JP2909342B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JP2909342B2 JP3695493A JP3695493A JP2909342B2 JP 2909342 B2 JP2909342 B2 JP 2909342B2 JP 3695493 A JP3695493 A JP 3695493A JP 3695493 A JP3695493 A JP 3695493A JP 2909342 B2 JP2909342 B2 JP 2909342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相対回転可能な2軸の
間に配置され両軸の間で駆動力を伝達する駆動力伝達装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、前、後輪間でトルクを伝達する
4輪駆動用の駆動力伝達装置においては、トルク伝達用
の多板クラッチと、この多板クラッチを作動するピスト
ンと、前、後輪の差動回転速度に応じた圧力を発生する
圧力発生手段を備え、この発生圧力をピストンに作用し
て多板クラッチを摩擦係合させるようになっている。
【0003】この種の駆動力伝達装置においては、差動
回転速度に応じて伝達トルクが図6の実線で示すように
変化するが、特に高差動時に伝達トルクが飽和する傾向
となる。従ってスタック脱出時等に多板クラッチが長時
間滑り摩擦を生じた場合には、多板クラッチが摩擦熱に
より損傷する恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するものとして従来、特開平1−93631号公報に記
載されているように、カムを利用したロックアップ機構
を備えた駆動力伝達装置が知られているが、かかる駆動
力伝達装置においては、ロックアップ機構を組込むため
に装置が大形になり、かつ部品点数の増加によりコスト
高となる問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
の問題点を解消するためになされたもので、相対回転可
能な2軸の一方に連結されるハウジングと、他方に連結
され前記ハウジングに回転可能に軸承された回転軸と、
前記ハウジングと回転軸との差動回転に応じた圧力を発
生する圧力発生手段と、前記ハウジング内に収納された
多板クラッチと、前記圧力発生手段にて発生した圧力が
作用され前記多板クラッチを押圧するピストンとを備え
た駆動力伝達装置において、前記ハウジングと回転軸と
の高差動回転によって多板クラッチとハウジングとがあ
る温度差になった際に、前記多板クラッチの熱膨張とハ
ウジングの熱膨張との差によって多板クラッチに圧縮力
が作用するように、前記ハウジングの熱膨張係数α0
と、前記多板クラッチの熱膨張係数α1と、前記多板ク
ラッチ側方の初期クリアランスClとの関係を、下記式
が成り立つようにチューニングしてなるものである。 Cl<L(α1t1−α0t0) ただし、Lは多板クラッチの軸方向寸法、t0はハウジ
ング温度、t1は多板クラッチ温度を示す。
【0006】
【作用】上記した構成により、ハウジングと回転軸との
間で差動回転が生ずると、その差動回転に応じた圧力が
発生する。この圧力によりピストンが押圧され、多板ク
ラッチが摩擦係合されてハウジングと回転軸との間でト
ルクが伝達される。一方、スタック脱出時等、ハウジン
グと回転軸との間で高差動が生ずると、多板クラッチが
摩擦熱によりハウジングよりも大きく熱膨張する。しか
して多板クラッチとハウジングとがある温度差になり、
前記多板クラッチの熱膨張とハウジングの熱膨張との差
が初期クリアランス以上になると、多板クラッチに圧縮
力が作用してハンプ状態となり、伝達トルクが急峻に上
昇するようになる。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1において、20は相対回転可能な2軸(前、後
輪軸)の間に配置される駆動力伝達装置を示し、この駆
動力伝達装置20は、フロントハウジング21と、この
フロントハウジング21内を縦貫して回転可能に軸承さ
れた回転軸22と、これらフロントハウジング21と回
転軸22との差動回転に応じた圧力を発生する圧力発生
手段23と、この圧力発生手段23にて発生した圧力が
作用されるピストン24と、このピストン24の押圧力
によって摩擦係合される多板クラッチ25とによって主
に構成されている。
【0008】前記フロントハウジング21の一端(左
端)は前記2軸の一方に結合されるようになっており、
また前記回転軸22には前記2軸の他方がスプライン係
合されるようになっている。フロントハウジング21に
は、その一端より有底円筒状の中空穴26が形成され、
この中空穴26の開口端はその開口端に位置調整可能に
螺着されたリヤハウジング27によって閉塞されてい
る。中空穴26には前記ピストン24がリヤハウジング
27との間で空間部28を画成するように摺動可能に収
納され、このピストン24はフロントハウジング21の
内周に形成されたスプラインに係合して回り止めされて
いる。
【0009】また中空室26内には、前記フロントハウ
ジング21の底面とピストン24との間にクラッチ室2
9が形成され、このクラッチ室29に多板クラッチ25
が配設されている。多板クラッチ25はフロントハウジ
ング21の内周にスプライン係合された複数のアウタプ
レート31と、回転軸22の外周にスプライン係合され
た複数のインナプレート32とからなり、これらアウタ
プレート31とインナプレート32とが交互に配置され
ている。しかしてクラッチ室29にはクラッチ潤滑用オ
イルが充填されている。なお、30はフロントハウジン
グ21の底面と多板クラッチ25との間に介在されたス
ペーサである。
【0010】前記ピストン24の端壁とリヤハウジング
27の端壁との間に形成された円筒状の空間部28に
は、その幅寸法より僅かに小さな肉厚の円板状の回転部
材33が摺接可能に収納されている。この回転部材33
は図2に示すように、中心部を前記回転軸22の外周に
スプライン係合され、また半径方向に伸長する2つもし
くは3つのブレード33A,33Bを有している。また
前記空間部28には、シリコンオイル等からなる比較的
高粘度の粘性流体が封入されている。
【0011】上記した構成の駆動力伝達装置20におい
ては、前記ピストン24がリヤハウジング27に接合し
た状態におけるフロントハウジング21の底面とピスト
ン24の端面との間に、多板クラッチ25の各アウタプ
レート31とインナプレート32が接合した状態におい
て、多板クラッチ25の側方に、軸方向に僅かな初期ク
リアランスCl が生ずるように設定されている。
【0012】上記した構成において、回転部材33がフ
ロントハウジング21に対して相対回転すると、空間部
28に充填された粘性流体が回転部材33によって回転
速度差に応じた流速で強制移動される。しかしてこの
際、ピストン24およびリヤハウジング27の両端壁に
対する粘性流体の粘性摩擦作用により、空間部28に回
転部材33の回転速度差に比例した内圧が発生する。か
かる内圧の発生原理は、例えば特開昭63−24042
9号公報に詳細に記載されている。
【0013】前記した内圧により、ピストン24は差動
回転に応じた圧力により押圧され、多板クラッチ25に
作用される。従って複数のアウタプレート31とインナ
プレート32がピストン24に作用する圧力に応じた押
圧力で摩擦係合され、ハウジング21,27と回転軸2
2との間で回転トルクが伝達される。次に上記した構成
において、多板クラッチ25の熱膨張によるクラッチ圧
縮力を利用して伝達トルクを上昇させる作動原理につい
て説明する。
【0014】駆動力伝達装置20に高差動が生ずると、
駆動力伝達装置20が温度上昇し、熱膨張する。この場
合、駆動力伝達装置20内部(多板クラッチ25)が摩
擦係合作用による摩擦熱によって急激に温度上昇するの
に対し、駆動力伝達装置20外部(フロントハウジング
21)は急激には温度上昇せず、多板クラッチ25とフ
ロントハウジング21に温度差が生ずる。この温度差は
差動回転速度が大きいほど顕著となる。図5は時間の経
過に対して多板クラッチ25とフロントハウジング21
の温度がどのように変化するかを示したもので、実線が
差動回転速度が大きい場合、点線が差動回転速度が小さ
い場合を示している。
【0015】しかもフロントハウジング21がアルミ材
等の金属にて構成されているのに対し、多板クラッチ2
5はスチールコア上に前記フロントハウジング21より
も熱膨張係数の大きな摩擦材を設けた構成からなってい
る。従って、両者の熱膨張係数の差異と温度差の両作用
により、フロントハウジング21よりも多板クラッチ2
5の方がより大きく熱膨張する。これにより、多板クラ
ッチ25とフロントハウジング21とがある温度差にな
り、多板クラッチ25とフロントハウジング21の熱膨
張の差が、上記した初期クリアランスCl 以上になる
と、多板クラッチ25に圧縮力が作用してハンプ状態と
なり、伝達トルクが図6の点線で示すように急峻に上昇
するようになる。
【0016】このようにハウジング21と回転軸11と
の高差動回転によって多板クラッチ25とハウジング2
1とがある温度差になった際に、多板クラッチ25の熱
膨張とハウジング21の熱膨張との差によって多板クラ
ッチ25に圧縮力が作用するように、多板クラッチ側方
の初期クリアランスCl を適当にチューニングすること
により、任意の差動回転速度で多板クラッチ25の熱膨
張を利用したトルク上昇を発生させることができるよう
になる。
【0017】図3は図1の駆動力伝達装置20を剛性モ
デル化したもので、Kは多板クラッチ25の剛性、K1
はフロントハウジング21の剛性、K2はスペーサ30
の剛性、K3はピストン24の剛性、K4はリヤハウジ
ング27の剛性を示し、Clは多板クラッチ側方の初期
クリアランスを示す。ここで、K1,K2,K3,K4
≫Kの関係より、図3の剛性モデル図を図4の簡略モデ
ル図に置き換えることができる。なお、Lは多板クラッ
チ25の軸方向寸法、より詳しくは常温における多板ク
ラッチ25の軸方向寸法と前記初期クリアランスCl の
和を表す。従って、ハウジング21の温度をt0 、ハウ
ジング21の熱膨張係数をα0 、多板クラッチ25の温
度をt1 、多板クラッチ25の熱膨張係数をα1 とする
と、多板クラッチ25が温度t1 のときのクラッチ押付
け力Fは、概略下記数1式で表すことができる。ただ
し、ここでは圧力発生手段23によって発生する圧力に
よるクラッチ押付け力は除いて考えることにする。
【0018】
【数1】
【0019】ここでクリアランスCl に対して、多板ク
ラッチ25とフロントハウジング21の熱膨張の差が小
さい場合には、F=0となり、多板クラッチ25とフロ
ントハウジング21の熱膨張の差が大きくなると、すな
わち、下記式が成り立つ場合には、F>0となる。 Cl <L(α1 1 −α0 0 ) 従って、例えば200rpm以上の差動速度が発生した
ときに、多板クラッチ25の熱膨張によるトルク上昇を
起こさせるようにするためには、200rpmを越えた
差動回転によって生ずる多板クラッチ25の温度t
11(この場合のハウジング21の温度はt01(t01<t
11)となる)において、フロントハウジング21および
多板クラッチ25の熱膨張係数α0 ,α1 と、クリアラ
ンスCl との関係が、下記式を満足するように、リヤハ
ウジング28を位置調整してクリアランスCl をチュー
ニングすればよいことになる。なお、この際、多板クラ
ッチ25の剛性は十分高いものとすることは勿論であ
る。
【0020】Cl <L(α1 11−α0 01
【0021】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、多板クラッ
チの熱膨張を利用してクラッチに圧縮力を作用させ、ト
ルクを上昇させる構成であるので、スタック脱出時等に
おいてトルクが瞬時に上昇してスタック状態から脱出で
きるようになるので、高差動が長時間続くことなく、ク
ラッチの損傷を防止できるようになり、しかもこれがロ
ックアップ機構等の特別な構成を付加させなくても実現
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す駆動力伝達装置の断面図
である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】カップリング装置の剛性モデルを示す図であ
る。
【図4】図3の簡略モデルを示す図である。
【図5】ハウジングと多板クラッチの時間に対する温度
変化を示した図である。
【図6】差動回転に対する伝達トルクの関係を示した図
である。
【符号の説明】
21,27 ハウジング 22 回転軸 23 圧力発生手段 24 ピストン 25 多板クラッチ Cl 初期クリアランス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−234933(JP,A) 特開 平3−48031(JP,A) 実開 平3−114637(JP,U) 実開 平2−140036(JP,U) 実開 平2−81931(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 43/284

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転可能な2軸の一方に連結される
    ハウジングと、他方に連結され前記ハウジングに回転可
    能に軸承された回転軸と、前記ハウジングと回転軸との
    差動回転に応じた圧力を発生する圧力発生手段と、前記
    ハウジング内に収納された多板クラッチと、前記圧力発
    生手段にて発生した圧力が作用され前記多板クラッチを
    押圧するピストンとを備えた駆動力伝達装置において、
    前記ハウジングと回転軸との高差動回転によって多板ク
    ラッチとハウジングとがある温度差になった際に、前記
    多板クラッチの熱膨張とハウジングの熱膨張との差によ
    って多板クラッチに圧縮力が作用するように、前記ハウ
    ジングの熱膨張係数α0と、前記多板クラッチの熱膨張
    係数α1と、前記多板クラッチ側方の初期クリアランス
    Clとの関係を、下記式が成り立つようにチューニング
    してなる駆動力伝達装置。 Cl<L(α1t1−α0t0) ただし、Lは多板クラッチの軸方向寸法、t0はハウジ
    ング温度、t1は多板クラッチ温度を示す。
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