JP2558161Y2 - 移動式クレーンの昇降用梯子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、移動式クレーンの昇降
用梯子に関するものである。る。

【０００２】

【従来の技術】移動式クレーンは、車両上に旋回自在に
搭載した旋回台とこの旋回台に起伏自在に取り付けたブ
ームを有し、旋回台にクレーン作業用の運転室を取り付
けている。

【０００３】この種の移動式クレーンにおいて、作業員
が旋回台の運転室に乗降する必要があるが、移動式クレ
ーンの大型化に伴いこの乗降に困難性を伴っていた。こ
のため従来は、車両の一側に車幅から突出しないよう鉛
直な梯子を固定配置するか、あるいは車両と地上との間
に架け渡す梯子を別途用意していた。しかしながら、鉛
直な梯子を車両の一側に配置したものは、不自然な姿勢
での乗降となり安全面から問題があり、また、梯子を別
途用意するものにあっては、この梯子の架け外し時に梯
子を運搬する必要があり、その取り扱いが面倒であると
いう問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、移動式クレ
ーンの車両に常時取り付けられ車幅内の格納位置と傾斜
した使用位置の間で簡単に姿勢変更できる昇降梯子を提
供し、以て上記従来技術の問題点を解決することを目的
とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案の移動式クレーンの昇降梯子は次の如く構成
する。車両上に旋回自在に搭載した旋回台とこの旋回台
に起伏自在に取り付けたブームを有し且つ旋回台にクレ
ーン作業用の運転室を取り付けてなる移動式クレーンに
用いられる昇降用梯子であって、梯子の上端部を、車両
の車幅方向一側に連結手段を介して連結すると共に、こ
の連結手段を、当該連結手段を中心とする梯子の幅方向
およびこれに直行する方向への揺動を許容するよう構成
することで、梯子を、幅方向一側を上側にし且つ車両の
一側に沿った車幅内の格納状態と、その下端部を地上に
接地した傾斜使用状態との間で姿勢変更可能とし、更に
梯子と車両の適所間に梯子を前記格納姿勢に固定する固
定手段を取り付けてあることを特徴とする移動式クレー
ンの昇降用梯子。

【０００６】

【作用】以上の如く構成した本考案の移動式クレーンの
昇降用梯子は、固定手段を解除した状態で、格納状態と
傾斜使用状態との間で手動で姿勢変更できるものである
が、この姿勢変更は梯子の上端部を回動自在に連結する
連結手段回りでの回動によって達成できるものであるか
ら簡単で且つ確実に行うことができるのである。

【０００７】

【実施例】以下本考案の移動式クレーンの昇降用ステッ
プの実施例を図１および図２に従って説明する。図１は
本考案の昇降用梯子を取り付けた移動式クレーンを示し
ている。図１において移動式クレーンは、車両１上に旋
回自在に搭載した旋回台２とこの旋回台２に起伏自在に
取り付けたブーム３を有し且つ旋回台２にクレーン作業
用の運転室４を取り付けて構成している。図１および図
２において、Ａは昇降用梯子であって、梯子５、この梯
子５の上端部を前記車両１の車幅方向一側に連結する連
結手段６、およひ、梯子５と車両１の適所間に取り付け
た固定手段７とから構成されている。

【０００８】前記連結手段６は、梯子５の上端部を車両
１におけるフェンダー１ａの外端部（車両１の車幅方向
一側に該当）に連結するものであり、中間部材８、この
中間部材８を車幅方向に沿う水平な軸線９回りで回転自
在なようフエンダー１ａに支持する回転支持機構１０、
および、回転支持機構１０の前記軸心９と直交する軸心
１１回りで梯子５が揺動できるよう中間部材８に梯子５
の上端部を連結する回転支持機構１２とから構成してい
る。回転支持機構１２は、梯子５がその幅方向と直行す
る方向へ軸心１１回りで揺動可能に支持するものであ
る。

【０００９】上記の如く構成した連結手段６は、当該連
結手段６を中心として梯子５が幅方向およびこれに直行
する方向へ揺動するのを許容するものである。このよう
な連結手段６によってその上端部を支持された梯子５
は、その幅方向一側を上側にし且つ車両１の一側に沿っ
た車幅内の格納状態（図１および図２に実線で示す状
態）と、その下端部を地上に接地した傾斜使用状態（図
１および図２に仮想線で示す状態）との間で姿勢変更で
きるのである。前記固定手段７は、格納状態の梯子５の
基端部に対応するフエンダー１ａ外端部に配置され、梯
子５を格納状態に係止するものである。

【００１０】連結手段６の取り付け位置は、ブーム３を
車両１の前方へ向けて倒伏した移動式クレーンの走行状
態において、旋回台２の乗降口の近傍のフエンダー１ａ
の外端部（車両１の車幅方向一側）に取り付けられてい
る。

【００１１】尚、上記の実施例では、連結手段６の回転
中心部（軸線９と軸心１１の交差部）が梯子５の先端部
の一側（梯子５の幅方向一側）に位置するようにし、且
つ格納状態の梯子５が当該一側を上にして格納されるの
で、格納状態の梯子５がフエンダー１ａ上からの突出量
を無くするか小さくできるという効果がある。しかしな
がら、連結手段６の回転中心部を梯子５の上端部の何処
にもってくるかは、必要により適宜変更してもよいこと
勿論である。また、連結手段６は、当該連結手段６を中
心として梯子５が幅方向およびこれに直行する方向へ揺
動できるものであればよく、上記の連結手段６に変えて
例えば球支点で構成してもよいこと勿論である。

【００１２】以上の如く構成した移動式クレーンの昇降
用梯子は、梯子５の基端部を持って操作することで、梯
子５を格納状態と傾斜使用状態との間で簡単に姿勢変更
できるものである。

【００１３】

【考案の効果】以上の如く構成した本考案の移動式クレ
ーンの昇降用梯子は、固定手段７を解除した状態で、格
納状態と傾斜使用状態との間で手動で姿勢変更できるも
のでり、しかも姿勢変更は梯子の上端部を回動自在に連
結する連結手段回りでの回動によって達成できるもので
あるから、その取り扱いを極めて簡単に行うことができ
るものであり、その実用上の効果は大きなものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の昇降用梯子を採用した移動式クレーン
の側面図である。

【図２】図１の一部切欠き斜視図である。

【符号の説明】

１ 車両 ２ 旋回台 ３ ブーム ４ 運転室 ５ 梯子 ６ 連結手段 ７ 固定手段

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両上に旋回自在に搭載した旋回台とこ
   の旋回台に起伏自在に取り付けたブームを有し且つ旋回
   台にクレーン作業用の運転室を取り付けてなる移動式ク
   レーンに用いられる昇降用梯子であって、 梯子の上端部を、車両の車幅方向一側に連結手段を介し
   て連結すると共に、この連結手段を、当該連結手段を中
   心とする梯子の幅方向およびこれに直行する方向への揺
   動を許容するよう構成することで、梯子を、幅方向一側
   を上側にし且つ車両の一側に沿った車幅内の格納状態
   と、その下端部を地上に接地した傾斜使用状態との間で
   姿勢変更可能とし、更に梯子と車両の適所間に梯子を前
   記格納姿勢に固定する固定手段を取り付けてあることを
   特徴とする移動式クレーンの昇降用梯子。