JP2001260848A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JP2001260848A JP2000072779A JP2000072779A JP2001260848A JP 2001260848 A JP2001260848 A JP 2001260848A JP 2000072779 A JP2000072779 A JP 2000072779A JP 2000072779 A JP2000072779 A JP 2000072779A JP 2001260848 A JP2001260848 A JP 2001260848A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ABS制御を実行するブレーキ制御装置にお
いて、車輪速あるいは車輪加速度の信号に路面の凹凸や
ノイズの重畳があっても、これらの影響を受けることな
く減圧後の増圧量を最適に制御して制御品質を向上させ
ること。 【解決手段】 ABS制御時の車輪速の変化に基づいて
路面が高摩擦係数であるか低摩擦係数であるかの路面判
定を行い、かつ、この路面判定に基づいて、減圧後の増
圧量を、低摩擦係数の路面にあっては高摩擦係数の路面
よりも小さな値に設定する増圧量設定手段と、を備えた
ブレーキ制御装置において、前記増圧量設定手段は、減
圧発生から次回の増圧までの時間をカウントするカウン
ト手段を備え、前記路面判定を、前記カウントした時間
と、カウント手段がカウントを行っている間に発生した
車輪加速度の大きさとに基づいて行う構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動時に車輪がロ
ックするのを防止するABS制御を実行するブレーキ制
御装置に関し、特に、ABS制御時に、求めた路面の摩
擦係数(以下、これをμという)に応じて増圧量を設定
する制御を実行する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、制動時に車輪速を検出し、車輪が
ロック傾向になると、ブレーキ液圧を減圧・保持・増圧
して、車輪がロックするのを防止しつつ、制動距離をで
きる限り最短とするABS制御が知られている。
【0003】また、このABS制御を実行するにあた
り、減圧後の増圧量を路面μに応じて設定することによ
り、乾燥路すなわち高μ路において大きな制動力を得る
ことを可能としながら、ウエット路すなわち低μ路にお
いて制動力を最適に抑えて車輪ロックが生じないように
し、これにより減圧実行頻度を抑えて低μ路においても
車輪ロックを防止しつつ制動距離が最短となるように制
御することが課題とされている。
【0004】このような課題を解決する従来技術とし
て、例えば、特開平9−95224号公報に記載のもの
が知られている。この従来技術にあっては、ABS制御
において減圧後の車輪速の立ち上がり傾きが、路面μに
対応していること(すなわち高μ路では前記車輪速の立
ち上がりが急であり、低μ路では前記車輪速の立ち上が
りが緩やかであること)に着目して成されたもので、こ
の従来技術にあっては、制動操作による増圧により車輪
速が低下した後、減圧を実行することにより車輪速が車
体速に向けて復帰した際に、その車輪加速度のピーク値
から0Gとなるまでの時間を求め、この時間が短ければ
高μ路と判断して次回の増圧量を大きく設定し、一方、
前記時間が長ければ低μ路と判断して次回の増圧量を小
さく設定する制御を実行する構成となっている。したが
って、高μ路・低μ路のいずれにあっても、増圧量を最
適に設定して、車輪ロック発生防止と制動距離の短縮と
の両立を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術にあっては、増圧量の設定を上述のように車輪
加速度のピーク値から所定値(0G)となるまでの時間
のみに基づいて行っていたために、下記の問題点があっ
た。すなわち、図6は上記従来技術において低μ路にお
ける作動例を示しているが、この図においてS1,S2
の増圧制御にあっては、路面μに対応して緩増圧制御を
実行しているのに対し、車輪速の信号に、電気的なノイ
ズやあるいは路面の凹凸の影響などにより図においてN
で示すような変化が生じた場合、車輪加速度のピーク値
から0Gとなるまでの時間が極めて短くなる結果、高μ
路と判断して図においてS3で示すように、急増圧を実
行するおそれがあった。この場合、制動力過多となっ
て、車輪ロックが生じるおそれがある。このように、従
来技術にあっては、路面の凹凸の影響や電気的なノイズ
の重畳などにより、正しい路面判定が行えなくなる結
果、正規の増圧量が得られなくなるおそれがあるという
問題があった。
【0006】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
成されたもので、車輪速あるいは車輪加速度の信号に路
面の凹凸やノイズの重畳があっても、これらの影響を受
けることなく増圧量を最適に制御して制御品質を向上さ
せることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的達成のために
請求項1に記載の発明は、ホイルシリンダを低圧側に接
続させた減圧状態と、ホイルシリンダを液圧源側に接続
させた増圧状態とを形成可能なABSユニットと、車輪
の回転速度を検出する車輪速検出手段と、車輪の回転加
速度を演算する車輪加速度演算手段と、車体速を求める
車体速演算手段と、車体速から減圧を実行するしきい値
である減圧しきい値を演算する減圧しきい値演算手段
と、制動時に車輪速が前記減圧しきい値よりも低下した
ときには、前記ABSユニットによりホイルシリンダ圧
の減圧を行うとともに、その後、所定条件により少なく
とも増圧を行って制動距離が長くならないようにしつつ
車輪ロックを防止するABS制御を実行するABS制御
手段と、このABS制御手段に設けられ、ABS制御時
の車輪速の変化に基づいて路面が高摩擦係数であるか低
摩擦係数であるかの路面判定を行い、かつ、この路面判
定に基づいて、減圧後の増圧量を、低摩擦係数の路面に
あっては高摩擦係数の路面よりも小さな値に設定する増
圧量設定手段と、を備えたブレーキ制御装置において、
前記増圧量設定手段は、減圧発生から次回の増圧までの
時間をカウントするカウント手段を備え、前記路面判定
を、前記カウントした時間と、カウント手段がカウント
を行っている間に発生した車輪加速度の大きさとに基づ
いて行う構成であることを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記増圧量設定
手段において、前記車輪加速度の大きさとは前記カウン
ト手段が時間をカウントしている間に発生した最大車輪
加速度であることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記増圧量設定
手段において、前記車輪加速度の大きさとは前記カウン
ト手段が時間をカウントしている間に発生した車輪加速
度の平均値であることを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記増圧量設定
手段は、路面判定を行うにあたり、前記カウント時間を
分母とし、前記車輪加速度の大きさに相当する値を分子
とする路面判定値を求め、この路面判定値と予め設定さ
れた判定しきい値とを比較して、路面判定値が判定しき
い値よりも大きければ高摩擦係数路、判定しきい値より
も小さければ低摩擦係数路と判定する構成であることを
特徴とする。
【0011】
【発明の作用および効果】本発明では、制動時に、車輪
速が減圧しきい値よりも下回ると、ABS制御を開始し
て減圧を実行し、制動力を弱めて車輪がロックするのを
防止し、その後、車輪速の変化に基づいて増圧を実行し
て、再び制動力を高める。この減圧・増圧を必要に応じ
て繰り返すことにより、車輪ロックを回避しながらでき
るだけ制動力を短く制御する。
【0012】このABS制御において、減圧後の増圧量
が、路面μに応じた最適値となるように、増圧量設定手
段は、減圧後の車輪速の変化に基づいて路面μ判断を行
って増圧量を設定する。ここで、本発明では、減圧の発
生から次回の増圧までに要した時間をカウント手段によ
りカウントし、この時間と、この時間をカウントする間
に発生した車輪加速度との大きさに基づいて路面μ判定
を行う。したがって、減圧から次回の増圧までの間に、
路面の凹凸やノイズの重畳があって、車輪速変動が一時
的に生じた場合、車輪加速度の大きさ(例えば請求項2
に記載のように最大加速度や請求項3に記載の車輪加速
度平均値)にはその影響が現れたとしても、減圧の発生
から次回の増圧までに要する時間には、その影響が現れ
難い。よって、路面μ判定における車輪速度の一時的変
動の影響を抑え、路面μ判定精度を高めることができ
る。よって、増圧量を路面判定に応じて正規の値に設定
することができ、制御精度の向上を図ることができると
いう効果が得られる。
【0013】また、請求項4に記載の発明では、前記増
圧量設定手段は、路面判定を行うにあたり、前記カウン
ト時間を分母とし、前記車輪加速度の大きさに相当する
値を分子とする路面判定値を求め、この路面判定値と予
め設定された判定しきい値とを比較して、路面判定値が
判定しきい値よりも大きければ高摩擦係数路、判定しき
い値よりも小さければ低摩擦係数路と判定する。したが
って、減圧から増圧において車輪速度の立ち上がりが急
となる高μ路にあっては、路面判定の分母となるカウン
ト時間が短くなる一方、分子となる車輪加速度に関する
値、例えば最大加速度や平均値が大きな値となる。よっ
て、路面判定値は大きな値となる。これに対して、低μ
路にあっては、減圧から増圧において車輪速度の立ち上
がりが緩やかになり、路面判定値の分母となるカウント
時間が長くなる一方、分子となる車輪加速度の値、例え
ば最大加速度や平均値が小さな値となる。よって、路面
判定値が小さな値となる。このように、路面判定値が大
きければ高μ路、小さければ低μ路と判定することがで
きる。
【0014】さらに、この請求項4に記載の発明にあっ
ては、減圧から次の増圧までの時間をカウントしている
間に、ノイズなどにより車輪速に変動が生じた場合、路
面判定値の分子が変化することになる。しかしながら、
減圧から次の増圧までのカウント時間、すなわち路面判
定値の分母の大きさには影響が生じない。よって、この
ノイズなどによる路面判定値への影響は、分母の変化ほ
どではなく、上述したように、車輪速変動による路面μ
判定に対する影響が緩和される。したがって、増圧量を
路面判定に応じて正規の値に設定することができ、制御
精度の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。まず、構成について説明する。
図1は実施の形態のブレーキ制御装置における油路構成
を示す油圧回路図であって、図において、WCはホイル
シリンダを示している。なお、()内の符号、FLは左
前輪のホイルシリンダ、FRは右前輪のホイルシリン
ダ、Rは後輪のホイルシリンダを示している。なお、後
輪のホイルシリンダWCは、左右の車輪にそれぞれ設け
られているが、本実施の形態では、両者は同圧に制御す
るため、図面では1つしか示していない。また、後輪に
ついても、前輪と同様に構成して、左右独立で液圧制御
可能としてもよい。これらホイルシリンダWCは、ブレ
ーキ回路1,2を介してマスタシリンダMCに接続され
ているもので、左右前輪のホイルシリンダWC(F
L),WC(FR)に接続されたブレーキ回路1と、左
右後輪のホイルシリンダWC(R)に接続されたブレー
キ回路2との2系統が設けられている。また、以下の説
明において前記ホイルシリンダWC(FL)(FR)
(R)について、特定のものを指さない場合には、WC
とだけ表記する。
【0016】前輪側のブレーキ回路1は、分岐点1dに
おいて各前輪のホイルシリンダWC(FL),(FR)
に向けて分岐回路1Lと分岐回路1Rとに分岐され、各
分岐回路1L,1Rの途中には、流入弁5が設けられ、
また、ブレーキ回路2の途中にも流入弁5が設けられて
いる。これら流入弁5は、非作動時にスプリング力によ
り各回路1L,1R,2を連通状態とし、作動時(通電
時)にこれらを遮断する常開の2ポート2ポジションの
電磁切替弁により構成されている。また、各流入弁5に
は、これを迂回するバイパス路1hが設けられ、このバ
イパス路1hに、下流(ホイルシリンダWC側)から上
流(マスタシリンダMC側)への戻りのみを許す一方弁
1gが設けられている。
【0017】また、各流入弁5の下流には、ブレーキ回
路1,2とリザーバ7とを連通させるドレーン回路10
が接続されている。そして、これらドレーン回路10に
流出弁6が設けられている。これら流出弁6は、非作動
時にドレーン回路10を遮断し、作動時にドレーン回路
10を連通させる常閉の2ポート2ポジションの電磁切
替弁により構成されている。
【0018】前記ドレーン回路10は、還流回路11を
介して、各ブレーキ回路1,2の流入弁5よりも上流位
置に接続されている。そして、前記還流回路11の途中
にリザーバ7に貯留されているブレーキ液をブレーキ回
路1,2に戻すポンプ4,4が設けられている。これら
ポンプ4は、それぞれプランジャ4pが摺動するのに伴
って容積室の容積が変化することで吸入・吐出を行うプ
ランジャ型のものであり、モータMの駆動で作動する。
なお、各ポンプ4には、それぞれ一方弁構造の吸入弁4
a,吐出弁4bが設けられているとともに、吐出側に脈
動吸収用のダンパ4dが設けられている。
【0019】なお、以上説明した構成のうち、図1にお
いて一点鎖線BUで囲んでいる構成がABSユニットで
あって、図外のハウジングにまとめて収容されている。
【0020】図2に示すとおり、前記電磁弁構造の各弁
5,6の切替およびポンプ4の駆動源であるモータMの
駆動は、ABS制御手段としてのコントロールユニット
CUにより制御される。すなわち、コントロールユニッ
トCUには、図外の各車輪の回転速度を検出する車輪速
センサS,運転者のブレーキペダルBP(図2参照)の
踏込状態に応じて切り替わるブレーキスイッチBS,車
両の前後左右加速度を検出するGセンサGSなどを有し
たセンサ群SGが接続されており、コントロールユニッ
トCUは、これらセンサ群SGから入力される信号に基
づいて各車輪の車輪速Vwを求めて、制動時に車輪速V
wが、疑似車体速Viから求めた減圧しきい値λ1より
も低下すると(車輪のスリップ率が所定以上になる
と)、車輪ロックを防止するABS制御を行うよう構成
されている。
【0021】図3は本実施の形態のABS制御における
基本的な制御流れを示すフローチャートである。ステッ
プ101において初期化を行い、続くステップ102に
おいて、各車輪速センサSから信号を読み込んで、各車
輪の車輪速Vwを演算し、続くステップ103では、各
車輪速Vwの変化率、すなわち車輪加速度△Vwを演算
する。ちなみに、車輪速センサSGならびにこのステッ
プ102の処理を行う部分が特許請求の範囲の車輪速検
出手段に相当し、また、ステップ103の処理を行う部
分が特許請求の範囲の車輪加速度演算手段に相当する。
さらに、ステップ104では車体速Viを求める。この
車体速Viは、例えば各車輪速Vwあるいは非駆動輪速
Vwのうちで最も大きい値により形成することができ
る。ちなみに、このステップ104の処理を行う部分が
特許請求の範囲の車体速演算手段に相当する。ステップ
105では、ABS制御中であるか否かを判定し、AB
S制御中でない場合はステップ106に進んで、ABS
制御を開始するか否かを判定し、ABS制御を開始しな
い場合にはステップ102に戻り、ABS制御を開始す
る場合はステップ108に進む。
【0022】ステップ108では制御モードを決定す
る。この制御モードを決定する処理については、本発明
の要旨とするところではないので、詳細な説明は省略す
るが、その一例を簡単に説明すると、車体速Viに基づ
いて効率よく減速を行うことができる減圧しきい値を求
め、さらに、各車輪について、車輪速Vwと減圧しきい
値とを比較し、車輪速Vwが減圧しきい値よりも低下す
ると、減圧モードと判断する。その後、この減圧により
車輪速Vwが減圧しきい値よりも高くなって、車輪速V
wが、車体速Viに近づくと、増圧モードとする。そし
て、この増圧の結果、車輪速Vwが減圧しきい値を下回
ると、再び上述のように減圧→増圧を繰り返す。したが
って、特許請求の範囲の減圧しきい値演算手段は、この
ステップ108の処理を実行する部分に含まれている。
【0023】次に、ステップ109では、制御モードと
して減圧が選択されているか否か判定し、減圧選択時に
は、ステップ110に進んで減圧出力を実行する。な
お、減圧時には、流入弁5を閉弁させる一方で、流出弁
6を開弁させる。また、減圧モードが選択されていない
場合はステップ111に進んで、減圧後の最初の増圧で
あるか否か判定し、最初の増圧でない場合はそのままス
テップ116に進む。
【0024】一方、ステップ111において、減圧後の
最初の増圧であると判定された場合には、ステップ11
2に進んで、路面判定値DDMを下記式により算出す
る。 DDM=(車輪速Vwの復帰最大加速度)/(減圧から
増圧までの時間) 次に、ステップ113において、算出した路面判定値D
DMが、規定値よりも大きいか否か判定し、規定値より
も小さい場合はステップ114に進んで低μと判断し、
規定値以上の場合はステップ115に進んで高μと判断
する。ステップ116では、ステップ114あるいは1
15で成された路面μ判断に応じて、増圧初回ならびに
その後の増圧量を決定する。なお、低μ路と判定した場
合は、高μ路と判定した場合に比べて増圧初回の増圧量
を低く設定するもので、その後の増圧は、いずれも複数
段階に少しずつ増圧させるいわゆる緩増圧を実行するよ
う増圧量を設定する。ちなみに、上述のステップ109
〜116の処理を行う部分が、特許請求の範囲のABS
制御手段に相当し、これらのうちでステップ109およ
びステップ111〜116の処理を行う部分が、特許請
求の範囲における増圧量設定手段に相当する。
【0025】ここで、図4は上記路面判定値DDMの特
性を示す図であって、この図に示すように、路面判定値
DDMは、最大加速度が同じでも、減圧から増圧までの
時間が長いほど低μ路と判定する特性となっている。
【0026】次に、図5のタイムチャートに基づいて本
実施の形態の作動を説明する。図5において、(a)は
高μ路、(b)は低μ路、(c)は低μ路においてノイ
ズが重畳した場合の作動例を示している。本実施の形態
では、路面μ判断を、図3のステップ112に示すよう
に、減圧から増圧までの時間を分母とし、車輪速Vwの
復帰最大加速度を分子とする、路面判定値DDMにより
求めている。
【0027】この路面判定値DDMは、図5(a)に示
す高μ路にあっては、車輪速Vwが車体速Viに向けて
復帰するのが短時間に成されるため、車輪加速度△Vw
の最大値である最大加速度α1MAXが高い値となると
ともに、減圧から増圧までの時間T1は、比較的小さな
値となる。したがって、路面判定値DDMは、分母が小
さな値で分子が大きな値であるから、大きな値となる。
【0028】それに対し、図5(b)に示す低μ路にあ
っては、車輪速Vwが車体速Viに向けて復帰するのに
時間を要し、したがって、車輪加速度△Vwの最大値で
ある最大加速度α2MAXが高μ時よりも低い値となる
とともに、減圧から増圧までの時間T2は、比較的大き
な値となる。よって、路面判定値DDMは、分母が大き
な値で分子が小さな値であるから、高μ路の場合に比べ
て小さな値となる。よって、図示のように高μ路では、
ブレーキ液圧が高く制御されるのに対し、低μ路では、
ブレーキ液圧が低く制御される。
【0029】次に、図5(c)に示すように、低μ路に
おいて、車輪速の信号にノイズが重畳された場合につい
て説明する。このように、ノイズが重畳された場合、車
輪速Vwが急激に上下する結果、最大加速度α3MAX
は、図5(a)(b)に示した例よりもさらに高い値と
なる。しかしながら、この場合も、減圧から増圧までの
時間T3は、図5(b)の例と同様に、大きな値とな
る。したがって、この時間T3を分母とする、路面判定
値DDMは、ノイズが重畳しない場合に比べると分子が
大きくなった分だけ僅かに大きな値となるが、分母が変
化しないため、高μ路の場合に比べて小さな値となる。
【0030】よって、ノイズを原因として、路面μ判断
が、大きく狂うことがない。したがって、車輪速Vwの
信号に路面の凹凸やノイズの重畳があっても、これらの
影響を受けることなく増圧量を最適に制御して制御品質
を向上させることができるという効果が得られる。
【0031】以上図面により実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態の構成に限定される
ものではない。例えば、ABSユニットBUの構成は、
実施の形態で示したものに限定されるものではない。ま
た、路面判定値として、実施の形態では、車輪加速度の
最大値を用いる例を示したが、これに限定されるもので
はなく、例えば、減圧から増圧までの時間内における車
輪加速度の平均値など、車輪加速度に対応した他の値を
用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のブレーキ制御装置における油路構
成を示す油圧回路図である。
【図2】実施の形態における要部の構成を示すブロック
図である。
【図3】実施の形態のABS制御における制御流れを示
すフローチャートである。
【図4】路面判定値DDMの特性図である。
【図5】実施の形態の作動を示すタイムチャートであ
る。
【図6】実施の形態との比較のため従来例による作動を
示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1,2 ブレーキ回路 1d 分岐点 1g 一方弁 1h バイパス路 1L 分岐回路 1R 分岐回路 4 ポンプ 4a 吸入弁 4b 吐出弁 4d ダンパ 4p プランジャ 5 流入弁 6 流出弁 7 リザーバ 10 ドレーン回路 11 還流回路 BP ブレーキペダル BS ブレーキスイッチ BU ユニット CU コントロールユニット GS 加速度センサ M モータ MC マスタシリンダ S 車輪速センサ SG センサ群 WC ホイルシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 玄 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Fターム(参考) 3D046 BB23 BB27 BB28 DD03 EE01 FF07 HH02 HH25 HH26 HH36 HH39 HH46 HH53 JJ02 JJ06 JJ11 JJ19 KK09 KK12 LL50 MM35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイルシリンダを低圧側に接続させた減
    圧状態と、ホイルシリンダを液圧源側に接続させた増圧
    状態とを形成可能なABSユニットと、 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手段と、 車輪の回転加速度を演算する車輪加速度演算手段と、 車体速を求める車体速演算手段と、 車体速から減圧を実行するしきい値である減圧しきい値
    を演算する減圧しきい値演算手段と、 制動時に車輪速が前記減圧しきい値よりも低下したとき
    には、前記ABSユニットによりホイルシリンダ圧の減
    圧を行うとともに、その後、所定条件により少なくとも
    増圧を行って制動距離が長くならないようにしつつ車輪
    ロックを防止するABS制御を実行するABS制御手段
    と、 このABS制御手段に設けられ、ABS制御時の車輪速
    の変化に基づいて路面が高摩擦係数であるか低摩擦係数
    であるかの路面判定を行い、かつ、この路面判定に基づ
    いて、減圧後の増圧量を、低摩擦係数の路面にあっては
    高摩擦係数の路面よりも小さな値に設定する増圧量設定
    手段と、を備えたブレーキ制御装置において、 前記増圧量設定手段は、減圧発生から次回の増圧までの
    時間をカウントするカウント手段を備え、前記路面判定
    を、前記カウントした時間と、カウント手段がカウント
    を行っている間に発生した車輪加速度の大きさとに基づ
    いて行う構成であることを特徴とするブレーキ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記増圧量設定手段において、前記車輪
    加速度の大きさとは前記カウント手段が時間をカウント
    している間に発生した最大車輪加速度であることを特徴
    とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記増圧量設定手段において、前記車輪
    加速度の大きさとは前記カウント手段が時間をカウント
    している間に発生した車輪加速度の平均値であることを
    特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記増圧量設定手段は、路面判定を行う
    にあたり、前記カウント時間を分母とし、前記車輪加速
    度の大きさに相当する値を分子とする路面判定値を求
    め、この路面判定値と予め設定された判定しきい値とを
    比較して、路面判定値が判定しきい値よりも大きければ
    高摩擦係数路、判定しきい値よりも小さければ低摩擦係
    数路と判定する構成であることを特徴とする請求項1な
    いし3に記載のブレーキ制御装置。
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