JP2908725B2 - 樹脂型キャリア及びその製造方法 - Google Patents

樹脂型キャリア及びその製造方法

Info

Publication number
JP2908725B2
JP2908725B2 JP7134676A JP13467695A JP2908725B2 JP 2908725 B2 JP2908725 B2 JP 2908725B2 JP 7134676 A JP7134676 A JP 7134676A JP 13467695 A JP13467695 A JP 13467695A JP 2908725 B2 JP2908725 B2 JP 2908725B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fine particles
type carrier
particles
crosslinked polyurethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7134676A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08305089A (ja
Inventor
勝美 栗山
郊一 黒田
徳之 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd filed Critical Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority to JP7134676A priority Critical patent/JP2908725B2/ja
Publication of JPH08305089A publication Critical patent/JPH08305089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2908725B2 publication Critical patent/JP2908725B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水系溶媒中の懸濁重
合によって得られる樹脂型キャリア及びその製造方法に
関し、更に詳しくは、電子写真法の現像等に使用される
樹脂型キャリア及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】懸濁重合法による樹脂型キャリアの製造
方法として、特開平2−220068号公報、特開平4
−1405号公報、同1455号公報、同4−3444
1号公報、同328583号公報、同333860号公
報、特開平5−9407号公報、同9408号公報、同
100493号公報、同127428号公報、同186
604号公報、同186669号公報、同197211
号公報、特開平6−295102号公報、同29510
3号公報等に多数の提案がなされている。
【0003】これらの方法では、いずれも樹脂型キャリ
アは水系媒体中で懸濁重合法により製造されており、樹
脂型キャリアを得るには、懸濁安定剤として水性ポリマ
ーや金属塩等を水系媒体に溶解して使用されている。こ
のような懸濁安定剤は、得られた樹脂型キャリア表面に
付着あるいは吸着されており、懸濁安定剤はキャリアの
電気抵抗値を著しく低下させる為に、水洗、分解等の方
法で除去する必要がある。更に電気抵抗値の高い樹脂等
を用いてキャリアの表面を処理する方法も用いられてい
る。
【0004】樹脂粒子を形成する素材(モノマー等)に
磁性微粒子を分散させ、これを水系媒体に懸濁させて重
合する過程で、磁性微粒子は、親水性が強い為に、樹脂
粒子形成素材から離れて水系媒体に移行する。これを防
止する為に、磁性微粒子を予め親油性の物質で処理する
方法や水系媒体に溶解しない溶媒を添加する方法等が行
われているが、磁性微粒子と樹脂粒子を形成する素材と
の固着が不十分であるために、生成樹脂粒子の表面に磁
性微粒子が露出する。上記の方法では安定な帯電特性を
有する樹脂型キャリアは得られ難く、製造工程数が多
く、キャリア表面に露出した磁性微粒子が感光体を傷付
け易い等の欠点がある。更に、上記の懸濁安定剤を用い
る方法では、粒度分布の狭い樹脂型キャリアを得ること
も困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
公知方法の上記の欠点が解消された樹脂型キャリア及び
得られた樹脂型キャリア表面から懸濁安定剤を除去する
必要もなく、電気抵抗を高める為の表面被覆等の後処理
をしなくても高い電気抵抗を有し、更に、粒径の制御が
容易で、且つ粒径分布の狭い樹脂型キャリアが得られる
懸濁重合による樹脂型キャリアの製造方法を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達せられる。即ち、本発明は、非水系溶媒中
で懸濁重合法により形成された樹脂粒子中に磁性微粒子
が分散し、樹脂粒子表面が架橋ポリウレタン微粒子で被
覆されていることを特徴とする樹脂型キャリア及び懸濁
安定剤として架橋ポリウレタン微粒子を分散させた非水
系溶媒中で、磁性微粒子の存在下に、少なくともいずれ
か一方が3官能性である、活性水素を有する化合物とイ
ソシアネート化合物とを懸濁重合させることを特徴とす
る樹脂型キャリアの製造方法である。
【0007】
【作用】本発明の樹脂型キャリアは、非水系溶媒中で、
懸濁安定剤として架橋ポリウレタン微粒子を用いて懸濁
重合により製造されたものであり、磁性微粒子は生成樹
脂粒子中に高度に分散し、樹脂粒子表面は、樹脂粒子よ
り電気抵抗値の高いポリマー(上記懸濁安定剤)で被覆
されている。従って、樹脂型キャリアから懸濁安定剤等
を除去する必要もなく、又、ポリマーの被覆は、懸濁重
合の過程で生じるものであり、生成樹脂粒子表面を後処
理によって被覆する必要はない。本発明においては、樹
脂型キャリアの樹脂粒子を架橋ポリウレタン樹脂(ポリ
ウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂を包含する)で構
成することによって、粒子の硬度の制御が容易であり、
トナーとの混合、撹拌による衝撃を和らげ、トナーのス
ペント化を防止することが出来る樹脂型キャリアが提供
される。
【0008】
【好ましい実施態様】本発明の樹脂型キャリアは、磁性
微粒子を分散させた活性水素を有する化合物とイソシア
ネート化合物とを、架橋ポリウレタン微粒子を懸濁安定
剤として分散させた非水系溶媒中で、懸濁重合させるこ
とによって製造される。本発明の特徴は、樹脂型キャリ
アを、懸濁重合や分散重合で通常使用される公知の分散
剤や懸濁安定剤等の分散安定剤を使用せずに、架橋ポリ
ウレタン微粒子を懸濁安定剤として非水系溶媒中で懸濁
重合によって製造することにある。
【0009】以下に、最初に、懸濁安定剤として本発明
で使用される架橋ポリウレタン微粒子について説明す
る。架橋ポリウレタン微粒子は、以下の方法で製造する
ことが出来る。先ず、ポリブタジエンポリオールとジイ
ソシアネート化合物とを、無溶媒又は溶媒中で、官能基
比が 1<NCO/OH≦2 となる条件で反応させて
イソシアネート基(NCO基)を有するプレポリマーを
合成する。ポリブタジエンポリオールとジイソシアネー
ト化合物との反応は、上記の条件によりプレポリマー鎖
の分子量をコントロールする。この様にして合成される
プレポリマーの分子量は、次のポリイソプレンポリオー
ルとの反応で生じる架橋間のポリマー鎖の分子量をコン
トロールするうえで重要である。好ましい分子量の範囲
は、1,000〜15,000である。本発明で使用さ
れるポリブタジエンポリオールは、官能基数が2以上の
ポリオールであり、分子量は1,000〜5,000の
範囲のものが好ましい。
【0010】本発明で使用されるジイソシアネート化合
物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイ
ソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は
2,6)−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシア
ネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ダイマー酸ジイソシアネート等の2個のイソシアネート
基を有するもの等が挙げられる。
【0011】次に、上記のプレポリマーとポリイソプレ
ンポリオールとを、非水系溶媒中で、分散安定剤の不存
在下に、反応させる。本発明で使用されるポリイソプレ
ンポリオールは、官能基数が2以上のポリオールであ
り、分子量は1,000〜30,000の範囲のものが
好ましい。反応は、例えば、これらの原料成分を撹拌機
付きのジャケット式合成釜等の反応容器に仕込み、非水
系溶媒で濃度を40〜70重量%に調整する。この溶液
を撹拌しながら温度を徐々に上昇させ、反応させる。反
応の進行と共に溶液の粘度が上昇するので、更に非水系
溶媒を添加して反応を続けることが好ましい。反応温度
は特に限定されないが、好ましい温度は60℃〜120
℃である。反応液の濃度、温度、撹拌機の形態、撹拌力
等は特に限定されないが、架橋反応の進行につれて溶液
粘度が上昇するので、溶液全体がゲル状にならないよう
に濃度、撹拌力等を制御しながら反応させることが望ま
しい。
【0012】このようにして、架橋ポリウレタン微粒子
は、非水系溶媒中に安定に分散した分散液(以下では架
橋ポリウレタンコロイドと称することがある。)として
生成する。以下の方法においては、架橋ポリウレタン微
粒子は、架橋ポリウレタンコロイドとして使用される。
得られる架橋ポリウレタン微粒子の平均粒子径は、0.
01〜0.5μmである。
【0013】架橋ポリウレタン微粒子のコロイド安定性
及び平均粒子径は、ポリブタジエンポリオール、ジイソ
シアネート化合物及びポリイソプレンポリオールの使用
量及び使用比率等を制御することによって変化させるこ
とが出来る。本発明の架橋ポリウレタン微粒子は、非水
系溶媒中に分散した該粒子の架橋部分及び架橋間のポリ
マー鎖が溶媒に対して溶媒和されると共に、架橋間のポ
リマー鎖が溶媒中に配向することにより安定化され、そ
の結果、安定な架橋ポリウレタンコロイドが形成される
ものと思われる。従って、架橋度及び架橋間のポリマー
鎖の分子量が、架橋ポリウレタン粒子あるいは架橋ポリ
ウレタンコロイドの性質を左右する。
【0014】この様に、溶媒和された架橋ポリウレタン
微粒子が非水系溶媒に安定に分散した架橋ポリウレタン
コロイドは、その微粒子の平均粒径が0.01μm〜
0.5μmであり、架橋度と架橋間のポリマー鎖の分子
量とのバランスによって安定化されていると思われる。
架橋度は、ポリイソプレンポリオールとNCO基を有す
るポリブタジエンポリオールとを反応させる際の官能基
比によって制御される。好ましい官能基比は、0.8≦
NCO/OH≦1.2である。官能基比が0.8未満及
び1.2を超えると、架橋度が小さく、生成架橋ポリウ
レタンは粒子としての存在が困難となり、反応溶液全体
がゲル化した状態になり、安定なコロイドは得られ難
い。架橋間のポリマー鎖の分子量の好ましい範囲は1,
000〜20,000である。分子量が1,000未満
では、架橋間のポリマー鎖の溶媒中への配向が不充分と
なり、架橋微粒子間の凝集が生じ、安定性が損なわれ
る。又、分子量が20,000を超えると、架橋粒子の
広がりが大きくなり、上記の粒径は得られ難くなる。
【0015】本発明で使用される架橋ポリウレタン微粒
子は、非水系溶媒中で樹脂粒子を懸濁重合で形成させる
際の懸濁安定剤として機能し、広範囲の粒径コントロー
ルを可能とするばかりでなく、しかも粒系分布の狭い樹
脂粒子の製造をも可能とする、従来の懸濁安定剤には見
られない優れた性能を有している。更に、この架橋ポリ
ウレタンコロイドは溶媒和された架橋微粒子で構成され
ているので、これを用いて耐熱性の高い、優れた性能を
有する被膜を形成することが出来る。例えば、ポリイソ
プレンポリオールとNCO基を有するポリブタジエンプ
レポリマーとを、官能基比がNCO/OH=1.0(モ
ル比)の条件で反応させて得られる架橋ポリウレタンコ
ロイドは、その濃度を10%に調整してガラス板上に塗
膜が20μmになるように塗布し乾燥することにより、
透明性に優れ、耐水性、耐加水分解性、耐オゾン性、耐
熱性、絶縁性、耐低温脆化性、衝撃吸収性等を有する被
膜を形成することが出来る。
【0016】本発明の樹脂型キャリアは、磁性微粒子を
分散させた活性水素を有する化合物とイソシアネート化
合物とを、懸濁安定剤として上記の架橋ポリウレタン微
粒子を分散させた非水系溶媒中で、この懸濁安定剤以外
の分散安定剤を用いずに、懸濁重合させることによって
製造される。
【0017】本発明で使用される磁性微粒子としては、
例えば、鉄、コバルト、ニッケル、フェライト、マグネ
タイト、ヘマタイト等の合金や化合物等の強磁性体微粒
子が単独で、あるいは組み合わせて使用される。特に好
ましいものは、安定性の面からフェライト、マグネタイ
ト類である。その形状は、球状、針状、八面体のいずれ
も使用できるが、残留磁化値を低くするうえからは球状
が好ましい。
【0018】磁性微粒子は、活性水素を有する化合物に
分散させて使用することが好ましく、分散させるには、
例えば、超音波分散機、三本ロール、ニーダー、ボール
ミル、アトライター、サンドミル等の公知の分散用機器
が使用される。最適な機器の選択は、磁性微粒子を活性
水素を有する化合物に混合したときの粘度等を参考に決
定すると良い。磁性微粒子は生成樹脂粒子中の含有量
が、通常30〜95重量%となる様に使用される。好ま
しくは40〜90重量%である。30重量%未満では、
スリーブとの磁気的吸着力が弱く、感光体へのキャリア
の付着等が発生する。95重量%を超えると、樹脂粒子
の強度不足による崩れが生じ易く、又、重合中に磁性微
粒子が樹脂粒子から離脱し易くなるので好ましくない。
【0019】本発明で使用される活性水素を有する化合
物としては、例えば、水、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリ
メチルロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタ
ノールアミン、ペンタエリスリトール、1,4−ベンゼ
ンチオール、ソルビトール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンアジペー
ト、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレングリ
コール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリ−ε−カ
プロラクトン、ポリヘキサメチレンカーボネート、水素
添加ダイマーポリオール、ヒマシ油ポリオール、ポリオ
レフイン系ポリオール、ポリエチレングリコール、酸化
エチレンと酸化プロピレンとの共重合体、酸化エチレン
とビスフェノールAとの共重合体、酸化エチレン及び/
又は酸化プロピレンとテトラヒドロフランやグリセリン
との付加物等の単独、混合物、共重合物等、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、フェ
ニレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ジ
エチレントリアミン、ペンタエチレンヘキサミン、2,
4,6−トリアミノトルエン、1,3,6−トリアミノ
ナフタレン等のポリアミン等のポリイソシアネート化合
物と反応するものは全て使用することが出来る。
【0020】本発明で使用されるポリイソシアネート化
合物としては、例えば、前記の2個のイソシアネート基
を有する化合物、これらの化合物をイソシアヌレート
体、ビューレット体、アダクト体、ポリメリック体とし
た多官能のイソシアネート基を有するもの、例えば、
4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネートの環状三量体、
2,6−トリレンジイソシアネートの環状三量体、混合
した3モルの2,4−及び2,6−トリレンジイソシア
ネートの環状三量体、ジフェニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネートの三量体、3モルのジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネートと1モルのトリメチロール
プロパンとの反応生成物、3モルの2,4−トリレンジ
イソシアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの
反応生成物、3モルの2,6−トリレンジイソシアネー
トと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物、
3モルの2,4−トリレンジイソシアネートと1モルの
トリメチロールエタンとの反応生成物、3モルの2,6
−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロール
エタンとの反応生成物、混合した3モルの2,4−及び
2,6−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチ
ロールプロパンとの反応生成物等、及びこれらのポリイ
ソシアネートを、メタノール、エタノール、フェノー
ル、クレゾール、ε−カプロラクタム、メチルエチルケ
トンオキシム、アセトンオキシム、N,N−ジメチルヒ
ドロキシアミン、マロン酸ジエチル、アセチルアセトン
等の活性水素を分子内に1個有する化合物とポリイソシ
アネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部を反
応させたもの等が挙げられる。
【0021】上記の活性水素を有する化合物及びポリイ
ソシアネート化合物は、これらを反応させて得られるポ
リウレタン(ポリウレタン及びポリウレタンウレアを含
む)樹脂が架橋していることが必要である為に、いずれ
か一方は少なくとも3官能性でなければならないが、い
ずれが少なくとも3官能性であるかは任意である。
【0022】架橋ポリウレタン微粒子及び樹脂型キャリ
アの製造に使用する非水系溶媒は、全ての原料成分に対
して不活性であり、活性水素を有する化合物に対して実
質的に非溶媒であり、且つ架橋ポリウレタン微粒子を溶
媒和することが出来るものであればいずれの溶媒も使用
することが出来る。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジ
ン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水
素、ジメチルホルムアミド等の単独又は混合物が挙げら
れる。反応溶液から合成された樹脂型キャリア(架橋ポ
リウレタン粒子)を分離する容易さ等から、150℃以
下の沸点を有するものが好ましい。
【0023】ポリウレタン合成反応は、非水系溶媒中で
の懸濁重合によって行われる。架橋ポリウレタン微粒子
を予め分散させた非水系溶媒中に、前記の方法で所定量
の磁性微粒子を分散させた活性水素を有する化合物とポ
リイソシアネート化合物とを、別々に、あるいは予め混
合してから懸濁させ、重合させる。懸濁に際しては、こ
れら重合原料をホモミキサー、ホモディスパー、超音波
ホモジナイザー等の慣用公知の分散手段を用いて前記の
懸濁安定剤を分散させた非水系溶媒中に懸濁させる。
【0024】磁性粒子を分散させた活性水素を有する化
合物の懸濁液の粒径は、該活性水素を有する化合物の粘
度、懸濁安定剤(架橋ポリウレタン微粒子)の濃度、懸
濁液の濃度、懸濁液の機械的な混合の強さや懸濁液の温
度等に依存し、更に、生成する樹脂粒子の粒径、粒径分
布や粒子の形状も、該活性水素を有する化合物の粘度等
に依存する。このようなことを考慮して、得られる樹脂
粒子の平均系が10〜200μmとなるように、懸濁液
滴の粒子径を制御することが好ましい。又、懸濁液の濃
度は、樹脂粒子の目的とする粒径、懸濁設備等に依存す
るが、生産面から好ましい濃度は20〜70重量%であ
る。
【0025】懸濁重合は、慣用公知の懸濁重合手法に従
えばよく特に制限されない。例えば、プロペラ式、錨型
式、螺旋帯式等の撹拌機とホモジナイザー等の公知の乳
化機を併用した合成釜を使用し、緩慢な攪拌下に重合す
る。重合温度は、使用する樹脂粒子形成用原料の組成、
反応性、触媒の有無等によって異なるが、作業性の点か
ら40℃以上が好ましく、より好ましくは50〜120
℃である。重合時間は、重合温度や触媒の使用の有無等
によって異なるが、通常1時間〜数時間である。尚、使
用する非水系溶媒として、ポリイソシアネート化合物を
溶解するものを用いることは、懸濁粒子の中まで均一に
反応させることが出来るので好ましい。
【0026】架橋ポリウレタン微粒子の非水系溶媒への
添加量は、生成樹脂粒子100重量部に対して0.5〜
10重量部となる範囲が好ましい。0.5重量部未満で
は、樹脂粒子の粒径分布がブロードとなるので好ましく
ない。又、10重量部を超えると、懸濁安定性上は問題
はないが、得られる樹脂粒子の粉体特性、特に流動性等
が低下するので樹脂粒子表面から架橋ポリウレタン微粒
子を除去する工程が必要になるので好ましくない。
【0027】本発明で使用される架橋ポリウレタン微粒
子が、懸濁安定剤として作用する機構については定かで
ないが、微粒子特有の性質である高い吸着性及び該微粒
子を形成するポリウレタンの原料組成等に起因するもの
と思れる。更には、該微粒子と樹脂粒子を形成するポリ
イソシアネート化合物、活性水素を有する化合物及び磁
性微粒子の親水性、疎水性の強さと非水系溶媒との相互
作用によるものであろう。本発明で使用される架橋ポリ
ウレタン微粒子の分散液(架橋ポリウレタンコロイド)
中の形態は、図1に示す様なものと想像される。1は、
溶媒中に配向している架橋間のポリマー鎖であり、2
は、溶媒和している架橋粒子である。この架橋ポリウレ
タン微の粒子の粒径の制御は、前記の様に溶媒和した粒
子の架橋密度及び架橋間のポリマー鎖の分子量をバラン
スさせることにより可能である。
【0028】以上の如き原料成分及び製造方法で得られ
る樹脂型キャリアは、その分散液から、常圧又は減圧下
で非水系溶媒を除去し、スプレイドライヤー、濾過装置
付き真空乾燥機、撹拌機付き真空乾燥機や棚式乾燥機等
の公知の乾燥装置を用いて乾燥される。好ましい乾燥温
度は、非水系溶媒の蒸気圧、樹脂キャリア粒子の粒径等
によって決められるが、好ましくは減圧下40〜80℃
である。
【0029】本発明の樹脂キャリアは、平均粒径が10
〜200μmの球状の粒子であり、樹脂粒子が架橋ポリ
ウレタン微粒子で被覆され、磁性微粒子が樹脂粒子中に
内包されている形態を有する為、高濃度の磁性微粒子が
樹脂粒子中に分散している場合でも高い電気抵抗を得る
ことができる。更に、活性水素を有する化合物及びポリ
イソシアネート化合物の選択の自由度が大きく、樹脂粒
子の硬度を、JISA70〜JIS D70の範囲で広
く変化させることが可能である。
【0030】本発明においては、上記の樹脂型キャリア
の製造に当たり、原料成分の一部にカーボンブラック等
の顔料、電荷制御剤、可塑剤、耐加水分解防止剤、酸化
防止剤等の各種添加剤を混合して、電子写真現像機及び
使用されるトナーに適した樹脂型キャリアとすることも
出来る。
【0031】本発明の樹脂型キャリアの一例の光学顕微
鏡写真(倍率150倍)を図2に示すが、粒子の形状は
球状である。図3に本発明の樹脂型キャリアの想像断面
を示すが、個々のキャリア粒子4の表面は、架橋ポリウ
レタン微粒子の被膜3で被覆されており、その結果、樹
脂型キャリアは、湿度に影響されず、高い電気抵抗を示
す。製造に際しても分離後の樹脂粒子を洗浄することな
く直ちに乾燥すればよく、粉末化に当たっても従来技術
における如き繁雑、且つコスト高な粉砕工程や分級操作
を何ら要しない等の種々の利点を有している。
【0032】本発明に記載の平均粒径、粒径分布の測定
には、日機装社製の粒度分布測定器マイクロトラックX
−100及びUPRを使用した。磁気特性の測定には、
理研電子社製の振動試料型磁力計BHV−30H型を使
用した。体積固有抵抗の測定には、横河ヒュレット・パ
ッカード社製4329Aの高抵抗メーターを使用した。
粘度はTOKIMECINC社製のVISCOMETE
R BM型を用い、12rpmで測定した。以上の説明
から明らかな様に、本発明によれば、従来の水性媒体中
でのポリウレタン樹脂粒子の製造ではなし得なかった多
くの特徴及び樹脂組成の制御が容易に達成できる。
【0033】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
ない。尚、本文中部又は%とあるのは特に断りのない限
り重量基準である。
【0034】(架橋ポリウレタンコロイドの合成) 合成例1 水酸基価が74.9、官能基数が2のポリブタジエンポ
リオール100部を撹拌機付き合成釜に仕込み、撹拌し
ながら温度を50℃に制御し、官能基比がNCO/OH
=2となる様にイソホロンジイソシアネート29.66
部を添加し、この温度で6時間反応させ、更に80℃に
昇温して3時間反応を行い、合成を完結させた。次に、
ノナンで反応液の濃度を50%に調整し、NCO基を
2.1%有するプレポリマーの溶液を得た。この物をP
P−1とする。このプレポリマーの分子量は1939で
ある。
【0035】上記のPP−1の47.19部を撹拌機付
き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度を30℃に制御
し、水酸基価が13.2、官能基数が5.9のポリイソ
プレンポリオールのノナンの50%溶液200部とスタ
ナスオクテートのトルエン10%溶液0.13部とを添
加した。徐々に昇温して反応液の温度を90℃とし、6
時間反応させた。反応が完結したのを確認した後に、反
応液にノナン988.76部を添加し、濃度10%の架
橋ポリウレタンコロイドを得た。この物の平均粒径は
0.0234μmであった。粒径分布を図4に示す。
【0036】合成例2 水酸基価が53.4、官能基数が2のポリブタジエンポ
リオール100部を撹拌機付き合成釜に仕込み、撹拌し
ながら温度を40℃に制御し、官能基比がNCO/OH
=1.5となる様にイソホロンジイソシアネート15.
9部を添加し、この温度で3時間反応させ、更に80℃
に昇温して8時間反応させて合成を完結させた。次に、
反応液をN−オクタンで濃度50%に希釈し、NCO基
を0.86%有するプレポリマーの溶液を得た。この物
をPP−2とする。このプレポリマーの分子量は486
0である。
【0037】上記のPP−2の115.2部を撹拌機付
き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度を50℃に制御
し、水酸基価が13.2、官能基数が5.9のポリイソ
プレンポリオールのN−オクタンの50%溶液200部
とスタナスオクテートのトルエン10%溶液0.47部
とを添加した。徐々に昇温して反応液の温度を95℃と
し、10時間反応させた。反応が完結したのを確認した
後、反応液にN−オクタン1260.0部を添加し、濃
度10%の架橋ポリウレタンコロイドを得た。この物の
平均粒径は0.0875μmであった。粒径分布を図5
に示す。
【0038】合成例3 水酸基価が53.4、官能基数が2のポリブタジエンポ
リオール100部を撹拌機付き合成釜に仕込み、撹拌し
ながら温度を50℃に制御し、官能基比がNCO/OH
=2.0となる様にイソホロンジイソシアネート21.
15部を添加し、この温度で4時間反応を続け、更に8
0℃に昇温して4時間反応させて合成を完結させた。次
に、ノナンで希釈して反応液の濃度を50%に調整し、
NCO基を1.65%有するプレポリマーの溶液を得
た。この物をPP−3とする。このプレポリマーの分子
量は2541である。
【0039】上記のPP−3の60.06部を撹拌機付
き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度を40℃に制御
し、水酸基価が13.2、官能基数が5.9のポリイソ
プレンポリオールのノナンの50%溶液200部とスタ
ナスオクテートのトルエン10%液0.12部とを添加
した。徐々に昇温して反応液の温度を90℃とし、8時
間反応させ、反応が完結したのを確認した後、反応液に
ノナン1040.2部を添加し、濃度10%の架橋ポリ
ウレタンコロイドを得た。この物の平均粒径は0.04
25μmであった。粒径分布を図6に示す。
【0040】合成例4 水酸基価が31.8、官能基数が2のポリブタジエンポ
リオール100部を撹拌機付き合成釜に仕込み、撹拌し
ながら温度を60℃に制御し、官能基比がNCO/OH
=2.0となる様にイソホロンジイソシアネート12.
59部を添加し、この温度で5時間反応させて合成を完
結させた。次に、反応液の濃度をN−ヘプタンで50%
に調整し、NCO基を1.06%有するプレポリマーの
溶液を得た。この物をPP−4とする。このプレポリマ
ーの分子量は3966である。
【0041】上記のPP−5の93.89部を撹拌機付
き合成釜に仕込み、撹拌しながら温度を50℃に制御
し、水酸基価が13.2、官能基数が5.9のポリイソ
プレンポリオールのN−ヘプタンの50%溶液200部
とスタナスオクテートのトルエン10%溶液0.11部
とを添加した。徐々に昇温して反応液の温度を90℃と
し、12時間反応させ、反応が完結したのを確認した
後、反応液にN−ヘプタン1175.5部を添加し、濃
度10%の架橋ポリウレタンコロイドを得た。この物の
平均粒径は0.0465μmであった。粒径分布を図7
に示す。
【0042】合成例5 水酸基価が46.6、官能基数が2.3のポリブタジエ
ンポリオール100部を撹拌機付き合成釜に仕込み、撹
拌しながら温度を65℃に制御し、官能基比がNCO/
OH=2.0になる様にヘキサメチレンジイソシアネー
ト13.96部を添加し、この温度で3時間反応を続
け、更に80℃に昇温して7時間反応させて合成を完結
させた。次に、イソオクタンで反応液の濃度を50%に
調整し、NCO基を1.36%有するプレポリマーの溶
液を得た。この物をPP−5とする。このプレポリマー
の分子量は3530である。
【0043】上記のPP−5の72.7部を撹拌機付き
合成釜に仕込み、撹拌しながら温度を50℃に制御し、
水酸基価が13.2、官能基数が5.9のポリイソプレ
ンポリオールのイソオクタンの50%溶液200部とス
タナスオクテートのトルエン10%溶液0.15部とを
添加した。徐々に昇温して反応液の温度を90℃とし、
15時間反応させた。反応が完結したのを確認した後、
反応液にイソオクタン1090.8部を添加し、濃度1
0%の架橋ポリウレタンコロイドを得た。この物の平均
粒径は0.0298μmであった。粒径分布を図8に示
す。
【0044】尚、合成例1〜5で作成した濃度10%の
各架橋ポリウレタンコロイドを離型紙上に乾燥膜の厚さ
が20μm〜30μmになるように塗布し、50℃で3
時間、次いで90℃で24時間の乾燥を行い、更に25
℃で24時間放置して被膜を得た。各被膜の体積固有抵
抗を測定し、これらの測定値を懸濁安定剤の特性値とし
た。その結果を表1に示す。
【0045】実施例1 60℃に加温したジャケット付きのリボン式小型ニーダ
ーに、3官能の水酸基価が136.3のポリカプロラク
トンポリオール300部とマグネタイトBL−10(チ
タン工業社製)700部とを仕込み、3時間の混練りを
行い磁性微粒子が均一に分散している分散液を作成し
た。このものの粘度は90℃で18.2Pa・sであっ
た。この物をMB−1とする。
【0046】2,000ccのセパラブルフラスコに、
合成例1の架橋ポリウレタンコロイド80.0部とノナ
ン480部とを仕込み混合した。この液を90℃に昇温
し、ホモジナイザー(回転数を6,000rpm)で攪
拌しながら、90℃に保持したMB−1の400部を徐
々に添加して懸濁させ、安定な懸濁液を得た。次に、懸
濁液を75℃に保持しながら、60℃のノナンに溶解し
たMDIの50%溶液73部を徐々に添加し懸濁重合を
開始させ、2時間後にスタナスオクテートの1%トルエ
ン溶液3.7部を添加し、更に8時間重合を続けて重合
を終了し、樹脂型キャリア微粒子の分散液を得た。この
分散微粒子の平均粒径は12.88μmであった。粒径
分布を図9に示す。この分散液を100Torrの減圧
下に真空乾燥を行って溶媒を除去し、球状粉末の樹脂型
キャリアを得た。この磁気特性を表1に示す。
【0047】実施例2 3官能の水酸基価が195.9のポリカプロラクトンポ
リオール240部にソルスパース24,000GR(I
CI社製)10部を混合し、超音波分散機で60℃で溶
解した。この溶液にマグネタイトBL−50(チタン工
業社製)750部を仕込み、80℃に制御しながら超音
波分散機で30分間分散させ、磁性微粒子が均一に分散
した分散液を作成した。このものの粘度は80℃で2
1.4Pa・sであった。この物をMB−2とする。
【0048】3,000ccのセパラブルフラスコに、
合成例2の架橋ポリウレタンコロイド125.0部とノ
ナン333部とN−ヘプタン125部とを仕込み混合し
た。この液を80℃に保持し、ホモジナイザー(回転数
を5,000rpm)で攪拌しながら80℃に保持した
MB−2の252部を徐々に添加して懸濁させ、安定な
懸濁液を得た。次に、この懸濁液を75℃に保持し、N
CO含量30.9%のポリメリックイソシアネート(P
API135、化成アップジョン社製)28.87部を
徐々に添加し、懸濁重合を開始させ、3時間後にスタナ
スオクテートの1%トルエン溶液2.7部を添加し、更
に6時間重合を継続して重合反応を終了させ、樹脂型キ
ャリア微粒子の分散液を得た。この分散微粒子の平均粒
径は58.74μmであった。粒径分布を図10に示
す。この分散液を100Torrで真空乾燥を行って溶
媒を除去し、球状粉末の樹脂型キャリアを得た。その磁
気特性を表1に示す。
【0049】実施例3 3官能の水酸基価が195.9のポリカプロラクトンポ
リオール290部にソルスパース24,000GR(I
CI社製)10部を混合し、超音波分散機で60℃で溶
解した。この溶液にマグネタイトBL−10(チタン工
業社製)700部を仕込み、80℃に制御しながら超音
波分散機で30分間分散させ、磁性微粒子が均一に分散
した分散液を作成した。このものの粘度は70℃で24
Pa・sであった。この物をMB−3とする。
【0050】3,000ccのセパラブルフラスコに、
合成例3の架橋ポリウレタンコロイド125.0部とノ
ナン458部とを仕込み混合した。この液を70℃に昇
温し、ホモジナイザー(回転数を4,500rpm)で
攪拌しながら、70℃に保持したMB−3の250部を
徐々に添加して懸濁させ、安定な懸濁液を得た。次に、
この懸濁液を65℃に保持し、ホモジナイザーの回転数
を2,500rpmに下げ、NCO含量30.9%のポ
リメリックイソシアネート(PAPI135、化成アッ
プジョン社製)27.72部を徐々に添加し懸濁重合を
開始させ、3時間後にスタナスオクテートの1%トルエ
ン溶液3.0部を添加し、温度を90℃に昇温して5時
間重合を継続して重合反応を終了させ、樹脂型キャリア
微粒子の分散液を得た。この分散微粒子の平均粒径は8
8.48μmであった。粒径分布を図11に示す。この
分散液を100Torrで真空乾燥を行って溶媒を除去
し、球状の粉末樹脂型キャリアを得た。その磁気特性を
表1に示す。
【0051】実施例4 3官能の水酸基価が195.9のポリカプロラクトンポ
リオール160部にソルスパース24,000GR(I
CI社製)20部を混合し、超音波分散機で60℃で溶
解した。この溶液にマグネタイトBL−50(チタン工
業社製)820部を仕込みミキサーで混合した後、得ら
れた混合物を40℃に加温した三本ロールで3回通しの
分散を行い、磁性微粒子が均一に分散している分散液を
作成した。このものの粘度は70℃で38.2Pa・s
であった。この物をMB−4とする。
【0052】3,000ccのセパラブルフラスコに、
合成例4の架橋ポリウレタンコロイド100.0部とノ
ナン553部とトルエン100部とを仕込み混合した。
この液を70℃に昇温し、ホモジナイザー(回転数を
4,000rpm)で攪拌しながら、70℃に保持した
MB−4の400部を徐々に添加して懸濁させ、安定な
懸濁液を得た。次に、この懸濁液を75℃に保持し、6
0℃のノナンに溶解したMDIの50%溶液56部を徐
々に添加し懸濁重合を開始させ、3時間後にスタナスオ
クテートの1%トルエン溶液2.8部を添加し、80℃
に昇温して6時間重合させて重合反応を終了させ、樹脂
型キャリア微粒子の分散液を得た。この分散微粒子の平
均粒径は113.4μmであった。粒径分布を図12に
示す。この分散液を100Torrで真空乾燥を行って
溶媒を除去し、球状の粉末の樹脂型キャリアを得た。そ
の磁気特性を表1に示す。
【0053】実施例5 3官能の水酸基価が136.3のポリカプロラクトンポ
リオール180部にソルスパース24,000GR(I
CI社製)20部を混合し、超音波分散機で60℃で溶
解した。この溶液にマグネタイトBL−50(チタン工
業社製)800部を仕込みミキサーで混合し、得られた
混合物を40℃に加温した三本ロールで3回通しの分散
を行い、磁性微粒子が均一に分散した分散液を作成し
た。このものの粘度は65℃で41.7Pa・sであっ
た。この物をMB−5とする。
【0054】2,000ccのセパラブルフラスコに、
合成例5の架橋ポリウレタンコロイド100.0部とノ
ナン675部とを仕込み混合した。この溶液を65℃に
昇温させ、ホモジナイザー(回転数を3,500rp
m)で攪拌しながら、65℃に保持したMB−5の38
0部を徐々に添加して懸濁させ、安定な懸濁液得た。次
に、この懸濁液を65℃に保持し、ホモジナイザーの回
転数を2,500rpmに下げ、NCO含量30.9%
のポリメリックイソシアネート(PAPI135、化成
アップジョン社製)22.8部を徐々に添加し懸濁重合
を開始させ、3時間後にスタナスオクテートの1%トル
エン溶液2.7部を添加し、90℃に昇温して5時間重
合を継続して重合反応を終了させ、樹脂型キャリア微粒
子の分散液を得た。この分散微粒子の平均粒径は15
6.2μmであった。粒径分布を図13に示す。この分
散液を100Torrで真空乾燥を行って溶媒を除去
し、球状粉末の樹脂型キャリアを得た。その磁気特性を
表1に示す。
【0055】尚、実施例1〜実施例5で用いた磁性微粒
子の分散液とポリイソシアネート化合物とを、それぞれ
の実施例の割合で、60℃に加温した高速ミキサーで混
合し、直ちに、離型紙で形成したトレーに100μm〜
150μmの厚さになる様に流し込み、80℃で60時
間放置して反応させた。室温まで冷却した後、離型紙よ
り生成被膜を剥離し、各被膜の体積固有抵抗及び硬度を
測定し、各樹脂キャリアのそれぞれの特性値とした。結
果を表1に示す。
【0056】
【表1】 表1
【0057】
【発明の効果】以上の本発明によれば、湿気に強く、高
い電気抵抗を有し、粒径分布がシャープで、安定な帯電
特性を有する樹脂型キャリアが提供される。又、本発明
の樹脂型キャリアは、硬度を広範囲に変えることが出来
るので、電子写真現像機や使用するトナーに適したもの
とすることが出来る。更に、本発明によれば、懸濁重合
において通常使用される分散・懸濁安定剤を使用しない
ので、反応系から分離された樹脂粒子を洗浄せずに直ち
に乾燥に付すことが出来、乾燥後の粉砕や分級も不要で
あるので、製造上の経済的メリットも大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する架橋ポリウレタン微粒子の
想像断面図である。
【図2】 本発明の樹脂型キャリアの一例の光学顕微鏡
写真図である。
【図3】 本発明の樹脂型キャリアの想像断面図であ
る。
【図4】 合成例1の架橋ポリウレタンコロイドの粒径
分布を示すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右
軸)である。
【図5】 合成例2の架橋ポリウレタンコロイドの粒径
分布を示すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右
軸)である。
【図6】 合成例3の架橋ポリウレタンコロイドの粒径
分布を示すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右
軸)である。
【図7】 合成例4の架橋ポリウレタンコロイドの粒径
分布を示すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右
軸)である。
【図8】 合成例5の架橋ポリウレタンコロイドの粒径
分布を示すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右
軸)である。
【図9】 製造例1の樹脂型キャリアの粒径分布を示す
ヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右軸)である。
【図10】 製造例2の樹脂型キャリアの粒径分布を示
すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右軸)であ
る。
【図11】 製造例3の樹脂型キャリアの粒径分布を示
すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右軸)であ
る。
【図12】 製造例4の樹脂型キャリアの粒径分布を示
すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右軸)であ
る。
【図13】 製造例5の樹脂型キャリアの粒径分布を示
すヒストグラム(左軸)と累積分布曲線(右軸)であ
る。
【符号の説明】
1:溶媒中に配向している架橋間のポリマー鎖 2:溶媒和している架橋粒子 3:樹脂粒子を被覆している架橋ポリウレタン微粒子被
膜 4:磁性微粒子が分散している樹脂粒子 Hist.(%):度数(%) Cum.(%):累積(%)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 徳之 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−197211(JP,A) 特開 平6−295102(JP,A) 特開 平5−100494(JP,A) 特開 平8−6306(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水系溶媒中で懸濁重合法により形成さ
    れた樹脂粒子中に磁性微粒子が分散し、樹脂粒子表面が
    架橋ポリウレタン微粒子で被覆されていることを特徴と
    する樹脂型キャリア。
  2. 【請求項2】 樹脂粒子が架橋ポリウレタン樹脂の粒子
    であるる請求項1に記載の樹脂型キャリア。
  3. 【請求項3】 樹脂型キャリアが、平均粒径が10〜2
    00μmの粒子である請求項1に記載の樹脂型キャリ
    ア。
  4. 【請求項4】 樹脂型キャリアの硬度がJIS A70
    〜JIS D70である請求項1に記載の樹脂型キャリ
    ア。
  5. 【請求項5】 架橋ポリウレタン微粒子が、ポリブタジ
    エンポリオールにジイソシアネート化合物を官能基比が
    1<NCO/OH≦2となる条件で反応させて得られる
    プレポリマーとポリイソプレンポリオールとを、非水系
    溶媒中で分散安定剤の不存在下に、官能基比が0.8≦
    NCO/OH≦1.2となる条件で反応させて得られる
    粒子である請求項1に記載の樹脂型キャリア。
  6. 【請求項6】 懸濁安定剤として架橋ポリウレタン微粒
    子を分散させた非水系溶媒中で、磁性微粒子の存在下
    に、少なくともいずれか一方が3官能性である、活性水
    素を有する化合物とイソシアネート化合物とを懸濁重合
    させることを特徴とする樹脂型キャリアの製造方法。
  7. 【請求項7】 架橋ポリウレタン微粒子が請求項5に記
    載の反応生成粒子である請求項6に記載の樹脂型キャリ
    アの製造方法。
  8. 【請求項8】 架橋ポリウレタン微粒子が、平均粒径が
    0.01〜0.5μmの粒子である請求項7に記載の樹
    脂型キャリアの製造方法。
  9. 【請求項9】 磁性微粒子を予め活性水素を有する化合
    物に分散させる請求項6に記載の樹脂型キャリアの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 懸濁重合物を非水系溶媒から分離する
    請求項6に記載の樹脂型キャリアの製造方法。
JP7134676A 1995-05-09 1995-05-09 樹脂型キャリア及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2908725B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7134676A JP2908725B2 (ja) 1995-05-09 1995-05-09 樹脂型キャリア及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7134676A JP2908725B2 (ja) 1995-05-09 1995-05-09 樹脂型キャリア及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08305089A JPH08305089A (ja) 1996-11-22
JP2908725B2 true JP2908725B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=15133970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7134676A Expired - Fee Related JP2908725B2 (ja) 1995-05-09 1995-05-09 樹脂型キャリア及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2908725B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8192842B2 (en) * 2006-09-13 2012-06-05 Kolon Industries, Inc. Process for preparing polyurethane particulate and polyurethane particulate prepared therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08305089A (ja) 1996-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4328282A (en) Magnetic recording media
KR101162782B1 (ko) 잠재성 경화제
US5859075A (en) Polyurethane Microspheres
JP3042950B2 (ja) ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JPS5831339B2 (ja) ビフンマツノカタチノ ブロツクシタポリイソシアネ−トノセイゾウホウ
DE2816170A1 (de) Suspensionspolymerisation von polyurethanen
JP2002500698A (ja) ポリウレタンの水性懸濁液とその製造方法
US4310565A (en) Process of making a magnetic recording media
JP2908725B2 (ja) 樹脂型キャリア及びその製造方法
US5292829A (en) Isocyanurate ring-containing crosslinked polyurethane polyurea particulate polymer and process for producing the same
Durrieu et al. Preparation of aqueous anionic poly‐(urethane‐urea) dispersions: Influence of the nature and proportion of the urethane groups on the dispersion and polymer properties
JP3270774B2 (ja) 球状のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤及びその製造方法
JP2845024B2 (ja) 未架橋ポリウレタンの製造方法及び真球状未架橋ポリウレタン微粒子
JP2806578B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH05214054A (ja) ポリウレタンの製造方法及び真球状ポリウレタン微粒子
JP2845017B2 (ja) 真球状吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JP3042948B2 (ja) 吸水性ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
EP0343852A2 (en) Cold pressure fixable toner compositions
JP3016413B2 (ja) ポリウレタンコロイド架橋粒子及びその製造方法
JPH0485376A (ja) 意匠性印刷インキ
WO2023188897A1 (ja) 中空粒子及びその製造方法
JP2845016B2 (ja) 真球状ポリウレタンゲル微粒子及びその製造方法
JP3102442B2 (ja) 反応性ポリウレタンポリ尿素架橋粒子の製造方法
JPH05197211A (ja) 電子写真用磁性キャリヤ及びその製造方法
JPH0797425A (ja) ポリウレタン微粒子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080402

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees