JPS6333234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、大型表示装置の組立・収納構造に
関するものである。

従来、文字画像等を表示する表示ボードを上下
２段積みし、組立構成する大型表示装置はある
が、表示ボードを組立・収納させるためにリフト
車等を必要とし、高所や難路にリフト車等を運搬
しなければならないため、組立、収納に手間と費
用とを要し、組立場所を広く確保しなければなら
なかつた。

この考案では、大型表示装置の下部表示ボード
上に上部表示ボードを積上げ、積降しすべく表示
装置の両側にリフト装置を取り付け、このリフト
装置に、油圧シリンダとガイドリンク体とを基台
との間に介在せしめ、基台に設けたストツパー体
によりガイドリンク体を受止めるようにして、リ
フト装置の積上げ降し作業時の後傾を規制し、か
つリフト装置の左右横振りもガイドリンク体にて
規制できるようにし、安全確実な上部表示ボード
の積上げ、積降し作業が行える大型表示装置の組
立・収納構造を提供せんとするものである。

この考案の実施例を図面に基づき詳説すれば、
大型表示装置Ａは、上部表示ボード１と下部表示
ボード２、それに上部表示ボード１を昇降させる
リフト装置３より成り、このリフト装置３によつ
て上部表示ボード１を昇降させ運搬、移動時には
基台４上に積降し、使用時には上方向に昇げて下
部表示ボード２上に積重ねるように構成してい
る。

リフト装置３は、基端は大型表示装置Ａの基台
４にブラケツト５を介して回動自在に枢着し、大
型表示装置Ａの長手両側に装備している。

まず、リフト装置３と上部表示ボード１の取付
構造について説明する。

リフト装置３の主ブーム６は、２段の伸縮する
ように段継状に構成され、油圧にて昇降される。
最上段のブーム６ａの上端には、枢軸７を、軸受
体８を介して挿貫し、同枢軸７の両端部は、上部
表示ボード１の上部側面に固設したブラケツト９
に架設しており、ブーム６ａの上端を、ブラケツ
ト９を介して、上部表示ボード１上部に枢支した
状態としている。

一方、主ブーム６を構成する最下段のブーム６
ｃには、下部にブラケツト１０を設け、このブラ
ケツト１０を基台４に設けた取付部材１１及びブ
ラケツト５に枢着１２し、基台４前端部との間に
油圧シリンダ１３を介設し、一端をブラケツト１
４に枢着１５させ、他端を基台前端に枢着１６さ
せて、この油圧シリンダ１３を伸縮させて枢着部
１２を基に主ブーム６を回動させ、最上段ブーム
６ａに取り付けた上部表示ボード１を前後倒伏さ
せるように構成している。

また、主ブーム６と基台４との間に介設した油
圧シリンダ１３と反対側においては、主ブーム６
と基台４との間にガイドリンク体１７を介設して
いる。

ガイドリンク体１７は、上部リンク杆１８と下
部リンク杆１９とを、略く字状に枢支し、上部リ
ンク杆１８の上端は、主ブーム６の後側面に、ブ
ラケツト２０を介して枢支２１し、下部リンク杆
１９の下端は、基台４に枢支２２されており、リ
フト装置３が油圧シリンダ１３の作動によつて前
後傾斜するに応じて、上下部リンク杆１８，１９
が、く字状の角度を変化されながら、リンク作動
するものである。

このように、ガイドリンク体１７を長手両側に
おいて、基台４と、リフト装置３の主ブーム６の
間に介在させたために、このガイドリンク体１７
によつて、リフト装置３の左右横振れの防止機能
を果すことができ、更には、基台４の後端に、略
三角形のストツパー体２３が載置固設したので、
このストツパー体２３によつて、リンク作動によ
り、傾動する下部リンク杆１９を受止めで、く字
状の角度が一定角度以上に縮少することを防止
し、リフト装置３の後傾の規制をしている。

また、リフト装置３及び油圧シリンダ１３の操
作は遠隔操作にて行えるようにしており、第８図
に示すリモートコントローラーＢにて操作するも
のであり、リフト装置３及び油圧シリンダ１３の
一方のみ又は同時に作動操作できるように構成さ
れており、同リモートコントローラーＢには、リ
フト装置用レバーＢ−１と油圧シリンダ用レバー
Ｂ−２と電源スイツチＢ−３とより構成されて、
レバーの傾倒動作により、リフト装置及び油圧シ
リンダの作動を行う。なお、リモートコントロー
ラーＢは、肩かけ式で使用できるようにし、操作
ケーブルの長さは、作業者が大型表示装置Ａの左
右から裏側にまわつて上下部表示ボード１，２の
組立状態をチエツクすべく一定範囲内の迂回が可
能な長さに構成している。

下部表示ボード２は、基台４上に固定されてお
り、上部隅角部に位置決めの受け金２４，２４を
固着している。

又、上部表示ボード１の下部隅角部には、下方
向に位置決めピン２５，２５を突設している。
尚、図中６ｂは中間ブームであり主ブーム６の中
間連結の役目を成すものである。

この考案の実施例は、上記のように構成されて
いるものであり、第４図から第７図に示すように
して基台１８上に収納した上部表示ボード１と下
部表示ボード２とを積み重ねる。

まず、第４図は基台４上に収納した表示ボード
の取付状態を示しており、油圧を主ブーム６の昇
降シリンダ（図示せず）に掛け、上方向（矢印に
て表示）に押し上げると、主ブーム６の上段ブー
ム６ａに取り付けた上部表示ボード１は、下部表
示ボード２より上方向に引き上げられる（仮想線
にて示す位置）。

その後、第５図に示すように下段ブーム６ｃに
取り付けた油圧シリンダ１３を突き出し、主ブー
ム６を時計方向に回動させる（矢印にて表示）。
すると、主ブーム６は、枢着部１２を基に仮想線
位置まで倒されていき、この際主ブーム６の傾動
により、ガイドリンク体１７の上下部リンク杆１
８，１９はく字状の角度を縮めながら、かつ下部
リンク杆１９は、ストツパー体２３方向に傾斜し
ていき、一定傾斜状態においてストツパー体２３
におり受止められて、ガイドリンク体１７はそれ
以上傾動せず、主ブーム６はガイドリンク体１７
を介して傾動が阻止され、この傾動停止位置にお
いては、上段ブーム６ａに取り付けた上部表示ボ
ード１は仮想線位置（下部表示ボード２の真上）
まで移動されるこになる。

この位置にて第６図に示すように、リフト装置
３の上端で枢支された上部表示ボード１を自重に
よつて同枢支部を中心に垂直位置に振つて、第６
図の仮想線位置まで回動させる。

その後、第７図に示すようにして、主ブーム６
の上段ブーム６ａを降し、上部表示ボード１の下
端隅角部の位置決めピン２５を下部表示ボード２
の受け金２４，２４の嵌合孔（図示せず）内に押
し込ませ、下部表示ボード２上に上部表示ボード
１を積み重ねるものである。

かかる積重ねた、上部表示ボード１の積降し作
業は、上述した積重ね作動工程を逆に遡及して行
うものであり、上部表示ボード１の積上げ、降し
作業時においてガイドリンク体１７は、リフト装
置３の傾動規制以外にリフト装置３が左右横振れ
することを防止し、垂直状態にリフト装置３をガ
イドする機能も果しており、常にリフト装置３
を、下部表示ボード２の両側壁面に沿つて垂直に
維持しておく。

この考案によれば、基台上にリフト装置と上下
２台の表示ボードとを装備し、この表示ボードの
両側に装備せるリフト装置によつて、上部表示ボ
ードを基台上より下部表示ボード上に積み上げ、
又逆に積み降しして基台上に収納、組立できるよ
うにしているため、リフト車を必要とせず、しか
も特別に昇降させる場所も要せず、表示ボードを
簡単に組立、収納できるものであり、作業性も良
くて、高所作業も無く安全上も優れた構造の大型
表示装置として種々の分野にて利用されるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案構造の全体平面図、第２図は、
同正面図、第３図は、同側面図、第４図〜第７図
は、本考案の大型表示装置の組立方法を説明した
工程図、第８図は、リモートコントローラーの説
明図。 Ａ……大型表示装置、１……上部表示ボード、
２……下部表示ボード、３……リフト装置、４…
…基台、６……主ブーム、１３……油圧シリン
ダ、１７……ガイドリンク体、２３……ストツパ
ー体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部表示ボード及び下部表示ボードとよりなる
   表示装置と、上部ボードを連結せるリフト装置と
   より成り、上記表示装置及びリフト装置を基台上
   に設置すると共に、リフト装置の基端は基台に枢
   支し、リフト装置前側の中途部と基台との間には
   油圧シリンダを介在せしめ、リフト装置の後側中
   途部と基台との間には、リフト装置の左右の振れ
   を防止するためガイドリンク体を介在せしめ、基
   台にリフト装置の後傾規制を行うべくガイドリン
   ク体の下部リンク杆を受止めるストツパー体を連
   設してなる大型表示装置の組立・収納構造。