JP2902892B2 - ディスクプレーヤーのサーチ方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、線速度一定にて回転す
るディスクに記録されている信号を光学式ピックアップ
により読み出すように構成されたディスクプレーヤーの
サーチ方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】デジタル信号により音楽等の情報データ
が記録されているディスクより信号を光学式ピックアッ
プを用いて読み出すことによって再生動作を行うディス
クプレーヤーが普及しており、斯かるディスクプレーヤ
ーの代表的なものとしてＣＤプレーヤーがある。

【０００３】斯かるＣＤプレーヤーに使用されるディス
クには、周知の如く、音楽情報等の主データ信号の他に
再生に伴って１／７５秒周期で１ブロックが完成される
サブコーディング信号と呼ばれる副データ信号が記録さ
れている。斯かるサブコーディング信号は、Ｐ，Ｑ〜Ｗ
チャンネルの８つのチャンネルから構成され、その中の
Ｐチャンネルに曲の頭の位置を示す位置指標情報が含ま
れているとともにＱチャンネルに信号トラックの始点か
らの絶対経過時間、曲毎の経過時間及び曲番等を示す位
置指標情報が含まれている。そのため、ＣＤプレーヤー
は前記位置指標情報を用いることにより所望する曲が記
録されている位置を検出して再生動作を開始する動作、
即ちサーチと呼ばれる動作を行うことができるように構
成されている。

【０００４】斯かるサーチ動作は、光学式ピックアップ
をディスクの径方向に移動させることによって行われる
が、斯かる移動動作はトラックジャンプと呼ばれ、その
トラックジャンプ数を徐々に少なくすることにより所望
の位置をサーチするように構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のサーチ方法は、
現在位置の絶対時間と目標位置の絶対時間とから目標位
置までのトラック数を計算し、そのトラック数と光ピッ
クアップに設定されているトラックジャンプ数とを比較
してトラックジャンプ数を決定するように構成されてい
る。また、斯かるトラックジャンプ数を設定する場合に
目標位置を越えないように設定されるためサーチの速度
が遅いという問題がある。

【０００６】本発明は、斯かる問題を解決したディスク
プレーヤーのサーチ方法を提供しようとするものであ
る。

【０００７】

【作用】本発明は、現在位置の絶対時間と目標位置の絶
対時間とより目標位置までのトラック数を計算するとと
もに該トラック数とトラックジャンプ数の１／２とを比
較することによりトラックジャンプ数を決定するように
したものである。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明のサーチ方法を示すフローチ
ャート、図２は本発明に係るディスクプレーヤーのブロ
ック回路図である。

【０００９】図２において、１はＣＤ方式のディスクに
光ビームを投射し、該ディスクの信号面で反射される光
ビームを受ける光検出器を有する光学式ピックアップ、
２は該ピックアップ１の光検出器から得られるＲＦ信号
を増幅するとともに波形整形するＲＦ増幅回路、３は該
ＲＦ増幅回路２を介して得られる信号に基づいて前記光
学式ピックアップ１の光ビームをディスクの信号面に合
焦させるフォーカシング制御及び該光ビームを前記信号
面の信号トラックに追従させるトラッキング制御を行う
とともに前記光学式ピックアップ１全体の送り動作及び
トラックジャンプの制御を行うサーボ信号処理回路であ
る。

【００１０】４は前記ＲＦ増幅回路２より出力される信
号のデジタル信号処理を行うとともに各種信号の復調動
作を行うデジタル信号処理回路、５は該デジタル信号処
理回路４にてデジタル処理されたデジタル信号が入力さ
れるとともに該信号をアナログ信号に変換するＤ／Ａコ
ンバータ、６は該Ｄ／Ａコンバータ５によりアナログ信
号に変換された左右のチャンネルのオーディオ信号が入
力されるとともに該信号を増幅する増幅回路である。

【００１１】７は前記デジタル信号処理回路４により復
調された信号が入力されるとともに操作スイッチ８の操
作に応じて種々な動作制御を行うシステム制御回路であ
る。９は前記システム制御回路７によって動作が制御さ
れるトラックジャンプ制御回路であり、前記サーボ信号
処理回路３による光学式ピックアップ１のトラックジャ
ンプ動作を制御する作用を有している。

【００１２】斯かる回路構成において、トラックジャン
プ制御回路９の制御動作に基づいて光学式ピックアップ
１がジャンプするトラック数は、Ｙ，Ｙ１，Ｙ２…４，
１に設定されている。また、操作スイッチ８によってサ
ーチのための操作が行われると現在位置の絶対時間と目
標位置の絶対時間との差に基づいてサーボ信号処理回路
３による光学式ピックアップ１全体の送り動作が行われ
て該ピックアップ１を目標位置の近傍に変位せしめるよ
うに構成されているが、斯かる変位動作は光学式ピック
アップ１全体の送り動作に伴なって得られる信号の変化
を周知の技術によりカウントすることによって行われ
る。そして、斯かる変位動作が行われたとき光学式ピッ
クアップ１の現在位置は、目標位置よりトラックジャン
プ数の最大値であるＹトラック以内に位置するように構
成されている。従って、サーチ操作による目標位置が現
在位置の近くにある場合には、光学式ピックアップ１全
体の送り動作は行われることはない。

【００１３】そして、本発明のサーチ方法におけるトラ
ックジャンプ数の決定は、現在位置の絶対時間と目標位
置の絶対時間とより目標位置までのトラック数を計算す
るとともに該トラック数とトラックジャンプ数の１／２
とを比較することによって行われるように構成されてい
る。即ち目標位置までのトラック数がトラックジャンプ
数の１／２より小さい場合には、トラックジャンプ数を
小さい値に変更し、反対に大きい場合にはそのトラック
ジャンプ数のトラックジャンプ動作が行われる。

【００１４】以上の如く本発明は構成されており、次に
本実施例の動作について説明する。使用者が操作スイッ
チ８の中の再生操作スイッチ（図示せず）を操作する
と、システム制御回路７による制御動作が行われてディ
スクプレーヤーの再生動作が開始される。

【００１５】光学式ピックアップ１は、サーボ信号処理
回路３によるフォーカシング制御動作及びトラッキング
制御動作が行われてディスクに記録されている信号の読
み出し動作を行う。前記光学式ピックアップ１によって
読み出された信号は、ＲＦ増幅回路２に入力されて増幅
されるとともに波形整形されてデジタル信号としてデジ
タル信号処理回路４に印加される。前記デジタル信号処
理回路４は、前記ＲＦ増幅回路２より出力されるデジタ
ル信号を復調し、該デジタル信号に含まれている種々の
データ信号を抽出する。

【００１６】前記デジタル信号処理回路４により信号処
理されて情報データ（オーディオデータ）が抽出される
と、その情報データは誤り訂正等の信号処理動作が行わ
れた後Ｄ／Ａコンバータ５に印加される。該Ｄ／Ａコン
バータ５に印加されたデジタル信号は、アナログ信号に
変換された後、ステレオの左右のチャンネルの信号に分
離されて増幅回路６に入力される。従って、使用者はデ
ィスクに記録されている音楽等の信号を再生聴取するこ
とができる。

【００１７】以上の如く本実施例における再生動作は行
われるが、次に本発明の要旨であるサーチ方法を図１に
示したフローチャートに基づいて説明する。

【００１８】使用者が所望の曲の再生動作を行うための
操作、即ち選曲操作を行うと現在位置の絶対時間と目標
位置の絶対時間とより目標位置までのトラック数を計算
し、そのトラック数が所定数、即ちＹトラックより大き
い場合には光学式ピックアップ１全体を目標位置の近傍
に変位せしめてディスクより信号の読み取り動作を行
う。

【００１９】斯かる動作によって目標位置の近傍に変位
したとき光学式ピックアップ１により読み取られた現在
位置の絶対時間（Ｂ）と目標位置の絶対時間（Ｃ）とか
らその間のトラック数（Ａ）を計算する（ステップ
Ａ）。

【００２０】トラックジャンプ制御回路９によってトラ
ックジャンプされるジャンプ数を設定されている最大数
であるＹにする（ステップＢ）。そのジャンプ数Ｙの半
分であるＹ／２とＡとを比較する（ステップＣ）。Ａ＞
Ｙ／２の場合はＹトラックのジャンプ動作を行う（ステ
ップＤ）。斯かるＹトラックのジャンプ動作が行われる
と光学式ピックアップ１の位置は目標の位置を飛び越え
た位置になる。そして、光学式ピックアップ１により読
み取られた現在位置の絶対時間（Ｂ）と目標位置の絶対
時間（Ｃ）とからその間のトラック数（Ａ）を計算する
（ステップＥ）。

【００２１】ステップＣでＡ≦Ｙ／２であると判断され
ると設定されたトラックジャンプ数であるＹが大き過ぎ
ると判断されるため、トラックジャンプ数を次に小さい
Ｙ１にする（ステップＦ）。また、ステップＥにて計算
されるトラック数（Ａ）は、必ずＡ≦Ｙ／２となるた
め、この場合にもステップＦへ進むことになる。

【００２２】このようにして次のトラックジャンプ数が
Ｙ１に設定されるが、そのジャンブ数Ｙ１の半分である
Ｙ１／２とＡとを比較する（ステップＧ）。Ａ＞Ｙ１／
２の場合はＹ１トラックのジャンプ動作を行う（ステッ
ブＨ）。斯かるＹ１トラックのジャンプ動作が行われる
と光学式ピックアップ１の位置は目標の位置を飛び越え
た位置になる。そして、光学式ピックアップ１により読
み取られた現在位置の絶対時間（Ｂ）と目標位置の絶対
時間（Ｃ）とからその間のトラック数（Ａ）を計算する
（ステップＩ）。

【００２３】ステップＧでＡ≦Ｙ１／２であると判断さ
れると設定されたトラックジャンプ数であるＹ１が大き
過ぎると判断されるため、トラックジャンプ数を次に小
さいＹ２にする。また、ステップ１にて計算されるトラ
ック数（Ａ）は、必ずＡ≦Ｙ１／２となるため、この場
合にもトラックジャンプ数をＹ２にするステップに進む
ことになる。

【００２４】前述したステップの各動作が行われて、最
終の直前でトラックジャンプ数が４に設定される。トラ
ックジャンプ数が４に設定されるとその半分である２と
Ａとの比較動作が行われる。Ａ＞２の場合には４トラッ
クのジャンプ動作を行うが、斯かる動作が行われると光
学式ピックアップ１の位置は目標の位置を飛び越えた位
置になる。そして、光学式ピックアップ１により読み取
られた現在位置の絶対時間（Ｂ）と目標位置の絶対時間
（Ｃ）とからその間のトラック数（Ａ）を計算する。

【００２５】２とＡとの比較動作によってＡ≦２である
と判断されると設定されたトラックジャンプ数である４
が大き過ぎると判断されるため、トラックジャンプ数を
１にする（ステップＪ）。また最後に計算されたトラッ
ク数（Ａ）は必ず２以下になるため、この場合にもステ
ップＪに進むことになる。

【００２６】ステップＪでトラックジャンプ数を１に設
定すると現在位置の絶対時間Ｂと目標位置の絶対時間Ｃ
との比較動作が行われる（ステップＫ）。ステップＫで
Ｂ＝Ｃであると判定されると再生動作が開始される（ス
テップＬ）。また、ステップＫでＢ≠Ｃであると判定さ
れると光学式ピックアップ１を１トラックジャンプさせ
る（ステップＭ）。斯かる動作を行った後ステップＫの
比較動作を行い、Ｂ＝Ｃとなったとき再生動作が開始さ
れる。

【００２７】

【発明の効果】本発明のサーチ方法は、現在位置の絶対
時間と目標位置の絶対時間とより目標位置までのトラッ
ク数を計算するとともに該トラック数とトラックジャン
プ数の１／２とを比較することによりトラックジャンプ
数を決定するようにしたので、ジャンプ動作が行われる
毎に効率良く目標位置に近づくことになり、その結果デ
ィスクプレーヤーにおいてサーチ動作を短時間に行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサーチ方法を示すフローチャートであ
る。

【図２】本発明に係るディスクプレーヤーのブロック回
路図である。

【符号の説明】

１ 光学式ピックアップ ３ サーボ信号処理回路 ４ デジタル信号処理回路 ７ システム制御回路 ９ トラックジャンプ制御回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 線速度一定にて回転するディスクに記録
   されている信号をジャンプするトラック数が複数の異な
   る所定数に設定されているトラックジャンプ機能を備え
   た光学式ピックアップにより読み出すように構成された
   ディスクプレーヤーにおいて、現在位置の絶対時間と目
   標位置の絶対時間とより目標位置までのトラック数を計
   算するとともに該トラック数と光学式ピックアップに設
   定されているトラックジャンプ数の１／２と比較し、ト
   ラック数が大のときには、そのトラックジャンプ数によ
   るジャンプ動作を行い、トラック数が小のときには、ト
   ラックジャンプ数を光学式ピックアップに設定されてい
   るトラックジャンプ数の中の少ないトラックジャンプ数
   に変更した後、該変更されたトラックジャンプ数の１／
   ２と目標位置までのトラック数とを比較するようにした
   ことを特徴とするディスクプレーヤーのサーチ方法。