JPH08175368A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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Publication number
JPH08175368A
JPH08175368A JP32545594A JP32545594A JPH08175368A JP H08175368 A JPH08175368 A JP H08175368A JP 32545594 A JP32545594 A JP 32545594A JP 32545594 A JP32545594 A JP 32545594A JP H08175368 A JPH08175368 A JP H08175368A
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JP
Japan
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wheel
braking
pressure
control
load movement
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Application number
JP32545594A
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English (en)
Inventor
Shinji Matsumoto
真次 松本
Hideaki Inoue
秀明 井上
Michiki Araki
道樹 荒木
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動初期の荷重移動中のW/C圧の大減圧に
よる減速度の抜けを防ぎ、減速度を確保しABS制御の
実効性をより高める制御装置を提供する。 【構成】 制動による車両の荷重移動の状態を判断し、
ABS制御開始から制動による荷重移動が定常的な(変
動が小さい)状態になるまでは、比較的に大きい目標車
輪速を設定し、荷重移動が定常的な(変動が小さい)状
態になったと判断された場合には比較的小さい目標車輪
速を設定する。荷重移動状態判断は、例えばABS制御
開始からの減圧回数で荷重移動終了かを判断する。AB
S作動から2回目まで目標スリップを浅目に設定でき、
初期の車輪スリップの増加もなく、大きな減圧も発生せ
ず、W/C圧の復帰も早く、減速度も抜けの無いフラッ
トなものとなる。荷重移動が終了した後(3回目以降)
はスリップを深めに設定し、タイヤの横力と制動力のバ
ランスのとれるスリップ制御を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のアンチスキッド
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の制動液圧(ブレーキ液圧)制御を
するアンチスキッドシステム(ABS)は、例えば積
雪、氷結路などの低μ路等での制動時の車輪ロックを回
避し、そのような制動時での車両の操安性を確保するの
に効果を発揮するものである。このようなシステムにお
けるブレーキ液圧制御に、車輪スリップ量と車輪加速度
を用いるものは既知であり、このものでは、車輪のスリ
ップ量と車輪の加速度に応じて制動液圧の増減圧を繰り
返し行い制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、アンチスキッ
ド制御を開始する判断として使用される車輪の目標車輪
速の与え方として、次のようなことを狙って初期の目標
車輪速を小さめに設定しようという考え方がある。それ
は、アンチスキッド制御に安易に入らないようにするた
め、その目標車輪速は制御開始1発目は比較的に深目に
設定し、2発目以降はタイヤの横力と制動力のバランス
のとれた目標車輪速に設定するというものである(図7
(a))。このようにアンチスキッド制御に入りにくく
するのは、制御に入るとペダル振動なども発生するた
め、もし頻繁に入るとドライバーに違和感を与えること
や、アンチスキッド制御に入るとドライバーのコントロ
ールがしづらいと評価されている、といったようなこと
がその基本にあると考えられる。
【0004】しかるに、このようなアンチスキッド制御
装置にあっては、次のような面から考察すると、制動減
速度の低下が発生するなどの可能性がある。図7(a)
〜(b)は、例えば障害物回避の急制動等でのABS作
動のスキッドサイクルにおける車輪速、疑似車体速、ブ
レーキ液圧(ホイールシリンダ圧)Pw/c、並びにそ
れと関連して示す前輪荷重、後輪荷重、車体減速度の変
化の様子を表している。パニック制動などの場合に、こ
の図7(a)のそれぞれの目標車輪速(1発目の目標車
輪速、2発目以降の目標車輪速)に示すように、制御開
始1発目は目標の設定が深いため、制御を開始するとき
には、車輪のスリップ量は大きなものとなっているた
め、1発目のPw/c圧の減圧量も図示のように大きな
ものとなる。この時、制動による荷重移動が終了し、定
常的な(変動が小さい)状態になる前だと、この大きな
減圧により、荷重移動によって輪荷重が大きくなってい
く前輪の制動力を十分に使うタイミングを逸し(図
(b))、場合によっては減速度の抜け(図(c))が
発生する場合もあるという問題が生ずる。
【0005】望ましい制御は、たとえこうした制動場面
でも、初期のホイールシリンダ圧の大きな減圧も発生せ
ず、従って制動初期の荷重移動中のホイールシリンダ圧
の大減圧による減速度の抜けのない、図(c)の破線に
示すような状態のものである。
【0006】なお、停止間際の荷重移動とABSの増減
圧制御とのハンチングによる車体のピッチングを防ごう
という点からの制御は提案されているものの、しかし、
そのものであっても、制動初期の荷重移動中のホイール
シリンダ圧の大減圧による減速度の抜けを防ぐといった
機能までは有してはいない。
【0007】また、上記のような目標車輪速の設定によ
るアンチスキッド制御装置は、アンチスキッド制御に入
りにくくはなり、従ってペダル振動なども発生しにくく
はなるが、実際には現に制御が開始されることとなるそ
のときはスリップが深くなり過ぎ、結果、適切な横力を
確保できない状態になっており、操縦安定性の面から考
えるとより適切な目標車輪速の設定を行うべきである
(このような目標車輪速の設定のアンチスキッド制御が
一般的なために、先に述べたように、アンチスキッド制
御に入るとドライバーのコントロールがしづらいと評価
されている面もある)という点で、なお改良する余地は
あり、そうすれば、制動時の車輪ロック防止によるアン
チスキッド制御の効果を充分に引き出し、発揮させるこ
とが可能である。
【0008】本発明は、制動液圧を制御するアンチスキ
ッド制御において、制動初期の荷重移動中の制動液圧の
大減圧による減速度の抜けを回避可能で、制動減速度を
確保し、アンチスキッド制御の実効性をより高めること
のできるアンチスキッド制御装置を提供しようというも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
アンチスキッド制御装置が提供される。即ち、車輪のス
リップ量に応じて制動液圧の増減圧を制御するアンチス
キッド制御装置であって、制動による車両の荷重移動の
状態を判断する荷重移動状態判断手段と、該荷重移動状
態判断手段による荷重移動の状態の判断に応じてアンチ
スキッド制御開始から前記制動による荷重移動がほぼ定
常的な状態になるまでは比較的に大きい目標車輪速を設
定し、その荷重移動がほぼ定常的な状態になったと判断
された場合には比較的小さい目標車輪速を設定するよ
う、目標車輪速を設定する手段とを備えることを特徴と
するアンチスキッド制御装置である。
【0010】また、上記において、前記制動液圧の増減
圧制御は、車輪スリップ量と車輪加速度に応じて行うこ
とを特徴とするアンチスキッド制御装置である。また、
前記荷重移動状態判断手段は、アンチスキッド制御開始
からの減圧回数により荷重移動が終了したか否かを判断
するものであることを特徴とするアンチスキッド制御装
置、及び前記荷重移動状態判断手段は、アンチスキッド
作動から所定の設定時間経過した否かにより荷重移動が
終了したか否かを判断する態様のものか、車体前後加速
度またはサスペンション・ストロークの少なくともいず
れかを検出する手段を含んで構成される態様のものか、
のいずれかの態様であることを特徴とするアンチスキッ
ド制御装置である。また、前記アンチスキッド制御は、
少なくとも減圧、保持、増圧モードによる制御態様のも
のであるか、減圧、緩増圧モードによる制御態様のもの
であるか、のいずれかの態様であることを特徴とするア
ンチスキッド制御装置である。
【0011】
【作用】上述した構成により、制動時の初期の制動によ
る車両の荷重移動の状態に合わせて目標車輪速の設定を
かかる荷重移動状態に応じたものとすることが可能で、
制動初期の荷重移動中の制動液圧の大きな減速による減
速度の抜けを防止し得、よって制動減速度を確保しつつ
適切なアンチスキッド制御を実現することを可能ならし
める。また、初期の目標車輪速を小さめに設定する手法
によったとしたらスリップが深くなり過ぎる結果、適切
な横力を確保しにくくなるようなケースであっても、本
発明によれば、操縦安定性の面からも適切な目標車輪速
の設定が可能で、アンチスキッド作動初期の車両の操縦
安定性をより向上させることを可能ならしめる。また、
アンチスキッド作動開始時の制動液圧の大減圧の発生を
防げる結果、ぺダルキックバックは小さくなり、アンチ
スキッド作動中のペダルフィーリングは向上するととも
に、減速度の抜けがなくなり、かつ荷重移動終了後に目
標車輪速を深めに設定することで、よりしっかりと減速
度を確保することにより、ピッチングなどの連続性がで
て減速感の向上にもつながるなどの効果ももたらす。
【0012】また、制動液圧の増減圧制御は、車輪スリ
ップ量と車輪加速度に応じて行う構成として、本発明は
実施でき、同様に上記のことを実現することを可能なら
しめる。また、荷重移動状態判断手段は、アンチスキッ
ド制御開始からの減圧回数により荷重移動が終了したか
否かを判断する態様のものか、アンチスキッド作動から
所定の設定時間経過した否かにより荷重移動が終了した
か否かを判断する態様のものか、車体前後加速度または
サスペンション・ストロークの少なくともいずれかを検
出する手段を含んで構成される態様のものかの、いずれ
かの態様として、本発明は実施でき、同様に上記のこと
を実現することを可能ならしめる。この場合において、
当該判断に減圧回数や設定時間の経過を利用するとき
は、格別のセンサを使用しないでも実施できる点で有利
であり、一方、車体前後加速度やサスペンション・スト
ロークを検知するときは、より正確な判断ができる点で
有利である。また、アンチスキッド制御は、少なくとも
減圧、保持、増圧モードによる制御態様のものである
か、減圧、緩増圧モードによる制御態様のものであるか
の、いずれかの態様として、本発明は実施でき、同様に
上記のことを実現することを可能ならしめる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例の構成を示す図である。
適用する車両は、本実施例では、前後輪とも左右のブレ
ーキ液圧(制動液圧)を独立に制御できる4チャンネル
アンチスキッドシステム(4chABS)のものとす
る。
【0014】図中、1はブレーキペダル、2はブレーキ
の倍力装置としてのブースタ、3はリザーバ、4はマス
ターシリンダ(M/C)をそれぞれ示し、また10,2
0は車両の左右前輪、30,40は左右後輪をそれぞれ
示す。各車輪10,20,30,40は、ホイールシリ
ンダ(W/C)11,21,31,41を備え、マスタ
ーシリンダ4とそれらホイールシリンダとの間には、車
輪ロックを回避するためのアクチュエータが設けられ
る。
【0015】図示例では、各輪ごとのチャンネルにイン
レットバルブ12,22,32,42及びアウトレット
バルブ13,23,33,43を有し、また、リザーバ
8,9と、モータ5駆動のポンプ6,7とを要素として
含み、これらを図示のように配管、接続してABS油圧
回路を構成するアンチスキッド装置が備わっている。マ
スターシリンダ4からこれらホイールシリンダ11〜4
1へ至るブレーキ液圧系において、前輪(フロント)ブ
レーキ系では、マスターシリンダ液路は、これをインレ
ットバルブ12,22個々に接続し、それらインレット
バルブ12,22からは各ホイールシリンダ側の液路を
経て前輪10,20の各ホイールシリンダ11,21に
至らしめる。後輪(リア)ブレーキ系も、同様に、マス
ターシリンダ液路は、これをインレットバルブ32,4
2個々に接続し、それらインレットバルブ32,42か
らは各ホイールシリンダ側の液路を経て後輪30,40
の各ホイールシリンダ31,41に至らしめる。
【0016】前輪の各ホイールシリンダ11,21に接
続の各ホイールシリンダ液路は、それぞれ途中から分岐
し、それら分岐液路をアウトレットバルブ13,23を
介して前輪用リサーバ8に接続するとともに、前輪用ポ
ンプ6を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接続
する。また、後輪の各ホイールシリンダ31,41に接
続のホイールシリンダ液路も同様、それぞれ途中から分
岐し、それら分岐液路をアウトレットバルブ33,43
を介して前輪用リサーバ8に接続するとともに、前輪用
ポンプ7を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接
続する。
【0017】図示例では、各インレットバルブ12,2
2,32,42及びアウトレットバルブ13,23,3
3,43のそれぞれは、ON・OFF制御の二位置電磁
弁であり、ここでは、それらバルブの切り換えをもっ
て、それぞれ対応車輪のホイールシリンダ11,21,
31,41につき、そのブレーキ液圧(制動液圧P)を
個々に制御してその増圧、保持(保圧)、減圧を行わせ
る。
【0018】インレットバルブ12,22,32,42
はOFF時図示の開位置に、また、アウトレットバルブ
13,23,33,43はOFF時図示の閉位置にあっ
て、かかる状態では、対応ホイールシリンダにマスター
シリンダ4からの液圧を供給される時、ブレーキ液圧を
元圧であるマスターシリンダ液圧に向け増圧し、各車輪
は個々に制動される。本例では、インレットバルブにつ
いては、その該当チャンネルのものを、上記の状態から
ONさせ閉位置に切り換える時は、当該対応チャンネル
のホイールシリンダのブレーキ液圧を増減しない保圧状
態となり、更には対応アウトレットバルブをONさせて
閉位置から開位置へと切り換える時は、そのブレーキ液
圧を対応リザーバへ逃がして低下させる減圧状態とな
る。減圧によってリザーバ8,9に溜まったブレーキ液
は、モータ5によって駆動されるポンプ6,7によって
インレットバルブ12,22,32,42の上流に戻さ
れる。
【0019】アンチスキッド装置の各インレットバルブ
12,22,32,42、アウトレットバルブ13,2
3,33,43、及びポンプ駆動用モータ5は、コント
ローラ50の出力信号によって制御し、コントローラ5
0には、各輪10,20,30,40に配した車輪速検
出用の車輪速センサ51,52,53,54からの信号
をそれぞれ入力する。また、コントローラ50には、本
実施例では、ブレーキスイッチ(SW)55の信号も入
力される。
【0020】上記コントローラ50は、入力検出回路
と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行されるアン
チスキッド制御等の制御プログラム、及び演算結果等を
格納する記憶回路と、各バルブ12,22,32,42
及び13,23,33,43、モータ5に制御信号を供
給する出力回路等とを含んでなる。
【0021】本実施例では、このように、1チャンネル
当たり2個の電磁弁を用いて制御対象車輪の液圧が制御
されるアンチスキッド装置であり、制動時、コントロー
ラ50は、入力情報を基に、車輪の制動ロックを防止す
べく上記のインレットバルブ12,22,32,42、
アウトレットバルブ13,23,33,43に対する駆
動制御をもってアンチスキッド制御を実行する。本例の
如き4チャンネル4センサ方式のABS制御の場合、コ
ントローラ50は、車輪の制動ロックを防止すべく、基
本的には、前後左右4輪の各チャンネルごとの車輪速情
報を得、車輪速より車体速度を推定するとともに、そら
れに基づき該当車輪のスリップを求め、当該車輪のスリ
ップ率が目標スリップ率に保たれるように制動液圧を制
御することで、制動時の車輪ロックを回避する。
【0022】好ましくは、車輪加速度を用いる場合にあ
っては更に各輪ごと車輪速より車輪加速度をも算出し、
車輪のステップ量と車輪の加速度に応じて対応車輪の制
動液圧液圧を制御することで、制動時の車輪ロックを回
避する制御を行うことができる。更には、単に車輪のス
リップ率を所定の或る目標とする範囲にコントロールす
るにとどまらず、コントローラ50は、制動時のその車
両の荷重移動の状態に合わせた適切な減増圧制御も行わ
せるべく、制動による荷重移動状態を判断し、例えば制
動初期の荷重移動中、及びその移動終了判断後のそれぞ
れにつき、その目標車輪速の設定をかかる荷重移動状態
判断に応じたものとして、上記のABS制御を実行す
る。好ましくはまた、この場合、制動による車両の荷重
移動の状態を判断するについては、ABS制御開始から
の減圧回数をもって荷重移動が終了したか否かについて
の判断をするようになすことができる。
【0023】図2に示すものは、そのようなABS制御
のための図1に示した実施例システムでの機能の概要の
一例をブロックとして表したものである。図示の如く、
制御対象車輪ごと設けられる車輪速センサからの出力よ
り車輪速を演算する車輪速演算手段a、車輪速より車体
速を推定する車体速推定手段b、同じく車輪速より車輪
加速度を演算する車輪加速度演算手段c、車輪速と車輪
加速度と推定された車体速より増減圧を決定する増減圧
決定手段d、及び駆動パルスを出力する駆動パルス出力
手段fを備えるABS制御装置において、目標車輪速の
設定手段eと荷重移動状態判断手段fとを備えている。
【0024】ここに、荷重移動状態判断手段fは、制動
による車両の荷重移動の状態を判断する手段、設定手段
eは、ABS制御開始からこの荷重移動状態判断手段f
により制動による荷重移動が定常的な(変動が小さい)
状態になるまでは、比較的に大きい目標車輪速を設定
し、荷重移動が定常的な(変動が小さい)状態になった
と判断された場合には比較的小さい目標車輪速を設定す
る設定手段であり、上記増減圧決定手段dは、かかる設
定手段eで荷重移動状態判断手段fの判断結果により選
択的に切り換え設定される目標車輪速に応じ増減圧を決
定し、駆動パルス出力手段fが、その決定された増減圧
態様に従う駆動パルスをアンチスキッド装置hへ出力
し、対応車輪の制動液圧Pを制御する。
【0025】上記車輪速演算手段a、車体速推定手段
b、車輪加速度演算手段c、増減圧決定手段dは、本実
施例においては、図1の車輪速センサ51〜54及びコ
ントローラ50の一部を含んで構成される。更に、上記
制動初期から定常状態に至る間の荷重移動状態判断手段
f、設定手段eは、コントローラ50により構成され、
また、アンチスキッド装置hは、インレットバルブ1
2,22,32,32、アウトレットバルブ13,2
3,33,34を含む、マスターシリンダ4とホイール
シリンダ11,21,31,41の間の図1図示のAB
Sアクチュエータによって構成される。
【0026】図3は、コントローラ50により実行され
る、上記の荷重移動の状態の判断及びそれに伴う目標ス
リップ設定の変更処理をも含むアンチスキッド制御プロ
グラムの一例のフローチャートである。この処理は、図
示せざるオペレーティングシステムで一定時間毎の定時
割り込みによって遂行される。
【0027】図3において、まず、ステップS100で
は、車輪速センサ51〜54からの信号に基づき、各車
輪速Vwi(i=1〜4)を読み込む。次に、ステップ
S101において車輪速Vwiより車輪加速度Vwdを
算出する。本実施例では、例えば30msec間の速度
差から求めることにする。
【0028】続くステップS102では、疑似車体速V
iを算出する。本実施例では、通常のABSで用いられ
る方法でViを算出することにする。即ち、ここでは、
各輪の車輪速Vwにフィルタをかけ、より車体速度に近
い値Vwfi(i=1〜4)を各輪で算出し、制動時/
非制動時などの条件により、各Vwfiから最も大きい
ものを選択するなどして最も車体速度に近いVwf(車
体速中間値と呼ぶ)を算出し、更にこのVwfをもとに
疑似車体速度Viを求めこととする。
【0029】次に、ステップS103においては、制動
による車両の荷重移動の状態を判断するため、本ステッ
プにて、制動による荷重移動が終了したか否かの判断を
行う。本実施例では、最も簡単な方法として、ABS制
御による減圧制御の回数を用いることとし、ABS制御
開始からの減圧回数により荷重移動が終了したか否かを
判断する。このようにするのは、次のような点に基づく
ものである。
【0030】つまり、減圧1回目(制御開始)と減圧2
回目(例えば、図5中時刻t1での減圧制御、時刻t2
での減圧制御タイミング参照)までは、いろいろな条件
を考えると、時間的にまだ制動による車両の前後輪にお
ける荷重移動が終了していない場合があるが、例えば3
回目の減圧時(同図中時刻t3での減圧制御タイミング
参照)には、ほぼ荷重移動が終了していることが多いと
いえることが実験結果などから分かったことから、本例
では、これを利用して本ステップS103での判断を行
わせるものである。即ち、減圧2回目までは荷重移動が
終了していないと判断し(みなし)、2回目の減圧以降
は荷重移動が終了していると判断する(みなす)ことと
する。
【0031】具体的には、上記例の場合は、ブレーキS
W55からのON信号の入力のタイミングで、例えばカ
ウンタをリセットし、及びこれをスタートさせる一方、
例えば後述の増減圧モード決定処理(ステップS10
6)でABS制御が減圧モードへとモード切り換えが行
われるごと(即ち、図5中時刻t1や時刻t2の減圧モ
ードへのモード切り換えごと)にそれをカウントして値
1ずつインクリメントさせるようにし、かかるABS減
圧回数監視用カウンタの当該カウンタ値が値2でないな
ら荷重移動が終了したとは判断せず、カウンタ値が値2
を示したとき、従って、ABS制御開始後、現に減圧2
回が完了したら、以降は荷重移動が終了したと判断する
にようにすればよい。
【0032】しかして、次のステップS104にて目標
スリップ率を設定する。本実施例では、ステップS10
3での荷重移動終了判断の結果に応じて、荷重移動が終
了したと判断されている場合には、深めの目標スリップ
(例えば、λ1=(Vi×0.85)−7km/h)を
設定し、荷重移動が終了していないと判断されている場
合には、浅めの目標スリップ(例えば、λ1=(Vi×
0.9)−7km/h)に設定する。こうして、本制御
では、目標スリップ率は、ABS制御開始から制動によ
る荷重移動が定常的な、即ち変動が小さい状態になるま
では、浅目の目標スリップが設定され、そして、荷重移
動が定常的な、従って変動の小さい状態になったと判断
された場合には、目標スリップは切り換えられて、比較
的深めの目標スリップが設定されることとなる。
【0033】かくして、ステップS105以降で、車輪
スリップ量S算出、増減圧モード決定、駆動パルス出力
の各処理を実行するものである。即ち、続くステップS
105においては、現在の車輪スリップを次式にて演算
する。
【数1】車輪スリップS=Vi−Vwi ・・・1
【0034】そして、ステップS106にて、ここで
は、車輪のスリップ量Sと車輪加速度Vwdに応じてW
/C圧(Pw/c)の増減圧を決定する。本実施例で
は、図4に示す如くに車輪加速度につき値α1,α2、
車輪スリップ量につき値λ1,λ2を用いた制御マップ
に従って増減圧モードを決定するABS制御とする。
【0035】このマップでは、車輪の算出スリップ量S
と車輪加速度Vwdに応じて現在の車輪の状態がどのゾ
ーンにあるかにより増減圧モードを決定する。この場合
は、基本的には、図に示すように、ABS制御中は、モ
ードは保持、緩減圧、緩増圧、急減圧モードに分けられ
るが、場合によっては急増圧モードもあり、従ってこれ
を含める態様であってもよく、また、制御しきい値は車
速などによっても変化するものとしてもよい。本プログ
ラム例では、上記のような制御マップを用い、車輪がロ
ック傾向にあれば対応ホイールシリンダ液圧Pw/cを
保持し、なおもロックしそうなら減圧し、車輪回転数が
回復すれば増圧するといったスキッドサイクルの繰り返
しで制動力の制御が行われるよう、上記ステップS10
1,105で得られているスリップ量Sと車輪加速度V
wdをかかるABS制御マップにあてはめてその液圧制
御モードを決定するものとする。ここで、上記ステップ
S104で求めた目標のスリップλ1は、車輪スリップ
量のしきい値となる。
【0036】しかして、上記ステップS106でのモー
ド決定がなされたら、次のステップS107でその決定
された増減圧モードに応じてアクチュエータの駆動パル
スを出力する。即ち、決定モードに応じて対応インレッ
トバルブ12〜42及びアウトレットバルブ12〜42
等への制御信号を設定、出力するよう、本ステップS1
07実行ごと出力処理をし、これにより制動時の車輪ロ
ックを防止するABS制御を実行させるものである。
【0037】本実施例では、例えば図7に示すような制
御表を用い、これにより制動液圧を制御するものであっ
てよく、算出スリップ率λと車輪加速度(d/dt)V
wをかかるABS制御表にあてはめて各輪ごとにホイー
ルシリンダ圧の減圧、保持、増圧を決定するものとし、
それに応じて対応インレットバルブ及びアウトレットバ
ルブ等への制御信号を設定し、出力して、これにより制
動時の車輪ロックを防止するABS制御を実行させるも
のである。
【0038】以上のような制御により、本実施例におい
ては、制動時、上述の荷重移動状態の判断に対応して目
標スリップ率を設定可能な制御が組み込まれたABS制
御による制動力の調整が行われ、たとえ、パニック制動
などのときにでも、図7の場合のように荷重移動によっ
て輪荷重が大きくなっていく前輪の制動力を十分に使う
タイミングを逸して、減速度の抜けが発生するといった
ような問題も解消され、制動初期の荷重移動中のホイー
ルシリンダ圧の大減圧による減速度の抜けを防ぐことが
できる。
【0039】図5は、本実施例制御を実行した場合の例
で、前記図7のタイミングチャートと対比して示すもの
である。図5は、時刻t0でブレーキぺダル1の踏み込
みによる制動が行われ、本実施例に従うABS制御が実
行された場合における疑似車体速Vi、車輪速Vw及び
ホイールシリンダ圧Pw/cの変化、推移を示しており
(同図(a))、また、そのときの前輪荷重及び後輪荷
重の変化、減速度の推移の様子をそれぞれ示すものであ
る(同(b),(c))。
【0040】図示のように、ABS制御の減圧は、1回
目、2回目、3回目がそれぞれ時刻t1,t2,t3で
行われているが、本実施例では、前述したようにABS
作動から2回目まで目標車輪速が大きめに設定されてい
る(図5(a)中の2点鎖線参照)ため、前記図7
(a)に示すような初期の車輪スリップの増加もなく、
Pw/c圧の大きな減圧も発生しない。そのためPw/
c圧の復帰も早く、図5(c)に示されるように減速度
の推移も抜けの無いフラットなものとなっている。そし
て、荷重移動が終了した後(3回目以降)は、目標車輪
速を小さめに設定する(図5(a)中の1点鎖線参照)
ことで、タイヤの横力と制動力のバランスのとれるスリ
ップ制御を行うことができる。こうして、本制御による
と、従来の図7(a)に示すような目標車輪速の与え方
によるものによったなら同図(c)の如くに減速度の抜
けが生ずることとなるような制動場合の制御であったと
しても、そうした減速度の抜けはこれを回避し得、従っ
て、そのような制動場面でも、適切に制動減速度を確保
したABS制御を行うことができる。
【0041】また、先にも触れたように、通常のABS
制御は、初期の目標車輪速を深めに設定することで確か
にアンチスキッド制御に入りにくくなり、ペダル振動な
ども発生しにくくはなるところ、実際にはスリップが深
くなり過ぎ、適切な横力を確保できない状態になってお
り、よって、操縦安定性の面から考えるとより適切なス
リップの設定を行うべきであるが、本発明に従えば、か
かる点からも改善がなされ、上記した制御によりABS
作動初期の車両の操縦安定性がより向上するというメリ
ットも、上述の制動減速度の確保の効果に加えて得られ
るものである。
【0042】また、ペダル振動の問題にしても、本発明
に従えば、ABS作動開始時のホイールシリンダ圧Pw
/cの大減圧がなくなるためぺダルキックバックは小さ
くなり、ABS作動中のペダルフィーリングは向上する
ため大きなデメリットにはならない。それより、本制御
により減速度の抜けがなくなり、かつ荷重移動終了後に
スリップを深めに設定することで、よりしっかりと減速
度を確保することにより、ピッチングなどの連続性がで
て減速感の向上にもつながるなどのメリットもある。
【0043】また、本実施例は、次のような態様で実施
することもできる。 〔第1変形例〕即ち、上記では、制動による荷重移動が
終了したか否かの判断として減圧回数を用いたが、或る
時間の設定値を設けて、ABS作動からその設定値以上
の時間が経過した場合は、制動による荷重移動が終了し
たと判断するようににしてもよい。この場合は、例え
ば、そのための計時タイマなどを使用するようにし、前
記ステップS103において、そのタイマ値を監視する
などすればよい。
【0044】〔第2変形例〕また、上述の減圧回数のカ
ウントや設定時間の経過による手法のほか、より正確に
判断するために、例えば前後G(車体前後加速度g)や
サスペンション・ストロークなどを検知するタイプとし
てもよい。この場合は、そのための検出センサを用いる
分、コストアップとなるものの、一方では、その分より
正確な荷重移動状態判断が可能となる利点があり、他
方、上述の減圧回数を用いる手法または設定された所定
時間の経過をみる手法によるものの場合は、そのような
前後Gセンサまたはサスペンション・ストロークセンサ
を導入しないでもプログラム処理で可能である分、低コ
ストで本制御を実現できる利点がある。また、上記した
いずれかの一以上の手段の組み合わせであってもよい。
【0045】〔第3変形例〕また、本実施例では、アン
チスキッド制御として、例えば図4に例示した制御マッ
プを用いるタイプとしたが、アンチスキッド制御を例え
ばPD制御としてもよい。この場合は、例えば、以下の
ような処理内容のものであってよい。即ち、補足的に、
簡単に説明すれば、例えば図3のステップS100,1
01,102で得られる各輪の車輪速Vwと疑似車体速
Viと車輪加速度Vwdより、次式2に従って目標増減
圧量値ΔP* を算出する。
【数2】 ΔP* =kp×(Vw* −Vw)+kd×(Vwd* −Vwd) ・・・2
【0046】ここで、kp,kdは、それぞれ制御ゲイ
ン(比例制御ゲイン,微分制御ゲイン)であり、走行状
態に応じて変更される。また、Vw* は、車輪速の目標
値であり、例えばVw* =Vi×λ(λは目標スリップ
率)などで求める。また、Vwd* は、車輪加速度の目
標値であり、例えばVwd* =1.2g+β(βは路面
μ判断により変更される)などとして求める。
【0047】そして、そのように目標増減圧量ΔP*
演算したら、この目標増減圧量ΔP * を達成するように
アクチュエータの駆動パルスを発生するようになす。し
かして、この場合は、荷重移動終了判断の結果に応じ
て、上記式2右辺中車輪速目標値Vw* =Vi×λにお
ける目標スリップ率λを前述したのと同様にして、荷重
移動がほぼ定常的な状態になるまでは比較的に浅目に設
定し、ほぼ定常的な状態になった後は比較的深め設定す
るよう変更するようにすればよい。本発明は、このよう
にして実施してもよく、前述したのと同様の作用効果を
沿うする。
【0048】また、本発明は、前記実施例(第1実施
例)のABSアクチュエータに代えて、図6に示すよう
な構成のものを使用しても実施できる。本実施例(第2
実施例)は、図示のように、前記実施例の電磁弁による
各チャンネルごとのインレットバルブ12,22,3
2,42が、それぞれ差圧駆動のメカ式のバルブ機構で
あるインレットバルブ112,122,132,142
に置き換えられておる。その他の構成については、同様
であってよい。
【0049】図において、各インレットバルブ112,
122,132,142は、ここでは、上流側(マスタ
ーシリンダ側)と下流側(各ホイールシリンダ側)の差
圧により駆動されるインレットバルブであり絞りによる
緩増圧をつくる。本実施例では、かかるインレットバル
ブ112〜142をマスターシリンダ4とホイールシリ
ンダ11〜41間の経路に介挿するとともに、アウトレ
ットバルブ13,23,23,43に対する駆動制御を
行うことにより、該当チャンネルにおいて、それぞれ対
応車輪のホイールシリンダ11〜41につき、そのブレ
ーキ液圧を個々に制御する。
【0050】インレットバルブ112〜142は、上流
側と下流側に差圧を生じない状態では絞りを作用させな
い位置をとる。また、アウトレットバルブ13〜43は
OFF時図示の閉位置を維持する。かかる状態では、ブ
レーキぺダル1の踏み込みにより各ホイールシリンダに
マスターシリンダ4からの液圧を供給される時、そのマ
スターシリンダ圧はマスターシリンダ液路、各インレッ
トバルブ、及びホイールシリンダ液路を通してそのまま
伝わり、よって、ブレーキ液圧を元圧であるマスターシ
リンダ液圧に向け増圧でき、各車輪は個々に制動され
て、通常のブレーキングが行える。
【0051】このような制動時、各チャンネルのアウト
レットバルブ13〜43は、コントローラ50によりそ
れを開閉するよう作動させると、その開弁位置では対応
リザーバ8,9への分岐液路を開通させ、対応ホイール
シリンダのブレーキ液は該リザーバへ導かれて抜かれ
る。また、その閉弁位置をとる期間は該リザーバとの連
通を断って上記のブレーキ液圧の抜きを遮断する。かく
して、こうしたアウトレットバルブの開閉駆動制御で、
ブレーキ液圧を対応リザーバへ逃がして低下させる減圧
状態となり、ABS制御の減圧が行われる。
【0052】減圧によってリザーバ8,9に溜まったブ
レーキ液は、前記と同様にしてインレットバルブ112
〜142の上流に戻され、戻されたブレーキ液は、増圧
の用に供される。一方、アウトレットバルブ13〜43
の作動による減圧によって対応ホイールシリンダ側液路
の圧がマスターシリンダ側液路より低下すると、インレ
ットバルブ112〜142はその上流側と下流側に差圧
が生じて作動し、これによりマスターシリンダ4と対応
ホイールシリンダとの連通は絞りがついた連通に切り替
わり、ホイールシリンダ圧は徐々に増圧される(緩増
圧)。
【0053】本実施例による場合は、こうした差圧駆動
のインレットバルブ112,122,132,142で
の絞りによる緩増圧効果を利用し、また、1チャンネル
当たり1個の2位置電磁弁であるアウトレットバルブ1
3,23,33,43によって制御対象車輪のホイール
シリンダ液圧が制御されるアンチスキッド装置であり、
制動時、コントローラ50への入力情報を基に、減圧と
緩増圧の態様をもって、車輪の制動ロックを防止すべく
上記のアウトレットバルブ13,23,33,43に対
する駆動制御によりブレーキ液圧制御(2モードAB
S)を実行するものである。この場合において、アンチ
スキッド制御は前記変形例3で述べた例えばPD制御で
行えるが、そのようなABS制御において、前述と同様
の荷重移動状態判断と、それに基づく荷重移動の状態の
判断に応じた目標スリップの設定制御を併用すよう組み
合わせて実施することにより、第1実施例と同様の作用
効果を得ることができる。
【0054】また、本実施例によると、図6に示すよう
に、使用電磁弁として、1チャンネル当たり1個の2位
置電磁弁による構成で、これを実現することもできる。
また、本実施例の場合も、前記第1実施例における変形
例1、及び変形例2を同様に適用することができる。本
発明は、このようにして実施することもできる。
【0055】なお、本発明は、以上の実施例、変形例等
に限定されるものではない。例えば、上記では4チャン
ネルABSを例としたが、そのほか3チャンネルABS
その他のシステムでも同様に本発明は適用できることは
勿論である。また、例えば、インレットバルブとアウト
レットバルブによるABSアクチュエータの好適例を示
したが、それは、図示のものに限られるものではない。
例えば、上記例示した構成の以外の既知の普通の、ある
いは改良されたアンチスキッド装置によるものであって
もよく、例えば、減圧、保圧、増圧制御可能なON・O
FF制御型の3位置電磁弁を各チャンネルごと1個使用
し、その減圧位置の時、対応ホイールシリンダ液圧を減
圧し、その保圧位置の時対応液圧を保持し、その増圧位
置の時対応液圧を増圧する構成でも差し支えない。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、制動液圧を制御するア
ンチスキッド制御において、制動時の制動による車両の
荷重移動の状態に合わせて目標車輪速の設定を荷重移動
が終了するまでは比較的に大きく、荷重移動が終了した
ら比較的に小さくというように荷重移動状態に応じたも
のとすることが可能で、制動初期の荷重移動中の制動液
圧の大きな減速による減速度の抜けを防止し得、よって
制動減速度を確保しつつ適切なアンチスキッド制御を実
現することをができる。また、初期の目標車輪速を深め
に設定する手法によったとしたらスリップが深くなり過
ぎる結果、適切な横力を確保しにくくなるようなケース
であっても、本発明によれば、操縦安定性の面からも適
切なスリップの設定が可能で、アンチスキッド作動初期
の車両の操縦安定性をより向上させることができる。ま
た、アンチスキッド作動開始時の制動液圧の大減圧の発
生を防げる結果、ぺダルキックバックは小さくなり、ア
ンチスキッド作動中のペダルフィーリングは向上すると
ともに、減速度の抜けがなくなり、かつ荷重移動終了後
にスリップを深めに設定することで、よりしっかりと減
速度を確保することにより、ピッチングなどの連続性が
でて、従って減速感の向上にもつながるなどの効果も併
せ有する。
【0057】また、制動液圧の増減圧制御は、車輪スリ
ップ量と車輪加速度に応じて行う構成として、本発明は
実施でき、同様に上記を実現することができる。また、
荷重移動状態判断手段は、好ましくは、アンチスキッド
制御開始からの減圧回数により荷重移動が終了したか否
かを判断する態様のものか、アンチスキッド作動から所
定の設定時間経過した否かにより荷重移動が終了したか
否かを判断する態様のものか、車体前後加速度またはサ
スペンション・ストロークの少なくともいずれかを検出
する手段を含んで構成される態様のものかの、いずれか
の態様として、本発明は実施でき、同様に上記を実現す
ることをができる。この場合において、当該判断に減圧
回数や設定時間の経過を利用するときは、格別のセンサ
を使用しないでも実施できる点で有利に実施で、また、
車体前後加速度やサスペンション・ストロークを検知す
るときは、より正確な判断ができる点で有利に実施でき
る。また、アンチスキッド制御は、少なくとも減圧、保
持、増圧モードによる制御態様のものであるか、減圧、
緩増圧モードによる制御態様のものであるかの、いずれ
かの態様として、本発明は実施でき、同様に上記を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すシステム図であ
る。
【図2】同例での制御内容の基本構成の一例を表す機能
ブロック図である。
【図3】同例のコントローラにより実行される制御プロ
グラムの一例を示すフローチャートである。
【図4】同プログラムに適用できる制御マップの一例を
示す図である。
【図5】制御内容の説明に供するタイミングチャートあ
る。
【図6】本発明の他の実施例に係るシステム図である。
【図7】従来例による場合の諸量の推移を示すタイミン
グチャートある。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 ブースタ 3 リザーバ 4 マスターシリンダ 5 モータ 6,7 ポンプ 8,9 リザーバ 10,20 左右前輪 11,21,31,41 ホイールシリンダ 12,22,32,42 インレットバルブ(電磁弁) 13,23,33,43 アウトレットバルブ(電磁
弁) 30,40 左右後輪 50 コントローラ 51,52,53,54 車輪速センサ 55 ブレーキスイッチ(SW) 112,122,132,142 インレットバルブ
(メカ式)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪のスリップ量に応じて制動液圧の増
    減圧を制御するアンチスキッド制御装置であって、 制動による車両の荷重移動の状態を判断する荷重移動状
    態判断手段と、 該荷重移動状態判断手段による荷重移動の状態の判断に
    応じてアンチスキッド制御開始から前記制動による荷重
    移動がほぼ定常的な状態になるまでは比較的に大きい目
    標車輪速を設定し、その荷重移動がほぼ定常的な状態に
    なったと判断された場合には比較的小さい目標車輪速を
    設定するよう、目標車輪速を設定する手段とを備えるこ
    とを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制動液圧の増減圧制御は、車輪スリ
    ップ量と車輪加速度に応じて行うことを特徴とする請求
    項1記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記荷重移動状態判断手段は、 アンチスキッド制御開始からの減圧回数により荷重移動
    が終了したか否かを判断するものであることを特徴とす
    る請求項1、または請求項2記載のアンチスキッド制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記荷重移動状態判断手段は、 アンチスキッド作動から所定の設定時間経過した否かに
    より荷重移動が終了したか否かを判断する態様のもの
    か、 車体前後加速度またはサスペンション・ストロークの少
    なくともいずれかを検出する手段を含んで構成される態
    様のものか、のいずれかの態様であることを特徴とする
    請求項1、または請求項2記載のアンチスキッド制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記アンチスキッド制御は、少なくとも
    減圧、保持、増圧モードによる制御態様のものである
    か、減圧、緩増圧モードによる制御態様のものである
    か、のいずれかの態様であることを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3、または請求項4記載のアンチ
    スキッド制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001310727A (ja) * 2000-04-27 2001-11-06 Aisin Seiki Co Ltd アンチスキッド制御装置
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