JP2894806B2 - 多層型可撓性電子写真部材の製造方法 - Google Patents

多層型可撓性電子写真部材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用性〕 本発明は一般に電子写真に関し、さらに詳細には、電
子写真像形成部材の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
電子写真技術においては、導電性層上に光導電性絶縁
層を含む電子写真プレートが該光導電性絶縁層の表面を
先ず均一に静電気的に帯電させることによって像形成さ
れる。次いで、プレートを光のような活性化用電磁線の
像に露光し、これにより、光導電性絶縁層の照射領域の
電荷を消散させ一方非照射領域の静電潜像を残す。その
後、この静電潜像は上記光導電性絶縁層の表面上に微分
割顕電トナー粒子を付着させることによって現像し可視
像とすることができる。得られた可視像は紙のような適
当な受入れ部材に転写できる。この像形成プロセスは再
使用可能な光導電性絶縁層により多数回繰返し得る。
より進歩した高速の電子写真複写機、デュープリケー
ターおよびプリンターが開発されているので、画像品質
の低下が長期のサイクル操作中に生じていた。さらにま
た、超高速で操作する複雑な高性能デュープリケィティ
ングおよびプリンティングシステムは感光体上での狭い
操作限界のような厳しい要求にさらされる。例えば、多
くの最近の光導電性像形成部材において見い出される多
くの層は高度に可撓性で隣接層に良好に接着し、狭い操
作限界内で予想し得る電気特性を発揮して何千回のサイ
クルに亘って優れたトナー像を提供しなければならな
い。電子写真像形成システムにおけるベルトとして使用
する1つのタイプの多層型感光体は基体、導電性層、正
孔ブロッキング層、接着層、電荷発生層、および電荷輸
送層とを含む。この感光体はまた抗カール裏打層および
オーバーコーティング層のような追加の層も含み得る。
優れたトナー像を多層型ベルト感光体によって得ること
ができるけれども、多くの層は多層型ベルト感光体の多
能性を制限していることが見い出されている。例えば、
極めて制限されたスペースに適合させた感光体ベルトシ
ステム用の小直径支持ロールを用いるコンパクトな像形
成装置においては長操作寿命の可撓性感光体が大いに求
められる。小直径支持ロールはまたトナー像転写後に感
光体ベルト表面からコピー紙シートを自動的に取り外す
のにコピー紙のビーム強度を利用する簡単な信頼あるコ
ピー紙はぎ取り装置においても大いに望ましいものであ
る。残念なことに、小直径、例えば、約0.75インチ(19
mm)以下のロールは装置性能基準の限界値を同時の感光
体ベルト材料の欠損が多層型ベルト感光体の頻繁な出来
事となるような高いレベルまで上昇させる。即ち、多層
型ベルト感光体を用いる進歩した像形成システムにおい
ては、クラックングが小直径ロール上でのベルトサイク
ル操作中に1種以上の臨界的感光体層中で生ずる。サイ
クル操作中に電荷輸送層で発生したクラックはコピー品
質に悪影響を及ぼすプリントアウト欠陥として出現す
る。頻繁な感光体クラッキングは感光体の多能性に重大
なインパクトを与えその実用的価値を自動電子写真複写
機、デュープリケーター及びプリンターにおいて低下さ
せる。
さらにまた、ある多層型ベルト感光体中のシーム(継
目)は、大きいウェブをより小さいベルトサイズのシー
トに分割するとき、製造中にはく離し得る。さらに、シ
ートをベルトに接合したのち、そのベルトは小直径支持
ロール上でのサイクル操作中またはサイクル操作中の静
止ウェブ縁部ガイドとのこすり接触により生じた横方向
の力に供したときはく離しがちである。シームはく離は
ベルトをブレードクリーニング装置を用いる電子写真像
形成装置で用いるときにさらに増悪される。さらに、ベ
ルトはく離は幅広のウェブからベルト感光体を製造する
ウェブ分割操作中にも生ずる。はく離を減ずるための導
電性層、正孔ブロッキング層、接着層、電荷発生層、お
よび/または電荷輸送層のような種々のベルト層におけ
る材料の変更は、新しい材料が残留電圧、バックグラウ
ンド、暗減衰、可撓性等の電気的、機械的および他の性
質全体に悪影響を及ぼし得るので容易には行なえない。
電荷発生層と低分子ジアミン化合物を含む電荷輸送層
とを有する感光体は当該技術において周知である。同様
に、ブロッキング層と電荷発生層との間でポリエステル
接着層を用いた感光体もまた公知である。
1988年11月22日付でYu等に付して付与された米国特許
第4,786,570号は、導電性表面を有する可撓体基体;ア
ミノシラン反応生成物を含む正孔ブロッキング層;約20
0〜約900オングストロームの厚さを有し、次式: (式中、ジ酸はテレフタル酸、イソフタル酸およびこれ
らの混合物から選ばれ、ジオールはエチレングリコール
を含み、ジ酸対ジオールのモル比は1:1であり、nは約1
75〜約350の数である) を有する少なくとも1種のコポリエステルから本質的に
なり、該コポリエステル樹脂のTgが約30℃〜約80℃であ
る接着層、上記アミノシランはシランのミノ基と上記コ
ポリエステルの−COOHおよび−OH未満基との反応生成物
であること;フィルム形成性高分子成分を含む電荷発生
層;およびジアミン正孔輸送層を含む可撓性電子写真像
形成部材を開示している。この可撓性電子写真像形成部
材の製造および使用方法も開示されている。電荷発生層
および電荷輸送層は押出コーティングにより供給でき
る。さらにまた、接着層はエチレングリコールとテレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸およびアゼライン酸
とのコポリエステル反応生成物であるデュポン49000を
含有することも記載されている。
1983年11月15日付でHorganに付与された米国特許第4,
415,639号は電子写真用の感光性装置を開示している。
ポリエステルのような種々のポリマーを含む接着層が述
べられており、該層は約0.3ミクロン以下の厚さを有し
ている。デュポン49K接着物質は、例えば、第10欄、37
行および多くの実施例で述べられており、そこでは、該
接着物質は、例えば、バードアプリケーターで塗布され
ている。該接着層上には45容量%のポリビニルカルバゾ
ーンを含有する光生成層がオーバーコーティングされて
いる。この光生成層はテトラヒドロフラン/トルエンを
溶媒として含有する溶液として塗布している。該光生成
層は次いで電荷輸送層でオーバーコーティングされてい
る。
1985年6月4日付でRussell等に付与された米国特許
第4,521,457号は、第2コーティング組成物の少なくと
も1つの第2リボン状流れに隣接しかつ端部接触した第
1コーティング組成物の少なくとも1つのリボン状流れ
を、支持部材表面上に、該支持部材表面と各リボン状流
れとの間に相対運動を確立し、同時に互いに平行で近接
した間隔に各リボン状流れを束縛して形成し、各リボン
状流れを支持部材表面に供給する前に各リボン状流れの
隣接端部を接触させ、その後、各リボン状流れを支持部
材表面に供給することによって付着させることからなる
押出コーティング法および装置を開示している。
1986年4月22日付でLin等に付与された米国特許第4,5
84,253号は、ブロッキング層(例えば、シロキサンとヒ
ドロキシプロピルセルロースのフィルム)と電荷発生層
との間に、ポリエステルPE−100、デュポン49,000樹脂
および他の樹脂(例えば、第8欄31〜41行および第17欄
8〜18行参照)のようなフィルム形成性ポリマーを含む
接着層を有する多層型像形成部材のような電子写真像形
成部材を開示している。この接着層は約0.1ミクロン
(1,000オングストローム)〜約5ミクロン(50,000オ
ングストローム)の厚さを有している。この接着層はバ
ードアプリケーターによって供給できる。
1979年4月24日付でAnderson等に付与された米国特許
第4,150,987号は、例えば、アルミニウム処理マイラー
支持体、該アルミニウム層上のPE−200、PE−222、PE−
207、VPE−5545、PE−307および49000のようなポリエス
テル接着層、電荷発生層、およびヒドラゾン電荷輸送層
とを含む多層型像形成部材のような種々の電子写真像形
成部材を開示している。ポリエステル接着層は10重量%
の固形分を含有する溶液として供給される。
1983年4月26日付でChangに付与された米国特許第4,3
81,337号は、導電性層、電荷発生層および電荷輸送層を
含み、かつ約60℃より高いTgを有するポリエステルと約
30℃より小さいTgを有するポリエステルとの混合物を上
記導電性支持体上の接着層中および上記電荷輸送層中で
使用している多層型像形成部材のような種々の電子写真
像形成部材を開示している。バイテルPE−200、バイテ
ルPE−100、PE−307およびPE−5571Aのような数多くの
具体的なポリエステル樹脂が第2欄と第3欄にまたがる
パラグラフに挙げられている。
1979年11月6日付でBerwick等に付与された米国特許
第4,173,472号は、導電性層と光導電性層との間にポリ
エステル中間層(例えば、第2欄34行〜第3欄2行参
照)を有する多層型像形成部材のような種々の電子写真
像形成部材を開示している。そのポリエステルは少なく
とも1種の芳香族ジカルボン酸と少なくとも1種のジオ
ールとから誘導し得る。少なくとも1種の上記芳香族ジ
カルボン酸はイソフタル酸であり得ジオールと枝分れ鎖
のアルキレンジオールであり得る。核ポリエステルは2
種の異なる酸または2種の異なるジオールの混合物から
誘導し得る。バイヤー層を上記誘電性層と中間層の間で
使用できる(例えば、第7欄20〜41行参照)。中間層は
典型的に約0.1〜約0.5ミクロン(1,000〜5,000オングス
トローム)の乾燥厚さを有する。実施例6においては、
テレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコール
のコポリエステルを感光体の中間層として使用してい
る。
1986年5月13日付でJonesに付与された米国特許第4,5
88,667号は、基体、チタン金属層、シロキサンブロッキ
ング層、接着層、電荷発生バインダー層、および電荷輸
送層を有する多層型像形成部材のような種々のオーバー
コート型電子写真像形成部材を開示している。ブロッキ
ング層と発生体層との間の中間層はポリエステルを含有
し得約0.1ミクロン(1,000オングストローム)〜約5ミ
クロン(50,000オングストローム)の乾燥厚さを有す
る。厚さ約0.05μm(500オングストローム)を有する
ポリエステルデュポン49000中間層を各実施例において
記載している。輸送層は約25〜約75重量%のジアミン輸
送物質を含有し得る。
1984年8月7日付でTeuscherに付与された米国特許第
4,464,450号は、基体、金属層、金属酸化物層、シロキ
サンブロッキング層、任意成分としての中間層、電荷発
生バインダー層、および電荷輸送層を有する多層型像形
成部材のような種々のオーバーコート型電子写真像形成
部材を開示している。ブロッキング層と発生体層との間
の中間層はポリエステルを含有し得、約0.1ミクロン
(1,000オングストローム)〜約5ミクロン(50,000オ
ングストローム)の乾燥厚さを有する。約0.05μm(50
0オングストローム)の厚さを有するポリエステルデュ
ポン49000中間層を幾つかの実施例で記載している。輸
送層は約25〜約75重量%のジアミン輸送物質を含有し得
る。
1985年1月8日付でMiyakawa等に付与された米国特許
第4,492,746号は、PVKに分散させたポリエステルを含有
し導電性基体に対する接着層を増大させた像形成部材の
ような種々の電子写真像形成部材を開示している。種々
のポリエステルとPVKとの接着性は表1〜4に示されて
いる(第9欄および第10欄参照)。
1984年10月16日付でFushida等に付与された米国特許
第4,477,551号は、ポリビニルカルバゾールタイプの光
導電体を含有する感光性層を含む電子写真用の感光性プ
レートを開示している。該感光性層はまたポリビニルカ
ルバゾール中に分散させた縮合芳香族炭化水素も含有し
ている。該特許は上記芳香族炭化水素をポリビニルカル
バゾール中に分散させる溶媒としてTHFの使用を開示し
ている。分散させた芳香族炭化水素の使用は感光性層の
機械的性質、特に、アルミニウムのような基体への接着
性を向上させる。また、幾つかの実施例においては、デ
ュポン社からのポリエステル接着剤49000の添加も開示
されている。
1984年12月18日付でChangに付与された米国特許第4,4
89,147号は、導電性支持体、電荷発生層および電荷輸送
層を含む光導電性エレメントを開示している。25,000〜
45,000の範囲の重量平均分子量を有するポリカーボネー
ト樹脂を上記導電性支持体上の結合層中での接着剤とし
ておよび電荷輸送層中のバインダーとして使用してい
る。
1984年12月18日付でHorganに付与された米国特許第4,
489,148号は、基体と正孔輸送層間に、ポリエステル等
のフィルム形成性ポリマーを含有する接着層を有する多
層型像形成部材のような種々の電子写真像形成部材を開
示している。デュポン49,000ポリエステルを含有する接
着層が各実施例において詳細に述べられている。この接
着層はハードアプリケーターにより供給し得る。典型的
には、この接着層は約0.3ミクロン(3,000オングストロ
ーム)以下の厚さを有する。厚さ約0.05μm(500オン
グストローム)を有する接着層が第10欄の1〜17行およ
び45〜48行、並びに実施例III−XVIに述べられている。
例えば、10〜75重量%のジアミン輸送物質を含有する正
孔輸送層も開示されている。
1985年11月5日付でMiyakawa等に付与された米国特許
第4,551,403号は、導電性基体、電荷発生層および電荷
輸送層を含む電子写真用の感光性材料を開示している。
電荷発生層は塩素タイプ溶媒中に可溶性の熱可塑性ポリ
エステル中に分散させた電荷発生性顔料からなる。電荷
輸送層はマトリックス樹脂としてテトラヒドロフラン
(THF)に可溶性の熱可塑性ポリエステルを含有する。
これらの熱可塑性ポリエステルは基体に対する接着性、
表面硬度および耐摩耗性の改良をもたらす。
1986年1月21日付でSchankに付与された米国特許第4,
565,760号は、基体と正孔輸送層との間に、PE−100のよ
うなポリエステルと電荷注入性材料とを含有する正孔注
入電極層を有する多層型像形成部材のような様々のオー
バーコート型電子写真像形成部材を開示している。この
正孔注入電極層は約1ミクロン〜約20ミクロン(10,000
オングストローム〜200,000オングストローム)の厚さ
を有する。例えば、ジアミン輸送物質を含有する正孔輸
送層、および例えば、ポリビニルカルバゾール中の三方
晶セレンを含有する発生層も開示されている。例えば、
PE200のようなポリエステルおよびポリメタルメタクリ
レートを含有し得るオーバーコーティング用のプライマ
ーも開示されている。
1986年4月15日付でTeuscher等に付与された米国特許
第4,582,772号は、基体;インジウム−錫酸化物、カド
ミウム錫酸化物、酸化錫、酸化チタン、窒化チタン、ケ
イ化チカンおよびこれらの混合物からなる群より選ばれ
た透過性半導体層;光生成層;および例えば、電気的に
活性なジアミン物質を含む電荷輸送層とを含む電子写真
像形成部材を開示している。厚さ0.1ミクロン(1,000オ
ングストローム)を有する接着層を使用できる。この接
着層は、E.I.デュポン社からの49000を含有し得る。例
えば、10〜75重量%のジアミン輸送物質を含有する正孔
輸送物質も開示されている。
1983年3月29日付でChuに付与された米国特許第4,37
8,418号は、基体、正孔注入層、一緒にしたまたは別々
の正孔輸送層と発生層、およびポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート、PE−100等のフィルム形成性ポリ
マーを含有する任意成分としての絶縁性樹脂オーバーコ
ーティング層を有する多層型像形成部材のような種々の
電子写真像形成部材を開示している。例えば、10〜75重
量%のジアミン輸送物質を含有する正孔輸送物質も開示
されている。
〔発明が解決すべき課題〕
かくして、改良された耐はく離性、クラッキングおよ
び成分漏出性を有する多層型ベルト感光体が求められて
いる。
従って、本発明の目的は前述の欠点を克服する改良さ
れた感光性部材を提供することである。
本発明のもう1つの目的は分割、超音波シーム接合お
よびサイクル操作中のはく離に対してより大きい抵抗性
を示す改良された電気写真材を提供することである。
本発明のさらにもう1つの目的は低および高相対湿度
でサイクル操作したときにより大きい暗減衰安定性を示
す改良された電子写真像形成部材を提供することであ
る。
本発明のさらにもう1つの目的は低および高相対湿度
でサイクル操作したときより大きい残留電荷蓄積安定性
を示す改良された電子写真部材を提供することである。
本発明のさらにもう1つの目的はサイクル操作中にシ
ーム一体性を維持する電子写真像形成部材を提供するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
上記および他の目的は、本発明によれば、導電性層を
用い、この導電性層上にアミノシラン反応生成物を含む
電荷ブロッキング層を形成し、上記導電性層上に少なく
とも第1の溶媒中に溶解させたコポリエステル樹脂を含
む溶液のリボンを押出して上記電荷ブロッキング層上に
湿潤接着層を形成し、この湿潤接着層を乾燥させて上記
第1溶媒の実質的すべてを除去して厚さ約0.08μm(80
0オングストローム)〜約0.3μm(3,000オングストロ
ーム)を有する上記接着ポリマーを含む乾燥連続接着層
を形成し、上記接着性ポリマーを含むこの乾燥連続接着
層に少なくとも第2の溶媒中に溶解させたバインダーポ
リマーの溶液中に分散させた電荷発生粒子を含む混合物
を塗布して湿潤電荷発生層を形成し、上記バインダーポ
リマーは上記接着ポリマーと混和性であり、上記湿潤電
荷発生層を乾燥させて上記第2溶媒の実質的すべてを除
去し、そして、電荷輸送層を塗布することを含み、かつ
この電荷輸送層は上記電荷発生層が光生成した正孔を発
生させ注入するスペクトル領域では実質的に非吸収性で
あるが上記電荷発生層から光生成した正孔の注入を支持
しこの正孔を該電荷輸送層を介して輸送し得るものであ
り、上記接着ポリマーはエチレングリコールと4つのジ
酸との線状飽和コポリエステル反応生成物から本質的に
なり、上記コポリエステル樹脂は次式: を有し、式中、ジオールはエチレングリコールであり、
ジ酸はテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸および
アゼライン酸であり、テレフタル酸対イソフタル酸対ア
ジピン酸対アゼライン酸のモル比は約3.5〜約4.5(テレ
フタル酸):約3.5〜約4.5(イソフタル酸):約0.5〜
約1.5(アジピン酸):約0.5〜約1.5(アゼライン酸)
であり、ジ酸の総モルはコポリエステル中のジ酸対エチ
レングリコールのモル比約1:1内にあり、nは約250〜約
400の数であり、上記コポリエステル樹脂のTgは約32℃
〜約50℃であることを特徴とする電子写真像形成部材の
製造方法を提供すことによって達成される。
上記アミノシランは好ましくはシランのアミノ基と上
記コポリエステル樹脂の−COOHおよび−OH基との反応生
成物である。好ましいのは、正孔輸送層は約30〜約70重
量%の活性輸送ジアミン化合物を含む。
本発明の光導電性像形成部材は導電性表面を有する基
体を用い、この導電性層上に正孔ブロッキング層を塗布
し、本発明の接着性層を塗布し、この接着層上に電荷発
生バインダー層を塗布し、さらに、この電荷発生層上に
ジアミン電荷輸送層を塗布することによって製造でき
る。
基体は不透明または実質的に透明であり得、所定の機
械的性質を有する多くの適当な物質を含み得る。
従って、基体は無機または有機化合物のような非導電
性または導電性材料の層を含み得る。非導電性材料とし
ては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、
ポリウレタン等の本目的において公知の各種樹脂を使用
できる。電気絶縁性または導電性基体は可撓性であるべ
きであり、例えば、シート、スクロール、エンドレス可
撓性ベルト等のような任意の多くの種々の形状を有し得
る。好ましいのは、基体はエンドレス可撓性ベルトの形
であり、E.I.デュポン社より入手できるマイラー(Myla
r)またはICI社より入手できるメリネックス(Meline
x)として知られている商業的に入手可能な二軸延伸の
ポリエステルを含み得る。
基体層の厚さは経済性のような多くの要因に依存し、
従って、可撓性ベルト用の基体層は、最終の光導電性デ
バイスに好ましくない効果を与えない限り、例えば、20
0μm以上の実質的厚さまたは50μm以下の最小厚さを
有し得る。1つの可撓性ベルトの実施態様においては、
この層の厚さは、小直径ロール、例えば、19mm直径ロー
ルの回りでサイクル操作したときの最適の可撓性および
最小の誘起表面曲げ応力のためには、約65〜約150μm
好ましくは約75〜約125μmの範囲である。基体層の表
面はコーティング前にクリーニングして付着コーティン
グのより大きい接着性を促進させるのが好ましい。クリ
ーニングは基体層表面をプラズマ放電、イオンボンバー
ド等に暴露させることによって行い得る。
導電性層は光導電性部材に望まれる光透過性および可
撓性により実質的に広範囲に亘って厚さにおいて変化し
得る。従って、可撓性感光性像形成部材においては、導
電性層の厚さは、導電性、可撓性および光透過性の最適
組合せのためには、約20〜約750オングストローム単位
好ましくは約50〜約200オングストローム単位であり得
る。導電性層は、例えば、基体上に、真空蒸着法のよう
な任意の適当なコーティング法により形成し得る導電性
金属層であり得る。典型的な金属にはアルミニウム、ジ
ルコニウム、ニオブ、タンタル、パナジウムとハフニウ
ム、チタン、ニッケル、ステンレススチール、クロム、
タングステン、モリブデン等がある。典型的な真空蒸発
技術には、スパッタリング、磁電管(マグネトロン)ス
パッタリング、RFスパッタリング等がある。金属の基体
上への磁電管スパッタリングは高純度金属ターゲットを
用いてのアルゴン、ネオンまたは窒素のような不活性雰
囲気中での真空条件下での通常タイプのスパッタリング
モジュールによって行い得る。真空条件は特に臨界的で
はない。一般には、連続金属膜を、磁電管スパッタリン
グにより、適当な基体、例えば、E.I.デュポン社より入
手できるマイラーのようなポリエステルウェブ基体で得
ることができる。理解すべきことは真空蒸着条件は所望
の金属厚さを得るためにはすべて変化し得るということ
である。ウェルヒ312ターボモレキューラーポンプ上で
の修正マテリアルズリサーチコーポレーションモデル86
20スパッタリングモジュールのような典型的RFスパッタ
リングシステムは米国特許第3,926,762号に記載されて
おり、その記載はすべて本明細書に引用する。この米国
特許はまたチタンからなる得る基体上への三方晶セレン
の薄層のスパッタリングも記載している。スパッタリン
グによる金属蒸着のもう1つの方法は真空チャンバー内
での平坦な磁電管カソードの使用を含む。金属ターゲッ
トプレートは平坦磁電管カソード上に起きコーティング
すべき基体はこの金属ターゲットプレート上を移動させ
得る。このカソードおよびターゲットプレートは基体移
動通路に垂直に好ましくは水平に位置させて基体の幅を
横切るターゲット物質の付着が均一な厚さを有するよう
にする。必要ならば、複数のターゲットおよび平坦磁電
管カソードを用いて生産量、被覆量を増大させあるいは
層組成を変化させ得る。一般的には、真空チャンバーは
密閉し、周囲圧を約5×10-6mmHgに減圧する。この段階
後直ちにチャンバー全体をアルゴンで約1×10-3mmHgの
部分圧でフラッシュして殆んどの残留壁ガス不純物を除
去する。約1×10-4mmHgのアルゴン雰囲気をスパッタリ
ング領域の真空チャンバー中に導入する。次いで、電力
を平坦磁電管に掛け、約3〜約8m/分での基体の移動を
開始する。
所望ならば、適当な金属の合金も蒸着できる。典型的
な金属合金はジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジ
ウムとハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレススチ
ール、クロム、タングステンおよびモリブデン等、並び
にこれらの混合物のような2種以上の金属を含有し得
る。これらの合金はターゲットとして用いて蒸着金属の
混合物を含む層を蒸着できる。ターゲットは、合金組合
せを得るのが困難であり得る場合には、それら金属粉末
の押圧混合物から製造し得る。金属粉末の選定した組合
せを決定し、秤量し、十分に混合し、圧縮してスパッタ
リングターゲットとする。導電性層は複数の金属層を含
み得る。複数層は、例えば、すべて真空蒸着させてもよ
くあるいは薄層をキャスティングによるような異なる方
法で製造した厚層上に真空蒸着させてもよい。金属層を
形成させるのに用いた方法のいかんにかかわらず、金属
酸化物の薄層が殆んどの金属の外表面上に空気への露出
時に生成する。即ち、金属層を覆っている他の層を“連
続”層として特徴付する場合、これらの被覆連続層は、
実際には、酸化性金属層の外表面上に生じた金属酸化物
薄層と接触し得るものとする。一般的には、後の消去露
光のために、少なくとも約15%の導電層光透明度が望ま
しい。導電性層は金属に限定する必要はない。導電性層
の他の例は波長約4000〜約7000オングストロームを有す
る光用の透明層としての導電性インジウム錫酸化物また
は不透明導電性層としてのプラスチックバインダー中に
分散させた導電性カーボンブラックのような諸材料の組
合せであり得る。
平坦磁電管は商業的に入手可能であり、カルホルニア
州サンマテオのインダストリーバキュームエンジニアリ
ング社、ドイツおよび米国のレイボルト−ハラース社、
および英国のジェネラルエンジニアリング社のような企
業によって製造されている。磁電管は一般に約500ボル
ト、120アンペアで操作し、水の出口温度を約43℃以下
に制限するのに十分な速度の循環水で冷却する。基体に
金属層を蒸着させる磁電管スパッタリングの使用は、例
えば、Mecket等の米国特許第4,332,276号に記載されて
おり、該米国特許の記載はすべて本明細書に引用する。
金属層の蒸着の後、この層に正孔ブロッキング層を塗
布しなければならない。一般的には、正帯電感光体用の
電子ブロッキング層は感光体の像形成表面からの正孔を
導電性層に移行させる。隣接の光導電性層と下地の導電
性層間の正孔に対する電子バリヤーを形成し得るいかな
る適当なブロッキング層も使用し得る。ブロッキング層
はトリメトキシシリルプロピレンジアミン、加水分解ト
リメトキシシリルプロピルエチレンジアミン、N−ベー
ター(アミノエチル)ガンマーアミノ−プロピルトリメ
トキシシラン、イソプロピル4−アミノベンゼンスルホ
ニル、ジ(ドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、
イソプロピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリ(N−エチルアミノ
−エチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリアント
ラニルチタネート、イソプロピルトリ(N,N−ジメチル
−エチルアミノ)チタネート、チタニウム−4−アミノ
ベンゼンスルホネートオキシアセテート、チタニウム4
−アミノベンゾエートイソステアレートオキシアセテー
ト、〔H2N(CH2)4〕CH3Si(OCH3)2、(ガンマーアミノブ
チル)メチルジエトキシシラン、および〔H2N(CH2)3〕C
H3Si(OCH3)2、(ガンマーアミノプロピル)メチルジエ
トキシシランのような、米国特許第4,291,110号、第4,3
38,387号および第4,286,033号に記載されているような
窒素含有シロキサンまたは窒素含有チタン化合物であり
得る。米国特許第4,338,387号、第4,286,033号および第
4,291,110号の記載はすべて本明細書に引用する。好ま
しいブロッキング層は加水分解シランと金属基平面層の
酸化表面との反応生成物を含む。酸化表面は蒸着後空気
に露出したとき殆んどの金属基平面層の外表面上に固有
に生成する。この組合せは低RHでの電気安定性を向上さ
せる。加水分解シランは次式: を有するかまたはその混合物であり、式中、R1は1〜20
個の炭素原子を含有するアルキリデン基であり、R2、R3
およびR7は、独立に、H、1〜3個の炭素原子を含有す
る低級アルキル基およびフェニル基からなる群より選ば
れ、Xは酸または酸性塩のアニオンであり、nは1、
2、3または4であり、yは1、2、3または4であ
る。本発明の像形成部材は、好ましくは、金属導電性ア
ノード層の金属酸化物層上にpH約4〜約10の加水分解ア
ミノシランの水溶液のコーティングを付着させ、反応生
成物層を乾燥させてシロキサン膜を形成し本発明の接着
層を塗布し、その後、光生成層および正孔輸送層のよう
な電気作動層を上記シロキサン膜に塗布することによっ
て製造する。
加水分解シランは次の構造式: を有するシランを加水分解させることによって調製でき
る。式中、R1は1〜20個の炭素原子を含有するアルキリ
デン基であり、R2およびR3は独立にH、1〜3個の炭素
原子を含有する低級アルキル基、フェニル基、およびポ
リ(エチレン)アミノまたはエチレンジアミン基から選
ばれ、R4、R5およびR6は独立に1〜4個の炭素原子を含
有する低級アルキル基から選ばれる。典型的な加水分解
性シランには3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
(N,N′−ジメチル3−アミノ)プロピルトリエトキシ
シラン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン
およびこれらの混合物がある。
R1が長鎖になる場合、化合物は安定性が小さくなる。
R1が約3〜約6個の炭素原子を含有するシランは、その
分子がより安定でありより可撓性でありまたより歪が小
さいので、好ましい。最適の結果はR1が3個の炭素原子
を含有するときに達成される。満足できる結果はR2とR3
がアルキル基のときに得られる。最適の平滑で均一な膜
はR2とR3が水素である加水分解シランにより形成され
る。シランの満足できる加水分解はR4、R5およびR6が1
〜4個の炭素原子を含有するアルキル基である場合に行
い得る。そのアルキル基が4個の炭素原子より多くなる
と、加水分解は遅くなり実用的でない。しかしながら、
2個の炭素原子を含有するアルキル基を有するシランの
加水分解が最良の結果のためには好ましい。
上述のアミノシランの加水分解中に、そのアルコキシ
基はヒドロキシ基で置換される。加水分解が続くとき、
加水分解シランは、次の中間一般構造: 上で生ずる。
乾燥後、上記加水分解シランから形成されたシロキサ
ン反応生成物膜はnが6またはそれ以上である大きい分
子を含有する。加水分解シランの反応生成物は線状、部
分架橋型、ダイマー、トリマー等であり得る。
加水分解シラン溶液は十分な水を加えてケイ素原子に
結合したアルコキシ基を加水分解して溶液を調製するこ
とによって調製できる。不十分な水は加水分解シランに
望ましくないゲルを通常生ぜしめるであろう。一般に
は、希溶液が薄いコーティングを得るのに好ましい。満
足できる反応生成物膜は溶液の総重量基準で約0.1〜約
1.5重量%のシランを含有する溶液により得ることがで
きる。溶液の総重量基準で約0.05〜約0.2重量%のシラ
ンを含有する溶液は均一な反応生成物層を形成する安定
な溶液として好ましい。重要なことは加水分解シラン溶
液のpHを注意深く調整して最適の電気安定性を得ること
である。溶液pH約4〜約10が好ましい。厚い反応生成物
層を約10より高い溶液pHで形成するのは困難である。さ
らにまた、反応生成物膜の可撓性も約10より高いpHを有
する溶液を用いた場合悪影響を受ける。さらに、約10よ
り高いまたは約4より低いpHを有する加水分解シラン溶
液はアルミニウム含有層のような金属導電性アノード層
を最終感光体製品の貯蔵中に悪しく腐食させる傾向にあ
る。最適の反応生成物層はpH約7〜約8を有する加水分
解シラン溶液より得られる、それは得られる処理感光体
のサイクル−アップおよびサイクル−ダウン特性の抑制
を最大化させるからである。若干の許容し得るサイクル
−ダウンは約4以下のpHを有する加水分解アミノシラン
溶液で観察されている。
加水分解シラン溶液のpH調整はいかなる適当な有機ま
た無機の酸または酸性塩によっても行い得る。典型的な
有機および無機の酸および酸性塩には酢酸、クエン酸、
ギ酸、沃化水素、リン酸、塩化アンモニウム、ヒドロフ
ルオロケイ酸、ブロモクレゾールグリーン、ブロモフェ
ニルブルー、p−トルエンスルホン酸等がある。
必要ならば、加水分解シラン水溶液は水以外の極性溶
媒のような添加剤を含有させて金属導電性アノード層の
金属酸化物層の湿潤性の改良を促進できる。改良された
湿潤性は加水分解シランと金属酸化物層間の反応のより
大きい均一性を与える。いかなる適当な極性溶媒添加物
も使用できる。典型的な極性溶媒にはメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、メチ
ルセロメルブ、エチルセロソルブ、エトキシエタノー
ル、酢酸エチル、エチルホルメートおよびこれらの混合
物がある。最適の湿潤性は極性溶媒添加物としてのエタ
ノールによって得られる。一般的には、加水分解シラン
溶液に加える極性溶媒の量は溶液の総重量基準で約95%
以下である。
いかなる適当な方法を用いても加水分解シラン溶液を
金属導電性アノード層の金属酸化物層に塗布できる。典
型的な供給方法にはスプレー法、ディップコーティング
法、ロールコーティング法、ワイヤー巻きロッドコーテ
ィング法等がある。加水分解シラン水溶液は金属酸化物
層に塗布する前に調製するのが好ましいけれども、シラ
ンを直接金属酸化物層に塗布し、このシランをその場で
付着させたシランコーティングを水蒸気で処理すること
によって加水分解させて金属酸化物層の表面上で上述の
pH範囲の加水分解シラン溶液を調製してもよい。水蒸気
はスチームまたは湿潤空気の形であり得る。一般的に
は、満足できる結果は加水分解シランと金属酸化物層と
の反応生成物が約20〜約2,000オングストロームの厚さ
を有する層を形成するときに達成し得る。反応生成物層
が薄くなるにつれ、サイクル操作の不安定性が増大し始
める。反応生成物層の厚さが増大するにつれて、反応生
成物層はより非導電性となり残留電荷が電子の捕捉によ
り増大しがちであり、より厚い反応生成物膜はもろくな
りがちである。もろいコーティングは、勿論、可撓性感
光体、特に、高速高容量の複写機、デュープリケーター
およびプリンターにおいては適しない。
金属酸化物層上の加水分解シランの乾燥または硬化を
室温よりも高い温度で行ってより均一な電気的性質、加
水分解シランのシロキサンへのより完全な転化およびよ
り少ない未反応シラノールを有する反応生成物層を与え
るべきである。一般的には、約100℃〜約150℃の反応温
度が電気化学的性質の最大安定化のためには好ましい。
使用温度はある程度使用する特定の金属酸化物層に依存
し、また基体の温度感受性によって制限される。最適の
電気化学的安定性を有する反応生成物層は反応を約135
℃の温度で行ったときに得られる。反応温度はオーブ
ン、強制送風炉、放射ヒートランプ等のいかなる適当な
方法によっても維持できる。
反応時間は使用する反応温度による。即ち、高反応温
度を用いるときには短い反応時間で済む。一般的には、
反応時間の増大が加水分解シランの架橋度を増大させ
る。満足できる結果は昇温下での約0.5〜約45分間の反
応時間により達成された。実用化のためには、十分な架
橋は水溶液のpHを約4〜約10に継続した場合の反応生成
物層を乾燥させる時間によって得られる。
反応は大気圧または真空中のようないかなる適当な圧
力下でも行い得る。反応を大気圧以下で行ったときは少
ない熱エネルギーで済む。
十分な縮合および架橋が生じて装置環境において安定
な電気化学的性質を有するシロキサン反応生成物を形成
しているかどうかは、単にシロキサン反応生成物膜を
水、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンまた
はシクロヘキサンで洗浄し洗浄したシロキサン反応生成
物膜を試験して約1,000〜約1,200cm-1間のSi−O波長バ
ンドの赤外線吸収を比較すにことにより容易に決定し得
る。Si−O波長バンドがあれば、反応度は十分である、
即ち、十分な縮合と架橋が各バンドのピークが1つの紫
外吸収試験から次の試験で消失しないならば起ってい
る。部分重合反応生成物は同じ分子内にシロキサンとシ
ラノール成分を含有してしいるものと考えられる。“部
分重合”なる表現は完全重合が最も厳しい乾燥または硬
化条件下でさえも通常は達成できないので使用してい
る。加水分解シランは金属酸化物層の孔内の金属水酸化
物分子と反応しているようである。このシロキサンコー
ティングはL.A.Teuscherの米国特許第4,464,450号に記
載されており、その記載はすべて本明細書に引用する。
ブロッキング層は連続性で約0.5μm以下の厚さを有
すべきである、それより大きい厚さは望ましくない高残
留電圧をもたらす。約0.005μm(50オングストロー
ム)〜約0.3μm(3000オングストローム)のブロッキ
ング層が露光工程後の電荷中和を容易にし最適の電気特
性が得られるので好ましい。約0.03μm〜約0.06μmの
厚さは最適の電気的挙動のために金属酸化物層にとって
好ましい。最適の結果はシロキサンブロッキング層によ
って得られる。ブロッキング層はスプレー法、ディップ
コーティング法、ドローバーコーティング法、グラビア
コーティング法、シルクスクリーニング法、エアナイフ
コーティング法、リバースロールコーティング法、真空
蒸着、化学処理法等のいかなる適当な通常の方法によっ
ても塗布し得る。薄層を得る便法としては、ブロッキン
グ層は好ましくは希溶液の形で塗布し、溶媒はコーティ
ングの付着後真空、加熱等の通常の方法により除去す
る。一般には、約0.05:100〜約0.5:100のブロッキング
層物質と溶媒の重量比がスプレーコーティングにおいて
は満足できる。
接着層は本発明の方法によって上記正孔ブロッキング
層に塗布できる。本発明の方法により塗布した接着層は
エチレングリコールと4つのジ酸との線状飽和コポリエ
ステル反応生成物を含む。この線状飽和コポリエステル
の分子構造は次式: で示され、該コポリエステル中のジ酸対エチレングリコ
ールのモル比は1:1である。ジ酸はテレフタル酸、イソ
フタル酸、アジピン酸およびアゼライン酸である。テレ
フタル酸対イソフタル酸対アジピン酸対アゼライン酸の
モル比は、好ましくは、約3.5〜約4.5(テレフタル
酸):約3.5〜約4.5(イソフタル酸):約0.5〜約1.5
(アジピン酸):約0.5〜約1.5(アゼライン酸)である
が、ジ酸の総モルはコポリエステル中のジ酸対エチレン
グリコールのモル比1:1内にある。最適の結果は約4:4:
1:1のジ酸モル比で得られる。これら4つの酸およびエ
チレングリコールの分子構造は次のとおりである: 本発明の接着層で使用する線状飽和コポリエステルは
上記した比率でエチレングリコールと上記4つのライダ
ム配列されたジ酸との交互モノマー単位からなり、約7
0,000の重量平均分子量と約32℃のTgを有する。本発明
の接着剤で使用するエチレングリコールと4つのジ酸と
の線状飽和コポリエステル反応生成物はE.I.デュポン社
より49,000として商業的に入手可能である。デュポン4
9,000線状飽和コポリエステル接着層中でのアルキレン
基を含有するジ酸の存在は電荷発生層コーティングの塗
布時に該コポリエステルの電荷発生層コーティング溶媒
(例えば、50:50重量%のテトラヒドロフラン:トルエ
ン)中への接着溶解を促進してコポリエステルと電荷発
生層バインダーとのブレンドを形成することが考えられ
る。次の層の塗布前の乾燥線状飽和コポリエステル薄コ
ーティング〔例えば、約0.05μm(500オングストロー
ム)〕においては、コポリエステルの全体的溶解が乏し
い接着強度を与えそれによって分割中、超音波シーム接
合中および小直径ロール上での移送中の多層型感光体の
はく離に寄与している。ブロック層への接着はシランの
アミノ基と線状コポリエステル樹脂の−COOHまたは−OH
末端基との反応生成物によって形成された化合結合のよ
うな種々の要因により向上されているようである。本発
明の線状飽和コポリエステル接着層は接着層の総重量基
準で少なくとも約90重量%存在すべきである。
驚くべきことに、上述のエチレングリコールとテレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸およびアゼライン酸
との線状飽和コポリエステル反応生成物を含む接着層
は、該接着層をブロック層に押出コーティング法により
塗布したときのみ、グラビアコーティングおよびバード
アプリケーターコーティングのような通常のコーティン
グ法に比較して著しく優れた電気特性および接着特性を
示す。また、次構造式: を有し、式中、ジ酸はテレフタル酸、イソフタル酸およ
びこれらの混合物からなる群より選ばれ、ジオールはエ
チレングリコール、2,2−ジメチルプロパンおよびこれ
らの混合物から選ばれ、ジ酸とジオールの比は1:1であ
り、nは約175〜約350の数であり、そのTgが約50℃〜約
80℃であるコポリエステル樹脂のような他の同様なタイ
プのコポリエステルを接着層を用いたときに、著しく優
れた電気特性および接着特性が得られなかったことも予
期されなかった。上記の構造を有する典型的なポリエス
テル樹脂には、例えば、バイテル(Vitel)PE−100、バ
イテルPE−200、バイテルPE−200DおよびバイテルPE−2
22(いずれもクッドイヤータイヤアンドラバー社より入
手できる)がある。
従来技術の接着層で使用され本発明のエチレングリコ
ールとテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸および
アゼライン酸との線状飽和コポリエステル反応生成物の
優れた電気特性と接着特性を示さないポリエステルのも
う1つの例はバイテルPE−100としてクッドイヤータイ
ヤアンドラバー社より入手できるコポリエステルであ
る。この線状飽和コポリエステルの分子構造は次の構
造: で示され、このポリエステル中のジ酸対エチレングリコ
ールの比は1:1である。ジ酸はテレフタル酸とイソフタ
ル酸である。テレフタル酸:イソフタル酸の比は3:2で
ある。これらの酸とエチレングリコールの分子構造は前
記で示してある。バイテルPE−100線状飽和コポリエス
テルはエチレングリコールと上述の比の2つのランダム
配列のジ酸との交互モノマー単位からなり約50,000の分
子量と約71℃のTgを有する。
本発明のエチレングリコールとテレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸およびアゼライン酸との線状飽和コ
ポリエステル反応生成物の優れた電気特性と接着特性を
示さない従来技術の接着層用のもう1つのポリエステル
樹脂はバイテルPE−200としてグットイヤータイヤアン
ドラバー社より入手できる。このポリエステルは2つの
ジ酸と2つのジオールの線状飽和コポリエステルであ
る。この線状飽和コポリエステルの分子構造は次の構
造: で示され、該コポリエステル中のジ酸対エチレングリコ
ールの比は1:1である。ジ酸はテレフタル酸とイソフタ
ル酸である。テレフタル酸対イソフタル酸の比は1.2:1
である。これらの酸とエチレングリコールの分子構造は
前記で示している。2つのジオールはエチレングリコー
ルと2,2−ジメチルプロパンジオールである。エチレン
グリコール対ジメチルプロパンジオールの比は1.33:1で
ある。エチレングリコールの分子構造は前記のとおりで
あり、ジメチルプロパンジオールの分子構造は次のとお
りである: グッドイヤーPE−200線状飽和コポリエステルは上記
の比で2つの酸と2つのジオールとのランダムな交互モ
ノマー単位からなり約45,000の分子量と約67℃のTgを有
する。
上記で示すように、従来技術のいくつかのポリエステ
ル樹脂を誘導し得るジ酸もまたテレフタル酸およびイソ
フタル酸であり得る。従来技術のポリエステルを誘導し
得るジオールもまたエチレングリコールを包含する。2,
2−ジメチルプロパンジオールのような他のグリコール
もエチレングリコールと組合せて用いて従来技術のポリ
エステルを調製できる。
本発明の改良された結果を得るためには、接着コポリ
エステルコーティング混合物を押出しによりブロッキン
グ層上に該コーティング物質のリボンとして塗布するこ
とが臨界的である。驚くべきことに、本発明方法によっ
て製造した感光体の長時間のサイクル操作中、残留電圧
および電気的サイクル−ダウンの変化は低および高湿度
において殆んど観察さていない。カーボンブラックとポ
リエステルを含有するコーティング組成物、およびアル
キリデンアリレン化合物とポリカーボネートを含有する
コーティング組成物のような材料の押出コーティング方
法および装置はRussell等の米国特許第4,521,457号に記
載されている。米国特許第4,521,457号は押出ノズル内
でスペース部材を用いて2つの異なる材料のリボンを分
離することによる2つの異なる材料のリボンの同時並行
押出に関するけれども、スペース部材なしの同じ装置を
用いて本発明の線状飽和コポリエステル接着層コーティ
ングの単一リボンを押出すことができる。米国特許第4,
521,457号に記載されているように、押出ノズルはコー
ティング材料の貯槽を含み、この貯槽はコーティング材
料を並行な壁と出口を有する狭い押出スロットを通して
供給する。押出した接着層コーティング組成物は押出ス
ロットを通って流れたまゝのリボンの形状にある。電荷
発生層と電荷輸送層の押出コーティングは米国特許第4,
786,570号に記載されている。米国特許第4,521,457号と
第4,786,570号の記載はすべて参考として本明細書に引
用する。
本発明方法により塗布した線状飽和コポリエステル接
着コーティングは溶液として押出す。いかなる適当な溶
媒または溶媒混合物を用いても該コポリエステルのコー
ティング溶液を調製できる。典型的な溶媒には、テトラ
ヒドロフラン、シクロヘキサン、塩化メチレン、1,1−
トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、トルエンおよびこれらの混合物等があ
る。一般的には、溶媒混合物が接着層の乾燥中の蒸発速
度の最適コントロールを得るのに好ましい。一般的に
は、接着ポリマーを溶解する有機溶媒は均一な連続接着
層膜を形成させるのに用いる乾燥条件下で蒸発を行うの
に十分な低沸点を有する。有機溶媒の典型的な沸点範囲
は周囲圧および湿度で約20℃〜約115℃にある。
満足できる結果は溶液の総重量基準で約0.1〜約2.5重
量%の固形分の線状飽和コポリエステル固形分対溶媒比
で達成できる。約0.35〜約2.0%の比が好ましく、最適
の結果は溶液の総重量基準で約0.75〜約1.5重量%の固
形分の比で得られる。これらの濃度は一般に所望のコー
ティング粘度とコーティング厚さを与える。満足できる
湿潤コーティング厚さは約8μm(80,000オングストロ
ーム)〜約40μm(400,000オングストローム)の範囲
である。約8μmより低い湿潤厚さは膜厚に不均一性を
生じがちであり、一方、約40μmより大きい湿潤厚さは
コーティングの流動(running)をもたらす。約10μm
(100,000オングストローム)〜約30μm(300,000オン
グストローム)の湿潤厚範囲が好ましく、最適の結果は
約13μm(130,000オングストローム)〜約22μm(22
0,000オングストローム)の湿潤厚さで得られる。一般
的には、固形分濃度、湿潤厚さ、溶媒および乾燥条件は
塗布後のコーティングの流動を防止するように選択す
る。付着させた湿潤コーティングは均一で連続であらね
ばならない。本発明のコポリエステル押出コーティング
法と対照的に、従来技術のグラビアコーティング法によ
り約900〜3,000オングストロームの連続接着層厚を得る
ためには、固形分濃度比がポリエステルと溶媒とのコー
ティング混合物の総重量基準で約5〜約20重量%である
ことを必要とする。
一般的には、押出コーティング用ダイとコーティング
すべきブロッキング層を付着した支持部材表面との間の
相対速度は約250フィート/分(76.2m/分)程の高速で
あり得る。しかしながら、より高速の相対速度も所望な
らば使用できると考えられる。満足できるコーティング
結果は静止ノズルと約10〜250フィート/分(約3〜76.
2m/分)の基体速度で得られる。約70〜200フィート/分
(21.3〜61m/分)の基体速度が好ましく、最適のコーテ
ィングは約100〜約150フィート/分(30.5〜45.7m/分)
の基体速度で得られる。押出コーティングリボンとコー
ティングすべき基体の速度は同調させてもよくあるいは
異なる速度でもよい。相対速度は押出ノズルから発出し
たリボン状コーティングの流れの流動速度に従って調製
すべきである。即ち、カーテンコーティング(リボン状
コーティング流れの通路をコーティングすべき表面に垂
直にする)およびビードコーティング(コーティング材
料の細いビードを流れ通路の方向に対して垂直に形成さ
せる)はジェットコーティング(流れを押出ノズルから
高速で発出させる)よりも低い相対速度を通常必要とす
るであろう。
リボン状流れの狭い押出スロットの単位幅当りの流速
は滴りを防止しノズル出口からブロッキング層付着支持
部材の表面へギャップをまたいで渡るようにダイを満す
のに十分であるべきである。しかしながら、流速はコー
ティング組成物のはね散り(splashing)またはバドリ
ング(puddling)により不均一なコーティング厚さが得
られる点を越えるべきでない。一般的には、ノズル開口
に近づくときの押出ノズル中のコーティング材料のリボ
ンは薄層流動条件下に維持する。部材表面距離を支持す
るダイと部材表面速度を支持するダイとを変化させるこ
とは高または低コーティング組成物流速の調整を助長す
るであろう。一般に、満足できる結果は押出ノズルが約
50〜約200μmのスロットギャップ高を有するときに得
られる。約100〜約150μmの押出ノズルスロットギャッ
プ高が好ましく、最適の結果は約120〜約140μmのギャ
ップ高により得られる。
コーティングすべき基体と押出ノズル開口との距離は
変化し得、ある程度、ノズルから押出されるリボン平面
の角度およびコーティングリボンとコーティングすべき
基体との相対速度に依存する。一般に、満足できる結果
は約100〜約150μmのコーティングノズル開口とコーテ
ィングすべき基体間の距離によって得られる。満足でき
る結果は約60°の牽引(trailing)ノズル角度ないし約
90°の垂直ノズル角度によって達成できる。
本発明の押出コーティング段階は約0.19〜約0.38セン
チポイズの広範囲なコーティング組成物程度を調和させ
得る。一般的には、低コーティング組成物程度は薄い湿
潤コーティングを形成する傾向にあり、高粘度を有する
コーティング組成物は厚い湿潤コーティングを形成する
傾向を有する。明らかに、湿潤コーティング厚は付着コ
ーティング組成物中の溶媒が乾燥中に除去されたときよ
り薄い乾燥コーティングを形成する。
狭い押出スロットを介して本発明の接着コーティング
組成物の押出のに使用する圧力はスロットの大きさ、コ
ーティング組成物の粘度、コーティングノズル開口とコ
ーティングすべき基体との距離、ノズルと基体との相対
速度、およびカーテン、ビードまたはジェット付着を企
画したかどうかによる。いかなる適当な温度もこのコー
ティング付着工程で使用できる。一般的には、接着コー
ティング溶液の付着には周囲温度が好ましい。
本発明の接着層は接着層の付着に続く他のコーティン
グ工程のすべてに亘って連続層として維持すべきであ
る。即ち、後の層の成分がエチレングリコールとテレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸およびアゼライン酸
との線状飽和コポリエステル反応生成物を溶解する場
合、元の付着乾燥接着層は十分に厚くて連続した明確な
層が若干の元のポリエステル樹脂物質が後で塗布した電
荷発生層からのフィルム形成性バインダーとブレンド領
域を形成した後でさえも残るようでなければならない。
強固な接着を得るには、線状飽和コポリエステル樹脂の
厚い乾燥層を形成すべきである。満足できる結果は約0.
08μm(800オングストローム)〜約0.3μm(3,000オ
ングストローム)の元の付着乾燥厚によって得ることが
できる。好ましいのは、接着層は連続かつ均一であり、
電荷発生層の供給前に約0.09μm(900オングストロー
ム)〜約0.25μm(2,500オングストローム)より好ま
しくは約0.1μm(1,000オングストローム)〜約0.17
(1,700オングストローム)の乾燥厚を有する。約0.08
μm(800オングストローム)より小さい厚さでは、発
生層とブロッキング層との間の接着が貧弱であり、ベル
トをロールまたは曲げスギッドプレートのような小直径
支持体上を輸送するときにはく離が生ずる。本発明の元
の付着接着層の厚さが約0.09μm(900オングストロー
ム)より大きいときには、延長されたサイクル操作を可
能にし得る高接着強度が得られる。接着層は乾燥すべき
である。
スプレー法、デイップコーティング法、ロールコーテ
ィング法、ワイヤー巻きロッドコーティング法、グラビ
アコーティング法、バードアプリケーターコーティング
法のような接着層コーティングを電荷ブロッキング層に
供給するための通常の方法は、エチレングリコールとテ
レフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸およびアゼライ
ン酸との線状飽和コポリエステル反応生成物を押出によ
りブロッキング層に塗布する本発明の方法により得られ
た改良結果を提供しない。付着コーティングの乾燥はオ
ーブン乾燥、赤外線照射乾燥、空気乾燥等の任意の適当
な通常の方法により行い得る。
本発明の乾燥接着層は、接着層の総重量基準で、少な
くとも約90重量%の本発明のコポリエステル樹脂を含ん
で小直径ロール(例えば19mm)上での感光体ベルトの輸
送およびブレードクリーニングを含む用途において適切
な接着強度を達成すべきである。コポリエステル樹脂と
混和性であり電気的機械的強度性質に悪影響を与えない
10%までの他のフィルム形成性物質を添加できる。
本発明方法の接着層ポリエステルのアミノシロキサン
ブロッキング層との結合は酸−塩基界面結合の形成より
誘導されさらに極めて強い結合を形成する強い求核反応
により補充されているものと考えられる。
いかなる適当な光生成層をも接着層に塗布でき、次い
で、これを前述するように連続正孔輸送層でオーバーコ
ーティングできる。光生成層の例には、無晶質セレン、
三方晶セレン、およびセレン−テルル、セレン−テルル
−ひ素、セレン−ひ素およびこれらの混合物からなる群
から選ばれたセレン合金のような無機光導電性粒子、並
びにフィルム形成性高分子バインダー中に分散させた米
国特許第3,357,989号に記載されたX形の無金属フタロ
シアニン、バナジルフタロシアニンおよび銅フタロシア
ニンのような金属フタロシアニンのような種々のフタロ
シアニン;ジブロモアンタントロン、スクアリリウム、
デュポン社より商品名もナストラルレッド、モナストラ
ルバイオレットおよびモナストラルレッドYとして入手
できるキナクリドン類;ジブロモアンタンスロン顔料類
の商品名であるバットオレンジ1およびバットオレンジ
3;ベンズイミダゾールペリレン;米国特許第3,442,781
号に記載されている置換2,4−ジアミノ−トリアジン
類;アライドケミカル社より商品名インドファーストダ
ブルスカーレット、インドファーストバイオレットレー
キB、インドファーストブリリアントスカーレットおよ
びインドファーストオレンジとして入手できる多核芳香
族キノン類等のような有機光導電性粒子がある。多光生
成層組成物は1つの光導電性層が光生成層の性質を向上
または低下させる場合に使用できる。このタイプの形状
の例は米国特許第4,415,639号に記載されており、この
米国特許の記載はすべて参考として本明細書に引用す
る。当該技術で公知の他の適当な光生成材料も必要に応
じて使用できる。バナジルフタロシアニン、無金属フタ
ロシアニン、ベンズイミダゾールペリレン、無晶質セレ
ン、三方晶セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−
ひ素、セレンアーセナイドのようなセレン合金等のよう
な光導電性材料を含む粒子または層を含む電荷発生バイ
ンダー層はその白色光に対する感度故に特に好ましい。
バナジルフタロシアニン、無金属フタロシアニンおよび
テルル合金はまたこれらの物質が赤外光に対して感光性
であるという追加の利点を有することからも好ましい。
いかなる適当な高分子フィルム形成性バインダー物質
も光生成バインダー層中のマトリックスとして使用でき
る。典型的な高分子フィルム形成性物質には、例えば、
米国特許第3,121,006号に記載されたものがあり、該米
国特許の記載はすべて参考として本明細書に引用する。
即ち、典型的な有機高分子フィルム形成性バインダーに
は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リウレタン、ポリスチレン、ポリアリールエーテル、ポ
リアリールスルホン、ポリブタジエン、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン
スルフィド、ポリ酢酸ビニル、ポリシロキサン、ポリア
クリレート、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリ
イミド、アミノ樹脂、フェニレンオキサイド樹脂、テレ
フタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリスチレン−アクリロニトリルコポリマ
ー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマ
ー、アクリレートコポリマー、アルキッド樹脂、セルロ
ースフィルム形成体、ポリ(アミドイミド)、スチレン
−ブタジエンコポリマー、塩化ビニリデン−塩化ビニル
コポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、
スチレン−アルキッド樹脂、ポリビニルカルバゾール等
のような熱可塑性および熱硬化性の樹脂がある。これら
のポリマーはブロック、ランダムまたは交互コポリマー
であり得る。バインダーポリマーは接着層に良好に接着
し、接着層の上部表面をも溶解する溶媒中に溶解し、ま
た接着層のコポリエステルと混和性であってポリマーブ
レンド領域を形成すべきである。典型的な溶媒にはテト
ラヒドロフラン、シクロヘキサン、塩化メチレン、1,1,
1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリ
クロロエチレン、トルエン、およびこれらの混合物等が
ある。溶媒混合物を用いて蒸発範囲をコントロールでき
る。例えば、満足できる結果は約90:10〜約10:90のテト
ラヒドロフラン対トルエン比(重量比)で得られる。一
般には、光生成顔料、バインダーポリマーおよび溶媒の
組合せが電荷発生層コーティング組成物中での光生成顔
料の均一な分散体を形成すべきである。典型的な組合せ
には、ポリビニルカルバゾールと、三方晶セレンとテト
ラヒドロフラン;フェノキシ樹脂と、三方晶セレンとト
ルエン;およびポリカーボネート樹脂と、バナジルフタ
ロシアニンと塩化メチレンがある。電荷発生層用の溶媒
は接着層中の前以って押出付着させ乾燥させたコポリエ
ステル接着剤の上部表面を溶解し、電荷発生層で用いた
バインダーポリマーを溶解し、かつ電荷発生層中に存在
する光生成顔料粒子を分散させるべきである。電荷発生
層のバインダーポリマーと接着剤ポリマーとの両方を溶
解する電荷発生体層での溶媒の使用は、接着層の外表面
の接着ポリマーと接着層との界面近くの電荷発生層のバ
インダーポリマーとが相互混合またはブレレドするポリ
マーブレンド領域を形成させる。接着ポリマーは電荷発
生体層のバインダーポリマーと1:1重量部までのブレン
ドを形成するのに十分に混和性でなければならない。接
着層と電荷発生体層との界面でポリマーブレンデング
(混合)が生じない場合、電荷発生層を基体からの意図
的に破壊し次いで基体を顕微鏡検査することにより、光
生成粒子の基体へのキャリーオーバーが起らないことが
観察されるであろう。破壊試験は各種のコーティングを
通して基体まで切り下し、レザー刃を基体とコーティン
グ各層間に挿入して浅いスリットを形成しその後基体か
らコーティング各層を逆にはがすことによって行い得
る。ブレンディングの不存在は接着層と電荷発生層間の
接着の低下を生じ感光体ベルトの屈曲中にはく離を引き
起し得る。また、光生成バインダー層からの混和性ポリ
マーの連鎖の存在は本発明の接着層からのコポリエステ
ル樹脂からの連鎖とのポリマー鎖相互浸透に貢献してお
り、それによってもつれ合ったポリマーのポリマーブレ
ンド領域を与え小直径ロール上での輸送中のはく離に対
する抵抗性を向上させているものと考えられる。接着層
が、発生層の形成中、接着層ポリマーのすべてが電荷発
生層のバインダーポリマーとブレンドするという理由で
消失するならば、電荷発生層とブロッキング層間の接着
は劇的に消失し、感光体がウェハ形状である場合、瞬時
のはく離が観察される。即ち、コポリエステル樹脂の明
確な層がブロッキング層とすべてのコーティングを接着
層に供給したのちのポリマーブレンド領域との間に残存
しなければならない。
光生成化合物または顔料は樹脂バインダー中に種々の
量で存在するが、一般に約5〜約90容量%の光生成顔料
を約10〜約95容量%の樹脂バインダー中に分散させる
が、好ましくは、約20〜約30容量%の光生成顔料を約70
〜約80容量%の樹脂バインダー組成物中に分散させる。
1つの実施態様においては、約8容量%の光生成顔料を
約92容量%の樹脂バインダー組成物中に分散させる。
光導電性化合物および/または顔料および樹脂バイン
ダー物質を含有する光生成層は一般に約0.1〜約3μm
の厚さ範囲にあり、好ましくは約0.3〜約3μmの厚さ
を有する。光生成層厚はバインダー含有量に関連する。
高バインダー含有量の組成物は一般に光生成のために厚
い層を必要とする。これらの範囲外の厚さも本発明の目
的が達成される限り使用できる。いかなる適当な通常の
方法を用いても光生成層コーティング混合物を混合しそ
の後前以って乾燥させた接着層に塗布できる。典型的な
塗布法にはスプレー法、ディップコーティング法、ロー
ルコーティング法、ワイヤー巻きロッドコーティング法
等がある。付着コーティングの乾燥はオーブン乾燥、赤
外線照射乾燥、空気乾燥等のいかなる適当な通常の方法
によっても行ってコーティングを塗布するのに用いた溶
媒の実質的すべてを除去できる。
活性電荷輸送層は光発生させた正孔および電子の三方
晶セレンバインダー層からの注入を支持しこれら正孔ま
たは電子の有機層を通しての輸送を可能にして表面電荷
を選択的に放電させることのできるいかなる適当な輸送
有機ポリマーまたは非高分子物質をも含み得る。活性電
荷輸送層は正孔または電子を輸送するように作用するだ
けでなく光導電性層を磨耗または化学浸蝕から保護しそ
れによって感光体像形成部材の操作寿命を延長させる。
電荷輸送層は、ゼログラフィーで使用できる光の波長、
例えば、4000〜9000オングストロームに露光したとき、
無視し得る(存在していたとしても)放電を示す。従っ
て、電荷輸送層は感光体を使用すべき領域の照射に対し
て実質的に透明である。即ち、活性電荷輸送層は光発生
正孔の発生層からの注入を支持する実質的に非光導電性
の物質である。活性層は露光を該活性層を通して行うと
きに通常透明であり照射光の殆んどを下地の電荷キャリ
ヤ発生体層が効率的な光生成のために利用するのを確か
にする。透明基体を有する場合、像形成的露光は基体を
通して行うことができ、すべての光は基体を通過する。
この場合、活性輸送材料は使用波長領域で透過性である
必要はない。発生層と組合せた電荷輸送層は輸送層上の
静電荷が照射の不存在下では伝導しない程度に絶縁体で
ある材料である。
活性電荷輸送層は電気的に不活性な高分子物質に分散
させられる物質を電気的に活性にする添加剤として有用
な活性化化合物を含み得る。これらの化合物は光生成さ
せた正孔の発生物質からの注入を支持することができず
かつこれら正孔の輸送を行うことのできない高分子物質
に添加できる。これにより、電気的に不活性な高分子物
質を光生成した正孔の発生物質からの注入を支持し得か
つこれら正孔の活性層を通しての輸送を行って活性層上
の表面電荷を放電させ得る物質に転化する。多層光導電
体の2つの電気作動層の1つで用いる特に好ましい輸送
層は約25〜約75重量%の少なくとも1種の電荷輸送芳香
族アミン化合物と約75〜約25重量%の高分子フィルム形
成性樹脂(上記芳香族アミンが可溶性である。)とを含
む。
電荷輸送層形成用の混合物は、好ましくは、一般式: を有する1種以上の化合物の芳香族アミン化合物を含
み、上式中、R1とR2は置換または非置換のフェニル基、
ナフチル基およびポリフェニル基からなる群から選ば
れ、R3は置換または非置換のアリール基、1〜18個の炭
素原子を有するアルキル基および3〜18個の炭素原子を
有する脂環式化合物からなる群より選ばれる。置換基は
NO2基、CN基等の遊離形電子吸引基を含むべきである。
上部の構造式によって示される典型的な芳香族アミン化
合物には次の如きものがある: のようなトリフェニルアミン のようなビス及びポリトリアリールアミン のようなビスアリールアミンエーテル、及び のようなビスアルキル−アリールアミン。
好ましい芳香族アミン化合物は一般式 (上記一般式中、R1及びR2は上で定義されておりかつR4
は置換又は未置換ビフェニル基、ジフェニルエーテル
基、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、及び3〜
12個の炭素原子を有するシクロ脂肪族基からなる群から
選ばれる。置換基はNO2基、CN基などのような遊離形電
子引抜き基でなければならない) を有する。
電荷発生層の光発生正孔の注入を支持しかつ電荷輸送
層中を通って正孔を輸送することができる電荷輸送層の
ための上記構造式で示される電荷輸送性芳香族アミンの
例としては、不活性樹脂バインダー中に分散されたトリ
フェニルメタン、ビス(4−ジエチルアミン−2−メチ
ルフェニル)フェニルメタン、4′,4″−ビス(ジエチ
ルアミノ)−2′,2″−ジメチルトリフェニルメタン、
N,N′−ビス(アルキルフェニル)−〔1,1′−ビフェニ
ル〕−4,4′−ジアミン(ここでアルキルは例えばメチ
ル、エチル、プロピル、n−ブチルなどである)、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(クロロフェニル)−
〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニル)−
(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミンなどが含まれ
る。
塩化メチレン又は他の適当な溶媒に可溶な任意の適当
な不活性樹脂バインダーを用いることができる。塩化メ
チレンに可溶な典型的な不活性樹脂バインダーには、ポ
リカーボネート樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリエ
ステル、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリエ
ーテル、ポリスルホンなどが含まれる。分子量は約20,0
00から約1,500,000まで変わることができる。接着層中
に用いられる線状コポリエステル樹脂を溶解することが
できる他の溶媒も用いることができる。典型的な溶媒に
はテトラヒドロフラン、トルエン、トリクロロエチレ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタ
ンなどが含まれる。
好ましい電気的に不活性な樹脂物質は約20,000〜約12
0,000、より好ましくは約50,000〜約100,000の分子量を
有するポリカーボネート樹脂である。電気的に不活性な
樹脂物質として最も好ましものはGeneral Electric Com
panyからLexan 145として発売されている約35,000〜約4
0,000の分子量を有するポリ(4,4′−ジブロビリデン−
ジフェニレンカーボネート)、General Electric Compa
nyからLexan 141として発売されている約40,000〜約45,
000の分子量を有するポリ(4,4′−イソプロピリデン−
ジフェニレンカーボネート)、Farbenfabricken Bayer
A.GからMakrolonとして発売されている約50,000〜100,0
00の分子量を有するポリカーボネート樹脂及びMobay Ch
emical CopmpanyからMerlonとして発売されている約20,
000〜約50,000の分子量を有するポリカーボネート樹
脂、ポリエーテルカーボネート、4,4′−シクロヘキシ
リデンジフェニルポリカーボネートである。塩化メチレ
ン溶媒は、すべての成分を充分溶解するため及び低沸点
のために、電荷輸送層コーティング混合物の望ましい成
分である。
少なくとも2つの電気的作動層を有する感光性部材の
例には、米国特許第4,265,990号、米国特許第4,233,384
号、米国特許第4,306,008号、米国特許第4,299,897号及
び米国特許第4,439,507号に記載されている電荷発生層
及びジアミン含有輸送層部材が含まれる。これらの特許
の記載は全体として本明細書に参照文として含まれるも
のとする。
特に好ましい多層光導電体は光導電性物質のバインダ
ー層を含む電荷発生層と、中に一般式 (上記一般式中、Xは1〜4個の炭素原子を有するアル
キル基及び塩素からなる群から選ばれる)を有する1種
以上の化合物約25〜約75重量%が分散されている約20,0
00〜約120,000の分子量を有するポリカーボネート樹脂
の隣接正孔輸送層とを含み、光導電性層は正孔の光発性
及び正孔の注入の能力を示しかつ正孔輸送層は光導電性
層が光発生正孔を発生及び注入するスペクトル領域内で
実質的に非吸収性であるが、光導電性層からの光発生正
孔の注入を支持しかつ正孔輸送層中を通して正孔を輸送
する能力がある。
電荷輸送層コーティング混合物を混合しかつその後で
電荷発生層へ塗布するためには任意の適当なかつ通常の
技術を用いることができる。典型的な適用技術には、ス
プレー塗布、浸漬コーティング、ロールコーティング、
巻線ロッドコーティングなどが含まれる。塗布されたコ
ーティングの乾燥は、オーブン乾燥、赤外線乾燥、風乾
などのような適当な通常の技術で行うことができる。
一般に、正孔輸送層の厚さは約5〜約100μmである
が、この範囲外の厚さも用いることができる。正孔輸送
層は、正孔輸送層上に置かれた静電荷が照明の無い場合
には充分な速度で伝導されないでその上の静電潜像の形
成及び保持を防ぐ程度に絶縁体でなければならない。一
般に、正孔輸送層の電荷発生層に対する厚さの比は好ま
しくは約2:1〜200:1に保たれ、ある場合には400:1のよ
うに大きな値に保たれる。
ジルコニウム層、ブロッキング層、接着層又は電荷発
生層と接触する感光体の一端には、例えば造膜性バイン
ダー中に分散された導電性粒子を含む通常の接地ストリ
ップ(ground strips)のような他の層を適用すること
ができる。
随意に、耐摩耗性を改良するため、オーバーコート層
を用いることができる。ある場合には、感光体の反対面
にバックコーティングを塗布して平坦さ及び(又は)耐
摩耗性を与えることができる。これらのオーバーコート
層及びバックコーティング層は絶縁性又は僅かに半導電
性の有機重合体又は無機重合体を含むことができる。
添付図面を参照することによって本発明のより完全な
理解を得ることができる。
第1図には、カール防止バックコーティング1、支持
基体2、導電性接地面3、アミノシロキサン正孔ブロッ
キング層4、接着層5、電荷発生層6及び電荷輸送層7
を有する感光体が示してある。
第2図にはダイ10が示されている。この型のダイは米
国特許第3,920,862号に記載されているものと同様であ
る。このコーティング装置では、コーティング組成物は
通常のポンプ(図には示してない)又はガス圧力装置の
ような他の適当な公知の手段で入口12及び18から通常の
リザーバ室14中へ連続的に送られ、そこから狭い押出し
スロット16を通して押出される。
第3図には、狭い押出しスロット92がリップ94と96と
の間に形成されているダイ90の下流端が示されている。
リップ端98及び100は矢印の方向に動いている支持部材1
04の表面102から隔置されている。狭い押出しスロット9
2を通るコーティング組成物の流速、支持部材104の表面
102からのリップ端98及び100間の距離及び表面102とダ
イ90との間の相対的移動速度を調節してリップ端98の下
流下にコーティング物質のビード101を形成させる。コ
ーティング物質のリボン状流の厚さはコーティング過程
中にこの点に於て瞬間的に変化するが、表面102上には
良好で一様なコーティングが得られる。
第4図では、はね返り(splashing)やこねまわし(p
uddling)を起こさずにコーティング物質が重力で表面1
12上へ落下して表面112上に一様なコーティングを形成
することができるように、ダイ110と支持部材114の表面
112との間の距離、コーティング物質115の流速、及びダ
イ110と表面112との間の相対速度が調節される。ノズル
110と表面112との間の相対速度を増加させてコーティン
グ物質のカーテンを垂直カーテンから下流方向へ向かう
カーテンへ変化させることができる。
第5図では、ダイ120と支持部材124の表面122との間
の距離、組成物の流速及びダイ120と表面122との間の相
対速度を制御して下流ダイリップ端128の下にビート126
をかつ上流ダイリップ端132の下にビード130を形成させ
る。この配置でも満足で一様なコーティングが得られ
る。この実施態様の流速は、すべての他の粒子及び条件
が同じであれば第3図に示された流速より大きい。
第6図では、ダイ140を通るコーティング組成物の流
速、ダイリップ端142及び144間の支持部材148の表面146
からの距離及びダイ140と表面146との間の相対速度を調
節して、ダイリップ端142及び144から支持部材148の表
面146へ投射されるコーティング物質150の非支持リボン
状流を与える。この方法も支持部材148の表面146上に良
好で一様なコーティングを与える。
ダイリップ端はスクエアードナイフなどを含む任意の
適当な構造でよい。例えば添付図面中に示したビードコ
ーティング実施態様、特に高粘性流体については、平坦
なスクエアード端が好ましい。平坦なダイリップ端はビ
ードコーティング操作中ビードを支持しかつ安定化する
ように思われる。
上図のすべてにリザーバが示されているが、所望なら
ば、リザーバを除き、コーティング組成物を狭い押出し
スロット中へ直接供給してよい。しかし、高粘度組成物
では、リザーバを用いるときに、より一様な供給が起こ
る。又、多数のリザーバ室を有する多数の入口を用いて
広い支持部材の上に多数のリボン状流を適用し、その後
で縦方向に裂いて多数の被覆要素を与えることもでき
る。
コーティング物質のリボンの厚さを決定する狭い押出
しスロットの高さの選択は、一般に、流体の粘度、流
速、支持部材表面への距離、ダイと表面される基体との
間の相対運動、及び所望のコーティングの厚さのような
因子に依存する。一般に、約50μm〜約200μmのスロ
ット高さで満足な結果が得られる。しかし、200μmよ
り大きい高さも満足な結果を与えると考えている。約10
0μm〜約150μmのスロットギャップ高さで良好なコー
ティング結果が得られている。約120μm〜約140μmの
スロットギャップ高さでコーティング一様性の最適制御
が得られる。接着コーティング組成物が塗布される支持
体表面の幅によってリボン状流の幅は変化する。
狭い押出しスロットの屋根、側面及び床は、層流を確
実に得るため平行でかつなめらかでなければならない。
狭い押出し開口の入口開口から出口開口までの長さは、
層流とリボン状流の1つの縁から反対の縁までの圧力の
実質的な均等化とを確実に得るため充分に長くなければ
ならない。
ダイリップ端と支持基体の表面との間のギャップの距
離はコーティング物質の粘度、コーティング物質の速度
及び支持部材の表面に対する狭い押出しスロットの角度
のような変数に依存する。一般的に言うと、流速が低い
程、小さいギャップが望ましい。ダイリップ端と支持部
材表面との間の距離は、第3図及び第5図に示されるビ
ードコーティングが用いられるときに最い短い。第6図
で示されるようなより高い流速及び支持基体速度では、
より大きい距離を用いることができる。第4図に示され
るようなカーテンコーティングでは、ダイリップ端と基
体部材表面との間の最大距離を得ることができる。用い
る方法とは関係なく、コーティング物質のはねかえり、
したたり、こねまわしを避けるために流速及び距離を調
節せねばならない。
本発明の方法で製造される電子写真部材は、活性化電
磁放射線で像様露光する前に負の帯電を利用する任意の
適当なかつ通常の電子写真像形成方法で使用することが
できる。電子写真部材の像形成表面を負電荷で一様に帯
電させかつ活性化電磁放射線で像露光した後、通常の正
現像又は反転現像法を用いて電子写真像形成部材の像形
成表面にマーキング物質像を形成させる。かくして、適
当な電気的バイアスをかけかつ適当な極性の電荷を有す
るトナーを選ぶことによって、本発明の電子写真部材の
像形成表面上の負帯電領域又は放電領域にトナー像を形
成させることができる。より特別には、正現像のために
は、正に帯電したトナー粒子を像形成表面の負に帯電し
た静電潜像領域に付着させ、又、反転現像のためには、
負に帯電したトナー粒子を像形成表面の放電領域へ付着
させる。
本発明の方法で製造された電子写真部材はスリッティ
ング、超音波シーム溶接及びサイクリング中に大きな耐
剥離性を示す。
以下、本発明をその特別な好ましい実施例について説
明するが、これらの実施例は説明のためのみのものであ
り、本発明が実施例中に挙げた物質、条件、プロセスパ
ラメーターなどに限定されるものではないことは言うま
でもない。特に断らない限り部及び%はすべて重量によ
る。
〔実施例〕
〔実施例1〕 ポリエステルフィルムを約200オングストロームの厚
さを有するチタン層で真空被覆した。チタン層の暴露表
面を包囲大気中の酸素への暴露によって酸化した。この
アルミニウム層の酸化表面へ3−アミノプロピルトリエ
トキシルシランの5%(0.023モル)溶液をグラビアア
プリケーターで塗布することによってシロキサン正孔ブ
ロッキング層をつくった。この付着被覆層を強制空気オ
ーブン中で135℃で乾燥して450オングストロームの厚さ
を有する層を形成させた。70:30重量比のテトラヒドロ
フラン:シクロヘキサノン混合溶媒中に溶解した2.3重
量%の線状飽和コポリエステル樹脂(49000、E.I.du Po
nt de Nemour & Co.から発売)を含む接着層コーティ
ング溶液を調製した。この線状飽和コポリエステルは、
コポリエステル中のジ酸:エチレングリコールのモル比
が1:1であるエチレングリコールとジ酸との反応生成物
である。ジ酸はテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸及びアゼライン酸である。テレフタル酸:イソフタル
酸:アジピン酸:アゼライン酸のモル比は4:4:1:1であ
る。このジ酸の全モルとして、コポリエステル中のジ酸
対エチレングリコールのモル比は1:1である。この接着
層溶液をグラビアアプリケーターでシロキサン被覆ベー
スへ塗布して約2.17μm(21,700Å)の湿潤厚さを有す
るコーティングを形成させた。この接着層コーティング
を強制空気オーブン中で135℃で乾燥して約0.05μm(5
00Å)の厚さを有するコーティングにした。テトラヒド
ロフランとトルエンとの1:1容量比混合物中の約0.05μ
m〜0.2μmの粒径を有するナトリウムドーピング三方
晶系セレン3重量%及びポリビニルカルバゾール約6.8
重量%及びN,N″−ジフェニル−N,N′−ビス(3メチル
フェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
2.3重量%のスラリーコーティング溶液をポリエステル
コーティング上へ押出し被覆して湿潤厚さ26μmを有す
る層を形成させた。この被覆部材を強制空気オーブン中
で135℃で乾燥して2.5μmの厚さをもつ層にした。塩化
メチレン中に溶解されたFarbenfabriken Bayer A.G.か
ら発売されている分子量約50,000〜100,000のポリカー
ボネート樹脂MakrolonとN,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−
4,4′−ジアミンの溶液を塗布して電荷輸送層を形成さ
せ、最終的に乾燥輸送層中にそれぞれ50重量%含量のMa
krolonとN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチル
フェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
を与えた。この輸送層はバード(Bird)アプリケーター
で発生層の上に塗布され、約135℃の温度で乾燥して厚
さ24μmの乾燥正孔輸送物質層を成形した。ポリエステ
ルフィルムの裏側にはカール防止用バックコーティング
をも塗布した。
〔実施例2〕 実施例1に記載した物質、操作及び条件を繰返した。
但し、グラビアアプリケーターで塗布されたコポリエス
テル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemours & Co.から
発売)のコーティングの濃度を5重量%コポリエステル
に変化させて、より厚いコーティングを形成させた。付
着されたコーティングは湿潤厚さが約1.6μm(16,000
Å)であった。このコポリエステルを強制空気オーブン
中で135℃で乾燥して厚さ約0.08μm(800Å)のコーテ
ィングを得た。
〔実施例3〕 実施例2に記載した物質、操作及び条件を繰返した。
但し、グラビアアプリケーターで塗布されたコポリエス
テル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemours & Co.から
発売)のコーティングの濃度はより厚いコーティングを
形成させるため11.5重量%ポリエステルへ変化させた。
付着されたコーティングは湿潤厚さが約1.3μm(13,00
0Å)であった。このコポリエステル樹脂コーティング
を強制空気オーブン中で135℃で乾燥して厚さ約0.15μ
m(1,500Å)のコーティングを得た。
〔実施例4〕 実施例2記載の物質、操作及び条件を繰返した。但
し、グラビアアプリケーターで塗布されたコポリエステ
ル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemours & Co.から発
売)の濃度を20重量%ポリエステルに変化させて、より
厚いコーティングを形成させた。付着されたコーティン
グは湿潤厚さが約1.5μm(15,000Å)であった。この
コポリエステルコーティングを強制空気オーブン中で13
5℃で乾燥して厚さ約0.3μm(3,000Å)のコーティン
グを得た。
〔実施例5〕 実施例1記載の物質、操作及び条件を繰返した。但し
接着層の塗布をグラビアアプリケーターではなくハード
アプリケーターで行い、コポリエステル樹脂(49000、
E.I.du Pont de Nemours & Co.から発売)のコーティ
ングの濃度を0.5重量%ポリエステルへ変化させた。付
着されたコーティングは湿潤厚さが約10μm(100,000
Å)であった。このコポリエステル樹脂コーティングを
強制空気オーブン中で135℃で乾燥して厚さ約0.05μm
(500Å)のコーティングを得た。バードアプリケータ
ーのギャップサイズは12.7μm(0.5ミル)であった。
〔実施例6〕 実施例5記載の物質、操作及び条件を繰返した。但
し、コポリエステル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemo
urs & Co.から発売)の濃度を1重量%ポリエステルへ
変化させた。付着されたコーティングは湿潤厚さが約10
μm(100,000Å)であり、乾燥厚さ約0.1μm(1,000
Å)であった。
〔実施例7〕 実施例5記載の物質、操作及び条件を繰返した。但
し、コポリエステル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemo
urs & Co.から発売)の濃度を2重量%ポリエステルへ
変化させた。付着されたコーティングは湿潤厚さが約10
μm(100,000Å)であり、乾燥厚さが約0.2μm(2,00
0Å)であった。
〔実施例8〕 実施例5記載の物質、操作及び条件を繰返した。但
し、コポリエステル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemo
urs & Co.から発売)の濃度を3重量%ポリエステルへ
変化させた。付着されたコーティングは湿潤厚さが約10
μm(100,000Å)であり、乾燥厚さが約0.3μm(3,00
0Å)であった。
〔実施例3〕 実施例5記載の物質、操作及び条件を繰返した。但
し、コポリエステル樹脂(49000、E.I.du Pont de Nemo
urs & Co.から発売)のコーティングをシロキサン被覆
ベースへ、第4図に示されたダイと同様な押出しダイで
塗布しかつコポリエステル樹脂のコーティングの濃度を
0.75重量%コポリエステルへ変化させた。チタン/ジル
コニウム層及びシロキサン正孔ブロッキング層で被覆さ
れたポリエステル基体フィルムを約30.5m/分でダイの下
へ送った。リボン状流のためのダイ中の狭い押出しスロ
ットの長さ、幅及びギャップはそれぞれ2.54mm、482.6m
m及び0.12mmであった。付着されたコーティングは湿潤
厚さが約8μm(80,000Å)であった。このコポリエス
テル樹脂コーティングを強制空気オーブン中で135℃で
乾燥して乾燥厚さ約0.06μm(600Å)のコーティング
を得た。
〔実施例10〕 実施例9記載の物質、操作及び条件を繰返した。但し
付着されたコーティングは湿潤厚さが約13.3μm(133,
000Å)であり、乾燥厚さが約0.1μm(1,000Å)であ
った。湿潤厚さの変化はポンプ圧を変えることによって
達成された。
〔実施例11〕 実施例9記載の物質、操作及び条件を繰返した。但し
付着されたコーティングは湿潤厚さが約21.3μm(213,
000Å)であり、乾燥厚さが約0.16μm(1,600Å)であ
った。
〔実施例12〕 実施例9記載の物質、操作及び条件を繰返した。但し
付着されたコーティングは湿潤厚さが約32μm(320,00
0Å)であり、乾燥厚さが約0.24μm(2,400Å)であっ
た。
〔実施例13〕 実施例1〜12で製造された他の感光体試料の電気特性
を直径242.57mm(9.55in)の円筒形アルミニウムドラム
を含むゼログラフィー試験スキャナーで評価した。感光
体試験試料をドラム上にテープで取り付け、ドラムは試
料を76.2cm/秒(30in/秒)の一定速度で運んだ。取り付
けられた感光体試料の周囲に直流ピンコロトロン、露光
光源、消去光源及び5個の電位計プローブを取り付け
た。試料の帯電時間は33ミリ秒であった。露光及び消去
光は共に広帯電白色光(400〜700mμ)出力であり、お
のおのは300ワット出力キセノンアーク燈から供給し
た。プローブ及び光源の相対的位置を下表に示す。
感光体試験試料で初め暗室に少なくとも60分間静置
し、21℃で5%RH及び21℃で40%RHで確実に平衡に達し
させた。次に、各試料を暗室で約−900Vの現像電位へ負
帯電させた。各試料の電荷受容と光露出の400ergs/cm2
に対する前面消去露出による放電後の残留電位とを記録
した。試験操作は、21℃に於て、2つの湿度条件下、す
なわち相対湿度5%及び相対湿度40%で行った。
上記表中のデータは、本発明の方法の押出されたコポ
リエステル層で製造された感光体では他の方法で形成さ
れたコポリエステル層で製造された感光体と比べて、高
湿度及び低湿度の両方に於てサイクル操作中の残留電圧
特性の変化が著しく低いことを明らかに示している。
又、ゼログラフィー装置に於けるサイクル操作中の高及
び低コントランスト像の印刷も、本発明の方法のコポリ
エステル層では他の方法で形成されたコポリエステル層
で製造された感光体に比べて安定化される。
種々の49000乾燥厚さを用いる感光体デバイスの21℃
電気的サイクル−ダウン(50Kサイクル後のΔVDDD 上記表中に示されるように、本発明の押出されたコポ
リエステル接着層を含む感光体の高低両湿度に於ける暗
減衰(サイクルダウン)の全体的変化は他の方法で形成
されたコポリエステル接着層を含む感光体よりも低い。
サイクルダウンは、像品質を保つための感光体のサイク
ル操作中の電気的変化を補正するために一定の手動調節
又は特に複雑かつ高価なハードウェア及びソフトウェア
を必要とするので望ましくない。低い静止回復速度が得
られかつ長期機械サイクル操作中に、より小さいグリッ
ド電圧調節が所要である。
〔実施例14〕 実施例1〜12によって製造された追加の感光性試料の
剥離強度特性を機械的一体性のために評価した。各実施
例の感光体から3つの感光体試料〔1.27cm×15.24cm(1
/2in×6in)〕を切り、Instron Mechanical Testing De
viceを用いる180°剥離測定によって剥離強度を試験し
た。各試料について、かみそり刃スカイビングで電荷輸
送層と電荷発生層との組み合わせを剥離し、次に他の
層、すなわちカール防止バック層、基体、シラン層及び
コポリエステル接着剤層の剥離ストリップを手で持ち上
げる。剥離ストリップの長さは約9.0cm(31/2in)であ
った。各試料の電荷輸送層側をアルミニウム裏打ち板に
貼った両面テープに押しつけた。剥離ストリップから分
離された試料の自由端の縁部を裏打ち板の頂部の縁部と
平らに整列させた。裏打ち板の頂部をInstron Mechanic
al Testing Deviceの1対のジョーにクランプして底部
端が下にたれさがるようにした。剥離ストリップの自由
端をInstron Mechanical Testing Deviceのもう1対の
ジョーにクランプし、自由端を試料の底部端に隣接させ
た。この2対のジョーを反対方向へ移動させたとき、剥
離ストリップの自由端は未剥離セグメント上へ180°ピ
ールバックされた。Instronチャートレコーダーの荷重
範囲は、接着層剥離測定ではフルスケール100gにセット
された。ジョークロスヘッド速度2.54cm/分(1in/
分)、チャート速度5.08cm/分(2in/分)で、徳利スト
リップは少なくともさらに5.08cm(2in)剥離された。
実施例1〜12によって製造された感光体試料について
層間剥離試験も行った。層間剥離試験の実施方法はペー
パートリマーで感光体試料を切断し、切り口縁部の層間
剥離を100×倍率の光学透過顕微鏡を用いて試験した。
剥離強度及び層間剥離試験の結果を下表に示す。
上表の結果は、押出し被覆した49000層は500Åのグラ
ビア被覆対照の5.5g/cmよりも約1.5〜7.3倍大きい剥離
強度を生ずることを明らかに示している。3つの被覆方
法はすべて49000コポリエステル接着層の厚さが増すに
つれて大きな接着の増加を示した。しかし、押出し法は
優秀な結果を与えた。グラビア及びバードアプリケータ
ーハンド被覆試料は共に、500〜1,800Åの厚さの所で接
着とコポリエステル層厚さとの間に直線関係を示した。
2,000Åを越えると、接着改良は急激に平らになり、3,0
00Åに於ける約30.5g/cmの最大値へ漸近的に到達する。
これに反して、押出し49000コポリエステルは600〜2,40
0Åの全実験コーティング厚さ範囲に於てほぼ直線関係
を示した。
計算された接着増加率は下記のようになる。
500〜1,800Å間 グラビア法:1Åにつき0.0215g/cm増加 バードアプリケーター法:1Åにつき0.0211g/cm増加 押出し法:1Åにつき0.0217g/cm増加 2,000Åに於いて グラビア法:1Åにつき0.0018g/cm増加 バードアプリケーター法:1Åにつき0.0017g/cm増加 押出し法:1Åにつき0.0162g/cm増加 500〜1,800Åの49000コポリエステル厚さ範囲では3
つの方法のすべての接着増加率はほぼ等しいが、2,000
Åでは、押出し法の接着増加率はグラビア及びバードア
プリケーターハンドコーティング法の両方の増加率より
約10倍大きい。
〔実施例15〕 実施例9記載のようにして感光体を製造した。但し、
電荷輸送層を押出し被覆した。電荷輸送層は40重量%の
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニ
ル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミンを含ん
でいた。この感光体ベルトを、コロナ帯電、露光、磁気
ブラシ現像、静電転写及びブレードクリーニングを用い
るゼログラフィー像形成装置中の直径19mmのローラー上
でサイクル操作させることによってシーム層間剥離抵抗
の試験をした。厚さ0.06μm(次のコーティングの塗布
前に)dn Pont 49000接着層を有する感光体のシームは
3,000回の像形成サイクル後に分離した。
〔実施例16〕 実施例10記載のようにして感光体ベルトを製造した。
但し、電荷輸送層を押出し被覆した。電荷輸送層は約40
重量%のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチル
フェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン
を含んでいた。この感光体ベルトを、Xerox 1065複写機
中で、100,000回の完全な像形成サイクルについて試験
した。このシームの層間剥離は認められなかった。試料
は優れた電気的性質(無視できるサイクルダウンを含
む)を示し、100,000回の完全な像形成サイクル全体に
わたって優れたプリントを生じた。
〔実施例17〕 実施例11記載のようにして感光体試料を製造した。但
し電荷輸送層を押出し被覆した。電荷輸送層は約40%重
量%のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフ
ェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミンを
含んでいた。この感光体試料を実施例16記載の方法を用
いて試験した。像形成サイクル試験全体にわたって、良
好な電気的安定性及びシーム一体性が保持された。
以上、本発明を特別な好ましい実施例について説明し
たが本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、
むしろ当業者はこれらの中で変化や変更を行うことがで
きることを認めるであろう。これらの変化や変更は本発
明の精神内及び本発明の特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
第1図は多層感光体の概略図である。 第2図はコーティング組成物のリボン状流が押出される
押出しダイの概略の等大の断面図である。 第3図は、コーティング物質がダイ手段の下流側にビー
ドを形成する場合のダイから支持部材表面へ塗布される
コーティング物質のリボン状流のリボン状流の概略の断
面図である。 第4図はリボン状流が自由落下リボンである場合のダイ
手段から支持部材表面へ塗布されるコーティング物質の
リボン状流の概略の断面図である。 第5図はひきずり角で置かれたダイ手段の上流及び下流
にコーティング物質のビードが形成される場合のダイ手
段から支持部材表面へ塗布されるコーティング物質のリ
ボン状流の概略の断面図である。 第6図はリボン状物質が支持部材表面に接触する前に単
一の非支持流を形成する場合のダイ手段から支持部材表
面へ塗布されるコーティング物質のリボン状流の概略の
断面図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性層を用い、この導電性層上にアミノ
    シラン反応生成物を含む電荷ブロッキング層を形成し、
    上記導電性層上に少なくとも第1の溶媒中に溶解させた
    コポリエステル樹脂を含む溶液のリボンを押出して上記
    電荷ブロッキング層上に湿潤接着層を形成し、この湿潤
    接着層を乾燥させて上記第1溶媒の実質的すべてを除去
    して厚さ約0.08〜約0.3μmを有する上記コポリエステ
    ル樹脂を含む乾燥連続接着層を形成し、上記コポリエス
    テル樹脂を含むこの乾燥連続接着層に少なくとも第2の
    溶媒中に溶解させたフィルム形成性バインダーポリマー
    の溶液中に分散させた電荷発生粒子を含む混合物を塗布
    して湿潤電荷発生層を形成し、上記バインダーポリマー
    は上記コポリエステル樹脂と混和性であり、上記湿潤電
    荷発生層を乾燥させて上記第2溶媒の実質的すべてを除
    去し、そして、電荷輸送層を塗布することを含み、かつ
    上記コポリエステル樹脂はエチレングリコールと4つの
    ジ酸との線状飽和コポリエステル反応生成物から本質的
    になり、上記コポリエステル樹脂は次式: を有し、式中、ジオールはエチレングリコールであり、
    ジ酸はテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸および
    アゼライン酸であり、テレフタル酸対イソフタル酸対ア
    ジピン酸対アゼライン酸のモル比は約3.5〜約4.5(テレ
    フタル酸):約3.5〜約4.5(イソフタル酸):約0.5〜
    約1.5(アジピン酸):約0.5〜約1.5(アゼライン酸)
    であり、ジ酸の総モルはコポリエステル中のジ酸対エチ
    レングリコールのモル比約1:1内にあり、nは約250〜約
    400の数であり、上記コポリエステル樹脂のTgは約32℃
    〜約50℃であることを特徴とする電子写真像形成部材の
    製造方法。
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