JP2904470B2 - 車両のエネルギ回生ブレーキ装置 - Google Patents

車両のエネルギ回生ブレーキ装置

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JP2904470B2
JP2904470B2 JP16000594A JP16000594A JP2904470B2 JP 2904470 B2 JP2904470 B2 JP 2904470B2 JP 16000594 A JP16000594 A JP 16000594A JP 16000594 A JP16000594 A JP 16000594A JP 2904470 B2 JP2904470 B2 JP 2904470B2
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明伸 門井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の減速時に運動エ
ネルギを回収して、駆動エネルギとして利用する車両の
エネルギ回生装置に関し、特に回生ブレーキからサービ
スブレーキへの切換え時の違和感を低減する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエネルギ回生ブレーキ装
置としては、例えば、特開平2−117435号及び特
開平4−212845号公報等に開示された装置が知ら
れている。
【0003】これらの装置は、車輪駆動系に電磁クラッ
チを介して斜軸式のポンプモータを接続し、このポンプ
モータの一方のポートを高圧側のアキュムレータに接続
すると共に、他方のポートを低圧側のタンクに接続して
いる。そして、車両の減速時にはポンプモータを車輪駆
動系に接続して斜軸の傾転角を制御して、ポンプとして
作動させることにより、ポンプモータを負荷として車輪
駆動系を制御すると共に、アキュムレータに高圧オイル
を蓄圧することで車両の運動エネルギを回収する。この
ようにしてアキュムレータに蓄圧された高圧オイルは、
例えば、発進時等にポンプモータを車輪駆動系に接続し
てモータとして作用させるエネルギ源となり、車輪駆動
系の駆動エネルギとして利用する。
【0004】更に、前者の従来装置では回生装置の蓄圧
状態に応じてブレーキペダルの踏込み量と車輪に発生す
るブレーキトルクが対応するように比例制御弁を電子的
に制御するよう構成されている。また、後者の従来装置
では、ブレーキペダルの踏込み量が所定以下のサービス
ブレーキ(フットブレーキ)不作動領域で、回生ブレー
キを作動させると共に、この領域で回生ブレーキ解除条
件が成立した場合に、その時のブレーキペダル踏込み量
に応じたエア圧をブレーキ配管系に供給して、サービス
ブレーキを作動させる構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の装置においては、電子的な制御手段によってのみサ
ービスブレーキを駆動する構成であるため、制御手段の
故障時のフェールセーフ性に問題がある。また、上記後
者の装置においては、制御手段の故障時に機械的にサー
ビスブレーキが作動する構成であり、フェールセーフ性
は確保されている。しかし、この従来装置では、回生ブ
レーキからサービスブレーキへの切換え時に、ポンプモ
ータの斜軸の傾転角を直ちに中立位置(傾転角=0°)
に戻すように制御しているため、回生ブレーキ力が直ち
に降下する一方、サービスブレーキのエア配管系にエア
が充填するまでの時間遅れによるサービスブレーキの作
動遅れがあるため、制動力が一時的に低下して空走感が
生じるか、又は、ポンプモータの斜軸の傾転角を中立に
戻す速度に比して、補助ブレーキ回路によるサービスブ
レーキの立ち上がりが早い場合は合成ブレーキ力が一時
的に増加しその結果、制動ショックを感ずる等、回生ブ
レーキからサービスブレーキへの切換え時に違和感があ
った。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、回生ブレーキからサービスブレーキへの切換え
時のサービスブレーキ立ち上がり速度を緩やかなものと
し、制動によるショックを低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
ブレーキペダル操作時に回生ブレーキ作動条件が成立し
た時は、前記ブレーキペダルの踏込み量に対応してポン
プモータの斜軸の傾転角を制御し、車輪駆動系の回転力
によりポンプモータを駆動して、高圧オイルをアキュム
レータに蓄圧してブレーキエネルギを回収すると共に、
前記ブレーキペダルの踏込み量に応じた回生ブレーキ力
を得る回生装置を備えた車両のエネルギ回生ブレーキ装
置において、ブレーキペダルの所定踏込み量迄は作動し
ない不作動域を有する第1のブレーキバルブを介して、
ブレーキ圧力源からの圧力をサービスブレーキ装置に向
けて出力する主ブレーキ回路と、前記第1のブレーキバ
ルブの不作動域でもブレーキペダルに連動して作動する
第2のブレーキバルブを介してブレーキ圧力源からの圧
力をサービスブレーキ装置に向けて出力する補助ブレー
キ回路とを備え、高出力側のブレーキ回路を選択して、
サービスブレーキ装置に接続する構成であり、前記第2
のブレーキバルブの下流側に前記回生装置の作動時に閉
弁駆動され、補助ブレーキ回路の出力を停止する開閉弁
が介装され、更に、前記回生装置の作動時に、作動解除
条件が成立したか否かを判定する判定手段と、該判定手
段が作動解除条件成立と判断して前記開閉弁が開弁して
から、当該開閉弁下流側のブレーキ配管系に圧力が充填
される迄の期間で、前記作動解除条件成立判定時の傾転
角を徐々に制御して、回生ブレーキ力が発生しない中立
位置迄戻す傾転角減少制御手段とを備えている。
【0008】又、本発明では、前記アキュムレータの蓄
圧レベルを検出する蓄圧レベル検出手段と、前記ポンプ
モータの傾転角を前記蓄圧レベル検出手段の検出値に反
比例させて制御する制御手段とを設ける一方、前記補助
ブレーキ回路からの出力が同一のブレーキペダル踏込み
量において、回生装置のブレーキ力と等しくなるよう前
記第2のブレーキバルブを介して出力されるブレーキ圧
力源からの圧力を所定割合で減圧する減圧手段を前記補
助ブレーキ回路に、更に、同回路の前記減圧手段の下流
にオリフィスを介装する構成とした。
【0009】
【作用】上記の構成において、ブレーキペダル操作時
は、主ブレーキ回路と補助ブレーキ回路の圧力の高い側
の出力がサービスブレーキ装置側に選択供給される。従
って、第1のブレーキバルブの不作動域では補助ブレー
キ回路側の圧力がサービスブレーキ装置側に供給され
る。この時に回生装置の作動条件が成立すると、開閉弁
の閉弁動作で補助ブレーキ回路の出力は停止される一
方、回生装置が作動して、その時のブレーキペダルの踏
込み量に基づいてポンプモータの斜軸の傾転角が設定さ
れ、ブレーキペダル踏込み量に応じた回生ブレーキ力が
発生する。
【0010】この回生制動中に、判定手段が回生装置の
作動解除条件が成立したと判定すると、開閉弁が開弁し
て補助ブレーキ回路からサービスブレーキ装置に圧力が
供給される。また、回生装置側では、開閉弁下流側のブ
レーキ配管系に圧力が充填してサービスブレーキ装置の
ブレーキ力が発生するまでの遅れ期間の間で、傾転角減
少手段により、その判定時点のポンプモータの傾転角を
徐々に減少制御して回生ブレーキ力がなくなる中立位置
(傾転角0°)に戻すようにする。
【0011】これにより、サービスブレーキ力が発生す
るまで、回生ブレーキ力が残存するので、空走感を低減
できるようになる。
【0012】また、回生装置作動時に、蓄圧レベル検出
手段で検出された蓄圧レベルに応じて制御手段によりポ
ンプモータの傾転角を制御してブレーキ力を制御する。
即ち、蓄圧レベルが高い場合には傾転角を小さくし、蓄
圧レベルが低い時は傾転角を大きくし、蓄圧レベルの高
低に関係なくブレーキ力が一定になるように制御する一
方、補助ブレーキ回路の出力を、前記第2のブレーキバ
ルブを介して出力されるブレーキ圧力源からの圧力を所
定割合で減圧手段で減圧し、同一のブレーキペダル踏込
み量において回生装置のブレーキ力と等しくなるよう設
定するようにすれば、回生ブレーキからサービスブレー
キへの切り替わりの際には、常に、両方のブレーキ力が
同一レベルにあるため、より一層空走感を軽減できるよ
うになる。
【0013】更に、前述のように、開閉弁7が開弁され
た際に、補助ブレーキ回路中、減圧手段の後に介装され
たオリフィスにより補助ブレーキ回路を通ってサービス
ブレーキ装置に出力される圧力の立上がりの時定数(応
答遅れ時間)Tが従来の時定数T´に比べて長くなる。
したがって、斜軸の傾転角の戻し速度も緩やかになり、
徐々にサービスブレーキにブレーキ力分担を切り替える
こととなり、切換え時の減速ショックが軽減される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
述する。
【0015】図1は、本発明の車両のエネルギ回生ブレ
ーキ装置の配管図を示す。
【0016】図1において、ブレーキペダル1の踏込み
操作に連動する第1のブレーキバルブとしての主ブレー
キバルブ2は、ブレーキペダル1の踏込み角度θb等の
踏込み量に応じてエアリザーバ14、15からのエアを
制御してプライマリ回路18及びセカンダリ回路19に
夫々エアを供給する。主ブレーキバルブ2はブレーキペ
ダル1の踏込み角度θbが所定の値θ1 に達する迄はプ
ライマリ回路18及びセカンダリ回路19にエアを出力
しない不作動域を有する。ここで、前記プライマリ回路
18及びセカンダリ回路19が主ブレーキ回路を構成す
る。
【0017】同じくブレーキペダル1の踏み込操作に連
動する第2のブレーキバルブとしての補助ブレーキバル
ブ3は、ブレーキペダル1の踏込み角度θb等の踏込み
量に応じてエアリザーバ14からのエアを制御して補助
ブレーキ回路11に供給する。補助ブレーキ回路11に
は、減圧手段としてのリミティングアンドクイックリリ
ースバルブ(以下、LQRバルブとする)9、オリフィ
ス60及び開閉弁として常開式の電磁弁7が設けられ
る。前記LQRバルブ9は補助ブレーキバルブ3を介し
て補助ブレーキ回路11に供給されるエア圧を所定の割
合で減圧し、オリフィス60、及び電磁弁7を介してリ
レーバルブ8、8´の信号圧ポートに供給する。前記オ
リフィス60は補助ブレーキ回路を通ってサービスブレ
ーキ装置に出力される圧力の立上がりを遅らせ、後述の
回生装置30のポンプモータの斜軸の傾転角の戻し速度
を緩やかにし、徐々にサービスブレーキにブレーキ力分
担を切り替えるものであり、これにより切換え時の減速
ショックが軽減される。また、前記電磁弁7は、補助ブ
レーキバルブ3を介して補助ブレーキ回路11に出力さ
れるエア圧Pbを検出する圧力センサ6からの信号値に
基づいてコントロ−ラ10により回生装置30と共に駆
動される。
【0018】前記リレーバルブ8、8´は、エアリザー
バ14、15からのエアをLQRバルブ9からの信号圧
に対応したエア圧に調整してダブルチェック弁4、5の
一方のポートに夫々供給する。前記ダブルチェック弁
4、5の他方のポートはプライマリ回路18及びセコン
ダリ回路19に接続されている。そしてダブルチェック
弁4は、リレーバルブ8側のエア圧P3とプライマリ回
路18側のエア圧P1の内の高圧側を選択して後輪ブレ
ーキ回路20へ供給し、ダブルチェック弁5は、リレー
バルブ8´のエア圧P3とセカンダリ回路19側のエア
圧P2の内の高圧側を選択して前輪ブレーキ回路21へ
供給する。
【0019】ダブルチェック弁4に接続された後輪ブレ
ーキ回路20は、リレーバルブ22を介してブレーキチ
ャンバ24を駆動し、ダブルチェック弁5に接続された
前輪ブレーキ回路21はクイックリリースバルブ23を
介してブレーキチャンバ25を駆動する。これらブレー
キチャンバ24、25は図示しないブレーキドラムに連
結されて車輪に制動を加えるサービスブレーキ装置を構
成する。
【0020】前記回生装置30は、図2に示すように、
エンジン51の回転を変速して後輪53に伝達するトラ
ンスミッション52の出力軸に、コントロ−ラ10によ
り駆動される減速機54のギヤクラッチ54aを介して
斜軸式のポンプモータ31が連結する。ポンプモータ3
1の一方のポートには締切り弁32を介してアキュムレ
ータ33に接続する高圧油通路34が接続され、他方の
ポートにはタンク35に接続する低圧油通路36が接続
される。また、タンク35と前記締切り弁32との間に
はオイルフィルタ37及びオイルクーラ38を介装し、
定常走行時にポンプモータ31を介してオイルを循環さ
せるための油通路39が設けられている。
【0021】前記アキュムレータ33には回生されたエ
ネルギの量をピストン33aの位置として検出する低圧
レベルセンサ40が介装される。
【0022】コントロ−ラ10には車速センサ41から
の車速信号V、シフトレバー42からの変速位置信号、
アキュムレータ33の蓄圧レベルを検出する蓄圧レベル
センサ40からの蓄圧レベル信号L、前記補助ブレーキ
回路11の圧力を検出する圧力センサ6からの圧力信号
Pb等が入力される。コントロ−ラ10は、これら入力
信号に基づき、後述する図5のフローチャートに示すよ
うに、圧力センサ6の圧力信号Pb、車速V、蓄圧レベ
ルL、且つ、変速位置が所定の条件を満足し、回生ブレ
ーキ作動条件が成立すれば、高圧油通路34の締切り弁
32を開弁制御し、補助ブレーキ回路の電磁弁7を閉弁
制御し、運転者の要求する制動トルクを演算し、ポンプ
モータ31の流量を設定し、この設定値に見合うよう、
踏込み角度および蓄圧レベル等に応じて斜軸の傾転角を
制御する。
【0023】また、回生装置30の作動中に、車速V、
蓄圧レベルL、圧力Pbの何れか1つでも成立条件から
外れた場合には、サービスブレーキ側に切換えるべく電
磁弁7を開弁制御すると共に、ポンプモータ31の斜軸
に傾転角を徐々に減少制御して中立位置(傾転角0°)
まで戻すようにする。従って、コントロ−ラ10は、制
御手段、傾転角減少制御手段および判定手段の機能を備
えるものである。
【0024】ここで、ブレーキペダル1の踏込み角度θ
bと、主ブレーキバルブ2、補助ブレーキバルブ3及び
リレーバルブ8、8´が発生するエア圧との関係につい
て図3を参照しながら説明する。
【0025】ブレーキペダル1の踏込み角度θbがθ1
未満の領域は、主ブレーキバルブ2が作動しない不作動
域であり、電磁弁7が開弁状態にある回生装置30の休
止時には、ブレーキペダル1の踏込み角度θbに応じた
エア圧Pbが補助ブレーキバルブ3から補助ブレーキ回
路11を介してLQRバルブ9に供給され、LQRバル
ブ9は、入力圧と出力圧の関係が図4のような特性を有
し、所定の割合で減圧したエア圧をリレーバルブ8、8
´に信号圧として供給し、リレーバルブ8、8´から前
記LQRバルブ9からの信号エアに応じたエア圧P3が
出力され、このエア圧P3がダブルチェック弁4、5を
介して後輪ブレーキ回路20及び前輪ブレーキ回路21
に供給される。そして、前記エア圧P3が同一のブレー
キペダル踏込み角度θbにおいて回生装置30の制動力
と等しい制動力がサービスブレーキで得られるよう、L
QRバルブ9の減圧特性を設定してあるため、回生装置
30による回生ブレーキ力と等しいブレーキ力が発生す
る。
【0026】ブレーキペダル1の踏込み角度θbがθ1
を越えて踏込まれると、踏込み角度に応じて主ブレーキ
バルブ2からプライマリ回路18及びセカンダリ回路1
9にエア圧P1、P2の供給が開始される一方、補助ブ
レーキ回路11側のエア圧P3は一定の圧力を保持し、
プライマリ回路18からのエア圧P1がリレーバルブ8
からのエア圧P3を越える踏込み角度θ2 まではこのエ
ア圧P3に応じたサービスブレーキによる制動力が発生
する。
【0027】踏込み角度θbがθ2 を越えるとプライマ
リ回路18及びセカンダリ回路19側のエア圧P1、P
2によってサービスブレーキが作動し、これらエア圧P
1、P2に応じた制動力を発生する。
【0028】次に、図5のフローチャートを参照しなが
らコントロ−ラ10における制御動作について説明す
る。
【0029】まず、ステップ1(図中、S1で示し、以
下同様とする)では、圧力センサ6から補助ブレーキ回
路11の圧力Pbを読み込む。
【0030】ステップ2では、読み込んだ圧力Pbが予
め設定した圧力P0 を越えたか否か、即ち、運転者がブ
レーキペダルを踏込んだか否かを判定する。ここで、ブ
レーキペダルが踏込まれていればPb>P0 となってス
テップ3に進み、そうでない場合はステップ10以下の
処理に進む。
【0031】ステップ3では、圧力センサ40からアキ
ュムレータ蓄圧レベルLを読み込む。ステップ4では、
蓄圧レベルLが所定の最大蓄圧レベルLmax 未満か、即
ち、アキュムレータ33が許容蓄圧レベル以内か否かを
判定する。L<Lmax であればステップ5に進み、そう
でない場合はステップ2と同様にステップ10以下の処
理に進む。
【0032】ステップ5では、シフトレバー42からの
変速位置信号を読み込んで、運動エネルギを回収可能な
前進位置にあるか否かを判定する。ここでギヤ位置が前
進位置であればステップ6に進み、そうでない場合は、
ステップ10以下の処理に進む。
【0033】ステップ6では、車速センサ41からの車
速Vを読み込み、車速Vが予め設定した最低車速Vmin
を越え、且つ、ポンプモータ31の最大許容回転数とな
る最大車速Vmax 未満の運動エネルギを回収可能な車速
範囲であるか否かを判定し、YESの判定の時はステッ
プ7以下で後述するように回生ブレーキの作動により運
動エネルギを回収し、NOの判定の時はステップ10以
下の処理に進み、回生装置30を休止してサービスブレ
ーキ装置による制動を行なう。
【0034】即ち、補助ブレーキ回路11の圧力がP0
を越えたときに、蓄圧レベルLがLmax より小で、ギヤ
位置が前進位置であり、車速が所定の範囲内であれば、
回生装置30の作動条件成立と判断してステップ7以下
の処理により回生ブレーキによる制動を行ない、上記の
成立条件のうちの1つでも成立しない場合には、ステッ
プ10以下の処理を実行してサービスブレーキ装置によ
り制動を行なう。
【0035】回生ブレーキの作動条件が成立したとき
は、ステップ7において、締切弁32を開弁し、ステッ
プ8において、ポンプモータ31の斜軸の傾転角AP
を、その時のブレーキペダル1の踏込み角度θbに対応
したブレーキ力が発生するよう蓄圧レベルLに応じて可
変設定し、ステップ9で補助ブレーキ回路11の電磁弁
7を閉弁駆動する。これによりリレーバルブ8、8´へ
の信号圧力の供給を遮断してサービスブレーキ装置側へ
のエア圧の供給を停止する一方、後輪53の駆動力によ
りポンプモーター31をポンプとして作動させ、図2中
の矢印Aで示す如くタンク35内のオイルをアキュムレ
ータ33に圧送し、蓄圧して運動エネルギを回収すると
同時に回生ブレーキ力を発生させる。
【0036】一方、上記ステップ2、4、5、6の何れ
か1つの判断結果がNOの場合は、ステップ10で電磁
弁7を開弁状態とし、ステップ11で、ポンプモータ3
1の斜軸の傾転角APを0°(中立位置)に戻してポン
プモータ31を休止させ、締切弁32を閉弁駆動する。
これにより、回生装置30は作動せず、タンク35内の
オイルは、図2中、矢印Bで示す如く油通路39、締切
弁32、ポンプモータ31、低圧油通路36を循環し、
オイルフィルタ37、オイルクーラ38によって浄化、
冷却される。この時にブレ−キぺダル1が踏込まれた制
動状態である場合は、補助ブレ−キバルブ3を介して補
助ブレ−キ回路11に供給されるエア圧PbがLQRバ
ルブ9によって上述したように、所定割合で減圧されて
リレ−バルブ8、8´に信号圧として供給され、この信
号圧に応じたエア圧P3がリレ−バルブ8、8´からダ
ブルチェック弁4、5に供給される。そして、主ブレ−
キバルブ2の不作動域では、補助ブレ−キ回路11から
の出力で後輪ブレ−キ20及び前輪ブレ−キ回路21に
よりサ−ビスブレ−キによる制動が行なわれ、主ブレ−
キ回路2の作動域では、プライマリ回路18及びセカン
ダリ回路19側の圧力P1、P2と補助ブレーキ回路1
1側の圧力P3の高い方が選択されて後輪および前輪の
ブレーキ回路20、21に供給され、サービスブレーキ
を作動させる。
【0037】なお、発進等では、締切弁32を開弁し、
ポンプモータ31の斜軸の傾転角を中立位置にしてトラ
ンスミッションの出力軸側にポンプモータ31を接続す
ることにより、アキュムレータ33内の高圧オイルが図
2中、矢印Cのタンク35に流れてポンプモータ31が
モータとして作用して回収した運動エネルギを駆動エネ
ルギとして利用する。
【0038】ここで、回生装置30により回生ブレーキ
力が発生している状態で、上記ステップ4、6の蓄圧レ
ベルLと車速Vの検出値が、作動条件の範囲外となり、
作動解除条件が成立した場合は、上記ステップ11の傾
転角APを中立位置(傾転角0°)に戻す制御は補助ブ
レーキ回路11からの圧力に基づくサービスブレーキ装
置側の立ち上がり遅れを考慮して、徐々に減少制御して
中立位置に戻すように制御される。この場合には、ステ
ップ12の締切弁32はポンプモータ31の斜軸の傾転
角が中立位置に戻るまでは開弁保持する。
【0039】即ち、電磁弁7が開弁してから、電磁弁7
下流側のブレーキ配管系内にサービスブレーキ装置によ
るブレーキ力が発生するエア圧が充填される迄には時間
遅れがある。この遅れ時間はブレーキ配管系の構造によ
って略決まる。
【0040】従って、本実施例では、図6に示すよう
に、回生ブレーキ(A線)からサービスブレーキ(B
線)に切り替わる時に、その時点のポンプモータ31の
傾転角AP0 を、予め設定した遅れ時間Tの期間で徐々
に減少制御、即ち、AP0 /Tの傾きを持って中立位置
(傾転角0°)に戻すようにする。尚、同図中、A´
線、B´線、遅れ時間T´はLQRバルブ9と電磁バル
ブ7の間の補助ブレーキ回路11にオリフィス60を介
装しない場合を示す。
【0041】これにより、回生ブレーキからサービスブ
レーキへの切り替わり時では、図6の下側の図で示すよ
うに、徐々に低下する回生ブレーキ力と、徐々に立ち上
がるサービスブレーキ力の合成(C線)となり、従来装
置(C´線で示されるオリフィスがない場合)に比べて
ブレーキ力の一時的な上昇とその直後の急激な低下が無
く、回生ブレーキからサービスブレーキへの切り替わり
直後における空走感を低減できるとともに、切換え時の
減速ショックが軽減され運転者の違和感を解消できる。
【0042】次に、本実施例による回生装置30の作動
時における回生ブレーキ力について詳述する。
【0043】回生ブレーキ力Fbは、斜軸の傾転角AP
と蓄圧レベルLとの積(AP×L)に比例している。従
って、ブレーキペダル1の踏込み角度θbに応じてのみ
ポンプモータ31の斜軸の傾転角APを制御したので
は、蓄圧レベルLの変化に伴って回生ブレーキ力Fbも
変化してしまう。
【0044】そこで、本実施例では、図7に示すように
蓄圧レベルLの増大に従って傾転角APが小さくなるよ
う反比例の関係に制御することで、図8に示すようにブ
レーキペダルの踏込み角度θbと傾転角APとの関係が
蓄圧レベルLに応じて変化するように制御している。従
って、回生装置30の作動中、ブレーキペダル1の踏込
み角度θbを一定とした場合、時間の経過に従い蓄圧レ
ベルLが上昇するとこれに伴って傾転角APは次第に小
さくなる方向に制御され、図6及び図9の実線で示すよ
うに一定の回生ブレーキ力が得られるように制御され
る。そして、この回生ブレーキ力Fbと補助ブレーキ回
路11からの圧力P3によるサービスブレーキ力とが、
同一のブレーキペダル踏込み角度θbにおいて等しくな
るように設定されている。
【0045】このため、図9に示すように、回生ブレー
キの作動解除条件が成立して回生ブレーキからサービス
ブレーキへ切り替わった時に、図中一点鎖線で示す従来
の場合のようなブレーキ力の段差がなく、図中実線で示
すように等しいブレーキ力となるため、従来装置で傾転
角APを徐々に減少制御する場合に比べて、より一層ブ
レーキ切り替わり時におけるブレーキ力の変化が少な
く、空走感の低減効果が大きく、制動時の運転フィーリ
ングをさらに向上できる。
【0046】尚、上記のように、蓄圧レベルに応じてポ
ンプモータ31の傾転角APを制御することなく、従来
のようにブレーキペダル1の踏込み角度のみで傾転角A
Pを制御するようにした構成のものにおいて、回生ブレ
ーキからサービスブレーキへの切り替え時に、傾転角A
Pを徐々に低減制御する構成としてもよく、この場合で
も、回生ブレーキからサービスブレーキへ切り替わった
直後の空走感を低減出来ることは勿論である。
【0047】また、本実施例では、主ブレーキペダル2
の不作動域において、サービスブレーキ圧を発生させる
補助ブレーキ回路11を設けてあるので、回生装置30
が故障したときでも、補助ブレーキ回路11からの圧力
によってサービスブレーキが作動可能であるため、回生
装置30の故障時のフェールセーフ性が確保され、ブレ
ーキ装置の信頼性が確保され、ブレーキ装置の信頼性が
向上するという効果もある。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
生ブレーキの作動解除条件が成立して回生ブレーキが作
動を停止する際には、その時のポンプ頼傾転角を徐々に
減少しながら中立位置(傾転角0°)に戻すように構成
したので、回生ブレーキからサービスブレーキへ切り替
わるときのサービスブレーキの立ち上がり遅れに起因す
るブレーキ力の急激な低下を補うことが出来、回生ブレ
ーキからサービスブレーキへ切り替わる時の空走感、及
び減速によるショックを低減でき、制動時の運転フィー
リングを向上できる。
【0049】また、同一ブレーキペダル踏込み量に対
し、回生ブレーキ力とサービスブレーキ力とが等しくな
るように設定すると共に、蓄圧レベルに対してポンプモ
ータの傾転角を反比例の関係で制御して同一のブレーキ
ペダル踏込み量に対しては回生ブレーキ力が蓄圧レベル
に左右されることなく一定となるよう構成すれば、回生
ブレーキ力とサービスブレーキ力の段差がなくなり、よ
り一層空走感を低減でき、さらに、運転フィーリングを
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる車両のエネルギ回生ブレーキ
装置のブレーキ配管系の一実施例を示す図。
【図2】 回生装置の一実施例を示す構成図。
【図3】 ブレーキペダル踏込み角度と主ブレーキ回路
と補助ブレーキ回路の圧力との関係を示す図。
【図4】 本実施例のLQRバルブの入力と出力の関係
を示す図。
【図5】 本実施例のコントロ−ラの制御動作を示すフ
ローチャート図。
【図6】 本実施例の回生ブレーキからサービスブレー
キへの切り替わり時のブレーキ力の発生状態を説明する
図。
【図7】 本実施例の蓄圧レベルと傾転角の関係を示す
図。
【図8】 本実施例の傾転角とブレーキペダルの踏込み
角度との関係を示す図。
【図9】 蓄圧レベルに応じて傾転角を制御した場合と
ブレーキペダルの踏込み角度のみで傾転角を制御した場
合のブレーキ力の発生状態を説明する図。
【符号の説明】
1・・・ブレーキペダル 2・・・主ブレーキバルブ 3・・・補助ブレーキバルブ 4、5・・・ダブルチェック弁 6・・・圧力センサ 10・・・コントロ−ラ 11・・・補助ブレーキ回路 18・・・プライマリ回路 19・・・セカンダリ回路 20・・・後輪ブレーキ回路 21・・・前輪ブレーキ回路 30・・・回生装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−117435(JP,A) 特開 平6−56008(JP,A) 特開 平2−120163(JP,A) 特開 平1−197166(JP,A) 実開 平2−121370(JP,U) 実開 平2−121372(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 61/00 B60K 25/00 B60T 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダル操作時に回生ブレーキ作
    動条件が成立した時は、前記ブレーキペダルの踏込み量
    に対応してポンプモータの斜軸の傾転角を制御し、車輪
    駆動系の回転力によりポンプモータを駆動して、高圧オ
    イルをアキュムレータに蓄圧してブレーキエネルギを回
    収すると共に、前記ブレーキペダルの踏込み量に応じた
    回生ブレーキ力を得る回生装置を備えた車両のエネルギ
    回生ブレーキ装置において、ブレーキペダルの所定踏込
    み量迄は作動しない不作動域を有する第1のブレーキバ
    ルブを介して、ブレーキ圧力源からの圧力をサービスブ
    レーキ装置に向けて出力する主ブレーキ回路と、前記第
    1のブレーキバルブの不作動域でもブレーキペダルに連
    動して作動する第2のブレーキバルブを介してブレーキ
    圧力源からの圧力をサービスブレーキ装置に向けて出力
    する補助ブレーキ回路とを備え、高出力側のブレーキ回
    路を選択して、サービスブレーキ装置に接続する構成で
    あり、前記第2のブレーキバルブの下流側に前記回生装
    置の作動時に閉弁駆動され、補助ブレーキ回路の出力を
    停止する開閉弁が介装され、更に、前記回生装置の作動
    時に、作動解除条件が成立したか否かを判定する判定手
    段と、該判定手段が作動解除条件成立と判断して前記開
    閉弁が開弁してから当該開閉弁下流側のブレーキ配管系
    に圧力が充填される迄の期間で、前記作動解除条件成立
    判定時の傾転角を徐々に制御して、回生ブレーキ力が発
    生しない中立位置迄戻す傾転角減少制御手段とを備えた
    ことを特徴とする車両のエネルギ回生ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記アキュムレータの蓄圧レベルを検出
    する蓄圧レベル検出手段と、前記ポンプモータの傾転角
    を前記蓄圧レベル検出手段の検出値に反比例させて制御
    する制御手段とを設け、前記補助ブレーキ回路からの出
    力が同一のブレーキペダル踏込み量において、回生装置
    のブレーキ力と等しくなるよう前記第2のブレーキバル
    ブを介して出力されるブレーキ圧力源からの圧力を所定
    割合で減圧する減圧手段を前記補助ブレーキ回路に、更
    に、同回路の前記減圧手段の下流にオリフィスを介装す
    る構成とした請求項1記載の車両のエネルギ回生ブレー
    キ装置。
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