JP2001109175A - 電子写真画像形成部材の製造方法 - Google Patents

電子写真画像形成部材の製造方法

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JP2001109175A
JP2001109175A JP2000274000A JP2000274000A JP2001109175A JP 2001109175 A JP2001109175 A JP 2001109175A JP 2000274000 A JP2000274000 A JP 2000274000A JP 2000274000 A JP2000274000 A JP 2000274000A JP 2001109175 A JP2001109175 A JP 2001109175A
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ジェイ エヴァンス ケント
Robert F Dunham
エフ ダナム ロバート
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エイチ ウィルナウ アルフレッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層電子写真画像形成部材を製造を改善す
る。 【解決手段】 溶液に分散された光導電粒子を含む基板
露出面と接触している第1の被膜と電荷輸送小分子の溶
媒に溶解された前記電荷輸送層小分子と膜形成性結合剤
の溶液を含む前記第1の被膜に接触している第2の被膜
とを含む二つの湿り被膜を前記露出面に塗布ダイから同
時に塗布する工程と、前記二つの湿り被膜を乾燥し溶媒
を除去して約0.1〜約10μmの間の厚さを有する第1の
乾燥被膜および約4μm〜約20μmの間の厚さの第2の
乾燥被膜を形成する工程と、前記第2の被膜中の電荷輸
送小分子、膜形成性結合剤および溶媒と実質的に同じ電
荷輸送層小分子、膜形成性結合剤および溶媒を含有する
溶液を含み前記第2の被膜に接触している少なくとも第
3の被膜を塗布する工程と、前記第3の被膜を乾燥して
約13μm〜20μmの厚さの第3の乾燥被膜を形成する工
程と、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広くは、電子写真
画像形成部材を製造する方法に関し、更に詳しくは、電
荷発生層と電荷輸送層を同時に形成し、その後、もう一
つの電荷輸送層を形成することに関する。
【0002】
【従来の技術】より進歩した複雑で極めて精巧な電子写
真複写機、複製機およびプリンタが開発されるにつれ
て、高品質画像の製作に関する厳しい要件を満足させる
ために感光体に対する要求がより強くなった。例えば、
現代の多くの光導電画像形成部材において見られる多く
の層は、何千ものサイクルにわたって優れたトナー画像
を提供するために、均一であり、欠陥がなく、隣接層に
よく接着すると共に、狭い動作限界内で予測できる電気
特性を示さなければならない。電子写真画像形成システ
ムにおいてドラムまたはベルトとして用いられてきた多
層感光体の一つのタイプは、基板、導電層、電荷遮断
層、接着剤層、電荷発生層および電荷輸送層を含む。こ
の感光体は、上塗り層などの別の層を含むことも可能で
ある。優れたトナー画像を多層感光体で得ることが可能
であるけれども、おびただしい層が多層感光体の融通性
を制限することが分かってきた。電荷輸送層の例えば、
29μmの厚い層がワンパスで形成される時、雨だれ模
様が最終乾燥感光体の露光された画像形成表面上に発生
する。
【0003】この雨だれ現象は、比較的厚い(例えば、
29μm)電荷輸送層を有する感光体における被膜の厚
さ変動(頻度が高い)によって起きるプリント欠陥であ
る。より詳しくは、本明細書において用いられる「雨だ
れ」という表現は、輸送層の厚さの頻度が高い変動とし
て定義される。変動の周期は0.1cm〜2.5cmの
範囲である。変動の幅は、0.5μm〜1.5μmの間
である。変動は、単位面積当たりに基づいて定義するこ
ともできる。輸送層の厚さ変動により起きうる雨だれ
は、0.5〜1.5μm/cm2の範囲である。雨だれ
の形態学的構造は、感光体装置をどこでどのように被覆
するかに応じて変わりうる。その構造は、周期的である
かランダムでありうるし、対称かまたは配向されうる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した電子写真画像
形成部材がその所期の目的のために適しうる一方で、特
に可撓性ベルトにおける多層電子写真画像形成部材を製
造する方法のための改善された画像形成部材が必要とさ
れ続けている。
【0005】前に形成された電荷発生層上に二つのより
薄い被膜を塗布することにより比較的厚い電荷輸送層を
形成すると、被膜厚さの均一性が大幅に高まり、「雨だ
れ」欠陥を回避する。しかし、このアプローチは、電荷
輸送層を形成するためにワンパスではなく塗布ツーパス
を必要とすると共に、必要な余分の塗布パスおよび生産
性の低下のために生産コストを増加させる。
【0006】幾つかの電荷輸送層被覆溶液による約14
〜14.5μm(乾燥状態で測定した時のもの)より薄
い電荷輸送層は、リブ(ribbing)不安定性として知ら
れている激しい欠陥の原因になる。この不安定性は、幅
約0.25cm〜1cmの未被覆ラインによって分離さ
れる幅約0.25cm〜1cmの個々の被膜ラインの外
観をもつ乾燥被膜の原因になる。
【0007】従って、本発明の目的は、電子写真画像形
成部材を製造するための改善された方法を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的およびその
他の目的は、露出面を有する基板を形成する工程と、膜
形成性結合剤と前記結合剤用の所定量の溶媒とからなる
溶液に分散された光導電粒子を含む前記露出面と接触し
ている第1の被膜と、電荷輸送小分子と膜形成性結合剤
とを所定量の溶媒に溶解された前記電荷輸送層小分子と
前記膜形成性結合剤との溶液を含む前記第1の被膜に接
触している第2の被膜と、を含む二つの湿り被膜を塗布
ダイから同時に前記露出面に塗布ダイから同時に塗布す
る工程と、前記二つの湿り被膜を乾燥し、実質的にすべ
ての溶媒を除去して約0.1〜約10μmの間の厚さを
有する第1の乾燥被膜および約4μm〜約20μmの間
の厚さを有する第2の乾燥被膜を形成する工程と、前記
第2の被膜中の電荷輸送小分子と膜形成性結合剤と溶媒
と実質的に同じ電荷輸送層小分子と膜形成性結合剤と溶
媒とを含有する溶液を含み、前記第2の被膜に接触して
いる少なくとも第3の被膜を塗布する工程と、前記第3
の被膜を乾燥して約13μm〜20μmの間の厚さを有
する第3の乾燥被膜を形成する工程と、を含む電子写真
画像形成部材を製造する方法を提供することにより本発
明によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】雨だれ欠陥を排除するために必要
な均一性を達成するために、第1の輸送層および第2の
輸送層の厚さおよび輸送被覆溶液は、幾つかの要件を満
足させなければならない。より詳しくは、輸送層溶液の
第1の塗布は、乾燥状態の厚さが約20μmより薄いよ
うな塗布でなければならない。さらに、経験によると、
第1の輸送層溶液の最小厚さは、電荷発生層分散液を同
時に塗布する時、連続膜を得るために乾燥状態で約4μ
mより厚くなければならないことが分かっている。本明
細書において用いられる「乾燥状態」という表現は、乾
燥された層の全重量に対して約10重量%未満の残留溶
媒含有率として定義される。新しく塗布された液体層の
厚さが固形物濃度に応じて変動しうるので、異なる固形
物濃度のこれらの液体層が同じ厚さを有する「乾燥状
態」における層をたとえ形成しうるとしても、「乾燥状
態」という表現は、本発明をより適切に記述するための
共通標準として用いられる。
【0010】第2の塗布も、乾燥状態厚さが約20μm
より薄いような塗布でなければならない。さらに、経験
によると、第2の溶液の最小厚さも、連続膜を得るため
に乾燥状態で約13μmより厚くなければならないこと
が分かっている。
【0011】第1の輸送層のための全溶液固形物は、電
荷輸送小分子および膜形成性結合剤の総使用量に対して
約10重量%より多いのがよい。溶液の粘度は約70c
pより高いのがよい。
【0012】第2の輸送層の全溶液固形物は、電荷輸送
小分子および膜形成性結合剤の総使用量に対して約13
重量%より多いのがよい。溶液の粘度は約400cpよ
り高いのがよい。
【0013】数学的には、要件は、δ=L1+L2,の
通り表すことができる。式において、4〜<L1、13
〜<L2〜<20であり、δ、L1およびL2は、μm
単位の乾燥層厚さである。
【0014】一般に、感光体は、導電表面層を有する支
持基板と、導電表面上の任意の電荷遮断層と、任意の接
着剤層と、遮断層上の電荷発生層と、電荷発生層上の輸
送層と、を含む。
【0015】支持基板は、不透明または実質的に透明で
あることが可能であり、必要な機械的特性を有する種々
の材料から製造することができる。支持基板は、非導電
または導電、無機または有機組成の材料を含むことが可
能である。支持基板は、硬質または可撓性であることが
可能であり、例えば、円筒体、シート、スクロールまた
はエンドレス可撓性ベルトなどの多くの異なる形状を有
することが可能である。好ましくは、支持基板は、エン
ドレス可撓性ベルトの形状であり、デュポン・ヌムール
(E.I.du Pont de Nemours &
Co.)から入手できるMylar(登録商標)また
はICIから入手できるMelinex(登録商標)と
して知られている市販の二軸延伸ポリエステルを含む。
この目的のために知られている非導電性材料の例には、
ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリアミド類お
よびポリウレタン類などが挙げられる。
【0016】支持基板の平均厚さは、経済的な配慮を含
む多くの要素に応じて決まる。可撓性ベルトは、最終多
層感光体装置に悪い影響を及ぼさないかぎり、例えば、
200μmを超える実質的な厚さのもの、あるいは50
μm未満の最小厚さのものであることが可能である。可
撓性ベルトの一つの実施形態において、支持層の平均厚
さは、小径のロール、例えば、12mm径のロールまわ
りで反復する時、最適可撓性および最小伸びのために約
65μm〜約150μm、好ましくは、約75μm〜約
125μmの範囲である。
【0017】導電表面層は、多層感光体のために必要な
光学的透明性および可撓性に応じて実質的に広い範囲に
わたって平均厚さが異なることが可能である。従って、
可撓性多層感光体が必要である時、導電表面層の厚さ
は、導電性、可撓性および光透過性の好ましい組合せの
ために、約20オングストローム単位〜約750オング
ストローム単位(約2nm単位〜約75nm単位)、更
に好ましくは約50オングストローム単位〜約200オ
ングストローム単位(約5nm〜約20nm)の間であ
ることが可能である。導電表面層は、真空蒸着などの塗
布技術によって、例えば、支持層上に形成される金属層
であることが可能である。この目的のために用いられる
代表的な金属には、アルミニウム、ジルコニウム、ニオ
ブ、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッ
ケル、ステンレススチール、クロム、タングステンおよ
びモリブデンなどが挙げられる。有用な金属合金は、ジ
ルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニウ
ム、チタン、ニッケル、ステンレススチール、クロム、
タングステンおよびモリブデンなどの二種以上の金属を
含有することが可能である。金属層を形成するために用
いられる技術に関係なく、金属酸化物の薄層は、空気に
さらされると殆どの金属の外面上に発生しうる。金属酸
化物の薄層は、電気的な挙動を改善するために、約30
オングストローム〜約60オングストローム(約3nm
〜約6nm)の平均厚みを有することが好ましい。導電
表面層は金属に限定する必要はない。導電層の他の例
は、約4000オングストローム〜約7000オングス
トローム(約400nm〜約700nm)の間の波長を
有する光のための透明層としての導電酸化インジウム
錫、あるいは不透明導電層としてプラスチック結合剤に
分散された導電性カーボンブラックなどの材料の組合せ
であることが可能である。
【0018】導電表面層の塗布後に、任意の遮断層を導
電表面層に塗布することができる。一般に、正に帯電し
た感光体用の電子遮断層によって、感光体の画像形成表
面からの正孔は導電層に向かって移動できる。負に帯電
したシステムにおいて用いる場合、隣接した多層感光体
層と下にある導電層との間の正孔に電子障壁を形成でき
る適切なあらゆる遮断層を利用することができる。遮断
層は、有機または無機であることが可能であると共に、
適するあらゆる技術によって塗布することができる。例
えば、遮断層が溶媒に可溶である場合、それを溶液とし
て塗布することができ、その後溶媒は、乾燥によるなど
の従来のあらゆる方法によって除去することができる。
代表的な遮断層には、有機金属塩を含有するポリビニル
ブチラール、オルガノシラン類、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ピロキシリ
ン塩化ビニリデン樹脂、シリコーン樹脂およびフルオロ
カーボン樹脂などが挙げられる。その他の遮断層材料に
は、トリメトキシシリルプロピレンジアミン、加水分解
トリメトキシシリルプロピルエチレンジアミン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、[H2N(CH24]CH3Si(OCH32
(γ−アミノブチル)メチルジエトキシシラン、[H2
N(CH23]CH3Si(OCH32、(γ−アミノ
プロピル)メチルジエトキシシランなどの窒素含有シロ
キサンまたは窒素含有チタン化合物が挙げられる。遮断
層は、加水分解シランと酸化性金属導電表面の外面上に
形成される金属酸化物薄層との間の反応生成物を含みう
る。
【0019】遮断層は連続であるのがよく、通常は、約
5000オングストローム単位(約500nm)未満の
平均厚さをもつ。多層感光体の露光後に電荷中和が促進
されると共に、改善された電気的性能が達成されるの
で、約50オングストローム単位〜約3000オングス
トローム単位(約5nm単位〜約300単位)の間の遮
断層は好ましい。遮断層は、噴霧、浸漬塗布、引張棒塗
布、グラビア塗布、シルクスクリーニング、エアーナイ
フ塗布、リバースロール塗布、真空蒸着および化学的処
理などの適する技術によって塗布することができる。
【0020】必要ならば、任意の接着剤層は、正孔遮断
層または導電表面に塗布することができる。代表的な接
着剤層には、すべてグッドイヤー(Goodyear
Tire and Rubber Co.)から入手で
きるVitel PE−100(登録商標)、Vite
l PE−200(登録商標)、Vitel PE−2
00D(登録商標)およびVitel PE−222
(登録商標)、duPont4900ポリエステルなど
のポリエステル樹脂およびポリビニルブチラールなどが
挙げられる。接着剤層を用いる時、それは連続であるの
がよく、好ましくは約200オングストローム単位〜約
900オングストローム単位(約20nm単位〜約90
nm単位)の間、更に好ましくは約400オングストロ
ーム単位〜約700オングストローム単位(約40nm
単位〜約70nm単位)の間の平均乾燥厚さを有する。
適するあらゆる溶媒または溶媒混合物は、接着剤層材料
の被覆溶液を形成するために用いることができる。代表
的な溶媒には、テトラヒドロフラン、トルエン、塩化メ
チレン、シクロヘキサノンおよびそれらの混合物が挙げ
られる。代表的な塗布技術には、噴霧、浸漬塗布、ロー
ル塗布および線巻棒塗布などが挙げられる。塗布された
被膜の乾燥は、オーブン乾燥、赤外線乾燥および空気乾
燥などの適する技術によって行うことができる。
【0021】電荷発生層は、どちらでも用いられていれ
ば遮断層または接着剤層に塗布される。発生層は非被覆
基板または被覆基板に塗布できるので、発生層によって
被覆される対象物を便宜上「露出面を有する基板」と本
明細書において呼ぶ。発生層には、本明細書において記
載された第1の複数の電荷輸送層を同時に塗布される。
電荷発生層の例には、膜形成性高分子結合剤に分散され
た非晶質セレン、三方晶セレン、およびセレン−テル
ル、セレン−テルル−砒素、砒化セレンならびにそれら
の混合物からなる群から選択されるセレン合金などの無
機光導電粒子、ならびに無金属フタロシアニンのX形態
などの種々のフタロシアニン顔料、バナジルフタロシア
ニン、チタニルフタロシアニンおよび銅フタロシアニ
ン、キナクリドンなどの金属フタロシアニン、ベンズイ
ミダゾールペリレンおよび置換3,4−ジアミノトリア
ジン、多核性芳香族キノンなどを含む有機光導電粒子が
挙げられる。追加の光導電層が電荷発生層の特性を改善
しうるか、あるいは低下させうる光発生多層組成物は利
用することができる。当該技術分野において知られてい
るその他の適する電荷発生材料も必要ならば用いること
ができる。バナジルフタロシアニン、チタニルフタロシ
アニン、無金属フタロシアニン、ベンズイミダゾールペ
リレン、非晶質セレン、三方晶セレン、セレン−テル
ル、セレン−テルル−砒素および砒化セレンなど、なら
びにそれらの混合物などの光導電材料を含む粒子または
層を含む電荷発生結合剤層は、白色光に対する感度のゆ
えに特に好ましい。バナジルフタロシアニン、チタニル
フタロシアニン、無金属フタロシアニンおよびテルル合
金も好ましい。これらの材料は赤外光に対して感度がよ
いという別の利点をもたらすからである。
【0022】電荷発生結合剤層中で、多くの不活性樹脂
材料を用いることができる。代表的な有機樹脂結合剤に
は、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアミド
類、ポリウレタン類、ポリスチレン類、ポリアリールエ
ーテル類、ポリアリールスルホン類、ポリブタジエン
類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、ポリエ
チレン類、ポリプロピレン類、ポリイミド類、ポリメチ
ルペンテン類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリ酢酸
ビニル、ポリシロキサン類、ポリアクリレート類、ポリ
ビニルアセタール類、ポリアミド類、ポリイミド類、ア
ミノ樹脂、フェニレンオキシド樹脂、テレフタル酸樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレンとア
クリロニトリルとのコポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、アクリレートコポ
リマーが挙げられる。これらのポリマーは、ブロックコ
ポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーで
あることが可能である。
【0023】電荷輸送セグメントを含む活性輸送ポリマ
ーも電荷発生層中の結合剤として用いることができる。
これらのポリマーは、キャリア発生顔料粒子の濃度が低
く、キャリア発生層の平均厚さが約0.7μmより実質
的に厚い場合に特に有用である。結合剤として一般に用
いられる活性ポリマーは、ポリビニルカルバゾールであ
り、その機能は、それがなければ層中に捕捉されるであ
ろうキャリアを輸送することである。
【0024】電気的に活性の高分子アリールアミン化合
物は、ポリビニルカルバゾール結合剤あるいは別の活性
または不活性結合剤の代わりに電荷発生層中で用いるこ
とができる。電荷発生層中で用いるべき活性樹脂材料の
一部または全部の代わりに電気的に活性の高分子アリー
ルアミン化合物を用いることができる。
【0025】光発生組成物または顔料は、種々の量で樹
脂結合剤組成物中に存在するが、一般に、約5体積%〜
約90体積%の光発生顔料は、約95体積%〜約10体
積%の樹脂結合剤に分散され、好ましくは約20体積%
〜約30体積%光発生顔料は、約80体積%〜約70体
積%の樹脂結合剤組成物に分散される。一つの実施形態
において、約8体積%の光発生顔料は、約92体積%の
樹脂結合剤組成物に分散される。
【0026】液体押出電荷発生層被膜は、連続であると
共に必要な所定の乾燥層厚さをもたらすために十分に厚
いのがよい。光導電組成物および/または顔料および樹
脂結合剤材料を含有する電荷発生層は、一般に約0.1
μm〜約10μmの平均乾燥厚さの範囲であり、好まし
くは約0.3μm〜約3μmの平均乾燥厚さを有する。
電荷発生層の厚さは結合剤含有率に関連している。より
高い結合剤含有率組成物は、一般に、より厚い光発生層
を必要とする。本発明の目的を達成するかぎりこれらの
範囲外の厚さを選択することができる。
【0027】本発明の同時押出方法によって、従来の押
出技術によって形成される電荷発生層より薄い電荷発生
層を形成することができる。さらに、約30センチポイ
ズ未満の粘度を有するニュートンの分散液が関わると共
に従来技術によって乾く電荷発生層の被覆のために従来
技術を用いる試みは、対流セル問題、光点、ロール模
様、ランバック(乾燥機中で)および乾燥模様に直面し
うる。しかし、本発明の発生層と第1の輸送層の同時被
覆によって、約70センチポイズ未満の粘度を有するニ
ュートンの分散液を被覆することが可能であると共に、
これらの問題を回避することが可能である。
【0028】発生層を塗布するために、適するあらゆる
同時塗布技術を利用することができる。代表的な塗布技
術には、例えば、多重スロットコーティング、二重スロ
ットコーティング、共押出単一スロットコーティング、
多層スライドコーティング、カーテンコーティングおよ
び多層カーテンコーティングなどが挙げられる。発生層
と第1の輸送層を同時に塗布する場合、発生層を塗布す
る塗布技術は、第1の輸送層を塗布するために用いられ
る塗布技術と同じかまたは異なることが可能である。同
時に塗布された被膜は、第1の輸送層と基板との間に発
生層を挟むようになる。本明細書において用いられる
「同時に」という表現は、基板に接触する前あるいは基
板に接触すると同時に互いに接触する液体被膜を塗布す
るとして定義される。基板との接触点で、液体は、内部
液−液界面を共有すると定性的に考えられる。この界面
は、二相間の真の分離を表すものであるか、あるいは二
層間の混和性の領域を単に表すだけのものでありうる。
本明細書において用いられる「液体被膜」は、塗布の時
点で流動性液体状態にある被膜として定義される。液体
発生層分散液の場合、液体溶媒は、膜形成性結合剤用の
溶媒であるが、通常は分散光導電粒子用の溶媒ではな
い。両方の層のために用いられる溶媒は、塗布の時点で
液体状態の層間で混和性であるか、あるいは相互拡散性
でなければならない。乾燥状態においては、混和性また
は相互拡散性の必要はない。各層は、離散非混和性相で
あることが可能であり、多くの場合そうである。
【0029】電荷発生層が第1の電荷輸送層の塗布前に
別個に乾燥されないので、別個の乾燥ステップおよび長
い処理経路がなくなる。さらに、発生層と第1の輸送層
の同時被覆は、極めて小さい領域で達成でき、よって発
生層のみのための別個の被覆区画と乾燥区画を排除す
る。
【0030】活性電荷輸送層は、光発生した正孔および
電子の電荷発生層からの注入を支持することが可能であ
ると共に、これらの正孔または電子の電荷輸送層を通し
た輸送を可能にして選択的に表面電荷を放電させること
が可能である適するあらゆる非高分子小分子電荷輸送材
料を含むことが可能である。活性電荷輸送層は、正孔ま
たは電子を輸送するように機能するだけでなく、電荷発
生層を磨耗または化学的侵食から保護し、よって感光体
画像形成部材の動作寿命を延長させる。従って、活性電
荷輸送層は、光発生した正孔または電子の発生層からの
注入を支持する実質的に非光導電材料である。活性輸送
層は、効果的な光発生のために入射放射線の大部分が下
にある電荷発生層によって確実に利用されるように、活
性層を通して露光が行われる時に通常は透明である。本
発明における発生層と合わせた電荷輸送層は、輸送層上
に配置された静電電荷が活性化光源の存在しない状態で
伝導されない程度に絶縁材である材料である。簡単のた
めに、電荷キャリアまたは正孔の輸送について論じる。
しかし、電子の輸送も本発明の範囲内として考慮されて
いる。
【0031】適するあらゆる可溶性非高分子小分子輸送
材料は、電荷輸送層被覆混合物中で用いることができ
る。小分子輸送材料が電気的に不活性な高分子膜形成性
材料に分散されることにより、これらの材料は電気的に
活性になる。これらの非高分子活性化材料は、光発生し
た正孔の発生材料からの注入を支持することがでキず、
またこれらの正孔の発生材料を通した輸送を可能にする
ことができない膜形成性高分子材料に添加される。これ
は、光発生した正孔の発生材料からの注入を支持するこ
とができると共にこれらの正孔の活性層を通した輸送を
可能にすることができる材料に電気的に不活性な高分子
材料を変換して、活性層上の表面電荷を放電させる。
【0032】膜形成性結合剤中において分子規模で可溶
または分散性である適するあらゆる非高分子小分子電荷
輸送材料は、本発明の電荷輸送層の連続相中で利用する
ことができる。電荷輸送分子は、加えられた電場の中で
電荷注入可能化粒子によって注入される電荷キャリアを
輸送することが可能であるのがよい。電荷輸送分子は、
正孔輸送分子または電子輸送分子であることが可能であ
る。代表的な電荷輸送材料には、ジアミン輸送分子、ピ
ラゾリン輸送分子、置換フルオレン電荷輸送分子、2,
5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール輸送分子、
ピラゾリン、イミダゾリン、トリアゾール、ヒドラゾン
およびアルキル−ビス(N,N’−ジアルキルアミノア
リール)メタン、シクロアルキル−ビス(N,N−ジア
ルキルアミノアリール)メタンおよびシクロアルケニル
−ビス(N,N−ジアルキルアミノアリール)メタンな
どの三置換メタンが挙げられる。
【0033】代表的なジアミン輸送分子には、アルキル
が例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルなど
であるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(アルキ
ルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−
ジアミン、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス(3''−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−
ビフェニル]−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ビス(2−メチルフェニル)−[1,
1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、N,N’−
ジフェニル−N,N’−ビス(3−エチルフェニル)−
[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、N,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−エチルフェニ
ル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミ
ン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−n−
ブチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,
4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(3−クロロフェニル)−[1,1’−ビフェニル]
−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(4−クロロフェニル)−[1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス(フェニルメチル)−[1,1’−ビ
フェニル]−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’
−テトラフェニル−[2,2’−ジメチル−1,1’−
ビフェニル]−4,4’−ジアミン、N,N,N’,
N’−テトラ(4−メチルフェニル)−[2,2’−ジ
メチル−1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミ
ン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メチ
ルフェニル)−[2,2’−ジメチル−1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス(2−メチルフェニル)−[2,2’
−ジメチル−1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジア
ミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)−[2,2’−ジメチル−1,1’−ビ
フェニル]−4,4’−ジアミンおよびN,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−ピレ
ニル−1,6−ジアミンなどが挙げられる。
【0034】代表的なピラゾリン輸送分子には、1−
[レピジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−[キノリル−(2)]−3−(p−ジエチルア
ミノフェニル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジ
エチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシピリジル−
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェ
ニル−3−[p−ジメチルアミノスチリル]−5−(p
−ジメチエルアミノスチリル)ピラゾリンおよび1−フ
ェニル−3−[p−ジエチルアミノスチリル]−5−
(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどが挙げ
られる。
【0035】代表的なフルオレン電荷輸送分子には、9
−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、
9−(4’−メトキシベンジリデン)フルオレン、9−
(2’,4’−ジメトキシベンジリデン)フルオレン、
2−ニトロ−9−ベンジリデン−フルオレンおよび2−
ニトロ−9−(4’−ジエチルアミノベンジリデン)フ
ルオレンなどが挙げられる。
【0036】ヒドラゾンには、例えば、p−ジエチルア
ミノベンズアルデヒド−(ジフェニルヒドラゾン)、o
−エトキシ−p−ジエチルアミノベンズアルデヒドー
(ジフェニルヒドラゾン)、o−メチル−p−ジエチル
アミノベンズアルデヒド−(ジフェニルヒドラゾン)、
o−メチル−p−ジメチルアミノベンズアルデヒド−
(ジフェニルヒドラゾン)、p−ジプロピルアミノベン
ズアルデヒド−(ジフェニルヒドラゾン)、p−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−(ベンジルフェニルヒドラ
ゾン)、p−ジブチルアミノベンズアルデヒド−(ジフ
ェニルヒドラゾン)およびp−ジメチルアミノベンズア
ルデヒド−(ジフェニルヒドラゾン)などが挙げられ
る。その他のヒドラゾン輸送分子には、1−ナフタレン
カルバルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、
1−ナフタレンカルバルデヒド1,1−フェニルヒドラ
ゾン、4−メトキシナフタレン−1−カルバルデヒド1
−メチル−1−フェニルヒドラゾンおよびその他のヒド
ラゾン輸送分子が挙げられる。
【0037】なおもう一つの電荷輸送分子は、カルバゾ
ールフェニルヒドラゾンである。カルバゾールフェニル
ヒドラゾン輸送分子の代表的な例には、9−メチルカル
バゾール−3−カルバルデヒド−1,1−ジフェニルヒ
ドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルバルデヒ
ド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチル
カルバゾール−3−カルバルデヒド−1−エチル−1−
フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カ
ルバルデヒド−1−エチル−1−ベンジル−1−フェニ
ルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルバル
デヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾンおよびその他の
適するカルバゾールフェニルヒドラゾン輸送分子が挙げ
られる。
【0038】電荷輸送層形成溶液は、好ましくは、活性
化化合物として芳香族アミン化合物を含む。本発明の二
つ以上の電荷輸送層被膜を製造するために用いられる特
に好ましい電荷輸送層組成物は、好ましくは、約35%
〜約45重量%の少なくとも一種の電荷輸送芳香族アミ
ン化合物と、芳香族アミンが中で可溶である約65%〜
約55重量%の高分子膜形成性樹脂とを含む。置換基に
は、NO2基およびCN基などの電子求引基がないのが
よい。代表的な芳香族アミン化合物には、例えば、不活
性樹脂結合剤に分散されたトリフェニルメタン、ビス
(4−ジエチルアミン−2−メチルフェニル)フェニル
メタン、4’−4''−ビス(ジエチルアミノ)−2’,
2''−ジメチルトリフェニルメタン、アルキルが例え
ば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチルなどである
N,N’−ビス(アルキルフェニル)−[1,1’−ビ
フェニル]−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニ
ル−N,N’−ビス(クロロフェニル)−[1,1’−
ビフェニル]−4,4’−ジアミンおよび1,1’−ビ
フェニル)−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。
【0039】電荷輸送層被覆混合物中で、適するあらゆ
る可溶不活性膜形成性結合剤を利用することができる。
不活性高分子膜形成性結合剤は、例えば、塩化メチレ
ン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、トルエンま
たはその他の適する溶媒に可溶であることが可能であ
る。代表的な不活性高分子膜形成性結合剤には、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエステル、ポリアリレート、ポリ
アクリレート、ポリエーテルおよびポリスルホンなどが
挙げられる。分子量は、例えば、約20,000から約
1,500,000まで異なることが可能である。電荷
輸送層のために特に好ましい膜形成性ポリマーはポリカ
ーボネートである。代表的な膜形成性ポリマーポリカー
ボネートには、例えば、ビスフェノールポリカーボネー
ト、ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニルカー
ボネート)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニル
ポリカーボネート、4,4’−イソプロピリデンのビス
フェノールA型ポリカーボネート(バイエル(Baye
r AGからMakrolonとして市販されているも
の))およびポリ(4,4’−ジフェニル−1,1’−
シクロヘキサンカーボネート)などが挙げられる。電荷
輸送層の塗布のために一般に用いられるポリカーボネー
ト樹脂は、約70,000〜約150,000の重量平
均分子量を有する。
【0040】電荷輸送層被膜のどれを形成するために
も、適するあらゆる押出塗布技術を用いることができ
る。代表的な押出技術には、例えば、多重スロットコー
ティング、共押出単一スロットコーティング、スライド
コーティングおよびカーテンコーティングなどが挙げら
れる。
【0041】押出された液体電荷輸送層は連続であると
共に、必要な所定の乾燥層厚さをもたらすために十分厚
いのがよい。塗布された層の最大の湿り厚さは、押出さ
れる被覆混合物の固形物濃度に応じて決まる。本明細書
において用いられる「固形物」という表現は、室温で純
粋な状態において通常は固形物である材料に関連する。
すなわち、固形物は、一般に、溶媒ではない被覆溶液中
の材料である。被覆溶液中の溶媒対固形物の相対的な割
合は、用いられる特定の被覆材料、選択される塗料塗布
機の形式、および塗布機と被覆される物体との間の相対
的な速度に応じて異なる。好ましくは、固形物濃度の範
囲は、被覆溶液の重量に対して約13%総固形物より多
い。最大の固形物濃度は、選択された溶媒中の膜形成性
結合剤成分と小分子との総合的な溶解度によって決ま
る。例えば、塩化メチレン中で、この限界は、約18%
〜約20%総固形物の範囲である。さらに、被覆溶液の
粘度は、満足な流動性および被覆性のために約400〜
約1500センチポイズの間であることが好ましい。低
粘度の非常に薄い被覆溶液は、雨だれ模様を発生させう
る。
【0042】一般に、本発明の連続単一層電荷輸送層被
覆方法において、各押出層は、乾燥状態で約13μmよ
り厚く且つ約20μmより薄いのがよい。本発明の主題
である電荷発生層上に同時塗布によって第1の電荷輸送
層を被覆する時、最小達成可能厚さは乾燥基準で約4μ
mである。第2の単一電荷輸送層の塗布は、乾燥基準で
約13μmと約20μmの間にやはり制約される。
【0043】単一塗布において、押出電荷輸送層が乾燥
状態で約20μmより厚い時、好ましくない雨だれ模様
が画像反復中に形成される最終トナー画像中に現れる。
押出層が乾燥状態で約13μmより薄い時、ビード破壊
(bead break)が被覆プロセス中に起きる。
【0044】底上で電荷発生層を同時に押出塗布する際
に、上の電荷輸送層は、乾燥基準で4μm程度に薄く被
覆することができる。同時に被覆された輸送層は、雨だ
れの形成のゆえに単一被膜としての20μm乾燥状態限
界にやはり支配される。
【0045】二つの電荷輸送層のみが塗布される時、第
1の同時被覆層は、好ましくは、約4μmより厚く且つ
約20μmより薄い乾燥状態における厚さを有する。第
2の層は、好ましくは、約13μmより厚く且つ約20
μmより薄い乾燥状態における厚さを有する。乾燥状態
における押出された両方の電荷輸送層の全体的な総厚さ
は、約20μmより厚く且つ約40μmより薄いのがよ
い。
【0046】三つの電荷輸送層が塗布される時、第1の
同時被覆層は、好ましくは、約4μmより厚く且つ約2
0μmより薄い乾燥状態における厚さを有する。第2お
よび第3の層はそれぞれ、好ましくは、約13μmより
厚く且つ約20μmより薄い乾燥状態における厚さを有
し、三つのすべての押出された電荷輸送層の全体的な総
厚さは、約30μmより厚く且つ約60μmより薄いの
がよい。
【0047】四つの電荷輸送層が塗布される時、第1の
同時被覆層は、好ましくは、約4μmより厚く且つ約2
0μmより薄い乾燥状態における厚さを有する。第2、
第3および第4の層はそれぞれ、好ましくは、約13μ
mより厚く且つ約20μmより薄い乾燥状態における厚
さを有し、四つのすべての押出された電荷輸送層の乾燥
状態における全体的な総厚さは、約43μmより厚く且
つ約80μmより薄いのがよい。
【0048】塗布された各電荷輸送層被膜の乾燥は、オ
ーブン乾燥、赤外線乾燥および空気乾燥などの適するあ
らゆる従来技術によって行うことができる。同時に被覆
された電荷発生層および第1の輸送層は、総合パッケー
ジとして乾燥される。その後、単独で被覆されたあらゆ
る輸送層は、別のあらゆる層を被覆する前に、各塗布後
に先ず乾燥される。一般に、電荷輸送層の乾燥された最
終的組合せ対乾燥後の電荷発生層の厚さの比は、好まし
くは、約2:1〜8:1で維持される。
【0049】必要ならば、電荷輸送層を形成した後、得
られた電子写真画像形成部材には、必要に応じて、適す
るあらゆる上塗り層を被覆することができる。
【0050】膜形成性結合剤に分散された例えば、導電
粒子を含む従来の接地片などのその他の層は、導電表
面、遮断層、接着剤層または電荷発生層と接触している
多層感光体の一端に塗布することができる。
【0051】場合によって、平面性および/または耐磨
耗性を付与するために、裏側被膜を多層感光体と逆側に
塗布することができる。この裏被膜層は、絶縁性または
僅かに半導電性である有機ポリマーまたは無機ポリマー
を含むことが可能である。
【0052】本発明の多層感光体は、活性化電磁放射線
に画像状で露光される前に帯電を利用する適する従来の
あらゆる電子写真画像形成プロセスにおいて用いること
ができる。従来のポジ現像または反転現像技術は、本発
明の電子写真画像形成部材の画像形成表面上にマーキン
グ(marking)材料画像を形成するために用いることが
できる。
【0053】図1および2については、以下の実施例に
おいてより詳細に説明する。
【0054】図3を参照すると、二重スロットコーティ
ング塗布機10が示されている。スロットコーティング
ダイは周知のものである。塗布機アセンブリー10は、
下方リップ12、上方リップ14を備え、それぞれは共
通デバイダリップ16から間隔を取って平らな狭い通路
18および26を形成している。平らな狭い通路18
は、マニホールド22から出口スロット24に導いてい
る。同様に、平らな狭い通路26は、マニホールド28
から出口スロット30に導いている。電荷発生層被覆分
散液は、フィード管32を通してマニホールド22にフ
ィードされ、通路18を通してリボン様流れとして押出
され、基板34上に出口スロット24から押出される。
基板34は、回転可能なロール35によって支持され
る。同様に、電荷輸送層被覆溶液は、フィード管36を
通してマニホールド28にフィードされ、通路26を通
してリボン様流れとして押出され、基板34に向けて出
口スロット30から押出される。図3に示したように、
液体電荷発生層被覆材料と電荷輸送層被覆材料のリボン
様流れは互いに接触し、基板34上に同時に塗布され
る。リボン様流れの幅および厚さなどは、被覆組成物の
粘度、必要な被膜厚さ、および被覆組成物を上に塗布す
る基板34の幅などの要素によって変えることができ
る。末端堰(図示していない)は、塗布機アセンブリー
10の下方リップ12、上方リップ14および共通デバ
イダリップ16の端に固定されて、被覆組成物がフィー
ド管を経てマニホールドから出口スロットまで移動する
につれて被覆組成物をマニホールドと通路内に閉じ込め
る。通路の長さは、層流を確保するために十分長いのが
よい。基板34からの出口スロット24および30の距
離の制御によって、被覆組成物は、被覆組成物の粘度と
流量および塗布機アセンブリー10と基板34との間の
相対的な移動速度(rate movement)に応じて出口スロ
ット24および30と基板34との間の空隙を埋めるこ
とが可能である。当該技術分野において一般に行われて
いるように、被覆組成物は、従来のポンプあるいはガス
圧システム(図示していない)などの適するその他の周
知の手段を用いて圧力下でリザーバ(図示していない)
から供給される。通路18および26の表面は、塗布被
膜の厚さおよび均一性の正確な制御を確保するために精
密研削される。被覆された基板34は、その後、電荷発
生層被膜および電荷輸送層被膜を乾燥するために適する
いずれかの乾燥装置に輸送される。
【0055】共押出単一スロットコーティング塗布機ア
センブリー40を図4に示す。塗布機アセンブリー40
は、下方リップ42と上方リップ44を備えている。下
方リップ42と上方リップ44の上流内面は短い共通デ
バイダリップ46から間隔を取って、それぞれ平らな狭
い通路48および50を形成している。平らな狭い通路
48および50は、出口スロット54に最終的に導く共
通通路52を形成するために合流する。通路48は、マ
ニホールド56から共通通路52に導く。同様に、平ら
な狭い通路50は、マニホールド58から共通通路52
に導く。電荷発生層被覆分散液は、フィード管60を通
してマニホールド56にフィードされ、通路48を通し
てリボン様流れとして押出され、共通通路52に入る。
同様に、電荷輸送層被覆溶液は、フィード管60を通し
てマニホールド62にフィードされ、通路50を通して
リボン様流れとして押出され、共通通路52に入る。液
体電荷発生層被覆材料と電荷輸送層被覆材料の合流した
リボン様流れは、出口スロット54を出て基板34上に
同時に付着する。二重スロットコーティング塗布機アセ
ンブリー10と同様に、末端堰(図示していない)は、
被覆組成物がフィード管を経てマニホールドから出口ス
ロット54まで移動するにつれて被覆組成物をマニホー
ルドと通路内に閉じ込めるために用いられる。被覆され
た基板34は、その後、電荷発生層被膜および電荷輸送
層被膜を乾燥するために適するいずれかの乾燥装置に輸
送される。
【0056】基板34に隣接して配置された多層スライ
ドダイアセンブリー70を図5に示す。多層スライドダ
イアセンブリー70は、平らな通路74に隣接すると共
に下流にある傾斜上方ランド72と、平らな通路74に
隣接すると共に上流にあり且つ平らな通路78に隣接す
ると共に下流にあるもう一つの傾斜上方ランド76と、
を備える。被覆溶液の挙動に応じて、傾斜上方ランド7
2および傾斜上方ランド76は、最大流動均一性を生じ
させるために整列されるので、それらは、基板34に向
かって下方に傾斜する実質的に同じ想像上の平面内にあ
ってもよく、あるいはその平面内になくてもよい。傾斜
上方ランド72および傾斜上方ランド76の傾斜角は、
被覆組成物の粘度に応じて決まる。従って、より高い粘
度の被覆組成物には、より急な傾斜角を用いるべきであ
る。必要ならば、傾斜上方ランド76と傾斜上方ランド
72とで異なる傾斜を用いることができる。電荷発生層
被覆分散液は、フィード管82を通してマニホールド8
0にフィードされ、通路74を通してリボン様流れとし
て押出され、ランド72上に押出され、そこで流れは基
板34に向かって重力で流れる。基板34は、回転可能
なロール35によって支持される。同様に、電荷輸送層
被覆溶液は、フィード管86を通してマニホールド84
にフィードされ、通路78を通してリボン様流れとして
押出され、ランド76上に押出され、そこで流れは基板
34に向かって流れる電荷発生層被覆分散液の流れの上
方表面上に重力で流れる。液体電荷発生層被覆材料およ
び電荷輸送層被覆材料のリボン様流れの合流対は、ラン
ド72上で重力によって流れ、基板34上に同時に付着
する。ランド72の下方端に位置するリップ88は、基
板34の表面付近で、しかし間隔をとって配置されて、
被覆材料が基板34とダイアセンブリー70との間の狭
い空間を通して下方に漏出しないようにする。上述した
スロットコーティングおよび押出コーティング塗布機ア
センブリーと同様に、末端堰(図示していない)は、被
覆組成物がフィード管を経てマニホールドから傾斜上方
ランドまで移動するにつれて被覆組成物をマニホールド
と通路内に閉じ込めるために用いられる。被覆された基
板34は、その後、電荷発生層被膜および電荷輸送層被
膜を乾燥するために適するいずれかの乾燥装置に輸送さ
れる。
【0057】多層カーテンダイアセンブリー90が図6
に示されており、それは図5に示した多層スライドダイ
アセンブリー70と構造上似ているが、基板34からず
っと離れて配置されて、基板34の露出面上に同時に塗
布する前に電荷発生層被膜および電荷輸送層被膜の流下
カーテンの形成を促進する。多層カーテンダイアセンブ
リー90は、平らな通路94に隣接すると共に下流にあ
る傾斜上方ランド92と、平らな通路94に隣接すると
共に上流にあり且つ平らな通路108に隣接すると共に
下流にあるもう一つの傾斜上方ランド96と、を備え
る。被覆溶液の挙動に応じて、傾斜上方ランド92およ
び傾斜上方ランド96は、最大流動均一性を生じさせる
ために整列されるので、それらは、基板34に向かって
下方に傾斜する実質的に同じ想像上の平面内にあっても
よく、あるいはその平面内になくてもよい。傾斜上方ラ
ンド92および傾斜上方ランド96の傾斜角は、被覆組
成物の粘度に応じて決まる。従って、より高い粘度の被
覆組成物には、より急な傾斜角を用いるべきである。必
要ならば、傾斜上方ランド92と傾斜上方ランド96と
に異なる傾斜を用いることができる。電荷発生層被覆分
散液は、フィード管102を通してマニホールド100
にフィードされ、通路94を通してリボン様流れとして
押出され、ランド92上に押出され、そこで流れは基板
34に向かって重力で流れる。同様に、電荷輸送層被覆
溶液は、フィード管106を通してマニホールド104
にフィードされ、通路108を通してリボン様流れとし
て押出され、ランド96上に押出され、そこで流れはラ
ンド92に上に流れる電荷発生層被覆分散液の流れの上
方表面上に重力で流れる。基板34は、回転可能なロー
ル35によって支持される。好ましくは、基板34の露
出上方表面は、液体電荷発生層被膜および電荷輸送層被
膜の流下カーテンが付着する位置で実質的に水平の態勢
で整列される。従って、液体電荷発生層被覆材料および
電荷輸送層被覆材料のリボン様流れの合流対は、ランド
92上で重力によって流れ、流下カーテンを形成し、基
板34上に同時に付着する。ランド92の下方端に位置
するリップ108は、流下膜をダイアセンブリー90か
ら離れさせるように向ける。上述した多層スライドコー
ティング塗布機アセンブリーと同様に、末端堰(図示し
ていない)は、被覆組成物がフィード管を経てマニホー
ルドから傾斜上方ランドまで移動するにつれて被覆組成
物をマニホールドと通路内に閉じ込めるために用いられ
る。被覆された基板34は、その後、電荷発生層被膜お
よび電荷輸送層被膜を乾燥するために適するいずれかの
乾燥装置に輸送される。
【0058】ダイ通路の高さ(被覆材料のリボンが通路
を通して横切る時にリボンの厚さを決定するもの)およ
び傾斜ランドの傾斜などの選択は、一般に、流体粘度、
表面張力、流量、支持部材の表面までの距離、ダイと基
板との間の相対的な移動および必要な被膜厚さなどの要
素に応じて決まる。用いられる技術とは関係なく、流量
および距離は、被覆材料のスプラッシング、ドリッピン
グおよびパドリングを避けるために調節するべきであ
る。図3に記載したダイのタイプの場合、一般には、電
荷輸送層材料のための通路(トップスロット)では約1
27μm〜約500μmの間、および電荷発生層のため
の通路(ボトムスロット)では約100μm〜約250
μmの間の狭い通路高さで満足な結果を達成できる。狭
いダイ通路の蓋、側面および床面は、好ましくは、層流
を確実に達成するために平行で滑らかであるべきであ
る。マニホールドから出口開口までの狭い押出スロット
の長さは、層流および均一な被覆溶液分布を確実に達成
するために十分であるべきである。
【0059】約200フィート/分(約61m/分)以
下の押出塗布ダイアセンブリーと基板表面との間の相対
的な速度を試験した。しかし、必要ならば、より高い相
対的速度を利用することができると考えられる。相対的
な速度は、被覆材料のリボン様流れの流速に従って制御
するべきである。
【0060】押出ダイのダイにおける被覆材料のリボン
様流れのための狭いダイ通路の単位幅当たりの流速また
は流量は、δwet=(Q/(W*V))*1×10-6
よって定義されるような目標湿り被膜厚さによって決定
される。式中、δwet=湿り被膜厚さμm、Q=被膜流
量cm3/秒、W=被覆幅cm、V=基板速度cm/秒
である。被膜流量は、最小条件を満足させるために十分
であるべきである。流速が遅すぎると、連続膜を形成す
ることができず、リブ欠陥または流体力学的不安定性に
関連した他の欠陥の原因になる。
【0061】狭いダイ通路を通して被覆組成物を押し出
すために利用される圧力は、通路のサイズおよび被覆組
成物の粘度に応じて決まる。
【0062】従って、発生層と輸送層の同時塗布、その
後の少なくとも一つの追加の輸送層の塗布は、劇的に改
善された乾燥厚さ均一性を有する感光体をもたらす。さ
らに、発生層と第1の輸送層の同時塗布によって、本発
明の方法は、発生層上に複数の輸送層を塗布する方法よ
りも増加した生産性および低下したコストにつながる。
本発明の方法のもう一つの利点は、20μm〜28μm
の範囲の輸送厚さを伴った感光体装置の改善された均一
性である。驚くべきことに、約14μm〜約15μmの
厚さの耐カール裏当て層を伴った乾燥後に約29μmの
電荷輸送層厚さの感光体の場合、電荷輸送層の熱膨張特
性が乾燥中に変化しなかったため、塗布した乾燥電荷輸
送層にはより少ない内部応力しか存在しないようであっ
た。
【0063】
【実施例】対照実施例I.ポリエチレンテレフタレート
フィルム(ICIから入手できるMelinex(登録
商標))上の真空蒸着チタン層を含む基板上に従来の塗
布技術を用いて被膜を形成することにより感光体を製造
した。第1の被膜は、0.005μm(50オングスト
ローム)の乾燥厚さを有する加水分解γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランから形成されたシロキサン遮断層
であった。第2の被膜は、0.005μm(50オング
ストローム)の乾燥厚さを有するポリエステル樹脂(デ
ュポン・ヌムール(E.I.du Pont de N
emours & Co.)から入手できる49,00
0)の接着剤層であった。次の被膜は、2.9重量%の
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,4’−ジア
ミン、8.7重量%のポリビニルカルバゾール(バスフ
(BASF)から入手できるPVK)膜形成および8
4.7重量%の溶媒を含有する溶液に分散された3.7
重量%三方晶セレン粒子を含有する電荷発生層であっ
た。溶媒は、テトラヒドロフランとトルエンの重量によ
る50/50混合物である。0.51μg/cm2の三
方晶セレンの質量密度に至るまでこの層を被覆する。塗
布したままの状態で、被膜の湿り厚さは約15.2μm
である。乾燥後、厚さは、三方晶セレン、PVKおよび
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,4’−ジア
ミンを総合して約1.45μmである。
【0064】ワンパス塗布においてスロットコーティン
グダイを用いて8.5重量%のN,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−
ビフェニル)−4,4’ジアミン、8.5重量%のポリ
(4,4−イソプロピリデン−ジフェニレン)カーボネ
ート膜形成性結合剤(バイエル(Bayer)から入手
できるMakrolon)および83重量%の塩化メチ
レン溶媒を含有する単一被膜を塗布することにより電荷
発生層上に電荷輸送層を形成した。この溶液の粘度は、
約800センチポイズであった。スロットコーティング
ダイは、457μmのスロット高さを備えていた。被膜
の湿り厚さは、186μmであった。以下の時間/温度
分布の5ゾーン乾燥機内でこの被膜を乾燥した。
【0065】
【表1】 結果は、29μmの厚さを有すると共に、50重量%の
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジア
ミンおよび50重量%のポリカーボネートを含有する乾
燥電荷輸送層である。
【0066】実施例II.別個の単一層スロットコーテ
ィングパスを用いて電荷発生層および電荷輸送層を形成
する代わりに、図3と本質的に同じ二重スロットコーテ
ィングダイを用いて接着剤層上に電荷発生層および第1
の電荷輸送層を同時に形成した以外は、実施例Iの感光
体と同じ感光体を製造した。電荷発生層のために用いた
下方スロットの寸法は約125μmであり、電荷輸送層
のために用いた上方スロットは約250μmであった。
【0067】同時に被覆した電荷発生層溶液を図3の下
方ダイスロットを用いて被膜の下層として形成した。溶
液は、4.9重量%のN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニ
ル)−4,4’−ジアミン、9.7重量%のポリビニル
カルバゾール(バスフ(BASF)から入手できるPV
K)膜形成および72.6重量%の溶媒を含有する溶液
に分散された12.8重量%三方晶セレン粒子を含有し
ていた。溶媒は、テトラヒドロフランとトルエンの重量
による50/50混合物である。三方晶セレンの対照と
同じ質量密度(0.51μm/cm2)に至るまでこの
層を被覆した。塗布したままの状態で、被膜の湿り厚さ
は約4μmである。乾燥後、厚さは、三方晶セレン、P
VKおよびN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3
−メチルフェニル)−(1,1’−ジフェニル)−4,
4’−ジアミンを総合して約0.6μmである。
【0068】図3の上方ダイスロットを用いて塗布する
ことにより、同時に塗布した第1の輸送層を湿り電荷発
生層の上に形成した。上方被覆溶液は、8.5重量%の
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジア
ミン、8.5重量%のポリ(4,4−イソプロピリデン
−ジフェニレン)カーボネート膜形成性結合剤(バイエ
ル(Bayer)から入手できるMakrolon)お
よび83重量%の塩化メチレン溶媒を含有していた。こ
の溶液の粘度は約800センチポイズであった。上方被
膜の湿り厚さは54μmであった。表1の時間/温度分
布の5ゾーン乾燥機内で二重被膜を乾燥した。
【0069】次に、前に乾燥した層の上に単一層スロッ
トコーティングによって第2の電荷輸送層を形成した。
多塗布および単一塗布の両方のために同じ電荷輸送被覆
溶液組成物を用いた。第2の輸送層の単一スロットコー
ティングのためのスロットダイは、250μmのスロッ
ト高さを備えていた。第1の多塗布および第2の単一塗
布からの全体的な組合せ輸送層を乾燥後に29μmにす
るために十分な輸送液を第2の層(19μm)において
塗布した。第2の単一層の湿り厚さは約103μmであ
った。第2の電荷輸送被膜も表1に従って乾燥した。第
1および第2の電荷輸送層ならびにその組合せは、50
重量%のN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,
4’−ジアミンおよび50重量%のポリカーボネートを
含有していた。
【0070】実施例IおよびIIの感光体の電荷輸送層
を単色光で照射することにより干渉画像を作成した。図
1〜2は、輸送層の厚さの本質的な地形図である。図1
および2における各ライン(縞)は、厚さ0.3μmの
変動を表している。規定面積にわたって写真中の閉ルー
プ縞の数を数えることにより、厚さ均一性の測定を行う
ことができる。全体的に見て、実施例I塗布の29μm
厚さの電荷輸送層には、約0.8〜1.0μm/cm2
の高い頻度の厚さ変動があった。実施例IIの29μm
厚さの電荷輸送層(乾燥後の第1および第2の電荷輸送
層の総厚さ)には、約0.1μm/cm2の高い頻度の
厚さ変動があった。従って、実施例Iの電荷輸送層の厚
さ変動は、実施例IIの電荷輸送層の厚さ変動より約7
00〜900%大きかった。
【0071】さらに、各縞の幅は厚さ変動の急激さに比
例する。従って、明瞭に形成された多くの縞は、高い起
伏の激しい山脈に似ている。広い間隔の分散縞(ピンボ
ケして見える)は、低い緩やかに起伏している丘に似て
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 対照感光体の単一湿り層として被覆された2
9μm厚さの輸送層の代表的な単色干渉画像を示す写真
である。
【図2】 0.6μm厚さの発生層(乾燥厚さ)と10
μmの輸送層(乾燥厚さ)を同時に塗布し、その後、第
2の19μm厚さの輸送層を形成して29μm厚さの輸
送層を生じさせることにより得られた29μm厚さの輸
送層の代表的な単色干渉画像を示す写真である。スケー
ルサイズは1mm毎にマークされている。
【図3】 二重スロットコーティング塗布機の概略断面
図である。
【図4】 共押出コーティング塗布機の概略断面図であ
る。
【図5】 多層スライドコーティング塗布機の概略断面
図である。
【図6】 多層カーテンコーティング塗布機の概略断面
図である。
【符号の説明】
10 二重スロットコーティング塗布機、12,42
下方リップ、14,44 上方リップ、16,46 共
通デバイダリップ、18,26,48,50,74,7
8,94,108 狭い通路、22,28,56,5
8,62,80,84,100,104 マニホール
ド、24,26,30,54 出口スロット、32,3
6,60,82,86,102,106 フィード管、
34 基板、35 回転可能なロール、40 共押出単
一スロットコーティング塗布機アセンブリー、52 共
通通路、70 多層スライドダイアセンブリー、72,
76,92,96 上方ランド、88 リップ、90
多層カーテンダイアセンブリー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート エフ ダナム アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウォル ワース アトランティック アベニュー 1725 ピー オー ボックス 569 (72)発明者 アルフレッド エイチ ウィルナウ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 オンタ リオ インディペンデンス ウェイ 6062

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露出面を有する基板を含む画像形成部材
    を形成する工程と、 乾燥状態で約0.1μm〜約10μmの間の厚さを有す
    る電荷発生層を形成するための前記露出面向けの光導電
    粒子、膜形成性結合剤および前記結合剤用の所定量の溶
    媒を含む分散液と、前記電荷発生層向けの乾燥状態で4
    μm〜20μmの間の厚さを有する電荷輸送小分子およ
    び膜形成性結合剤を含む第1の溶液と、の二重層被膜を
    前記露出面に同時に塗布する工程と、 その後、前記第1の溶液と実質的に同じ組成を有する少
    なくとも第2の溶液の単一被膜を第1の電荷輸送層の露
    出面に塗布して、乾燥状態で約20μmより薄い乾燥状
    態における厚さを有する少なくとも第2の連続電荷輸送
    層を形成する工程と、 必要に応じて、前記第1の溶液と実質的に同一の組成を
    有する更なる溶液を前記第1の連続電荷輸送層状に塗布
    して、乾燥状態で20μmより薄い乾燥状態における厚
    さを有する更なる連続電荷輸送層を形成する工程と、 を含む電子写真画像形成部材を製造する方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の連続電荷輸送層は、前記第1
    の電荷輸送層に塗布される唯一の電荷輸送層であり、前
    記第2の電荷輸送層は、約13μmより厚く且つ約20
    μmより薄い乾燥状態における厚さを有する、請求項1
    に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 二重スロットコーティング、スライドコ
    ーティングまたはカーテンコーティングによって前記第
    1の溶液を塗布することを含む、請求項1に記載の製造
    方法。
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