JP2921191B2 - 車両用制動力制御装置 - Google Patents

車両用制動力制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラクションコントロ
ールシステム(TCS;トラクションコントロールはエ
ンジン出力とブレーキの併用で行なうが、ブレーキ側を
以下、「トラクションブレーキ制御」という)とアンチ
スキッドブレーキコントロールシステム(ABS)とで
共有のブレーキ液圧制御アクチュエータを有する車両用
制動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用制動力制御装置と
しては、例えば、特開昭58−122246号公報に記
載のものが知られている。
【0003】上記従来出典には、液圧制御バルブとリザ
ーバに蓄えられたブレーキ液をアキュムレータに戻すポ
ンプを有し、トラクションブレーキ制御時には外部液圧
源からの液圧に基づいて制御し、アンチスキッドブレー
キ制御時にはマスタシリンダからの液圧に基づいて制御
する共有ブレーキ液圧制御アクチュエータとを備えた装
置が示されている。
【0004】そして、トラクションブレーキ制御時及び
アンチスキッドブレーキ制御時において、ホイールシリ
ンダ液圧を減圧する時には、液圧制御バルブを減圧側に
切り換え、ホイールシリンダのブレーキ液をリザーバに
戻すことで行なわれ、同時に、ポンプを回転させてリザ
ーバに蓄えられたブレーキ液をアキュムレータに戻し、
減圧時のブレーキ液の蓄積余裕を常にもたせておくよう
にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用制動力制御装置にあっては、トラクションブ
レーキ制御時及びアンチスキッドブレーキ制御時のいず
れのホイールシリンダ液圧減圧時にもポンプを回転する
装置となっている為、アンチスキッドブレーキ制御より
も制御間隔の長いトラクションブレーキ制御では、ホイ
ールシリンダ液圧の減圧時間がより長くなり、ポンプモ
ータの回転による騒音や振動で運転者や乗員に不快感を
与え易い。
【0006】そこで、トラクションブレーキ制御時には
ポンプを非回転とし、アンチスキッドブレーキ減圧制御
時にのみポンプを回転とすることで上記問題を解決する
案がある。しかし、この場合、トラクションブレーキの
連続制御が行なわれた場合、トラクションブレーキ制御
終了時点でリザーバに多量のブレーキ液が蓄積されるこ
とになり、その後、アンチスキッドブレーキ制御が行な
われると、減圧制御時にホイールシリンダのブレーキ液
がリザーバ側に抜けなくなり、アンチスキッドブレーキ
制御での減圧要求時に減圧に時間がかかる。
【0007】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、TCSとABSとの共有ブレーキ液圧制
御アクチュエータを有する車両用制動力制御装置におい
て、トラクションブレーキ制御中の音振性能向上とトラ
クションブレーキ制御後にアンチスキッドブレーキ制御
が行なわれる場合の減圧制御性能確保との両立を図るこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用制動力制御装置では、ポンプ制御とし
て、トラクションブレーキ制御時に非回転とし、アンチ
スキッドブレーキ減圧制御時に回転とする基本制御に加
え、トラクションブレーキ制御終了から所定時間回転す
る制御を行なう手段とした。
【0009】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、制動操作によりブレーキ液圧を作り出すマスタシリ
ンダaと、制動操作と無関係にブレーキ液圧を作り出す
外部液圧源bと、液圧切換バルブcと液圧制御バルブd
とリザーバeに蓄えられたブレーキ液をアキュムレータ
fに戻すポンプgを有し、トラクションブレーキ制御時
には前記外部液圧源bからの液圧に基づいて制御し、ア
ンチスキッドブレーキ制御時には前記マスタシリンダa
からの液圧に基づいて制御する共有ブレーキ液圧制御ア
クチュエータhと、前記共有ブレーキ液圧制御アクチュ
エータhからのブレーキ制御圧に応じて車輪に制動力を
与えるホイールシリンダiと、前記ポンプをトラクシ
ョンブレーキ制御時に非回転とし、アンチスキッドブレ
ーキ減圧制御時に回転とする基本制御に加え、トラクシ
ョンブレーキ制御の減圧制御でリザーバeに蓄えられて
いたブレーキ液をアキュムレータfに戻すべく、トラク
ションブレーキ制御終了から所定時間ポンプgを回転す
る指令を出力するポンプ制御手段kとを備えていること
を特徴とする。
【0010】
【作用】駆動輪スリップが発生するような走行時で、車
輪へ伝達されるトラクションを制動力により低減させる
トラクションブレーキ制御時には、ポンプ制御手段kに
おいて、ポンプgを非回転とする指令が出力される。
【0011】このトラクションブレーキ制御時には、共
有ブレーキ液圧制御アクチュエータhにおいて、液圧切
換バルブcの作動により外部液圧源bからの液圧に基づ
き、増圧モードではブレーキ液圧バルブdを増圧位置と
し外部液圧源bからのブレーキ液圧をホイールシリンダ
iに供給し、保持モードではブレーキ液圧バルブdを保
持位置にすることでホイールシリンダiへのブレーキ液
圧の供給を遮断し、減圧モードではブレーキ液圧バルブ
dを減圧位置とすることでホイールシリンダiのブレー
キ液を抜き、抜いたブレーキ液がリザーバeに蓄えられ
る。
【0012】そして、トラクションブレーキ制御が終了
すると、ポンプ制御手段kにおいて、ポンプgを所定時
間回転する指令が出力され、トラクションブレーキ制御
の減圧制御でリザーバeに蓄えられていたブレーキ液が
ポンプgの回転によりアキュムレータfに戻される。
【0013】その後、急制動操作や低μ路制動操作が行
なわれ、車輪がロック傾向となった場合には、アンチス
キッドブレーキ制御が開始されることになる。
【0014】このアンチスキッドブレーキ制御時には、
共有ブレーキ液圧制御アクチュエータhにおいて、液圧
切換バルブcの作動によりマスタシリンダaからの液圧
に基づき、増圧モードではブレーキ液圧バルブdを増圧
位置としマスタシリンダaからのブレーキ液圧をホイー
ルシリンダiに供給し、保持モードではブレーキ液圧バ
ルブdを保持位置にすることでホイールシリンダiへの
ブレーキ液圧の供給を遮断し、減圧モードではブレーキ
液圧バルブdを減圧位置とすることでホイールシリンダ
iのブレーキ液をリザーバeに抜かれる。
【0015】このアンチスキッド制御の開始当初におけ
る減圧時には、トラクション制御終了に基づいて予めリ
ザーバeのブレーキ液が抜かれている為、ホイールシリ
ンダiのブレーキ液をリザーバeに抜くことができ、減
圧性能が確保される。
【0016】さらに、その後の減圧時にリザーバeに蓄
えられるブレーキ液は、ポンプ制御手段kからの指令で
ポンプfが回転されることでアキュムレータfに戻され
る。
【0017】さらに、その後の減圧時にリザーバeに蓄
えられるブレーキ液は、ポンプ制御手段kからの指令で
ポンプが回転されることでアキュムレータfに戻され
る。
【0018】構成を説明する。
【0019】図2は駆動輪である左右後輪の制動力を独
立に制御する本発明実施例の車両用制動力制御装置を示
すシステム図である。
【0020】実施例の車両用制動力制御装置は、図2に
示すように、ブレーキペダル1への制動操作によりブレ
ーキ液圧を作り出すマスタシリンダ2と、制動操作と無
関係にブレーキ液圧を作り出す外部液圧源3と、第1液
圧切換バルブ4及び第2液圧切換バルブ5(液圧切換バ
ルブに相当)と右後輪増圧バルブ6,右後輪減圧バルブ
7,左後輪増圧バルブ8,左後輪減圧バルブ9(これら
のバルブは液圧制御バルブに相当)とリザーバ10に蓄
えられたブレーキ液をアキュムレータ11に戻すABS
ポンプ12(ポンプに相当)を有し、トラクションブレ
ーキ制御時には前記外部液圧源3からの液圧に基づいて
制御し、アンチスキッドブレーキ制御時には前記マスタ
シリンダ2からの液圧に基づいて制御する共有ブレーキ
液圧制御アクチュエータ13と、該共有ブレーキ液圧制
御アクチュエータ13からのブレーキ制御圧に応じて左
右後輪に制動力を与える右後輪ホイールシリンダ14及
び左後輪ホイールシリンダ15とを備えている。
【0021】前記ブレーキペダル1とマスタシリンダ2
との間には、油圧ブースタ16が設けられていて、この
油圧ブースタ16は、外部液圧源3からチェックバルブ
17を介して蓄圧されるブースタ用アキュムレータ18
からの液圧に基づいて倍力作用を行なう。尚、19はリ
リーフバルブである。
【0022】前記マスタシリンダ2には、マスタシリン
ダ2と外部液圧源3とで用いられるブレーキ液を蓄えて
おくリザーバ20が付設されている。
【0023】前記外部液圧源3は、入出力路にチェック
バルブ21,22を有する液圧ポンプ23と、該液圧ポ
ンプ23を回転駆動する液圧ポンプモータ24と、出力
配管の途中に設けられた液圧アキュムレータ25とを有
して構成されている。
【0024】前記第1液圧切換バルブ4を迂回するバイ
パス路には、バルブ閉時にマスタシリンダ2からブレー
キ液圧が発生した場合に液圧制御バルブ側にマスタシリ
ンダ液圧を供給するチェックバルブ26が設けられてい
る。
【0025】前記右後輪増圧バルブ6と左後輪増圧バル
ブ8を迂回するバイパス路には、バルブ閉時で液圧切換
バルブ側の液圧が低圧でホイールシリンダ側の液圧が高
圧である時に液圧切換バルブ側へホイールシリンダ液圧
を戻すチェックバルブ27,28が設けられている。
【0026】前記アキュムレータ11と液圧制御バルブ
入力路とを連結する液圧路には、オリフィス29が設け
られている。
【0027】前記ABSポンプ12の入出力路には、ブ
レーキ液の流れる方向をリザーバ10からアキュムレー
タ11に方向規定するチェックバルブ30,31が設け
られている。そして、ABSポンプ12には、ABSポ
ンプモータ32が連結されている。
【0028】尚、各バルブ4,5,6,7,8,9は、
2位置切換ソレノイドバルブ構造となっている。また、
図示を省略しているが、前輪側にも同様の構成によるブ
レーキ液圧制御アクチュエータを有する。
【0029】前記各バルブ4,5,6,7,8,9及び
ポンプ12,23は、電子制御により作動制御が行なわ
れるもので、電子制御系として、前後輪の各車輪速セン
サ33,ストップランプスイッチ34,その他のセンサ
類35からの検出信号を入力し、トラクションブレーキ
制御やアンチスキッドブレーキ制御や液圧ポンプ制御や
ABSポンプ制御を行なう制御指令を出力するコントロ
ールユニット36が設けられている。
【0030】トラクションブレーキ制御は、様々な運転
条件においてより高いトラクション能力で最良の安定走
行を得る為、スロットルバルブ閉制御等と組み合せて左
右後輪に制動力を付与することで行なわれる。アンチス
キッドブレーキ制御は、急制動時や低μ路制動時等にお
いて車輪ロックを防止し車両の安定性や制動距離の短縮
を図る為、制動力となるホイールシリンダ液圧を制御す
ることで行なわれる。
【0031】また、液圧ポンプ制御は、両アキュムレー
タ18,25の液圧を所定に保つ為、液圧ポンプモータ
24の回転,非回転を制御することで行なわれる。AB
Sポンプ制御は、トラクションブレーキ制御時に音振性
能を高めながらアンチスキッド減圧制御開始時及びその
後の減圧制御時にホイールシリンダ14,15からのブ
レーキ液をリザーバ10に蓄積可能とする為、ABSポ
ンプモータ32の回転,非回転を制御することで行なわ
れる。
【0032】作用を説明する。
【0033】図3はコントロールユニット36で行なわ
れるABSポンプ制御作動の流れを示すフローチャート
で、以下、各ステップについて説明する(ポンプ制御手
段に相当)。
【0034】ステップ50では、ストップランプスイッ
チ34からのスイッチ信号やトラクション制御中信号や
アンチスキッド減圧制御信号等の必要情報の読み込みが
行なわれる。
【0035】ステップ51では、トラクション制御が終
了となってから設定時間ta以内かどうかが判断され
る。
【0036】ステップ51でNOと判断された場合に
は、ステップ52へ進み、トラクション制御時かどうか
が判断される。
【0037】ステップ52でYESと判断された場合に
は、ステップ53へ進み、ABSポンプモータ32を非
回転にする指令が出力される。
【0038】一方、ステップ51でYESと判断された
場合には、ステップ54へ進み、ABSポンプモータ3
2を回転にする指令が出力される。
【0039】また、ステップ52でNOと判断された場
合には、ステップ55へ進み、初めてのアンチスキッド
減圧制御開始から設定時間tb以内かどうかが判断され
る。そして、ステップ55でNOと判断された場合に
は、モータ非回転のステップ53へ進み、ステップ55
でYESと判断された場合には、モータ回転のステップ
54へ進む。
【0040】次に、トラクション制御が行なわれ、その
後、アンチスキッド制御が行なわれる走行時における制
御作用を説明する。
【0041】後輪スリップ量がトラクションブレーキ制
御しきい値を超える走行時で、後輪へ伝達されるトラク
ションを制動力により低減させるトラクションブレーキ
制御が行なわれる時には、図3のフローチャートにおい
て、ステップ50→ステップ51→ステップ52→ステ
ップ53へ進む流れとなり、ABSポンプ32を非回転
とする指令が出力される。
【0042】このトラクションブレーキ制御時には、共
有ブレーキ液圧制御アクチュエータ13において、第1
液圧切換バルブ4及び第2液圧切換バルブ5の両バルブ
をONとする切換作動により外部液圧源3からの液圧に
基づき、増圧モードでは増圧バルブ6,8をOFFによ
る連通位置とし減圧バルブ7,9をOFFによる遮断位
置とすることで外部液圧源3からのブレーキ液圧をホイ
ールシリンダ14,15に供給し、保持モードでは増圧
バルブ6,8をONによる遮断位置とし減圧バルブ7,
9をOFFによる遮断位置とすることでホイールシリン
ダ14,15へのブレーキ液圧の供給を遮断し、減圧モ
ードでは増圧バルブ6,8をONによる遮断位置とし減
圧バルブ7,9をONによる連通位置とすることでホイ
ールシリンダ14,15のブレーキ液を抜き、抜いたブ
レーキ液がリザーバ10に蓄えられる。
【0043】そして、上記トラクションブレーキ制御が
終了すると、図3のフローチャートにおいて、ステップ
50→ステップ51→ステップ54へ進む流れとなり、
ABSポンプ12を設定時間taだけ回転する指令が出
力され、トラクションブレーキ制御の減圧制御でリザー
バ10に蓄えられていたブレーキ液がABSポンプ12
の回転によりアキュムレータ11に戻される。
【0044】その後、急制動操作や低μ路制動操作等が
行なわれ、後輪がロック傾向となった場合には、アンチ
スキッドブレーキ制御が開始されることになる。
【0045】このアンチスキッドブレーキ制御時には、
共有ブレーキ液圧制御アクチュエータ13において、第
1液圧切換バルブ4及び第2液圧切換バルブ5の両バル
ブをOFFとする切換作動によりマスタシリンダ2から
の液圧に基づき、増圧モードでは増圧バルブ6,8をO
FFによる連通位置とし減圧バルブ7,9をOFFによ
る遮断位置とすることで外部液圧源3からのブレーキ液
圧をホイールシリンダ14,15に供給し、保持モード
では増圧バルブ6,8をONによる遮断位置とし減圧バ
ルブ7,9をOFFによる遮断位置とすることでホイー
ルシリンダ14,15へのブレーキ液圧の供給を遮断
し、減圧モードでは増圧バルブ6,8をONによる遮断
位置とし減圧バルブ7,9をONによる連通位置とする
ことでホイールシリンダ14,15のブレーキ液がリザ
ーバ10に抜かれる。この最初の減圧時には、トラクシ
ョン制御の終了に基づいて予めリザーバ10のブレーキ
液が抜かれていることで減圧性能が確保される。
【0046】さらに、その後の減圧時には、図3のフロ
ーチャートにおいて、ステップ50→ステップ51→ス
テップ52→ステップ55→ステップ54へ進む流れと
なり、ABSポンプ12が設定時間tbだけ回転される
ことで、随時、リザーバ10に蓄えられたブレーキ液が
アキュムレータ11に戻される。
【0047】次に、運転者が右足アクセル操作と左足ブ
レーキ操作とを同時に行い、トラクション制御の途中で
アンチスキッド制御要求が出力されるような場合の制御
作用を図4のタイムチャートにより説明する。
【0048】トラクション制御中にストップランプスイ
ッチ34がt1の時点でONになり、所定時間後のt2
の時点でABS要求によりトラクション制御が終了する
と、ABSポンプモータ32に対しt4の時点までの設
定時間taだけONとする指令が出力されると共に、減
圧モード(t2〜t3)から保持モード(t3〜t5)
へ移行する制御終了処理が行なわれる。そして、t5の
時点で、先に第2液圧切換バルブ5がONからOFFと
され、tc(10msec程度)だけ遅れたt6の時点での
第1液圧切換バルブ4がONからOFFとされる。これ
は、マスタシリンダ液圧が外部液圧源3側へ逆流するの
を防止するためである。そして、t7の時点でアンチス
キッド減圧制御が開始されることになり、同時にABS
ポンプモータ32が設定時間tbだけONとされる。
尚、このABSポンプモータ32のON作動はアンチス
キッド減圧制御開始からアンチスキッド制御が終了する
までとしても良いし、アンチスキッド減圧制御と一致さ
せてON作動させるようにしても良い。
【0049】このように、トラクション制御に引き続い
てアンチスキッド制御が行なわれる場合にもトラクショ
ンブレーキ制御終了に基づいて予めリザーバ10のブレ
ーキ液が抜かれていることでアンチスキッド制御におけ
る減圧性能が確保される。
【0050】効果を説明する。
【0051】(1)TCSとABSとの共有ブレーキ液
圧制御アクチュエータ13を有する車両用制動力制御装
置において、ABSポンプ12のポンプ制御として、ト
ラクションブレーキ制御時に非回転とし、アンチスキッ
ドブレーキ減圧制御時に回転とする基本制御に加え、ト
ラクションブレーキ制御終了から設定時間taだけ回転
する制御を行なうようにした為、トラクションブレーキ
制御中はABSポンプ12の停止状態が保たれることに
よる音振性能向上と、制動操作に基づいて予めリザーバ
10のブレーキ液を抜くことによりトラクションブレー
キ制御後にアンチスキッドブレーキ制御が行なわれる場
合の減圧制御性能確保との両立を図ることができる。
【0052】(2)アンチスキッド制御における減圧性
能を確保するための入力情報としてトラクションブレー
キ制御終了情報を用いる装置とした為、ABSポンプ制
御のために新たなセンサの追加を要することなく、コス
ト的に有利な装置とすることができる。
【0053】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0054】例えば、実施例では、液圧切換バルブ及び
液圧制御バルブとして2位置ソレノイドバルブを示した
が、3位置ソレノイドバルブとし、バルブ数を少なくす
るようにしても良い。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、TCSとABSとの共有ブレーキ液圧制御アクチュ
エータを有する車両用制動力制御装置において、ポンプ
制御としてトラクションブレーキ制御時に非回転とし、
アンチスキッドブレーキ減圧制御時に回転とする基本制
御に加え、トラクションブレーキ制御の減圧制御でリザ
ーバに蓄えられていたブレーキ液をアキュムレータに戻
すべく、トラクションブレーキ制御終了から所定時間
ンプを回転する制御を行なう手段とした為、トラクショ
ンブレーキ制御中の音振性能向上とトラクションブレー
キ制御後にアンチスキッドブレーキ制御が行なわれる場
合の減圧制御性能確保との両立を図ることができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用制動力制御装置を示すクレーム
対応図である。
【図2】駆動輪である左右後輪の制動力を独立に制御す
る本発明実施例の車両用制動力制御装置を示すシステム
図である。
【図3】実施例装置のコントロールユニットで行なわれ
るABSポンプ制御処理作動の流れを示すフローチャー
トである。
【図4】運転者が右足アクセル操作と左足ブレーキ操作
とを同時に行い、トラクション制御の途中でアンチスキ
ッド制御要求が出力されるような場合の制御作用を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
a マスタシリンダ b 外部液圧源 c 液圧切換バルブ d 液圧制御バルブ e リザーバ f アキュムレータ g ポンプ h 共有ブレーキ液圧制御アクチュエータ i ホイールシリンダ k ポンプ制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動操作によりブレーキ液圧を作り出す
    マスタシリンダと、 制動操作と無関係にブレーキ液圧を作り出す外部液圧源
    と、 液圧切換バルブと液圧制御バルブとリザーバに蓄えられ
    たブレーキ液をアキュムレータに戻すポンプを有し、ト
    ラクションブレーキ制御時には前記外部液圧源からの液
    圧に基づいて制御し、アンチスキッドブレーキ制御時に
    は前記マスタシリンダからの液圧に基づいて制御する共
    有ブレーキ液圧制御アクチュエータと、 前記共有ブレーキ液圧制御アクチュエータからのブレー
    キ制御圧に応じて車輪に制動力を与えるホイールシリン
    ダと、 前記ポンプをトラクションブレーキ制御時に非回転と
    し、アンチスキッドブレーキ減圧制御時に回転とする基
    本制御に加え、トラクションブレーキ制御の減圧制御で
    リザーバに蓄えられていたブレーキ液をアキュムレータ
    に戻すべく、トラクションブレーキ制御終了から所定時
    ポンプを回転する指令を出力するポンプ制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用制動力制御装置。
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