JP2907398B2 - 写真用シアンカプラー - Google Patents

写真用シアンカプラー

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JP2907398B2
JP2907398B2 JP1928091A JP1928091A JP2907398B2 JP 2907398 B2 JP2907398 B2 JP 2907398B2 JP 1928091 A JP1928091 A JP 1928091A JP 1928091 A JP1928091 A JP 1928091A JP 2907398 B2 JP2907398 B2 JP 2907398B2
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金子  豊
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー写真用素材として
用いられる新規な写真用シアンカプラーに関し、詳しく
は、熱、湿度に対する堅牢性に優れた色素画像を形成す
る新規な写真用シアンカプラーに関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に露光を与え
た後、発色現像処理することにより、露光領域におい
て、酸化された芳香族第一級アミン発色現像主薬と色素
形成カプラーとが反応して色素が生成し、色画像が形成
される。
【0003】しかしながら、シアン色素を形成する為の
カプラーとして、研究が進められてきたフェノール系カ
プラーおよびナフトール系カプラーは、形成されたシア
ン色素画像の分光吸収特性、耐熱性、耐湿性および耐光
性等の点で今一つ不十分であり、この改良をめざして、
置換基の工夫をはじめとし、種々の提案がなされている
が、これらをすべて満足するような化合物は末だ得られ
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
前記の点につき、更に研究を進めた結果、熱・湿度に対
して色相変化を起さないシアン色素画像を形成しうる新
規な写真用カプラーを発見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】本発明は、カラー写真用素材として用いら
れる新規な写真用シアンカプラーを提供することにあ
る。
【0006】また、本発明は、熱・湿度に対し色相の変
化を起こさないシアン色素画像を形成する写真用カプラ
ーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記一般式(I)または一般式(II)で表わされる写真用
シアンカプラーによって達成される。
【0008】
【化2】 (式中R1はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わし、R2は置換基 を表わし、nは0〜4の整数を表わし、Yは−CO−,−SO2−,−CONH −,−SO2N−または−COO−を表わし、R3は水素原子、アルキル基または | R3 アリール基を表わし、Aは水素原子または現像処理時に
加水分解されて離脱するブロック基を表わし、Xはカッ
プリング時に離脱する離脱基を表わす。) 一般式(I)または一般式(II)におけるR1の表わす
アルキル基は、直鎖でも分岐でもよく、飽和でも不飽和
でもよく、また鎖状でも環状でもよい。このアルキル基
は任意の置換基を有していてもよく、さらに耐拡散性基
を有していてもよい。その代表例としてはエチル基、i
−プロピル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、11
−ウンデセニル基、1−ブチン基、フェノキシエチル
基、アルコキシカルボニルエチル基、ベンジル基等が挙
げられる。
【0009】R1の表わすアリール基としてはフェニル
基、ナフチル基等が挙げられるが、さらにこのアリール
基は任意の置換基を有していてもよく、さらに耐拡散性
基を有していてもよい。その代表例としては3−アルキ
ルアシルアミノフェニル基、4−アルキルスルホニルフ
ェニル基、2−アルコキシフェニル基、4−アルコキシ
−1−ナフチル基、2−アルキルカルバモイルフェニル
基、2−クロロ−1−ナフチル基等が挙げられる。
【0010】R1の表わすヘテロ環基としては5〜7員
のものが好ましく、さらにこのヘテロ環基は任意の置換
基を有していてもよく、さらに耐拡散性基を有していて
もよい。その代表例としては2−フリル基、2−チエニ
ル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、
3−ピリジル基、3−アルコキシ−2−ピリジル基等が
挙げられる。
【0011】一般式(I)または一般式(II)における
2の表わす置換基としては、特に制限はないが、代表
的には、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、ア
ルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、こ
の他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニ
ル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、
アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アル
コキシ、スルホニルオキシ、アリールオキシ、複素環オ
キシ、シロキシ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、
アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファ
モイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリール
オキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリ
ールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カ
ルボキシル、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ
ン酸等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水
素化合物残基等も挙げられる。
【0012】R2の表わす置換基のうち、アルキル基と
しては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐
でもよい。
【0013】アリール基としては、フェニル基が好まし
い。
【0014】アシルアミノ基としては、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げら
れる。
【0015】スルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られる。
【0016】アルキルチオ基、アリールチオ基における
アルキル成分、アリール成分としては上記のアルキル
基、アリール基が挙げられる。
【0017】アルケニル基としては、炭素数2〜32のも
の、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜
7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でも
よい。
【0018】シクロアルケニル基としては、炭素数3〜
12、特に5〜7のものが好ましい。スルホニル基として
はアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等;ス
ルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリー
ルスルフィニル基等;ホスホニル基としてはアルキルホ
スホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシ
ホスホニル基、アリールホスホニル基等;アシル基とし
てはアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;
カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基等;スルファモイル基としてはアル
キルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等;
アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基
としてはアルキルカルバモイルオキシ基、アリールカル
バモイルオキシ基等;ウレイド基としてはアルキルウレ
イド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ
基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリール
スルファモイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員
のものが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエ
ニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル
基、1−ピロリル基、1−テトラゾリル基等;複素環オ
キシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好まし
く、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2
−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基
等;複素環チオ基としては5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリ
アゾール−6−チオ基等;シロキシ基としてはトリメチ
ルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチル
シロキシ基等;イミド基としてはコハク酸イミド基、3
−ヘプタデシルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グ
ルタルイミド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ
[3.3]ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物
残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イ
ル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−イ
ル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。
【0019】R2は、前記置換基のうちでも、例えばア
ルキル基、アリール基、カルボキシル基、オキシカルボ
キシル基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アミノ基、アミド基およびスルホンア
ミド基、等の各基およびハロゲン原子等が好ましい。
【0020】nは0又は1〜4の整数を表わし、nが2
以上の整数のとき、複数のR2は同じであっても異なっ
ていても良い。
【0021】また複数のR2は、互いに結合して環を形
成していてもよく、該環は、飽和または不飽和の5員
環、6員環、7員環および8員環等が好ましく、具体的
には、ピリジン環およびキノリン環等が挙げられる。
【0022】上記の基は、更に長鎖炭化水素基やポリマ
ー残基等の耐拡散性基等の置換基を有していてもよい。
【0023】Xの表わす発色現像主薬の酸化体との反応
により離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩
素原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリ
ールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニル
オキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ
カルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオ
キザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環
チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられる。
【0024】一般式(I)及び一般式(II)におけるA
の表わすブロック基としてはアシル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルバモイ
ル基、アリールカルバモイル基等であり、代表例として
はアセチル基、ベンゾイル基等が挙げられるが、最も好
ましいものは水素原子である。
【0025】一般式(II)におけるR3の表わすアルキ
ル基はR1のそれと同義であり、アリール基もR1のそれ
と同義である。
【0026】以下本発明の具体的化合物例を示すが本発
明はこれらに限定されない。
【0027】
【化3】
【0028】
【化4】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】 中間体1の合成 1,8−ナフトサルタム20.5gをDMF150ミリリットル
に溶解した後、氷浴下で冷却し5℃とした。ここにN−
クロロスクシンイミド14.6gを約1時間かけて徐々に添
加し、さらに約10℃で3時間攪拌した。反応液を300gの
氷中に注ぎ、析出してきた固体を濾取し、さらにその固
体を水洗した。
【0035】得られた固体を乾燥した後、エタノールに
より再結晶し、淡褐色結晶の中間体1 13.6gを得た。
lHNMR,IR,FDマススペクトルにより中間体
1であることを確認した。) 中間体2の合成 中間体1 13.5gを酢酸40ミリリットルに溶解後、硫酸4
0ミリリットルを加えて氷浴下で冷却し7℃とした。こ
こに比重1.38の硝酸水溶液4.2ミリリットルを約1時間
かけて滴下した。さらに10℃で4時間攪拌した後反応液
を400gの氷中に注ぎ、析出してきた固体を濾取し、さら
にその固体を水洗した。
【0036】得られた固体を乾燥した後、エタノール/
酢酸エチルの混合溶媒で再結晶し、黄色結晶の中間体2
14.1gを得た。(lHNMR,IR,FDマススペクト
ルにより中間体2であることを確認した。) 中間体3の合成 中間体2 14.0gをメタノール300ミリリットルに溶解
し、さらにパラジウム・カーボン0.70gを添加した。こ
の反応混合物に水素ガスを導入し、水素ガスの吸収がな
くなるまで、室温下で激しく振とうさせた。触媒のパラ
ジウムカーボンを濾過し、メタノールを減圧留去し12.5
gの中間体3を得た。(lHNMR,IR,FDマススペ
クトルにより中間体3であることを確認した。) 化合物II−1の合成 中間体3 12.5gに酢酸エチル300ミリリットルと酢酸ナ
トリウム4.4g、さらに水100ミリリットルを加え、氷冷
下で攪拌した。
【0037】この反応混合物中にテトラデカノイルクロ
ライド12.7g−酢酸エチル100ミリリットル溶液を徐々に
滴下した。
【0038】滴下終了後15℃で2時間攪拌し、水相を分
液した後、2%炭酸水素ナトリウム水溶液100ミリリッ
トルで2回、水100ミリリットルで2回洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒の酢酸エチルを減圧留去
した。得られた固体をアセトニトリルで再結晶し、淡黄
色結晶の化合物II−1 14.4gを得た。(lHNMR,I
R,FDマススペクトルにより化合物II−1であること
を確認した。)本発明のカプラーは通常ハロゲン化銀1
モル当り1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2
ル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0039】また本発明のカプラーは他の種類のシアン
カプラーと併用することもできる。本発明のカプラーに
は、通常の色素形成カプラーにおいて用いられる方法お
よび技術が、同様に適用される。
【0040】本発明のカプラーは、いかなる発色法によ
るカラー写真形成用素材としても用いることができる
が、具体的には、外式発色法および内式発色法が挙げら
れる。外式発色法として用いられる場合、本発明のカプ
ラーはアルカリ水溶液あるいは有機溶媒(例えばアルコ
ール等)に溶解して、現像処理液中に添加し使用するこ
とができる。
【0041】本発明のカプラーを内式発色法によるカラ
ー写真形成用素材として用いる場合、本発明のカプラー
は写真感光材料中に含有させて使用する。
【0042】典型的には、本発明のカプラーをハロゲン
化銀乳剤に配合し、この乳剤を支持体上に塗布してカラ
ー感光材料を形成する方法が好ましく用いられる。本発
明のカプラーは、例えばカラーのネガおよびポジフィル
ム並びにカラー印画紙などのカラー写真感光材料に用い
られる。
【0043】このカラーネガを初めとする本発明のカプ
ラーを用いた感光材料は、単色用のものでも多色用のも
のでもよい。多色用感光材料では、本発明のカプラーは
いかなる層に含有させてもよいが、通常は赤色感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層に含有させる。多色用感光材料はスペ
クトルの3原色領域のそれぞれに感光性を有する色素画
像形成構成単位を有する。各構成単位は、スペクトルの
ある一定領域に対して感光性を有する単層または多層乳
剤層から成ることができる。画像形成構成単位の層を含
めて感光材料の構成層は、当業界で知られているように
種々の順序で配列することができる。典型的な多色用感
光材料は、少なくとも1つのシアンカプラーを含有する
少なくとも1つの赤感光性ハロゲン化銀乳剤層からなる
シアン色素画像形成構成単位(シアンカプラーの少なく
とも1つは本発明のシアンカプラーである。)、少なく
とも1つのマゼンタカプラーを含有する少なくとも1つ
の緑感光性ハロゲン化銀乳剤層からなるマゼンタ色素画
像形成構成単位、少なくとも1つのイエローカプラーを
含有する少なくとも1つの青感光性ハロゲン化銀乳剤層
からなるイエロー色素画像形成構成単位を支持体上に担
持させたものからなる。
【0044】感光材料は、追加の層たとえばフィルター
層、中間層、保護層、下塗り層等を有することができ
る。本発明のカプラーを乳剤に含有せしめるには、従来
公知の方法に従えばよい。例えばトリクレジルホスフェ
ート、ジブチルフタレート等の沸点が175℃以上の高沸
点有機溶媒または酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等の
低沸点溶媒のそれぞれ単独にまたは必要に応じてそれら
の混合液に本発明のカプラーを単独でまたは併用して溶
解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し、
次に高速度回転ミキサーまたはコロイドミルで乳化した
後、ハロゲン化銀に添加して本発明に使用するハロゲン
化銀乳剤を調整することができる。
【0045】本発明のカプラーを用いた感光材料に好ま
しく用いられるハロゲン化銀組成としては、塩化銀、塩
臭化銀または塩沃臭化銀がある、また更に、塩化銀と臭
化銀の混合物等の組合せ混合物であってもよい。即ち、
ハロゲン化銀乳剤がカラー用印画紙に用いられる場合に
は、特に速い現像性が求められるので、ハロゲン化銀の
ハロゲン組成として塩素原子を含むことが好ましく、少
なくとも1%の塩化銀を含有する塩化銀、塩臭化銀また
は塩沃臭化銀であることが特に好ましい。
【0046】ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感
される。また、所望の波長域に光学的に増感できる。
【0047】ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中、あるいは写真処理中のカブリの防止、及び
/又は写真性能を安定に保つことを目的として写真業界
においてカブリ防止剤または安定剤として知られている
化合物を加えることができる。
【0048】本発明のカプラーを用いたカラー感光材料
には、通常感光材料に用いられる色カブリ防止剤、色素
画像安定化剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、マット剤、
界面活性剤等を用いることができる。
【0049】これらについては、例えばリサーチ・ディ
スクロージャー(Research Disclosure)176巻、22〜31
頁(1978年12月)の記載を参考にすることができる。
【0050】本発明のカプラーを用いたカラー写真感光
材料は、当業界公知の発色現像処理を行うことにより画
像を形成することができる。
【0051】本発明に係るカプラーを用いたカラー写真
感光材料は、親水性コロイド層中に発色現像主薬を発色
現像主薬そのものとして、あるいはそのプレカーサーと
して含有し、アルカリ性の活性化浴により処理すること
もできる。
【0052】本発明のカプラーを用いたカラー写真感光
材料は、発色現像後、漂白処理、定着処理を施される。
漂白処理は定着処理と同時に行ってもよい。
【0053】定着処理の後は、通常は水洗処理が行われ
る。また水洗処理の代替えとして安定化処理を行っても
よいし、両者を併用してもよい。
【0054】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体上に下記の
各層を支持体側より順次塗設し、赤色感光性カラー感光
材料試料1を作成した。尚、化合物の添加量は、特に断
りのない限り1m2当りを示す(ハロゲン化銀は銀換算
値)。 第1層:乳剤層 ゼラチン1.2g、赤感性塩臭化銀乳剤(塩化銀96モル%含
有)0.30gおよびジオクチルホスフェート1.35gに溶解し
た比較シアンカプラーa 9.1×10-4モルからなる赤感
性乳剤層。 第2層:保護層 ゼラチン0.50gを含む保護層。尚、硬膜剤として2,4
−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウ
ム塩をゼラチン1g当り0.017gになるよう添加した。
【0056】次に、試料1において比較カプラーaを表
−1に示すカプラー(添加量は比較カプラーaと同じモ
ル量)に代えた以外は、全く同様にして、本発明の試料
2〜8を作製した。
【0057】上記で得た試料1〜8は、それぞれ常法に
従ってウェッジ露光を与えた後、次の工程で現像処理を
行った。 各処理工程において使用した処理液組成は、下記の如く
である。 (発色現像液) ベンジルアルコール 15ミリリットル エチレングリコール 15ミリリットル 亜硫酸カリウム 2.0 g 臭化カリウム 0.7 g 塩化ナトリウム 0.2 g 炭酸カリウム 30.0 g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0 g ポリ隣酸(TPPS) 2.5 g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル)アニリ ン硫酸塩 5.5 g 蛍光増白剤(4,4−ジアミノスチルベンジ スルホン酸誘導体) 1.0 g 水酸化カリウム 2.0 g 水を加えて全量を1リットルとし、pH10.20に調整する。 (漂白定着液) エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム 2水塩 60 g エチレンジアミン四酢酸 3 g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ミリリットル 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ミリリットル 炭化カリウムまたは氷酢酸でpH7.1に調整し、水を加えて全量を1リットルと する。 (安定化液) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリ ン−3−オン 1.0 g エチレングリコール 10 g 水を加えて1リットルとする。
【0058】上記で処理された試料1〜8について、濃
度計(コニカ株式会社製KD−7型)を用いて濃度を測
定し、さらに、上記各処理済試料を高温・高湿(60℃、
80%RH)雰囲気下に14日間放置し、色素画像の耐熱・
耐湿性を調べた。
【0059】
【化11】
【0060】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明のカプラーを用
いた試料は、比較カプラーを用いた試料に比べて、いず
れも色素残存率が高く、耐熱・耐湿性に優れており堅牢
であることがわかる。
【0061】実施例2トリアセチルセルロースフィルム
支持体上に、下記に示すような組成の各層を順次支持体
側から塗設して、多層カラー写真感光材料の試料201を
作製した。
【0062】尚、ハロゲン化銀写真感光材料中の添加量
は、特に記載のない限り1m2当りのものを示す。
【0063】またハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算
して示した。 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀を含むゼラチン層。 第2層;中間層(IL) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンの乳化分散物
を含むゼラチン層。 第3層;低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RL) 平均粒径0.30μm、AgI6.0モル%を含むAgBrIから
なる単分散乳剤 (乳剤I)…銀塗布量1.8g/m2 増感色素I…銀1モルに対して6×10-5モル 増感色素II…銀1モルに対して1.0×10-5モル シアンカプラー(C−1)…銀1モルに対して0.06モル カラードシアンカプラー(CC−1)…銀1モルに対し
て0.003モル DIR化合物(D−1)…銀1モルに対して0.0015モル DIR化合物(D−2)…銀1モルに対して0.002モル 第4層;高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH) 平均粒径0.5μm、AgI7.0モル%を含むAgBrIからな
る単分散乳剤 (乳剤II)…銀塗布量1.3g/m2 増感色素I…銀1モルに対して3×10-5モル 増感色素II…銀1モルに対して1.0×10-5モル シアンカプラー(C−1)…銀1モルに対して0.02モル カラードシアンカプラー(CC−1)…銀1モルに対し
て0.0015モル DIR化合物(D−2)…銀1モルに対して0.001モル 第5層;中間層(IL) 第2層と同じ組成のゼラチン層。 第6層;低感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GL) 乳剤I…塗布銀量1.5g/m2 増感色素III…銀1モルに対して2.5×10-5モル 増感色素IV…銀1モルに対して1.2×10-5モル マゼンタカプラー(M−1)…銀1モルに対して0.050
モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)…銀1モルに対
して0.009モル DIR化合物(D−1)…銀1モルに対して0.0010モル DIR化合物(D−3)…銀1モルに対して0.0030モル 第7層;高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH) 乳剤II…塗布銀量1.4g/m2 増感色素III…銀1モルに対して1.5×10-5モル 増感色素IV…銀1モルに対して1.0×10-5モル マゼンタカプラー(M−1)…銀1モルに対して0.020
モル カラードマゼンタカプラー(CM−1)…銀1モルに対
して0.002モル DIR化合物(D−3)…銀1モルに対して0.0010モル 第8層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀と2,5−ジ−t−オクチルハイドロキ
ノンの乳化分散物とを含むゼラチン層。 第9層;低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BL) 平均粒径0.48μm、AgI6モル%を含むAgBrIからな
る単分散乳剤 (乳剤III)…銀塗布量0.9g/m2 増感色素V…銀1モルに対して1.3×10-5モル イエローカプラー(Y−1)…銀1モルに対して0.29モ
ル 第10層;高感度青感性乳剤層(BH) 平均粒径0.8μm、AgI15モル%を含むAgBrIからな
る単分散乳剤 (乳剤IV)…銀塗布量0.5g/m2 増感色素V…銀1モルに対して1.0×10-5モル イエローカプラー(Y−1)…銀1モルに対して0.08モ
ル DIR化合物(D−2)…銀1モルに対して0.0015モル 第11層;第1保護層(Pro−1) 沃臭化銀(AgI1モル%、平均粒径0.7μm)…銀塗布
量0.5g/m2 紫外線吸収剤UV−1、UV−2(1:1)を含むゼラ
チン層。 第12層;第2保護層(Pro−2) ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径1.5μm)およ
びホルマリンスカベンジャー(HS−1)を含むゼラチ
ン層。
【0064】なお、各層には、上記の成分の他にゼラチ
ン硬化剤(H−1)や界面活性剤を添加した。
【0065】更に、試料201における層3、層4に含ま
れるシアンカプラー(C−1)を表2に示すカプラーに
変更した以外は、試料201と同様にして試料202〜試料20
8を作製した。
【0066】上記各試料の各層に含まれる化合物は下記
の通りである。
【0067】増感色素I;アンヒドロ−5,5′−ジク
ロロ−9−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピ
ル)チアカルボシアニンヒドロキシド 増感色素II;アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ−
(3−スルホプロピル)−4,5,4′,5′−ジベン
ゾチアカルボシアニンヒドロキシド 増感色素III;アンヒドロ−5,5′−ジフェニル−9
−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキ
サカルボシアニンヒドロキシド 増感色素IV;アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ−
(3−スルホプロピル)−5,6,5′,6′−ジベン
ゾオキサカルボシアニンヒドロキシド 増感色素V;アンヒドロ−3,3′−ジ−(3−スルホ
プロピル)−4,5−ベンゾ−5′−メトキシチアシア
ニンヒドロキシド
【0068】
【化12】
【0069】
【化13】
【0070】
【化14】 このようにして得られた試料201〜試料208を白色光を用
いてウェッジ露光した後、下記の現像処理[I]を行っ
た。 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通りで
ある。 [発色現像液] 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いてpH10.20に調整する。 [漂白液] エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0ミリリットル 水を加えて1リットルとしアンモニア水を用いてpH=6.0に調整する。 [定着液] チオ硫酸アンモニウム 175.0 g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5 g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3 g 水を加えて1リットルとし酢酸を用いてpH=6.0に調整する。 [安定液] ホルマリン(37%水溶液) 1.5ミリリットル コニダックス(コニカ社製) 7.5ミリリットル 水を加えて1リットルとする。
【0071】上記で処理された試料201〜208について、
濃度計(コニカ株式会社製KD−7型)を用いて濃度を
測定し、さらに、上記各処理済試料を高温・高湿(60
℃、80%RH)雰囲気下に10日間放置し、色素画像の耐
熱・耐湿性を調べた。
【0072】結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【化15】 1)比感度は、カブリ濃度+0.1の濃度を与える露光量の
逆数で、C−1を用いた201を100とした。
【0074】表2の結果から明らかなように本発明のシ
アンカプラーを用いた試料202〜208は比較試料に比べ最
大濃度、感度、耐熱・耐湿性について優れていることが
わかった。
【0075】
【発明の効果】本発明のカプラーから形成された色素画
像は、熱・湿度に対して堅牢であり、またさらに、本発
明のカプラーは従来のシアンカプラーに較べ最大濃度、
相対感度が高く、高発色性である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)または一般式(II)で表わ
    される写真用シアンカプラー。 【化1】 (式中R1はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表わし、R2は置換基 を表わし、nは0〜4の整数を表わし、Yは−CO−,−SO2−,−CONH −,−SO2N−または−COO−を表わし、R3は水素原子、アルキル基または | R3 アリール基を表わし、Aは水素原子または現像処理時に
    加水分解されて離脱するブロック基を表わし、Xはカッ
    プリング時に離脱する離脱基を表わす。)
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