JP2896690B2 - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に用いられるハロ
ゲン化銀写真乳剤に関し、詳しくは感度・粒状性及び保
存性が改良されたハロゲン化銀写真感光材料に用いられ
るハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関する。
〔従来技術〕
カメラ等撮影機器の普及は近年益々進み、ハロゲン化
銀写真感光材料を用いた写真撮影の機会も増加してきて
いる。それに伴ってハロゲン化銀写真感光材料の高感度
化、高画質化に対する要請も強くなってきている。
ハロゲン化銀写真感光材料の高感度化、高画質化に対
しての支配的因子の一つはハロゲン化銀粒子であり、よ
り高感度化、より高画質化を目指したハロゲン化銀粒子
の開発は従来から当業界で進められてきた。
しかし、一般に行われているように、画質向上のため
にハロゲン化銀粒子の粒径を小さくしてゆくと、感度が
低下する傾向にあり、高感度と高画質を共に満足させる
には限界があった。
より一層の高感度化、高画質化を図るべく、ハロゲン
化銀粒子1個当たりの感度/サイズ比を向上させる技術
が研究されているが、その一つとして平板状ハロゲン化
銀粒子を使用する技術が特開昭58−111935号、同58−11
1936号、同58−111937号、同58−113927号、同59−9943
3号等に記載されている。これらの平板状ハロゲン化銀
粒子を八面体、十四面体あるいは六面体などの所謂正常
晶ハロゲン化銀粒子と比較すると、ハロゲン化銀粒子の
体積が同じ場合には表面積は大きくなり、従ってハロゲ
ン化銀粒子表面により多くの増感色素を吸着させること
ができ一層の高感度を図れる利点がある。
更に特開昭63−92942号には平板状ハロゲン化銀粒子
内部に高沃度コアを設ける技術が、特開昭63−151618号
には六角平板状ハロゲン化銀粒子を用いる技術が、特開
昭63−163451号には双晶面間の最も長い距離に対する粒
子厚みが5以上である平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
技術、特開平1−158426には核粒子生成時に低分子ゼラ
チンを用いる技術、特開平1−213637には95%以上が、
平行な双晶面を2枚含有する平板状ハロゲン化銀粒子を
用いる技術が採りあげられ、それぞれ感度、粒状性にお
ける効果が示されている。
しかし、これらの従来技術では、やはり高感度化と高
画質化の両立には限界があり、より優れた技術の開発が
望まれていた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、高感度で粒状性に優れ保存性の良好
なハロゲン化銀写真感光材料を与えるハロゲン化銀写真
乳剤を提供することにある。
〔発明の構成及び作用効果〕
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、 (1)親水性保護コロイドとしてゼラチンを使用し、核
粒子生成及び成長工程を有する主として双晶より成るハ
ロゲン化銀写真乳剤の製造方法において、平均分子量が
7万〜13万であり、β成分に対するα成分の比が2.5以
上であるゼラチンを少なくとも1種用いることを特徴と
するハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
(2)前記乳剤のハロゲン化銀粒子の結晶核生成を、平
均分子量が7万〜13万であり、β成分に対するα成分の
比が2.5以上であるゼラチンの存在下に行うことを特徴
とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真乳剤の製造方
法によって本発明の目的が達成されることを見出し本発
明を成すに至った。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る双晶は一つの粒子内に一つ以上の双晶面
を有するハロゲン化銀結晶であるが、双晶の形態の分類
はクラインとモイザーによる報文ホトグラフィッセ・コ
レスポンデンツ〔Photographishe Korrespondenz〕99巻
99頁、同100巻,57頁に詳しく述べられている。
本発明において、ハロゲン化銀粒子が主として双晶か
ら成るとは、双晶面を有する双晶粒子の投影面積が全ハ
ロゲン化銀粒子の投影面積の90%以上、好ましくは95%
以上、特に好ましくは99%以上含まれることである。
本発明に係る双晶は{111}面から成るもの、{100}
面から成るもの、或は両者より成るもののいずれでもよ
い。
更に本発明に係る双晶粒子は、2つの対向する平行な
主平面を有する平板状粒子と、1つの粒子内に2つ以上
の非平行な双晶面をもつ比較的断面比の低い非平板状粒
子の両者から成る。ここで断面比とはハロゲン化銀粒子
の厚みを分母とする、投影面積と同面積を有する円の直
径との比をいう。本発明における平板状粒子と非平板状
粒子の両者から成る双晶の断面比の平均値は1.2以上で
あり、好ましくは1.2〜15、特に好ましくは1.5〜10であ
る。
この平均値は、粒子の断面比を平均することにより得
られるが、測定粒子個数は無差別に1000個以上とする。
本発明双晶粒子の直径は、主平面と同じ投影面積を有
する円の直径で示されるが、0.1〜5.0μmが好ましく、
より好ましくは0.2〜4.0μm、特に好ましくは0.3〜3.0
μmである。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は粒子サイズ分布が単
分散性であることが好ましい。
本発明で用いられる単分散性乳剤は によって定義した変動係数(ν)が20%未満であること
が好ましく、より好ましくは18%未満、最も好ましくは
15%未満である。
直径は、ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子を電
子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して投影し、そのプリ
ント上の粒子の投影面積を実測することによって得るこ
とができる。(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある
こととする。) 本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン組成が均
一な粒子でも、内部と表面でハロゲン組成が異なるコア
/シェル型粒子でもいいが、コア/シェル型粒子の方が
好ましい。
写真用乳剤において、使用するゼラチンが化学増感に
大きな影響を有すると同時に、ハロゲン化銀粒子の晶相
形成、生長に関与することは、ゼラチン特性として物理
抑制度に象徴されるように甚大なものがあり、かつそれ
らゼラチン特性は抽出その他の条件で大きく変化するこ
とが知られている。更に本発明者らは、このような条件
が保存性に大きく影響することを見出した。
本発明者らは写真用ゼラチンの前記効用に鑑み、その
原料の選択から製造方法に亘り多くの検討を行って来
た。
次に本発明に係るゼラチンの製造方法について述べ
る。本発明に係るゼラチンの製造方法は、ゼラチンの分
子量を本発明に用いるゼラチンの分子量の範囲内にする
方法以外は写真用ゼラチンに一般的に用いられる製造方
法で作ることができ、例えば日本写真学会編「写真工学
の基礎銀塩写真編」(コロナ社)P.122〜124に詳しく記
載されている。
本発明に係るゼラチンは動物の結合組成の主成分であ
るコラーゲンから製造される。写真用ゼラチンの原料と
しては牛骨,牛皮,豚皮,魚皮などがあげられ、酸処理
又は石灰処理により原料中のコラーゲンから取出され
る。本発明のゼラチンとしては写真性能に影響を及ぼす
活性不純物の含量を極めて少なくできる石灰処理によっ
て製造されたゼラチンが好ましい。
また本発明のゼラチンは現在の写真用ゼラチンの主流
になっている牛骨および牛皮の石灰処理によるものが好
ましい。
牛骨又は牛皮からの石灰処理によるゼラチン製造のプ
ロセスは、脱灰,石灰処理,抽出,濾過,濃縮,ゲル
化,乾燥の順に行う。
脱灰 乾燥した牛骨は無機分が半分以上を占め、そ
の大部分は燐酸カルシウムである。希塩酸を用いてこれ
を燐酸二水素カルシウムにして溶出させ、不溶性コラー
ゲンを主成分とするオセインを残す。オセインの酸によ
る加水分解損失を少なくする為に前記希塩酸の濃度を5
%程度、温度を15℃程度に保つことが好ましい。又、燐
酸カルシウムの完全除去に長時間処理を行うと、オセイ
ンの加水分解による損失が大きいので、通常4〜7日程
度の処理期間が適当である。この際残存石灰は、1.0〜
2.0%程度になる。
脱灰後のオセインは充分に水洗して過剰の酸を除去し
た後、0.5%程度の苛性ソーダ或は0.5%程度の石灰懸濁
液により中和する。
石灰処理 脱灰によって取り出したオセインを2〜
5%の消石灰の懸濁液中に70〜100日間浸漬する。この
処理によってコラーゲンの構造や化学組成に重要な変化
が生じる。天然コラーゲンにおいて側鎖のカルボキシル
基の約1/3は非解離アミドとして存在しているが、石灰
処理によりその大部分はアンモニアの放出により解離性
のカルボキシル基になる。存在するアルギニン残基は尿
素の放出によりオルニチンになる。そのほか、原料中に
含まれている非コラーゲン蛋白或は多糖類は除去され、
同時に小さいペブチドの断片の溶出も起る。さらにN末
端の増加、膨潤度の上昇、変性温度の低下などもみられ
る。これらの現象は、コラーゲンのペブチド結合の切断
やトロポコラーゲン間或はトロポコラーゲン内の架橋的
共有結合の切断によるものと考えられている。
石灰処理後、石灰除去の為に約24時間の水洗を行う。
その後、0.05N程度の希塩酸を用いて約24時間中和し、
再び24〜48時間程度水洗を行い所定の抽出PHにする。
抽出 アルカリ処理後の原料は、温水中に浸漬しゼ
ラチンを抽出する。ゼラチンの抽出速度はこのときのP
H、温度に依存するが、抽出速度の低下した段階で浸漬
液を第1抽出液として取り出す。次に抽出残留物に対し
て第1回目の抽出のときよりも5〜10℃程度高い温水を
加え第2回目の抽出を行う。以降逐次高温の温水による
抽出を行い合計で5〜6回程度の抽出を行う。抽出過程
において、コラーゲンのペプチド結合の切断やトランス
・アミド結合によるペプチド間の架橋などが起ると凝固
性に代表されるゼラチンの物理的性質が悪化する。これ
を防ぐには抽出時のpHの制御が重要である。
濾過 抽出されたゼラチン溶液は、セルロース・パ
ルプを濾材とするフィルタ・プレスで夾雑物を濾過し、
透明度を上げる。
濃縮 濾過後のゼラチン溶液は、濃縮して以降のゲ
ル化及び乾燥工程における時間短縮及びコスト低減が図
られる。一般には60℃以下の温度で、減圧による蒸発を
用いて15〜24%程度にまで濃縮を行う。
ゲル化・乾燥 濃縮後のゼラチン溶液は、冷却、ゲ
ル化し、適当な形状・サイズに細断する。その後風乾に
より乾燥させる。ゼラチンの融解防止、乾燥時間の短縮
には、乾燥過程の初期に低温の空気を用い、その後逐次
温度の高い空気を用いて乾燥させることが好ましい。
以上牛骨アルカリ処理ゼラチンについて述べたが、本
発明では、アルカリ処理ゼラチン或は酸処理ゼラチンの
どちらを用いても良く、更にフタル化ゼラチン等に代表
される修飾ゼラチンを用いてもよい。
一般にゼラチンは分子量で分類すると分子量30万以上
の高分子成分、分子量30万前後のγ成分、分子量20万前
後のβ成分、分子量10万前後のα成分、分子量10万以下
の低分子量成分に分けることができる。
現在、写真用ゼラチンとして通常用いられているのは
これら種々の分子量をもった成分の混合物であるが、分
子量分布は原料、可溶化処理、抽出条件等の製造条件に
よって大きく変化する。
本発明で用いるゼラチンは平均分子量が7万〜13万で
あり、好ましくは7万5000〜12万、特に好ましくは8万
〜11万である。また本発明に関するゼラチンは分子量分
布が狭いものであり、ゲルろ過法によるクロマトグラム
の230nmの分光吸収曲線ではα成分に起因すめるピーク
高さが最も高く、β成分に起因するピーク高さに対する
比が2.5以上であることを特徴とする。好ましくはα成
分に起因するピーク高さがβ成分に起因するピーク高さ
に対して5以上、特に好ましくは10以上である。また分
子量が30万以上である高分子成分に起因するピーク高さ
に対するα成分に起因するピーク高さは5以上であるこ
とが好ましく、特に好ましくは10以上である。
本発明に用いるゼラチンは1種類でも、複数の製造条
件違いのゼラチンの混合物でもどちらでもよいが、複数
の製造条件違いのゼラチンを混合する場合は、混合後の
分子量分布および各成分の比をさすものとする。
次に本発明に関するゼラチンの製造方法について述べ
る。高分子成分、γ成分およびβ成分の除去はコアセル
ベーション法による分離や超音波照射による架橋の切
断、または酵素による分解などが利用できる。このう
ち、超音波照射や酵素分解では分子量10万以下の低分子
量成分が増加する傾向があるため、本発明においては低
分子量成分の除去も出来るコアセルベーションによる分
子量分別が特に好ましい。ゼラチンのコアセルベーショ
ンは、Pouradir J.等のJ.Chim.Phys.47巻391頁;49巻85
頁などに記載されている一般的な方法で行うことができ
る。
本発明に係わるゼラチンの抽出温度は38〜65℃が好ま
しく、特に好ましくは40〜60℃である。
本発明に係わるゼラチンの透過率は90%以上であるこ
とが好ましい。ゼラチンの透過率の測定法はPAGI法第6
版(1987年10月刊行)に従うものとする。ゼラチン透過
率を高めるにはろ過により來雑物をとり除く方法や過酸
化水素などを作用させることにより漂白させる方法があ
る。
本発明に係わるゼラチンはイオン交換樹脂等により脱
イオン化されていても良い。
次に前記ゼラチンを用いた本発明に係る乳剤の好まし
い調製手順を説明する。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法としては、単分
散性の種結晶上にハロゲン化銀を析出させる方法が好ま
しく用いられる。特に好ましくは特開昭61−6643号に記
載の単分散性球型双晶種乳剤を肥大させる成長工程を設
ける方法が挙げられる。
すなわち本発明のハロゲン化銀写真乳剤の調製工程と
して、時系列的に、 (イ) 前記ハロゲン化銀粒子の結晶核を生成する核粒
子生成工程、 (ロ) 該核粒子からのハロゲン化銀種粒子を形成する
種粒子形成工程、 (ハ) 種粒子を肥大させる成長工程 を設ける。
ここで本発明における核粒子生成工程とは、保護コロ
イド液中に水溶性銀塩が添加開始された時点から、新し
い結晶核が実質的に発生しなくなるまでの期間だけでな
く、その後に粒子の成長期間を含んでもよく、種粒子形
成工程以前の工程と定義される。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法においてはゼラ
チンを核粒子生成工程、種粒子形成工程、或は成長工程
の少なくとも1つの工程において用いることができる
が、これらの工程のいずれか1つにおいて用いる場合に
は核粒子生成工程において用いることが好ましい。又、
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法においては、ゼラ
チンを好ましくは核粒子生成工程と種粒子形成工程にお
いて、より好ましくは核粒子生成工程と種粒子形成工程
と、さらに成長工程の全銀量の1/2までの成長がなされ
るまでの期間において、特に好ましくは、核粒子生成工
程と種粒子形成工程と成長工程のすべてにおいて用い
る。
次に前記各工程について説明する。
(イ) 本発明において、核粒子生成工程の初期の1/2
以上の期間に亘り保護コロイド水溶液中の臭素イオン濃
度を0.01〜5モル/即ちpBr=2.0〜−0.7に保ち、好
ましくは0.03〜5モル/(pBr=1.5〜−0.7)に保
ち、水溶性銀塩又は水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物を
添加することにより双晶粒子核を得ることができる。尚
双晶粒子核には0〜5モル%の沃化銀が含まれてもよ
い。
本発明において、核粒子のサイズ分布に制限はなく単
分散でも多分散でもよい。本発明で言う多分散とは、前
記粒子の変動係数が25%以上のものを言う。本発明の核
粒子としては、少なくとも核粒子全体数に対して50%以
上の双晶粒子を含むことが好ましく、70%以上含むこと
がより好ましく、90%以上であることが最も好ましい。
(ロ) 次に、核粒子生成工程で得られた核粒子をハロ
ゲン化銀溶剤の存在下に熟成し、単分散性の球形粒子か
ら成る種粒子を得る種粒子形成工程について説明する。
前記核粒子生成工程で得られた核粒子からの種粒子の
熟成条件としては、0〜5モル%の沃化銀含有率のハロ
ゲン化銀を用いて双晶粒子核を生成させる前記核粒子生
成工程を経て乳剤母液を、10-5〜2.0モル/銀モルのハ
ロゲン化銀溶剤の存在下に熟成を進めることによって実
質的に単分散性球形種粒子が得られる。実質的に単分散
性とは、前に定義した変動係数が25%未満であることを
言う。
又、実質的に球形粒子とは、電子顕微鏡写真でハロゲ
ン化銀粒子を観察した場合に、{111}面あるいは{10
0}面等の面が明らかに判別できない程度に丸みを帯び
ており、かつ粒子内の重心附近の1点に互いに直交する
3次元軸を設定した場合、相対する粒子平面で切取られ
る縦、横及び高さ方向軸片のうちの最長片長さLと最短
片長さlとの比 が1.0〜2.0、好ましくは1.0〜1.5にあるある粒子を言
う。
又、本発明において該球形粒子が全種粒子数の60%以
上、好ましくは80%以上、更に好ましくは、その殆どを
占めていることが好ましい。
本発明の種粒子形成工程で用いられるハロゲン化銀溶
剤としては、(a)米国特許3,271,157号、同3,531,289
号、同3,574,628号、特開昭54−1019号、同54−158917
号及び特公昭58−30571号に記載されて有機チオエーテ
ル類、(b)特開昭53−82408号、同55−29829号及び同
55−77737号等に記載されたチオ尿素誘導体、(c)特
開昭53−144319号に記載された、酸素又は硫黄原子と窒
素原子で挟まれたチオカルボニル基を有するAgX溶剤、
(d)特開昭54−100717号に記載されたイミダゾール
類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアナート類、(g)
アンモニア、(h)特開昭57−196228号に記載されたヒ
ドロキシアルキルで置換したエチレンジアミン類、
(i)特開昭57−202531号に記載された置換メルカプト
テトラゾール類、(j)水溶性臭化物、(k)特開昭58
−54333号に記載されたベンゾイミダゾール誘導体等が
挙げられる。
次に、これら(a)〜(k)のハロゲン化銀溶剤の具
体例を挙げる。
これらの溶剤は2種以上組合せて用いることができ
る。好ましい溶剤としては、チオエーテル類、チオシア
ナート類、チオ尿素類、アンモニア、臭化物が挙げら
れ、特に好ましくはアンモニアと臭化物の組合せが挙げ
られる。
これらの溶剤は、ハロゲン化銀1モル当り10-5〜2モ
ルの範囲で用いられる。
又、pHとしては3〜13、温度としては30〜70℃が好ま
しく、特に好ましくはpH6〜12、温度35〜50℃の範囲で
ある。
本発明の好ましい実施態様の1例を示せば、pH10.8〜
11.2、温度35〜45℃でアンモニア0.4〜1.0モル/と臭
化カリウム0.03〜0.5モル/を組合せて用い、30秒〜1
0分間熟成することにより好適な種粒子を含む乳剤が得
られた。
本発明の種粒子形成工程の期間中に熟成を調整する目
的で水溶性銀塩を加えても差し支えない。
(ハ) 次に本発明の成長工程においては、その成長条
件は酸性法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、
特開昭61−6643号、同61−14630号、同61−112142号、
同62−157024号、同62−18556号、同63−92942号、同63
−151618号、同63−1613451号、同63−220238号及び同6
3−311244号等による公知の方法を用いることができ
る。
本発明の製造方法によるハロゲン化銀写真乳剤を用い
てハロゲン化銀写真感光材料を形成することが出来る。
前記ハロゲン化銀写真感光材料中ハロゲン化銀乳剤は、
リサーチ・ディスクロージャー308119(以下RD308119と
略す)に記載されているものを用いることができる。
下表に記載箇所を示す。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いて感光材料を構
成する際には、ハロゲン化銀写真乳剤は、物理熟成、化
学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このよう
な工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロジ
ャNo.17643,No.18716及びNo.308119(それぞれ、以下RD
17643,RD18716及びRD308119と略す)に記載されてい
る。
下表に記載箇所を示す。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いて感光材料を構
成する際には使用できる公知の写真用添加剤も上記リサ
ーチ・ディスクロジャに記載されている。下表に関連の
ある記載箇所を示す。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いてカラー写真感
光材料を構成する際には種々のカプラーを使用すること
ができ、その具体例は、上記リサーチ・ディスクロジャ
に記載されている。下表に関連ある記載箇所を示す。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いて感光材料を構
成する際に使用する添加剤は、RD308119X IVに記載され
ている分散法などにより、添加することができる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いて感光材料を構
成する際には、前述RD17643 28頁,RD18716647〜8頁及
びRD308119のX VIIに記載されている支持体を使用する
ことができる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いた感光材料に
は、前述RD308119VII−K項に記載されているフィルタ
層や中間層等の補助層を設けることができる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いたカラー写真感
光材料は、前述RD308119VII−K項に記載されている順
層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとることが
できる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、一般用もしくは映
画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ
用のカラー反転フィルム、カラーペーパ、カラーポジフ
ィルム、カラー反転ペーパに代表される種々のカラー写
真感光材料に好ましく適用することができる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を用いたカラー写真感
光材料は前述RD17643 28〜29頁,RD18716 647頁及びRD
308119のX IXに記載された通常の方法によって、現像処
理することができる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1 8種類のゼラチンを以下に示すように製造した。
石灰処理したオセインを45℃で抽出し、ろ過、濃縮
後乾燥させた。得られたゼラチン(Gel−1)の平均分
子量はゲルロ過クロマトグラフィーにより13万5千、β
成分に対するα成分のピーク高さ比は3.5であった。
で得られたゼラチンからコアセルベーション法に
より平均分子量12万、β成分に対するα成分のピーク高
さ比5.0のゼラチン(Gel−2)を得た。
で得られたゼラチンからコアセルベーション法に
より平均分子量10万、β成分に対するα成分のピーク高
さ比12.0のゼラチン(Gel−3)を得た。
で得られたゼラチンを酵素分解し、平均分子量8
万5千のゼラチン(Gel−4)を得た。該ゼラチンのβ
成分に相当するピークはα成分のピークと分離すること
が出来ない位に小さかった。
で得られたゼラチンに対しさらに酵素分解を進
め、平均分子量6万のゼラチン(Gel−5)を得た。該
ゼラチンのβ成分に相当するピークは明確に現れなかっ
た。
石灰処理したオセインを70℃で抽出し、ろ過濃縮後
乾燥させた。得られたゼラチン(Gel−6)の平均分子
量は14万、β成分に対するα成分のピーク高比は1.2で
あった。
で得られたゼラチンをコアセルベーション法によ
り平均分子量12万、β成分に対するα成分のピーク高さ
比5.0のゼラチン(Gel−7)を得た。
で得られたゼラチンに対して過酸化水素処理を施
し透過率を96%まで高めたゼラチン(Gel−8)を得
た。Gel−8の平均分子量は10万、β成分に対するα成
分のピーク高さ比は12.0であった。
比較乳剤Em−1の調整 特開昭61−6643号に従って以下に示す方法で単分散性
の球型種乳剤A−1を調整した。
〔種乳剤A−1の調製〕 尚前記オセインゼラチンは(Gel−1)を用いた。
40℃でA3液を激しく撹拌しながら、B3液とC3液をダブ
ルジェット法により30秒で添加し、核の生成を行った。
この時のpBrは1.09〜1.15であった。
1分30秒後、D3液を20秒で添加し5分間の熟成を行っ
た。熟成時のKBr濃度は0.071モル/、アンモニア濃度
は0.63モル/であった。
その後pHを6.0に合わせ、直ちに脱塩、水洗を行っ
た。この種粒子を電子顕微鏡観察したところ、平均粒径
0.36μm変動係数23%の単分散性球型乳剤であった。
〔乳剤Em−1の調製〕 引き続き種乳剤A−1と以下に示す3種の溶液を用い
て主として双晶より成るハロゲン化銀乳剤(Em−1)を
成長させた。この際、オセインゼラチンには(Gel−
1)を用いた。
65℃で激しく撹拌したA1液にB2液とC2液を112分でダ
ブルジェット法にて添加した。この間pHは硝酸にて2.0
に、pAgは9.0に終始保った。B2液とC2液の添加速度は初
期と最終で6.4倍となるように直線的に増加させた。
添加終了後、pHを6.0に合わせ、過剰な塩類を除去す
るため、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸
マグネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行い、pAg8.5、
40℃においてpH5.85の乳剤を得た。
得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したところ平均粒
径(r)1.60μm、変動係数(ν)18%、断面比(Sr)
2以上の平版状粒子の占める割合84%、断面比(Sr)2
以上である粒子の平均断面比(Sr)4.0であった。
○本発明の製造方法による乳剤Em−2の調製 Em−1と同様の方法により乳剤Em−2を調製した。た
だし種乳剤としては、平均分子量12万、β成分に対する
α成分のピーク高さ比5.0のゼラチン(Gel−2)を用い
た他は種乳剤A−1と同様の方法で調製した単分散性の
球型種乳剤A−2を用いた。得られた乳剤Em−2は平均
粒径()1.60μm、変動係数(ν)18%、断面比(S
r)2以上の平板状粒子の占める割合86%断面比(Sr)
2以上である粒子平均断面比(r)は4.0であった。
(以後、粒子形状は標記符号を用いる。又単分散性球型
種乳剤は種乳剤A−i;i=1.2,‥‥,nで表わす) ○本発明の製造方法による乳剤Em−3の調製Em−1と同
様の方法により乳剤Em−3を調製した。ただし、種乳剤
としては、平均分子量10万、β成分に対するα成分のピ
ーク高さ比12.0のゼラチン(Gel−3)を用いた他は種
乳剤A−1と同様の方法で調製した単分散性の球型種乳
剤A−3を用いた。得られた乳剤Em−3は;1.65μm
ν;16%Sr;2以上の平板状粒子の占める割合85%Sr;2以
上である粒子の平均断面比4.0であった。
○本発明の製造方法による乳剤Em−4の調製 Em−1と同様の方法により乳剤Em−4を調製した。た
だし種乳剤としては平均分子量8万5千のゼラチン(Ge
l−4)を用いた他は種乳剤A−1と同様の方法で調製
し単分散性の球型種乳剤A−4を用いた。得られた乳剤
Em−4は;1.60μmν;16%Sr;2以上の平版状粒子の占
める割合85%Sr;2以上である粒子の平均断面比4.1であ
った。
○比較乳剤Em−5の調製 Em−1と同様の方法により乳剤Em−5を調製した。た
だし種類乳剤としては平均分子量6万のゼラチン(Gel
−5)を用いた他は種乳剤A−1と同様の方法で調製し
た単分散性の球型種乳剤A−5を用いた。得られた乳剤
Em−5は;1.58μmν;15%Sr;2以上の平板状粒子の占
める割合86%、Sr;2以上である粒子の平均断面比3.9で
あった。
○比較乳剤Em−6の調製 Em−1と同様の方法により乳剤Em−6を調製した。た
だし種乳剤としては平均分子量14万、β成分に対するα
成分のピーク高さ比1.2のゼラチン(Gel−6)を用いた
他は種乳剤A−1と同様の方法で調製した単分散性の球
型種乳剤A−6を用いた。得られた乳剤Em−6はr;1.50
μm,ν;18%Sr;2以上の平板状粒子の占める割合83%Sr;
2以上である粒子の平均断面比3.8であった。
○本発明の製造方法による乳剤Em−7の調製 Em−1と同様の方法により乳剤Em−7を調製した。た
だし種乳剤としては、平均分子量12万、β成分に対する
α成分のピーク高さ比5.0のゼラチン(Gel−7)を用い
た他は種乳剤A−1と同様の方法で調製した単分散性の
球型種乳剤A−7を用いた。得られた乳剤Em−7はr;1.
60μmν;15%Sr;以上の平板状理由紙の占める割合86
%、Sr;2以上である粒子の平均断面比は4.0であった。
○本発明の製造方法による乳剤Em−8の調製 種乳剤A−1を用い、A1液とB2液のオセインゼラチン
を平均分子量10万、β成分に対するα成分のピーク高さ
比12.0のゼラチン(Gel−3)を用いる他はEm−1と同
様の方法で本発明の製造方法による乳剤Em−8を成長さ
せた。
○本発明の製造方法による乳剤Em−9の調製 種乳剤A−3を用い、A1液とB2液のオセインゼラチン
を平均分子量10万、β成分に対するα成分のピーク高さ
比12.0のゼラチン(Gel−3)を用いる他はEm−1と同
様の方法で本発明の製造方法による乳剤Em−9を成長さ
せた。
○本発明の製造方法による乳剤Em−10の調製 Em−1と同様の方法により乳剤Em−10を調製した。た
だし、種乳剤としては平均分子量を10万、β成分に対す
るα成分のピーク高さ比12.0透過率96%のゼラチン(Ge
l−8)を用いた他は種乳剤A−1と同様の方法で調製
した単分散性の球型種乳剤A−10を用いた。得られた乳
剤Em−10はr;1.60μm,ν;16%,Sr;2以上の平板状粒子の
占める割合85%Sr;2以上である粒子の平均断面比4.0で
あった。
ハロゲン化銀乳剤Em−1〜Em−10に、それぞれ最適に
化学増感を施した。これらの乳剤を、それぞれ下記試料
(試料No.100)の第9層の乳剤を表−1に示す乳剤にか
えて用いてトリアセチルセルロースフィルム支持体上
に、下記に示すような組成の各層を順次支持体側から形
成して、多層カラー写真感光材料101〜110を作成した。
添加量は特に記載のない限り1m2当たりのグラム数を
示す。又、ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示
し、増感色素は銀1モル当たりのモル数で示した。
〔試料−100〕 第1層:ハレーション防止層(HC−1) 黒色コロイド銀 銀塗布量 0.20 ゼラチン 1.40 紫外線吸収剤(UV−1) 0.23 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.18 第2層:第1中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 第3層:第1赤感性乳剤層(RL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 1.0 ゼラチン 1.2 増感色素(SD−1) 1.8×10-5 増感色素(SD−2) 2.8×10-4 増感色素(SD−3) 3×10-4 カプラー(C−1) 0.70 カラードカプラー(CC−1) 0.066 DIR化合物(D−1) 0.03 DIR化合物(D−3) 0.01 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.64 第4層:第2赤感性乳剤層(RM) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm) 0.8 ゼラチン 0.6 増感色素(SD−1) 2.1×10-5 増感色素(SD−2) 1.9×10-4 増感色素(SD−3) 1.9×10-4 カプラー(C−1) 0.28 カラードカプラー(CC−1) 0.027 DIR化合物(D−1) 0.01 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.26 第5層:第3赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.8μm) 1.7 ゼラチン 1.2 増感色素(SD−1) 1.9×10-5 増感色素(SD−2) 1.7×10-4 増感色素(SD−3) 1.7×10-4 カプラー(C−1) 0.05 カプラー(C−2) 0.10 カラードカプラー(CC−1) 0.02 DIR化合物(D−1) 0.025 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.17 第6層:第2中間層(IL−2) ゼラチン 0.80 第7層:第1緑感性乳剤層(GL) ハロゲン化銀乳剤(Em−I) 1.1 ゼラチン 1.8 増感色素(SD−4) 6.8×10-5 増感色素(SD−5) 6.2×10-4 カプラー(M−1) 0.54 カプラー(M−2) 0.19 カラードカプラー(CM−1) 0.06 DIR化合物(D−2) 0.017 DIR化合物(D−3) 0.01 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.81 第8層:第2緑感性乳剤層(GM) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm) 0.7 ゼラチン 0.8 増感色素(SD−6) 1.9×10-4 増感色素(SD−7) 1.2×10-4 増感色素(SD−8) 1.5×10-5 カプラー(M−1) 0.07 カプラー(M−2) 0.03 カラードカプラー(CM−1) 0.04 DIR化合物(D−2) 0.018 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.30 第9層:第3緑感性乳剤(GH) 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.0μm) 1.7 ゼラチン 1.2 増感色素(SD−6) 1.2×10-4 増感色素(SD−7) 1.0×10-4 増感色素(SD−8) 3.4×10-6 カプラー(M−1) 0.09 カプラー(M−3) 0.04 カラードカプラー(CM−1) 0.04 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.31 第10層:イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 銀塗布量 0.05 ゼラチン 0.7 添加剤(SC−1) 0.1 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.13 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.09 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.07 第11層:第1青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm) 0.5 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm) 0.5 ゼラチン 1.30 増感色素(SD−9) 5.2×10-4 増感色素(SD−10) 1.9×10-5 カプラー(Y−1) 0.65 カプラー(Y−2) 0.24 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.08 DIR化合物(D−1) 0.03 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.18 第12層:第2層青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤(平均粒径1.0μm) 1.0 ゼラチン 1.30 増感色素(SD−9) 1.8×10-4 増感色素(SD−10) 7.9×10-5 カプラー(Y−1) 0.15 カプラー(Y−2) 0.05 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.074 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.05 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.12 第13層:第1保護層(Pro−1) 微粒子沃臭化銀乳剤(AgI1mol%,平均粒径0.08
μm) 0.4 ゼラチン 1.3 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 紫外線吸収剤(UV−2) 0.1 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.13 ホルマリンスカベンジャー(HS−2) 0.37 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.07 高沸点有機溶媒(Oil−3) 0.07 第14層:第2保護層(Pro−2) ゼラチン 0.6 アルカリ可溶性マット化剤(平均粒径2μm) 0.13 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02 スベリ剤(WAX−1) 0.04 尚各層には上記組成物の他に塗布助剤Su−1、分散助
剤Su−2、粘度調製剤、硬膜剤H−1及びH−2、安定
剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、Mw=10,▲▼0及
びMw=1,1▲▼,000の2種のAF−2を添加した。
本発明で使用した化合物の構造式を以下に示す。
これらの試料に白色光でセンシトメトリ用露光を与
え、下記の処理工程で処理して感度及びRMS粒状度を評
価した。
処理工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウムン 1.0 g 水を加えて1とし、pH=10.0に調整する。
〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1とし、アンモニウム水を用いてpH=6.
0に調整する、 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
なお、相対感度(S)はかぶり濃度+0.1を与える受
光量の逆数の相対値であり、試料101の緑感度を100とす
る値で示した。
RMS値は最小濃度+0.5の濃度を開口走査面積250μm2
のマイクロデンシトメータで走査した時に生じる濃度値
の変動の標準偏差の1000倍値であり、試料101のRMS値を
100とする相対値で示した。
表−1にEm−1〜Em−10を用いた塗布試料101〜110の
感度及びRMS粒状度の評価結果を相対値で示した。
表−1より核形成過程及び/又はその後の成長過程を
本発明の製造方法で製造した乳剤を用いた試料は、比較
乳剤を用いた試料に対し高感度であり、また粒状性に優
れていることがわかる。
表−1の試料103と試料108より本発明の製造方法を結
晶核生成時に適用することによりより顕著な効果が現れ
ること、試料109より結晶核生成時およびその後の成長
ともに本発明の製造方法を適用する場合、最も効果が現
れること、試料110より透過率を高めたゼラチンの使用
により更に効果が高まることがわかる。
実施例2 実施例1と同様の試料を作成し、それぞれ試料201〜2
10とした。各試料をそれぞれ2分割してA,BとしAを温
度50℃、湿度80%の恒温恒湿槽に、Bを室温で4日間放
置した。その後各試料に対し1/100秒で白色光センシト
メトリ露光を与えた後、実施例1と同様の現像処理を行
った。結果を表−2に示す。相対感度はカブリ濃度+0.
1を与える受光量の逆数の相対値であり、試料201のBの
緑感度を100とした時の相対値で示した。
表−2より核粒子生成工程及び/又はその後の成長工
程を本発明の製造方法で製造した乳剤を用いた試料は比
較乳剤を用いた試料に対し、高感度であり、又保存性に
優れていることがわかる。
更に試料203と試料208より本発明の製造方法を結晶核
生成時に適用することによりより顕著な効果が現れるこ
と、試料209より結晶核生成時及び、その後の成長とも
に本発明の製造方法を適用する場合、最も効果が現れる
ことがわかる。
実施例3 実施例1に記載した塗布試料(試料No.100)の第5層
の乳剤をEm−1〜Em−10に置き換えた試料を用いて、実
施例1、実施例2と同様の評価を行った。結果は実施例
1、実施例2と同様の効果が得られた。
実施例4 実施例10に記載した塗布試料(試料No.100)の第12層
の乳剤をEm−1〜Em−1に置き換えた試料を用いて実施
例1、実施例2と同様の評価を行った。結果は実施例
1、実施例2と同様の効果が得られた。
〔発明の効果〕
本発明により、高感度で粒状性に優れ保存性が良好な
ハロゲン化銀カラー写真感光材料を与えるハロゲン化銀
写真乳剤の製造方法が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−265645(JP,A) 特開 昭62−87952(JP,A) 特開 昭61−84643(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/047 G03C 1/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性保護コロイドとしてゼラチンを使用
    し、核粒子生成及び成長工程を有する主として双晶より
    成るハロゲン化銀写真乳剤の製造方法において、平均分
    子量が7万〜13万であり、β成分に対するα成分の比が
    2.5以上であるゼラチンを、少なくとも1種用いること
    を特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
  2. 【請求項2】前記乳剤のハロゲン化銀粒子の結晶核生成
    を、平均分子量が7万〜13万であり、β成分に対するα
    成分の比が2.5以上であるゼラチンの存在下に行なうこ
    とを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真乳剤
    の製造方法。
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