JP4749632B2 - 抄紙用ニードルカンバス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織布に継手を設け、その織布を基布としてその上にウェブを積層し、ニードリングしてなる抄紙用ニードルカンバスの継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
基布にウェブ繊維を積層しニードルパンチングによって交絡一体化した抄紙用ニードルカンバスは、その湿紙に対する密着性、クッション性により上質紙、塗工用原紙等の高品質水準を要求される分野を含む製紙機械の乾燥部のドライヤーカンバスとして広く使用されている。抄紙用ドライヤーカンバスは、一般に有端状ベルトとして製作され、製紙機械に掛け入れられた後、長さ方向の両端部の継手が接合され無端状にされて使用される。従って、その継手は接合作業が容易で、かつ、紙シートにマークなどの悪影響を及ぼさないように、カンバス本体と柔軟性、厚さ、通気度、表面平滑性などの諸特性が同一であることが要求される。
【0003】
すなわち、継手部をカンバス本体と同一特性にするためには、基布の継手部が基布本体と織組織、構成糸、密度の形態が同等ないし、合成繊維ウェブを積層、ニードリングした時、ニードルカンバス本体と等価な特性となるような織組織、構成糸、密度の形態とすることが必要となる。このような基布継手としては、ウェブを積層しない織布カンバスの継手の技術を活用できる。基布の延長経糸で接合用ループを形成し、再び基布本体に綴り込む所謂ワープループシームがその代表であり、その先行技術としては、例えば実公昭51−46483号公報がある。
【0004】
その継手部の形成には、工業的には、例えば実開昭63−19600号公報に記載されているように、基布本体の端部の緯糸を取り除いて経糸を房状にほぐした後、緯糸が準備された継手加工機に上記カンバス両端部を仕掛け、房状にほぐされた延長経糸から接合用ループと先端緯糸の押さえ糸を形成し、折り返して継手端部を織成して作成される。
【0005】
また、ワープループシームを有する織布を基布とする有端状ニードルカンバスにおいては、例えば実公昭57−55358号公報に記載されているように、基布の継手部を接合して、または、基布の継手部の間に間在布を介在させ、その両面または片面に繊維ウェブを積層し、ニードルパンチングで交絡一体化した後、継手部のウェブを切り開き、接合用ループが作成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ワープループシームは、基布の継手部の表面性や通気性が基布本体と同等となり、ウェブ繊維を積層ニードリングした後のニードルカンバスでも、継手部とカンバス本体とはほぼ同一となるために多用されているが、継手部の形成は、上記の通り基布本体の端部より緯糸を取り除いて房状にほぐされて得られる延長経糸により接合用ループを形成し、該延長経糸を折り返して、取り除いた緯糸および/または新たに準備した緯糸と継手加工機を用いて織成して行われるのが一般的で、この場合、継手加工機における製織テンションや打ち込み力は、カンバス織機に比べると弱いため、形成された継手部における延長経糸が緯糸と交錯するナックル部での延長経糸と緯糸の結合度合いを、基布本体のそれと同一にするには高度の技術が必要である。
【0007】
また、延長して接合用ループを形成したり、先端部で緯糸を捲回して基布側へ折り返し、再び基布本体の織組織で織り込まれたりする継手側の延長経糸は、対向する基布側の延長経糸と共に対向箇所の基布表面で切り離されており、その切り離された糸端近くの経糸はさらに弛みやすい。
【0008】
特に、接合用ループを形成する基布側の延長経糸、すなわちループ形成延長経糸には、使用時に大きな負荷が集中して掛かるので、使用状況によってはループが変形したり、延びたりする危険性がある。さらには、接合用ループの変形や延びが原因となって、継手部の表面性の悪化により、紙シート製品品質に悪影響を及ぼすこともある。
【0009】
接合用ループの変形を緩和するために、例えば実開平1−168598号公報では、図4に示すように、経糸11(18,19)および緯糸12、すなわち表層の緯糸13および裏層の緯糸14を織織成した基布10において、継手端部でループ形成延長経糸18がループ20を形成する前の経糸181と交差する最初の組織点の前後における中間層に別の緯糸21を追加し、かつ末端の表層および裏層の緯糸131,141を除去することが提案されている。
【0010】
しかし、この提案では、追加された継手端末以降の基布本体側の中間層には緯糸21は追加されておらず、ループ形成延長経糸18に掛かる張力は追加された緯糸21と交錯する箇所以降の基布側にも伝わるから、ループ形成延長経糸18がそれと交錯する表層および裏層の緯糸13,14を中間層の方向に押しつけることにより、ループ形成延長経糸18の延びや変形が起こる危険性を皆無とするまでには至っていない。
【0011】
抄紙用ニードルカンバスの継手は、工業的には上記実公昭57−55358号公報に記載されているように、基布の継手部に芯線を挿入して接合して無端状とし、その両面または片面に繊維ウェブを積層し、ニードルパンチングで交絡一体化した後、芯線を引き抜き、接合部を分離して、接合用ループが作成されるのであり、繊維ウェブの積層量やニードルパンチング条件は、基布本体部と基布継手部とでは同じ条件で加工されるが、繊維ウェブと基布との交絡の状態が基布織物の状況に影響されて、例えば基布の経糸と緯糸の交錯による結合度合いが部分的に弱いと、基布と不織布層との交絡接着性が部分的に弱くなる可能性がある。また、基布の経糸と緯糸の交錯による結合度合いが弱いと、延長経糸が切り離された糸端付近で弛んだり、継手部織組織の剛性が低くなったりして、変形や波打を生じやすくなる。
【0012】
継手部の基布と不織布層との絡合接着性を補強するために、例えば実開昭62−114098号公報記載のように、経糸がモノフィラメント糸の場合は、基布の両端部で接紙面側にスパン糸のような別の短尺な糸を綴り込み、その端部をフェルト層形成面側に突出させ、基布と不織布層の結合力を強化するニードルカンバスの提案がある。しかし、別糸を綴り込むのに多大の手間を要したり、基布継手部の製織に支障を来たしたりして、実工程には使用できない。
【0013】
継手部の延長経糸と緯糸の交錯による結合度合いを強化するために、実開平2−22399号公報に記載されているように、継手部を組織する緯糸に表面弾性に富んだ糸、例えば芯鞘型のマルチプラスト糸を用いると、基布本体の緯糸と糸の表面性や剛性が違い、継手部の織成時に鞘部の樹脂が剥がれたり、基布本体と同じような密度で経糸および緯糸が組織できなくなったり、基布での表面性のみならず、ウェブを積層、ニードリングする時のニードル(針)がウェブをバーブ(突起)に引っ掛けて基布に挿入する時の抵抗が大きく、基布の経糸や緯糸,特に緯糸を撓み変形させ、ニードリングを施した継手部がカンバス本体と異なった性状となり、表面性に劣ったり、波打が発生したりすることがある。
【0014】
そこで、本発明の目的とするところは、継手部における基布と不織布層との絡合接着性を均一化すると共に、接合用ループの変形、延びの発生を防止して、継手部の表面性をニードルカンバス本体と等価な高度の表面性に維持し、かつ、継手部の剛性を高めた抄紙用ニードルカンバスの継手を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、以下のような構成としたことを特徴とする。すなわち、本発明は、経糸および少なくとも接紙面側または反接紙面側に位置する一層側の緯糸に合成繊維のモノフィラメント糸を用いた緯糸2層の織組織の基布と、短繊維の合成繊維ウェブをニードルパンチングにより絡合した不織布層とで構成した抄紙用ニードルカンバスにおいて、その基布の端部の緯糸を取り除いて得られる延長経糸をループ形成延長経糸および先端緯糸押さえ延長経糸として、ループ形成延長経糸により接合用ループを形成し、基布の端部の緯糸を取り除いて得られる前記延長経糸を折り返して、基布の端部に配した緯糸と織成して形成する基布継手部の織組織を、前記緯糸2層の層間に、前記一層側の緯糸の1/2の密度もしくは同密度で合成繊維のスパン撚糸を用いた緯糸を配した一層の緯糸層からなる中間層を追加した織組織としたことを特徴とする。(請求項1)
【0016】
また、本発明は、経糸および少なくとも接紙面側または反接紙面側に位置する一層側の緯糸に合成繊維のモノフィラメント糸を用い、緯糸2層の層間に前記一層側の緯糸の1/2の密度で緯糸を配した一層の緯糸層からなる中間層を有する織組織の基布と、短繊維の合成繊維ウェブをニードルパンチングにより絡合した不織布層とで構成した抄紙用ニードルカンバスにおいて、その基布の端部の緯糸を取り除いて得られる延長経糸をループ形成延長経糸および先端緯糸押さえ延長経糸として、ループ形成延長経糸により接合用ループを形成し、基布の端部の緯糸を取り除いて得られる前記延長経糸を折り返して、基布の端部に配した緯糸と織成して形成する基布継手部の織組織を、前記中間層の緯糸のない箇所に合成繊維のスパン撚糸を用いた緯糸を追加して、前記中間層の緯糸と前記一層側の緯糸の密度を同密度とした織組織としたことを特徴とする。(請求項2)
【0017】
さらには、前記基布継手部において、継手側の延長経糸および基布側の延長経糸と織成される接紙面側および/または反接紙面側の層の緯糸に、基布本体と形態および/または材質および/または繊度の異なる糸を用いたことを特徴とする。(請求項3)
【0018】
加えて、前記基布継手部で折り返した継手側の延長経糸およびその経糸と対向する基布側の延長経糸が対向した箇所から、それぞれの延長経糸がさらに反接紙面側の緯糸1本分以上余分に緯糸と組織したことを特徴とする。(請求項4)
【0019】
【発明の実施形態】
本発明は、経糸および少なくとも接紙面側または反接紙面側に位置する一層側の緯糸に合成繊維のモノフィラメント糸を用いた緯糸2層もしくは2.5層の織組織の基布と、短繊維の合成繊維ウェブをニードルパンチングにより絡合した不織布層とで構成したニードルカンバスにおいて、その基布の端部の緯糸を取り除いて得られる延長経糸をループ形成延長経糸および先端緯糸押さえ延長経糸として、ループ形成延長経糸により接合用ループを形成し、該延長経糸を折り返して、基布の端部に配した緯糸と織成して形成する基布継手部の織組織を、合成繊維のスパン撚糸を用いた緯糸からなる中間層の緯糸の層を有する緯糸2.5層もしくは3層の織組織とするように構成する。
【0020】
ここで、基布の織組織は、抄紙用ドライヤーカンバスの織布カンバスやニードルカンバスの基布によく用いられる、図2(A)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の基布10を例に説明する。この基布10は、前述のように、径糸11(18,19)と表層の緯糸13および裏層の緯糸14とを織成したものである。
【0021】
基布10本体の端部の緯糸13,14を取り除き、経糸11を房状にほぐし、緯糸が準備された継手加工機に、上記カンバス両端部を仕掛け、房状にほぐされた延長経糸をループ形成経糸と先端緯糸押さえ延長糸とし、ループ形成延長経糸により接合用ループを形成して、該延長経糸18を折り返し、この延長経糸18を中間層の追加の緯糸21として、図2(B)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯3重織の継手部20、もしくは図2(C)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の継手部30に織成する。
【0022】
接紙面側および反接紙面側の緯糸の層は、基布継手部の織組織を緯糸2.5層もしくは緯糸3層として継手加工機にて織成後、繊維ウェブを積層し、ニードルパンチング絡合した後の継手部の特性が、カンバス本体部と差異がないように構成する。基布10本体には無かった中間層として追加する緯糸21にはスパン撚糸を用いる。カンバス織機で織成された基布10本体にはなかったスパン撚糸から成る中間層の緯糸21が追加された織組織で継手部20,30が形成されるので、経糸11と緯糸13,14の交錯による結合度合いが確保された基布継手部が形成される。
【0023】
基布継手部20,30における経糸11と緯糸13,14の交錯による結合度合いが、基布本体10と同等となるので、また、基布継手部は延長経糸18を折り返して中間層に緯糸21を追加して織成されるので、この基布継手部を含む基布10に繊維ウェブを積層し、ニードルパンチングで絡合する場合、基布10と不織布層との絡合接着性が継手部20,30を含む基布全体10が弛むことはほとんど無く、不織布層が剥がれたり、ウェブ繊維が剥落したりすることがない。さらに、使用時に接合用ループを形成するループ形成延長経糸に集中的に加わる張力によって、接合用ループが延びたり変形したりすることは無い。加えて、中間層に緯糸21が追加されて、継手部の織組織の剛性が強化されているので継手部の変形による波打は発生しない。なお、本発明における「基布継手部」とは、継手加工工程において、基布に織成され形成される継手部分のことである。
【0024】
図2(B)は、図2(A)の表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の中間層の全てに延長経糸を折り返して緯糸21を追加し緯3重織とした継手部20の概念図である。なお、図2(B)において、○の中に×印を入れた緯糸21が追加の緯糸であり、以下の実施形態および実施例においても、一々説明はしないが同様である。
【0025】
図2(C)は図2(A)の表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の基布10の中間層に1本置きに緯糸21を追加して緯2.5重織とした継手部30の概念図である。また、上記以外にも、表2/2・裏3/1緯2重織もしくは2.5重織の破れ斜文または正則の織組織にも適用が可能である。
【0026】
なお、上記図2(A)の2層の織組織の基布10以外に、中間層に1本おきに緯糸15を有する、図2(D)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の基布40や、表1/3正則斜文・裏3/1正則斜文の緯2重織および緯2.5重織の基布にも適用できる。
【0027】
図2(E)は、図2(D)の表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の基布40の中間層で緯糸15のない箇所に、継手用の緯糸21を追加し緯3重織とした継手部50の概念図である。この場合は先にある緯糸15は、追加した緯糸21と同じ糸と置き換えられる。また、中間層に先にある緯糸15は、他の糸に置き換えずに緯3重織とすることも可能である。
【0028】
中間層の緯糸(15,21)は、スパン撚糸を追加、もしくはスパン撚糸に置き換えられるのであるが、追加もしくは置き換えるスパン撚糸は、繊維ウェブを積層しニードルパンチング絡合した後の継手部が、カンバス本体と特性に差異が出ない限り、基布本体に用いられているスパン撚糸と同じ糸でも良く、違う糸でも良い。素材は、例えばアクリル、ポリエステル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)が使用出来るが、コスト、耐蒸熱性の点からアクリル糸が好ましい。その繊度は、基布本体の接紙面側および/または反接紙面側に使用されているモノフィラメント糸に対しては、恒長式繊度で1/2倍以下、スパン糸、マルチフィラメント糸に対しては、1倍以下が好適である。
【0029】
さらに、本発明の実施にあたり、基布継手部において、継手側の延長経糸および基布側の延長経糸と織成される接紙面側および/または反接紙面側の層の緯糸に、基布本体と形態および/または材質および/または繊度の異なる糸を用いることができる。
【0030】
すなわち、基布継手部の接紙面側および反接紙面側の緯糸に、基布より取り除いた緯糸、または新たに準備した同じ形態、材質、繊度から成る緯糸を用いても良いし、また、接紙面側および反接紙面側の緯糸に、基布本体と形態および/または材質および/または繊度の異なる糸を用いることができる。例えば、接紙面側または反接紙面側の一層の緯糸に、アクリルスパン撚糸が用いられている場合には、その層の緯糸をモノフィラメントに置き換えることができる。その場合には、継手部の特性、例えば、表面平滑性や通気度がカンバス本体と等価な特性になるように緯糸を選択する。そのように選択した場合、継手部の表面平滑性や通気度がカンバス本体と等価であるので、シートに乾燥ムラやマークを生じることがない。
【0031】
本発明の実施においては、前記継手部で折り返した継手側の延長経糸およびその経糸と対向する基布側の延長経糸が対向した箇所から、それぞれの延長経糸がさらに反接紙面側の緯糸1本分以上、好適には1〜3本余分に緯糸と組織して構成する。
【0032】
通常は、図3(A)に示すように、反接紙面側(BS)において、継手端部側からの延長経糸32と、基布本体側の延長経糸33が対向した箇所31で、それぞれの経糸32,33を基布表面より少し凹んだ位置で切断する。
【0033】
しかし、本発明では、例えば図3(B)に示すように、継手端部側からの延長経糸32を、基布本体側の延長経糸33と対向した箇所31よりさらに基布本体側の緯糸(14)1本分余分に組織させ、反接紙面側(BS)で基布表面より少し凹んだ位置で切断する。基布本体側の延長経糸33も、継手端部側からの延長経糸32と対向した箇所31よりさらに継手端部側の緯糸(14)1本分余分に組織させ、反接紙面側(BS)で基布表面より少し凹んだ位置で切断する。このような構成にすると、図3(A)の場合に比較して、それぞれの延長経糸32,33が、本体織組織よりさらに1本分以上余分に緯糸14と組織するので、経糸切断糸端部34,34が弛むことが少ない。
【0034】
なお、延長経糸32,33の対向箇所31は、特定位置に集中しないように経糸の方向に好適に分散させて配置する。この継手部を含む基布に繊維ウェブを積層し、ニードルパンチングで絡合しても、経糸切断糸端部34から弛むことはほとんど無い。また、使用中も延長経糸が切断糸端部34から弛むことはほとんど無く、延長経糸の弛みが接紙面側(PS)の緯糸13との交錯によるナックル部35に波及して、ナックル部35が余分に突出して湿紙にマークを生じ紙質を損なうようなことがない。
【0035】
また、図3(C)に示すように、継手端部側からの延長経糸32のみが対向箇所31からさらに緯糸(14)1本分以上余分に組織し、基布本体側からの延長経糸33は対向箇所31でさらに緯糸と組織することなく切り離される延長経糸32,33の糸端処理の方法もある。
【0036】
また、図3(D)に示すように、対向箇所31より更に緯糸(141,142)2本もしくは3本分余分に組織する方法もある。しかしながら、経糸切断端部の弛み防止の上からは、上記図3(B)に示す糸端処理法が最も好ましい。
【0037】
加えて、本発明のより好ましい実施形態においては、前記基布継手部の緯糸2.5層もしくは3層の織組織の部分に、樹脂を塗布含浸し硬化させる構成とする。
【0038】
すなわち、基布継手部を緯糸2層もしくは2.5層で織成した後、中間層にスパン撚糸を追加または、追加および置き換えて、緯糸2.5層もしくは3層の織組織とした部分に、樹脂を塗布含浸させ乾燥硬化させる。使用する樹脂は、ポリアミド系、ポリウレタン系、アクリル酸エステル系、エポキシ系等の樹脂が溶剤で希釈して使用できる。塗布方法は、刷毛、ローラ、スプレー等の各方法が使用できる。樹脂により継手部の経糸と緯糸の交錯による結合度合いが補強されるので、繊維ウェブを積層し、ニードルパンチングで絡合する際の、継手部の絡合接着性が基布本体のそれと同等になると共に、上記経糸切断糸端部の弛み防止に有効である。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施例について、表1,表2および図2(A)〜図2(D)を用いて説明する。なお、表1および表2中において、TMはポリエステルモノフィラメント、ACはアクリル、Nはナイロン6,ナイロン66などのナイロンの材質を示し、PSは接紙面側、BSは反接紙面側を示し、ウェブ仕様は繊度(単位はdtex、表中では繊度を表す数字に続いて上付きの「T」で示す)を表す。
【0040】
(実施例1)
実施例1のニードルカンバスの基布本体は、表1に示すように、図2(D)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の織組織で、経糸11(18,19)は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸(表1ではTM0.40mmφと表す)、接紙面側(PS)および反接紙側(BS)の緯糸13,14は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、中間層の緯糸15に繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を5本撚り合わせた撚糸(表1ではAC6S/5と表す)を用いて織成した基布40を、ヒートセット処理をした後、基布端部の緯糸13,14を取り除き、経糸11をほぐし房状としたものを、継手加工機に仕掛けた。
【0041】
また、継手部は、接紙面側(PS)および反接紙面(BS)側の緯糸13,14に直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、継手部の中間層の緯糸15,21に基布本体の緯糸の追加及び置き換え緯糸として繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を4本撚り合わせた撚糸を仕掛け、図2(E)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯3重織の織組織50とし、さらに、図3(B)と同様に、ループ形成延長経糸および先端緯糸の押さえ延長経糸の継手端部側からの延長経糸32を織込み、それぞれの経糸32に対向する基布本体側の延長経糸33と反接紙面側の継手部において分散させた箇所31で対向させ、対向箇所31より継手側の延長経糸32は基布本体側へ緯糸(14)1本分余分に組織させ、基布本体側の延長経糸33は継手側へ緯糸(14)1本分余分に組織させ、それぞれの糸端34,34は反接紙面側(BS)に引き出して織成し、継手部を織成した。
【0042】
この後、引き出した糸端34,34を基布表面の少し凹んだ位置で切り整え、緯糸3層の継手部に、ポリアミド系樹脂を有機溶剤で希釈した溶液を塗布し乾燥硬化させた。この継手部を接合し、継手部を含む基布に、表1に示すように、接紙面側(PS)に繊度6.6dtexのナイロン66繊維ステープル(表1ではN6.6Tで表す)と繊度11dtexのアクリル繊維ステープル(表1ではAC11Tで表す)を重量比60%:40%で混合したウェブ60aを300g/m2の積層量で積層し、ニードルパンチングで絡合した後で、反接紙面側(BS)に接紙面側(PS)と同様の配合のウェブ70aを100g/m2の積層量で積層し、ニードルパンチングにて絡合一体化した後、ヒートセット加工を施し、継手部の繊維ウェブを切り開き、図1(A)に示すような、接紙面側(PS)にウェブ60aから成る不織布層60を有し,反接紙面側(BS)にウェブ70aからなる不織布層70を有する継手部を含むニードルカンバス80を作成した。
【0043】
このニードルカンバス80の経糸密度は85.1本/2.54cm、緯糸密度はカンバス本体部で15.5本×2.5/2.54cm、継手部緯糸密度は15.5本×3/2.54cmであった。
【0044】
上記のニードルカンバス80の使用に際しても、接合用ループ20の変形や延びは見られず、継手部の不織布層60,70が剥がれることや、繊維ウェブの剥離もなく、延長経糸32,33の糸端部34の弛みが見られず、接紙面側における延長経糸のナックル部の浮きもなく、継手部の波打の発生もなく使用できた。また、継手部による乾燥ムラやマークが発生することなく使用できた。
【0045】
(実施例2)
実施例2のニードルカンバスの基布本体は、表1に示すように、図2(A)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の織組織で、経糸11は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、接紙面側PSの緯糸13は繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を5本撚り合わせた撚糸、および反接紙側BSの緯糸14は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸を用いて基布10を織成したもので、ヒートセット処理をした後、基布10端部の緯糸13,14を取り除き、経糸11をほぐして房状とし、継手加工機に仕掛けた。
【0046】
継手部の接紙面側PSの緯糸13は、本体基布10と同じ繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を5本撚り合わせた撚糸、および反接紙面側BSの緯糸14にも本体基布と同じく直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、継手部の中間層の緯糸15,21に、繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を4本撚り合わせた撚糸を仕掛け、図2(C)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の織組織(30)に構成した。
【0047】
そして、図3(B)と同様に、ループ形成延長経糸および先端緯糸の押さえ延長経糸の継手端部側の延長経糸32を織込み、それぞれの経糸32に対向する基布本体側の延長経糸33と、反接紙面側の継手部において分散させた箇所31で対向させ、対向箇所31から継手端部側の延長経糸32は、基布本体側へ緯糸(14)1本分余分に組織させ、基布本体側の延長経糸33は、継手端部側へ緯糸(14)1本分余分に組織させ、それぞれの糸端34,34は反接紙面側に引き出して織成し、継手部を織成した。
【0048】
この後、引き出した糸端を基布表面より少し凹んだ位置で切り整え、緯糸2.5層の継手部に、ポリアミド系樹脂を有機溶剤で希釈した溶液を塗布し、乾燥硬化させた。この継手部を接合し、継手部を含む基布30に、表1に示すように接紙面側(PS)に繊度6.6dtexのナイロン66繊維ステープルと繊度11dtexのアクリル繊維ステープルを重量比60%:40%で混合したウェブ61aを200g/m2の積層量で積層し、ニードルパンチングで絡合一体化した後、ヒートセット加工を施し、継手部の繊維ウェブを切り開き、図1(B)に示すような、接紙面側にウェブ61aからなる不織布層61を有する継手部を含むニードルカンバス90を作成した。
【0049】
このニードルカンバス90の経糸密度は85.5本/2.54cm、緯糸密度はカンバス本体部で15.1本×2/2.54cm、緯糸密度継手部で15.1本×2.5/2.54cmであった。
【0050】
このニードルカンバス90は、使用に際しても接合用ループ20の変形や延びは見られず、継手部の不織布層61が剥がれることや、繊維の剥離もなく、延長経糸32,33の糸端部34の弛みが見られず、接紙面側の延長経糸のナックル部の浮きもなく、継手部の波打の発生もなく使用できた。また、継手部による乾燥ムラやマークが発生することなく使用できた。
【0051】
【表1】
Figure 0004749632
【0052】
(実施例3)
実施例3のニードルカンバスの基布本体は、表2に示すように、図2(A)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の織組織で、経糸11は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、接紙面側PSの緯糸13は、繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を5本撚り合わせた撚糸、反接紙側BSの緯糸14は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸を用いて基布10を織成し、ヒートセット処理をした後、基布端部の緯糸13,14を取り除き、経糸11をほぐして房状とし、継手加工機に仕掛けた。
【0053】
継手部は、接紙面側および反接紙面側の緯糸13,14に直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、継手部における中間層の追加の緯糸21に繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を4本撚り合わせた撚糸を仕掛け、図2(B)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯3重織の織組織(20)として、図3(B)と同様に、ループ形成延長経糸および先端緯糸の押さえ延長経糸の継手端部側の延長経糸32を織込み、それぞれの経糸32に対向する基布本体側の延長経糸33と反接紙面側の継手部で分散させた箇所31で対向させ、対向箇所31より継手端部側の延長経糸32は基布本体側へ緯糸(14)1本分余分に組織させ、基布本体側の延長経糸33は継手端部側へ緯糸(14)1本分余分に組織させ、それぞれの糸端34,34は反接紙面側に引き出して織成し、継手部を織成した後、引き出した糸端を基布表面より少し凹んだ位置で切り整え、緯糸3層の継手部にポリアミド系樹脂を有機溶剤で希釈した溶液を塗布し、乾燥硬化させた。
【0054】
この継手部を接合し、接合部を含む基布に、表2に示すように、接紙面側PSに繊度6.6dtexのナイロン66繊維ステープルと繊度11dtexのアクリル繊維ステープルを重量比60%:40%で混合したウェブ62aを200g/m2の積層量で積層し、ニードルパンチングにて絡合一体化した後、ヒートセット加工を施し接合部ウェブを切り開き、図1(C)に示すような、接紙面側にウェブ62aからなる不織布層62を有する継手部を含むニードルカンバス100を作成した。
【0055】
このニードルカンバス100の経糸密度は84.7本/2.54cm、緯糸密度はカンバス本体部で15.7本×2/2.54cm、継手部で15.7本×3/2.54cmであった。
【0056】
このニードルカンバス100の継手部には緯糸が追加されて剛性が確保されており、継手部より波打が発生することがなかった
【0057】
(比較例)
比較例のニードルカンバスの基布本体は、表2に示すように、図2(A)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の織組織で、経糸11は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸、接紙面側PSの緯糸13は、繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を5本撚り合わせた撚糸、反接紙側BSの緯糸14は直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸を用いて基布10を織成し、ヒートセット処理をした後、基布端部の緯糸13,14を取り除き、経糸をほぐして房状とし、継手加工機に仕掛けた。
【0058】
継手部は、緯糸12が、基布本体と同じ接紙面側PSの緯糸13に繊度が綿番手で6Sのアクリルスパン糸を5本撚り合わせた撚糸、継手部の反接紙面側BSの緯糸14に直径寸法0.40mmφのポリエステルモノフィラメント糸を仕掛け、図2(A)に示す表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の織組織(10)として、図3(A)と同様に、ループ形成延長経糸および先端緯糸の押さえ延長経糸の継手端部側の延長経糸32を織込み、それぞれの経糸32に対向する基布本体側の延長経糸33と反接紙面側の継手部において分散させた箇所31で対向させ、それぞれの糸端34,34は反接紙面側に引き出して織成し、継手部を織成した後、引き出した糸端を基布表面より少し凹んだ位置で切り整え、継手部にポリアミド系樹脂を有機溶剤で希釈した溶液を塗布し、乾燥硬化させた。
【0059】
この継手部を接合し、接合部を含む基布10に、表2に示すように、接紙面側PSに繊度6.6dtexのナイロン66繊維ステープルと繊度11dtexのアクリル繊維ステープルを重量比60%:40%で混合したウェブを200g/m2の積層量で積層し、ニードルパンチングにて絡合一体化した後、ヒートセット加工を施し、接合部ウェブを切り開き、継手部を含むニードルカンバスを作成した。
【0060】
このニードルカンバスの経糸密度は84.5本/2.54cm、緯糸密度はカンバス本体部で15.5本×2/2.54cm、継手部で15.5本×2/2.54cmであった。
【0061】
【表2】
Figure 0004749632
【0062】
実施例3の継手ならびに比較例の継手のそれぞれについての接合用ループ20の変位量を、下記「接合用ループ引き抜き試験方法」で測定したところ、本実施例3の接合用ループの変位量は、ほぼ同じ最大荷重に対し、比較例の継手における接合用ループの変位量に比べ78%と小さく、また使用に際しても、接合用ループ20が延びたり変形したりすることがなかった。
【0063】
実施例3の接合用ループ20の引き抜き変位量およびカンバス本体部と継手部の不織布層62の剥離強度を、それぞれ下記の「接合用ループ引き抜き試験方法」および「不織布層剥離強度測定方法」で測定したところ、接合用ループ20の引き抜き変位量および継手部の剥離強度はカンバス本体のそれと差が無く同等であった。使用に際しても、継手部の不織布層62が剥がれることもなく、繊維ウェブの剥離もなく、継手部の波打の発生もなく使用できた。また、継手部による乾燥ムラやマークが発生することなく使用できた。
【0064】
(接合用ループ引き抜き試験方法)
実施例もしくは比較例の継手部の不織布層を剥がし、図5(A)のように延長経糸を継手先端より緯糸13,14における22番目のナックル部111,111で切断し、接合用ループ112にフック状保持具113を掛け、基布本体側を下部保持具114で把持し50mm/分の速度で引っ張り、接合用ループ112の最大荷重時の変位量を測定した。なお、図5(A)は試料として調整した継手部の概念図であり、図5(B)は本試験方法の概念図である。
【0065】
(不織布層剥離強度測定方法)
経糸方向を長さとして150mm、緯糸方向を幅として30mmの長方形の試験片を、あらかじめ経糸方向の辺より長さ100mm不織布層を剥がし、図6(A)(B)のように、上部保持具121に先に剥がした不織布層片123を把持し、不織布層を剥がされた基布片124を下部保持具122に把持し、20mm/分の速度で引っ張り剥離強度を測定する。なお、図6(A)は本測定方法の概念正面図であり、図6(B)はその側面図である。
【0066】
【発明の効果】
本発明のニードルカンバスの継手によれば、緯糸2層の基布本体に対して継手部の中間層緯糸を追加し、緯糸2.5層もしくは緯糸3層の織組織にし、または緯糸2.5層の織組織の基布本体に対して継手部の中間層緯糸を追加もしくは置き換えて緯糸3層の織組織にし、継手部の経糸と緯糸の交錯による結合度合いが低下することが無いように補強したので、基布と不織布層との絡合接着力が均一化され改善される。また、接合用ループが延びたり変形したりすることも無い。さらに、継手部が緯糸の追加によって剛性が向上するので、継手部からの波打が生じる危険性も無い。
【0067】
さらに、本発明によれば、継手部の接紙面および/または反接紙面の緯糸を継手部の表面性や特性がカンバス本体と等価と成るように選択出来るので、シートに乾燥ムラやマークを生じることがない。加えて、継手端部側の延長経糸および基布本体側の延長経糸を、反接紙面でさらに緯糸1本分以上余分に組織させたので、繊維ウェブとのニードルパンチングや使用時に、経糸端部が弛むことがなく、接紙面側の経糸端部のナックル部が余分に突出することも無く、シート品質を高度に維持可能である。
【0068】
さらに、本発明のニードルカンバスの継手によれば、基布継手部の緯糸2.5層もしくは3層部分に樹脂を塗布含浸させ、硬化させたので、継手部における経糸と緯糸の交錯による結合度合いが更に強化され、上記継手部織組織を緯糸2.5層もしくは3層にした効果が更に顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施例における抄紙用ニードルカンバスの継手部の断面概念図、
(B)は本発明の第2実施例における抄紙用ニードルカンバスの継手部の断面概念図、
(C)は本発明の第3実施例における抄紙用ニードルカンバスの継手部の断面概念図である。
【図2】本発明の抄紙用ニードルカンバスの継手部および基布本体における各種織組織を示し、
(A)は表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2重織の織組織図、
(B)は表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯3重織の織組織図、
(C)は表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の織組織図、
(D)は表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯2.5重織の織組織図、
(E)は表1/3破れ斜文・裏3/1破れ斜文緯3重織の織組織図である。
【図3】ループ形成延長経糸および先端緯糸の押さえ延長経糸の継手端部側の延長経糸および基布本体側の延長経糸の反接紙面側での各種処理方法を示す概念図で、
(A)は、継手端部側の延長経糸および基布本体側の延長経糸を反接紙面側の交差個所で切断する概念図、
(B)は継手端部側の延長経糸および基布本体側の延長経糸を反接紙面側の交差個所からそれぞれ基布本体側および継手端部側に緯糸1本分織り込んで切断する概念図、
(C)は継手端部側の延長経糸および基布本体側の延長経糸を反接紙面側の交差個所から継手端部側の延長経糸をさらに緯糸1本分だけ基布本体側に織り込んで切断する概念図、
(D)は継手端部側の延長経糸および基布本体側の延長経糸を反接紙面側の交差個所からそれぞれ緯糸2本分ずつ基布本体側および継手端部側に織り込んで切断する概念図である。
【図4】従来の抄紙用ニードルカンバスの継手の概念図である。
【図5】(A)は接合用ループ引き抜き試験に供する試験片の概念図、
(B)は接合用ループ引き抜き試験方法についての説明図である。
【図6】(A)は不織布層剥離強度測定方法についての説明する概念正面図、
(B)はその概念側面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 基布(または継手部)
11 経糸
12 緯糸
13 接紙面側の緯糸
14 反接紙面側の緯糸
15 中間層の緯糸
18,19 経糸
20 接合用ループ
21 追加の中間層の緯糸
31 延長経糸の対向箇所
32 継手端部側の延長経糸
33 基布本体側の延長経糸
34 延長経糸の端部
60a,61a,62a 接紙面側のウェブ
60,61,62 接紙面側の不織布層
70a 反接紙面側のウェブ
70 反接紙面側の不織布層
80,90,100 抄紙用ニードルカンバスの継手

Claims (4)

  1. 経糸および少なくとも接紙面側または反接紙面側に位置する一層側の緯糸に合成繊維のモノフィラメント糸を用いた緯糸2層の織組織の基布と、短繊維の合成繊維ウェブをニードルパンチングにより絡合した不織布層とで構成した抄紙用ニードルカンバスにおいて、
    その基布の端部の緯糸を取り除いて得られる延長経糸をループ形成延長経糸および先端緯糸押さえ延長経糸として、ループ形成延長経糸により接合用ループを形成し、基布の端部の緯糸を取り除いて得られる前記延長経糸を折り返して、基布の端部に配した緯糸と織成して形成する基布継手部の織組織を、前記緯糸2層の層間に、前記一層側の緯糸の1/2の密度もしくは同密度で合成繊維のスパン撚糸を用いた緯糸を配した一層の緯糸層からなる中間層を追加した織組織としたことを特徴とする抄紙用ニードルカンバス。
  2. 経糸および少なくとも接紙面側または反接紙面側に位置する一層側の緯糸に合成繊維のモノフィラメント糸を用い、緯糸2層の層間に前記一層側の緯糸の1/2の密度で緯糸を配した一層の緯糸層からなる中間層を有する織組織の基布と、短繊維の合成繊維ウェブをニードルパンチングにより絡合した不織布層とで構成した抄紙用ニードルカンバスにおいて、
    その基布の端部の緯糸を取り除いて得られる延長経糸をループ形成延長経糸および先端緯糸押さえ延長経糸として、ループ形成延長経糸により接合用ループを形成し、基布の端部の緯糸を取り除いて得られる前記延長経糸を折り返して、基布の端部に配した緯糸と織成して形成する基布継手部の織組織を、前記中間層の緯糸のない箇所に合成繊維のスパン撚糸を用いた緯糸を追加して、前記中間層の緯糸と前記一層側の緯糸の密度を同密度とした織組織としたことを特徴とする抄紙用ニードルカンバス。
  3. 前記基布継手部において、継手側の前記延長経糸および基布側の前記延長経糸と織成される接紙面側および/または反接紙面側の層の緯糸に、基布本体と形態および/または材質および/または繊度の異なる糸を用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の抄紙用ニードルカンバス。
  4. 前記基布継手部で折り返した継手側の前記延長経糸およびその経糸と対向する基布側の前記延長経糸が対向した箇所から、それぞれの前記延長経糸がさらに反接紙面側の緯糸1本分以上余分に緯糸と組織したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の抄紙用ニードルカンバス。
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