JP2911384B2 - 抄紙用ドライヤーカンバスの継手部とその形成方法、及び抄紙用ドライヤーカンバス - Google Patents
抄紙用ドライヤーカンバスの継手部とその形成方法、及び抄紙用ドライヤーカンバスInfo
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Description
工を施した抄紙用ドライヤーカンバスの継手部とその形
成方法、及びその継手部を使用した織布を基布とした抄
紙用ドライヤー(ニードル)カンバスに関するものであ
る。
成するには、まず織り上ったカンバスの両端部の緯糸を
所定の長さに亘って除去してすだれ状の経糸を作る。次
に、このすだれ状の経糸を折り返して接合用ループを形
成する。最後に除去した緯糸部に緯糸を綴り込む。
2298号に記載のように、一般に除去した緯糸自体を
使用する。この緯糸はヒートセットによってクリンプが
既に付いているため、経糸を綴り込む際に継手端部以外
の部分(カンバス本体)と同様な織構造ができることに
なり、継手端部の厚みがカンバス本体とほぼ同等になる
利点がある。
は、ソフトで平滑な表面性が高レベルで要求される。こ
のような用途には、経糸にモノフィラメント糸を使用
し、緯糸の少なくとも一層にスパン糸を撚った柔軟な糸
を使用したドライヤーカンバスが使用される。この場
合、スパン糸使用に伴う剛性不足や寸法安定性低下を補
うため、カンバスの織物全体に樹脂加工を施すことが一
般に行われている。
ィラメント糸を用いた抄紙用ドライヤーカンバスでも行
なわれている。断面扁平な経糸のモノフィラメント糸
は、特公昭58−28398号公報に開示されているよ
うに、抄紙用ドライヤーカンバスの表面平滑性向上のた
め最近使用されるようになってきているが、更にソフト
な表面性が要求される用途では、前述と同様に、緯糸の
少なくとも一層にスパン糸を撚った糸を使用し、かつ、
スパン糸使用に伴う剛性不足や寸法安定性低下を補うた
め、カンバスの織物全体に樹脂加工を施すことが一般に
行われている。
いた抄紙用ドライヤーカンバスの継手部は、前述と同様
の方法により形成されるが、断面扁平なモノフィラメン
ト糸を用いている関係で、接紙面側(PS)と機械面側
(BS)とが非対称の織組織においては、接合用ループ
を形成するために経糸を180゜捩る必要がある。これ
は経糸の綴り込みを容易にするためである。経糸を18
0゜捩ると、扁平糸の捩れ部分の断面縦長に立った部分
が接紙面側(PS)の先端緯糸を接紙面側(PS)に押
す形になる。このため、接合用ループが膨らみ接紙面側
(PS)に突出することになり、継手部分の表面平滑性
が得られなくなる。これにより上質紙や薄葉紙などの微
妙な紙肌を要求される紙に対しては、紙マークを発生す
る場合があった。
ルラン方式(米国ベロイト社の商標)等、抄紙機の高速
化がますます発展しつつあり、このように抄紙機が高速
化されてくると、カンバスには従来にも増して表面の平
滑性が厳しく要求される。接合用ループの捩れを接紙面
側に設けた場合、捩れの影響が不可避的に接紙面側に出
て表面平滑性が損なわれ、抄紙機の高速化に十分に対応
できない。又継手部が摩損し、寿命が短くなる。
を、接紙面側(PS)でなく反対の機械面側(BS)に
設ければ(発明協会1992年7月1日発行の公開技
報、公技番号92−15467参照)、捩れ部5の影響
が接紙面側(PS)に出ない。
面性が要求される用途では、カンバス本体と同等のソフ
トで平滑な表面性が継手部でも必要とされる。しかし、
本体と同様のスパン糸を撚った糸を緯糸に使用すると、
クリンプがぼけてしまう。またスパン糸は剛性に欠ける
ため、糸の撚りが戻りやすく、綴り込みの途中で糸がば
らけたり経糸に引っ掛かったりして綴り込みが難しい。
このため前記実開昭62−162298号記載の方法は
そのままでは使用できない。
いた抄紙用ドライヤーカンバスの継手部においても事情
は同じである。図9のように接合用ループの捩れを機械
面側に設けても、緯糸にスパン糸を撚った糸を使用する
限り、緯糸の綴り込みの困難性の問題は依然として残
る。
も、緯糸と経糸の交絡点では樹脂の被覆が不完全になる
ことが避けがたく、スパン糸の緯糸の耐久性に課題を生
じていた。
スの継手部のスパン糸の緯糸の綴り込みを容易にすると
共に、継手部の緯糸の耐久性を向上させることにある。
糸として使用されるスパン糸の撚った糸に、綴り込みに
先立って予め樹脂加工を施すことによって、前記問題点
を解決できることを見い出した。
緯糸の少なくとも一層にスパン糸の撚り糸を使用し、二
重織あるいは多重織に製織したドライヤーカンバスの継
手部において、
を使用し、この経糸により接合用ループを形成し、か
つ、接合用ループの捩れを反接紙面側に設け、継手端部
の接紙面側に使用する緯糸を、樹脂加工を施したスパン
糸の撚り糸としたことを特徴とする。
端緯糸に使用するスパン糸の撚り糸の太さを、その他の
継手端部の接紙面側の緯糸に使用するスパン糸の撚り糸
の太さより、細くすることができる。
部を使用した織布を基布として、その基布の片面又は両
面にウェブを積層してニードリングしたニードルカンバ
スとすることもできる。
を、緯糸の少なくとも一層にスパン糸の撚り糸をそれぞ
れ使用し、二重織又は多重織に製織した抄紙用ドライヤ
ーカンバスの継手部を形成する方法において、前記ドラ
イヤーカンバスの両端部の緯糸を所定の長さに亘って除
去してすだれ状の経糸を作る工程、前記すだれ状の経糸
を折り返して接合用ループを形成する工程、および前記
折り返された経糸に、樹脂加工を施したスパン糸の撚り
糸を綴り込む工程により形成することができる。
に樹脂加工してあるため、継手部形成のための緯糸の綴
り込み時に、緯糸スパン糸の撚りの戻りがなくなり、綴
り込み時の抵抗も減少し、問題なく綴り込みができる。
全表面が余す所なく樹脂加工され、緯糸表面にいわゆる
被覆残しが存在せず、緯糸スパン糸の強度向上、継手部
の表面性向上及び耐久性向上が図られる。
るドライヤーカンバス10の継手部を示している。カン
バス10の組織、使用する経糸及び緯糸、織密度の仕様
は図2に示す通りで、製織後に樹脂加工を施す。本実施
例では、接紙面側(PS)の緯糸にアクリルスパン糸の
6番手を8本撚った糸を使用している。
を除去し、カンバスを構成する経糸11,12のうち、
ループ形成経糸11をカンバス端部から延長し、ループ
13を形成した後本体10a内に綴り込む。
5,16,17を綴り込む。一方、先端緯糸押え経糸1
2は、先端緯糸14,15を巻き込みつつ折り返して本
体10a内に綴り込む。
は、直径0.46mmの断面円形のポリエステルモノフ
ィラメント糸を使用する。接紙面側(PS)緯糸18に
は、アクリルスパン糸の6番手を8本撚った撚り糸を使
用する。機械面側(BS)及び中層の緯糸19には、直
径0.50mmの断面円形のポリエステルモノフィラメ
ント糸を芯にして、その外側にポリエステルマルチフィ
ラメント糸(1500デニール)を2本撚って被覆した
ものを使用する。
には、アクリルスパン糸の6番手を6本撚った撚り糸
を、エポキシ樹脂で樹脂加工した糸を使用する。継手端
部接紙面側(PS)の前記以外の緯糸16には、アクリ
ルスパン糸の6番手を7本撚った撚り糸を使用する。こ
の緯糸16は、撚り糸にした後に樹脂加工して使用して
もよい。先端緯糸15の方が緯糸16に比べて撚り糸の
本数が一本少ない分だけ細くなっている。これは、先端
緯糸15が接紙面側に経糸12を突き出すのを防ぐため
である。
17には、直径0.60mmの断面円形のポリエステル
糸に、低融点のマルチフィラメント糸であるエルダー
(ナイロン系熱接着性繊維についての東レ株式会社の商
標)を引揃え状に複合した糸を芯糸にして、その外側に
ポリエステルマルチフィラメント糸(1500デニー
ル)1本を被覆した糸を使用し、それに熱処理加工を施
し、低融点のエルダーを溶融して芯糸とポリエステルマ
ルチフィラメント糸を接着一体化した糸を使用する。機
械面側(BS)先端緯糸14にも緯糸17と同種類の糸
を使用する。
るドライヤーカンバス20の継手部を示している。カン
バス20の組織、使用する経糸及び緯糸、織密度の仕様
は図4に示す通りで、製織後に樹脂加工を施す。本実施
例では、接紙面側(PS)の緯糸にアクリルスパン糸の
6番手を4本撚った糸を使用している。
2のうち、ループ形成経糸21をカンバス端部から延長
してループ30を形成し、機械面側(BS)の反転部5
0で180度捩ってからカンバス本体20a内に綴り込
む。
42,44,45を綴り込む。先端緯糸41,43を押
えるため、先端緯糸押え経糸22を、先端緯糸41,4
3を巻き込みつつ折り返し、機械面側(BS)の反転部
51で180度捩ってからカンバス本体20a内に綴り
込む。
リエステルモノフィラメント糸の短辺が0.28mm、
長辺が0.56mmの扁平糸を使用する。接紙面側(P
S)緯糸23には、アクリルスパン糸の6番手を4本撚
った撚り糸を使用する。機械面側(BS)緯糸24に
は、ポリエステルモノフィラメント糸の直径が0.6m
mの糸を使用する。
は、アクリルスパン糸の6番手を3本撚った撚り糸をエ
ポキシ樹脂で樹脂加工した糸を使用する。
には、ポリエステルスパン糸の10番手を3本撚った撚
り糸を使用する。これは、緯糸42より先端緯糸41を
細くすることにより、先端緯糸41が経糸22を接紙面
側(PS)に突き出すことを防ぐためである。
は、接紙面側(PS)継手端部の緯糸42と同じ仕様、
すなわち先端緯糸43を緯糸44に比べて相対的に細く
し、ループ30が機械面側(BS)に突き出すことがな
いようにした。
例3〜5を説明する。これら実施例は、夫々、継手端部
の緯糸の組合せを変えたものであって、カンバスの用途
によって適宜選択することができることを示している。
先端緯糸41とそれ以外の緯糸42は太さを異にしてい
たが、図5に示す実施例3は緯糸41と42の太さを同
じにしている。
S)の先端緯糸41にポリエステルスパン糸10番手を
5本撚った糸を使用する。継手端部の接紙面側(PS)
のその他の緯糸42は、アクリルスパン糸6番手を3本
撚った糸を樹脂加工した糸を使用する。機械面側(B
S)の先端緯糸43にはアクリルスパン糸6番手を3本
撚った糸を樹脂加工した糸を使用し、先端緯糸43のひ
とつ隣の緯糸44は、ポリエステルマルチフィラメント
糸(250デニール)とナイロンマルチフィラメント糸
(210デニール)を3本撚った糸を合糸し、その合糸
した糸を4本撚った糸を使用した。
て、先端緯糸41にポリエステルスパン糸の10番手を
5本撚った糸を使用している点だけが異なり、その他は
実施例3と同じである。
エポキシ樹脂であるが、これに限らず熱可塑性樹脂等で
同様の効果を奏するものであれば使用可能である。
す。この実施例は、実施例1で示した継手部を備えたド
ライヤーカンバスの織布10を基布60として、その片
面にウェブ61を積層してニードリングし、ニードルカ
ンバス70としたものである。
に応じて選択することができる。また基布60の両面に
ウェブ61を積層してニードリングし、両面型ニードル
カンバスとしてもよい。
面が平滑な織布10を基布としているうえに、ウェブ6
1を積層した結果、さらにソフトで表面性の優れたニー
ドルカンバスとなる。
スパン糸の撚った糸に樹脂加工を施すことによって、緯
糸の綴り込み時のスパン糸の撚りの戻りがなくなり、綴
り込み時の抵抗も減少し、問題なく綴り込みができる。
れ、かつ、継手部の表面性が向上するから、ソフトで表
面が平滑なドライヤーカンバスが得られる。
して、その基布の片面又は両面にウェブを積層すること
により、ソフトで表面性の優れたニードルカンバスが得
られる。
継手部略図。
図。
図。
図。
図。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 経糸に断面扁平なモノフィラメント糸
を、緯糸の少なくとも一層にスパン糸の撚り糸を使用
し、二重織あるいは多重織の綾織組織に製織した抄紙用
ドライヤーカンバスであって、経糸により接合用ループ
が形成され、前記接合用ループの捩れを反接紙面側に設
けた抄紙用ドライヤーカンバスの継手部において、継手
端部の接紙面側に使用する緯糸を、樹脂加工を施したス
パン糸の撚り糸としたことを特徴とする抄紙用ドライヤ
ーカンバスの継手部。 - 【請求項2】 請求項1に記載の抄紙用ドライヤーカン
バスの継手部において、前記継手端部の接紙面側の先端
緯糸に使用するスパン糸の撚り糸の太さを、その他の継
手端部の接紙面側の緯糸に使用するスパン糸の撚り糸の
太さより、細くしたことを特徴とする抄紙用ドライヤー
カンバスの継手部。 - 【請求項3】 請求項1又は2のいずれか記載の抄紙用
ドライヤーカンバスの継手部を使用した織布を基布とし
て、その基布の片面又は両面にウェブを積層してニード
リングしたことを特徴とする抄紙用ドライヤーカンバ
ス。 - 【請求項4】 経糸にモノフィラメント糸を、緯糸の少
なくとも一層にスパン糸の撚り糸をそれぞれ使用し、二
重織又は多重織に製織した抄紙用ドライヤーカンバスの
継手部を形成する方法において、 前記ドライヤーカンバスの両端部の緯糸を所定の長さに
亘って除去してすだれ状の経糸を作る工程、 前記すだれ状の経糸を折り返して接合用ループを形成す
る工程、 前記折り返された経糸に、緯糸として樹脂加工を施した
スパン糸の撚り糸を綴り込む工程を有する抄紙用ドライ
ヤーカンバスの継手部の形成方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7109725A JP2911384B2 (ja) | 1995-05-08 | 1995-05-08 | 抄紙用ドライヤーカンバスの継手部とその形成方法、及び抄紙用ドライヤーカンバス |
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JPH08302586A JPH08302586A (ja) | 1996-11-19 |
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1995
- 1995-05-08 JP JP7109725A patent/JP2911384B2/ja not_active Expired - Fee Related
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