JP2918322B2 - 平版印刷版用現像液 - Google Patents

平版印刷版用現像液

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JP2918322B2 JP27370890A JP27370890A JP2918322B2 JP 2918322 B2 JP2918322 B2 JP 2918322B2 JP 27370890 A JP27370890 A JP 27370890A JP 27370890 A JP27370890 A JP 27370890A JP 2918322 B2 JP2918322 B2 JP 2918322B2
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栄治 松原
滝美 橋本
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、銀錯塩拡散転写法による平版印刷版に用い
る現像液に関する。
【従来の技術及びその問題点】
写真的な複製方法の一つである銀錯塩拡散転写法(DT
R法)によって得られる銀画像を、オフセット印刷原版
として用いることができるようにした印刷版は、既に特
公昭46−43132号あるいは特公昭48−30562号に記載され
ており、さらにポジタイプの印刷原版については、特開
昭49−55402号に、ネガタイプの印刷原版については特
開昭52−112402号、特開昭52−106902号、特開昭52−11
2402号等に詳細に記載されている。 この様な平版印刷版の製版法に適した銀錯塩拡散転写
法の代表的な実施法によれば、支持体およびその上にハ
レーション防止をかねた下引層、ハロゲン化銀乳剤層、
物理現像核層からなる感光材料を像様露光し、現像処理
を行うと潜像が形成されているハロゲン化銀は乳剤層中
で化学現像され黒化銀となる。同時に潜像が形成されて
いないハロゲン化銀は現像処理液中に含まれるハロゲン
化銀錯化剤の作用で溶解し、感光材料の表面に拡散して
くる。溶解し拡散してきた銀錯塩が表面層の物理現像核
の上に現像主薬の還元作用によって銀画像として析出す
る。得られた銀画像のインキ受容性を強化させるために
現像処理に続いて、必要ならば感脂化処理が施された
後、オフセット印刷機にセットされ、印刷物へとインキ
画像が転写される。 この印刷版に必要となる諸性能は、印刷材料に依存す
ると同時にそれを製版する工程、とりわけ現像処理工程
に強く依存している。即ち、拡散転写により生じた銀画
像の性質が印刷特性に与える影響は大きい。例えば転写
銀粒子の生成条件、たとえば銀錯塩の拡散速度と安定度
あるいは還元速度が重要な因子となり、又、米国特許第
4,297,429号、同第4,297,403号、同第4,355,090号明細
書には、転写銀粒子の生成条件にハロゲン化銀溶剤の種
類が重要な影響を及ぼすことが示されている。しかし、
未だ銀錯化剤として十分満足出来るものはなかった。
【発明の目的】
本発明は、銀錯塩拡散転写法を使った平版印刷版用処
理液に関するものであり、特に耐刷性の優れた印刷版を
得るための処理液を提供するものである。
【発明の構成】
本発明の目的は、銀錯塩拡散転写法を利用する平版印
刷版に於て、ハロゲン化銀溶剤として一般式(I)で示
されるチオエーテル誘導体を含有する処理液を使うこと
により達成された。 一般式(I) 式中R1は炭素数1〜5のアルキレン基(例えば、エチ
レン、プロピレン、テトラメチレン基)を表わし、Xは
水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、カル
バモイル基、ヒドロキシ基、−OR2を表わし、R2は(R
1−S−CH2CH2OHと同義であり、nは0、1又は2
を表わす。 本発明に用いられるチオエーテル誘導体の代表的な具
体例を以下に示す。 本発明のチオエーテル類の合成は基本的には、相当す
るチオールのアルキル化により行なった。アルキル化剤
は例えばジャーナル.オブ・オルガニック・ケミストリ
ー(J.O.C.)26、4897(1961)の方法で容易に合成でき
る。以下に合成例を用いて合成方法の詳細を述べる。 合成例1(例示化合物2の合成) 2−メルカプトニコチン酸1.6gをエチルアルコール30
mlに溶かし、トリエチルアミン1.1gを加え、続いて2−
クロル−2′−ヒドロキシジエチルスルフィド1.4gを加
える。還流3時間後、反応混合物を水に注ぎ、クロロホ
ルムで抽出後、クロロホルム層を水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。減圧留去後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマト(クロロホルム/メタノール=3/1)で分離
した。目的とするフラクションを減圧留去し、析出物を
酢酸エチル/n−ヘキサンの混合溶媒より再結晶し、融点
83〜84.5℃の白色粉末1.5gを得た。 CMR(DMSO) δ166.3、160.0、151.8、139.0、123.
2、118.7、60.9、33.9、30.1、29.8 本発明のチオエーテル誘導体を現像液に含有させる量
は約5〜約50g/であり、好ましくは約10〜約30g/の
範囲がよい。 本発明の現像処理液には、アルカリ性物質、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第
三燐酸ナトリウム等、保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲ
ン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状
イミド、チオサリチル酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、かぶり防止剤、例えば臭化カリウム、1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール、特開昭47−26201に記
載の化合物、現像剤、例えばハイドロキノン、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン、現像変性剤、例えばポリオキ
シアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことがで
きる。 銀錯塩拡散転写法を実施するに当っては、例えば英国
特許第1,000,115号、第1,012,476号、第1,017,273号、
第1,042,477号等の明細書に記載されている如く、ハロ
ゲン化銀乳剤層および/または受像層またはそれに隣接
する他の水透過性層中に現像剤を混入することが行われ
ている。従って、このような材料に於いては、現像段階
で使用される処理液は、現像剤を含まぬ所謂「アルカリ
性活性化液」を使用しうる。 本発明の実施に用いられる平版印刷版のハロゲン化銀
乳剤は塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩臭ヨ
ウ化銀等が使用でき、好ましくは塩化銀が50モル%以上
のハロゲン化銀である。これらのハロゲン化銀乳剤は分
光増感剤(光源、用途に応じた分光増感色素。例えばカ
メラタイプ、レーザー光タイプ、色分解用パンクロタイ
プなど)、ゼラチン硬化剤、塗布助剤、カブリ防止剤、
可塑剤、現像剤、マット剤などを含むことができる。 ハロゲン化銀乳剤の結合剤は、一般にこの目的に使用
される天然及び、又は合成結合剤、例えばゼラチン、コ
ロイド状アルブミン、セルロース誘導体等が使用出来
る。 ハロゲン化銀乳剤層の下側(支持体面)には接着改良
用下引層及び又はハレーション防止等の目的で下塗層を
含むことも出来、この層には現像剤、マット剤を含むこ
ともできる。 ハロゲン化銀乳剤を塗布する支持体は、紙、各種のフ
ィルム、プラスチックス、樹脂様物質を塗布した紙、金
属等が使用できる。 物理現像核層に使用される物理現像核は、この種の薬
品の例は周知であって、アンチモン、ビスマス、カドミ
ウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、銀、鉛、亜鉛
などの金属およびその硫化物が使用できる。この物理現
像核層にも現像剤を含むことができるし、親水性バイン
ダーを含んでもよい。 本発明により製造された平版印刷版は、例えば特公昭
48−29723、米国特許第3,721,539号等明細書に記載され
ている如き化合物でインキ受理性に変換ないし増強しう
る。 印刷方法あるいは使用する不感脂化液、給湿液などは
普通によく知られた方法によることができる。
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、勿
論、これだけに限定されるものではない。 実施例1 下引処理したポリエステルフィルム支持体の片面に平
均粒子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層を
設け、反対側の面に633nmの光反射率が3%になる量の
カーボンブラックを含み、写真用ゼラチンに対して20重
量%の平均粒径7μmのシリカ粉末を含むハレーション
防止用下塗層(pH4.0に調整)と、化学増感された後に
平均粒7μmのシリカ粉末を写真用ゼラチンに対して5
重量%の割合で含むスペクトル増感された高感度塩化銀
乳剤(pH4.0に調整)とを設けた。 下塗層のゼラチンは3.5g/m2、乳剤層のゼラチンは0.8
g/m2、硝酸銀に換算したハロゲン化銀1.0g/m2の割合で
塗布された。この下塗層と乳剤層は硬化剤としてホルマ
リンをゼラチンに対して5.0mg/gゼラチンの量で含んで
いる。乾燥後40℃で14日間加温した後、この乳剤層の上
に、特開昭54−103104実施例2のプレートNo.31記載の
核塗液を塗布、乾燥し、平版印刷版を製造する。ハロゲ
ン化銀乳剤は、物理熟成時にハロゲン化銀1モル当り4
×10-6モルの塩化ロジウムを添加したものであり、平均
粒径0.40ミクロンであった。 このようにして得られた平版印刷版の原版に像反転機
構を有する製版カメラで像露光し、下記の現像液A(使
用液)により30℃で30秒間現像処理し、続いて下記中和
液で処理した。 一方、前記の比較現像液Aの2−メチル−2−アミノ
−1−プロパノールの代わりに例示の化合物(2)を10
g含有させた現像液Bを用いる以外は全く同様にして製
版処理した。他に、比較現像液Aの2−メチル−2−ア
ミノ−1−プロパノールの代わりに比較化合物として3,
6−ジチア−1,8−オクタンジオールを10g含有させた現
像液Cを用いる以外は全く同様にして製版処理した。 以上の操作により作製した印刷版をオフセット印刷機
にセットし、下記組成のエッチ液を版面にくまなく与
え、下記組成の給湿液を用いて印刷を行った。 印刷機はエー・ビー・ディック350CD(A・B・Dick
社製オフセット印刷機の商標)を使用した。 現像液A、Cで得られた印刷版は、5000枚までに転写
銀像の部分的な欠落が生じたのに対して、本発明の現像
液Bで得られた印刷版は、10,000枚でも転写銀像の欠落
は生じなかった。また、インキ乗り性はいずれも差がな
かった。 実施例2 実施例1の比較現像液Aの2−メチル−2−アミノ−
1−プロパノールの代わりに例示の化合物(1)及び
(3)を各々20g含有させた現像液を用いる以外は実施
例1に従った。いずれも10,000枚の印刷で転写銀像の欠
落は生じなかった。 実施例3 下記の現像液に例示の化合物(1)、(2)、
(4)、(6)、(8)を各々15g含有させ実施例1に
準じて試験した。実施例1、2と同様に優れた効果のあ
ることが確認された。 (F)発明の効果 本発明の現像液で製版された平版印刷版は、転写銀像
の欠落が改良され、大きな耐刷力の向上が図れ、インキ
乗り性も低下しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05F 7/07,7/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版の
    現像液に於て、下記一般式(I)のチオエーテル誘導体
    を含有することを特徴とする平版印刷版用現像液。 一般式(I) (式中R1は炭素数1〜5のアルキレン基を表わし、Xは
    水素原子、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒ
    ドロキシ基、カルバモイル基、−OR2を表わし、R2
    (R1−S−CH2CH2OHと同義であり、nは0、1又は
    2を表わす。)
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