JP2896472B2 - 味噌を添加したヘム鉄強化食品 - Google Patents

味噌を添加したヘム鉄強化食品

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、味噌を加えた鉄強化食品に関する。
さらに詳しくはヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化
合物に起因する苦味、生臭味、金属味を味噌を加えるこ
とにより解消し、鉄欠乏者への鉄分の補給に効果がある
食品に関する。
(従来の技術) 現在、日本人女性の約半分が鉄欠乏であるといわれて
いる。世界人工の約5億人が鉄欠乏ともいわれ、欧米で
は鉄欠乏に対し種々の対策が講じられている。アメリカ
では小麦粉100gに4mgの鉄を添加することにより、食パ
ン1kgあたり17.5〜27.5mgの割合で鉄が強化されてい
る。スウェーデンでも小麦粉100gあたり6.5mgの鉄強化
を行っている。しかし、日本では、鉄強化食品は一般に
は普及していないのが現実である。
食品の鉄強化に関しては、乳酸鉄、クエン酸鉄、硫酸
第一鉄などの非ヘム鉄が知られている。しかし、このよ
うな非ヘム鉄は、体内への吸収が悪いうえ、穀物あるい
は穀物加工食品中のフィチン酸、食物繊維、カルシウム
や茶のタンニンによって阻害されることは周知の事実で
ある。さらに、これらの化合物は大量に摂取した際、悪
心、おう吐、腹痛、下痢などの症状を呈する。
これに対し肉やレバーに多く含まれるヘム鉄は、非ヘ
ム鉄に比べて吸収がよく、食品中の他の成分の影響を受
けないことは、E.Bjorn−RasmusssenらThe Journal of
Clinical Investigation 53巻(1974)247〜255ペー
ジ、A.Turnbullら同41巻(1962)1897〜1907ページにあ
るように周知の事実である。しかし、ヘム鉄を含有する
ヘモグロビン由来の化合物は、ヘム鉄特有の苦味、生臭
味、金属味があるので、摂取時に不快感を伴うことが問
題点である。
かかる問題点を解決する方法として、特開昭59−1408
34号および特開昭59−140835号にあるように、チョコレ
ート中にヘム鉄を添加する技術がある。しかし、チョコ
レートには嗜好性のかたよりが強くあって、多くの人が
毎日多量食べられるものではなく、他の食品も望まれて
いる。特に鉄欠乏の多い女性は、ダイエットに心がけて
いる人が多く、糖分、脂肪分の多いチョコレートの摂取
を避ける傾向がある。また、チョコレートは嗜好品であ
り、毎日摂取するような食品ではないため、日常食事と
して摂取するものから鉄分を補給できるようにする必要
がある。
特開昭62−36320号におけるヘムまたはヘモグロビン
を主成分とする丸粒状組成物においては、ヘムまたはヘ
モグロビンをセラッグ被覆層により包み込み、苦味、生
臭味、金属味を感じることを防止している。しかし、通
常の食品としておいしく摂取できるものではない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合
物を継続的に摂取しやすく、かつ、おいしく、食べやす
い形態の食品として提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決するため検討を進めた
結果、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物と味
噌とを含むことにより、ヘム鉄を含有するヘモグロビン
由来の化合物に起因する苦味、生臭味、金属味がマスキ
ングされ、食品の風味を損なうことなく食用に伴し得ら
れることを知り、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化
合物と味噌とを含んでなる鉄強化食品である。
本発明で言うヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化
合物とは、ヘモグロビンの酵素分解物であり、鉄分0.5
〜5重量部を含む。
ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物は、特開
昭57−175126号にあるように、動物血液の赤血球を溶
血、変性し、例えばアルカラーゼ のような蛋白質分解
酵素によりヘモグロビンを酵素分解し、ヘム鉄を含む画
分を取り出し乾燥することにより得られる。ヘム鉄を含
む画分を取り出すには、分子量10000ダルトンの限外濾
過膜により、ヘム鉄を含まない画分を取り出す方法と、
酵素反応終了後、pHを蛋白質の等電点近くまで下げ、沈
降したヘム鉄を含む画分を遠心分離機により捕集する方
法の2種類がある。
このようにして得られる化合物1重量部に対して味噌
を49重量部以上混ぜることにより、ヘム鉄を含有するヘ
モグロビン由来の化合物に起因する苦味、生臭味、金属
味を解消することができる。
本発明の、味噌にヘム鉄を含有するヘモグロビン由来
の化合物を混ぜ合わせたものの使用に当たっては、粉
末、顆粒、細粒、固形状、液体等のいかなる形態でも使
用することができる。
なお、本発明の目的を妨げない添加物は、適宜に加え
て使用できることは言うまでもない。
(実施例) 以下、実施例ならびに比較例により本発明を具体的に
説明する。
実施例1および比較例1 (味噌によるヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合
物特有の味のマスキング) タンパク質35%、鉄0.11%を含有する赤血球10kgに水
10kgを加え、5N水酸化ナトリウム水溶液でpHを11にし
た。室温で1時間後、1Mクエン酸水溶液でpHを9.0に
し、アルカラーゼ 124gを加え酸素分解を行った。酵素
反応開始20分後、酵素反応液を40℃に下げ、10000ダル
トンの分離限界を持つ「中空繊維」タイプの限外濾過モ
ジュールで限外濾過を行った。温度を約20℃にした後、
タンク残存量が10に達してから水16を2回に分けて
注入した。最後に残った液を蒸発により約7に濃縮し
た後、乾燥して黒赤色のヘム鉄を含有するヘモグロビン
由来の化合物約1kgを得た。
この化合物の組成を表1に示す。
ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物1重量部
を赤出し味噌49重量部に加え、よく混合し、10人の訓練
されたパネラーにより、ヘム鉄を含有するヘモグロビン
由来化合物を加えない味噌と比較した。また、ヘム鉄を
含有するヘモグロビン由来化合物5重量部を味噌45重量
部に混ぜたもの、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来化
合物1重量部に味噌49重量部、ヘム鉄を含有するヘモグ
ロビン由来化合物0.5重量部に味噌49.5重量部を混ぜた
ものを同様に試験した。その結果を表2に示した。
表2に示したようにヘム鉄を含有するヘモグロビン由
来の化合物1重量部を味噌に49重量部に添加しても、味
噌の味をほとんどそこねることはなかった。
実施例2 (鉄強化味噌汁の製造) 即席味噌汁(わかめ、だし入り,マルコメ味噌株式会
社)および即席味噌汁赤だし(わかめ、だし入り,マル
コメ味噌株式会社)18gに熱湯150mlを注ぎ、ヘム鉄を含
有するヘモグロビン由来化合物を、前者には300mg(鉄
約3mg)、600mg(鉄約6mg)、後者には1g(鉄約10m
g)、2g(鉄約20mg)をそれぞれ加え、よく撹拌し、鉄
強化味噌汁を製造した。官能試験は10人のよく訓練され
たパネラーにより行い、味、匂い、色についてヘム鉄を
含有するヘモグロビン由来化合物無添加のものと比較し
た。
官能試験の結果をそれぞれ表3、4に示す。表3では
味噌汁150ml当たり鉄6mgの添加では苦味、生臭味、金属
味が感じられたが、鉄3mg添加のものは無添加のものと
変わらず、150mlの味噌汁当たり鉄3mg相当のヘム鉄を含
有するヘモグロビン由来の化合物を添加することが可能
であった。
赤出し味噌汁の場合は、鉄20mg相当のヘム鉄を含有す
るヘモグロビン由来の化合物添加では苦味、生臭味、金
属味が感じられたが、鉄10mg相当の添加では鉄無添加の
ものと変わりなく、赤出し味噌汁150ml当たり鉄10mgま
で強化できることがわかった。
(発明の効果) 本発明によれば、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来
の化合物特有の苦味、生臭味、金属味は味噌を添加する
ことにより効果的に解消することができる。味噌は日本
人が日常摂取する料理に広く使わてれいる食品であり、
ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物を含んだ味
噌を料理に使用し、その料理を食べることにより、鉄欠
乏者は日常の食事から吸収率の良い鉄を摂取することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−29977(JP,A) 特開 昭63−14678(JP,A) 特開 昭63−294761(JP,A) 特開 平1−273560(JP,A) 特開 昭64−85057(JP,A) 特開 平4−23963(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/202 A23L 1/304

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合
    物と味噌とを含んでなる鉄強化食品。
JP2137015A 1990-05-29 1990-05-29 味噌を添加したヘム鉄強化食品 Expired - Fee Related JP2896472B2 (ja)

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