JP2897503B2 - 金属系材料の熱処理装置 - Google Patents

金属系材料の熱処理装置

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JP2897503B2
JP2897503B2 JP3347444A JP34744491A JP2897503B2 JP 2897503 B2 JP2897503 B2 JP 2897503B2 JP 3347444 A JP3347444 A JP 3347444A JP 34744491 A JP34744491 A JP 34744491A JP 2897503 B2 JP2897503 B2 JP 2897503B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属系材料の熱処理装
置に係わり、特に、金属系材料への水素の吸蔵およびこ
の水素を吸蔵した金属系材料からの水素の放出を行うこ
とにより、前記金属系材料の破砕や、金属系材料の組織
を変更して物性調整あるいは金属系材料の破砕を行うよ
うにした熱処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば金属系材料の物性調整等
(例えば、希土類(R)ーFeーB系合金の結晶粒の微
細化による磁気特性の向上、あるいは、Ti系合金の組
織の粗大化による疲労強度や耐クリープ特性の改善)を
行う一方法として、前述したように、ある処理温度下
で、前記金属系材料に水素を吸蔵させたのちに再度その
水素を放出させることにより、金属組織を変更すること
が行われており、その熱処理装置として従来において
は、図4に示す構造のものが検討されている。
【0003】この熱処理装置1は、金属系材料Wが搬入
されるとともに、この金属系材料Wを所定の処理温度に
加熱する熱処理炉2と、この熱処理炉2に給気路3を介
して接続され、反応用の水素を貯蔵する水素ボンベ4
と、前記熱処理炉2に接続され、この熱処理炉2内の気
体を吸引して排気する排気手段5と、この排気された気
体を焼却処理して大気へ放出する排気処理手段6とを備
えた構成となっている。
【0004】そして、この熱処理装置1においては、金
属系材料Wを前記熱処理炉2内に搬入したのちに、前記
水素ボンベ4から熱処理炉2内に水素を供給するととも
に、この熱処理炉2内の温度を500℃〜1000℃に
保持することにより、前記金属系材料Wを水素ガス雰囲
気中において所定温度に加熱して水素を吸蔵させ、次い
で、熱処理炉2内の温度を前記温度に保持しつつ、熱処
理炉2内を真空状態まで減圧することにより、水素を吸
蔵した金属系材料Wから水素を放出させるようにしてい
る。
【0005】また、金属系材料Wから放出された水素
は、排気手段5によって排気され、後段の排気処理手段
6において燃焼させられたのちに装置外へ放出されるよ
うになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の従来
の技術においては、金属系材料の熱処理に用いられる水
素は、水素ボンベ4から熱処理炉2へ供給されたのちに
排気処理手段6を経て大気へ放出されるものであるか
ら、一処理工程毎に新たな水素を供給しなければなら
ず、この結果、水素の消費量が膨大なものとなってしま
い、加えて、この水素を貯蔵するために、大容量の水素
ボンベ4が必要となるといった問題点を有している。
【0007】一方、このような問題点への対処方法とし
て、例えば、熱処理炉2から排出される水素を供給側の
水素ボンベ4へ戻すことが考えられる。
【0008】しかしながら、このような方法において
も、一旦気化した水素を液体に戻す液化処理施設が必要
となり、これによって熱処理装置が全体として大型化す
るとともに、処理施設等の建設コストの高騰を招いてし
まい、有効な解決手段とはなり得ていない。
【0009】また、一旦熱処理に用いた水素を再使用す
る場合、熱処理炉における処理の際に不純物を巻き込ん
でしまい、再使用時に熱処理される金属系材料の特性に
影響を与えることが考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した従来
の技術における問題点を有効に解消し得る金属系材料の
熱処理装置を提供せんとするもので、請求項1記載の金
属系材料の熱処理装置は、金属系材料に水素を吸蔵させ
る水素吸蔵処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材
料から水素を放出させる水素放出処理を行う熱処理炉
と、この熱処理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵
合金からなる水素貯蔵手段と、熱処理炉から放出される
水素を水素貯蔵手段へ送り込む排気路と、前記水素貯蔵
手段から熱処理炉へ水素を供給する供給路と、前記排気
路に設けられ、前記熱処理炉内の気体を吸引して水素貯
蔵手段へ送り込む真空排気手段と、この真空排気手段の
下流側に設けられ、排気路内を流れる水素を精製する水
素精製手段と、前記供給路に設けられ、前記熱処理炉へ
供給される水素の圧力を調整する圧力調整手段と、前記
熱処理炉および水素貯蔵手段のそれぞれに設けられ、こ
れらの内部圧力および内部温度を測定する圧力センサー
ならびに温度センサーと、これらの各センサーの検出信
号に基づき、前記熱処理炉および水素貯蔵手段の内部圧
力あるいは内部温度の調整ならびに真空排気手段の作動
を調整することにより、前記熱処理炉の処理状態に応じ
て、熱処理炉への水素の供給および排出を制御する制御
手段とを具備してなることを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の金属系材料の熱処理
炉は、金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理、お
よび、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素を放出さ
せる水素放出処理を行う複数の熱処理炉と、これらの熱
処理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金からな
る水素貯蔵手段と、前記各熱処理炉と前記水素貯蔵手段
とを連通させるとともに、各熱処理炉から放出される水
素を水素貯蔵手段へ送り込む排気路と、前記水素貯蔵手
段から各熱処理炉へ水素を供給する供給路と、前記排気
路に連設されて、前記各熱処理炉内の気体を吸引して水
素貯蔵手段へ送り込む真空排気手段と、この真空排気手
段の下流側に設けられ、排気路内を流れる水素を精製す
る水素精製手段と、前記供給路に連設されて、前記各熱
処理炉へ供給される水素の圧力を調整する圧力調整手段
と、これらの複数の排気路および供給路の一つを選択的
に前記水素貯蔵手段へ連通させる切り換え手段と、前記
熱処理炉および水素貯蔵手段のそれぞれに設けられ、こ
れらの内部圧力および内部温度を測定する圧力センサー
ならびに温度センサーと、これらの各センサーからの検
出信号に基づき、熱処理炉および水素貯蔵手段の温度な
らびに真空排気手段の作動を調整することにより、前記
各熱処理炉の処理状態に応じて、各熱処理炉への水素の
供給および排出を行う制御手段とを具備してなることを
特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の金属系材料の熱処理装置におい
ては、熱処理炉が金属系材料へ水素を吸蔵させる工程に
ある場合には、まず、制御手段によって制御される温度
制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段の内部温
度が所定温度に保持される。
【0013】一方、前記水素貯蔵手段は水素を吸蔵した
状態に保持されて、加圧状態となされており、また、熱
処理炉は減圧状態となされていることから、圧力調整手
段が作動させられることにより、水素貯蔵手段内の水素
が熱処理炉へ流れ込み、水素貯蔵手段の内部圧力が低下
し、熱処理炉の内部圧力が上昇する。
【0014】これによって、水素貯蔵手段の水素吸蔵合
金において水素の放出現象が生じ、また、熱処理炉にお
いて金属系材料による水素吸蔵現象が生じる。
【0015】この結果、水素貯蔵手段から熱処理炉へ水
素が順次送り込まれ、熱処理炉において金属系材料の水
素吸蔵処理が行われる。
【0016】また、熱処理炉が金属系材料から水素を放
出させる工程にある場合には、制御手段によって制御さ
れる温度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段
の内部温度が所定温度に保持され、かつ、真空排気手段
が作動させられて、熱処理炉内の気体が吸引されて水素
貯蔵手段へ送り込まれることにより、前記熱処理炉の内
部が減圧されるとともに水素貯蔵手段内が加圧される。
【0017】これによって、熱処理炉内において金属系
材料からの水素の放出現象が生じ、かつ、水素貯蔵手段
の水素吸蔵合金において水素の吸蔵現象が生じる。
【0018】この結果、金属系材料から放出された水素
が、水素精製手段を経て精製されたのちに水素貯蔵手段
へ順次送り込まれて、この水素貯蔵手段内の水素吸蔵合
金に吸収されて回収される。
【0019】そして、このような熱処理操作に際し、水
素は水素貯蔵手段と熱処理炉との間を循環させられて水
素の外部への漏れが抑制されるとともに、水素の貯蔵を
なす水素吸蔵合金が、同容量のボンベに比して3倍ない
し4倍の水素貯蔵能力があることから装置の小型化が図
られる。
【0020】また、請求項2記載の金属系材料の熱処理
装置は、熱処理炉が金属系材料へ水素を吸蔵させる工程
にある場合には、まず、制御手段によって制御される温
度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段の内部
温度が所定温度に保持される。
【0021】一方、前記水素貯蔵手段は水素を吸蔵した
状態に保持されて、加圧状態となされており、また、熱
処理炉は減圧状態となされていることから、圧力調整手
段が作動させられることにより、水素貯蔵手段内の水素
が熱処理炉へ流れ込み、水素貯蔵手段の内部圧力が低下
し、熱処理炉の内部圧力が上昇する。
【0022】これによって、水素貯蔵手段の水素吸蔵合
金において水素の放出現象が生じ、また、熱処理炉にお
いて金属系材料による水素吸蔵現象が生じる。
【0023】この結果、水素貯蔵手段から熱処理炉へ水
素が順次送り込まれ、熱処理炉において金属系材料の水
素吸蔵処理が行われる。
【0024】そして、熱処理炉が金属系材料から水素を
放出させる工程にある場合には、制御手段によって制御
される温度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手
段の内部温度が所定温度に保持され、かつ、真空排気手
段が作動させられて、熱処理炉内の気体が吸引されて水
素貯蔵手段へ送り込まれることにより、前記熱処理炉の
内部が減圧されるとともに水素貯蔵手段内が加圧され
る。
【0025】これによって、熱処理炉内において金属系
材料からの水素の放出現象が生じ、かつ、水素貯蔵手段
の水素吸蔵合金において水素の吸蔵現象が生じる。
【0026】この結果、金属系材料から放出された水素
が、水素精製手段を経て精製されたのちに水素貯蔵手段
へ順次送り込まれて、この水素貯蔵手段内の水素吸蔵合
金に吸収されて回収される。
【0027】そして、この場合においても、水素は水素
貯蔵手段と熱処理炉との間を循環させられる。
【0028】そして、一つの熱処理炉における水素放出
処理が完了し、処理に用いられた水素が水素貯蔵手段へ
吸蔵されると、切り換え手段によって水素貯蔵手段が他
の熱処理炉へ連通させられ、かつ、前述した制御手段の
作用によりこの他方の熱処理炉へ水素が供給されるとと
もに、他方の熱処理炉において水素吸蔵処理が行われ
る。
【0029】このような水素貯蔵手段と複数の熱処理炉
との接続状態の切り換えによって、一つの水素貯蔵手段
によって複数の熱処理炉への水素の給排が行われ、か
つ、複数の熱処理炉が平行して稼働させられる。
【0030】
【実施例】以下、請求項1記載の発明の一実施例につい
て、図1および図2を参照して説明すれば、この実施例
に示す金属系材料Wの熱処理装置10は、金属系材料W
に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理、および、前記水素を
吸蔵した金属系材料Wから水素を放出させる水素放出処
理を行う熱処理炉11と、この熱処理炉11へ給排され
る水素を貯蔵する水素吸蔵合金Mからなる水素貯蔵手段
12と、熱処理炉11から放出される水素を水素貯蔵手
段12へ送り込む排気路13と、前記水素貯蔵手段12
から熱処理炉11へ水素を供給する供給路14と、前記
排気路13に設けられ、前記熱処理炉11内の気体を吸
引して水素貯蔵手段12へ送り込む真空排気手段15
と、この真空排気手段15の下流側に設けられ、排気路
13内を流れる水素を精製する水素精製手段16と、前
記供給路14に設けられ、前記熱処理炉11へ供給され
る水素の圧力を調整する圧力調整手段17と、前記熱処
理炉11および水素貯蔵手段12のそれぞれに設けら
れ、これらの内部圧力および内部温度を測定する圧力セ
ンサー18ならびに温度センサー19と、これらの各セ
ンサー18・19の検出信号に基づき、前記熱処理炉1
1および水素貯蔵手段12の内部圧力あるいは内部温度
の調整ならびに真空排気手段15の作動を調整すること
により、前記熱処理炉11の処理状態に応じて、熱処理
炉11への水素の供給および排出を制御する制御手段2
0とを具備した概略構成となっている。
【0031】次いで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記熱処理炉11は、グラファイト、タングステ
ン、あるいは、モリブデン等からなる真空容器内にヒー
ター2を備えた内熱式や、カンタル、シリコニット等の
真空容器外にヒーター21を備えた外熱式のものが用い
られ、本実施例においては、外熱式の熱処理炉11を示
した。
【0032】そして、これらの外熱式および内熱式の熱
処理炉11は、処理対象となる金属系材料Wの種類によ
って適宜変更されるものである。
【0033】前記水素貯蔵手段12は、図2に示すよう
に、外殻を形成する圧力容器22と、この圧力容器22
内に、その内周面と所定間隔をおいて配設された良熱伝
導体材料からなる伝熱容器23と、この伝熱容器23の
中央部に配設された多孔質体からなるサポートチューブ
24と、このサポートチューブ24と前記伝熱容器23
との間に形成された空間部に充填された水素吸蔵合金M
と、前記伝熱容器23を取り囲んで設けられたヒーター
25とによって構成されている。
【0034】前記水素吸蔵合金Mとしては、RーNi系
合金(Rは希土類元素)、TiーFeーMn系合金、T
iーMn系合金等、常温付近で水素吸蔵および放出速度
の大きい合金が用いられている。
【0035】一方、図1において、前記圧力容器22の
壁部には、この壁部を貫通して前記サポートチューブ2
4の内部へ位置させられた連通管26と、圧力容器22
の内部圧力と内部温度、すなわち、水素吸蔵合金M周り
の圧力および温度を測定する前記圧力センサー18およ
び温度センサー19が設けられている。
【0036】また、前記ヒーター25には、このヒータ
ー25に供給する電流を制御することにより、その発熱
量を制御して、前記圧力容器22内の温度を調整する温
度制御手段27が接続されている。
【0037】前記真空排気手段15は、例えば真空ポン
プであって、その前後に開閉弁が具備されており、その
吸引部が前記熱処理炉11へ接続され、また、排気部が
前記真空排気手段15および水素精製手段16を介して
前記水素貯蔵手段12へ接続されており、これらの間に
形成されている前記排気路41は、気密に保持されてい
る。
【0038】前記圧力調整手段17は、それぞれ開閉弁
と減圧弁とが具備されており、通常時においては開閉弁
によって前記供給路14を閉塞して、水素貯蔵手段12
と各熱処理炉11との連通状態を遮断し、また、熱処理
炉11への水素の供給を行う場合には、前記減圧弁によ
って、熱処理炉11へ供給される水素の圧力を1atm
以下に保持するようになされている。
【0039】そして、前記熱処理炉11には、前記水素
貯蔵手段12と同様に圧力センサー18、温度センサー
19および温度制御手段28が設けられており、それぞ
れ前記制御手段20へ接続されて、この制御手段20か
らの制御信号に基づき各ヒーター21・25への電流供
給を制御するようになっている。
【0040】前記制御手段20は、中央演算回路(以下
CPUと称す)29と、このCPU29の作動プログラ
ムが記憶されたリードオンリーメモリ(以下ROMと称
す)30と、熱処理炉11の制御プログラムが記憶され
たランダムアクセスメモリ(以下RAMと称す)31
と、これらのCPU29、ROM30、および、RAM
31にバスラインを介して接続されて、前記各圧力セン
サー18、温度センサー19、温度制御手段27・2
8、および、圧力調整手段17との信号の授受を行うI
/Oインターフェース32とによって構成されている。
【0041】一方、本実施例において熱処理の対象とさ
れる金属系材料Wの組成は例えば、以下のとおりであ
る。
【0042】その一つは、RーFeーB系合金(Rは希
土類元素)で次のような組成を有する。 R :10〜20at% B : 3〜10at% Fe:残部および不可避不純物 また、必要に応じて次の組成が添加される。 Co:0.1〜50at% M :0.001〜5.0at% 但し、MはAl、Si、Ga、Ti、V、Cr、Zr、
Nb、Mo、Hf、Ta、W、C、Nの内の1種又は2
種以上である。
【0043】また、他の一つは、Ti系合金の構造材で
あり、例えば次の合金組成が挙げられる。
【0044】1)Al:6.5wt%、Sn:1.4w
t%、Zr:1wt%、Mo:2.9wt%、Cr:
2.1wt%、Fe:1.7wt%、および、残部がT
iである合金 2)Al:6wt%、V:4wt%、および、残部がT
iである合金 3)Al:6wt%、Sn:2wt%、Zr:4wt
%、Mo:2wt%、および、残部がTiである合金 4)V:10wt%、Fe:2wt%、Al:3wt
%、および、残部がTiである合金
【0045】他に、希土類ーNi系合金、ZrーCo系
合金等の水素吸蔵合金の活性化処理や粉末化処理として
も使用できる。)
【0046】前述のように構成された本実施例の熱処理
装置10において金属系材料Wの熱処理を行う場合の具
体例について説明すれば、以下のとおりである。
【0047】(実施例1)まず、熱処理に用いられる金
属系材料Wとして、前者のRーFeーB系合金を用いた
実施例について説明する。
【0048】表1の1〜4に示す組成のRーFeーB系
合金を、プラズマ・アーク溶解炉にて溶解したのちに鋳
造したのちに、それぞれAr雰囲気中で1130℃、2
0時間の条件で均質化処理を行う。この金属系材料W
は、粒径120μm程度の粗大な強磁性相を有する。
【0049】
【表1】
【0050】このような金属系材料Wが熱処理炉11内
に設置されると、熱処理炉11内の大気を図示しない機
器により真空引きしたのちに、制御手段20により両温
度制御手段27・28へ制御信号が出力されて、熱処理
炉11および水素貯蔵手段12の内部加熱が開始され
る。
【0051】一方、前記熱処理炉11および水素貯蔵手
段12の内部温度が、それぞれに設けられている温度セ
ンサー19によって検出されて、制御手段20へフィー
ドバックされており、このフィードバック信号に基づ
き、各温度制御手段27・28へ出力される制御信号が
補正されることにより、熱処理炉11が約830℃の所
定温度に保持され、また、水素貯蔵手段12の内部温度
が約70℃の所定の温度に保持される。
【0052】これより制御手段20から圧力調整手段1
7へ駆動信号が出力されて、その内部の開閉弁が開放さ
れることにより、前記水素貯蔵手段12が熱処理炉11
へ連通させられる。
【0053】ここで、熱処理炉11の内部圧力は、圧力
センサー18によって検出されて制御手段20へフィー
ドバックされており、このフィードバック信号に基づい
て、前記圧力調整手段17の流量調整弁が調整されるこ
とにより、前記熱処理炉11へ送り込まれる水素ガスの
圧力が約1atm以下に保持される。
【0054】このような水素の供給が完了した後に、熱
処理炉11内の温度が温度制御手段28によって約83
0℃に調整されて、前記金属系材料Wが前記温度下にお
いて約3時間保持され、これによって、金属系材料Wに
水素が吸蔵される。
【0055】次いで、前記熱処理炉11内の温度を83
0℃に保持した状態で、制御装置20から圧力調整手段
17へ駆動信号が出力されて、その内部の開閉弁閉塞さ
れるとともに、真空排気手段15へ制御信号が出力され
て、この真空排気手段15が熱処理炉11内の水素を吸
引して水素貯蔵手段12へ送り込むように作動させられ
る。
【0056】これによって、熱処理炉11内の圧力が減
少させられるとともに、水素貯蔵手段12内の圧力が上
昇させられ、前記熱処理炉11において、金属系材料W
に吸蔵されていた水素が放出されて前記金属系材料Wの
脱水素が行われる。
【0057】そして、この時の前記熱処理炉11内の圧
力が、圧力センサー18からの検出信号と、この検出信
号に基づく制御手段20による真空排気手段15の作動
量の制御により、1×10-1Torr以下に保持され
る。
【0058】このような真空排気手段15の作動に伴
い、熱処理炉11において放出された水素が水素精製手
段16を経て水素貯蔵手段12の圧力容器17内へ送り
込まれるが、前記水素精製手段16を通過する間におい
て水素あるいは水素を含む気体中に取り込まれている不
純物が除去される。
【0059】また、前記真空排気手段15による水素貯
蔵手段12への気体の送り込みにより、前記圧力容器1
7内の水素圧力が上昇させられており、これによって水
素貯蔵手段12において、前記水素が水素貯蔵合金Mに
吸蔵され回収される。
【0060】ちなみにこの処理を行った後の前記各組成
のNdーFeーB系合金は、400μm以下に粉砕さ
れ、かつ、粉末内部に0.2〜0.4μmのNd2Fe
14Bの再結晶粒からなる組織を有するとともに、所望
の磁気特性を有することが確認された。
【0061】このように、本実施例の熱処理装置10に
おいては、金属系材料Wの熱処理に用いられる水素が、
水素貯蔵手段12と熱処理炉11との間で授受されて、
水素の装置外への放出が抑制されるから、水素の使用量
が大幅に削減されるとともに、排気処理系の諸設備が不
要であるから、装置の大型化ないしは設備費用の高騰を
抑制することができる。
【0062】しかも、水素貯蔵手段12として用いてい
る水素吸蔵合金Mが、同容量の従来のボンベに比較し
て、3倍ないし4倍の水素貯蔵能力があることから、こ
の点からも装置の小型化が図られ、また、水素が水素貯
蔵手段12への回収段階において、水素精製手段16に
よって精製されることから、水素の再使用時における、
金属系材料Wの熱処理への影響が抑えられる。
【0063】ここで、本実施例の熱処理装置11におい
て、水素貯蔵手段12における初期の水素貯蔵量を35
Nm3とし、前記各組成の金属系材料Wに対してそれぞ
れ10回の処理を行った後の水素の減少量を測定した結
果を表2の左欄に示す。
【0064】
【表2】
【0065】そして、前記表2の右欄は、比較のため
に、同様の前記各金属系材料Wについて、従来の装置に
よって熱処理を行った際の水素の残存量を示すものであ
る。
【0066】この結果からも明らかなように、本実施例
によれば、殆ど水素の減少が見られず、極めて大きな効
果が得られる。
【0067】(実施例2)次いで、金属系材料Wとして
後者のTi系合金を用いた実施例について説明する。
【0068】まず、表3の1.2で示す組成を有し、平
均粒径120μmのTi系合金粉末のそれぞれについ
て、温度750℃、2000atm、および、3時間保
持の条件下で熱間静水圧プレスを行い、所定形状の金属
系材料Wとしての構造部材を作成した。
【0069】
【表3】
【0070】この金属系材料Wを内熱式のグラファイト
・ヒーター備えた熱処理炉11内に設置し、熱処理炉1
1内の大気を図示せぬ機器により真空引きしたのちに、
熱処理装置10の各構成要素を制御手段20によって作
動させることにより、前記実施例と同様にして850
℃、1atmの雰囲気下で前記金属系材料Wに水素を吸
蔵させ、その後に、850℃、1×10-4Torrの条
件下で前記金属系材料Wの脱水素処理を行った。
【0071】このような熱処理によって、前記粗大なα
+β相を有するTi系合金が得られ、このような組成の
Ti系合金は、高サイクル疲労強度や耐クリープ特性に
優れている。
【0072】そして、この場合にも、熱処理に用いられ
る水素は、水素貯蔵手段12と熱処理炉11との間で授
受されることにより、装置外への水素の漏洩が抑制され
る。
【0073】ここで、初期状態の水素貯蔵量を35Nm
3とした本実施例の装置によって、前記処理を各Ti系
合金に対してそれぞれ20回行った際の水素の減少量を
測定した結果を表4の左欄に示し、また、表4の右欄に
は、比較のために、本実施例の各Ti系合金に対して従
来の装置を用いて熱処理を行った場合における水素の減
少量を示した。
【0074】
【表4】
【0075】この結果からも明らかなように、本実施例
においても水素の減少はなく、従来装置に比して、大幅
な改善がなされている。
【0076】次いで、本発明の請求項2記載の一実施例
について図3を参照して説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、以下の説明中、前記実施例と同様のものにつ
いては同一符号を用いて説明を間略化する。
【0077】本実施例に係わる金属系材料の熱処理装置
40は、金属系材料Wに水素を吸蔵させる水素吸蔵処
理、および、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素を
放出させる水素放出処理を行う複数の熱処理炉11(1
1a・11b)と、これらの熱処理炉11(11a・1
1b)へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金Mから
なる水素貯蔵手段12と、前記各熱処理炉11(11a
・11b)と前記水素貯蔵手段12とを連通させるとと
もに、各熱処理炉11(11a・11b)から放出され
る水素を水素貯蔵手段12へ送り込む排気路41(41
a・41b)と、前記水素貯蔵手段12から各熱処理炉
11(11a・11b)へ水素を供給する供給路42
(42a・42b)と、前記排気路41(41a・41
b)に連設されて、前記各熱処理炉11(11a・11
b)内の気体を吸引して水素貯蔵手段12へ送り込む真
空排気手段15(15a・15b)と、これらの真空排
気手段15(15a・15b)の下流側に設けられて前
記排気路41(41a・41b)を流れる水素の精製を
なす水素精製手段16(16a・16b)と、前記供給
路42(42a・42b)に連設されて、前記各熱処理
炉11(11a・11b)へ供給される水素の圧力を調
整する圧力調整手段17(17a・17b)と、これら
の複数の排気路41(41a・41b)および供給路4
2(42a・42b)の一つを選択的に前記水素貯蔵手
段12へ連通させる切り換え手段43と、前記各熱処理
炉11(11a・11b)および水素貯蔵手段12のそ
れぞれに設けられ、これらの内部圧力および内部温度を
測定する圧力センサー18ならびに温度センサー19
と、これらの各センサー18・19からの検出信号に基
づき、各熱処理炉11(11a・11b)および水素貯
蔵手段12の温度ならびに真空排気手段15(15a・
15b)の作動を調整することにより、前記各熱処理炉
11(11a・11b)の処理状態に応じて、各熱処理
炉11(11a・11b)への水素の供給および排出を
行う制御手段20とを具備した概略構成となっている。
【0078】前記各真空排気手段15は、前後に開閉弁
が具備されており、本実施例においては各熱処理炉11
(11a・11b)毎に設けられ、それぞれの吸引部が
前記各熱処理炉11(11a・11b)へ接続され、ま
た、排気部が前記切り換え手段43を介して前記水素貯
蔵手段12へ接続されており、これらの間に形成されて
いる前記排気路41は、気密に保持されている。
【0079】前記圧力調整手段17は、本実施例におい
ては前記熱処理炉11(11a・11b)毎に設けられ
いるとともに、それぞれ開閉弁と減圧弁とが具備されて
おり、通常時においては開閉弁によって前記供給路42
(42a・42b)を閉塞して、水素貯蔵手段12と各
熱処理炉11(11a・11b)との連通状態を遮断
し、また、各熱処理炉11(11a・11b)への水素
の供給を行う場合には、前記減圧弁によって、各熱処理
炉11(11a・11b)へ供給される水素の圧力を1
atm以下に保持するようになされている。
【0080】なお、真空排気手段15、圧力調整手段1
7は、必ずしも各熱処理炉11毎でなくてもよく、切り
換え手段43をさらに加えることにより、複数の熱処理
炉11で兼用できる。
【0081】前記切り換え手段43は、前記各熱処理炉
11a・11b毎に設けられた真空排気手段15a(1
5b)と圧力調整手段17a(17b)が接続される流
路切り換え弁43a(43b)と、これらの流路切り換
え弁43a・43bが接続されてこれらを選択的に前記
水素貯蔵手段12へ連通させる流路切り換え弁43cと
によって構成されており、これらの各流路切り換え弁4
3a・43b・43cの作動位置の組み合わせにより、
次のような4系統の水素の流路を形成するようになって
いる。
【0082】A;水素貯蔵手段12→流路切り換え弁4
3c→流路切り換え弁43a→圧力調整手段17a→一
方の熱処理炉11a B;一方の熱処理炉11a→真空排気手段15a→流路
切り換え弁43a→流路切り換え弁43c→水素貯蔵手
段12 C;水素貯蔵手段12→流路切り換え弁43c→流路切
り換え弁43b→圧力調整手段17b→他方の熱処理炉
11b D;他方の熱処理炉11b→真空排気手段15b→流路
切り換え弁43b→流路切り換え弁43c→水素貯蔵手
段12
【0083】また、本実施例においては、前記流路切り
換え弁43cと水素貯蔵手段12との間に、水素ボンベ
46が開閉弁45を介して連設されており、稼働初期に
おける水素の充填、あるいは、漏洩等による水素減少時
における補充用として用いられるものである。
【0084】前記開閉弁45は、前記真空排気手段15
(15a・15b)および圧力調整手段17(17a・
17b)とともに前記制御手段20へ接続されて、この
制御手段20から出力される制御信号によって作動が制
御されるようになっている。
【0085】一方、本実施例の熱処理装置40における
処理対象金属系材料Wは、前述の実施例において示した
ものと同様である。
【0086】そして、本実施例に係わる熱処理装置40
において、例えば、一方の熱処理炉11a内に金属系材
料Wが設置されて装置が起動されると、制御手段20に
よって制御される各温度制御手段27・28により各加
熱ヒーター21・25が発熱させられ、かつ、各温度セ
ンサー19により各熱処理炉11(11a・11b)お
よび水素貯蔵手段12内の温度情報が制御手段20へフ
ィードバックされることにより、前記各熱処理炉11
(11a・11b)および水素貯蔵手段12の圧力容器
22内が所定の温度に保持される。
【0087】これより、前記各流路切り換え弁43a・
43b・43cが制御手段によって作動させられて、前
記Aで示した水素の流路が形成され、水素貯蔵手段12
から水素が、その圧力が圧力調整手段17aの減圧弁の
作用によって1atm以下に保持されつつ熱処理炉11
aへ供給される。
【0088】以上の操作によって、前記熱処理炉11a
内において、金属系材料Wへの水素の吸蔵処理が行われ
る。
【0089】金蔵矩形材料Wへの前述した水素吸蔵処理
が完了した後に、制御手段20によって流路切り換え弁
43aが作動させられ、前記Bの流路が形成され、か
つ、圧力調整手段17aの開閉弁が閉じられるととも
に、真空排気手段15aが作動させられることにより、
前記熱処理炉11a内の水素が吸引されて前記水素貯蔵
手段12へ送り込まれる。
【0090】これによって前記熱処理炉11a内が減圧
されかつ水素貯蔵手段12内が加圧され、熱処理炉11
aにおいて水素の放出現象が発生し、また、水素貯蔵手
段12の水素吸蔵合金Mにおいて水素の吸蔵現象が発生
する。
【0091】そして、前述の熱処理炉11への水素の供
給および熱処理炉11からの水素の排出に際して、系内
を流れる水素が水素精製手段16を通過させられて、水
素の浄化が行われる。
【0092】この結果、熱処理炉11a内において金属
系材料Wへの脱水素処理が行われるとともに、金属系材
料Wから放出された水素が、排出路41aを経て水素貯
蔵手段12へ送り込まれて、その内部の水素吸蔵合金M
へ吸蔵・回収される。
【0093】このような操作が、両熱処理炉11a・1
1bにおいて交互に行われて、前記実施例と同様に、単
一の水素貯蔵手段12に蓄えられる水素が、各熱処理炉
11a・11bで交互に使用される。
【0094】このように、他方の熱処理炉11bにおい
て水素吸蔵処理がなされている間、前記一方の熱処理炉
11aでは、熱処理を終えた金属系材料Wの冷却、搬
出、あるいは、新たな金属系材料Wの搬入操作が行われ
ている。
【0095】そして、熱処理の繰り返しによって、ある
いは、点検等により系を外気へ開放させることによって
水素量が減少した場合には、本実施例に於ては、開閉弁
45が作動させられて、水素ボンベ46から所望量の水
素が装置へ補給される。
【0096】本実施例の熱処理における熱的条件や圧力
条件等は、前述した実施例とほぼ同様であり、また、熱
処理を行った金属系材料Wの特性についても前記実施例
とほぼ同様の結果が得られた。
【0097】そして、こような本実施例の熱処理におい
ても、熱処理に用いられる水素は、水素貯蔵手段12と
各熱処理炉11(11a・11b)との間で授受され、
装置外への漏洩が抑制されるから、水素の使用量が少な
くてすみ、かつ、2基の熱処理炉11(11a・11
b)が単一の水素貯蔵手段12により、1基の熱処理に
必要な水素量で稼働させられ、これにより装置の大型化
が最小限度に抑えられる。
【0098】また、本実施例においても、請求項1記載
の発明と同様に、熱処理炉11(11a・11b)内の
水素を直接水素貯蔵手段12へ送り込むようにしたか
ら、熱処理炉11内の減圧と水素貯蔵手段12内の加
圧、ならびに、水素貯蔵手段12への水素の送り込み操
作とが同時に行われ、操作系の簡略化が図られ、さら
に、供給路42に圧力調整手段17を設けたことによ
り、水素貯蔵手段12から熱処理炉11へ供給する水素
の圧力が精度よく制御されて安定した熱処理が行われ、
しかも、水素貯蔵手段12に回収される水素が、回収の
前段において水素精製手段16において精製されるか
ら、水素の再使用に際し、金属系材料Wの熱処理に与え
る影響が抑制される。
【0099】なお、前記実施例においては、水素貯蔵手
段12内の加圧が真空排気手段43によって行われてい
るが、さらに、前記真空排気手段43と水素貯蔵手段1
2との間に加圧手段を設けて、この加圧手段によって水
素貯蔵手段12内の圧力をさらに上昇させることも可能
である。
【0100】これは、水素貯蔵手段12内に貯蔵される
水素量を増加させる際に有効な手段となるものである。
【0101】なお、前記各実施例において示した各構成
部材の諸形状や構成、あるいは、処理条件等は一例であ
って、適用する金属系材料の組成や設計要求等に基づき
種々変更可能である。
【0102】例えば、前記各実施例においては、熱処理
に水素ガスを用いた例について示したが、これに代え
て、不活性ガスとの混合気体を用いることも可能であ
り、この場合には、水素分圧を圧力制御の制御因子とす
ればよい。
【0103】また、熱処理炉11を2基設けた例につい
て示したが、これに限定されるものではなく、熱処理炉
11の工程のサイクルが重なり合わない範囲内であれ
ば、3基以上の熱処理炉11を設けることも可能であ
る。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の金属系材料の熱処理装置によれば、次のような優
れた効果を奏する。
【0105】水素貯蔵手段と熱処理炉との間に水素の授
受を行う閉回路を形成して、前記水素を水素貯蔵手段と
熱処理炉との間で授受させて繰り返し使用可能とし、こ
れによって、水素の使用量を大幅に削減することができ
る。
【0106】また、水素貯蔵手段に水素吸蔵合金を用い
ることにより、水素貯蔵能力を大きくして、水素を貯蔵
する容器等の小型化を可能とし、装置全体の小型化を図
ることができる。
【0107】熱処理に用いられた水素を、真空排気手段
によって熱処理炉から直接水素貯蔵手段へ送り込むこと
により、前記熱処理炉内の減圧操作、水素貯蔵手段内の
加圧操作、ならびに、水素の搬送操作を同時に行うこと
により、熱処理装置の操作系の簡略化を図ることができ
る。
【0108】熱処理炉への水素の供給を、圧力調整手段
を介して行うようにしたから、熱処理炉へ供給される水
素の圧力をきめ細かく制御することができ、安定した熱
処理を可能にする。
【0109】一方、本発明の請求項2記載の金属系材料
の熱処理装置によれば、請求項1記載の熱処理装置に加
えて、次のような優れた効果を奏する。
【0110】複数の熱処理炉を単一の水素貯蔵手段およ
び切り換え手段の作用により、1基の熱処理に必要な水
素量で稼働することができ、これにより、熱処理ライン
を増設する場合においても、装置の大型化を最小限度に
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の金属系材料の熱処理炉
の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の請求項1ならびに請求項2記載の金属
系材料の熱処理炉に用いられる水素貯蔵手段を示す一部
を破断した斜視図である。
【図3】本発明の請求項2記載の金属系材料の熱処理炉
の概略を示すブロック図である。
【図4】従来の金属系材料の熱処理炉を示すブロック図
である。
【符号の説明】
10 熱処理装置 11 熱処理炉 12 水素貯蔵手段 13 排気路 14 給気路 15 真空排気手段 16 水素精製手段 17 圧力調整手段 18 圧力センサー 19 温度センサー 20 制御手段 22 圧力容器 27 温度制御手段 28 温度制御手段 40 熱処理装置 41 排気路 42 供給路 43 切り換え手段 43a 流路切り換え弁 43b 流路切り換え弁 43c 流路切り換え弁
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 1/00,1/74 C21D 1/76,6/00 C22F 1/02 F27D 7/06 H01F 1/053

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵
    処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素
    を放出させる水素放出処理を行う熱処理炉と、この熱処
    理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金からなる
    水素貯蔵手段と、熱処理炉から放出される水素を水素貯
    蔵手段へ送り込む排気路と、前記水素貯蔵手段から熱処
    理炉へ水素を供給する供給路と、前記排気路に設けら
    れ、前記熱処理炉内の気体を吸引して水素貯蔵手段へ送
    り込む真空排気手段と、この真空排気手段の下流側に設
    けられ、排気路内を流れる水素を精製する水素精製手段
    と、前記供給路に設けられ、前記熱処理炉へ供給される
    水素の圧力を調整する圧力調整手段と、前記熱処理炉お
    よび水素貯蔵手段のそれぞれに設けられ、これらの内部
    圧力および内部温度を測定する圧力センサーならびに温
    度センサーと、これらの各センサーの検出信号に基づ
    き、前記熱処理炉および水素貯蔵手段の内部圧力あるい
    は内部温度の調整ならびに真空排気手段の作動を調整す
    ることにより、前記熱処理炉の処理状態に応じて、熱処
    理炉への水素の供給および排出を制御する制御手段とを
    具備してなることを特徴とする金属系材料の熱処理装
    置。
  2. 【請求項2】 金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵
    処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素
    を放出させる水素放出処理を行う複数の熱処理炉と、こ
    れらの熱処理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵合
    金からなる水素貯蔵手段と、前記各熱処理炉と前記水素
    貯蔵手段とを連通させるとともに、各熱処理炉から放出
    される水素を水素貯蔵手段へ送り込む排気路と、前記水
    素貯蔵手段から各熱処理炉へ水素を供給する供給路と、
    前記排気路に連設されて、前記各熱処理炉内の気体を吸
    引して水素貯蔵手段へ送り込む真空排気手段と、この真
    空排気手段の下流側に設けられ、排気路内を流れる水素
    を精製する水素精製手段と、前記供給路に連設されて、
    前記各熱処理炉へ供給される水素の圧力を調整する圧力
    調整手段と、これらの複数の排気路および供給路の一つ
    を選択的に前記水素貯蔵手段へ連通させる切り換え手段
    と、前記熱処理炉および水素貯蔵手段のそれぞれに設け
    られ、これらの内部圧力および内部温度を測定する圧力
    センサーならびに温度センサーと、これらの各センサー
    からの検出信号に基づき、熱処理炉および水素貯蔵手段
    の温度ならびに真空排気手段の作動を調整することによ
    り、前記各熱処理炉の処理状態に応じて、各熱処理炉へ
    の水素の供給および排出を行う制御手段とを具備してな
    ることを特徴とする金属系材料の熱処理装置。
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