布装置を用い
て浸漬塗布を行う場合、円筒状基体23が塗布液槽19
に浸漬され、その後、引き上げられた時、塗布液槽液面
24を一定に保持する目的で、常にオーバーフローする
ように塗布液循環手段によって塗布液を循環する。さら
に、オーバーフロー管22の途中に溶剤蒸気を排出する
排出口26が設けられているが、排出口26は、塗布液
槽液面24より低い位置に設けられていることが必要で
ある。また、塗布液槽19の上部には、外部のエアー流
れの影響を防止するためのフード25を具備している。
ここで、排出口26を設けない場合や、排出口26を塗
布液槽液面24より高い箇所に設定した場合は、円筒状
基体23に形成される塗布膜から蒸発する溶剤蒸気、及
び塗布液槽液面24より蒸発する溶剤蒸気は、外部のエ
アー流れに影響を受けないようフード25を具備してい
ることも影響し、円筒状基体周辺に滞留する。この溶剤
蒸気は、円筒状基体23に形成される塗布膜の指触乾燥
速度ムラを発生させる。しかしながら、本発明において
は、溶剤蒸気を排出する排出口26をオーバーフロー管
22の途中で塗布液槽液面24より低い位置に設けてい
るから、円筒状基体周辺の溶剤蒸気を非常に均一に排出
することが可能となり、その効果により膜厚ムラの発生
を防止することができる。溶剤蒸気の比重が空気より重
い場合には、この排出効果は一層促進されるので好まし
い。
【0011】また、多本同時浸漬塗布の場合、塗布液槽
の中央部に位置する円筒状基体、例えば、図3のNo.
6、7、8、9の円筒状基体は、図示するように、外側
に配列する円筒状基体の間に配列するようにし、そして
隣接する基体間の距離が等しくなるようにするのが好ま
しい。これは中央部に位置する円筒状基体周辺の溶剤蒸
気を均一に排出するのに有効である。
【0012】溶剤蒸気の排出に関して、前記のように排
出口の位置がオーバーフロー管の途中であれば、円筒状
基体周辺の溶剤蒸気滞留部分より下方に位置するため、
空気より比重の重い溶剤蒸気は、強制排出手段を付加し
なくても排出口より排気される。したがって、本発明に
おいては、溶剤蒸気の比重が空気より重いという性質を
利用し、排気するのが好ましい。本発明によれば、塗布
液槽液面近傍、すなわち、円筒状基体周辺の指触乾燥領
域の溶剤蒸気を均一に排出する効果に優れ、膜厚ムラの
少ない電子写真感光体を得ることが可能となる。特殊な
場合として、空気より比重の軽い溶剤蒸気、例えば、使
用溶媒が水である水系塗料を用いて塗布する場合、発生
蒸気は水蒸気であり、空気より比重が軽くなる。その時
の排出効果は、空気より比重が重い溶剤蒸気の時よりも
少なくなる。しかしながら、排出口を設けない場合より
塗布槽液面近傍、すなわち、円筒状基体周辺の指触乾燥
領域の蒸気排出効果には優れている。また、図1の排出
口12、図2の排出口26は、オーバーフロー管の途中
に設けているが、循環流量を制御すれば、溶剤蒸気が排
出口に流出する際に必要な間隔(図1における13、図
2における27)を、常に設定することができるので、
液封されることはない。
【0013】排出口の径(図1のb、図2のf)につい
ては、任意に設定することができるが、図1に示すよう
オーバーフロー管の途中に設定するに際し、必要以上
の溶剤の蒸発を防止するため、オーバーフロー管の径以
下にすることが好ましい。形状については、任意に設定
することができるが、上記と同様の理由より、図1に示
すようオーバーフロー管の途中に設定するに際し、そ
の断面積がオーバーフロー管の断面積以下の形状にする
のが好ましい。取付け個数についても、任意に設定され
るべきであるが、上記と同様オーバーフロー管の途中に
設定する場合は、オーバーフロー管の本数と同一にする
ことが好ましい。排出口の取付け位置としては、液受け
槽に近ければ、円筒状基体周辺の溶剤蒸気排出効果は大
きいが、維持しなければならない円筒状基体周辺の溶剤
蒸気濃度、使用溶剤の種類、物性値などを考慮し任意に
設定されるべきである。均一に溶剤蒸気を排出させる観
点から、塗布液槽液面から排出口中央部までの高低差
(図1のc、図2のg)を50mm以上とすることが好
ましい。
【0014】本発明において、円筒状基体としては、電
子写真感光体において使用される公知の導電性のものが
使用される。また、円筒状基体に塗布される感光体構成
層形成用塗布液としては、公知の材料ならどのようなも
のでも使用可能である。例えば、下引き層形成用塗布
液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液
等が使用され、それにより感光体構成層である下引き
層、電荷発生層、電荷輸送層が形成される。しかしなが
ら、他の感光層構成層、例えば、中間層、表面層等を形
成するための塗布液を使用することも可能である。
【0015】本発明においては、上記したように、溶剤
としては溶剤蒸気の比重が空気より重いものが好ましい
が、そのような溶剤としては、一般的に、有機感光層形
成用塗布液に使用される有機溶剤であればその殆どが含
まれる。具体的には、例えば、塩化メチレンのようなハ
ロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル、エチルアルコールのようなアルコール、シクロヘキ
サノンのようなケトン等があげられる。また、溶剤の物
性値である飽和蒸気圧が、極端に高いと排出口からの蒸
発量が膨大になると同時に、液面近傍からの溶剤蒸気排
出効果も少なくなるため、本発明においては、塗布液に
おける溶剤蒸気の塗布液温度での飽和蒸気圧が300m
mHg以下であることが好ましい。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 有機ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC
540、松本製薬社製)10部、シランカップリング剤
(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1部、エタ
ノール45部、n−ブタノール20部からなる混合溶液
を用意し、図1の浸漬塗布装置を用いてアルミニウムパ
イプ(0.75mmt×30mmφ×340mm)上に
塗布した。その時の塗布液温度は24℃とした。アルミ
ニウムパイプを塗布液から引き上げる速度は250mm
/minとした。排出口12の位置としては、図1に示
す液受け槽からの距離aを300mm、塗布液槽液面か
ら排出口中央部までの高低差cを200mmとした。ま
た、塗布液循環流量は0.5リットル/min、オーバ
ーフロー管8の径は、内径25mmφ、排出口の径bも
内径25mmφとした。塗布したパイプは風乾した後、
乾燥機に入れ、150℃において、10分間加熱乾燥
し、膜厚0.1μmの下引き層を形成した。その条件
で、14回繰り返し塗布を行った。それぞれの膜厚ムラ
値を表1に示す。ここで、膜厚ムラ値は、塗布膜上端か
ら20mm、50mm、160mm、300mmのそれ
ぞれの箇所の円周方向4点(90°間隔)、合計16点
の膜厚値の最大値と最小値の差である。24℃における
エタノールの飽和蒸気圧は約60mmHgであり、n−
ブタノールのそれは約6mmHgであった。また、エタ
ノールの蒸気の空気に対する比重は、約1.6、ブタノ
ールは、2.6であり、空気より重いものであった。
【0017】比較例1 比較のために、排出口を取り付けない以外は、実施例1
と同一の条件で塗布操作を行った。その結果を表1に示
す。 比較例2 比較のために、図5に示すように、排出口12をフード
11の側面で塗布液面より高い箇所に設置した以外は、
実施例1と同一の条件で塗布操作を行った。その結果を
表1に示す。なお、図5において各符号は上記したもの
と同意義を有するものである。この例の場合、排出口1
2はフード11の側面に設けられており、そして、塗布
液槽液面から排出口中央部までの高低差cは、−50m
mとし(排出口の方が塗布槽液面より50mm高い)、
排出口の径bは25mmφとした。 比較例3 比較のために、比較例2における塗布液槽液面から排出
口中央部までの高低差cを0mm(排出口と液面高さが
等しい)とした以外は、比較例2と同一の条件で塗布操
作を行った。その結果を表1に示す。
【0018】実施例2 実施例1における塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを30mmとした以外は、実施例1と同一の条
件で塗布操作を行った。その結果を表1に示す。 実施例3 実施例1における塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを50mmとした以外は、実施例1と同一の条
件で塗布操作を行った。その結果を表1に示す。 実施例4 排出口の径bを40mmφとした以外は、実施例1と同
一の条件で塗布操作を行った。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】実施例5 ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化
学社製)1部をシクロヘキサノン19部に溶解し、この
溶液にジブロモアントアントロン顔料(商品名:モノラ
イトレッド2Y、ICI社製)8部、およびトリフルオ
ロ酢酸0.02部を混合した。次いで、1mmφガラス
ビーズを分散媒として、サンドミル装置で、顔料を分散
させた。得られた分散液にさらにシクロヘキサノンを加
えて、固形分濃度が約10%の塗布液を用意した。この
塗布液を図1の浸漬塗布装置を用いて、上記実施例1に
より得られた下引き層が形成されたアルミニウムパイプ
の上に塗布した。アルミニウムパイプを塗布液から引き
上げる速度は170mm/minとした。その時の塗布
液温度は24℃とした。排出口の位置としては、図1に
示した液受け槽とオーバーフロー管の連結部からの距離
aを300mm、塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを200mmとした。また、塗布液循環流量は
0.5リットル/min、オーバーフロー管8の径は、
内径25mmφ、排出口の径bも内径25mmφとし
た。その条件で、14回繰り返し塗布を行った。それぞ
れの膜厚ムラ値を表2に示す。膜厚ムラ値は、塗布膜上
端から20mm、50mm、160mm、300mmの
それぞれの箇所の円周方向4点(90°間隔)、合計1
6点の膜厚値の最大値と最小値の差である。ここで24
℃におけるシクロヘキサノンの飽和蒸気圧は、約5mm
Hgであり、空気に対する比重は、約3.5であった。
【0021】比較例4 比較のために、排出口を取付けない以外は、実施例2と
同一の条件で塗布操作を行った。その結果を表2に示
す。 比較例5 比較のために、図5に示すように、排出口12をフード
11の側面で塗布液面より高い箇所に設置した以外は、
実施例1と同一の条件で塗布操作を行った。その結果を
表2に示す。この場合、塗布液槽液面から排出口中央部
までの高低差cは、−50mmとし(排出口の方が液面
より50mm高い)、排出口の径bは25mmφとし
た。 比較例6 比較のために、比較例5における塗布液槽液面から排出
口中央部までの高低差cを0mm(排出口と液面高さが
等しい)とした以外は、比較例5と同一の条件で塗布操
作を行った。その結果を表2に示す。
【0022】実施例6 実施例5における塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを30mmとした以外は、実施例5と同一の条
件で塗布操作を行った。その結果を表2に示す。 実施例7 実施例5における塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを50mmとした以外は、実施例5と同一の条
件で塗布操作を行った。その結果を表2に示す。 実施例8 排出口の径bを40mmφとした以外は、実施例5と同
一の条件で塗布操作を行った。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】実施例9 上記実施例5において形成された電荷発生層の上に、電
荷輸送層を形成した。すなわち、N,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(3−ビフェニル)−[1,1′−ビ
フェニル]−4,4′ジアミン4部とポリ(4,4−シ
クロヘキシリデンジフェニレンカーボネート)樹脂6部
をモノクロルベンゼン40部に溶解した。得られた塗布
液を図1の浸漬塗布装置を用いて電荷発生層の上に塗布
した。アルミニウムパイプを塗布液から引き上げる速度
は150mm/minとした。その時の塗布液温度は2
4℃とした。排出口12の位置としては、図1に示す液
受け槽からの距離aを300mm、塗布液槽液面から排
出口中央部までの高低差cを200mmとした。また、
塗布液循環流量は0.5リットル/min、オーバーフ
ロー管の径は、内径25mmφ、排出口の径bも内径2
5mmφとした。塗布したアルミニウムパイプは風乾し
た後、乾燥機に入れ、110℃において、60分間加熱
乾燥し、膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体ドラムを作成した。その条件で、14回繰り返し
塗布を行った。それぞれの膜厚ムラ値を表3に示す。膜
厚ムラ値は、塗布膜上端から20mm、50mm、16
0mm、300mmのそれぞれの箇所の円周方向(90
°間隔)、合計16点の膜厚値の最大値と最少値の差で
ある。ここで、24℃におけるモノクロルベンゼンの飽
和蒸気圧は、約9mmHg、空気に対する比重は約4で
あった。
【0025】比較例7 なお、比較のために、排出口を取付けない以外は、実施
例9と同一の条件で塗布操作を行った。その結果を表3
に示す。 比較例8 比較のために、図5に示すように、排出口12をフード
11の側面で塗布液面より高い箇所に設置した以外は、
実施例9と同一の条件で塗布操作を行った。その結果を
表3に示す。この場合、塗布液槽液面から排出口中央部
までの高低差cは、−50mmとし(排出口の方が液面
より50mm高い)、排出口の径bは25mmφとし
た。 比較例9 比較のために、比較例8における塗布液槽液面から排出
口中央部までの高低差cを0mm(排出口と液面高さが
等しい)とした以外は、比較例8と同一の条件で塗布操
作を行った。その結果を表3に示す。
【0026】実施例10 実施例9における塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを30mmとした以外は、実施例9と同一の条
件で塗布操作を行った。その結果を表3に示す。 実施例11 実施例9における塗布液槽液面から排出口中央部までの
高低差cを50mmとした以外は、実施例9と同一の条
件で塗布操作を行った。その結果を表3に示す。 実施例12 排出口の径bを40mmφとした以外は、実施例9と同
一の条件で塗布操作を行った。その結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】実施例13 有機ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC
540、松本製薬社製)10部、シランカップリング剤
(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1部、エタ
ノール45部、n−ブタノール20部からなる混合溶液
を用意し、図2の多本同時浸漬塗布装置を用いてアルミ
ニウムパイプ(0.75mmt×30mmφ×340m
m)上に塗布した。アルミニウムパイプを塗布液から引
き上げる速度は250mm/minとし、同時塗布本数
は14本とした。この時の塗布温度は24℃とした。排
出口26の位置としては、図2に示す液受け槽からの距
離eを300mm、塗布液槽液面から排出口中央部まで
の高低差gを200mmとした。また、塗布液循環流量
は5リットル/min、オーバーフロー管の径は、内径
44.6mmφ、排出口の径fも内径44.6mmφと
した。塗布したアルミニウムパイプは風乾した後、乾燥
機に入れ、150℃において、10分間加熱乾燥し、膜
厚0.1μmの下引き層を形成した。そのときの14本
それぞれの膜厚ムラ値を表4のその1に示す。表中のパ
イプ番号と、塗布液槽内の位置関係は、図3に示す通り
であった。図3に示すパイプ配列は、塗布液槽中央に位
置するパイプ(No.6、7、8、9)が周辺の溶剤蒸
気が抜けやすいよう、外側に位置するパイプ間にある。
ここで、膜厚ムラ値は、塗布膜上端から20mm、50
mm、160mm、300mmのそれぞれの箇所の円周
方向4点(90°間隔)、合計16点の膜厚値の最大値
と最小値の差である。24℃におけるエタノールの飽和
蒸気圧は、約60mmHgであり、n−ブタノールのそ
れは、約6mmHgであった。また、エタノールの蒸気
の空気に対する比重は、約1.6、ブタノールは2.6
であり、空気より重いものであった。
【0029】実施例14 図3に示すパイプ配列を図4のパイプ配列に変更し、同
時塗布本数を15本にした以外は、実施例13と同一の
条件で塗布操作を行った。その結果を表4のその1に示
す。
【0030】実施例15 ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化
学社製)1部をシクロヘキサノン19部に溶解し、この
溶液にジブロモアントアントロン顔料(商品名:モノラ
イトレッド2Y、ICI社製)8部、およびトリフルオ
ロ酢酸0.02部を混合した。次いで、1mmφガラス
ビーズを分散媒として、サンドミル装置で、顔料を分散
させた。得られた分散液にさらにシクロヘキサノンを加
えて、固形分濃度が約10%の塗布液を用意した。この
塗布液を図2の浸漬塗布装置を用いて、上記実施例13
によって作成された下引き層が形成されたアルミニウム
パイプの上に塗布した。アルミニウムパイプを塗布液か
ら引き上げる速度は170mm/minとし、同時塗布
本数は14本とした。この時の塗布温度は24℃とし
た。排出口26の位置としては、図2に示す液受け槽か
らの距離eを300mm、塗布液槽液面から排出口中央
部までの高低差gを200mmとした。また、塗布液循
環流量は5リットル/min、オーバーフロー管の径
は、内径44.6mmφ、排出口の径fも内径44.6
mmφとした。塗布したアルミニウムパイプは風乾した
後、乾燥機に入れ、100℃において、10分間加熱乾
燥し、膜厚0.8μmの電荷発生層を形成した。その時
の14本それぞれの膜厚ムラ値を表4のその2に示す。
表中のパイプ番号と、塗布液槽内の位置関係は、図3に
示す通りであった。図3に示すパイプ配列は、塗布液槽
中央に位置するパイプ(No.6、7、8、9)が周辺
の溶剤蒸気が抜けやすいよう、外側に位置するパイプ間
にある。ここで、膜厚ムラ値は、塗布膜上端から20m
m、50mm、160mm、300mmのそれぞれの箇
所の円周方向4点(90°間隔)、合計16点の膜厚値
の最大値と最小値の差である。ここで24℃におけるシ
クロヘキサノンの飽和蒸気圧は、約5mmHgであり、
空気に対する比重は、約3.5であった。
【0031】実施例16 図3に示すパイプ配列を図4のパイプ配列に変更し、同
時塗布本数を15本にした以外は、実施例15と同一の
条件で塗布操作を行った。その結果を表4のその2に示
す。
【0032】実施例17 上記実施例15により形成された電荷発生層の上に、電
荷輸送層を形成した。すなわち、N,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(3−ビフェニル)−[1,1′−ビ
フェニル]−4,4′ジアミン4部とポリ(4,4−シ
クロヘキシリデンジフェニレンカーボネート)樹脂6部
をモノクロルベンゼン40部に溶解した。得られた塗布
液を図2の浸漬塗布装置を用いて電荷発生層の上に塗布
した。アルミニウムパイプを塗布液から引き上げる速度
は150mm/minとし、同時塗布本数は14本とし
た。この時の塗布温度は24℃とした。排出口26の位
置としては、図2に示す液受け槽からの距離eを300
mm、塗布液槽液面から排出口中央部までの高低差gを
200mmとした。また、塗布液循環流量は5リットル
/min、オーバーフロー管の径は、内径44.6mm
φ、排出口の径fも内径44.6mmφとした。塗布し
たアルミニウムパイプは風乾した後、乾燥機に入れ、1
10℃において、60分間加熱乾燥し、膜厚18μmの
電荷輸送層を形成し、電子写真感光体ドラムを作製し
た。その時の14本それぞれの膜厚ムラ値を表4のその
3に示す。表中、パイプ番号と塗布液槽内の位置関係
は、図3に示す通りであった。図3に示すパイプ配列
は、塗布液槽中央に位置するパイプ(No.6、7、
8、9)が周辺の溶剤蒸気が抜けやすいよう、外側に位
置するパイプ間にある。ここで、膜厚ムラ値は、塗布膜
上端から20mm、50mm、160mm、300mm
のそれぞれの箇所の円周方向4点(90°間隔)、合計
16点の膜厚値の最大値と最小値の差である。ここで2
4℃におけるモノクロルベンゼンの飽和蒸気圧は、約9
mmHgであり、空気に対する比重は、約4であった。
【0033】実施例18 図3に示すパイプ配列を図4のパイプ配列に変更し、同
時塗布本数を15本にした以外は、実施例17と同一の
条件で塗布操作を行った。その結果を表4のその3に示
す。
【0034】
【表4】
【0035】実施例19 アルミニウムパイプ上に直接電荷輸送層を形成した。す
なわち、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−
ビフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジ
アミン4部とポリ(4,4−シクロヘキシリデンジフェ
ニレンカーボネート)樹脂6部をテトラヒドロフラン4
0部に溶解した。得られた塗布液を図2の多本同時浸漬
塗布装置を用いて塗布した。アルミニウムパイプを塗布
液から引き上げる速度は150mm/minとし、同時
塗布本数は14本とした。この時の塗布温度は24℃と
した。排出口26の位置としては、図2に示す液受け槽
からの距離eを600mm、塗布液槽液面から排出口中
央部までの高低差gを300mmとした。また、塗布液
循環流量は5リットル/min、オーバーフロー管の径
は、内径44.6mmφ、排出口の径fは内径15mm
φとした。塗布したアルミニウムパイプは風乾した後、
乾燥機に入れ、110℃において、60分間加熱乾燥
し、膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光
体ドラムを作製した。その時の14本それぞれの膜厚ム
ラ値を表5に示す。表中、パイプ番号と塗布液槽内の位
置関係は、図3に示す通りであった。図3に示すパイプ
配列は、塗布液槽中央に位置するパイプ(No.6、
7、8、9)が周辺の溶剤蒸気が抜けやすいよう、外側
に位置するパイプ間にある。ここで、膜厚ムラ値は、塗
布膜上端から20mm、50mm、160mm、300
mmのそれぞれの箇所の円周方向4点(90°間隔)、
合計16点の膜厚値の最大値と最小値の差である。ここ
で24℃におけるテトラヒドロフランの飽和蒸気圧は、
約170mmHgであり、空気に対する比重は、約2.
5であった。
【0036】実施例20 塗布液温度を35℃とした以外は、実施例19と同一の
条件で塗布操作を行った。その結果を表5に示す。35
℃におけるテトラヒドロフランの飽和蒸気圧は、約27
0mmHgである。 比較例10 比較のために、塗布液溶剤をテトラヒドロフランから塩
化メチレンに変更した以外は、実施例19と同一の条件
で塗布操作を行った。その結果を表5に示す。24℃に
おける塩化メチレンの飽和蒸気圧は、約350mmHg
であり、空気に対する比重は、約1.8である。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】上記の比較から明らかなように、本発明
の電子写真感光体製造用浸漬塗装置を用いる本発明の浸
漬塗布法によれば、各円筒状基体に形成された感光体構
成層の膜厚は、全ての円筒状基体で均一性が高く、した
がって良好な電子写真感光体ドラムを作製することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1本取り浸漬塗布装置の一例であっ
て、本発明を実施する際の塗布状態を示す概略断面図で
ある。
【図2】 本発明の多本同時浸漬塗布装置の一例であっ
て、本発明を実施する際の塗布状態を示す概略断面図で
ある。
【図3】 本発明を実施するための多本同時浸漬塗布装
置において、円筒状基体の配列状態の一例を示す概略平
面図である。
【図4】 本発明を実施するための多本同時浸漬塗布装
置において、円筒状基体の他の配列状態を示す概略平面
図である。
【図5】 比較のための一本取り浸漬塗布装置であっ
て、円筒状基体の塗布状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…塗布液、2…液受けタンク、3…供給配管、4…ポ
ンプ、5…フィルター、6…塗布液槽、7…塗布液受け
槽、8…オーバーフロー管、9…円筒状基体、10…塗
布液槽液面(オーバーフロー面)、11…フード、12
…排出口、13…溶剤蒸気通過間隔、14…塗布液、1
5…液受けタンク、16…供給配管、17…ポンプ、1
8…フィルター、19…塗布液槽、20…メッシュ、2
1…塗布液受け槽、22…オーバーフロー管、23…円
筒状基体、24…塗布液槽液面(オーバーフロー面)、
25…フード、26…排出口、27…溶剤蒸気通過間
隔、a…液受け槽からの距離、b…排出口の径、c…塗
布液槽液面から排出口中央部までの高低差、e…液受け
槽からの距離、f…排出口の径、g…塗布液槽液面から
排出口中央部までの高低差。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村岡 一成 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−196045(JP,A) 特開 昭59−127049(JP,A) 特開 平1−200260(JP,A) 特開 平2−4470(JP,A) 特開 平2−21962(JP,A) 特開 平4−255858(JP,A) 実開 平1−73371(JP,U) 実開 平2−147271(JP,U) 実開 昭63−126075(JP,U) 実開 昭63−201673(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/05 102 B05C 3/02 B05D 1/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液を収容する塗布液槽、該塗布槽よ
    りオーバーフローする塗布液を回収するためのオーバー
    フロー管及び液受けタンク、回収した塗布液を塗布槽に
    供給する塗布液循環手段を設けてなり、円筒状基体を塗
    布液中に浸漬し、引上げて塗布する電子写真感光体製造
    用浸漬塗布装置において、溶剤蒸気排出口を、該オーバ
    ーフロー管の途中の塗布槽の液面よりも低い位置に、塗
    布液循環手段の外部に排出するように設けてなることを
    特徴とする電子写真感光体製造用浸漬塗布装置。
  2. 【請求項2】 円筒状基体を、塗布槽に収容された塗布
    液中に浸漬し、引上げて感光体構成層を形成する電子写
    真感光体の製造方法において、該塗布液槽よりオーバー
    フローする塗布液をオーバーフロー管で回収して循環さ
    せ、該オーバーフロー管の途中であって、該塗布槽の液
    面よりも低い位置に設けられた溶剤蒸気排出口より溶剤
    蒸気を塗布液循環手段の外部に排出しながら浸漬塗布を
    行うことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗布液の溶剤蒸気の比重が空気よりも重
    いものであることを特徴とする請求項2記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 塗布液における溶剤蒸気の飽和蒸気圧が
    300mmHg以下であることを特徴とする請求項2記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 複数の円筒状基体を同時に塗布液中に浸
    漬し、引上げて感光体構成層を形成することを特徴とす
    る請求項2記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 互いに隣接する円筒状基体の距離が等し
    いように複数の円筒状基体を配置して浸漬塗布を行うこ
    とを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 塗布液が下引き層形成用塗布液である請
    求項2記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 塗布液が電荷輸送層形成用塗布液である
    請求項2記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 塗布液が電荷発生層形成用塗布液である
    請求項2記載の電子写真感光体の製造方法。
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