JP4034922B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動時に車輪がロックするのを防止するABS制御を実行するブレーキ制御装置に関し、特に、ABS制御時に、求めた路面の摩擦係数(以下、これをμという)に応じて増圧量を設定する制御を実行する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、制動時に車輪速を検出し、車輪がロック傾向になると、ブレーキ液圧を減圧・保持・増圧して、車輪がロックするのを防止しつつ、制動距離をできる限り最短とするABS制御が知られている。
【0003】
また、このABS制御を実行するにあたり、減圧後の増圧量を路面μに応じて設定することにより、乾燥路すなわち高μ路において大きな制動力を得ることを可能としながら、ウエット路すなわち低μ路において制動力を最適に抑えて車輪ロックが生じないようにし、これにより減圧実行頻度を抑えて低μ路においても車輪ロックを防止しつつ制動距離が最短となるように制御することが課題とされている。
【0004】
このような課題を解決する従来技術として、例えば、特開平9−95224号公報に記載のものが知られている。この従来技術にあっては、ABS制御において減圧後の車輪速の立ち上がり傾きが、路面μに対応していること(すなわち高μ路では前記車輪速の立ち上がりが急であり、低μ路では前記車輪速の立ち上がりが緩やかであること)に着目して成されたもので、この従来技術にあっては、制動操作による増圧により車輪速が低下した後、減圧を実行することにより車輪速が車体速に向けて復帰した際に、その車輪加速度のピーク値から0Gとなるまでの時間を求め、この時間が短ければ高μ路と判断して次回の増圧量を大きく設定し、一方、前記時間が長ければ低μ路と判断して次回の増圧量を小さく設定する制御を実行する構成となっている。
したがって、高μ路・低μ路のいずれにあっても、増圧量を最適に設定して、車輪ロック発生防止と制動距離の短縮との両立を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、増圧量の設定を上述のように車輪加速度のピーク値から所定値(0G)となるまでの時間のみに基づいて行っていたために、下記の問題点があった。
すなわち、図6は上記従来技術において低μ路における作動例を示しているが、この図においてS1,S2の増圧制御にあっては、路面μに対応して緩増圧制御を実行しているのに対し、車輪速の信号に、電気的なノイズやあるいは路面の凹凸の影響などにより図においてNで示すような変化が生じた場合、車輪加速度のピーク値から0Gとなるまでの時間が極めて短くなる結果、高μ路と判断して図においてS3で示すように、急増圧を実行するおそれがあった。この場合、制動力過多となって、車輪ロックが生じるおそれがある。
このように、従来技術にあっては、路面の凹凸の影響や電気的なノイズの重畳などにより、正しい路面判定が行えなくなる結果、正規の増圧量が得られなくなるおそれがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、車輪速あるいは車輪加速度の信号に路面の凹凸やノイズの重畳があっても、これらの影響を受けることなく増圧量を最適に制御して制御品質を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的達成のために請求項1に記載の発明は、ホイルシリンダを低圧側に接続させた減圧状態と、ホイルシリンダを液圧源側に接続させた増圧状態とを形成可能なABSユニットと、車輪の回転速度を検出する車輪速検出手段と、車輪の回転加速度を演算する車輪加速度演算手段と、車体速を求める車体速演算手段と、車体速から減圧を実行するしきい値である減圧しきい値を演算する減圧しきい値演算手段と、制動時に車輪速が前記減圧しきい値よりも低下したときには、前記ABSユニットによりホイルシリンダ圧の減圧を行うとともに、その後、所定条件により少なくとも増圧を行って制動距離が長くならないようにしつつ車輪ロックを防止するABS制御を実行するABS制御手段と、このABS制御手段に設けられ、ABS制御時の車輪速の変化に基づいて路面が高摩擦係数であるか低摩擦係数であるかの路面判定を行い、かつ、この路面判定に基づいて、減圧後の増圧量を、低摩擦係数の路面にあっては高摩擦係数の路面よりも小さな値に設定する増圧量設定手段と、を備えたブレーキ制御装置において、前記増圧量設定手段は、減圧発生から次回の増圧までの時間をカウントするカウント手段を備え、前記路面判定を行うにあたり、前記カウント時間を分母とし、前記カウント手段がカウントを行っている間の各時点において発生した車輪加速度の大きさに相当する値を分子とする路面判定値を求め、前記路面判定値と予め設定された判定しきい値とを比較して、前記路面判定値が前記判定しきい値よりも大きければ高摩擦係数路、前記判定しきい値よりも小さければ低摩擦係数路と判定する構成であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記増圧量設定手段において、前記車輪加速度の大きさに相当する値とは前記カウント手段が時間をカウントしている間に発生した最大車輪加速度であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記増圧量設定手段において、前記車輪加速度の大きさに相当する値とは前記カウント手段が時間をカウントしている間の各時点において発生した車輪加速度の平均値であることを特徴とする。
【0011】
【発明の作用および効果】
本発明では、制動時に、車輪速が減圧しきい値よりも下回ると、ABS制御を開始して減圧を実行し、制動力を弱めて車輪がロックするのを防止し、その後、車輪速の変化に基づいて増圧を実行して、再び制動力を高める。この減圧・増圧を必要に応じて繰り返すことにより、車輪ロックを回避しながらできるだけ制動力を短く制御する。
【0012】
このABS制御において、減圧後の増圧量が、路面μに応じた最適値となるように、増圧量設定手段は、減圧後の車輪速の変化に基づいて路面μ判断を行って増圧量を設定する。ここで、本発明では、減圧の発生から次回の増圧までに要した時間をカウント手段によりカウントし、この時間と、この時間をカウントする間の各時点において発生した車輪加速度との大きさに基づいて路面μ判定を行う。
したがって、減圧から次回の増圧までの間に、路面の凹凸やノイズの重畳があって、車輪速変動が一時的に生じた場合、車輪加速度の大きさ(例えば請求項2に記載のように最大加速度や請求項3に記載の車輪加速度平均値)にはその影響が現れたとしても、減圧の発生から次回の増圧までに要する時間には、その影響が現れ難い。よって、路面μ判定における車輪速度の一時的変動の影響を抑え、路面μ判定精度を高めることができる。
よって、増圧量を路面判定に応じて正規の値に設定することができ、制御精度の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0013】
また、請求項に記載の発明では、前記増圧量設定手段は、路面判定を行うにあたり、前記カウント時間を分母とし、前記車輪加速度の大きさに相当する値を分子とする路面判定値を求め、この路面判定値と予め設定された判定しきい値とを比較して、路面判定値が判定しきい値よりも大きければ高摩擦係数路、判定しきい値よりも小さければ低摩擦係数路と判定する。したがって、減圧から増圧において車輪速度の立ち上がりが急となる高μ路にあっては、路面判定の分母となるカウント時間が短くなる一方、分子となる車輪加速度に関する値、例えば最大加速度や平均値が大きな値となる。よって、路面判定値は大きな値となる。これに対して、低μ路にあっては、減圧から増圧において車輪速度の立ち上がりが緩やかになり、路面判定値の分母となるカウント時間が長くなる一方、分子となる車輪加速度の値、例えば最大加速度や平均値が小さな値となる。よって、路面判定値が小さな値となる。このように、路面判定値が大きければ高μ路、小さければ低μ路と判定することができる。
【0014】
さらに、この請求項に記載の発明にあっては、減圧から次の増圧までの時間をカウントしている間に、ノイズなどにより車輪速に変動が生じた場合、路面判定値の分子が変化することになる。しかしながら、減圧から次の増圧までのカウント時間、すなわち路面判定値の分母の大きさには影響が生じない。よって、このノイズなどによる路面判定値への影響は、分子の変化ほどではなく、上述したように、車輪速変動による路面μ判定に対する影響が緩和される。
したがって、増圧量を路面判定に応じて正規の値に設定することができ、制御精度の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、構成について説明する。
図1は実施の形態のブレーキ制御装置における油路構成を示す油圧回路図であって、図において、WCはホイルシリンダを示している。なお、()内の符号、FLは左前輪のホイルシリンダ、FRは右前輪のホイルシリンダ、Rは後輪のホイルシリンダを示している。なお、後輪のホイルシリンダWCは、左右の車輪にそれぞれ設けられているが、本実施の形態では、両者は同圧に制御するため、図面では1つしか示していない。また、後輪についても、前輪と同様に構成して、左右独立で液圧制御可能としてもよい。
これらホイルシリンダWCは、ブレーキ回路1,2を介してマスタシリンダMCに接続されているもので、左右前輪のホイルシリンダWC(FL),WC(FR)に接続されたブレーキ回路1と、左右後輪のホイルシリンダWC(R)に接続されたブレーキ回路2との2系統が設けられている。また、以下の説明において前記ホイルシリンダWC(FL)(FR)(R)について、特定のものを指さない場合には、WCとだけ表記する。
【0016】
前輪側のブレーキ回路1は、分岐点1dにおいて各前輪のホイルシリンダWC(FL),(FR)に向けて分岐回路1Lと分岐回路1Rとに分岐され、各分岐回路1L,1Rの途中には、流入弁5が設けられ、また、ブレーキ回路2の途中にも流入弁5が設けられている。これら流入弁5は、非作動時にスプリング力により各回路1L,1R,2を連通状態とし、作動時(通電時)にこれらを遮断する常開の2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されている。また、各流入弁5には、これを迂回するバイパス路1hが設けられ、このバイパス路1hに、下流(ホイルシリンダWC側)から上流(マスタシリンダMC側)への戻りのみを許す一方弁1gが設けられている。
【0017】
また、各流入弁5の下流には、ブレーキ回路1,2とリザーバ7とを連通させるドレーン回路10が接続されている。そして、これらドレーン回路10に流出弁6が設けられている。これら流出弁6は、非作動時にドレーン回路10を遮断し、作動時にドレーン回路10を連通させる常閉の2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されている。
【0018】
前記ドレーン回路10は、還流回路11を介して、各ブレーキ回路1,2の流入弁5よりも上流位置に接続されている。そして、前記還流回路11の途中にリザーバ7に貯留されているブレーキ液をブレーキ回路1,2に戻すポンプ4,4が設けられている。これらポンプ4は、それぞれプランジャ4pが摺動するのに伴って容積室の容積が変化することで吸入・吐出を行うプランジャ型のものであり、モータMの駆動で作動する。なお、各ポンプ4には、それぞれ一方弁構造の吸入弁4a,吐出弁4bが設けられているとともに、吐出側に脈動吸収用のダンパ4dが設けられている。
【0019】
なお、以上説明した構成のうち、図1において一点鎖線BUで囲んでいる構成がABSユニットであって、図外のハウジングにまとめて収容されている。
【0020】
図2に示すとおり、前記電磁弁構造の各弁5,6の切替およびポンプ4の駆動源であるモータMの駆動は、ABS制御手段としてのコントロールユニットCUにより制御される。すなわち、コントロールユニットCUには、図外の各車輪の回転速度を検出する車輪速センサS,運転者のブレーキペダルBP(図2参照)の踏込状態に応じて切り替わるブレーキスイッチBS,車両の前後左右加速度を検出するGセンサGSなどを有したセンサ群SGが接続されており、コントロールユニットCUは、これらセンサ群SGから入力される信号に基づいて各車輪の車輪速Vwを求めて、制動時に車輪速Vwが、疑似車体速Viから求めた減圧しきい値λ1よりも低下すると(車輪のスリップ率が所定以上になると)、車輪ロックを防止するABS制御を行うよう構成されている。
【0021】
図3は本実施の形態のABS制御における基本的な制御流れを示すフローチャートである。
ステップ101において初期化を行い、続くステップ102において、各車輪速センサSから信号を読み込んで、各車輪の車輪速Vwを演算し、続くステップ103では、各車輪速Vwの変化率、すなわち車輪加速度△Vwを演算する。ちなみに、車輪速センサSGならびにこのステップ102の処理を行う部分が特許請求の範囲の車輪速検出手段に相当し、また、ステップ103の処理を行う部分が特許請求の範囲の車輪加速度演算手段に相当する。
さらに、ステップ104では車体速Viを求める。この車体速Viは、例えば各車輪速Vwあるいは非駆動輪速Vwのうちで最も大きい値により形成することができる。ちなみに、このステップ104の処理を行う部分が特許請求の範囲の車体速演算手段に相当する。
ステップ105では、ABS制御中であるか否かを判定し、ABS制御中でない場合はステップ106に進んで、ABS制御を開始するか否かを判定し、ABS制御を開始しない場合にはステップ102に戻り、ABS制御を開始する場合はステップ108に進む。
【0022】
ステップ108では制御モードを決定する。この制御モードを決定する処理については、本発明の要旨とするところではないので、詳細な説明は省略するが、その一例を簡単に説明すると、車体速Viに基づいて効率よく減速を行うことができる減圧しきい値を求め、さらに、各車輪について、車輪速Vwと減圧しきい値とを比較し、車輪速Vwが減圧しきい値よりも低下すると、減圧モードと判断する。その後、この減圧により車輪速Vwが減圧しきい値よりも高くなって、車輪速Vwが、車体速Viに近づくと、増圧モードとする。そして、この増圧の結果、車輪速Vwが減圧しきい値を下回ると、再び上述のように減圧→増圧を繰り返す。したがって、特許請求の範囲の減圧しきい値演算手段は、このステップ108の処理を実行する部分に含まれている。
【0023】
次に、ステップ109では、制御モードとして減圧が選択されているか否か判定し、減圧選択時には、ステップ110に進んで減圧出力を実行する。なお、減圧時には、流入弁5を閉弁させる一方で、流出弁6を開弁させる。
また、減圧モードが選択されていない場合はステップ111に進んで、減圧後の最初の増圧であるか否か判定し、最初の増圧でない場合はそのままステップ116に進む。
【0024】
一方、ステップ111において、減圧後の最初の増圧であると判定された場合には、ステップ112に進んで、路面判定値DDMを下記式により算出する。
DDM=(車輪速Vwの復帰最大加速度)/(減圧から増圧までの時間)
なお、上記式において用いられる「減圧から増圧までの時間」をカウントする手段が、特許請求の範囲のカウント手段に相当する。
次に、ステップ113において、算出した路面判定値DDMが、規定値よりも大きいか否か判定し、規定値よりも小さい場合はステップ114に進んで低μと判断し、規定値以上の場合はステップ115に進んで高μと判断する。ステップ116では、ステップ114あるいは115で成された路面μ判断に応じて、増圧初回ならびにその後の増圧量を決定する。なお、低μ路と判定した場合は、高μ路と判定した場合に比べて増圧初回の増圧量を低く設定するもので、その後の増圧は、いずれも複数段階に少しずつ増圧させるいわゆる緩増圧を実行するよう増圧量を設定する。ちなみに、上述のステップ109〜116の処理を行う部分が、特許請求の範囲のABS制御手段に相当し、これらのうちでステップ109およびステップ111〜116の処理を行う部分が、特許請求の範囲における増圧量設定手段に相当する。
【0025】
ここで、図4は上記路面判定値DDMの特性を示す図であって、この図に示すように、路面判定値DDMは、最大加速度が同じでも、減圧から増圧までの時間が長いほど低μ路と判定する特性となっている。
【0026】
次に、図5のタイムチャートに基づいて本実施の形態の作動を説明する。
図5において、(a)は高μ路、(b)は低μ路、(c)は低μ路においてノイズが重畳した場合の作動例を示している。
本実施の形態では、路面μ判断を、図3のステップ112に示すように、減圧から増圧までの時間を分母とし、車輪速Vwの復帰最大加速度を分子とする、路面判定値DDMにより求めている。
【0027】
この路面判定値DDMは、図5(a)に示す高μ路にあっては、車輪速Vwが車体速Viに向けて復帰するのが短時間に成されるため、車輪加速度△Vwの最大値である最大加速度α1MAXが高い値となるとともに、減圧から増圧までの時間T1は、比較的小さな値となる。したがって、路面判定値DDMは、分母が小さな値で分子が大きな値であるから、大きな値となる。
【0028】
それに対し、図5(b)に示す低μ路にあっては、車輪速Vwが車体速Viに向けて復帰するのに時間を要し、したがって、車輪加速度△Vwの最大値である最大加速度α2MAXが高μ時よりも低い値となるとともに、減圧から増圧までの時間T2は、比較的大きな値となる。よって、路面判定値DDMは、分母が大きな値で分子が小さな値であるから、高μ路の場合に比べて小さな値となる。
よって、図示のように高μ路では、ブレーキ液圧が高く制御されるのに対し、低μ路では、ブレーキ液圧が低く制御される。
【0029】
次に、図5(c)に示すように、低μ路において、車輪速の信号にノイズが重畳された場合について説明する。
このように、ノイズが重畳された場合、車輪速Vwが急激に上下する結果、最大加速度α3MAXは、図5(a)(b)に示した例よりもさらに高い値となる。しかしながら、この場合も、減圧から増圧までの時間T3は、図5(b)の例と同様に、大きな値となる。したがって、この時間T3を分母とする、路面判定値DDMは、ノイズが重畳しない場合に比べると分子が大きくなった分だけ僅かに大きな値となるが、分母が変化しないため、高μ路の場合に比べて小さな値となる。
【0030】
よって、ノイズを原因として、路面μ判断が、大きく狂うことがない。したがって、車輪速Vwの信号に路面の凹凸やノイズの重畳があっても、これらの影響を受けることなく増圧量を最適に制御して制御品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0031】
以上図面により実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態の構成に限定されるものではない。
例えば、ABSユニットBUの構成は、実施の形態で示したものに限定されるものではない。
また、路面判定値として、実施の形態では、車輪加速度の最大値を用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、減圧から増圧までの時間内における車輪加速度の平均値など、車輪加速度に対応した他の値を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のブレーキ制御装置における油路構成を示す油圧回路図である。
【図2】実施の形態における要部の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態のABS制御における制御流れを示すフローチャートである。
【図4】路面判定値DDMの特性図である。
【図5】実施の形態の作動を示すタイムチャートである。
【図6】実施の形態との比較のため従来例による作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1,2 ブレーキ回路
1d 分岐点
1g 一方弁
1h バイパス路
1L 分岐回路
1R 分岐回路
4 ポンプ
4a 吸入弁
4b 吐出弁
4d ダンパ
4p プランジャ
5 流入弁
6 流出弁
7 リザーバ
10 ドレーン回路
11 還流回路
BP ブレーキペダル
BS ブレーキスイッチ
BU ユニット
CU コントロールユニット
GS 加速度センサ
M モータ
MC マスタシリンダ
S 車輪速センサ
SG センサ群
WC ホイルシリンダ

Claims (3)

  1. ホイルシリンダを低圧側に接続させた減圧状態と、ホイルシリンダを液圧源側に接続させた増圧状態とを形成可能なABSユニットと、
    車輪の回転速度を検出する車輪速検出手段と、
    車輪の回転加速度を演算する車輪加速度演算手段と、
    車体速を求める車体速演算手段と、
    車体速から減圧を実行するしきい値である減圧しきい値を演算する減圧しきい値演算手段と、
    制動時に車輪速が前記減圧しきい値よりも低下したときには、前記ABSユニットによりホイルシリンダ圧の減圧を行うとともに、その後、所定条件により少なくとも増圧を行って制動距離が長くならないようにしつつ車輪ロックを防止するABS制御を実行するABS制御手段と、
    このABS制御手段に設けられ、ABS制御時の車輪速の変化に基づいて路面が高摩擦係数であるか低摩擦係数であるかの路面判定を行い、かつ、この路面判定に基づいて、減圧後の増圧量を、低摩擦係数の路面にあっては高摩擦係数の路面よりも小さな値に設定する増圧量設定手段と、
    を備えたブレーキ制御装置において、
    前記増圧量設定手段は、
    減圧発生から次回の増圧までの時間をカウントするカウント手段を備え、
    前記路面判定を行うにあたり、前記カウント時間を分母とし、前記カウント手段がカウントを行っている間の各時点において発生した車輪加速度の大きさに相当する値を分子とする路面判定値を求め、前記路面判定値と予め設定された判定しきい値とを比較して、前記路面判定値が前記判定しきい値よりも大きければ高摩擦係数路、前記判定しきい値よりも小さければ低摩擦係数路と判定する構成であること
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記増圧量設定手段において、前記車輪加速度の大きさに相当する値とは前記カウント手段が時間をカウントしている間に発生した最大車輪加速度であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記増圧量設定手段において、前記車輪加速度の大きさに相当する値とは前記カウント手段が時間をカウントしている間の各時点において発生した車輪加速度の平均値であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
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