JPH0430779A - 鉄強化カレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、鉄強化カレーに関する。より詳しくはヘム鉄
を含有するヘモグロビン由来の化合物に起因する苦味、
生臭味、金属味をカレーを加えることにより解消し、鉄
欠乏者の鉄分の補給に効果がある食品に関する。

（従来の技術） 現在、日本人女性の約半分が鉄欠乏であるといわれてい
る。世界人口の約５億人が鉄欠乏ともいわれ、欧米では
鉄欠乏に対し種々の対策が講じられている。アメリカで
は小麦粉１００ｇに４１１Ｉｇの鉄を添加することによ
り、食パン１　ｋｇあたり１７゜５〜２７．５■の割合
で鉄が強化されている。スウェーデンでも小麦粉１００
ｇあたり６．５ｍｇの鉄強化を行っている。しかし、日
本では、鉄強化食品は一般には普及していないのが現実
である。

食品の鉄強化に関しては、乳酸鉄、クエン酸鉄、硫酸第
一鉄などの非ヘム鉄が知られている。しかし、このよう
な非ヘム鉄は、体内への吸収が悪いうえ、穀物あるいは
穀物加工食品中のフィチン酸、食物繊維、カルシウムや
茶のタンニンによって１４害されることは周知の事実で
ある。さらに、これらの化合物は大量に摂取した隙、悪
心、おう吐、腹痛、下痢などの症状を呈する。

これに対し肉やレバーに多く含まれるヘム鉄は、非ヘム
鉄に比べて吸収がよく、食品中の他の成分の影響を受け
ないことは、Ｅ、Ｂｊｏｒｎ−Ｒａｓｍｕｓｓｓｅｎら
Ｔｈｅ　Ｊｏｕｒｎａｌ　ｏｆ　Ｃ１１ｎｉｃａｌ　Ｉ
ｎｖｅｓｔｉｇａｔｉｏｎ　５３巻（１９７４）　２４
７〜２５５ページ、Ａ、Ｔｕｒｎｂｕｌｌら同４１巻（
１９６２）　１８９７〜１９０７ページにあるように周
知の事実である。しかし、ヘム鉄を含有するヘモグロビ
ン由来の化合物は、ヘム鉄特有の苦味、生臭味、金属味
があるので、摂取時に不快感を伴うことが問題点である
。

かかる問題点を解決する方法として、特開昭５９−１４
０８３４号および特開昭５９−１４０８３５号にあるよ
うに、チョコレート中にヘム鉄を添加する技術がある。

しかし、チョコレートには嗜好性のかたよりが強くあっ
て、多くの人が毎日多量量べられるものではなく、他の
食品も望まれている。特に鉄欠乏の多い女性は、ダイエ
ツトに心がけている人が多く、糖分、脂肪分の多いチョ
コレートの摂取を避ける傾向がある。また、チョコレー
トは嗜好品であり、毎日摂取するような食品ではないた
め、日常食事として摂取するものから鉄分を補給できる
ようにする必要がある。

特開昭６２−３６３２０号におけるヘムまたはヘモグロ
ビンを主成分とする丸粒状組成物においては、ヘムまた
はヘモグロビンをセララグ被覆層により包み込み、苦味
、生臭味、金属味を感じることを防止している。しかし
、通常の食品としておいしく摂取できるものではない。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物
を継続的に摂取しやすく、かつ、おいしく、食べやすい
形態の食品として提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、上記課題を解決するため検討を進めた結
果、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物をカレ
ーに添加することにより、ヘム鉄を含有するヘモグロビ
ン由来の化合物に起因する苦味、生臭味、金属味がマス
キングされ、カレーの風味を損なうことなく食用に供し
得られることを知り、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の
化合物を含んでなるカレーである。

本発明で言うヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合
物とは、ヘモグロビンの酵素分解物であり、鉄分０．５
〜５重量％を含む。

ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物は、特開昭
５７−１７５１２６号にあるように、動物血液の赤血球
を溶血、変性し、例えばアルカラーゼ［Ｆ］のような蛋
白質分解酵素によりヘモグロビンを酵素分解し、ヘム鉄
を含む両分を取り出し乾燥することにより得られる。ヘ
ム鉄を含む両分を取り出すには、分子量１００００ダル
トンの限外濾過により、ヘム鉄を含まない両分を濾過す
る方法と、酵素反応終了後、ｐＨを蛋白質の等電点近く
まで下げ、沈降したヘム鉄を含む両分を遠心分離機によ
り捕集する方法の２種がある。

このようにして得られた化合物１重量部に対して、カレ
ー粉（コリアンダー、カルダモン、クミン、フェンネル
、クローブ、シナモン、ナ゛ンメグ、メース、オールス
パイス、フェネグリーク、スタニアス、リカリス、アニ
ス、シール、キャラウェー、ローレル、サボリー、オレ
ガノ、ローズマリー、セージ、マジョラム、タイム、バ
ジル、マンダリン、ブランクペラパー、ホワイトペッパ
チリーペッパー、ジンジャ−、ガーリンク、マスタード
スターメリック、パプリカ、サフラン等のスパイスの混
合物）を４９重量部以上添加することによって、ヘム鉄
起因の苦味、生臭味、金属味を消去することができる。

カレー粉がヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物
１重量部に対して４９重量部より少ないと、苦味、生臭
味、金属味をマスキングにより解消する効果が減少し、
４９重量部以上で効果が顕著となる。

本発明の、カレー粉にヘム鉄を含有するヘモグロビン由
来の化合物を混ぜ合わせたものの使用に当たっては、粉
末、顆粒、細粒、固形状、液状等のいかなる形態でも使
用することができる。

なお、本発明の目的を妨げない添加物は、適宜加えて使
用できることは言うまでもない。

（実施例） 以下、実施例ならびに比較例により本発明を具体的に説
明する。

実施例１および比較例１ （カレー粉によるヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の
化合物特有の味のマスキング）タンパク質３５％、鉄０
．１１％を含有する赤血球１０ｋｇに水１０ｋｇを加え
、５Ｎ水酸化すｌ−ＩＪウム水溶液でｐＨを１１にした
。室温で１時間後、１Ｍクエン酸水溶液でｐＨを９．０
にし、アルカラーゼ■１２４ｇを加え酵素分解を行った
。酵素反応開始２０分後、酵素反応液を４０°Ｃに下げ
、１００００ダルトンの分離限界を持つ「中空繊維」タ
イプの限外濾過モジュールで限外濾過を行った。温度を
約２０°Ｃにした後、タンク残存量が１０１に達してか
ら水１６！を２回に分けて注入した。最後に残った液を
蒸発により約７１に濃縮した後、乾燥して黒赤色のヘム
鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物的１　ｋｇを得
た。

この化合物の組成を表１に示す。

表 ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物０゜５．１
．２重量部をそれぞれカレー粉（原料の組成を表２に示
した）４９．５，４９．４８重量部に加えよく混合し、
１０人の訓練されたパネラ−によりヘム鉄を含有するヘ
モグロビン由来の化合物を加えないカレー粉と比較した
。その結果を表３に示した。

表２ カレー粉の配合 （χ） 表３に示したようにヘム鉄を含有するヘモグロビン由来
の化合物１重量部に対し、カレー粉を４９重量部の割合
で添加してもカレー粉の味をほとんどそこねることはな
かった。

実施例２ （鉄強化カレーの製造） 厚手の鍋にサラダ油を熱し、−口火に切った豚肉７００
ｇ、じゃがいも８００ｇ、人参２５０ｇ、たまねぎ１０
００ｇを入れ、よく炒めた。その後、水１８００ｃｃを
加え、あくを取りながらこれらが柔らかくなるまで煮込
んだ。そして、いったん火を止めてバーモンドカレー中
辛（ハウス食品工業株式会社）３２０ｇを割入れ、弱火
でとろみがつくまで煮込み、ヘム鉄を含有するヘモグロ
ビン由来の化合物５ｇを加え、よく混ぜてカレールーを
作った。これをあたたかい白飯にかけ、鉄強化カレーラ
イス１０人分とした。このカレーライス１人分には、鉄
が約５■含まれている。

鉄強化カレーライスは１０人のよく訓練されたパネラ−
により、味、匂い、色についてヘム鉄を含有するヘモグ
ロビン由来の化合物無添加のものと比較した。

官能試験の結果を表４に示す。表４に示したように、ヘ
ム鉄を含有してなるヘモグロビン由来の化合物を含んだ
カレーライスは、未添加のものと味、匂いは変わらず、
色は好ましい茶色になり、誰にでも好まれるカレーライ
スになった。

表４　鉄強化カレーライスの官能試験結果（発明の効果
） 本発明によれば、ヘム鉄を含有してなるヘモグロビン由
来の化合物をカレーに添加することにより、ヘム鉄特有
の苦味、生臭味、金属味が効果的に解消され、好ましい
着色効果があられれ、誰にでもおいしく食べられる鉄強
化食品をつくることができる。また、カレーは多くの人
に好まれ、広汎な料理に利用される。本発明のカレーを
利用した様々な料理を食べることにより、鉄欠乏りは日
常の食事からも吸収率の良い鉄をＩＰ取することができ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ヘム鉄を含有するヘモグロビン由来の化合物を含んでな
   るカレー。