JP2949399B2 - 車両のエネルギ回生ブレーキ装置 - Google Patents

車両のエネルギ回生ブレーキ装置

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JP2949399B2 JP6390794A JP6390794A JP2949399B2 JP 2949399 B2 JP2949399 B2 JP 2949399B2 JP 6390794 A JP6390794 A JP 6390794A JP 6390794 A JP6390794 A JP 6390794A JP 2949399 B2 JP2949399 B2 JP 2949399B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の減速時に運動エ
ネルギを回収して、駆動エネルギとして利用する車両の
エネルギ回生ブレーキ装置に関し、特に、回生ブレーキ
からサービスブレーキへの切換え時の違和感を低減する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエネルギ回生ブレーキ装
置としては、例えば、特開平2−117435号及び特
開平4−212845号公報等に開示された装置が知ら
れている。これらの装置は、車輪駆動系に電磁クラッチ
を介して斜軸式のポンプモータを接続し、このポンプモ
ータの一方のポートを高圧側のアキュムレータに接続す
ると共に、他方のポートを低圧側のタンクに接続してい
る。そして、車両の減速時にはポンプモータを車輪駆動
系に接続して斜軸の傾転角を制御してポンプとして作動
させることにより、ポンプモータを負荷として車輪駆動
系を制動すると共に、アキュムレータに高圧オイルを蓄
圧することで車両の運動エネルギを回収する。このよう
にしてアキュムレータに蓄圧された高圧オイルは、例え
ば発進時等にポンプモータを車輪駆動系に接続してモー
タとして作用させるエネルギ源となり、車輪駆動系の駆
動エネルギとして利用する。
【0003】更に、前者の従来装置では回生装置の蓄圧
状態に応じてブレーキペダルの踏込み量と車輪に発生す
るブレーキトルクが対応するように比例制御弁を電子的
に制御するよう構成されている。また、後者の従来装置
では、ブレーキペダルの踏込み量が所定値以下のサービ
スブレーキ(フットブレーキ)不作動領域で、回生ブレ
ーキを作動させると共に、この領域で回生ブレーキ解除
条件が成立した場合に、その時のブレーキペダル踏込み
量に応じたエア圧をブレーキ配管系に供給してサービス
ブレーキを作動させる構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の装置においては、電子的な制御手段によってのみサ
ービスブレーキを駆動する構成であるため、制御手段の
故障時のフェールセーフ性に問題がある。また、上記後
者の装置においては、制御手段の故障時に機械的にサー
ビスブレーキが作動する構成であり、フェールセーフ性
は確保されている。しかし、この従来装置では、回生ブ
レーキからサービスブレーキへの切換え時に、ポンプモ
ータの斜軸の傾転角を直ちに中立位置(傾転角=0°)
に戻すように制御しているため、回生ブレーキ力が直ち
に立ち下がる一方、サービスブレーキのエア配管系にエ
アが充満するまでの時間遅れによるサービスブレーキの
作動遅れがあるため、制動力が一時的に低下して空走感
が生じ、回生ブレーキからサービスブレーキへの切換え
時に違和感があった。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、回生ブレーキからサービスブレーキへの切換え
時のサービスブレーキ立ち上がり遅れに起因する空走感
を低減できる車両のエネルギ回生ブレーキ装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
ブレーキペダル操作時に回生ブレーキ作動条件が成立し
た時は、前記ブレーキペダルの踏込み量に対応してポン
プモータの斜軸の傾転角を制御し車輪駆動系の回転力に
よりポンプモータを駆動して高圧オイルをアキュムレー
タに蓄圧してブレーキエネルギを回収すると共に前記ブ
レーキペダルの踏込み量に応じた回生ブレーキ力を得る
回生装置を備えた車両のエネルギ回生ブレーキ装置であ
って、ブレーキペダルの所定踏込み量までは作動しない
不作動域を有する第1のブレーキバルブを介してブレー
キ圧力源からの圧力をサービスブレーキ装置に向けて出
力する主ブレーキ回路と、前記第1のブレーキバルブの
不作動域でもブレーキペダルに連動して作動する第2の
ブレーキバルブを介してブレーキ圧力源からの圧力をサ
ービスブレーキ装置に向けて出力する補助ブレーキ回路
とを備え、高出力側のブレーキ回路を選択してサービス
ブレーキ装置に接続する構成であり、前記第2のブレー
キバルブの下流側に、前記回生装置の作動時に閉弁駆動
されて補助ブレーキ回路の出力を停止する開閉弁が介装
される構成のものにおいて、前記回生装置の作動時に作
動解除条件が成立したか否かを判定する判定手段と、該
判定手段が作動解除条件成立と判定して前記開閉弁が開
弁してから当該開閉弁下流側のブレーキ配管系に圧力が
充填されるまでの期間で、前記作動解除条件成立判定時
の傾転角を徐々に減少制御して回生ブレーキ力の発生し
ない中立位置まで戻す傾転角減少制御手段とを備えて構
成した。
【0007】また、前記アキュムレータの蓄圧レベルを
検出する蓄圧レベル検出手段と、前記ポンプモータの傾
転角を前記蓄圧レベル検出手段の検出値に反比例させて
制御する制御手段とを設ける一方、前記補助ブレーキ回
路からの出力が同一のブレーキペダル踏込み量において
回生装置のブレーキ力と等しくなるよう前記第2のブレ
ーキバルブを介して出力されるブレーキ圧力源からの圧
力を所定割合で減圧する減圧手段を、前記補助ブレーキ
回路に介装する構成とするとよい。
【0008】
【作用】上記の構成において、ブレーキペダル操作時
は、主ブレーキ回路と補助ブレーキ回路の圧力の高い側
の出力がサービスブレーキ装置側に選択供給される。従
って、第1のブレーキバルブの不作動域では補助ブレー
キ回路側の圧力がサービスブレーキ装置側に供給され
る。この時に、回生装置の作動条件が成立すると、開閉
弁の閉弁動作で補助ブレーキ回路の出力は停止される一
方、回生装置が作動して、その時のブレーキペダルの踏
込み量に基づいてポンプモータの斜軸の傾転角が設定さ
れ、ブレーキペダル踏込み量に応じた回生ブレーキ力が
発生する。
【0009】この回生制動中に、判定手段が回生装置の
作動解除条件が成立したと判定すると、開閉弁が開弁し
て補助ブレーキ回路からサービスブレーキ装置に圧力が
供給される。また、回生装置側では、開閉弁下流側のブ
レーキ配管系に圧力が充填してサービスブレーキ装置の
ブレーキ力が発生するまでの遅れ期間の間で、傾転角減
少制御手段により、その判定時点のポンプモータの傾転
角を徐々に減少制御して回生ブレーキ力がなくなる中立
位置(傾転角0°)に戻すようにする。
【0010】これにより、サービスブレーキ力が発生す
るまで、回生ブレーキ力が残存するので、空走感を低減
できるようになる。また、回生装置作動時に、蓄圧レベ
ル検出手段で検出された蓄圧レベルに応じて制御手段に
よりポンプモータの傾転角を制御してブレーキ力を制御
する。即ち、蓄圧レベルが高い場合には傾転角を小さく
し、蓄圧レベルが低い時は傾転角を大きくし、蓄圧レベ
ルの高低に関係なくブレーキ力が一定となるように制御
する一方、補助ブレーキ回路の出力を、前記第2のブレ
ーキバルブを介して出力されるブレーキ圧力源からの圧
力を所定割合で減圧手段で減圧し、同一のブレーキペダ
ル踏込み量において回生装置のブレーキ力と等しくなる
よう設定するようにすれば、回生ブレーキからサービス
ブレーキへの切り換わりの際には、常に、両方のブレー
キ力が同一レベルにあるため、より一層空走感を低減で
きるようになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
述する。図1は、本発明の車両のエネルギ回生ブレーキ
装置の配管図を示す。図1において、ブレーキペダル1
の踏込み操作に連動する第1のブレーキバルブとしての
主ブレーキバルブ2は、ブレーキペダル1の踏込み角度
θb等の踏込み量に応じてエアリザーバ14,15からのエ
アを制御してプライマリ回路18及びセカンダリ回路19に
それぞれエアを供給する。主ブレーキバルブ2は、ブレ
ーキペダル1の踏込み角度θbが所定の値θ1 に達する
まではプライマリ回路18及びセカンダリ回路19にエアを
出力しない不作動域を有する。ここで、前記プライマリ
回路18及びセカンダリ回路19が主ブレーキ回路を構成す
る。
【0012】同じくブレーキペダル1の踏込み操作に連
動する第2のブレーキバルブとしての補助ブレーキバル
ブ3は、ブレーキペダル1の踏込み角度θb等の踏込み
量に応じてエアリザーバ14からのエアを制御して補助ブ
レーキ回路11に供給する。補助ブレーキ回路11には、減
圧手段としてのリミティングアンドクイックリリースバ
ルブ(以下、LQRバルブとする)9及び開閉弁として
常開式の電磁弁7が設けられる。前記LQRバルブ9
は、補助ブレーキバルブ3を介して補助ブレーキ回路11
に供給されるエア圧を所定の割合で減圧し電磁弁7を介
してリレーバルブ8,8′の信号圧ポートに供給する。
前記電磁弁7は、補助ブレーキバルブ3を介して補助ブ
レーキ回路11に出力されるエア圧Pbを検出する圧力セ
ンサ6からの検出値に基づいてコントローラ10により回
生装置30と共に駆動される。
【0013】前記リレーバルブ8,8′は、エアエザー
バ14,15からのエアを、LQRバルブ9からの信号圧に
対応したエア圧に調整してダブルチェック弁4,5の一
方のポートにそれぞれ供給する。前記ダブルチェック弁
4,5の他方のポートは、プライマリ回路18及びセカン
ダリ回路19に接続されている。そして、ダブルチェック
弁4は、リレーバルブ8側のエア圧P3とプライマリ回
路18側のエア圧P1のうちの高圧側を選択して後輪ブレ
ーキ回路20へ供給し、ダブルチェック弁5は、リレーバ
ルブ8′のエア圧P3とセカンダリ回路19側のエア圧P
2のうちの高圧側を選択して前輪ブレーキ回路21へ供給
する。
【0014】ダブルチェック弁4に接続された後輪ブレ
ーキ回路20は、リレーバルブ22を介してブレーキチャン
バ24を駆動し、ダブルチェック弁5に接続された前輪ブ
レーキ回路21はクイックリリースバルブ23を介してブレ
ーキチャンバ25を駆動する。これらブレーキチャンバ2
4,25は図示しないブレーキドラムに連結されて車輪に
制動を加えるサービスブレーキ装置を構成する。
【0015】前記回生装置30は、図2に示すように、エ
ンジン51の回転を変速して後輪53に伝達するトランスミ
ッション52の出力軸に、コントローラ10により駆動され
る減速機54のギヤクラッチ54aを介して斜軸式のポンプ
モータ31が連結する。ポンプモータ31の一方のポートに
は締切弁32を介してアキュムレータ33に接続する高圧油
通路34が接続され、他方のポートにはタンク35に接続す
る低圧油通路36が接続される。また、タンク35と前記締
切弁32との間には、オイルフィルタル37及びオイルクー
ラ38を介装し、定常走行時にポンプモータ31を介してオ
イルを循環させるための油通路39が設けられている。
【0016】前記アキュムレータ33には回生されたエネ
ルギの量をピストン33aの位置として検出する蓄圧レベ
ルセンサ40が介装される。コントローラ10には、車速セ
ンサ41からの車速信号V、シフトレバー42からの変速位
置信号、アキュムレータ33の蓄圧レベルを検出する蓄圧
レベルセンサ40からの蓄圧レベル信号L、前記補助ブレ
ーキ回路11の圧力を検出する圧力センサ6からの圧力信
号Pb等が入力される。コントローラ10は、これら入力
信号に基づいて、後述する図5のフローチャートに示す
ように、圧力センサ6の圧力信号Pb、車速V、蓄圧レ
ベルL、且つ、変速位置が所定の条件を満足し、回生ブ
レーキ作動条件が成立すれば、高圧油通路34の締切弁32
を開弁制御し、補助ブレーキ回路の電磁弁7を閉弁制御
し、運転者の要求する制動トルクを演算しポンプモータ
31の流量を設定し、この設定値に見合うよう、踏込み角
度及び蓄圧レベル等に応じて斜軸の傾転角を制御する。
【0017】また、回生装置30の作動中に、車速V、蓄
圧レベルL、圧力Pbのいずれか1つでも成立条件から
外れた場合には、サービスブレーキ側に切り換えるべく
電磁弁7を開弁制御すると共に、ポンプモータ31の斜軸
の傾転角を徐々に減少制御して中立位置(傾転角0°)
まで戻すようにする。従って、コントローラ10は、制御
手段、傾転角減少制御手段及び判定手段の機能を備える
ものである。
【0018】ここで、ブレーキペダル1の踏込み角度θ
bと、主ブレーキバルブ2、補助ブレーキバルブ3及び
リレーバルブ8,8′が発生するエア圧との関係につい
て図3を参照しながら説明する。ブレーキペダル1の踏
込み角度θbがθ1 未満の領域は、主ブレーキバルブ2
が作動しない不作動域であり、電磁弁7が開弁状態にあ
る回生装置30の休止時には、ブレーキペダル1の踏込み
角度θbに応じたエア圧Pbが補助ブレーキバルブ3か
ら補助ブレーキ回路11を介してLQRバルブ9に供給さ
れ、LQRバルブ9は、入力圧と出力圧の関係が図4の
ような特性を有し、所定の割合で減圧したエア圧をリレ
ーバルブ8,8′に信号圧として供給し、リレーバルブ
8,8′から前記LQRバルブ9からの信号エア圧に応
じたエア圧P3が出力され、このエア圧P3がダブルチ
ェック弁4,5を介して後輪ブレーキ回路20及び前輪ブ
レーキ回路21に供給される。そして、前記エア圧P3が
同一のブレーキペダル踏込み角θbにおいて回生装置30
の制動力と等しい制動力がサービスブレーキで得られる
よう、LQRバルブ9の減圧特性を設定してあるため、
回生装置30による回生ブレーキ力と等しいブレーキ力が
発生する。
【0019】ブレーキペダル1の踏込み角度θbがθ1
を越えて踏み込まれると、踏込み角度に応じて主ブレー
キバルブ2からプライマリ回路18及びセカンダリ回路19
にエア圧P1,P2の供給が開始される一方、補助ブレ
ーキ回路11側のエア圧P3は一定の圧力を保持し、プラ
イマリ回路18からのエア圧P1がリレーバルブ8からの
エア圧P3を越える踏込み角度θ2 まではこのエア圧P
3に応じたサービスブレーキによる制動力が発生する。
【0020】踏込み角度θbがθ2 を越えると、プライ
マリ回路18及びセカンダリ回路19側のエア圧P1,P2
によってサービスブレーキが作動し、これらエア圧P
1,P2に応じた制動力を発生する。次に、図5のフロ
ーチャートを参照しながらコントローラ10における制御
動作について説明する。
【0021】まず、ステップ1(図中、S1で示し、以
下同様とする)では、圧力センサ6から補助ブレーキ回
路11の圧力Pbを読み込む。ステップ2では、読み込ん
だ圧力Pbが予め設定した圧力Poを越えたか否か、即
ち、運転者がブレーキペダル1を踏み込んだか否かを判
定する。ここで、ブレーキペダル1が踏み込まれていれ
ばPb>Poとなってステップ3に進み、そうでない場
合はステップ10以下の処理に進む。
【0022】ステップ3では、蓄圧センサ40からアキュ
ムレータ蓄圧レベルLを読み込む。ステップ4では、蓄
圧レベルLが所定の最大蓄圧レベルLmax 未満か、即
ち、アキュムレータ33が許容蓄圧レベル以内か否かを判
定する。L<Lmax であればステップ5に進み、そうで
ない場合は、ステップ2と同様にステップ10以下の処理
に進む。
【0023】ステップ5では、シフトレバー42からの変
速位置信号を読み込んで、運動エネルギを回収可能な前
進位置にあるか否かを判定する。ここでギヤ位置が前進
位置であればステップ6に進み、そうでない場合は、ス
テップ10以下の処理に進む。ステップ6では、車速セン
サ41からの車速Vを読み込み、車速Vが予め設定した最
低車速Vmin を越え、且つ、ポンプモータ31の最大許容
回転数となる最大車速Vmax 未満の運動エネルギを回収
可能な車速範囲であるか否かを判定し、YESの判定の
時はステップ7以下の後述するように回生ブレーキの作
動により運動エネルギを回収し、NOの判定の時はステ
ップ10以下の処理に進み、回生装置30を休止してサービ
スブレーキ装置による制動を行う。
【0024】即ち、補助ブレーキ回路11の圧力がPoを
越えた時に、蓄圧レベルLがLmaxより小で、ギヤ位置
が前進位置であり、車速が所定の範囲内であれば、回生
装置30の作動条件成立と判断してステップ7以下の処理
により回生ブレーキによる制動を行い、上記の成立条件
のうちの1 つでも成立しない場合には、ステップ10以下
の処理を実行してサービスブレーキ装置により制動を行
う。
【0025】回生ブレーキの作動条件が成立した時は、
ステップ7において、締切弁32を開弁し、ステップ8に
おいて、ポンプモータ31の斜軸の傾転角APを、その時
のブレーキペダル1の踏込み角度θbに対応したブレー
キ力が発生するよう蓄圧レベルLに応じて可変設定し、
ステップ9で補助ブレーキ回路11の電磁弁7を閉弁駆動
する。これにより、リレーバルブ8,8′への信号圧力
の供給を遮断してサービスブレーキ装置側へのエア圧の
供給を停止する一方、後輪53の駆動力によりポンプモー
タ31をポンプとして作動させ、図2中の矢印Aで示す如
くタンク35内のオイルをアキュムレータ33に圧送し、蓄
圧して運動エネルギを回収すると同時に回生ブレーキ力
を発生させる。
【0026】一方、上記ステップ2,4,5,6のいず
れか1つの判定結果がNOの場合は、ステップ10で電磁
弁7を開弁状態とし、ステップ11で、ポンプモータ31の
斜軸の傾転角APを0°(中立位置)に戻してポンプモ
ータ31を休止させ、締切弁32を閉弁駆動する。これによ
り、回生装置30は作動せず、タンク35内のオイルは、図
2中矢印Bで示す如く油通路39、締切弁32、ポンプモー
タ31、低圧油通路36を循環し、オイルフィルタ37、オイ
ルクーラ38によって浄化、冷却される。この時にブレー
キペダル1が踏み込まれた制動状態である場合は、補助
ブレーキバルブ3を介して補助ブレーキ回路11に供給さ
れるエア圧PbがLQRバルブ9によって上述したよう
に、所定割合で減圧されてリレーバルブ8,8′に信号
圧として供給され、この信号圧に応じたエア圧P3がリ
レーバルブ8,8′からダブルチェック弁4,5に供給
される。そして、主ブレーキバルブ2の不作動域では、
補助ブレーキ回路11からの出力で後輪ブレーキ回路20及
び前輪ブレーキ回路21によりサービスブレーキによる制
動が行われ、主ブレーキ回路2の作動域では、プライマ
リ回路18及びセカンダリ回路19側の圧力P1,P2と補
助ブレーキ回路11側の圧力P3の高い方が選択されて後
輪及び前輪のブレーキ回路20,21に供給され、サービス
ブレーキを作動させる。
【0027】尚、発進等では、締切弁32を開弁し、ポン
プモータ31の斜軸の傾転角を中立位置にしてトランスミ
ッションの出力軸側にポンプモータ31を接続することに
より、アキュムレータ33内の高圧オイルが図2中矢印C
のタンク35側に流れてポンプモータ31がモータとして作
用して回収した運動エネルギを駆動エネルギとして利用
する。
【0028】ここで、回生装置30により回生ブレーキ力
が発生している状態で、上記スプリッタ4,6の蓄圧レ
ベルLと車速Vの検出値が、作動条件の範囲外となり、
作動解除条件が成立した場合は、上記ステップ11の傾転
角APを中立位置(傾転角0°)に戻す制御は、補助ブ
レーキ回路11からの圧力に基づくサービスブレーキ装置
側の立ち上がり遅れを考慮して、徐々に減少制御して中
立位置に戻すように制御される。この場合には、ステッ
プ12の締切弁32はポンプモータ31の斜軸の傾転角が中立
位置に戻るまでは開弁保持する。
【0029】即ち、電磁弁7が開弁してから、電磁弁7
下流側のブレーキ配管系内にサービスブレーキ装置によ
るブレーキ力が発生するエア圧が充填されるまでには時
間遅れがある。この遅れ時間はブレーキ配管系の構造に
よって略決まる。従って、本実施例では、図6に示すよ
うに、回生ブレーキからサービスブレーキに切換わる時
に、その時点のポンプモータ31の傾転角APoを、予め
設定した遅れ時間Tの期間で徐々に減少制御、即ち、A
Po/Tの傾きを持って中立位置(傾転角0°)に戻す
ようにする。これにより、回生ブレーキからサービスブ
レーキへの切り換わり時では、図6の下側の図で示すよ
うに、徐々に低下する回生ブレーキ力と徐々に立ち上が
るサービスブレーキ力の合成力となり、従来装置に比べ
てブレーキ力の急激な低下がなく、回生ブレーキからサ
ービスブレーキへの切り換わり直後における空走感を低
減でき、運転者の違和感を解消できる。
【0030】次に、本実施例による回生装置30の作動時
における回生ブレーキ力について詳述する。回生ブレー
キ力Fbは、斜軸の傾転角APと蓄圧レベルLとの積
(AP×L)に比例している。従って、ブレーキペダル
1の踏込み角度θbに応じてのみポンプモータ31の斜軸
の傾転角APを制御したのでは、蓄圧レベルLの変化に
伴って回生ブレーキ力Fbも変化してしまう。
【0031】そこで、本実施例では、図7に示すように
蓄圧レベルLの増大に従って傾転角APが小さくなるよ
う反比例の関係に制御することで、図8に示すようにブ
レーキペダルの踏込み角度θbと傾転角APと関係が蓄
圧レベルL応じて変化するように制御している。従っ
て、回生装置30の作動中、ブレーキペダル1の踏込み角
度θbを一定とした場合、時間の経過に従い蓄圧レベル
Lが上昇するとこれに伴って傾転角APは次第に小さく
なる方向に制御され、図6及び図9の実線で示すように
一定の回生ブレーキ力が得られるように制御される。そ
して、この回生ブレーキ力Fbと補助ブレーキ回路11か
らの圧力P3によるサービスブレーキ力とが、同一のブ
レーキペダル踏込み角度θbにおいて等しくなるように
設定されている。
【0032】このため、図9に示すように、回生ブレー
キの作動解除条件が成立して回生ブレーキからサービス
ブレーキへ切り換わった時に、図中一点鎖線で示す従来
の場合のようなブレーキ力の段差が発生することがな
く、図中実線で示すように等しいブレーキ力となるた
め、従来装置で傾転角APを徐々に減少制御する場合に
比べて、より一層、ブレーキ切り換わり時におけるブレ
ーキ力の変化が少なく、空走感の低減効果が大きく、制
動時の運転フィーリングを更に向上できる。
【0033】尚、上記のように、蓄圧レベルに応じてポ
ンプモータ31の傾転角APを制御することなく、従来の
ようにブレーキペダル1の踏込み角θbのみで傾転角A
Pを制御するようにした構成のものにおいて、回生ブレ
ーキからサービスブレーキへの切換え時に、傾転角AP
を徐々に低減制御する構成としてもよく、この場合で
も、回生ブレーキからサービスブレーキへ切り換わった
直後の空走感を低減できることは勿論である。
【0034】また、本実施例では、主ブレーキペダル2
の不作動域において、サービスブレーキ圧を発生させる
補助ブレーキ回路11を設けてあるので、回生装置30が故
障した時でも、補助ブレーキ回路11からの圧力によって
サービスブレーキが作動可能であるため、回生装置30の
故障時のフェールセーフ性が確保され、ブレーキ装置の
信頼性が向上するという効果もある。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
生ブレーキの作動解除条件が成立して回生ブレーキが作
動を停止する際には、その時のポンプモータの傾転角を
徐々に減少しながら中立位置(傾転角0°)に戻すよう
構成したので、回生ブレーキからサービスブレーキへ切
り換わる時のサービスブレーキの立ち上がり遅れに起因
するブレーキ力の急激な低下を補うことができ、回生ブ
レーキからサービスブレーキへ切り換わる時の空走感を
低減でき、制動時の運転フィーリングを向上できる。
【0036】また、同一ブレーキペダル踏込み量に対し
回生ブレーキ力とサービスブレーキ力とが等しくなるよ
うに設定すると共に、蓄圧レベルに対してポンプモータ
の傾転角を反比例の関係で制御して同一のブレーキペダ
ル踏込み量に対しては回生ブレーキ力が蓄圧レベルの左
右されることなく一定となるよう構成すれば、回生ブレ
ーキ力とサービスブレーキ力の段差がなくなり、より一
層空走感を低減でき、更に、運転フィーリングを向上で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両のエネルギ回生ブレーキ装
置のブレーキ配管系を一実施例を示す図
【図2】 回生装置の一実施例を示す構成図
【図3】 ブレーキペダル踏込み角度と主ブレーキ回路
と補助ブレーキ回路の圧力との関係を示す図
【図4】 本実施例のLQRバルブの入力と出力との関
係を示す図
【図5】 本実施例のコントローラの制御動作を示すフ
ローチャート
【図6】 本実施例の回生ブレーキからサービスブレー
キへの切り換わり時のブレーキ力の発生状態を説明する
【図7】 本実施例の蓄圧レベルと傾転角との関係を示
す図
【図8】 本実施例の傾転角とブレーキペダルの踏込み
角度との関係を示す図
【図9】 蓄圧レベルに応じて傾転角を制御した場合と
ブレーキペダルの踏込み角度のみで傾転角を制御した場
合のブレーキ力の発生状態を説明する図
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 主ブレーキバルブ 3 補助ブレーキバルブ 4,5 ダブルチェック弁 6 圧力センサ 10 コントローラ 11 補助ブレーキ回路 18 プライマリ回路 19 セカンダリ回路 20 後輪ブレーキ回路 21 前輪ブレーキ回路 30 回生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門井 明伸 埼玉県上尾市大字壱丁目1番地 日産デ ィーゼル工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−56008(JP,A) 特開 平6−107136(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 25/00 B60T 1/10 B60T 10/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダル操作時に回生ブレーキ作
    動条件が成立した時は、前記ブレーキペダルの踏込み量
    に対応してポンプモータの斜軸の傾転角を制御し車輪駆
    動系の回転力によりポンプモータを駆動して高圧オイル
    をアキュムレータに蓄圧してブレーキエネルギを回収す
    ると共に前記ブレーキペダルの踏込み量に応じた回生ブ
    レーキ力を得る回生装置を備えた車両のエネルギ回生ブ
    レーキ装置であって、ブレーキペダルの所定踏込み量ま
    では作動しない不作動域を有する第1のブレーキバルブ
    を介してブレーキ圧力源からの圧力をサービスブレーキ
    装置に向けて出力する主ブレーキ回路と、前記第1のブ
    レーキバルブの不作動域でもブレーキペダルに連動して
    作動する第2のブレーキバルブを介してブレーキ圧力源
    からの圧力をサービスブレーキ装置に向けて出力する補
    助ブレーキ回路とを備え、高出力側のブレーキ回路を選
    択してサービスブレーキ装置に接続する構成であり、前
    記第2のブレーキバルブの下流側に、前記回生装置の作
    動時に閉弁駆動されて補助ブレーキ回路の出力を停止す
    る開閉弁が介装される構成のものにおいて、 前記回生装置の作動時に作動解除条件が成立したか否か
    を判定する判定手段と、 該判定手段が作動解除条件成立と判定して前記開閉弁が
    開弁してから当該開閉弁下流側のブレーキ配管系に圧力
    が充填されるまでの期間で、前記作動解除条件成立判定
    時の傾転角を徐々に減少制御して回生ブレーキ力の発生
    しない中立位置まで戻す傾転角減少制御手段と、 を備えたことを特徴とする車両のエネルギ回生ブレーキ
    装置。
  2. 【請求項2】 前記アキュムレータの蓄圧レベルを検出
    する蓄圧レベル検出手段と、 前記ポンプモータの傾転角を前記蓄圧レベル検出手段の
    検出値に反比例させて制御する制御手段とを設ける一
    方、 前記補助ブレーキ回路からの出力が同一のブレーキペダ
    ル踏込み量において回生装置のブレーキ力と等しくなる
    よう前記第2のブレーキバルブを介して出力されるブレ
    ーキ圧力源からの圧力を所定割合で減圧する減圧手段
    を、前記補助ブレーキ回路に介装する構成とした請求項
    1記載の車両のエネルギ回生ブレーキ装置。
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