JP2897500B2 - 金属系材料の熱処理装置 - Google Patents
金属系材料の熱処理装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属系材料の熱処理装
置に係わり、特に、金属系材料への水素の吸蔵およびこ
の水素を吸蔵した金属系材料からの水素の放出を行うこ
とにより、前記金属系材料の組織を変更して物性調整、
あるいは金属系材料の破砕を行うようにした熱処理装置
に関するものである。
置に係わり、特に、金属系材料への水素の吸蔵およびこ
の水素を吸蔵した金属系材料からの水素の放出を行うこ
とにより、前記金属系材料の組織を変更して物性調整、
あるいは金属系材料の破砕を行うようにした熱処理装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属系材料の物性調整等(例えば、希土
類(R)ーFeーB系合金の結晶粒の微細化による磁気
特性の向上、あるいは、Ti系合金の組織の粗大化によ
る疲労強度や耐クリープ特性の改善)を行う一方法とし
て、前述したように、ある処理温度下で、前記金属系材
料に水素を吸蔵させたのちに再度その水素を放出させる
ことにより、金属組織を変更することが行われており、
その熱処理装置として従来においては、図4に示す構造
のものが検討されている。
類(R)ーFeーB系合金の結晶粒の微細化による磁気
特性の向上、あるいは、Ti系合金の組織の粗大化によ
る疲労強度や耐クリープ特性の改善)を行う一方法とし
て、前述したように、ある処理温度下で、前記金属系材
料に水素を吸蔵させたのちに再度その水素を放出させる
ことにより、金属組織を変更することが行われており、
その熱処理装置として従来においては、図4に示す構造
のものが検討されている。
【0003】この熱処理装置1は、金属系材料Wが搬入
されるとともに、この金属系材料Wを所定の処理温度に
加熱する熱処理炉2と、この熱処理炉2に給気路3を介
して接続され、反応用の水素を貯蔵する水素ボンベ4
と、前記熱処理炉2に接続され、この熱処理炉2内の気
体を吸引して排気する排気手段5と、この排気された気
体を焼却処理して大気へ放出する排気処理手段6とを備
えた構成となっている。
されるとともに、この金属系材料Wを所定の処理温度に
加熱する熱処理炉2と、この熱処理炉2に給気路3を介
して接続され、反応用の水素を貯蔵する水素ボンベ4
と、前記熱処理炉2に接続され、この熱処理炉2内の気
体を吸引して排気する排気手段5と、この排気された気
体を焼却処理して大気へ放出する排気処理手段6とを備
えた構成となっている。
【0004】そして、この熱処理装置1においては、金
属系材料Wを前記熱処理炉2内に搬入して真空引きを行
ったのちに、前記水素ボンベ4から熱処理炉2内に水素
を供給するとともに、この熱処理炉2内の温度を500
℃〜1000℃に保持することにより、前記金属系材料
Wを水素ガス雰囲気中において所定温度に加熱して水素
を吸蔵させ、次いで、熱処理炉2内の温度を前記温度に
保持しつつ、熱処理炉2内を真空状態まで減圧すること
により、水素を吸蔵した金属系材料Wから水素を放出さ
せるようにしている。
属系材料Wを前記熱処理炉2内に搬入して真空引きを行
ったのちに、前記水素ボンベ4から熱処理炉2内に水素
を供給するとともに、この熱処理炉2内の温度を500
℃〜1000℃に保持することにより、前記金属系材料
Wを水素ガス雰囲気中において所定温度に加熱して水素
を吸蔵させ、次いで、熱処理炉2内の温度を前記温度に
保持しつつ、熱処理炉2内を真空状態まで減圧すること
により、水素を吸蔵した金属系材料Wから水素を放出さ
せるようにしている。
【0005】また、金属系材料Wから放出された水素
は、排気手段5によって排気され、後段の排気処理手段
6において燃焼させられたのちに装置外へ放出されるよ
うになっている。
は、排気手段5によって排気され、後段の排気処理手段
6において燃焼させられたのちに装置外へ放出されるよ
うになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の従来
の技術においては、金属系材料の熱処理に用いられる水
素は、水素ボンベ4から熱処理炉2へ供給されたのちに
排気処理手段6を経て大気へ放出されるものであるか
ら、一処理工程毎に新たな水素を供給しなければなら
ず、この結果、水素の消費量が膨大なものとなってしま
い、加えて、この水素を貯蔵するために、大容量の水素
ボンベ4が必要となるといった問題点を有している。
の技術においては、金属系材料の熱処理に用いられる水
素は、水素ボンベ4から熱処理炉2へ供給されたのちに
排気処理手段6を経て大気へ放出されるものであるか
ら、一処理工程毎に新たな水素を供給しなければなら
ず、この結果、水素の消費量が膨大なものとなってしま
い、加えて、この水素を貯蔵するために、大容量の水素
ボンベ4が必要となるといった問題点を有している。
【0007】一方、このような問題点への対処方法とし
て、例えば、熱処理炉2から排出される水素を供給側の
水素ボンベ4へ戻すことが考えられる。
て、例えば、熱処理炉2から排出される水素を供給側の
水素ボンベ4へ戻すことが考えられる。
【0008】しかしながら、このような方法において
も、一旦気化した水素を液体に戻す液化処理施設等が必
要となり、これによって熱処理装置が全体として大型化
するとともに、処理施設の建設コストの高騰を招いてし
まい、有効な解決手段とはなり得ていない。
も、一旦気化した水素を液体に戻す液化処理施設等が必
要となり、これによって熱処理装置が全体として大型化
するとともに、処理施設の建設コストの高騰を招いてし
まい、有効な解決手段とはなり得ていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した従来
の技術における問題点を有効に解消し得る金属系材料の
熱処理装置を提供せんとするもので、請求項1記載の金
属系材料の熱処理装置は、金属系材料に水素を吸蔵させ
る水素吸蔵処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材
料から水素を放出させる水素放出処理を行なう熱処理炉
と、この熱処理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵
合金からなる水素貯蔵手段と、前記熱処理炉および水素
貯蔵手段のそれぞれに設けられ、これらの内部圧力およ
び内部温度を測定する圧力センサーならびに温度センサ
ーと、これらの各センサーの検出信号に基づき、熱処理
炉および水素貯蔵手段の内部圧力あるいは温度を調整す
ることにより、前記熱処理炉の処理状態に応じて、熱処
理炉への水素の供給および排出を行う制御手段とを具備
してなることを特徴とする。
の技術における問題点を有効に解消し得る金属系材料の
熱処理装置を提供せんとするもので、請求項1記載の金
属系材料の熱処理装置は、金属系材料に水素を吸蔵させ
る水素吸蔵処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材
料から水素を放出させる水素放出処理を行なう熱処理炉
と、この熱処理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵
合金からなる水素貯蔵手段と、前記熱処理炉および水素
貯蔵手段のそれぞれに設けられ、これらの内部圧力およ
び内部温度を測定する圧力センサーならびに温度センサ
ーと、これらの各センサーの検出信号に基づき、熱処理
炉および水素貯蔵手段の内部圧力あるいは温度を調整す
ることにより、前記熱処理炉の処理状態に応じて、熱処
理炉への水素の供給および排出を行う制御手段とを具備
してなることを特徴とする。
【0010】また、請求項2記載の金属系材料の熱処理
炉は、金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理、お
よび、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素を放出さ
せる水素放出処理を行う熱処理炉と、この熱処理炉へ給
排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金からなる水素貯蔵
手段と、熱処理炉から放出される水素を水素貯蔵手段へ
送り込む排気路と、前記水素貯蔵手段から熱処理炉へ水
素を供給する供給路と、前記排気路に設けられ、前記熱
処理炉内の気体を吸引して水素貯蔵手段へ送り込む真空
排気手段と、前記供給路に設けられ、前記熱処理炉へ供
給される水素の圧力を調整する圧力調整手段と、前記熱
処理炉および水素貯蔵手段のそれぞれに設けられ、これ
らの内部圧力および内部温度を測定する圧力センサーな
らびに温度センサーと、これらの各センサーの検出信号
に基づき、前記熱処理炉および水素貯蔵手段の内部圧力
あるいは内部温度の調整ならびに真空排気手段の作動を
調整することにより、前記熱処理炉の処理状態に応じ
て、熱処理炉への水素の供給および排出を制御する制御
手段とを具備してなることを特徴とする。
炉は、金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理、お
よび、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素を放出さ
せる水素放出処理を行う熱処理炉と、この熱処理炉へ給
排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金からなる水素貯蔵
手段と、熱処理炉から放出される水素を水素貯蔵手段へ
送り込む排気路と、前記水素貯蔵手段から熱処理炉へ水
素を供給する供給路と、前記排気路に設けられ、前記熱
処理炉内の気体を吸引して水素貯蔵手段へ送り込む真空
排気手段と、前記供給路に設けられ、前記熱処理炉へ供
給される水素の圧力を調整する圧力調整手段と、前記熱
処理炉および水素貯蔵手段のそれぞれに設けられ、これ
らの内部圧力および内部温度を測定する圧力センサーな
らびに温度センサーと、これらの各センサーの検出信号
に基づき、前記熱処理炉および水素貯蔵手段の内部圧力
あるいは内部温度の調整ならびに真空排気手段の作動を
調整することにより、前記熱処理炉の処理状態に応じ
て、熱処理炉への水素の供給および排出を制御する制御
手段とを具備してなることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の金属系材料の熱処理装置におい
ては、熱処理炉が金属系材料へ水素を吸蔵させる工程に
ある場合に、制御手段によって制御される圧力制御手段
および温度制御手段により、水素貯蔵手段内の温度が所
定温度に保持されかつ所定圧力に減圧されるとともに、
熱処理炉内の温度が所定温度に保たれかつ所定圧力に加
圧される。
ては、熱処理炉が金属系材料へ水素を吸蔵させる工程に
ある場合に、制御手段によって制御される圧力制御手段
および温度制御手段により、水素貯蔵手段内の温度が所
定温度に保持されかつ所定圧力に減圧されるとともに、
熱処理炉内の温度が所定温度に保たれかつ所定圧力に加
圧される。
【0012】これによって、水素貯蔵手段を構成する水
素吸蔵合金において、吸蔵されていた水素が放出される
現象が生じるとともに、熱処理炉内において金属系材料
への水素の吸蔵現象が生じる。
素吸蔵合金において、吸蔵されていた水素が放出される
現象が生じるとともに、熱処理炉内において金属系材料
への水素の吸蔵現象が生じる。
【0013】ここで、水素貯蔵手段から放出された水素
が熱処理炉へ順次送られると、金属系材料の水素吸蔵処
理が行われる。
が熱処理炉へ順次送られると、金属系材料の水素吸蔵処
理が行われる。
【0014】また、熱処理炉が金属系材料から水素を放
出させる工程にある場合には、制御手段によって制御さ
れる圧力制御手段と温度制御手段により、熱処理炉内の
温度が所定温度に保持されかつ所定圧力まで減圧される
とともに、水素貯蔵手段内の温度が所定温度に保持され
かつ所定圧力まで加圧される。
出させる工程にある場合には、制御手段によって制御さ
れる圧力制御手段と温度制御手段により、熱処理炉内の
温度が所定温度に保持されかつ所定圧力まで減圧される
とともに、水素貯蔵手段内の温度が所定温度に保持され
かつ所定圧力まで加圧される。
【0015】これによって、熱処理炉内において金属系
材料からの水素の放出現象が生じ、かつ、水素貯蔵手段
の水素吸蔵合金において水素の吸蔵現象が生じる。
材料からの水素の放出現象が生じ、かつ、水素貯蔵手段
の水素吸蔵合金において水素の吸蔵現象が生じる。
【0016】ここで、金属系材料から放出された水素
が、水素貯蔵手段へ送り込まれると、この水素が水素吸
蔵合金に順次吸収されて回収される。
が、水素貯蔵手段へ送り込まれると、この水素が水素吸
蔵合金に順次吸収されて回収される。
【0017】これによって、水素は水素貯蔵手段と熱処
理炉との間で循環させられることとなる。
理炉との間で循環させられることとなる。
【0018】また、請求項2記載の金属系材料の熱処理
装置は、熱処理炉が金属系材料へ水素を吸蔵させる工程
にある場合には、まず、制御手段によって制御される温
度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段の内部
温度が所定温度に保持される。
装置は、熱処理炉が金属系材料へ水素を吸蔵させる工程
にある場合には、まず、制御手段によって制御される温
度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段の内部
温度が所定温度に保持される。
【0019】一方、前記水素貯蔵手段は水素を吸蔵した
状態に保持されて、加圧状態となされており、また、熱
処理炉は減圧状態となされていることから、圧力調整手
段が作動させられることにより、水素貯蔵手段内の水素
が熱処理炉へ流れ込み、水素貯蔵手段の内部圧力が低下
し、熱処理炉の内部圧力が上昇する。
状態に保持されて、加圧状態となされており、また、熱
処理炉は減圧状態となされていることから、圧力調整手
段が作動させられることにより、水素貯蔵手段内の水素
が熱処理炉へ流れ込み、水素貯蔵手段の内部圧力が低下
し、熱処理炉の内部圧力が上昇する。
【0020】これによって、水素貯蔵手段の水素吸蔵合
金において水素の放出現象が生じ、また、熱処理炉にお
いて金属系材料による水素吸蔵現象が生じる。
金において水素の放出現象が生じ、また、熱処理炉にお
いて金属系材料による水素吸蔵現象が生じる。
【0021】この結果、水素貯蔵手段から熱処理炉へ水
素が順次送り込まれ、熱処理炉において金属系材料の水
素吸蔵処理が行われる。
素が順次送り込まれ、熱処理炉において金属系材料の水
素吸蔵処理が行われる。
【0022】また、熱処理炉が金属系材料から水素を放
出させる工程にある場合には、制御手段によって制御さ
れる温度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段
の内部温度が所定温度に保持され、かつ、真空排気手段
が作動させられて、熱処理炉内の気体が吸引されて水素
貯蔵手段へ送り込まれることにより、前記熱処理炉の内
部が減圧されるとともに水素貯蔵手段内が加圧される。
出させる工程にある場合には、制御手段によって制御さ
れる温度制御手段により、熱処理炉および水素貯蔵手段
の内部温度が所定温度に保持され、かつ、真空排気手段
が作動させられて、熱処理炉内の気体が吸引されて水素
貯蔵手段へ送り込まれることにより、前記熱処理炉の内
部が減圧されるとともに水素貯蔵手段内が加圧される。
【0023】これによって、熱処理炉内において金属系
材料からの水素の放出現象が生じ、かつ、水素貯蔵手段
の水素吸蔵合金において水素の吸蔵現象が生じる。
材料からの水素の放出現象が生じ、かつ、水素貯蔵手段
の水素吸蔵合金において水素の吸蔵現象が生じる。
【0024】この結果、金属系材料から放出された水素
が、水素貯蔵手段へ順次送り込まれて、この水素貯蔵手
段内の水素吸蔵合金に吸収されて回収される。
が、水素貯蔵手段へ順次送り込まれて、この水素貯蔵手
段内の水素吸蔵合金に吸収されて回収される。
【0025】そして、この場合においても、水素は水素
貯蔵手段と熱処理炉との間を循環させられる。
貯蔵手段と熱処理炉との間を循環させられる。
【0026】
【実施例】以下、請求項1記載の発明の一実施例につい
て、図1および図2を参照して説明すれば、この実施例
に示す金属系材料Wの熱処理装置10は、金属系材料W
に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理、および、前記水素を
吸蔵した金属系材料から水素を放出させる水素放出処理
を行なう熱処理炉11と、この熱処理炉11へ給排され
る水素を貯蔵する水素吸蔵合金Mからなる水素貯蔵手段
12と、前記熱処理炉11および水素貯蔵手段12のそ
れぞれに設けられ、これらの内部圧力および内部温度を
測定する圧力センサー13ならびに温度センサー14
と、これらの各センサー13・14の検出信号に基づ
き、熱処理炉11および水素貯蔵手段12の内部圧力あ
るいは温度を調整することにより、前記熱処理炉11の
処理状態に応じて、熱処理炉11への水素の供給および
排出を行う制御手段15とを具備した概略構成となって
いる。
て、図1および図2を参照して説明すれば、この実施例
に示す金属系材料Wの熱処理装置10は、金属系材料W
に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理、および、前記水素を
吸蔵した金属系材料から水素を放出させる水素放出処理
を行なう熱処理炉11と、この熱処理炉11へ給排され
る水素を貯蔵する水素吸蔵合金Mからなる水素貯蔵手段
12と、前記熱処理炉11および水素貯蔵手段12のそ
れぞれに設けられ、これらの内部圧力および内部温度を
測定する圧力センサー13ならびに温度センサー14
と、これらの各センサー13・14の検出信号に基づ
き、熱処理炉11および水素貯蔵手段12の内部圧力あ
るいは温度を調整することにより、前記熱処理炉11の
処理状態に応じて、熱処理炉11への水素の供給および
排出を行う制御手段15とを具備した概略構成となって
いる。
【0027】次いで、これらの詳細について説明すれ
ば、前記熱処理炉11は、グラファイト、タングステ
ン、あるいは、モリブデン等からなる真空容器内にヒー
ター16を備えた内熱式や、カンタル、シリコニット等
の真空容器内にヒーター16を備えた外熱式のものが用
いられ、本実施例においては、外熱式の熱処理炉11を
示した。
ば、前記熱処理炉11は、グラファイト、タングステ
ン、あるいは、モリブデン等からなる真空容器内にヒー
ター16を備えた内熱式や、カンタル、シリコニット等
の真空容器内にヒーター16を備えた外熱式のものが用
いられ、本実施例においては、外熱式の熱処理炉11を
示した。
【0028】そして、これらの外熱式および内熱式の熱
処理炉11は、処理対象となる金属系材料Wの種類によ
って適宜変更されるものである。
処理炉11は、処理対象となる金属系材料Wの種類によ
って適宜変更されるものである。
【0029】前記水素貯蔵手段12は、図2に示すよう
に、外殻を形成する圧力容器17と、この圧力容器17
内に、その内周面と所定間隔をおいて配設された良熱伝
導体材料からなる伝熱容器18と、この伝熱容器18の
中央部に配設された多孔質体からなるサポートチューブ
19と、このサポートチューブ19と前記伝熱容器18
との間に形成された空間部に充填された水素吸蔵合金M
と、前記伝熱容器18を取り囲んで設けられたヒーター
20とによって構成されている。
に、外殻を形成する圧力容器17と、この圧力容器17
内に、その内周面と所定間隔をおいて配設された良熱伝
導体材料からなる伝熱容器18と、この伝熱容器18の
中央部に配設された多孔質体からなるサポートチューブ
19と、このサポートチューブ19と前記伝熱容器18
との間に形成された空間部に充填された水素吸蔵合金M
と、前記伝熱容器18を取り囲んで設けられたヒーター
20とによって構成されている。
【0030】前記水素吸蔵合金Mとしては、RーNi系
合金(Rは希土類元素)、TiーFeーMn系合金、T
iーMn系合金等、常温付近で水素吸蔵および放出速度
の大きい合金が用いられている。
合金(Rは希土類元素)、TiーFeーMn系合金、T
iーMn系合金等、常温付近で水素吸蔵および放出速度
の大きい合金が用いられている。
【0031】一方、図1において前記圧力容器17の壁
部には、この壁部を貫通して前記サポートチューブ19
の内部へ位置させられた連通管21と、圧力容器17の
内部圧力と内部温度、すなわち、水素吸蔵合金M周りの
圧力および温度を測定する前記圧力センサー13および
温度センサー14が設けられている。
部には、この壁部を貫通して前記サポートチューブ19
の内部へ位置させられた連通管21と、圧力容器17の
内部圧力と内部温度、すなわち、水素吸蔵合金M周りの
圧力および温度を測定する前記圧力センサー13および
温度センサー14が設けられている。
【0032】また、前記ヒーター20には、このヒータ
ー20に供給する電流を制御することにより、その発熱
量を制御して、前記圧力容器17内の温度を調整する温
度制御手段22が接続されている。
ー20に供給する電流を制御することにより、その発熱
量を制御して、前記圧力容器17内の温度を調整する温
度制御手段22が接続されている。
【0033】さらに、前記圧力容器17に接続された連
通管21の他端部は、前記熱処理炉11へ接続されて両
者を連通させるように設けられており、その途中には、
前記水素貯蔵手段12および熱処理炉11内の圧力を制
御する圧力制御手段23が設けられている。
通管21の他端部は、前記熱処理炉11へ接続されて両
者を連通させるように設けられており、その途中には、
前記水素貯蔵手段12および熱処理炉11内の圧力を制
御する圧力制御手段23が設けられている。
【0034】この圧力制御手段23は、これらの容積を
増減させる構成でかつ装置外部との気体の交換のない構
成のもの、例えば、シリンダー等が用いられており、前
記制御手段15により前記熱処理炉11と圧力容器17
とに選択的に連通させられるようになっており、連通さ
せられたこれらの容積を拡大することにより前記熱処理
炉11あるいは圧力容器17内を減圧して、その内部の
水素を吸引し、また、容積を減少させることにより、圧
力容器17内を昇圧するとともに、その内部に水素を送
り込むようになっている。
増減させる構成でかつ装置外部との気体の交換のない構
成のもの、例えば、シリンダー等が用いられており、前
記制御手段15により前記熱処理炉11と圧力容器17
とに選択的に連通させられるようになっており、連通さ
せられたこれらの容積を拡大することにより前記熱処理
炉11あるいは圧力容器17内を減圧して、その内部の
水素を吸引し、また、容積を減少させることにより、圧
力容器17内を昇圧するとともに、その内部に水素を送
り込むようになっている。
【0035】そして、前記熱処理炉11には、前記水素
貯蔵手段12と同様の温度制御手段22が設けられてお
り、これらの各温度制御手段22は、前記制御手段15
へ接続されて、この制御手段15からの制御信号に基づ
き各ヒーター16・20への電流供給を制御するように
なっている。
貯蔵手段12と同様の温度制御手段22が設けられてお
り、これらの各温度制御手段22は、前記制御手段15
へ接続されて、この制御手段15からの制御信号に基づ
き各ヒーター16・20への電流供給を制御するように
なっている。
【0036】前記制御手段15は、中央演算回路(以下
CPUと称す)24と、このCPU24の作動プログラ
ムが記憶されたリードオンリーメモリ(以下ROMと称
す)25と、熱処理炉11の制御プログラムが記憶され
たランダムアクセスメモリ(以下RAMと称す)26
と、これらのCPU24、ROM25、および、RAM
26にバスラインを介して接続されて、前記各圧力セン
サー13、温度センサー14、温度制御手段22、およ
び、圧力制御手段23との信号の授受を行うI/Oイン
ターフェース27とによって構成されている。
CPUと称す)24と、このCPU24の作動プログラ
ムが記憶されたリードオンリーメモリ(以下ROMと称
す)25と、熱処理炉11の制御プログラムが記憶され
たランダムアクセスメモリ(以下RAMと称す)26
と、これらのCPU24、ROM25、および、RAM
26にバスラインを介して接続されて、前記各圧力セン
サー13、温度センサー14、温度制御手段22、およ
び、圧力制御手段23との信号の授受を行うI/Oイン
ターフェース27とによって構成されている。
【0037】一方、前記連通管21には、前記圧力制御
手段23を挟んだ両側のそれぞれに開閉弁28が設けら
れており、これらの開閉弁28・28は、前記制御手段
15により個別に開閉操作されることによって、前記圧
力制御手段23を選択的に前記熱処理炉11あるいは水
素貯蔵手段12へ連通させるようになっている。
手段23を挟んだ両側のそれぞれに開閉弁28が設けら
れており、これらの開閉弁28・28は、前記制御手段
15により個別に開閉操作されることによって、前記圧
力制御手段23を選択的に前記熱処理炉11あるいは水
素貯蔵手段12へ連通させるようになっている。
【0038】そして、本実施例において熱処理の対象と
される金属系材料Wの組成は例えば、以下のとおりであ
る。
される金属系材料Wの組成は例えば、以下のとおりであ
る。
【0039】その一つは、RーFeーB系合金(Rは希
土類元素)で次のような組成を有する。 R :10〜20at% B : 3〜10at% Fe:残部および不可避不純物 また、必要に応じて次の組成が添加される。 Co:0.1〜50at% M :0.001〜5.0at% 但し、MはAl、Si、Ga、Ti、V、Cr、Zr、
Nb、Mo、Hf、Ta、W、C、Nの内の1種又は2
種以上である。
土類元素)で次のような組成を有する。 R :10〜20at% B : 3〜10at% Fe:残部および不可避不純物 また、必要に応じて次の組成が添加される。 Co:0.1〜50at% M :0.001〜5.0at% 但し、MはAl、Si、Ga、Ti、V、Cr、Zr、
Nb、Mo、Hf、Ta、W、C、Nの内の1種又は2
種以上である。
【0040】また、他の一つは、Ti系合金の構造材で
あり、例えば次の合金組成が挙げられる。
あり、例えば次の合金組成が挙げられる。
【0041】1)Al:6.5wt%、Sn:1.4w
t%、Zr:1wt%、Mo:2.9wt%、Cr:
2.1wt%、Fe:1.7wt%、および、残部がT
iである合金 2)Al:6wt%、V:4wt%、および、残部がT
iである合金 3)Al:6wt%、Sn:2wt%、Zr:4wt
%、Mo:2wt%、および、残部がTiである合金 4)V:10wt%、Fe:2wt%、Al:3wt
%、および、残部がTiである合金
t%、Zr:1wt%、Mo:2.9wt%、Cr:
2.1wt%、Fe:1.7wt%、および、残部がT
iである合金 2)Al:6wt%、V:4wt%、および、残部がT
iである合金 3)Al:6wt%、Sn:2wt%、Zr:4wt
%、Mo:2wt%、および、残部がTiである合金 4)V:10wt%、Fe:2wt%、Al:3wt
%、および、残部がTiである合金
【0042】他に、希土類ーNi系合金、ZrーCo系
合金等の水素吸蔵合金の活性化処理や粉末化処理として
も使用できる。
合金等の水素吸蔵合金の活性化処理や粉末化処理として
も使用できる。
【0043】前述のように構成された本実施例の熱処理
装置10において金属系材料Wの熱処理を行う場合の具
体例について説明すれば、以下のとおりである。
装置10において金属系材料Wの熱処理を行う場合の具
体例について説明すれば、以下のとおりである。
【0044】(実施例1)まず、熱処理に用いられる金
属系材料Wとして、前者のRーFeーB系合金を用いた
実施例について説明する。
属系材料Wとして、前者のRーFeーB系合金を用いた
実施例について説明する。
【0045】表1の1〜4に示す組成のRーFeーB系
合金を、プラズマ・アーク溶解炉にて溶解、鋳造したの
ちに、それぞれAr雰囲気中で1130℃、20時間の
条件で均質化処理を行う。この金属系材料Wは、粒径1
20μm程度の粗大な強磁性相を有する。
合金を、プラズマ・アーク溶解炉にて溶解、鋳造したの
ちに、それぞれAr雰囲気中で1130℃、20時間の
条件で均質化処理を行う。この金属系材料Wは、粒径1
20μm程度の粗大な強磁性相を有する。
【0046】
【表1】
【0047】このような金属系材料Wが熱処理炉11内
に設置されると、熱処理炉11内の大気を真空引きした
のち、制御手段15により両温度制御手段22へ制御信
号が出力されて、熱処理炉11および水素貯蔵手段12
の加熱が開始される。
に設置されると、熱処理炉11内の大気を真空引きした
のち、制御手段15により両温度制御手段22へ制御信
号が出力されて、熱処理炉11および水素貯蔵手段12
の加熱が開始される。
【0048】一方、前記各熱処理炉11および水素貯蔵
手段12の内部温度が、それぞれに設けられている温度
センサー14によって検出されて、制御手段15へフィ
ードバックされており、このフィードバック信号に基づ
き、各温度制御手段22へ出力される制御信号が補正さ
れることにより、熱処理炉11の内部温度が所定の温度
(約830℃)に、また、水素貯蔵手段12の内部温度
が所定の温度(約70℃)に保持される。
手段12の内部温度が、それぞれに設けられている温度
センサー14によって検出されて、制御手段15へフィ
ードバックされており、このフィードバック信号に基づ
き、各温度制御手段22へ出力される制御信号が補正さ
れることにより、熱処理炉11の内部温度が所定の温度
(約830℃)に、また、水素貯蔵手段12の内部温度
が所定の温度(約70℃)に保持される。
【0049】これより制御手段15から水素貯蔵手段1
2側の開閉弁28へ駆動信号が出力されて、この開閉弁
28が開放されることにより、前記水素貯蔵手段12が
圧力制御手段23へ連通させられる。
2側の開閉弁28へ駆動信号が出力されて、この開閉弁
28が開放されることにより、前記水素貯蔵手段12が
圧力制御手段23へ連通させられる。
【0050】続いて、前記制御手段15から圧力制御手
段23へ制御信号が出力されて、水素貯蔵手段12の水
素ガスを吸い込むように作動させられることにより、水
素貯蔵手段12の圧力容器17内の圧力が減少させられ
る。
段23へ制御信号が出力されて、水素貯蔵手段12の水
素ガスを吸い込むように作動させられることにより、水
素貯蔵手段12の圧力容器17内の圧力が減少させられ
る。
【0051】これによって、水素貯蔵手段12内の水素
吸蔵合金Mから水素が放出されるとともに、この水素が
前記圧力調整手段23へ吸引される。
吸蔵合金Mから水素が放出されるとともに、この水素が
前記圧力調整手段23へ吸引される。
【0052】次いで、制御手段15から両開閉弁28へ
駆動信号が出力されて、開放状態にある水素貯蔵手段1
2側の開閉弁28が閉塞されるとともに、他方の開閉弁
28が開放され、圧力制御手段23と熱処理炉11とが
連通させられる。
駆動信号が出力されて、開放状態にある水素貯蔵手段1
2側の開閉弁28が閉塞されるとともに、他方の開閉弁
28が開放され、圧力制御手段23と熱処理炉11とが
連通させられる。
【0053】これより制御手段15から圧力制御手段2
3へ制御信号が出力されて、この圧力制御手段23が吸
い込んだ水素を熱処理炉11へ送り出すように作動させ
られることにより、熱処理炉11の内部圧力が上昇させ
られるとともに、水素貯蔵手段12から吸引された水素
が熱処理炉11へ送り込まれる。
3へ制御信号が出力されて、この圧力制御手段23が吸
い込んだ水素を熱処理炉11へ送り出すように作動させ
られることにより、熱処理炉11の内部圧力が上昇させ
られるとともに、水素貯蔵手段12から吸引された水素
が熱処理炉11へ送り込まれる。
【0054】ここで、熱処理炉11の内部圧力は、圧力
センサー13によって検出されて制御手段15へフィー
ドバックされており、このフィードバック信号に基づい
て、前記開閉弁28の開度が調整され、あるいは、圧力
制御手段23の作動量が制御されることにより、前記熱
処理炉11内の水素ガス圧力が約1atmに保持され
る。
センサー13によって検出されて制御手段15へフィー
ドバックされており、このフィードバック信号に基づい
て、前記開閉弁28の開度が調整され、あるいは、圧力
制御手段23の作動量が制御されることにより、前記熱
処理炉11内の水素ガス圧力が約1atmに保持され
る。
【0055】このような水素の供給が完了した後に、熱
処理炉11内の温度が制御手段15によって約830℃
に調整されて、前記金属系材料が前記温度下において約
3時間保持され、これによって、金属系材料Wに水素が
吸蔵される。
処理炉11内の温度が制御手段15によって約830℃
に調整されて、前記金属系材料が前記温度下において約
3時間保持され、これによって、金属系材料Wに水素が
吸蔵される。
【0056】次いで、前記熱処理炉11内の温度を83
0℃に、また、水素貯蔵手段12の温度を10℃に保持
した状態で、制御装置15から熱処理炉11側の開閉弁
28に駆動信号が出力されてこの開閉弁28が開放され
るとともに、圧力制御手段23へ制御信号が出力され
て、この圧力制御手段23が熱処理炉11内の気体を吸
引するように作動させられる。
0℃に、また、水素貯蔵手段12の温度を10℃に保持
した状態で、制御装置15から熱処理炉11側の開閉弁
28に駆動信号が出力されてこの開閉弁28が開放され
るとともに、圧力制御手段23へ制御信号が出力され
て、この圧力制御手段23が熱処理炉11内の気体を吸
引するように作動させられる。
【0057】これによって、熱処理炉11内の圧力が減
少させられることにより、金属系材料Wに吸蔵されてい
た水素が放出されるとともに、この水素が圧力調整手段
23へ吸引され、これによって前記金属系材料Wの脱水
素が行われる。そして、この時の前記熱処理炉11内の
圧力は、圧力センサー13および制御手段15による圧
力制御手段23の作動量の制御により、1×10-1To
rr以下に保持される。
少させられることにより、金属系材料Wに吸蔵されてい
た水素が放出されるとともに、この水素が圧力調整手段
23へ吸引され、これによって前記金属系材料Wの脱水
素が行われる。そして、この時の前記熱処理炉11内の
圧力は、圧力センサー13および制御手段15による圧
力制御手段23の作動量の制御により、1×10-1To
rr以下に保持される。
【0058】次いで、制御手段15からの駆動信号によ
り、熱処理炉11側の開閉弁28が閉じられるととも
に、水素貯蔵手段12側の開閉弁28が開放され、この
後に、圧力制御手段23が作動させられることにより、
この圧力制御手段23によって吸引された水素が水素貯
蔵手段12の圧力容器17内へ送り込まれる。
り、熱処理炉11側の開閉弁28が閉じられるととも
に、水素貯蔵手段12側の開閉弁28が開放され、この
後に、圧力制御手段23が作動させられることにより、
この圧力制御手段23によって吸引された水素が水素貯
蔵手段12の圧力容器17内へ送り込まれる。
【0059】この操作に伴い、前記圧力容器17内の水
素圧力が上昇させられることにより、送り込まれた水素
が水素貯蔵合金Mによって吸蔵され回収される。
素圧力が上昇させられることにより、送り込まれた水素
が水素貯蔵合金Mによって吸蔵され回収される。
【0060】ちなみにこの処理を行った後の前記各組成
のNdーFeーB系合金は、400μm以下に粉砕さ
れ、かつ、粉末内部に0.2〜0.4μmのNd2Fe
14Bの再結晶粒からなる組織を有するとともに、所望
の磁気特性を有することが確認された。
のNdーFeーB系合金は、400μm以下に粉砕さ
れ、かつ、粉末内部に0.2〜0.4μmのNd2Fe
14Bの再結晶粒からなる組織を有するとともに、所望
の磁気特性を有することが確認された。
【0061】このように、本実施例の熱処理装置10に
おいては、金属系材料Wの熱処理に用いられる水素が、
水素貯蔵手段12と熱処理炉11との間で授受されて、
水素の装置外への放出が抑制されるから、水素の使用量
が大幅に削減されるとともに、排気処理系の諸設備が不
要であるから、装置の大型化ないしは設備費用の高騰を
抑制することができる。
おいては、金属系材料Wの熱処理に用いられる水素が、
水素貯蔵手段12と熱処理炉11との間で授受されて、
水素の装置外への放出が抑制されるから、水素の使用量
が大幅に削減されるとともに、排気処理系の諸設備が不
要であるから、装置の大型化ないしは設備費用の高騰を
抑制することができる。
【0062】しかも、水素貯蔵手段12として用いてい
る水素吸蔵合金Mが、同容量の従来のボンベに比較し
て、3倍ないし4倍の水素貯蔵能力があることから、こ
の点からも装置の小型化が図られる。
る水素吸蔵合金Mが、同容量の従来のボンベに比較し
て、3倍ないし4倍の水素貯蔵能力があることから、こ
の点からも装置の小型化が図られる。
【0063】ここで、本実施例の熱処理装置11におい
て、水素貯蔵手段12における初期の水素貯蔵量を35
Nm3とし、前記各組成の金属系材料Wに対してそれぞ
れ10回の処理を行った後の水素の減少量を測定した結
果を表2の左欄に示す。
て、水素貯蔵手段12における初期の水素貯蔵量を35
Nm3とし、前記各組成の金属系材料Wに対してそれぞ
れ10回の処理を行った後の水素の減少量を測定した結
果を表2の左欄に示す。
【0064】
【表2】
【0065】そして、前記表2の右欄は、比較のため
に、同様の前記各金属系材料Wについて、従来の装置に
よって熱処理を行った際の水素の減少量を示すものであ
る。
に、同様の前記各金属系材料Wについて、従来の装置に
よって熱処理を行った際の水素の減少量を示すものであ
る。
【0066】この結果からも明らかなように、本実施例
によれば、殆ど水素の減少が見られず、極めて大きな効
果が得られる。
によれば、殆ど水素の減少が見られず、極めて大きな効
果が得られる。
【0067】(実施例2)次いで、金属系材料Wとして
後者のTi系合金を用いた実施例について説明する。
後者のTi系合金を用いた実施例について説明する。
【0068】まず、表3の1.2で示す組成を有し、平
均粒径120μmのTi系合金粉末のそれぞれについ
て、温度750℃、2000atm、および、3時間保
持の条件下で熱間静水圧プレスを行い、所定形状の金属
系材料Wとしての構造部材を作成した。
均粒径120μmのTi系合金粉末のそれぞれについ
て、温度750℃、2000atm、および、3時間保
持の条件下で熱間静水圧プレスを行い、所定形状の金属
系材料Wとしての構造部材を作成した。
【0069】
【表3】
【0070】この金属系材料Wを内熱式のグラファイト
・ヒーター備えた熱処理炉11内に設置し、熱処理炉1
1内の大気を真空引きしたのち、熱処理装置10の各構
成要素を制御手段15によって作動させることにより、
前記実施例と同様にして850℃、1atmの雰囲気下
で前記金属系材料Wに水素を吸蔵させ、その後に、85
0℃、1×10-4Torrの条件下で前記金属系材料W
の脱水素処理を行った。
・ヒーター備えた熱処理炉11内に設置し、熱処理炉1
1内の大気を真空引きしたのち、熱処理装置10の各構
成要素を制御手段15によって作動させることにより、
前記実施例と同様にして850℃、1atmの雰囲気下
で前記金属系材料Wに水素を吸蔵させ、その後に、85
0℃、1×10-4Torrの条件下で前記金属系材料W
の脱水素処理を行った。
【0071】このような熱処理によって、前記粗大なα
+β相を有するTi系合金が得られ、このような組成の
Ti系合金は、高サイクル疲労強度や耐クリープ特性に
優れている。
+β相を有するTi系合金が得られ、このような組成の
Ti系合金は、高サイクル疲労強度や耐クリープ特性に
優れている。
【0072】そして、この場合にも、熱処理に用いられ
る水素は、水素貯蔵手段12と熱処理炉11との間で授
受されることにより、装置外への水素の漏洩が抑制され
る。
る水素は、水素貯蔵手段12と熱処理炉11との間で授
受されることにより、装置外への水素の漏洩が抑制され
る。
【0073】ここで、初期状態の水素貯蔵量を35Nm
3とした本実施例の装置によって、前記処理を各Ti系
合金に対してそれぞれ20回行った際の水素の減少量を
測定した結果を表4の左欄に示し、また、表4の右欄に
は、比較のために、本実施例の各Ti系合金に対して従
来の装置を用いて熱処理を行った場合における水素の減
少量を示した。
3とした本実施例の装置によって、前記処理を各Ti系
合金に対してそれぞれ20回行った際の水素の減少量を
測定した結果を表4の左欄に示し、また、表4の右欄に
は、比較のために、本実施例の各Ti系合金に対して従
来の装置を用いて熱処理を行った場合における水素の減
少量を示した。
【0074】
【表4】
【0075】この結果からも明らかなように、本実施例
においても水素の減少はなく、従来装置に比して、大幅
な改善がなされている。
においても水素の減少はなく、従来装置に比して、大幅
な改善がなされている。
【0076】次いで、本発明の請求項2記載の一実施例
について図3を参照して説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、以下の説明中、前記実施例と同様のものにつ
いては同一符号を用いて説明を間略化する。
について図3を参照して説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、以下の説明中、前記実施例と同様のものにつ
いては同一符号を用いて説明を間略化する。
【0077】本実施例に係わる金属系材料の熱処理装置
40は、熱処理炉11と、水素吸蔵合金Mからなる水素
貯蔵手段12と、前記熱処理炉11から放出される水素
を水素貯蔵手段12へ送り込む排気路41と、前記水素
貯蔵手段12から熱処理炉11へ水素を供給する供給路
42と、前記排気路41に設けられ、前記熱処理炉11
内の気体を吸引して水素貯蔵手段12へ送り込む真空排
気手段43と、前記供給路42に設けられ、前記熱処理
炉11へ供給される水素の圧力を調整する圧力調整手段
44と、前記熱処理炉11および水素貯蔵手段12のそ
れぞれに設けられた圧力センサー13ならびに温度セン
サー14と、これらの各センサー13・14の検出信号
に基づき、前記熱処理炉11および水素貯蔵手段12の
内部圧力あるいは内部温度の調整ならびに真空排気手段
43の作動を調整することにより、前記熱処理炉11の
処理状態に応じて、熱処理炉11への水素の供給および
排出を制御する制御手段15とを具備した概略構成とな
っている。
40は、熱処理炉11と、水素吸蔵合金Mからなる水素
貯蔵手段12と、前記熱処理炉11から放出される水素
を水素貯蔵手段12へ送り込む排気路41と、前記水素
貯蔵手段12から熱処理炉11へ水素を供給する供給路
42と、前記排気路41に設けられ、前記熱処理炉11
内の気体を吸引して水素貯蔵手段12へ送り込む真空排
気手段43と、前記供給路42に設けられ、前記熱処理
炉11へ供給される水素の圧力を調整する圧力調整手段
44と、前記熱処理炉11および水素貯蔵手段12のそ
れぞれに設けられた圧力センサー13ならびに温度セン
サー14と、これらの各センサー13・14の検出信号
に基づき、前記熱処理炉11および水素貯蔵手段12の
内部圧力あるいは内部温度の調整ならびに真空排気手段
43の作動を調整することにより、前記熱処理炉11の
処理状態に応じて、熱処理炉11への水素の供給および
排出を制御する制御手段15とを具備した概略構成とな
っている。
【0078】前記真空排気手段43は、例えば真空ポン
プであって、その前後に開閉弁が具備されており、その
吸引部が前記熱処理炉11へ接続され、また、排気部が
前記水素貯蔵手段12へ接続されており、これらの間に
形成されている前記排気路41は、気密に保持されてい
る。
プであって、その前後に開閉弁が具備されており、その
吸引部が前記熱処理炉11へ接続され、また、排気部が
前記水素貯蔵手段12へ接続されており、これらの間に
形成されている前記排気路41は、気密に保持されてい
る。
【0079】前記圧力調整手段44は、開閉弁と減圧弁
とが具備されており、通常時においては開閉弁によって
前記供給路42を閉塞して、水素貯蔵手段12と熱処理
炉11との連通状態を遮断し、また、熱処理炉11への
水素の供給を行う場合には、前記減圧弁によって、熱処
理炉11へ供給される水素の圧力を1atm以下に保持
するようになされている。
とが具備されており、通常時においては開閉弁によって
前記供給路42を閉塞して、水素貯蔵手段12と熱処理
炉11との連通状態を遮断し、また、熱処理炉11への
水素の供給を行う場合には、前記減圧弁によって、熱処
理炉11へ供給される水素の圧力を1atm以下に保持
するようになされている。
【0080】また、本実施例においては、前記供給路4
2で、前記圧力調整手段44と水素貯蔵手段12との間
に、水素ボンベ45が開閉弁46を介して連設されてお
り、稼働初期における水素の充填、あるいは、漏洩等に
よる水素減少時における補充用として用いられるもので
ある。
2で、前記圧力調整手段44と水素貯蔵手段12との間
に、水素ボンベ45が開閉弁46を介して連設されてお
り、稼働初期における水素の充填、あるいは、漏洩等に
よる水素減少時における補充用として用いられるもので
ある。
【0081】前記開閉弁46は、前記真空排気手段43
および圧力調整手段44とともに前記制御手段15へ接
続されて、この制御手段15から出力される制御信号に
よって作動が制御されるようになっている。
および圧力調整手段44とともに前記制御手段15へ接
続されて、この制御手段15から出力される制御信号に
よって作動が制御されるようになっている。
【0082】一方、本実施例の熱処理装置40における
処理対象金属系材料Wは、前述の実施例において示した
ものと同様である。
処理対象金属系材料Wは、前述の実施例において示した
ものと同様である。
【0083】そして、本実施例に係わる熱処理装置40
において、熱処理炉11内に金属系材料Wが設置されて
装置が起動されると、制御手段15によって制御される
各温度制御手段22により各加熱ヒーター16・20が
発熱させられ、かつ、各温度センサー14により熱処理
炉11および水素貯蔵手段12内の温度情報が制御手段
15へフィードバックされることにより、前記熱処理路
11および水素貯蔵手段12の圧力容器17内が所定の
温度に保持される。
において、熱処理炉11内に金属系材料Wが設置されて
装置が起動されると、制御手段15によって制御される
各温度制御手段22により各加熱ヒーター16・20が
発熱させられ、かつ、各温度センサー14により熱処理
炉11および水素貯蔵手段12内の温度情報が制御手段
15へフィードバックされることにより、前記熱処理路
11および水素貯蔵手段12の圧力容器17内が所定の
温度に保持される。
【0084】これより制御手段15によって圧力調整手
段44の開閉弁が開放されることにより、水素貯蔵手段
12から水素が、その圧力が圧力調整手段44の減圧弁
の作用によって1atmに保持されつつ熱処理炉11へ
供給される。
段44の開閉弁が開放されることにより、水素貯蔵手段
12から水素が、その圧力が圧力調整手段44の減圧弁
の作用によって1atmに保持されつつ熱処理炉11へ
供給される。
【0085】以上の操作によって、前記熱処理炉11内
において、金属系材料Wへの水素の吸蔵処理が行われ
る。
において、金属系材料Wへの水素の吸蔵処理が行われ
る。
【0086】金蔵矩形材料Wへの前述した水素吸蔵処理
が完了した後に、制御手段15によって圧力調整手段4
4の開閉弁が閉じられるとともに、真空排気手段43が
作動させられることにより、前記熱処理炉11内の水素
が吸引されて前記水素貯蔵手段12へ送り込まれる。
が完了した後に、制御手段15によって圧力調整手段4
4の開閉弁が閉じられるとともに、真空排気手段43が
作動させられることにより、前記熱処理炉11内の水素
が吸引されて前記水素貯蔵手段12へ送り込まれる。
【0087】これによって前記熱処理炉11内が減圧さ
れかつ水素貯蔵手段12内が加圧され、熱処理炉11に
おいて水素の放出現象が発生し、また、水素貯蔵手段1
2の水素吸蔵合金Mにおいて水素の吸蔵現象が発生す
る。
れかつ水素貯蔵手段12内が加圧され、熱処理炉11に
おいて水素の放出現象が発生し、また、水素貯蔵手段1
2の水素吸蔵合金Mにおいて水素の吸蔵現象が発生す
る。
【0088】この結果、熱処理炉11内において金属系
材料Wへの脱水素処理が行われるとともに、金属系材料
Wから放出された水素が、排出路41を経て水素貯蔵手
段12の水素吸蔵合金Mへ回収される。
材料Wへの脱水素処理が行われるとともに、金属系材料
Wから放出された水素が、排出路41を経て水素貯蔵手
段12の水素吸蔵合金Mへ回収される。
【0089】そして、熱処理の繰り返しによって、ある
いは、点検等により系を外気へ開放させることによって
水素量が減少した場合には、本実施例に於ては、開閉弁
46が作動させられて、水素ボンベ45から所望量の水
素が装置へ補給される。
いは、点検等により系を外気へ開放させることによって
水素量が減少した場合には、本実施例に於ては、開閉弁
46が作動させられて、水素ボンベ45から所望量の水
素が装置へ補給される。
【0090】本実施例の熱処理における熱的条件や圧力
条件等は、前述した実施例とほぼ同様であり、また、熱
処理を行った金属系材料Wの特性についても前記実施例
とほぼ同様の結果が得られた。
条件等は、前述した実施例とほぼ同様であり、また、熱
処理を行った金属系材料Wの特性についても前記実施例
とほぼ同様の結果が得られた。
【0091】そして、前述の本実施例の熱処理において
も、熱処理に用いられる水素は、水素貯蔵手段12と熱
処理炉11との間で授受され、装置外への漏洩が抑制さ
れるから、水素の使用量が少なくてすむ。
も、熱処理に用いられる水素は、水素貯蔵手段12と熱
処理炉11との間で授受され、装置外への漏洩が抑制さ
れるから、水素の使用量が少なくてすむ。
【0092】しかも本実施例においては、熱処理炉11
内の水素を直接水素貯蔵手段12へ送り込むようにした
から、熱処理炉11内の減圧と水素貯蔵手段12内の加
圧、ならびに、水素貯蔵手段12への水素の送り込み操
作とが同時に行われ、操作系の簡略化が図られる。
内の水素を直接水素貯蔵手段12へ送り込むようにした
から、熱処理炉11内の減圧と水素貯蔵手段12内の加
圧、ならびに、水素貯蔵手段12への水素の送り込み操
作とが同時に行われ、操作系の簡略化が図られる。
【0093】また、供給路42に圧力調整手段44を設
けたことにより、水素貯蔵手段12から熱処理炉11へ
供給する水素の圧力が精度よく制御され、安定した熱処
理が行われる。
けたことにより、水素貯蔵手段12から熱処理炉11へ
供給する水素の圧力が精度よく制御され、安定した熱処
理が行われる。
【0094】なお、前記実施例においては、水素貯蔵手
段12内の加圧が真空排気手段43によって行われてい
るが、さらに、図3に示すように、前記真空排気手段4
3と水素貯蔵手段12との間に加圧手段47を設けて、
この加圧手段47によって水素貯蔵手段12内の圧力を
さらに上昇させることも可能である。
段12内の加圧が真空排気手段43によって行われてい
るが、さらに、図3に示すように、前記真空排気手段4
3と水素貯蔵手段12との間に加圧手段47を設けて、
この加圧手段47によって水素貯蔵手段12内の圧力を
さらに上昇させることも可能である。
【0095】これは、水素貯蔵手段12内に貯蔵される
水素量を増加させる際に有効な手段となるものである。
水素量を増加させる際に有効な手段となるものである。
【0096】なお、前記各実施例において示した各構成
部材の諸形状や構成、あるいは、処理条件等は一例であ
って、適用する金属系材料の組成や設計要求等に基づき
種々変更可能である。
部材の諸形状や構成、あるいは、処理条件等は一例であ
って、適用する金属系材料の組成や設計要求等に基づき
種々変更可能である。
【0097】例えば、前記各実施例においては、熱処理
に水素ガスを用いた例について示したが、これに代え
て、不活性ガスとの混合気体を用いることも可能であ
り、この場合には、水素分圧を圧力制御の制御因子とす
ればよい。
に水素ガスを用いた例について示したが、これに代え
て、不活性ガスとの混合気体を用いることも可能であ
り、この場合には、水素分圧を圧力制御の制御因子とす
ればよい。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の金属系材料の熱処理装置によれば、次のような優
れた効果を奏する。
記載の金属系材料の熱処理装置によれば、次のような優
れた効果を奏する。
【0099】水素貯蔵手段と熱処理炉との間に水素の授
受を行う閉回路を形成して、前記水素を水素貯蔵手段と
熱処理炉との間で授受させて繰り返し使用可能とし、こ
れによって、水素の使用量を大幅に削減することができ
る。
受を行う閉回路を形成して、前記水素を水素貯蔵手段と
熱処理炉との間で授受させて繰り返し使用可能とし、こ
れによって、水素の使用量を大幅に削減することができ
る。
【0100】また、水素貯蔵手段に水素吸蔵合金を用い
ることにより、水素貯蔵能力を大きくして、水素を貯蔵
する容器等の小型化を可能とし、装置全体の小型化を図
ることができる。
ることにより、水素貯蔵能力を大きくして、水素を貯蔵
する容器等の小型化を可能とし、装置全体の小型化を図
ることができる。
【0101】一方、本発明の請求項2記載の金属系材料
の熱処理装置によれば、請求項1記載の熱処理装置に加
えて、次のような優れた効果を奏する。
の熱処理装置によれば、請求項1記載の熱処理装置に加
えて、次のような優れた効果を奏する。
【0102】熱処理に用いられた水素を、真空排気手段
によって熱処理炉から直接水素貯蔵手段へ送り込むこと
により、前記熱処理炉内の減圧操作、水素貯蔵手段内の
加圧操作、ならびに、水素の搬送操作を同時に行うこと
により、熱処理装置の操作系の簡略化を図ることができ
る。
によって熱処理炉から直接水素貯蔵手段へ送り込むこと
により、前記熱処理炉内の減圧操作、水素貯蔵手段内の
加圧操作、ならびに、水素の搬送操作を同時に行うこと
により、熱処理装置の操作系の簡略化を図ることができ
る。
【0103】また、熱処理炉への水素の供給を、圧力調
整手段を介して行うようにしたから、熱処理炉へ供給さ
れる水素の圧力をきめ細かく制御することができ、安定
した熱処理を可能にする。
整手段を介して行うようにしたから、熱処理炉へ供給さ
れる水素の圧力をきめ細かく制御することができ、安定
した熱処理を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の金属系材料の熱処理炉
の概略を示すブロック図である。
の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の請求項1ならびに請求項2記載の金属
系材料の熱処理炉に用いられる水素貯蔵手段を示す一部
を破断した斜視図である。
系材料の熱処理炉に用いられる水素貯蔵手段を示す一部
を破断した斜視図である。
【図3】本発明の請求項2記載の金属系材料の熱処理炉
の概略を示すブロック図である。
の概略を示すブロック図である。
【図4】従来の金属系材料の熱処理炉を示すブロック図
である。
である。
10 熱処理装置 11 熱処理炉 12 水素貯蔵手段 13 圧力センサー 14 温度センサー 15 制御手段 17 圧力容器 22 温度制御手段 23 圧力制御手段 40 熱処理装置 41 排気路 42 供給路 43 真空排気手段 44 圧力調整手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 1/00,1/74,1/76 C21D 6/00 C22F 1/02 F27D 7/06 H01F 1/053
Claims (2)
- 【請求項1】 金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵
処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素
を放出させる水素放出処理を行なう熱処理炉と、この熱
処理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金からな
る水素貯蔵手段と、前記熱処理炉および水素貯蔵手段の
それぞれに設けられ、これらの内部圧力および内部温度
を測定する圧力センサーならびに温度センサーと、これ
らの各センサーの検出信号に基づき、熱処理炉および水
素貯蔵手段の内部圧力あるいは温度を調整することによ
り、前記熱処理炉の処理状態に応じて、熱処理炉への水
素の供給および排出を行う制御手段とを具備してなるこ
とを特徴とする金属系材料の熱処理装置。 - 【請求項2】 金属系材料に水素を吸蔵させる水素吸蔵
処理、および、前記水素を吸蔵した金属系材料から水素
を放出させる水素放出処理を行う熱処理炉と、この熱処
理炉へ給排される水素を貯蔵する水素吸蔵合金からなる
水素貯蔵手段と、熱処理炉から放出される水素を水素貯
蔵手段へ送り込む排気路と、前記水素貯蔵手段から熱処
理炉へ水素を供給する供給路と、前記排気路に設けら
れ、前記熱処理炉内の気体を吸引して水素貯蔵手段へ送
り込む真空排気手段と、前記供給路に設けられ、前記熱
処理炉へ供給される水素の圧力を調整する圧力調整手段
と、前記熱処理炉および水素貯蔵手段のそれぞれに設け
られ、これらの内部圧力および内部温度を測定する圧力
センサーならびに温度センサーと、これらの各センサー
の検出信号に基づき、前記熱処理炉および水素貯蔵手段
の内部圧力あるいは内部温度の調整ならびに真空排気手
段の作動を調整することにより、前記熱処理炉の処理状
態に応じて、熱処理炉への水素の供給および排出を制御
する制御手段とを具備してなることを特徴とする金属系
材料の熱処理装置。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3337315A JP2897500B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 金属系材料の熱処理装置 |
TW081109386A TW205572B (ja) | 1991-11-28 | 1992-11-24 | |
US07/981,223 US5354040A (en) | 1991-11-28 | 1992-11-25 | Apparatus for closed cycle hydrogenation recovery and rehydrogenation |
EP92310876A EP0545644A1 (en) | 1991-11-28 | 1992-11-27 | Method for heat treating metallic materials and apparatus therefor |
KR1019920022581A KR960010820B1 (ko) | 1991-11-28 | 1992-11-27 | 금속계 재료의 열처리장치 |
CN92114548A CN1035200C (zh) | 1991-11-28 | 1992-11-28 | 金属材料的热处理方法及其装置 |
US08/246,076 US5505794A (en) | 1991-11-28 | 1994-05-19 | Method for heat treating metallic materials and apparatus therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3337315A JP2897500B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 金属系材料の熱処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247526A JPH05247526A (ja) | 1993-09-24 |
JP2897500B2 true JP2897500B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=18307476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3337315A Expired - Fee Related JP2897500B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-12-19 | 金属系材料の熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2897500B2 (ja) |
-
1991
- 1991-12-19 JP JP3337315A patent/JP2897500B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05247526A (ja) | 1993-09-24 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990209 |
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