JP3056012B2 - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP3056012B2
JP3056012B2 JP5035867A JP3586793A JP3056012B2 JP 3056012 B2 JP3056012 B2 JP 3056012B2 JP 5035867 A JP5035867 A JP 5035867A JP 3586793 A JP3586793 A JP 3586793A JP 3056012 B2 JP3056012 B2 JP 3056012B2
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Toyoda Koki KK
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Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相対回転可能な2軸の
間に配置され両軸の間で回転トルクを伝達するクラッチ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、前、後輪間でトルクを伝達する
4輪駆動用のカップリング装置においては、トルク伝達
用の多板クラッチを備え、この多板クラッチの摩擦係合
作用によって前、後輪間でトルクを伝達するようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のカップリング
装置においては、スタック脱出時等に多板クラッチが長
時間滑り摩擦を生じた場合には、多板クラッチが摩擦熱
によって損傷する恐れがある。本発明は、このようなカ
ップリング装置における問題を解決するのに好適なクラ
ッチ装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対回転可能
な2軸の一方に連結されるハウジングと、他方に連結さ
れ前記ハウジングに回転可能に軸承された回転軸と、前
記ハウジング内に収納され摩擦係合によりハウジングと
回転軸との間で回転トルクを伝達する多板クラッチとを
備え、前記ハウジングと回転軸との相対回転によって多
板クラッチとハウジングとがある温度差になった際に、
前記多板クラッチの熱膨張とハウジングの熱膨張との差
によって多板クラッチに圧縮力が作用するように、前記
ハウジングの熱膨張係数α0と、前記多板クラッチの熱
膨張係数α1と、前記ハウジングと多板クラッチとの軸
方向の初期クリアランスClとの関係を、下記式が成り
立つようにチューニングしてなるものである。 Cl<L(α1t1−α0t0) ただし、Lは多板クラッチの軸方向寸法、t0はハウジ
ング温度、t1は多板クラッチ温度を示す。
【0005】
【作用】上記した構成により、ハウジングと回転軸との
間で相対回転が生じていない状態においては、軸方向ク
リアランスの存在によりハウジングと回転軸との間で回
転トルクはほとんど伝達されない。ハウジングと回転軸
との間で相対回転が生じ、多板クラッチとハウジングと
がある温度差になると、多板クラッチとハウジングの熱
膨張の差がクリアランス以上になる。これにより多板ク
ラッチに圧縮力が作用し、ハウジングと回転軸との間で
伝達される回転トルクが上昇する。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1において、10はフロントハウジングを示し、
このフロントハウジング10内を縦貫して回転軸11が
回転可能に軸承されている。フロントハウジング10に
は、その一端より有底円筒状の中空穴12が形成され、
この中空穴12の開口端はその開口端に位置調整可能に
螺着されたリヤハウジング13によって閉塞されてい
る。
【0007】中空室12内には、前記フロントハウジン
グ10の底面とリヤハウジング13の端面との間にクラ
ッチ室18が形成され、このクラッチ室18に多板クラ
ッチ14が配設されている。多板クラッチ14はフロン
トハウジング10の内周にスプライン係合された複数の
アウタプレート15と、回転軸11の外周にスプライン
係合された複数のインナプレート16とからなり、これ
らアウタプレート15とインナプレート16は摩擦係合
可能に交互に配置されている。しかしてクラッチ室18
にはクラッチ潤滑用オイルが充填されている。
【0008】前記ハウジング10,13と多板クラッチ
14との間には、多板クラッチ14の各アウタプレート
15とインナプレート16が接合した状態において、軸
方向に僅かな初期クリアランスCl が生ずるように設定
されている。このクリアランスCl によって通常は多板
クラッチ14が摩擦係合されないようになっている。し
かしながら、実質上は、クラッチプレート15,16の
ひずみ等により、自由状態においても各クラッチプレー
ト15,16は軽く係合した状態に保たれている。この
場合、スプリング等により多板クラッチ14にプレトル
クを付与して、クラッチプレート15,16を常時接合
状態に保つようにしてもよい。
【0009】次に多板クラッチ14の熱膨張を利用して
回転トルクを発生させる作動原理について説明する。図
2は上記した構成のクラッチ装置を剛性モデル化したも
ので、Kは多板クラッチ14の剛性、Cl 前記軸方向ク
リアランスを示し、Lは多板クラッチ14の軸方向寸
法、より詳しくは常温における多板クラッチ14の軸方
向寸法と前記初期クリアランスCl の和を表す。従っ
て、ハウジング10の温度をt0 、ハウジング10の熱
膨張係数をα0 、多板クラッチ14の温度をt1 、多板
クラッチ14の熱膨張係数をα1 とすると、多板クラッ
チ14が温度t1 のときのクラッチ押付け力Fは、概略
下記数1式で表すことができる。
【0010】
【数1】
【0011】ここで前記初期クリアランスCl に対し
て、多板クラッチ14とハウジング10との熱膨張の差
が小さい場合には、F=0となり、多板クラッチ14と
ハウジング10との熱膨張の差が大きくなると、すなわ
ち下記式が成り立つ場合には、F>0となる。 Cl <L(α1 1 −α0 0 ) 今、ハウジング10と回転軸11との間に相対回転が生
ずると、クラッチ装置が温度上昇し、熱膨張する。この
場合、クラッチ装置内部(多板クラッチ14)は摩擦係
合作用による摩擦熱によって急激に温度上昇するのに対
し、クラッチ装置外部(ハウジング10)は急激には温
度上昇せず、多板クラッチ14とハウジング10に温度
差が生ずる。この温度差は相対回転速度が大きいほど顕
著となる。図3は時間の経過に対して多板クラッチ14
とハウジング10の温度がどのように変化するかを示し
たもので、実線が相対回転速度が大きい場合、点線が相
対回転速度が小さい場合を示している。
【0012】しかもハウジング10がアルミ材等の金属
にて構成されているのに対し、多板クラッチ14はスチ
ールコア上に前記ハウジング10よりも熱膨張係数の大
きな摩擦材を設けた構成からなっている。従って、両者
の熱膨張係数の差異と温度差の両作用により、ハウジン
グ10よりも多板クラッチ14の方がより大きく熱膨張
する。これにより、多板クラッチ14とハウジング10
とがある温度差となり、多板クラッチ14とハウジング
10の熱膨張の差が、上記した初期クリアランスCl 以
上になると、多板クラッチ14に圧縮力が作用してアウ
タプレート15とインナプレート16は直結された状態
となり、大きな伝達トルクが発生するようになる。
【0013】このようにハウジング10と回転軸11と
の相対回転によって多板クラッチ14とハウジング10
とがある温度差になった際に、多板クラッチ14の熱膨
張とハウジング10の熱膨張との差によって多板クラッ
チ10に圧縮力が作用するように、初期クリアランスC
l を適当にチューニングすることにより、任意の相対回
転速度で回転トルクを上昇させることができるようにな
る。
【0014】このことから、例えば200rpm以上の
相対回転速度が発生したときに、多板クラッチ14の熱
膨張による回転トルク上昇を起こさせるようにするため
には、200rpmを越えた相対回転速度によって生ず
る多板クラッチ14の温度t 11(この場合のハウジング
10の温度はt01(t01<t11)となる)において、ハ
ウジング10および多板クラッチ14の熱膨張係数
α0 、α1 と、クリアランスCl との関係が、下記式を
満足するように、リヤハウジング13を位置調整してク
リアランスCl をチューニングすればよいことになる。
なお、この際、多板クラッチの剛性は十分高いものとす
ることは勿論である。
【0015】Cl <L(α1 11−α0 01) 図4は上記したクラッチ装置を4輪駆動用カップリング
装置に適用した例を示すものである。かかるカップリン
グ装置は、フロントハウジング21と、このフロントハ
ウジング21内を縦貫して回転可能に軸承された回転軸
22と、これらフロントハウジング21と回転軸22と
の差動回転に応じた圧力を発生する圧力発生手段23
と、この圧力発生手段23にて発生した圧力が作用され
るピストン24と、このピストン24の押圧力によって
摩擦係合される多板クラッチ25とによって主に構成さ
れている。
【0016】前記フロントハウジング21には、その一
端より有底円筒状の中空穴26が形成され、この中空穴
26の開口端はその開口端に位置調整可能に螺着された
リヤハウジング27によって閉塞されている。中空穴2
6には前記ピストン24がリヤハウジング27との間で
空間部28を画成するように摺動可能に収納され、この
ピストン24はフロントハウジング21の内周に形成さ
れたスプラインに係合して回り止めされている。
【0017】また中空室26内には、前記フロントハウ
ジング21の底面とピストン24との間にクラッチ室2
9が形成され、このクラッチ室29に多板クラッチ25
が初期クリアランスCl を存して配設されている。多板
クラッチ25はフロントハウジング21の内周にスプラ
イン係合された複数のアウタプレート31と、回転軸2
2の外周にスプライン係合された複数のインナプレート
32とからなり、これらアウタプレート31とインナプ
レート32とが交互に配置されている。しかしてクラッ
チ室29にはクラッチ潤滑用オイルが充填されている。
なお、30はフロントハウジング21の底面と多板クラ
ッチ25との間に介在されたスペーサである。
【0018】前記ピストン24の端壁とリヤハウジング
27の端壁との間に形成された円筒状の空間部28に
は、その幅寸法より僅かに小さな肉厚の円板状の回転部
材33が摺接可能に収納されている。この回転部材33
は図5に示すように、中心部を前記回転軸22の外周に
スプライン係合され、また半径方向に伸長する2つもし
くは3つのブレード33A,33Bを有している。また
前記空間部28には、シリコンオイル等からなる比較的
高粘度の粘性流体が封入されている。
【0019】上記した構成において、回転部材33がフ
ロントハウジング21に対して相対回転すると、空間部
28に充填された粘性流体が回転部材33によって回転
速度差に応じた流速で強制移動される。しかしてこの
際、ピストン24およびリヤハウジング27の両端壁に
対する粘性流体の粘性摩擦作用により、空間部28に回
転部材33の回転速度差に比例した内圧が発生する。か
かる内圧の発生原理は、例えば特開昭63−24042
9号公報に詳細に記載されている。
【0020】上記した内圧により、ピストン24は差動
回転速度に応じた圧力により押圧され、多板クラッチ2
5に作用される。従って複数のアウタプレート31とイ
ンナプレート32がピストン24に作用する圧力に応じ
た押圧力で摩擦係合され、ハウジング21,27と回転
軸22との間で差動速度差に応じた回転トルクが伝達さ
れる。
【0021】しかしてカップリングに高差動が生じて、
フロントハウジング21と多板クラッチ25の熱膨張の
差が多板クラッチ25の側方に設けられた初期クリアラ
ンスCl よりも大きくなると、多板クラッチ25に圧縮
力が作用して多板クラッチ25がハンプ状態となり、伝
達トルクは急峻に上昇し、スタック状態から容易に脱出
できるようになる。従って、高差動が長時間続くことが
なく、クラッチの損傷を防止できるようになる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、多板
クラッチとハウジングとの熱膨張差を利用してトルクを
上昇させることができるので、簡単な構成で、4輪駆動
用カップリング装置等に好適なクラッチ装置を得ること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すクラッチ装置の断面図で
ある。
【図2】図1をモデル化した図である。
【図3】ハウジングと多板クラッチの時間に対する温度
変化を示した図である。
【図4】本発明を4輪駆動用のカップリングに適用した
図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【符号の説明】
10,13 ハウジング 11 回転軸 13 多板クラッチ Cl 初期クリアランス
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 13/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転可能な2軸の一方に連結される
    ハウジングと、他方に連結され前記ハウジングに回転可
    能に軸承された回転軸と、前記ハウジング内に収納され
    摩擦係合によりハウジングと回転軸との間で回転トルク
    を伝達する多板クラッチとを備え、前記ハウジングと回
    転軸との相対回転によって多板クラッチとハウジングと
    がある温度差になった際に、前記多板クラッチの熱膨張
    とハウジングの熱膨張との差によって多板クラッチに圧
    縮力が作用するように、前記ハウジングの熱膨張係数α
    0と、前記多板クラッチの熱膨張係数α1と、前記ハウ
    ジングと多板クラッチとの軸方向の初期クリアランスC
    lとの関係を、下記式が成り立つようにチューニングし
    てなるクラッチ装置。 Cl<L(α1t1−α0t0) ただし、Lは多板クラッチの軸方向寸法、t0はハウジ
    ング温度、t1は多板クラッチ温度を示す。
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