JP2917717B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JP2917717B2
JP2917717B2 JP30133192A JP30133192A JP2917717B2 JP 2917717 B2 JP2917717 B2 JP 2917717B2 JP 30133192 A JP30133192 A JP 30133192A JP 30133192 A JP30133192 A JP 30133192A JP 2917717 B2 JP2917717 B2 JP 2917717B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の点火時期制御
装置に係り、特にいわゆる同時点火システムを有する内
燃機関の点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、4サイクル筒内噴射エンジンで
は、始動時における着火性の向上及び三元触媒の早期暖
機を実施するために、冷間始動時に大幅に点火時期を遅
角することが行われている。しかるに、ディストリビュ
ータを用いたエンジンにおいて点火タイミングを遅角し
た場合、点火を行いたい気筒の端子と異なる気筒の端子
に火花が飛び、誤動作(フラッシュオーバー)や電波雑
音が発生するおそれがある。
【0003】そこで、ディストリビュータを廃止し、カ
ムポジションセンサからの信号により点火時期を決定
し、コンピュータの制御によって点火を行うDLI(デ
ィストリビュータ・レス・イグニッション)システムが
提案されている。このDLIシステムによれば、ディス
トリビュータを廃止することにより、配電時のフラッシ
ュオーバーを防止でき、電波雑音の発生も抑制すること
ができる。
【0004】また、上記のDLIシステムでは、各気筒
管に専用の点火コイルを設けるとシステム全体のコスト
が上昇するため、1つの点火コイルで2つの気筒に配電
し、同時に点火する方式(2気筒同時点火方式)が採用
されている。具体的には、4サイクル4気筒エンジンの
場合には2個の点火コイルを設け、その内の1つの点火
コイルが第1気筒と第4気筒に同時に点火し、もう一方
の点火コイルが第2気筒と第3気筒に同時に点火する構
成とされている(特開平1−92582号公報参照)。
【0005】よって、この2気筒同時点火方式では、例
えば第1気筒が爆発工程であり、第1気筒に点火された
時、同時に吸気工程となっている第4気筒にも点火(い
わゆる空点火)がされることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の2気筒同時点火
方式を採用した場合、上死点(TDC)より約10°〜
40°前に点火が実施される通常の点火時期の場合、空
点火となる気筒の状態は排気工程の終了直前(即ち、吸
気工程の始まる直前)である。
【0007】しかるに、上記のように始動時における着
火性の向上及び三元触媒の早期暖機を実施するために大
幅に点火時期を遅角すると、点火時期は圧縮TDCより
遅れる場合が生じる。
【0008】このように、点火時期が圧縮TDCより遅
れると、点火時期が吸入工程に入り込んでしまい、吸入
工程において気筒内に導入される可燃混合気に点火して
しまうおそれがある。また、この誤点火を防止するため
には点火時期を進角する必要があり、この場合には始動
時における着火性が低下し、また三元触媒の早期暖機が
行えなくなる。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、空点火を行った後に気筒内に燃料を供給すること
により、誤点火の防止,始動時における着火性の向上,
及び三元触媒の早期暖機の実現を図り得る内燃機関の点
火時期制御装置を提供することを目的とする。
【0010】図1は本発明の原理図である。同図に示さ
れるように、上記課題を解決するために本発明では、内
燃機関の運転状態に応じて点火時期を補正する点火時期
補正手段(A1)と、始動時において点火時期を遅角するこ
とにより暖機制御を行なう暖機制御手段(A5)と、前記
火時期補正手段(A1)及び暖機制御手段(A5)から出力され
る信号に基づき同時着火方式の点火コイルを通じて点火
される点火手段(A2)とを備えた内燃機関の点火時期制御
装置において、吸気バルブの開弁タイミング以降に点火
が実行されたか否かを検出する点火タイミング検出手段
(A3)と、この点火タイミング検出手段(A3)により上記開
弁タイミング以降に点火が実行されたことが検出された
時、点火実行後のシリンダに対して燃料を供給する燃料
供給手段(A4)とを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】点火時期制御装置を上記構成とすることによ
り、点火時期の大幅遅角時(開弁タイミング以降)で
も、空点火実行後に燃料噴射が開始されるため、空点火
により誤着火が発生することを防止することができる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図2は、本発明になる点火時期制御装置を搭載し
てなる内燃機関(エンジン)11の要部構成図である。
本実施例では4サイクル4気筒エンジンを例に挙げて以
下説明する。
【0013】同図に示すように、エアクリーナ(図示せ
ず)の下流側には吸気温センサ12及びスロットル弁1
3が配設されている。このスロットル弁13には、スロ
ットル弁13の開度を検出するスロットル開度センサ1
4が取り付けられている。スロットル開度センサ14
は、スロットル弁13の回動軸に固定された接触子と一
端に電源が接続されかつ他端が接地された可変抵抗(共
に図示せず)とで構成されており、スロットル弁13の
開度が変化するに伴って、接触子と可変抵抗との接触状
態が変化し、スロットル弁13の開度に応じた電圧が得
られるように構成されている。
【0014】また、スロットル開度センサ14内には、
スロットル弁全閉時(アイドル時)にオンするアイドル
スイッチ15(図2には図示せず)が設けられている。
吸気温センサ12は、スロットル弁13の上流側の吸気
管壁に配設されている。更に、スロットル弁13の下流
側にはサージタンク16が配設されている。サージタン
ク16はインテークマニホールド18,吸気ポート19
及び吸気バルブ20を介して機関本体21の燃焼室22
に連通されている。このインテークマニホールド18に
は、各気筒に対応するように燃料噴射弁23が取り付け
られている。
【0015】燃焼室22は、排気バルブ24,吸気ポー
ト25及びエキゾーストマニホールド26を介して三元
触媒(図示せず)に連通されている。このエキゾースト
マニホールド26には、排気ガス中の残留酸素濃度を検
出して理論空燃比に対応する値を境に反転した信号を出
力するO2 センサ27が取り付けられている。
【0016】シリンダブロック28には、燃焼室22で
発生するノッキングを検出するノックセンサ29、及び
ウォータジャケット内に吐出するよう配設され冷却水温
を検出する水温センサ30が取り付けられている。シリ
ンダヘッド31には、各々の燃焼室22内に突出するよ
うに点火プラグ61が取り付けられている。この点火プ
ラグ61は、点火コイル62,イグナイタ63等と共に
点火装置60(図2には図示せず)を構成し、またこの
点火装置60はマイクロコンピュータ等で構成されたエ
ンジンコントロールユニット(以下、ECUという)3
5に接続されている。
【0017】また、吸気バルブ20,排気バルブ24を
駆動するカムシャフトにはカムポジションセンサ64が
配設されており、このカムポジションセンサ64には気
筒判別センサ36及び回転角センサ37が取り付けられ
ている。気筒判別センサ36は、例えば720°CA毎
に気筒判別信号を出力し、回転角センサ37は、例えば
30°CA毎に回転角信号を出力する。そして、この回
転角信号の周期から機関回転速度(NE)を演算するこ
とができる。
【0018】ECU35は、図3に示すように、マイク
ロプロセッシングユニット(MPU)38、リード・オ
ンリ・メモリ(ROM)39、ランダム・アクセス・メ
モリ(RAM)40、バックアップRAM(B−RA
M)41、入力ポート42、入力ポート43、出力ポー
ト44,45及びこれらを接続するデータバスやコント
ロールバス等のバス46を備えている。
【0019】入力ポート42には、アナログ−デジタル
(A/D)変換器47及びマルチプレクサ48が順に接
続されており、このマルチプレクサ48には、バッファ
32を介してスタータスイッチ33,バッファ49を介
して吸気温センサ12が接続されると共に、バッファ5
0及びバッファ51を夫々介して水温センサ30及びス
ロットル開度センサ14が接続されている。また、マル
チプレクサ48には、バッファ52を介して圧力センサ
17が接続されている。そして、入力ポート42は、A
/D変換器47及びマルチプレクサ48に接続されて、
MPU38からの制御信号に応じて吸気温センサ12か
らの出力、圧力センサ17からの出力、水温センサ30
からの出力及びスロットル開度センサ14からの出力を
順次所定周期でA/D変換するように制御する。
【0020】入力ポート43には、コンパレータ53及
びバッファ54を介してO2 センサ27が接続されると
共に波形整形経路55を介して気筒判別センサ36及び
回転角センサ37が接続され、また図示しないバッファ
を介してアイドルスイッチ15が接続されている。そし
て、出力ポート44は駆動回路56を介して点火装置6
0に接続され、出力ポート45は駆動回路57を介して
燃料噴射弁23に接続されている。
【0021】上記ハードウェア構成のECU35は、前
記した点火時期補正手段(A1)及び点火タイミング検出手
段(A3)をソフトウェア処理動作として実現するものであ
る。
【0022】ここで、上記点火装置60の構成について
図4及び図5を用いて説明する。本実施例に係るエンジ
ン11は、ディストリビュータを廃止し、カムポジショ
ンセンサ64からの信号により点火時期を決定し、EC
U35の制御によって点火を行うDLI(ディストリビ
ュータ・レス・イグニッション)システムが採用されて
いる。また、システム全体のコスト低減のため、1つの
点火コイルで2つの気筒に配電し、同時に点火する2気
筒同時点火方式が採用されている。
【0023】図4は、点火プラグ61が配設されるエン
ジン11の上部を拡大して示す図である。本実施例では
4気筒エンジンを例に挙げているため、同図に示される
ようにエンジン本体21の上部には4本の点火プラグ6
1-1〜61-4が配設される。また、同図において62-
1,62-2は点火コイルであり、第1の点火コイル62-
1は第1気筒及び第4気筒に配設された点火プラグ61-
1,61-4と接続されており、第2の点火コイル62-2
は第2気筒及び第3気筒に配設された点火プラグ61-
2,61-3と接続されている。
【0024】従って、第1の点火コイル62-1は第1気
筒及び第4気筒に配設された点火プラグ61-1,61-4
に同時に配電するため、点火プラグ61-1,61-4は同
時に点火する。同様に、第2の点火コイル62-2は第2
気筒及び第3気筒に配設された点火プラグ61-2,61
-3に同時に配電するため、点火プラグ61-2,61-3は
同時に点火する構成となる。
【0025】続いて、図5を用いて点火装置60の全体
構成について説明する。前記したように、カムポジショ
ンセンサ64はカムシャフト65に接続されており、こ
のカムポジションセンサ64に配設された気筒判別セン
サ36からは気筒判別信号が出力され、また回転角セン
サ37からは回転角信号が出力される。この気筒判別信
号及び回転角信号はECU35に供給される。
【0026】ECU35は、接続されている複数のセン
サから出力される出力信号に基づき機関状態を判定し、
現在の機関状態に最も適するこよう基準点火時期を補正
し、補正された点火信号をイグナイタ63に供給する。
この際、点火を行う気筒を指定する振り分け信号も合わ
せてイグナイタ63に供給される。
【0027】イグナイタ63は、ECU35から供給さ
れた点火信号及び振り分け信号を受け、振り分け信号に
より指定された気筒に対応する点火コイル62の一次側
に電流を通電−遮断し、点火プラグ61を点火する。仮
に、振り分け信号により第1気筒(#1)に点火させる
命令がECU35からイグナイタ63に供給され場合に
は、イグナイタ63は点火コイル62-1の一次側に電流
を通電−遮断する。
【0028】この際、2気筒同時点火方式が採用された
本実施例に係るエンジン11では、点火コイル62-1が
第4気筒(#4)に配設された点火プラグ61-4にも接
続されているために、第1気筒(#1)に配設された点
火プラグ61-1と同時に第4気筒(#4)に配設された
点火プラグ61-4にも点火する。図9及び図10に示す
ように、第1気筒が点火処理を行いたい爆発工程にある
とき、第4気筒は吸気工程にある。従って、この際第4
気筒で行われる点火はいわゆる空点火となることは前記
の通りである。
【0029】次に、ECU35の行う点火時期制御動作
について図6乃至図10を用いて説明する。図6は、点
火時期制御の基本制御動作を示すフローチャートであ
る。尚、同図に示す処理は所定時間毎に繰り返し実行さ
れるルーチン処理である。
【0030】同図に示す処理が起動すると、先ずステッ
プ10(以下、ステップをSと略称する)において、ス
タータスイッチ33がONとされたか否かが判断され、
ONになったと判断されると、S12において回転角信
号に基づく固定点火及びスタート時特有の燃料増量が行
われ、続くS14では遅角判定フラグSArtd がリセッ
ト(SArtd =0)され処理を終了する。尚、この遅角
判定フラグSArtd は、後述するS26で点火時期遅角
処理が実行されている場合にセットされ(SArtd =
1)、点火時期遅角処理が実行されていない場合にりセ
ット(SArtd =0)されるフラグである。
【0031】一方、S10において否定判断がされた場
合には、即ち既にエンジン11がスタートされている状
態であると判断されると、処理はS16に進み、アイド
ルスイッチ15がONとされているか否かを判断する。
S16において肯定判断がされると、即ちエンジン状態
がアイドル状態であると判断されると処理はS18に進
み、回転角信号に基づきエンジン回転数が所定回転数以
下であるかどうかが判断される。
【0032】そして、S18において肯定判断がされた
場合、即ちアイドル状態でかつエンジン回転数が所定回
転数以下である場合には、処理はS20に進みECU3
5は始動状態処理を実行すると共に、S22で遅角判定
フラグSArtd をリセット(SArtd =0)して処理を
終了する。ここで始動状態処理とは、例えば始動状態特
有の固定点火時期の設定処理、及び始動状態特有の燃料
の増量等をいう。
【0033】一方、S18において否定判断がされた場
合、即ちアイドル状態であるがエンジン回転数が所定回
転数以上である場合には、処理はS24に進み、機関状
態が遅角を行う所定状態となっているか否かが判断され
る。具体的には、水温センサ30の出力よりエンジン水
温が所定値より低いか、遅角状態が所定の時間以内か、
触媒床温度が所定値以下か等が判断される。
【0034】そして、S24において肯定判断がされる
と、処理はS26に進み、点火時期遅角処理、及び本発
明の特徴となる噴射時期遅角処理が実行され、続くS2
8において遅角判定フラグSArtd がセット(SArtd
=1)され処理が終了する。
【0035】このS26で実行される点火時期遅角処理
は、始動時における着火性の向上及び三元触媒の早期暖
機を実施するために行われる遅角処理である。図8は、
時刻t1におてい上記の点火時期遅角処理が行われた状
態を示している。また、図9は点火時期遅角処理実行中
における点火タイミングを示す図であるが、同図に示さ
れるように、一般にこの始動時遅角処理はTDCよりも
大きな遅角処理が行われる。尚、図9は各気筒の点火タ
イミング、及び同時に点火される第1気筒(#1)及び
第4気筒(#4)の工程を示している。
【0036】上記の如く、点火時期遅角処理を実行する
ことにより、始動時における着火性は向上し、また三元
触媒の早期暖機を実現することができる。しかるに、上
記のように大幅に点火時期を遅角すると、点火時期は圧
縮TDCより遅れる場合が生じ、点火時期が吸入工程に
入り込んでしまい、吸入工程において気筒内に導入され
る可燃混合気に点火してしまうおそれがあることは前記
した通りである。
【0037】S26で点火時期遅角処理と同時に実行さ
れる噴射時間遅角処理は、この誤点火を防止するために
実行される処理であるが、この噴射時間遅角処理につい
ては説明の便宜上、後に詳述する。
【0038】再び図6に戻り説明を続ける。S24にお
いて肯定判断がされた場合には、前記のようにS26の
処理が実行されるが、S24で否定判断がされると、処
理はS30に進む。S30では、遅角判定フラグSArt
d がセット(SArtd =1)されているかどうか(SA
rtd >0)が判断される。
【0039】いま、S30で肯定処理がされたと仮定す
る。するとこの時の機関状態は、前回のルーチン処理ま
ではS26が実行され点火時期遅角処理及び噴射時間遅
角処理が実行されていたが、今回のルーチン処理では点
火時期遅角処理及び噴射時間遅角処理が不要となった状
態である。従って、S30で肯定判断がされると、処理
はS32に進み、点火時期遅角処理及び噴射時間遅角処
理を解除し(図9における時刻t2に該当する)、S3
4で遅角判定フラグSArtd をりセット(SArtd =
0)し、処理を終了する。
【0040】一方、S30において否定判断がされる
と、前回のルーチン処理においてもS26の点火時期遅
角処理及び噴射時間遅角処理が実行されていない状態で
あり、よってこの場合処理はS38に進み通常の点火時
期処理を行う構成とした。
【0041】また、前記したS16において否定判断が
された場合、即ちアクセルペダルが踏み込まれている状
態であると判断された場合には、処理はS36に進み遅
角判定フラグSArtd の状態が判断される。そして、3
6において肯定判断がされた場合には、S30の処理と
同様に、前回のルーチン処理まではS26が実行され点
火時期遅角処理及び噴射時間遅角処理が実行されていた
が、今回のルーチン処理では点火時期遅角処理及び噴射
時間遅角処理が不要となった状態であるため、点火時期
遅角処理及び噴射時間遅角処理を解除し、S34で遅角
判定フラグSArtd をりセット(SArtd =0)し、処
理を終了する構成とした。
【0042】一方、S36で否定判断がされた場合に
は、前回のルーチン処理においてもS26の点火時期遅
角処理及び噴射時間遅角処理が実行されていない状態で
あり、よってこの場合処理はS38に進み通常の点火時
期処理を行う構成とした。
【0043】上記のように、図6に示す処理を実行する
ことにより、冷間始動時における着火性の向上及び三元
触媒の早期暖機を実現でき、また冷間始動状態を脱した
場合には通常の点火に戻るため、トクル特性の低下等が
発生することもない。
【0044】続いて、S26で点火時期遅角処理と同時
に実行される噴射時間遅角処理について図7及び図9を
用いて説明する。この噴射時間遅角処理は、上記の点火
時期遅角処理実行時に発生するおそれのある誤点火を防
止するために実行される処理である。また、この処理は
爆発工程にあり実際に爆発を発生させようとする気筒の
点火と同時に空点火を行う気筒に対して実行される処理
である。尚、図9においては実際に爆発を発生させよう
とする気筒を第1気筒(#1)とし、空点火を行う気筒
を第4気筒(#4)とした例について示している。
【0045】前記したS26の処理が実行されると、図
7に示す処理が起動する。同図に示す処理が起動する
と、先ずS100においてカムポジションセンサ64か
らの信号により吸気バルブ20が開弁したかどうかが判
断される。これは、図9において、第4気筒が吸入工程
が入ったかどうかを判定する処理である。
【0046】S100で肯定判断がされると、処理はS
102に進み、ECU35がイグナイタ63に対して点
火信号を供給したかどうかを判断することにより、点火
プラグ61に点火がされたかどうかが判断される。前記
したように、本実施例に係るエンジン11は、2気筒同
時点火方式が採用されているため、第1気筒(#1)及
び第4気筒(#4)は同時に点火され、第1気筒(#
1)は爆発工程にあるため気筒内で爆発が発生し、一方
第4気筒(#4)は吸気工程にあるため空点火となる。
また、この空点火が行われるタイミングにおいては、ま
だ燃料の噴射は行われておらず、よって誤点火が発生す
ることはない。
【0047】更に、S102において肯定判断がされる
と、処理はS104に進み、点火後所定時間ΔT1経過
したかどうかが判断される。そして、S104において
点火後所定時間ΔT1経過したと判断されると、この時
点で初めてS106において燃料噴射弁23より燃料噴
射が噴射される。即ち、S100〜S104の処理にお
いて否定判断がされた場合には燃料噴射はされない構成
とされている。
【0048】図6に示される上記の噴射時間遅角処理を
実行することにより、空点火がされる気筒への燃料の供
給は、吸気工程に入り空点火が実行された後、所定時間
ΔT1経過した後に行われることとなる。従って、気筒
内に燃料が存在する状態で点火されることはなくなり、
誤点火を確実に防止することができる。
【0049】尚、図10は通常の点火時期(遅角処理が
行われていない点火時期)に復帰した状態を示してい
る。一般に空点火の時期は圧縮工程の終了時期,吸気工
程の開始前となり、吸気工程中に燃料噴射する限り問題
ない。従って、通常点火の場合における燃料噴射のタイ
ミングは、点火終了後所定時間、或いは同図に示すよう
にTDC後所定時間ΔT2経過した後に行う構成とすれ
ばよい。
【0050】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、点火時期の
大幅遅角時(開弁タイミング以降)でも、空点火実行後
に燃料噴射が開始されるため、空点火により誤着火が発
生することを防止することができる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の位置実施例である点火時期制御装置を
搭載したエンジンの構成図である。
【図3】ECUのハードウェア構成を示す図である。
【図4】2気筒同時点火方式を説明するための図であ
る。
【図5】点火装置を示す構成図である。
【図6】点火時期制御の基本処理を示すフローチャート
である。
【図7】噴射処理遅角処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】遅角処理の一例を示す図である。
【図9】遅角処理実施時における点火時期と工程との関
係を示す図である。
【図10】通常の点火処理時における点火時期と工程と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 エンジン 12 吸気センサ 13 スロットル弁 14 スロットル開度センサ 17 圧力センサ 20 吸気バルブ 21 機関本体 23 燃料噴射弁 35 エンジンコントロールユニット(ECU) 37 回転角センサ 60 点火装置 61,61-1〜61-4 点火プラグ 62,62-1,62-2 点火コイル 63 イグナイタ 64 カムポジションセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02P 3/04 303 F02P 3/04 303D 7/03 7/03 F 9/00 305 9/00 305A (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/34 F02D 41/06 335 F02D 43/00 301 F02D 45/00 362 F02P 3/04 303 F02P 7/03 F02P 9/00 305

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態に応じて点火時期を
    補正する点火時期補正手段と、始動時において点火時期
    を遅角することにより暖機制御を行なう暖機制御手段
    と、該点火時期補正手段及び該暖機制御手段から出力さ
    れる信号に基づき同時着火方式の点火コイルを通じて点
    火される点火手段とを備えた内燃機関の点火時期制御装
    置において、 吸気バルブの開弁タイミング以降に点火が実行されたか
    否かを検出する点火タイミング検出手段と、 該点火タイミング検出手段により上記開弁タイミング以
    降に点火が実行されたことが検出された時、点火実行後
    のシリンダに対して燃料を供給する燃料供給手段とを設
    けたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
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