JP2002330727A - 食品添加剤用組成物およびその製造方法 - Google Patents

食品添加剤用組成物およびその製造方法

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JP2002330727A
JP2002330727A JP2001135407A JP2001135407A JP2002330727A JP 2002330727 A JP2002330727 A JP 2002330727A JP 2001135407 A JP2001135407 A JP 2001135407A JP 2001135407 A JP2001135407 A JP 2001135407A JP 2002330727 A JP2002330727 A JP 2002330727A
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calcium
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昌信 ▲吉▼井
Masanobu Yoshii
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TAIMU ASSOC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機栄養素である微量元素の亜鉛と、ナトリ
ウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム等の主要ミ
ネラルとをバランス良く摂取可能な食品添加用組成物を
提供する。 【解決手段】 食品添加用組成物として、亜鉛含有量の
多い乾燥酵母と、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、卵殻
カルシウムとを含む塩と、必要に応じてL−グルタミン
酸塩とを含有させる。この食品添加用組成物を食塩(塩
化ナトリウム)の代わりに調理に使用することにより、
必要摂取量またはその一部の亜鉛と、主要ミネラルであ
るナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムと
をバランス良く摂取でき、しかも食塩摂取量を低減でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛含有化合物を
多く含む食塩(塩化ナトリウム)代替の食品添加剤用組
成物およびその製造方法に関し、特に、日常生活の中で
必要となる亜鉛およびナトリウム、カリウム、マグネシ
ウムなどの主要ミネラルをバランスよく摂取でき、しか
も本食品添加剤用組成物を使用することにより、食品中
の食塩の使用量を低減することのできる食塩代替の食品
添加剤用組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機栄養素であるミネラルおよび微量元
素は、生命の最も基本的なプロセスにかかわる重要な元
素である。
【0003】ここで、ミネラルおよび微量元素は、元素
のうち生体の主要な成分となっている酸素、炭素、水素
および窒素を除いたものと定義され、100種類程度で
あるが、動物実験で必須性が証明されているミネラルお
よび微量元素は27種類といわれている。
【0004】このうち、カルシウム、リン、カリウム、
硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムなど人体中の含
有量の多い元素は、主要ミネラルと呼ばれ、その他の元
素は微量元素と呼ばれている。
【0005】また、微量元素のうちの鉄、亜鉛、銅、マ
ンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロ
ムの16種類は、人体の摂取量が不足すると、欠乏症が
発生することが解明されているものであり、人体に対し
て最も必須の高い微量元素といえる。
【0006】上記の主要ミネラルの欠乏及び過剰摂取に
よる障害の一例を以下に示す。
【0007】すなわち、ナトリウムは欠乏すると、筋無
力症となり、過剰摂取すると高血圧となることが知られ
ている。またカリウムは欠乏すると筋無力症となり、マ
グネシウムは欠乏すると神経筋のけいれんや精神障害を
おこし、過剰摂取するとマグネシウム中毒症となり、カ
ルシウムやリンは、欠乏すると骨軟化症、骨粗鬆症とな
ることが知られている。
【0008】一方、微量元素の欠乏及び過剰摂取による
障害の一例を以下に示すと、鉄は、欠乏すると貧血とな
り、過剰摂取すると鉄血圧となり、亜鉛は、欠乏すると
味覚減退、不妊症、小人症となることが知られている。
【0009】ここで、後述する第6次改訂日本人の栄養
所要量の改正で、1日の必要摂取量が決められた亜鉛の
人体における役割について、以下詳しく説明する。
【0010】亜鉛は50種類以上の酵素中に含まれてお
り、これらの酵素から亜鉛を除去すると活性が低下し、
亜鉛を与えると活性が取り戻されることから、亜鉛は酵
素反応に関連した代謝に関与すると考えられている。
【0011】例えば、亜鉛は、脂質の過酸化を起こすス
ーパーオキシドを分解する酵素中に含まれており、この
酵素の作用を介して亜鉛は組織の酸化障害の防御に貢献
している。
【0012】また亜鉛は、有害物質から生体を防御する
作用も有している。例えば、食物から亜鉛が摂取される
と腸管内でタンパク質と結合しメタロチオネインが合成
される。このメタロチオネインは重金属と強く結合する
SH基を有しているため、カドミウム、たとえ水銀など
毒性の強い重金属が体内に取り込まれてもそれらの重金
属とメタロチオネインが結合してそれらの毒性を弱める
働きを有する。
【0013】また亜鉛は、ホルモンとも関係が深い無機
栄養素であり、インスリンの合成、貯蔵にも関与してお
り、インスリン製剤に亜鉛を添加するとその作用が持続
することも知られている。
【0014】さらに味覚異常を訴える患者に亜鉛欠乏者
が多いことから、亜鉛は味覚を保持する作用があると考
えられている。また亜鉛が欠乏すると、ヒトの成長が阻
害され小人症や性的発育障害にかかることも知られてい
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した人体に必須の
無機栄養素であるミネラルおよび微量元素は、種々の食
物から摂取されている。
【0016】しかしながら、これらミネラルおよび微量
元素を食物から摂取するに際し、摂取過剰や摂取不足が
指摘されている。
【0017】例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウムについていえば、日本人は、ナトリウムを食塩(塩
化ナトリウム)から過剰に摂りすぎる反面、カリウムや
マグネシウムの摂取量が少ない点が指摘されている。
【0018】したがって、食生活における食塩(塩化ナ
トリウム)の使用量の低減とバランスのとれたミネラル
の摂取が求められている。
【0019】そこで、わが国は、主要ミネラルのうち成
人男子の体内に10g以上存在し、1日の必要摂取量が
100mg以上のものについて規定している。
【0020】例えば、第5次改訂日本人の栄養所要量に
よれば、カルシウムの必要摂取量は600mg/日であ
る。またナトリウムは3937mg/日(食塩(塩化ナ
トリウム)として10g/日)であり、マグネシウムは
300mg/日、カリウムは2000mg/日、リンは
1300mg/日である。
【0021】ところで、上述したように日本人はナトリ
ウムを食塩(塩化ナトリウム)から多く摂りすぎる傾向
にあるため、食塩の摂取量を低減する試みがなされてき
た。
【0022】例えば、食塩中のナトリウムを部分的にあ
るいは全体的にカリウムまたはカルシウムなどで置換
え、かつ食塩の味をまねた塩類を使用することにより、
ナトリウムの過剰摂取を是正する試みがなされてきた。
【0023】しかしながら、食塩の代わりにカルシウム
塩類のみを使用することは、カルシウムの過剰摂取(必
要摂取量600mg/日以下)による身体への負荷をか
えって増加させることになり、合理的な方法とはいえな
い。
【0024】また、食塩の代わりにカリウム塩類(必要
摂取量2000mg/日以下)のみを使用すると、味に
苦みがあり摂取の後に不快な後味を生じることがしばし
ば見出されており、食品添加用組成物として適当でな
い。
【0025】また、食塩の一部を塩化カリウムと塩化マ
グネシウムで置き換えて使用することにより、ナトリウ
ムの摂取量を減少させカリウム及びマグネシウムの摂取
量を増加させる提案もなされているが、これらの混合物
は、食塩に比べて味にやや苦みがあるため、摂取後に不
快な後味を生じる場合があった。
【0026】一方、わが国における主要ミネラル以外の
微量元素の必要摂取量は、従来、鉄について10mg/
日の規定があるだけであり、亜鉛などの他の微量元素に
ついての摂取量の規定は無かった。
【0027】しかしながら、亜鉛は、上述したように生
体にとって重要な元素でありアメリカ、ドイツなど世界
各国ではその摂取量が規定されており、30歳男性基準
とするその規定によれば、15mg/日程度の摂取が必
要であるとされていることから、日本人の亜鉛の摂取量
について必要摂取量の基準を設けることが検討されてい
た。
【0028】例えば、日本人の亜鉛の摂取量は、成人女
子に対する亜鉛の出納試験(鈴木一正:微量金属代謝
9:1、1981)によると、平衡維持量は約10mg
/日と推定されていることから、成人の亜鉛最小必要量
は10mg/日と推定されている。ここで、出納試験と
は、摂取栄養素の量を変化させて、実際に体内に入った
量と対外に排出された量を測定してその出入り勘定を算
出する方法である。
【0029】このような背景に基づいて、第6次改訂日
本人の栄養所要量の改正により、亜鉛の必要摂取量は、
成人男子で10〜12mg/日の摂取量の基準ならびに
許容上限摂取量30mg/日が決められ、その重要性が
注目されるようになった。
【0030】一方、日本人の亜鉛摂取量の現状は、小
林、鈴木の亜鉛摂取量の逐年変化の推定では、1970
年以降8.5mg/日前後とやや低めの数値が算出され
ている(小林香苗、鈴木継美:日本栄養・食料学会誌4
0:233、1987)。
【0031】したがって、成人男子の亜鉛最小必要量で
ある10mg/日を摂取するには、多くの穀物、肉類、
魚介類、卵類など多くの食品から亜鉛を摂取する必要が
ある。
【0032】ところで、食品中に含まれる亜鉛濃度は、
以下に示すように種実類、貝類、穀類、肉類に多く、野
菜や果物には少ないことが知られている。
【0033】例えば、牡蠣(40mg/100g)、ご
ま(7.1mg/100g)、牛肉(4.3mg/10
0g)、大豆(3.2mg/100g)、しじみ(2.
1mg/100g)、白米めし(0.54μg/100
g)、ほうれん草(0.77mg/100g)などであ
る。
【0034】また、日本人の1日の食生活の中で亜鉛元
素の摂取源は、穀物が最も多く、ついで肉類、魚介類、
卵類などの動物性食品、と豆類となっている。
【0035】しかしながら、毎日の食生活は種々変化す
るものであるため、上述した成人男子で亜鉛の必要摂取
量10〜12mg/日を毎日摂取するために、多くの穀
物、肉類、魚介類、卵類などの食品の組み合わせを毎日
考えることは、きわめて困難なことと思われる。
【0036】本発明は、以上説明した従来技術の問題点
を解決するためになされたものであり、その目的は、種
々変化する毎日の食生活において、微量元素である亜鉛
とナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムな
どの主要ミネラルとをバランス良く摂取することができ
る食品添加用組成物を提供することにある。
【0037】また、本発明の別の目的は、種々変化する
毎日の食生活において、微量元素である亜鉛とナトリウ
ム、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどの主要ミ
ネラルとをバランス良く摂取するする際に、苦みや不快
な後味を生ずることなく摂取することができる食品添加
用組成物を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る一実施形態の食品添加剤組成物は、以下
の構成を有する。すなわち、食品添加剤用組成物であっ
て、亜鉛を含有する亜鉛含有化合物と、金属の主要ミネ
ラル及び又はその化合物を1種類以上含む混合物と、を
有することを特徴とする。
【0039】また例えば、前記亜鉛含有化合物には、酵
母、または、タンパク質が含まれることを特徴とする。
【0040】また例えば、前記酵母はパン酵母であるこ
とを特徴とする。
【0041】また例えば、前記亜鉛含有化合物は、乾燥
処理されていることを特徴とする。また例えば、前記亜
鉛含有化合物が、前記食品添加剤用組成物の重量に対し
て0.1重量%〜30重量%含有されることを特徴とす
る。
【0042】また例えば、前記食品添加剤用組成物の亜
鉛含有量は、前記食品添加剤用組成物10gに対して
0.2mg〜60mgであることを特徴とする。
【0043】また例えば、前記混合物は、塩化ナトリウ
ム(NaCl)と、塩化カリウム(KCl)、硫酸マグ
ネシウム(MgSO)、結晶水を含む硫酸マグネシウ
ム(MgSO・7HO、MgSO・3HO)ま
たは炭酸マグネシウム(MgCO)のうちの1種以上
と、を含むことを特徴とする。
【0044】また例えば、前記混合物は、前記食品添加
剤用組成物の重量に対して、塩化ナトリウム(NaC
l)が25重量%〜74重量%と、塩化カリウム(KC
l)が20重量%〜40重量%と、MgSO・7H
OまたはMgSO・3HOのいずれかの硫酸マグネ
シウムが5重量%〜20重量%と、炭酸マグネシウム
(MgCO)が0.2重量%〜0.8重量%と、を含
むことを特徴とする。
【0045】また例えば、前記混合物中に、更に、乳清
カルシウム、卵殻カルシウム、骨粉系食用カルシウム、
貝殻系食用カルシウム、または、石灰化海藻カルシウム
のうちの1種または複数種のカルシウム化合物を含むこ
とを特徴とする。
【0046】また例えば、請求項1乃至請求項9いずれ
か1項に記載の前記食品添加剤用組成物100gに対し
て、更に、L-グルタミン酸および/またはその塩類が5
〜30g混合されてなることを特徴とする。
【0047】上記目的を達成するための本発明に係る一
実施形態の食品添加剤組成物の製造方法は、以下の構成
を有する。すなわち、食品添加剤用組成物の製造方法で
あって、亜鉛を含有する亜鉛含有化合物の粉末を前記食
品添加剤用組成物の重量に対して0.1重量%〜30重
量%含有するように調合する調合工程と、前記調合工程
により調合された前記亜鉛含有化合物の粉末と、金属の
主要ミネラル及び又はその化合物を1種類以上含む混合
物の粉末とを混合して前記食品添加剤用組成物を製造す
る際に、前記食品添加剤用組成物の90重量%以上が6
00μm以下の粒度となるように混合する混合工程と、
を有することを特徴とする。
【0048】以上説明した本実施形態の食品添加用組成
物は、種々変化する毎日の食生活において食塩代替品と
して調理などに利用されることにより、下記の効果を産
む。
【0049】1)本実施形態である亜鉛、ナトリウム、
カリウムおよびマグネシウム元素を含有する第1の食品
添加用組成物を毎日所定量使用することにより、亜鉛の
必要量又はその一部を容易に毎日摂取することができる
とともに、主要ミネラル(ナトリウム、カリウムおよび
マグネシウム)をバランス良く摂取することができる。
またこの食品添加用組成物は、食塩代替品として調理な
どに利用されるので、食塩(塩化ナトリウム)の摂取量
を低減することができ、減塩効果も有する。
【0050】2)第1の食品添加用組成物にさらにカル
シウム加えた第2の食品添加用組成物(カルシウム強化
組成物)は、主要ミネラルとしてナトリウム、カリウ
ム、マグネシウムに加えてカルシウムもバランス良く摂
取することができる。
【0051】3)第1の食品添加用組成物または第2の
食品添加用組成物(カルシウム強化組成物)にL−グル
タミン酸塩などのうま味成分を添加して第3の食品添加
用組成物(L−グルタミン酸塩強化組成物)または第4
の食品添加用組成物(L−グルタミン酸塩強化組成物)
にすることにより、第1または第2の食品添加用組成物
の有する苦みを低減できるので、食塩代替品として調理
に使用する際の使用範囲をさらに広げることができる。
【0052】
【発明の実施形態】以下に図面を参照して、本発明に係
る好適な実施形態である食品添加剤用組成物およびその
製造方法を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施
形態に記載されている構成要素、数値などは、特に特定
的な記載がない限りは、この発明をそれらのみに限定す
る趣旨のものではない。
【0053】[食品添加剤用組成物の特徴]まず本実施
形態の食品添加剤用組成物の特徴を以下に説明する。
【0054】1)微量元素である亜鉛含有量を多く含む
食塩(塩化ナトリウム)に類似の塩味を有する食品添加
剤用組成物であり、食塩代替物の塩味を付ける食品調味
料として毎日欠かさず調理に使用することにより、亜鉛
の必要摂取量(10〜12mg/日)全部あるいはその
一部を安定して体内に摂取することが可能である。
【0055】2)亜鉛含有量を多く含む塩化ナトリウム
の使用量を抑えた食塩代替物として、食品添加物、食品
調味料あるいは健康維持用調合剤として使用可能であ
る。
【0056】3)亜鉛は、亜鉛含有量が多い乾燥酵母と
して食品添加剤用組成物中に添加されているため体内へ
の吸収が容易である。
【0057】4)この食品添加剤用組成物には、微量元
素である亜鉛のほか、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウムなどの主要ミネラルがバランスよく含
まれいるため、微量元素である亜鉛のほか主要ミネラル
の必要摂取量の全部あるいはその一部を効率よく摂取で
き、しかも日本人が摂取過剰の食塩(塩化ナトリウム)
の摂取量を低減できる。
【0058】5)この食品添加剤用組成物に塩味と苦味
を感じる場合には、グルタミン酸ナトリウム塩を更に添
加することにより、苦味を低減させうま味を加味して食
品調味料としての質を高めることが可能である。
【0059】[食品添加剤用組成物]食品添加剤用組成
物は、微量成分である亜鉛と無機栄養素のうちのナトリ
ウム、カリウム、マグネシウムなどの主要ミネラルとを
バランスよく含むものであり、必要に応じて、更に、主
要ミネラルであるカルシウムあるいはL−グルタミン酸
塩を含んでいる。
【0060】図1に、本実施形態の食塩代替物である食
品調味料として食品添加剤用組成物である成分1〜成分
4の一例を示す。
【0061】1)成分1は、亜鉛、ナトリウム、カリウ
ムおよびマグネシウム元素を含有する食品添加用組成物
であり、毎日所定量使用することにより、亜鉛の必要量
又はその一部を容易に毎日摂取できるとともに、主要ミ
ネラル(ナトリウム、カリウムおよびマグネシウム)を
バランス良く摂取できる。またこの食品添加用組成物
は、食塩代替品として調理などに利用されるので、食塩
(塩化ナトリウム)の摂取量を低減でき、減塩効果も有
する。
【0062】2)成分2は、成分1にさらにカルシウム
加えた食品添加用組成物であり、毎日所定量使用するこ
とにより、亜鉛の必要量又はその一部を容易に毎日摂取
できるとともに、主要ミネラルとしてナトリウム、カリ
ウム、マグネシウムに加えてカルシウムもバランス良く
摂取できる。
【0063】3)成分3または成分4は、成分1または
成分2にL−グルタミン酸塩などのうま味成分を添加し
た食品添加用組成物であり、成分1または成分2の食品
添加用組成物の有する苦みを低減できるので、食塩代替
品として調理に使用する際の使用範囲をさらに広げるこ
とができる。
【0064】以下各構成成分について説明する。
【0065】[亜鉛含有化合物]食品添加剤用組成物中
に添加する亜鉛含有化合物の形態としては、無害で、人
体に摂取されやすく、安定して長期保存が可能なもので
あり、食品添加物として認められているものであれば、
タンパク質、酵素、酵母などの有機物、無機物など、ど
のような形態であっても食品添加剤用組成物の亜鉛含有
化合物として使用することができる。
【0066】亜鉛を含むタンパク質や酵素の例として
は、例えば、メタロチオネイン、アルコール脱水素酵素
などがあげられる。
【0067】このうち、より好ましい形態の一例として
は、例えば、亜鉛を多く含む酵母があげられる。
【0068】酵母は、真菌類に属する真核生物の一種
で、パン酵母、ビール酵母、ワイン酵母などがあるが、
このうち特にパン酵母の中に亜鉛を多く含む酵母が存在
する。
【0069】特に、パン酵母はパンの製造に用いられる
ものであり、食品に位置づけられているように、無害
で、人体に摂取されやすい良質な高蛋白食品であり、パ
ン酵母100gあたり2000mgと極めて多くの亜鉛
を含んでいるものもある。
【0070】このパン酵母を食品添加剤用組成物の一成
分として添加する場合には、酵母を乾燥して乾燥酵母と
してから添加するのがより好ましい。
【0071】それは、食品添加剤用組成物を長期間安定
して使用するためには、パン酵母とその他の成分とがそ
れぞれ安定して存在する必要があるが、パン酵母以外の
成分の中にはパン酵母に含まれる水分と接触すると、そ
の水分を吸収して潮解性を示すものが含まれることもあ
るからである。
【0072】乾燥したパン酵母の組成の一例を示すと、
乾燥したパン酵母100gあたりにタンパク質40g、
炭水化物(糖質)42.8g、炭水化物(繊維)2.3
g、脂質1.6g、灰分8.3g、亜鉛2gである。
【0073】すなわち乾燥したパン酵母中に含まれる亜
鉛は、2重量%(2000mg/パン酵母100g)と
極めて高濃度の亜鉛が含まれている。
【0074】このパン酵母中に含まれる亜鉛量が極めて
多いことは、亜鉛を豊富に含むとされる代表的な他の食
品、例えば、牡蠣(40mg/100g)、ごま(7.
1mg/100g)、牛肉(4.3mg/100g)、
大豆(3.2mg/100g)、しじみ(2.1mg/
100g)、白米めし(0.54mg/100g)、ほ
うれん草(0.77mg/100g)と比較してみれば
明らかである。
【0075】本実施形態の食品添加剤用組成物中には、
上記説明した乾燥したパン酵母(亜鉛含有量:2重量
%)が0.1重量%〜30重量%含まれている。すなわ
ち、亜鉛含有量でいえば、食品添加剤用組成物10g中
に0.2〜60mgの亜鉛量が含まれている。
【0076】したがって、食塩代替物として使用する使
用量に応じて最適な亜鉛含有率を有する食品添加剤用組
成物を調製することができる。
【0077】例えば、上記食品添加剤用組成物を食塩代
替物として使用する際に、その使用量を少なくしてしか
もその食品添加剤用組成物から亜鉛を多く摂取したい場
合には、その食品添加剤用組成物の使用量と所望の摂取
したい亜鉛量を勘案し、食品添加剤用組成物における乾
燥したパン酵母の含有量を決定すればよい。
【0078】例えば、パン酵母を5重量%含む食品添加
剤用組成物では、その食品添加剤用組成物を1日に10
g調味料として使用すれば、その調味料を使用した料理
を食べることにより、その料理を介して10mg/日の
亜鉛が体内に取り込むことができる。
【0079】なおパン酵母は、人体に摂取されやすい良
質な高蛋白食品であり、乾燥して使用することにより長
期保存にも耐えることができる。
【0080】また上記パン酵母中に高濃度で含まれる亜
鉛は、ラットを用いた動物実験、すなわちラットの飼育
飼料としてラットに摂取させながら血清中の亜鉛量を測
定する実験において、他の食品中に含まれる亜鉛と同様
に、生体内で十分に吸収されていることが明らかになっ
た。
【0081】このことからも、上記亜鉛含有のパン酵母
を含む上記食品添加剤用組成物を摂取すると、生体内に
亜鉛が十分に吸収されて、利用されていることが示され
た。
【0082】[主要ミネラル] [ナトリウム化合物類]食品添加剤用組成物中に添加す
るナトリウム化合物類としては、例えば、炭酸水素ナト
リウム、クエン酸ナトリウムなどを使用することができ
るが、人に受け入れられ易い塩味という味覚の観点か
ら、本実施形態では天然岩塩を材料とした塩化ナトリウ
ム(NaCl)が用いられている。
【0083】なお後述するマグネシウム化合物類、カリ
ウム化合物類、カルシウム化合物類を食塩代替物として
使用することにより、食品添加剤用組成物中の塩化ナト
リウム(NaCl)の添加量を低減することができる。
【0084】本実施形態の食品添加剤用組成物中には、
成分1〜成分4に示すように塩化ナトリウム(NaC
l)18重量%〜74重量%含まれている。
【0085】食品添加剤用組成物中における塩化ナトリ
ウムの含有量を少なくすればするほど減塩効果は大きく
なる。
【0086】しかしながら、塩化ナトリウムの含有量を
少なくすると塩化ナトリウムの代わりに後述するマグネ
シウム化合物類、カリウム化合物類、カルシウム化合物
類を食品添加剤用組成物中添加しなければならない。こ
のマグネシウム化合物類、カリウム化合物類、カルシウ
ム化合物類の含有量を増やすと食塩の塩味に加えて上記
食品添加用組成物を摂取する際に苦みや不快な後味を生
ずる度合いが増加する。
【0087】そこで、食品添加剤用組成物中の塩化ナト
リウム(NaCl)量は、減塩効果と上記食品添加剤用
組成物との味を勘案して、上記の18重量%〜74重量
%から選択される。
【0088】したがって、食塩を使用する代わりに塩化
ナトリウム(NaCl)18重量%〜74重量を含む上
記食品添加剤用組成物を用いることにより、食塩と同量
の食品添加剤用組成物を使用した場合でも塩化ナトリウ
ムの使用量を82重量%〜26重量%低減することがで
きる。
【0089】[マグネシウム化合物類]マグネシウム化
合物類は、食塩代替物の一部として食品添加剤用組成物
中に添加される。マグネシウム化合物類としては、硫酸
マグネシウム(MgSO)、結晶水を含む硫酸マグネ
シウム(MgSO・7HOまたはMgSO・3H
O)、炭酸マグネシウム(MgCO)などが使用で
きるが、その他のマグネシウム化合物も使用可能である
ことはいうまでもない。
【0090】食品添加剤用組成物中にマグネシウムを添
加するのは、摂取不足が憂慮される主要ミネラルの1つ
であり、食塩(NaCl)からでは摂取できないからで
ある。
【0091】また、ストレスが多いとマグネシウムが体
内から尿中に排泄され易くなり、その結果として、マグ
ネシウムが体内に欠乏し、心臓疾患や突然死を起こし易
くなるのを防ぐ点も考慮している。
【0092】また硫酸マグネシウムはカリウムとともに
摂取されると、カリウムの働きを助ける作用もある。
【0093】なお、結晶水を含む硫酸マグネシウム(M
gSO・7HOまたはMgSO4・3HO)を使
用する場合は、暖かい条件下では、その結晶水を容易に
放出するため、そのままでは食品添加剤用組成物が固化
しやすい。
【0094】しかしながら、炭酸マグネシウム(MgC
)は、食品添加剤用組成物中にその結晶水が放出さ
れてもその結晶水を吸収する作用があるため、硫酸マグ
ネシウムと組み合わせて用いることにより食品添加剤用
組成物中が結晶水の放出により固化するのを防ぐ固化防
止剤としても使用することができる。
【0095】本実施形態の食品添加剤用組成物中には、
上記説明した結晶水を含む硫酸マグネシウム(MgSO
・7HOまたはMgSO4・3H2O)が3.5重
量%〜20重量%含まれており、炭酸マグネシウム(M
gCO)は0.2重量%〜0.8重量%含まれてい
る。炭酸マグネシウム(MgCO)は、主に固化防止
剤として使用されている。
【0096】なお食品添加剤用組成物中における硫酸マ
グネシウムの含有量は、含有量を増やすと上記食品添加
用組成物を摂取する際に塩味に加えて苦みや不快な後味
を生ずる度合いが増加するため、減塩効果と上記食品添
加剤用組成物との味を勘案して、5重量%〜20重量%
とした。
【0097】[カリウム化合物類]カリウム化合物類
は、食塩代替物の一部として食品添加剤用組成物中に添
加される。
【0098】カリウム化合物類としては、例えば、炭酸
カリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素カリウムなど
を使用することができるが、本実施形態では好適な例と
して塩化カリウム(KCl)が用いられている。この塩
化カリウムとしては、天然に生産される塩化カリウムを
含む岩塩あるいは海水から分離精製したものが挙げられ
る。
【0099】なお、塩化カリウム(KCl)は、体内か
ら余分なナトリウムを尿中に排泄したり、血管を拡張し
て血圧を下げる作用があり、また食塩(NaCl)から
では摂取できないカリウムを摂取するために添加してい
る。
【0100】本実施形態の食品添加剤用組成物中には、
上記塩化カリウム(KCl)が14重量%〜40重量%
含まれている。
【0101】なお食品添加剤用組成物中における塩化カ
リウムの含有量は、含有量を増やすと上記食品添加用組
成物を摂取する際に塩味に加えて苦みや不快な後味を生
ずる度合いが増加するため、減塩効果と上記食品添加剤
用組成物との味を勘案して、14重量%〜40重量%と
した。
【0102】[カルシウム化合物類]カルシウム化合物
類は、食塩代替物の一部として食品添加剤用組成物中に
添加される。なおカルシウムは、歯や骨格の形成、骨疾
患予防等に役立つ主要ミネラルの1つであるが、乳食品
摂取の多い欧米人に比べ日本人の通常の食生活による摂
取量は少ない点を考慮して添加されている。
【0103】カルシウム化合物類としては、例えば、乳
清カルシウム、卵殻カルシウム、骨粉系食用カルシウ
ム、貝殻系食用カルシウム、石灰化海藻カルシウムカル
シウムなどを使用することができる。
【0104】本実施形態の食品添加剤用組成物中である
成分2と成分4には、上記カルシウム化合物が0.1重
量%〜60重量%含まれているため、主要ミネラルとし
てナトリウム、カリウム、マグネシウムに加えてカルシ
ウムもバランス良く摂取することができる。
【0105】なお食品添加剤用組成物中にカルシウム化
合物を含有させても、上記食品添加用組成物含有量は苦
みや不快な後味を生じないため、必要に応じて食品添加
剤用組成物中のカルシウム化合物含有量を変化させるこ
とができる。
【0106】したがって、食塩代替物として使用する使
用量に応じて最適なカルシウム化合物含有率を有する食
品添加剤用組成物を調製することができる。
【0107】例えば、上記食品添加剤用組成物を食塩代
替物として使用する際に、その使用量を少なくしてしか
もその食品添加剤用組成物からカルシウム化合物を多く
摂取したい場合には、その食品添加剤用組成物の使用量
と所望の摂取したいカルシウム化合物量を勘案し、食品
添加剤用組成物におけるカルシウム化合物の含有量を決
定すればよい。
【0108】[L-グルタミン酸塩]一般にマグネシウ
ムを含む塩では、マグネシウムの苦味が本来の塩味の味
覚を損なう場合がある。このような場合には、L-グル
タミン酸塩を適量加えることにより、塩味を保ちながら
食品や料理の味を引き立てるために添加し、上記食品添
加剤用組成物の使用を促進することができる。
【0109】L−グルタミン酸塩としては、L−グルタ
ミン酸ナトリウム、L−グルタミン酸カリウム、L−グ
ルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸マグネシウム
などがあげられる。
【0110】本実施形態の食品添加剤用組成物中には、
L−グルタミン酸塩が10重量%〜30重量%含まれて
いる。
【0111】なお食品添加剤用組成物(成分3、成分
4)中におけるL−グルタミン酸塩の含有量は、含有量
を増やすと上記食品添加用組成物を摂取する際に塩味に
加えて苦みや不快な後味を生ずる度合いが低減しうま味
が増すためL−グルタミン酸塩量を30重量%以上含有
させることも可能である。
【0112】ただし、上記食品添加剤用組成物の本来の
目的である所定量の亜鉛と主要ミネラルとをバランス良
く摂取でき、かつ減塩効果を有する食塩代替物とするた
め、10重量%〜30重量%とした。
【0113】[製造方法]本実施形態の食品添加剤用組
成物は、以下の方法により製造することができる。すな
わち、上記説明した亜鉛含有化合物、マグネシウム化合
物類、カルシウム化合物類およびナトリウム化合物類か
ら、それぞれ選択された各成分の粉末をそれぞれ所定量
づつ攪拌混合機の中に入れて、所定時間混合することに
より、所定粒度を有する食品添加剤用組成物が得られ
る。
【0114】得られた食品添加剤用組成物の粒度の一例
を下記に示す。
【0115】 1)600μm以上 10重量% 2)250〜600μm 55重量% 3)250μm以下 35重量% 上記粒度は、各種料理を調理中に上記食品添加剤用組成
物を食塩代替物として味付け用に使用するのに適した粒
度となっている。
【0116】なお、上記粒度は一例であり、後述する食
品を製造する際に使用する際に、より細かい粒度を必要
とする場合には、必要とする粒度に応じて混合時間を変
更することにより、所定の粒度分布を有する粒度に調製
をすることができる。
【0117】またL-グルタミン酸塩を含む食品添加剤
用組成物を調製する場合には、上記説明した亜鉛含有化
合物、ナトリウム化合物類、マグネシウム化合物類、お
よびカルシウム化合物類のから、必要に応じて選択され
た各成分の粉末とL-グルタミン酸塩とをそれぞれ所定
量づつ攪拌混合機の中に入れて、所定時間混合すること
により、所定粒度を有するL-グルタミン酸塩含有食品
添加剤用組成物が得られる。 [使用方法]上記説明した本実施形態の食品添加用組成
物は、種々変化する毎日の食生活において、家庭で食塩
の代替物としてとして調理の味付用に利用することによ
り、微量元素である亜鉛を効率よく摂取することができ
る。
【0118】また同時にナトリウム、カルシウム、カリ
ウム、マグネシウムなどの主要ミネラルとをバランス良
く摂取でき、かつ日本人が摂取過剰の食塩の摂取量を減
らすこともできる。
【0119】また本実施形態の食品添加用組成物がL−
グルタミン酸塩を含有する場合には塩化カリウムに由来
する苦味を低減し、うま味、こく味が更に増した食品添
加用組成物とすることもできる。
【0120】また本実施形態の食品添加用組成物は、食
品の調味の際に使用することにより、食品からも微量元
素である亜鉛を種々の食品から効率よく摂取することも
できる。
【0121】食品への利用例としては、めん類(即席め
ん、乾めん、生めん)のスープ、スパゲッティソース、
菓子類(油菓子、焼菓子、米菓)、ふりかけ、お茶漬け
の素、水産練り製品、ソーセージ、ハム、ハンバーグ、
ミートボールなどの畜肉加工品、漬物、佃煮、珍味類、
さらにギョーザ、シューマイ、肉まんの具、フライ用バ
ッター、てんぷらの衣などのそう菜類などが挙げられ
る。
【0122】[実施例] [成分1〜成分4の組成]図2に、図1で示した本実施
形態の食塩代替物である食品調味料として食品添加剤用
組成物である成分1〜成分4の好適な実施形態につい
て、および成分1〜成分4の味について食塩と比較した
ときの官能試験結果の一例を示す。
【0123】成分1は、微量元素である亜鉛と、主要ミ
ネラルとしてナトリウム、カリウムおよびマグネシウム
を含む食品添加剤用組成物の一例であり、成分2は、成
分1の組成物に更にカルシウムを含む組成物の一例であ
る。
【0124】また成分3および成分4は、成分1および
成分2の組成物に更にそれぞれL−グルタミン酸塩を含
む組成物の一例である。
【0125】更に詳しく説明すると、成分1は、亜鉛と
して亜鉛2%含有乾燥酵母を10.3重量%、ナトリウ
ムとして塩化ナトリウム56.3重量%を、カリウムと
して塩化カリウム20.6重量%を、マグネシウムとし
てMgSO・7HOまたはMgSO4・3HOを
12.4重量%、炭酸マグネシウム0.4重量%を含む
組成物の一例である。
【0126】また、成分2は、成分1の組成物に更にカ
ルシウムを含む組成物であり、亜鉛2%含有乾燥酵母を
10重量%、塩化ナトリウム54.6重量%、塩化カリ
ウム20.0重量%、MgSO・7HOまたはMg
SO4・3HO12重量%、炭酸マグネシウム0.4
重量%、卵殻カルシウム3重量%を含む組成物の一例で
ある。
【0127】また成分3および成分4は、成分1及び成
分2の組成物に更にL−グルタミン酸塩を含む組成物で
あり、成分3は、乾燥酵母を8.2重量%、塩化ナトリ
ウムを44.9重量%、塩化カリウムを16.5重量
%、MgSO・7HOまたはMgSO4・3H
を9.9重量%、炭酸マグネシウムを0.4重量%およ
びL−グルタミン酸塩を20重量%含有する組成物の一
例である。また成分4は、乾燥酵母を8重量%、塩化ナ
トリウムを43.6重量%、塩化カリウムを16.0重
量%、MgSO・7HOまたはMgSO4・3H
Oを9.6重量%、炭酸マグネシウムを0.4重量%、
卵殻カルシウムを2.4重量%、およびL−グルタミン
酸塩を20重量%含有する組成物の一例である。
【0128】[製造方法]次に成分1〜成分4の製造方
法について説明する。
【0129】まず成分1について説明する。
【0130】乾燥酵母として乾燥したパン酵母(商品名
「ミネラル酵母」オリエンタル酵母工業製)を使用し
た。
【0131】乾燥したパン酵母の組成は、乾燥したパン
酵母100gあたりにタンパク質40g、炭水化物(糖
質)42.8g、炭水化物(繊維)2.3g、脂質1.
6g、灰分8.3g、亜鉛2gでり、乾燥したパン酵母
中に含まれる亜鉛は、2重量%(2000mg/パン酵
母100g)である。
【0132】また、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫
酸マグネシウム、炭酸マグネシウムは、それぞれ精製さ
れた市販品を用いた。なお硫酸マグネシウムは、MgS
・7HOを使用した。
【0133】上記説明した原料を図2の成分1の配合に
なるように調合し、それぞれの原料を攪拌混合機に入れ
て混合するとともに、下記に示す所定の粒度となるよう
に調製した。得られた成分1の粒度分布(レーザ粒度計
で測定)を下記に示す。
【0134】 1)600μm以上 10重量% 2)250〜600μm 55重量% 3)250μm以下 35重量% 次に成分2について説明する。
【0135】成分1で説明した原料については、共通す
るので、その説明は省略する。
【0136】カルシウム化合物として、食品添加物卵殻
未焼成カルシウム(商品名「卵殻カルシウムTS−1」
油化産業製)を使用した。
【0137】「卵殻カルシウムTS−1」は、カルシウ
ム37%(EDTA法)、灰分93%(衛生試験法)を
有する白色微粉末である。
【0138】上記説明した原料を図2の成分2の配合に
なるように調合し、それぞれの原料を攪拌混合機に入れ
て混合するとともに、所定の粒度となるように調製し
た。得られた成分2の粒度分布は、成分1の粒度分布と
ほぼ同じであった。
【0139】次に成分3および成分4について説明す
る。
【0140】成分1および成分2で説明した原料につい
ては、共通するのでその説明は省略する。
【0141】L−グルタミン酸塩として、市販のグルタ
ミン酸ナトリウムを使用した。
【0142】上記説明した原料を図2の成分3および成
分4の配合になるように調合し、それぞれの原料を攪拌
混合機に入れて混合するとともに、所定の粒度となるよ
うに調製した。得られた成分2の粒度分布は、成分1の
粒度分布とほぼ同じであった。
【0143】[官能試験]官能試験は、パネル20名を
対象として、成分1〜成分4を通常の食塩(炭酸マグネ
シウム0.4%含有)と比較して、苦味の緩和が識別さ
れるか否かの官能検査によって行った。
【0144】官能試験結果によると、成分1および成分
2の食品添加剤用組成物は、基準とする食塩の塩味に対
して、塩味以外にやや苦味が感じられたが、成分3及び
成分4の食品添加剤用組成物からは、塩味とうま味が感
じられ、苦みが感じられない結果が得られた。
【0145】このことから、成分1及び成分2の食品添
加剤用組成物にL−グルタミン酸塩含有させることによ
り、苦味を低減させうま味を増加させることができた。
【0146】以上、本発明の一実施例について説明した
が、亜鉛含有化合物である乾燥酵母、塩組成物の各成分
およびL−グルタミン酸塩の含有量は、食品添加剤用組
成物の使用量に応じて好適な値に変化させることができ
るので、本実施形態によって本願発明が限定されるもの
ではない。
【0147】また成分1及び成分2の食品添加剤用組成
物の苦味を低減させるもので有れば、L−グルタミン酸
塩に限ることはなく、食品添加物として使用するもので
有ればどのようなものでも使用することができ、例え
ば、シイタケや昆布のうま味成分であるイノシン酸及び
/またはその塩、5−リボヌクレオタイド及び/または
その塩などがあげられる。
【0148】以上説明した本実施形態の食品添加用組成
物は、種々変化する毎日の食生活において食塩代替品と
して調理などに利用されることにより、下記の効果を産
む。 1)本実施形態である亜鉛、ナトリウム、カリウムおよ
びマグネシウム元素を含有する第1の食品添加用組成物
を毎日所定量使用することにより、亜鉛の必要量又はそ
の一部を容易に毎日摂取することができるとともに、主
要ミネラル(ナトリウム、カリウムおよびマグネシウ
ム)をバランス良く摂取することができる。またこの食
品添加用組成物は、食塩代替品として調理などに利用さ
れるので、食塩(塩化ナトリウム)の摂取量を低減する
ことができ、減塩効果も有する。
【0149】2)第1の食品添加用組成物にさらにカル
シウム加えた第2の食品添加用組成物(カルシウム強化
組成物)は、主要ミネラルとしてナトリウム、カリウ
ム、マグネシウムに加えてカルシウムもバランス良く摂
取することができる。
【0150】3)第1の食品添加用組成物または第2の
食品添加用組成物(カルシウム強化組成物)にL−グル
タミン酸塩などのうま味成分を添加して第3の食品添加
用組成物(L−グルタミン酸塩強化組成物)または第4
の食品添加用組成物(L−グルタミン酸塩強化組成物)
にすることにより、第1または第2の食品添加用組成物
の有する苦みを低減できるので、食塩代替品として調理
に使用する際の使用範囲をさらに広げることができる。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、種
々変化する毎日の食生活において微量元素である亜鉛
と、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム
などの主要ミネラルとをバランス良く摂取することがで
きる食品添加用組成物を提供することができる。
【0152】またさらに、上記食品添加用組成物を摂取
する際に苦みや不快な後味を生ずることなく摂取するこ
とができる食品添加用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の食品添加用組成物の
一例を示す。
【図2】本発明に係る一実施形態の食品添加用組成物お
よびその官能試験結果を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品添加剤用組成物であって、 亜鉛を含有する亜鉛含有化合物と、 金属の主要ミネラル及び又はその化合物を1種類以上含
    む混合物と、を有することを特徴とする食品添加剤用組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記亜鉛含有化合物には、酵母、また
    は、タンパク質が含まれることを特徴とする請求項1に
    記載の食品添加剤用組成物。
  3. 【請求項3】 前記酵母はパン酵母であることを特徴と
    する請求項2に記載の食品添加剤用組成物。
  4. 【請求項4】 前記亜鉛含有化合物は、乾燥処理されて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    1項に記載の食品添加剤用組成物。
  5. 【請求項5】 前記亜鉛含有化合物が、前記食品添加剤
    用組成物の重量に対して0.1重量%〜30重量%含有
    されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か1項に記載の食品添加剤用組成物。
  6. 【請求項6】 前記食品添加剤用組成物の亜鉛含有量
    は、前記食品添加剤用組成物10gに対して0.2mg
    〜60mgであることを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれか1項に記載の食品添加剤用組成物。
  7. 【請求項7】 前記混合物は、 塩化ナトリウム(NaCl)と、 塩化カリウム(KCl)、硫酸マグネシウム(MgSO
    )、結晶水を含む硫酸マグネシウム(MgSO・7
    O、MgSO・3HO)または炭酸マグネシウ
    ム(MgCO)のうちの1種以上と、を含むことを特
    徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の
    食品添加剤用組成物。
  8. 【請求項8】 前記混合物は、前記食品添加剤用組成物
    の重量に対して、 塩化ナトリウム(NaCl)が25重量%〜74重量%
    と、 塩化カリウム(KCl)が20重量%〜40重量%と、 MgSO・7HOまたはMgSO・3HOのい
    ずれかの硫酸マグネシウムが5重量%〜20重量%と、 炭酸マグネシウム(MgCO)が0.2重量%〜0.
    8重量%と、を含むことを特徴とする請求項1乃至請求
    項7のいずれか1項に記載の食品添加剤用組成物。
  9. 【請求項9】 前記混合物中に、更に、乳清カルシウ
    ム、卵殻カルシウム、骨粉系食用カルシウム、貝殻系食
    用カルシウム、または、石灰化海藻カルシウムのうちの
    1種または複数種のカルシウム化合物を含むことを特徴
    とする請求項7または請求項8に記載の食品添加剤用組
    成物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9いずれか1項に
    記載の前記食品添加剤用組成物100gに対して、更
    に、L-グルタミン酸および/またはその塩類が5〜30
    g混合されてなることを特徴とする食品添加剤用組成
    物。
  11. 【請求項11】 食品添加剤用組成物の製造方法であっ
    て、 亜鉛を含有する亜鉛含有化合物の粉末を前記食品添加剤
    用組成物の重量に対して0.1重量%〜30重量%含有
    するように調合する調合工程と、 前記調合工程により調合された前記亜鉛含有化合物の粉
    末と、金属の主要ミネラル及び又はその化合物を1種類
    以上含む混合物の粉末とを混合して前記食品添加剤用組
    成物を製造する際に、前記食品添加剤用組成物の90重
    量%以上が600μm以下の粒度となるように混合する
    混合工程と、を有することを特徴とする食品添加剤用組
    成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006131618A (ja) * 2004-10-04 2006-05-25 Taisho Pharmaceut Co Ltd 亜鉛化合物配合組成物
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