JP2912958B2 - 移動式タワークレーン - Google Patents

移動式タワークレーン

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JP2912958B2
JP2912958B2 JP6225630A JP22563094A JP2912958B2 JP 2912958 B2 JP2912958 B2 JP 2912958B2 JP 6225630 A JP6225630 A JP 6225630A JP 22563094 A JP22563094 A JP 22563094A JP 2912958 B2 JP2912958 B2 JP 2912958B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両にタワークレーンを
搭載した移動式タワークレーン、特に建築作業等に使用
される移動式タワークレーンのブーム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築作業の機械化にともない建築
物内に進入してクレーン作業を行う移動式タワークレー
ンが導入されつつある。
【0003】図12はその第1例を示すホイール式タワ
ークレーンのブーム格納時や走行時の側面図であり、下
部走行体50には上部旋回体51が旋回自在に搭載され
ている。上部旋回体51には第1ブーム52がピン53
により起伏自在に軸着され、第1ブーム52の先端には
第2ブーム54が起伏自在に装着されている。ピン53
の位置は上部旋回体51の旋回中心X−XよりもSだけ
後方にずれている。
【0004】図13は第1ブーム52を直立させ、第2
ブーム54を張り出した作業姿勢を示している。第1ブ
ーム52は油圧シリンダ55を伸長することによりピン
53を中心として回転し直立する。第2ブーム54は油
圧シリンダ56を伸長することによりピン57を中心と
して回転し張り出し姿勢となる。
【0005】第2例としては実開昭61−165991
号公報の技術がある。この技術によれば、第1ブームと
上部旋回体とは、一対のリンクと2対の油圧シリンダと
よりなるリンク装置により連結され、ブームの格納は水
平にした第1ブームの上に第2ブームを重ねて行うよう
にしてあり、このとき、ブームの長手方向の中心はほぼ
上部旋回体の旋回中心にあるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1例では、図12に示すように、第1ブーム52の長手
方向の中心Mが上部旋回体51の旋回中心X−Xから距
離Nだけ前方にあるため、車両の全長Pが第1ブーム5
2の全長よりも長い。すなわち、狭い建築物内への進入
や稼働にその分不利である。
【0007】第2例においては、車両の全長は第1ブー
ムの長さに等しく、第1例よりも短くなるが、第2ブー
ムを第1ブームの上に重ねて格納するため全高が高くな
り、輸送上も、建物内に進入する場合も不利である。ま
た、油圧シリンダが2対あり、操作が複雑でコストも高
い。
【0008】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、全長を短く、全高を低くし、輸送上も建物内へ
の進入も容易とし、さらに構造簡単でコストも安い移動
式タワークレーンを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記の目的達成のため、
本発明に係る移動式タワークレーンの第1発明は、下部
走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体に、起伏自在
に装着された伸縮自在な第1ブームと、第1ブームの先
端に起伏自在に装着された第2ブームとを有するタワー
クレーンを備えた移動式タワークレーンであって、前記
第1ブームをほぼ水平にし、前記第2ブームを前記第1
ブームの下方にほぼ平行に折り畳んだ状態で格納可能な
ブーム装置と、前記第1ブームの直立姿勢において前記
第1ブームの後端部を前記上部旋回体に固定するための
固定手段とを備えた移動式タワークレーンにおいて、前
記固定手段は、 (1)上部旋回体に固設され、第1ブームが水平姿勢か
ら直立姿勢への変換をほぼ完了するとき、第1ブームの
後端部に当接して第1ブームの直立姿勢を達成させるブ
ラケットと、 (2)先端上部に凹部を有してこの凹部内に第1ブーム
の後端部を余裕を持って係合可能とされると共に、先端
下部が上部旋回体やブラケット等の固定部材に対してピ
ン連結されることにより第1ブームの水平姿勢から直立
姿勢への変換時、第1ブームの後端部が凹部内に係合
し、次いで自重に抗して上方のブラケット側へ回転可能
とされた回転ブロックと、 (3)上面にくさび面を有し、このくさび面を回転ブロ
ックの下面と固定部材の上面との間に出入り可能とされ
たエッジブロックと、 (4)固定部材に設置され、エッジブロックをそのくさ
び面側方向へ付勢する弾性部材とを有することを特徴と
している。
【0010】第発明は、上記第発明において、上部
旋回体やブラケット等の固定部材上における、第1ブー
ムに若干の傾倒姿勢を与えるための相当位置に、エッジ
ブロックのくさび面側方向への移動を停止させるストッ
パを有することを特徴としている。
【0011】
【作用】上記第1発明によれば、回転ブロックは、先端
上部に凹部を有してこの凹部内に第1ブームの後端部を
余裕を持って係合可能とされると共に、先端下部が上部
旋回体やブラケット等の固定部材に対してピン連結され
ている。またエッジブロックは、上面にくさび面を有
し、このくさび面を回転ブロックの下面と固定部材の上
面との間に出入り可能とされている。これにより第1ブ
ームの水平姿勢から直立姿勢への変換時、第1ブームの
後端部が回転ブロックの凹部内に係合し、これにより回
転ブロックが自重に抗して上方のブラケット側へ回転す
る。すると、固定部材に設置された弾性部材がエッジブ
ロックをそのくさび面側方向へ付勢し、エッジブロック
のくさび面が回転ブロックの下面と固定部材の上面との
間に入る。そして第1ブームが水平姿勢から直立姿勢へ
の変換をほぼ完了するとき、ブラケットが第1ブームの
後端部に当接して第1ブームの直立姿勢を達成させる。
つまり固定手段は、第1ブームの直立姿勢において第1
ブームの後端部を前記上部旋回体に固定する。
【0012】上記第2発明は、上記第1発明の移動式タ
ワークレーンにおいて、上部旋回体やブラケット等の固
定部材上における、第1ブームに若干の傾倒姿勢を与え
るための相当位置に、エッジブロックのくさび面側方向
への移動を停止させるストッパを有する。つまりストッ
パが第1ブームに若干の傾倒姿勢を与えるため、第1
ームを直立姿勢から格納姿勢に姿勢変換させるとき、エ
ッジブロックが後退し易くなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る実施例を図を参照し説明
する。図1はブームを格納姿勢としたときの側面図(な
お、図1は実施例の走行姿勢を示す側面図でもある)、
図2は第1ブームを直立姿勢としたときの側面図、図3
は姿勢変換中の側面図、図4は直立した第1ブームを伸
長し、第2ブームを張り出して作業姿勢としたときの側
面図である。
【0014】図1に示す通り、履帯2を有する下部走行
体1は旋回台4を有する上部旋回体3を旋回自在に搭載
している。第1ブーム10の先端には第2ブーム30が
ピン31により起伏自在に連結されており、同図のブー
ム格納姿勢においては、第1ブーム10はほぼ水平に配
置され、第2ブーム30は第1ブーム10の下方にほぼ
平行に折り畳まれている。なお、図1のブーム格納姿勢
においては、最長部材である第1ブーム10の長手方向
の中心を上部旋回体3の旋回中心X−Xとほぼ一致させ
てある。このため、車両の全長Lは第1ブーム10の長
さと一致している。
【0015】第1ブーム10と旋回台4とは4節リンク
装置20により連結されている。ブラケット11により
第1ブーム10と一体構成されている第1リンク21
と、旋回台4と一体構成されている第2リンク22とは
第3リンク23および第4リンク24により連結されて
4節リンクを構成している。第2リンク22は固定リン
クである。第1ブーム10の後端にはブーム後端ピン1
2が固設してあり、第1リンク21は上部旋回体3の旋
回中心X−Xに対してブーム後端ピン12寄りに位置し
ている。第3リンク23はブーム後端ピン12から遠い
方であり、第4リンク24はブーム後端ピン12寄りで
ある。第1リンク21と第4リンク24とを連結するピ
ン25と、第2リンク22と第3リンク23とを連結す
るピン26の近傍のピン27とは油圧シリンダ28によ
り連結されている。油圧シリンダ28と第1リンク21
との連結点をピン25の近傍とし、油圧シリンダ28と
第2リンク22との連結点はピン26と一致させてもよ
い。
【0016】図1に示すように、ブーム格納姿勢におい
ては、油圧シリンダ28は伸長した状態であり、油圧シ
リンダ28を短縮すると、図3に示すように、第1ブー
ム10は姿勢変換を開始し、図2に示す第1ブーム10
の直立姿勢に至る。直立姿勢では第1ブーム10の長手
方向の軸芯Y−Yは、上部旋回体3の旋回中心X−Xと
ほぼ一致するようにしてある。
【0017】このように、油圧シリンダ28を短縮する
と、第1ブーム10は格納姿勢から直立姿勢へ変換され
るが、姿勢変換途中において、図3に示すように、第2
ブーム30は旋回台4との間に隙間Aが確保されてお
り、干渉することはない。
【0018】また、図4に示すように、一般に建築物の
天井高さH1は2.3m〜2.5mであるので、作業車
両の高さHをこれ以下とすることが望まれる。このた
め、本実施例では、図1に示す格納姿勢において、車両
の全高Hを所定の高さなる前記天井高さH1以下になる
ように設定してある。
【0019】なお、図4に示す作業姿勢において、4節
リンク装置20は第1ブーム10の直立姿勢を維持する
機能を備えているが、4節リンク装置20だけではピン
磨耗や油圧シリンダ28の内部洩れなどにより第1ブー
ム10の直立姿勢を長時間に渡って安全かつ確実に維持
することが困難である。このため、図2のR部に示すよ
うに、ブーム直立時には第1ブーム10の後端を旋回台
4に固定可能としてある。この固定手段の例を図5およ
び図6を参照し次に説明する。
【0020】図5はマニュアル式固定手段の例である。
同図(a)に示すように、U形の支持具13がブラケッ
ト14を介して図示しない旋回台4に固設してある。こ
の支持具13のU形端上下部には1対の同軸孔15、1
5を設けてある。そしてこの支持具13と前記ブーム後
端ピン12とは次の関係とされている。すなわち、第1
ブーム10を格納姿勢から直立姿勢へ姿勢変換したと
き、ブーム後端ピン12が、同図(a)の矢印のように
移動して同図(b)に示すように、支持具13のU形内
に係合するようにしてある。この係合状態がブーム直立
姿勢である。そこで、別途備えたピン16を同軸孔1
5、15に挿入することにより、ブーム後端ピン12を
支持具13のU形内に固定し、これにより、第1ブーム
10の直立姿勢を維持可能としている。このような固定
手段は、マニュアル操作によるが、このようなマニュア
ル式固設手段の例によれば、ブーム直立姿勢の維持を低
コストで達成できる。
【0021】ところで上記マニュアル式固設手段で、ブ
ームを格納姿勢から直立姿勢に姿勢変換する都度、ブー
ム操作桿などによるブーム起伏操作と、同軸孔15、1
5へのピン16の出し入れ操作とを行う必要があり、非
常に煩わしい。また両マニュアル操作を、安全に、素早
くかつ確実に行うには、ブーム操作桿などと支持具13
とを近接して設けねばならない。ところが、このような
空間の確保が困難であったり、また場合によっては逆に
コスト高を招きかねない。さらにピン16の紛失などの
問題もある。かかるマニュアル式固設手段の不都合を解
消するため、例えば図6のような自動式固定手段として
もよい。
【0022】すなわち、図6(a)は、ブーム後端ピン
12を図示左側の旋回台4に固定すべく(すなわち、ブ
ーム格納姿勢からブーム直立姿勢へ姿勢変換すべく)、
第1ブーム10を図示時計回りに回転させている図であ
る。なお以下、左、右、時計回り又は反時計回りとは、
図示におけるものとする。旋回台4にはブラケット14
が固設してある。ブラケット14の右斜め上面には凹部
が形成され(なお、この上面は凹部に成形する必要はな
く、例えば平面でもよい)、また左下部には棒状のスト
ッパ133と、ピン132とが備えられている。ピン1
32には後述する回転ブロック131が自重により時計
回りに回転可能に、また外力により反時計回りに回転可
能に連結されている。回転ブロック131の右斜め上面
にも凹部が形成されている。そして回転ブロック131
の右側の旋回台4上には左側から右側へ順に、後述する
エッジブロック134と、スプリングなどの弾性体13
5と、これらを内嵌するとともに前記エッジブロック1
34が弾性体135の付勢力により左方向へスライドし
たときにエッジブロック134が左側へ突出可能なるよ
うに左面が開口してなる筐体136とが固設されてい
る。このように、筐体136は弾性体135の反力受け
機能と、エッジブロック134の左右スライド案内とを
兼ねている。そして筐体136の右側端面からはエッジ
ブロック134の右側端面に連結されたケーブル137
(なお、ケーブル137はリンク機構でもよい)が外部
へと引き出されている。このケーブル137の右側端
は、各種他の操作レバーとともに旋回台4の運転台上に
備えられたブームロックレバー139に連結されてい
る。本例のブームロックレバー139は、これを引き起
こすと、弾性体135の付勢力がエッジブロック134
に作用し、エッジブロック134を左方向へ移動させ、
逆に押し倒すと、エッジブロック134を弾性体135
の付勢力に抗して右方向へ移動させるものである。次
に、回転ブロック131およびエッジブロック134の
各特徴的形状を述べる。なお、エッジブロック134
は、その名に示すとおり、上面が左下方向へ傾斜したく
さび面を備えた部材である。
【0023】回転ブロック131とエッジブロック13
4とは互いに代表的に当接可能な2対の面(D1とD
2、E1とE2)を備えている。面E2はエッジブロッ
ク134の前記くさび面である。すなわち、回転ブロッ
ク131の右端面D1はエッジブロック134の左斜め
上端面D2に当接可能とされる。また、回転ブロック1
31の右下面E1はエッジブロック134のくさび
2に当接可能とされる。またさらにエッジブロック13
4の左端面F1はストッパ133の右端面F2に当接可
能とされている。つまり、ピン132回りの回転ブロッ
ク131の時計回り及び反時計回りの回転と、エッジブ
ロック134の左右方向へのスライド運動との説明から
明らかなように、また詳細を後述するように、これら3
対(D1とD2、E1とE2、F1とF2)の当接は同
時に生ずることはなく、回転ブロック131の回転位置
と、エッジブロック134の左右方向のスライド位置と
の関係により、いずれか一対面の当接が段階的に生ず
る。
【0024】自動式固定手段は以上の如く構成されてい
る。そこで以下、この自動式固定手段の作用を図6
(a)〜(d)を参照し説明する。
【0025】図6(a)は、前述の通り、ブーム後端ピ
ン12を左側の自動式固定手段に固定すべく、第1ブー
ム10を時計回りに回転させている図である。なお、こ
の状態では、図示するように、回転ブロック131は自
重によりピン132回りに時計方向へ回転している。ま
たブームロックレバー139は予め押し倒してある。従
って、エッジブロック134がケーブル137を介して
弾性体135の付勢力に抗して右方向へ移動している。
これらの結果、回転ブロック131の右端面D1と、エ
ッジブロック134の左斜め上端面D2とは当接し、回
転ブロック131の自重による時計回りの回転を停止さ
せている。かかる状態において、図示しないブーム操作
桿を操作して第1ブーム10を時計回りに回転させてい
るのがこの図6(a)である。
【0026】図6(a)において、第1ブーム10の時
計回りの回転が進むと、図6(b)に示すように、ブー
ム後端ピン12の左側面が回転ブロック131の凹部内
面Bに当接し、この回転ブロック131をピン132回
りに反時計回りに回転させるようになる。勿論この回転
ブロック131の回転に伴い、図示するように、エッジ
ブロック134は弾性体135の付勢力によって左方向
へ移動可能となり、この結果、エッジブロック134は
回転ブロック131との接触位置を変えつつ左方向へと
移動する。このとき、ブームロックレバー139は図示
するように、徐々に立ち上がる。
【0027】第1ブーム10の時計回りの回転が進み、
図6(c)の点線に示すように、ブーム後端ピン12の
左側面がブラケット14の凹部内面Aに当接すると、第
1ブーム10の時計回りの回転は停止させられる。この
ときエッジブロック134の左端面F1はストッパ13
3の右端面F2に当接する。そして図6(d)を借りて
説明すれば、このとき、回転ブロック131の右下面E
1と、エッジブロック134のくさびE2とは間隙δ
を有した状態となっている。
【0028】そこで次に、ブーム操作桿を中立位置に戻
すなり、または逆方向へ操作して油圧シリンダ28を伸
長させることにより、図6(c)の実線に示すように、
ブーム後端ピン12の右側面が回転ブロック131の凹
部内面Cに当接し、さらに回転ブロック131の右下面
E1とエッジブロック134のくさび面E2との前記間
隙δが無くなるまで、第1ブーム10を反時計回りに逆
回転させる。このようにすることにより、ブーム直立姿
勢が達成される。なお、上記間隙δは、後述するよう
に、ブームを直立姿勢から格納姿勢に姿勢変換させると
き、エッジブロック134を後退し易くするための隙間
となる。
【0029】上記ブーム姿勢を長期安定的に確保するに
は、エッジブロック134のくさび面E2のくさび角θ
が重要であり、式〔μ×(1+cosθ)≧sinθ×
cosθ〕を満足するようなくさび角θ設定する必要
がある。ここでμはエッジブロック134のくさび面E
2及び下面E3の摩擦係数である。P2はクレーン吊り
荷重Pのブーム後端ピン12への分力が、ブーム後端ピ
ン12の右側面から回転ブロック131の凹部内面Cを
経て回転ブロック131の右下面E1によりエッジブロ
ック134のくさび面E2を押す力である(なお、クレ
ーン吊り荷重Pの大方は4節リンク装置20が受け、ブ
ーム後端ピン12には前記隙間δに相当する傾倒角に基
づく分力が加わる程度とするのが好ましい)。そしてP
1はエッジブロック134を右方向へ戻す力である。
【0030】玉掛けが終了し、ブームを直立姿勢から格
納姿勢に戻すときは、ブーム操作桿を、一旦、中立位置
から起伏位置に操作して油圧シリンダ28を短縮して第
1ブーム10を時計回りに回転させる。これにより、図
6(d)に示すように、回転ブロック131の右下面E
1と、エッジブロック134のくさびE2との前記間
隙δが再度確保され、これによりブーム後端ピン12に
よるエッジブロック134のくさびE2への押しつけ
力P2が除去される。このように、押しつけ力P2を除
去したのち、ブームロックレバー139を押し倒すと、
エッジブロック134は弾性体135の付勢力に抗して
右方向へと容易に移動するようになる。エッジブロック
134が右方向へ完全に移動したのち、ブーム操作桿を
操作して油圧シリンダ28を伸長させると、第1ブーム
10は反時計回りへ回転し、ブーム後端ピン12が回転
ブロック131の凹部内から離脱する。このようになる
と、回転ブロック131は自重によりピン132回りに
時計方向に回転し、また回転ブロック131とエッジブ
ロック134とが前記図6(a)の状態に戻る。さらに
油圧シリンダ28を伸長させることによりブーム格納姿
勢が完了する。なお、前記隙間δは、ストッパ132の
位置により調整されていることは説明するまでもない。
【0031】上記自動式固定手段例によれば、ブームを
格納姿勢から直立姿勢へ姿勢変換するときは、ブームを
起こすというマニュアル作業だけでブームの直立姿勢を
素早く、確実かつ安全に達成できるため、作業の効率化
を図ることができる。また自動式固定手段の各部が磨耗
しても、くさび効果と弾性体の付勢力とにより自動調整
されるため、磨耗に基づく調整が不要となる。なお、回
転ブロック131や、エッジブロック134の作動を検
出する例えばリミットスイッチなどの検出器を付設する
ことにより、玉掛けのインタロック要素とするなど、そ
の応用範囲は広い。
【0032】図7および図8は第1ブーム10の先端に
ピン31により起伏自在に装着された第2ブーム30の
構造と作動状態を示す図面である。図7において、第1
ブーム10の先端にピン31を含んで一体構成された第
1リンク32と、第2ブーム30にピン31を含んで一
体構成された第2リンク33とは、第3リンク34およ
び第4リンク35を介して連結されて4節リンクを構成
している。第3リンク34と第4リンク35とを連結す
るピン36と、第2ブーム30のブラケット37とは、
油圧シリンダ38により連結されている。
【0033】油圧シリンダ38を短縮した状態では、図
7に示すように、第2ブーム30は第1ブーム10に対
してほぼ平行であり、油圧シリンダ38を伸長すると、
図8に示すように、第2ブーム30は第1ブーム10に
対して起立し、作業状態となる。すなわち、4節リンク
を用いたため、第1ブーム10と第2ブーム30との相
対角度αを大きくすることができる。
【0034】図9はブーム格納時の平面図であり、第1
ブーム10は上部旋回体3の旋回中心上にある。そして
その片側に運転台5を配置し、他側に機械室6を配置し
てある。また、同図に示すように、第1ブーム10の長
手方向を下部走行体1の進行方向へ向けたとき、上部旋
回体3の全幅は履帯2の最大幅B以内にあり、上部旋回
体3を旋回させたとき、運転台5や機械室6等が履帯2
の最大幅B以内になるようにしてある。従って、作業中
に旋回しても他のものと干渉する危険性は極めて少な
い。
【0035】ところで、移動式タワークレーンが建築物
内で作業する場合、図4に示すように、第1ブーム10
を伸長させ、上の階の玉掛けをする場合が多い。そのよ
うな場合には天井40に孔41を明け、第1ブーム10
を通して玉掛けを行う。この孔41は玉掛け完了後ふさ
がなければならない。従って、孔41は小さい方がよ
い。上記の場合において、図10(a)はブーム10の
軸芯と旋回中心とが一致している場合を示し、他方図1
0(b)はブーム10の軸芯と旋回中心とがずれている
場合を示す。すなわち、図10(a)は本発明のもの
で、ブームの軸芯が上部旋回体3の旋回中心X−Xに一
致しており、天井40の穴42の必要な直径はCであ
る。これに対して図10(b)はブーム10の軸芯Y−
Yと上部旋回体3の旋回中心X−XとはKだけずれてい
る。このため、上部旋回体3が矢印のように旋回した場
合、ブーム10が穴43に干渉しないためには天井40
の穴43の必要な直径はC+2K=Dでなければならな
い。従って、図10(a)の方が有利である。
【0036】図11は壁等に接近する場合、ブームの軸
芯が旋回中心と一致している場合と、ずれている場合と
の違いを示す。すなわち、図11(a)は本発明のもの
で、ブーム10の軸芯が上部旋回体3の旋回中心X−X
に一致しており、壁44と旋回中心X−Xとの距離はE
まで接近できる。しかしながら、図11(b)ではブー
ム10の軸芯Y−Yと上部旋回体3の旋回中心X−Xと
はKだけずれている。従って上部旋回体3が矢印のよう
に旋回した場合、干渉しないためには壁44と旋回中心
X−Xとの距離はE+K=Fとなり、図11(a)の方
がより接近できて有利となる。
【0037】
【発明の効果】 以上詳述したごとく、本発明によれば
下記のような効果を奏する。
【0038】 (1)ブームの起伏を4節リンクで行うため、ブームと
旋回台との間に空間が生ずる。この空間内にブーム格納
姿勢時、第1ブームをほぼ水平にし、第1ブームの下方
に第2ブームを折り畳むようにして格納することとした
ため、車両の全高を低く保つことができる。このため、
建築物への進入が容易である。
【0039】 (2)ブーム格納姿勢において、第1ブームの長手方向
の中心と上部旋回体の旋回中心とをほぼ一致させたた
め、車両の全長を第1ブームの長さと一致させることが
でき、車長の短縮、すなわちコンパクト化を図ることが
でき、また狭い領域への進入や稼働に有利である。
【0040】 (3)ブーム直立姿勢において、第1ブームの長手方向
の軸芯と旋回中心とを一致させたため、作業時、建築物
の天井に開ける穴の直径を小さくでき、建築コストを安
くできる。また、壁面等により接近することができ、作
業時に有利である。
【0041】 (4)ブーム直立姿勢において、第1ブームの下端と旋
回台とを固定するための固定手段を設けたためにブーム
の安定性がよく、作業性がよい。特に自動化することに
より、ブームの起立操作だけで、ブームの直立姿勢が固
定されるため、作業の効率化が図れる。また自動式固定
手段の各部が磨耗しても、くさび効果と弾性体の付勢力
とにより自動調整されるため、保守点検が容易となる。
なお、この固定手段には固定の有無を検出する検出器を
付設することにより、玉掛けのインタロック要素とする
など、その応用範囲は広い。
【0042】 (5)第1ブームと第2ブームとを4節リンクで連結し
たため、第1ブームと第2ブームとの相対角度を大きく
することができ、作業性がよい。
【0043】 (6)ブーム格納姿勢において、上面から見てブームを
ほぼ上部旋回体の旋回中心に位置させ、左右側方に運転
室と機械室とを配置し、下部走行体の最大幅以内で旋回
可能にしたため、作業中、旋回による干渉の恐れはなく
安全である。
【0044】 (7)第1ブームの起状装置の油圧シリンダは一対であ
り、全体の構造が簡単でコストが安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のブーム格納姿勢を示す側面図である。
【図2】実施例のブーム直立姿勢を示す側面図である。
【図3】実施例のブームの姿勢変換途中の状況を示す側
面図である。
【図4】実施例の玉掛け状態を示す図面である。
【図5】実施例におけるブーム直立姿勢のマニュアル式
固定手段の説明図である。
【図6】実施例におけるブーム直立姿勢の自動式固定手
段の説明図である。
【図7】第1ブームと第2ブームとの連結構造の説明図
である。
【図8】第2ブーム張り出し姿勢を示す図面である。
【図9】実施例の平面図である。
【図10】実施例による建築作業等において、天井に明
いた孔に対する実施例の効果を説明する図である。
【図11】実施例による建築作業等において、壁面に接
近する距離に対する実施例の効果を説明する図である。
【図12】従来の移動式タワークレーンのブーム格納姿
勢を示す側面図である。
【図13】従来の移動式タワークレーンの作業状態を示
す側面図である。
【符号の説明】
1…下部走行体、3…上部旋回体、4…旋回台、5…運
転室、6…機械室、10…第1ブーム、12…固定ピ
ン、13…支持具、16…ピン、20…4節リンク、2
1,32…第1リンク、22,33…第2リンク、2
3,34…第3リンク、24,35…第4リンク、2
8,38…油圧シリンダ、30…第2ブーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−54480(JP,U) 実開 昭61−165991(JP,U) 実開 昭63−41092(JP,U) 実開 昭48−44164(JP,U) 特公 昭44−7305(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66C 23/00 - 23/94

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体に旋回可能に搭載された上部
    旋回体に、起伏自在に装着された伸縮自在な第1ブーム
    と、第1ブームの先端に起伏自在に装着された第2ブー
    ムとを有するタワークレーンを備えた移動式タワークレ
    ーンであって、前記第1ブームをほぼ水平にし、前記第
    2ブームを前記第1ブームの下方にほぼ平行に折り畳ん
    だ状態で格納可能なブーム装置と、前記第1ブームの直
    立姿勢において前記第1ブームの後端部を前記上部旋回
    体に固定するための固定手段とを備えた移動式タワーク
    レーンにおいて、前記固定手段は、 (1)上部旋回体に固設され、第1ブームが水平姿勢か
    ら直立姿勢への変換をほぼ完了するとき、第1ブームの
    後端部に当接して第1ブームの直立姿勢を達成させるブ
    ラケットと、 (2)先端上部に凹部を有してこの凹部内に第1ブーム
    の後端部を余裕を持って係合可能とされると共に、先端
    下部が上部旋回体やブラケット等の固定部材に対してピ
    ン連結されることにより第1ブームの水平姿勢から直立
    姿勢への変換時、第1ブームの後端部が凹部内に係合
    し、次いで自重に抗して上方のブラケット側へ回転可能
    とされた回転ブロックと、 (3)上面にくさび面を有し、このくさび面を回転ブロ
    ックの下面と固定部材の上面との間に出入り可能とされ
    たエッジブロックと、 (4)固定部材に設置され、エッジブロックをそのくさ
    び面側方向へ付勢する弾性部材とを有することを特徴と
    移動式タワークレーン。
  2. 【請求項2】 上部旋回体やブラケット等の固定部材上
    における、第1ブームに若干の傾倒姿勢を与えるための
    相当位置に、エッジブロックのくさび面側方向への移動
    を停止させるストッパを有することを特徴とする請求項
    記載の移動式タワークレーン。
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