JP2895896B2 - 脈管狭窄の治療におけるγ―インターフェロンの使用 - Google Patents
脈管狭窄の治療におけるγ―インターフェロンの使用Info
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Description
おける再狭窄治療を含む内膜過形成によって生じた脈管
狭窄の治療についての製剤の製造にγ−インターフェロ
ンを使用することに指向することにある。特に、本発明
は血管形成および/または脈管手術における動脈狭窄の
治療に指向することである。
テロール血症、スモーキング(smokeing)および高血圧
症のようなアテーロム性動脈硬化症についての危険要素
を減少することによって、患者における心臓発作の発生
率を低下させている。心臓発作の発生は冠状動脈におけ
る血栓を溶解する組織−タイプ プラスミノーゲン活性
化因子(t−PA)の投与によって止めることができるこ
とは知られている。最近、組換えDNA技術によるt−PA
のクローニングおよび生成によって、t−PAを制限され
ない量で生成させている。
る心臓発作を防止するためには、外科的方法だけが用い
られている。二三の重要な新しい技術は外科治療におい
て発展している。特に、バルーン カテーテルを用いる
血管形成手段および最近のレーザーは、冠バイパス外科
治療が確実でなく、かつひどくない症状の患者、また一
般条件が主な外科治療に望ましくない患者の治療に適し
ている。
主な血管のすべての手技は、動脈の再狭窄を導びく内膜
過形成をよく起すことから障害となる、例えば、サルグ
レンの病院(sahlgren′s Hospital),スウェーデン、
イェーテボリーにおける、経皮トランスルミナル冠血管
形成症にかかっている患者のすべての内の約30%が虚血
性症状を起す内膜病変(intimal lesions)を引き起し
ている。
ている。下肢に血液を供給する動脈の再形成手術では、
すべての場合の50%が内膜病変により虚血性症状を再発
している(ラザフォードR(編集)「Vascular Surger
y」Ch.58,第2版、サウンダース(1984)参照)。同様
に、頚動脈血管内膜切除を受けた患者のすべての内ち約
20%が内膜過形成を引き起している。同様の結果は二三
の他の治療センターから報告されている。また、内膜過
形成は冠バイパス手術に関連して、しばしば観察されて
いる。それ故、今日において、手術後および「血管形成
後(postangioplastic)」内膜過形成は、臨床心臓病
学、心臓手術および脈管手術において主問題とされてい
る。
けており、結局、冠バイパス手術が行われている。内膜
過形成の発生を回避できる場合には、患者を苦痛および
悩みから開放してやることができ、また実質的に治療費
を軽減することができる。
に注意深く研究されている。動脈に対する機械的障害は
内側平滑筋細胞を内膜に移行することは知られている。
一旦、内膜において、細胞が増殖を始め、何ケ月か持続
する内膜病変を形成する(シュワルツSM,カンプベルGR
およびカンプベルJH氏「Circ Res」58:427(1986)参
照)。表面の再内皮化は病変の退行について重要である
と思われ、内皮下構造に対する損傷の割合は病変の進行
について大切である。
うな血液に循環するか、または小板−誘導成長ファクタ
ーのような細胞から開放するかによる成長ファクターで
制御することができる。後述するファクターは巨核球に
よるばかりでなく、単球および内皮細胞によって合成さ
れる(ロスR氏「New Engl J Med」314:488(1986)お
よびロスR氏、レインスEWボーウェン−ホップDF氏「Ce
ll」46:155〜169(1986)参照)、この事は炎症性細胞
が管壁の成長調整に関係することを示している。
あまり知られていない。ヘパリンの薬理学的に投与は平
滑筋増殖を抑制し(クローエスAWおよびカルノブスキー
MJ氏「Nature」265:625(1977)参照)、この事は内因
性ヘパリン−様物質が生理学的生成制御に影響を与える
ことを示している。しかしながら、血管形成および外科
的処置を受けたすべての患者がヘパリン治療を受けてい
るが、有意な内膜狭窄を引き起している。
の免疫細胞化学研究では、単球−誘導マクロファージが
アテローム性動脈硬化斑に多量に存在することを報告し
ている(ベデラーCA,ナイランドHおよびマトラーR
氏:早期ヒトアテローム性動脈硬化病変における泡沫細
胞のlnSitu特性「Acta Pathol Microbiol Immunol Scan
d(C)」92:133〜137(1984)、およびアクエルNM,バ
ルRY,ワルドマンHおよびミッチンソンMJ氏:ヒト ア
テローム性動脈硬化斑における泡沫細胞の単球源、「At
herosclerosis」53:265〜271(1984)、およびジョナソ
ンL,ホルムJ,スカリーO,ボンジェルスGおよびハンソン
GK氏:ヒト アテローム性動脈硬化斑におけるT−細
胞、マクロファージおよび平滑筋細胞の局部蓄積、「At
herosclero−sis」6:131〜140(1986)、およびガウンA
M、ツカダTおよびロスR氏:ヒト アテローム性動脈
硬化II、ヒト アテローム性動脈硬化病変の細胞組成の
免疫細胞化学分析「Am J Pathol」125;191〜207(198
6)参照)。しかしながら、これらの研究は、病的環境
における動脈壁に見出すことのできる唯一の血球−骨細
胞についてではない。T−リンパ球はヒト アテローム
性動脈硬化斑の線維性キャップにおける細胞集団の5分
1を構成しており(ジョナソン氏ほか「Atheroscle ros
is」6131〜140(1986)参照)、およびまた脈管損傷の
実験的モデムにおいて観察することができる(ジョナソ
ンL、ホルムJおよびハンソンGK氏:平滑筋細胞の損傷
に対する動脈応答中のIa抗原発現、「Lab Invest」58:3
10〜315(1988)。
成長特性および他の機能を調整できることを示してい
る。T−リンパ球に富んだアテローム性動脈硬化斑にお
いて、多くの平滑筋細胞はクラスII主組織適合性複合抗
原(Ia抗原)を発現する。他方において、平滑筋細胞は
非アテローム性動脈硬化、正常動脈におけるIa抗原に欠
乏している(ジョナンソンL,ホルムJ,スカリーO,ガビア
ニーGおよびハンソンGK氏:ヒト アテローム性動脈硬
化における脈管平滑筋細胞のクラスII移植抗原の形質発
現、「J Clin Invest」76:125〜131(1985)、およびハ
ンソンGK,ジョナソンL,ホルムJおよびクラエソン−ウ
ェルシL氏:アテローム性動脈硬化斑におけるクラスII
MHC抗原形質発現;平滑筋細胞のHLA−DR,HLA;DQおよび
不変γ鎖の発現、「Clin exp Immunol」64:261〜268(1
986)参照)。Ia抗原はラットの損傷に対する動脈応答
中、平滑筋細胞に発生するが、しかもIa抗原と脈管狭窄
との関係を示すまたは暗示する研究はこれまでは存在し
ていない。
おいて基本的役割を演ずる。マクロファージ、内皮細胞
および二三の他の細胞タイプによるこれら抗原の形質発
現は活性化Tリンパ球により分泌されるγ−イナターフ
ェロンによって誘導される(ポベルJS,ギムブロンMA,コ
トランRS,レイスCS,ブラコオフSJ,フィエルスWおよび
アウルトKA氏;活性化T細胞によりおよびヒトγ−イン
ターフェロンにより誘導できる脈管内皮によるIa形質発
現、「J Exp Med」157:1139〜1353(1983)、およびウ
ナヌエERおよびアレンPM氏:非リンパ球におけるIa形質
発現の研究結果についてのコメント、「Lab Invest」5
5:123〜125(1986)参照)。
るα−およびβ−タイプ インターフェロンはある種の
細胞タイプの増殖を抑制することが知られている。γ−
インターフェロンは活性化Tリンパ球により釈放され、
またコンディションド メディウムまたは製剤を乳腺細
胞および繊維芽細胞のような種々のタイプの培養細胞に
加える場合には、増殖を抑制することが知られている
(ルビンBYおよびグフタSL氏:抗ウィルス剤および抗増
殖剤としてのヒト タイプIおよびタイプIIインターフ
ェロンの識別効力、「Proc Natl Acad Sci USA」77:592
8〜5932(1980)、およびブラロックJE,ゲオルジアデス
JA,ラングフォールドNFおよびヨハンソンHM氏:繊維芽
細胞または白血球インターフェロンより強い抗細胞活性
を有する精製ヒト免疫インターフェロン、「Cell Immun
ol」49:390〜401(1980)、およびワッヒルSMおよびガ
ルテリィCL氏:ヒトT細胞および連続T細胞系源のリン
ホカインによる繊維芽細胞成長の調整、「J Immunol」1
30:1226〜1230(1983)参照)。しかしながら、この効
果はγ−インターフェロンそれ自体の抑制効果より、む
しろリンフォトキシン(腫瘍壊死因子)による製剤の汚
染によるかどうかが問題とされている。
胞の成長を抑制する製剤の使用によって治療できるので
有益である。
よびアテローム性動脈硬化における平滑筋細胞について
の重要な成長抑制剤であることを見出したことは驚くべ
きことであり、この事が本発明の基礎をなすものであ
る。
な量のγ−インターヘロンを含有することを特徴とする
脈管狭窄治療用医薬組成物を提供することにある。
長あるいは拡散活動によって引き起こされた脈管狭窄に
対し有効な治療効果を示す。また、本発明の脈管狭窄治
療用医薬組成物は、閉塞性の動脈硬化を治療することに
伴う再狭窄に対して有効な治療効果を示す。さらに、本
発明の脈管狭窄治療用医薬組成物は、上記動脈硬化が脈
管手術及び/または血管形成に伴って引き起こされた場
合に有効な治療効果を示す。
を動脈狭窄または閉塞の治療による再狭窄の治療に適用
する。
療を血管形成および/または脈管手術による動脈狭窄治
療に適用する。
成、天然または組換えDNA技術により作られた組換えγ
−インターフェロンを用いることができる。
静脈または筋肉注射によって投与するのが好ましい。
水に用いることができる。
ェロンの種々の濃度の効果を示すグラフである。
のγ−インターフェロンの種々の濃度の効果を示すグラ
フである。
ある。
におけるγ−インターフェロンの効果を示すグラフであ
る。
滑筋細胞におけるI−A形質発現でのγ−インターフェ
ロンの効果を示すグラフである。
インターフェロンの時間に対する効果を示すグラフであ
る。
ターフェロン製剤におけるエンドトキシン汚染の欠乏を
示すグラフである。
ブ平滑筋細胞のそれぞれの複製の程度を示すダイヤグラ
ムである。
ロン効果を研究し、このリンホカインが細胞増殖を抑制
することを確めた。この効果はIa抗原の誘導に対応す
る。それ故、Ia形質発現および細胞複製をバルーンド
(ballooned)ラット頚動脈における損傷に対する動脈
応答について研究した。Ia形質発現と増殖の欠乏との相
関関係を得た。
集団を同定した。それ故、細胞タイプ−特異抗原に対す
るモノクロナール抗体を血管内膜切除被検物のセクショ
ンに適用した。脂質に富んだコア部位における多くの細
胞は抗体によりマクロファージ抗原を染色するのを確
め、繊維状キャップの細胞の多くが、しばしば抗平滑筋
抗体によって染色された(ジョナソンL,ホルムJ,スカリ
ーO,ボンドジエルスGおよびハンソンGK氏「Arterioscl
erosis」6:131(1986)参照)。更に、驚くべきこと
は、特に繊維状キャップに実質的量のTリンパ球を観察
したことである。これらの多くを活性化の符号、すなわ
ち、HLA−DR、VLA−1およびインターロイキン−2受容
体の形質発現を示した(ジョナソンL,ホルムJ,スカリー
O,ガビアニGおよびハンソンGK氏「J Clin Invest」76:
125(1985)、およびハンソンGK,ジョナソンL,ホルムJ
およびクラエソン−ウエルシL氏「Clin exp Immunol」
64:261(1986)参照)。
胞はHLA−DR(Ia抗原)を発現し、これに対してこの抗
原は正常動脈壁の平滑筋細胞においていまだかって見出
されていない。HLA−DR形質発現はγ−インターフェロ
ンの釈放を介して活性化T細胞によって誘導される(ポ
ベルJS氏ほか「Nature」305:726(1983)、およびウナ
ヌエERおよびアレンPM氏「Lab Invest」55:123(1983)
参照)。それ故、アテローム性動脈硬化における研究結
果は、γ−インターフェロンがアテローム性動脈硬化斑
における遺伝子発現のパラクリニア調整に含まれること
を示している。アテローム性動脈硬化斑におけるγ−イ
ンターフェロンの存在についての直接免疫組織化学的証
明は最近、得られている。
調整するT白血球の役割についての分析に用いた。この
目的のために、バウムガートナー氏により開発され、か
つクローウスおよびレイディ氏により改良されたバルー
ン カテーテル モデルを適用した。内膜病変をラット
頚動脈にフォガーティ バルーン カテーテルにより誘
導し、白血球およびIa抗原の発現の異なるタイプの浸潤
を損傷後、異なる時点で免疫組織化学により分析した。
わたって確め、内膜における平滑筋細胞がIa抗原の発現
し始めるのを確めた。試験管内で、Ia形質発現は組換え
γ−インターフェロンによって誘導することができた。
これらの研究結果は、γ−インターフェロンが釈放し、
内膜病変において平滑筋遺伝子発現に影響を及ぼすこと
を示している。
効果的な抑制剤であり、これが損傷後、内膜病変におい
て平滑筋増殖の内因性抑制剤として作用するものと思わ
れる。
細胞複製の分析によって得られた。Iaポジティブ平滑筋
細胞が損傷後14日目において24時間パルス中に3Hチミジ
ンを吸収しないことを確かめた。
ルーニング(ballooning)時に導入された浸透圧ポンプ
を介して3Hチミジンで標識付けした。3Hオートラジオグ
ラフィーおよびIaについての免疫組織化学染色の組合せ
によって、犠牲時において、すなわちバルーニング後14
日目においてIaを発現した細胞がIa−ネガティブ平滑筋
細胞により有意に少ないサイクルの複製を受けることを
確かめた。この事は、γ−インターフェロンが内膜過形
成における平滑筋細胞複製の内因性抑制剤であることを
確認している。これらの結果は、損傷に対する動脈応答
における非経口的投与によるγ−インターフェロンの効
果を試験する研究継続によって確かめた。
ューダウレイ(spraque−Dawley)ラットからコラゲナ
ーゼ消化により分離し、ウシ胎児血清(FCS)、100単位
/mlペニシリンG、100μg/mlストレプトマイシンおよび
50μg/mlアスコルビン酸で補充したRPMI−1640培地で成
長させた。1/3〜1/5部の細胞を実験に用い、これらの細
胞を成長分析のために96−ウエル微量滴定プレート(Nu
nc,Roskilde,デンマーク)に、またはDNA合成の分析の
ために10cm2ペストリー皿に入れた。
おける血清飢餓(serum staruation)の48時間後10%FC
Sの添加による細胞サイクルのギャップ1(G1)相を導
入するように誘導した。培養物を、培地を10%FCSと共
に加えた組換えマウスγ−インターフェロン(Genentec
h.,カリフォルニア州、南サンフランシスコ)にさらし
た。
1中に4%ホルムアルデヒドで固定し、アミドブラック
Bと温置して細胞蛋白質を染色させた。非結合染料を蒸
留水でゆすぎ落とし、染料吸収量をEIA微量滴定光度計
において620nmで調べた。細胞当りに結合した染料を培
養物当りの染料吸収度(A620単位)を培養物当りの細胞
数で割って計算し、更に平衡培養物におけるトリプシン
処理した細胞の血球係数器で測定した。こられの培養物
における細胞当たりの染料吸収度が極めて小さい変動性
(<2%)であったことから、細胞数は与えられた培養
物のA620吸収度をA620/細胞係数で割って評価すること
ができた。この場合、γ−インターフェロン処理培養物
と未処理培養物との間のA620/細胞における有意な差は
なかった。細胞数を測定するための微視的カウンテング
と染料結合分析との間に相関関係は優れていた(r=0.
98)。
うに調べた。簡単に、SMCを上述するようにしてキャッ
プ0相(G0)に同期し、次いでγ−インターフェロンの
存在で、または不存在で血清の添加後、同時にまたは異
なる時間において10%FCSを添加して細胞周期を導入す
るように誘導した。3H−チミジン(10μCiー10cm2ウエ
ル(well)をPCSと共に加え、細胞を24時間でトリプシ
ン処理により採取した。これらを0.22−μm微細孔フィ
ルター(Bedford,マサチューセッツ州)上に集め、トリ
クロロ酢酸−不溶性放射能をインスターゲルIR(Indta
−gel 1)に可溶化後、シンチレーション カウンター
で分析した。
けるSMCを以下に記載するようにγ−インターフェロン
にさらした。細胞をPBS(リン酸緩衝食塩水、150mM NaC
l,15mMリン酸緩衝液、pH7.2)で3回ゆすぎ、100mMリン
酸ナトリウム緩衝液、pH7.2中1%ホルムアルデヒドで
4℃15分間にわたって固定した。これをPBSで3回ゆす
ぎ、0.1ウシ血清アルブミンを含むPBS(BSA;RIA等級、
シグマ ケミカル(Sigma Chemical,ミズーリ,セント
ルイス)中100mMグリシンと37℃30分間にわたって反応
させた。細胞をPBS中でゆすいだ後、細胞を0.1%BSA含
有PBS中0.5%標準ウマ血清と37℃で60分間にわたって予
備温置し、0.05%トゥイーン20を含有するPBSで3回ゆ
すぎ、次いでモルクロナール抗体0×6および0×17
(Seralab,Crawle Down,英国、サセックス)で温置し、
チェケルボード滴定(checkerboardtitration)によっ
て定めた最適な希釈で、37℃60分にわたってI−Aおよ
びI−E抗原のそれぞれを検出した。過剰の抗体をPBS/
トィイーンで3回ゆすいで洗い落し、細胞をPBS/BSAに
1:1000の割合に希釈したアルカリ性ホスファターゼ−標
識、アフィニティー精製ヤギ アンチ−マウス免疫グロ
ブリンG抗体(Jackson Lab,ペンシルヴェニア州アボン
ダレ)と30分間にわたって温置した。PBS/トゥイーン洗
浄後、被検物を10%ジエタノールアミン、0.5mM MgCl2
に1mg/ml p−ニトロフェニル ホスフェート基質を含有
する基質溶液、pH9.8中37℃で60分間にわたって温置し
た。反応を2MNaOHの添加により停止し、405における吸
光度を微量滴定光度計で調べた。
を上述するように頚動脈損傷させた。簡単に、麻酔した
ラットを左外側頚動脈を介してフォガーティ2Pバルーン
カテーテルでカテーテル処理した。バルーンを共通頚
動脈の最も近い部分において膨脹し、カテーテル頚動脈
分岐点の方向に後退させた。この処理を3回繰返し、次
いでカテーテルを除去し、外側頚動脈および表在損傷を
閉じた。この処理によって、損傷区域のすべての内皮細
胞を除去し、かつ内側平滑筋細胞が幾分、失うのを確か
めた。3H−チミジン(6.7Ci/mモル;New England Nuclea
r,マサチューセッツ州ボストン)を、5匹のラットに手
術日から腹腔内浸透ミニポンプを介して連続的に注射し
た(クローエスAWおよびシュワルツSM:損傷ラット頚動
脈における静止平滑筋移動の重要性「Cire Res」56:139
〜145(1985)参照)。他の10匹のラットに、4日間に
おいて24時間中3回にわたって3H−チミジンを注射した
(ジョナンソンL,ホルムJ,ハンソンGK:損傷に対する動
脈応答中Ia抗体を発現する平滑筋細胞「Lab Invest」5
8:310〜315(1988)参照)。
緩衝液、pH7.2中1%ホルムアルデヒドを潅流して固定
した。損傷させた左側および損傷させない右側の頚動脈
を含むセグメントを液体窒素中でスナップ凍結し(snsp
−frozen)、8μmセクションを低温槽ミクロトームに
おいてカットした。Ia抗原I−Aを、マウス アンチ−
ラット モノクロナール抗体0×6で、次いでビオチニ
ル処理した(biotinylated)ウマ アンチ−マウス免疫
グロブリンGおよびビオチン−アルカリ性ホスファター
ゼ複合物(Victor,カリフォルニア州バーリンガム)で
温置して明視化した。次いで、セクションをホルムアル
デヒドに固定し、NTB 2ニュークリア トラック エマ
ルジョン(Kodak,ニューヨーク州ロチェスター)に浸し
た。これらのセクションを2週間後展開し、ヘマトキシ
リンで染色し、光学顕微鏡で検査した。各動物につい
て、200個の細胞を内膜肥厚(intimal thick ening)の
相当する区域において数え、およびIa−ポジティブおよ
び3H−チミジン−ポジティブ細胞を定めた。
比較した;多比較の場合、シェフツ コレクション(Sc
heffe s′ corrction)をアルミテージ(Armitage)氏
により記載されているように用いた(アルミテージP
氏;医学研究における統系的方法、英国オックスフォー
ド、ブラックウェル出版(1971)参照)。差異はP<0.
05において有意のように考えられた。回帰線を最小−ス
クエア法(least−squares method)により適合させ
た。
基に組換えγ−インターフェロンを存在することによっ
て抑制できた。第1図は、平滑筋細胞増殖はγ−インタ
ーフェロンによって抑制することを示している。96−ウ
エル微量滴定プレートにおける指数関数的に成長する動
脈平滑筋細胞を培養基において異なる投与量の組換えマ
ウスγ−インターフェロン(γ−IFN)にさらした。A,
B,C,DおよびEは0,1,10,15および100のそれぞれの単位
(u)/mlのγ−インターフェロンの濃度に相当させ
た。有意な抑制を処理後4日目において10単位/mlで、
およびインターフェロン添加後2日目で50または100単
位/mlで得た。平坦域に達した場合には、50単位/mlま
で、γ−インターフェロン投与と増殖抑制との間に投与
−応答関係が存在した。
れ、次いでFCS添加により細胞周期が導入される場合
に、極めて著しかった。この事を第2図に示しており、
同期した平滑筋培地における成長誘導がγ−インターフ
ェロンによって抑制されていることを示している。A,B,
C,DおよびEを第1図のA〜Eと同じγ−インターフェ
ロン濃度に相当させた。この場合、培地における10単位
/mlγ−インターフェロンが50%成長抑制を得、有意な
抑制が9日間さらした後1単位/mlのように少量で得
た。有意な抑制は10単位/mlで4日後に得られ、最大抑
制は50単位/mlで達成した。
の効果は、細胞周期中および細胞周期に導入後、同期細
胞によって吸収される3H−チミジンの分析によって評価
した。先ず、細胞周期のG1相の持続を調べた。10cm2ペ
トリ皿中の細胞を血清飢餓によって阻止し、次いで10%
ウシ胎児血清の添加により0時間で細胞周期を導入され
るように誘導した。3H−チミジンをウシ胎児血清と一緒
に加え、細胞を異なる時点で採取し、トリクロロ酢酸不
溶性放射能を三重培養物(triplicatecultures)のシン
チレーション カウンターにより調べた。血清添加から
3H−チミジン吸収の開始にわたる時間を調べた(すなわ
ち、第3図の曲線の彎曲点)。G1相は約20時間であっ
た。
した場合、3H−チミジンの吸収が70%まで減少すること
を示している。γ−インターフェロンは細胞周期の初期
G1において作用することによって平滑筋細胞複製を抑制
する。10cm2ペトリ皿中の細胞を成長阻止し、次いでFCS
の添加により細胞周期に入るように誘導した。次いで細
胞を3H−チミジンに連続的にさらした。γ−インターフ
ェロンをFCSと共に、または3,6、9,12または15時間後に
加えた。すべての細胞を24時間で採取し、トリクロロ酢
酸不溶性放射能を四重培養物のシンチレーション カウ
タンーにより調べた。x軸はFCSの添加からγ−インタ
ーフェロンの添加にわたる時間を示しており、「0時
間」はFCSおよびγ−インターフェロンを同時に受け入
れた培養物を示し、「15時間」はウシ胎児血清の添加後
15時間においてγ−インターフェロンを受け入れた培養
物を示している。y−軸において、100%はγ−インタ
ーフェロンにさらさない培養物における3H−放射能を示
しており、γ−インターフェロン処理培養物における放
射能をこの値の百分率で与える(平均値±SD)。しかし
ながら、γ−インターフェロンの添加を血清添加後9時
間以上遅らせた場合には、抑制は得られなかった(第4
図参照)。それ故、データは、γ−インターフェロンが
G0からG1の変異、または脈管平滑筋細胞における細胞周
期のG1相中の初期を阻止することによって作用すること
を示している。
含む標的細胞の変種によるIa抗原の形質発現を誘発す
る。アテローム性動脈硬化動脈における平滑筋細胞はこ
れらの抗原を発現するのに観察されており(ジョナソン
L,ホルムJ,スカリO,カビアニGおよびハンソンGK氏:ヒ
ト アテローム性動脈硬化における脈管平滑筋細胞での
クラスII移植抗原の形質発現「J Clin Invest」76:125
〜131(1985))、アテローム性動脈硬化斑における活
性化Tリンパ球の存在は、Tリンパ球から釈放されたγ
−インターフェロンがこの抗原の形質発現を誘導するこ
とを示している(ジョナソンL,ホルムJ,スカリO,カビア
ニGおよびハンソンGK氏:ヒト アテローム性動脈硬化
における脈管平滑筋細胞でのクラスII移植抗原の形質発
現「J Clin Inbest」76:125〜131(1985)、およびハン
ソンGK、ジョナソンL,ホルムJおよびクラソン−ウエル
シL氏;アテローム性動脈硬化斑におけるクラスII MHC
抗原形質発現;平滑筋細胞がHLA−DR,HLA−DQおよび不
変のγ−鎖を発現する、「Clin Exp Immunol」64;261〜
268(1986)参照)。この可能性については培養平滑筋
細胞をγ−インターフェロンにさらすことによって試験
した。
量−依存手段での平滑筋細胞における細胞表面I−A形
質発現を誘導することを示している。96−ウエル微量滴
定プレートにおける細胞を組換えマウスγ−インターフ
ェロンにより種々の濃度で3日間にわたって処理し、次
いで酵素結合イムノアッセイ技術によりI−A形質発現
について検定した。細胞当りのI−A形質発現を、各培
養物における全I−A値(405nmにおける吸光度)を染
料結合により測定された培養物当りの細胞数で割って計
算した。培養物の平均(n=16)を示し、変動係数(va
riation coefficients)は常に2%以下とした。
ターフェロンの時間経過状態を示している。96−ウエル
微量滴定プレートにおける細胞(n=16)をγ−インタ
ーフェロン(γ−IFN微量:100単位/ml)で処理し、γ−
インターフェロン(A)添加後、種々の時点での酵素結
合イムノアッセイによって分析した。細胞当りのI−A
形質発現を、ウエル当りのI−A形質発現(A405単位)
をウエル当りの細胞数で割って定めた。対照値(B)は
非模擬細胞(unsimnlated cells)から誘導した。標準
偏差は平均の2%以下であった。誘導はγ−インターフ
ェロンにさらした40時間後に検出でき、平坦域は60時間
の刺激後に達成した。I−A形質発現の誘導のタイム
フレームはγ−インターフェロンにより誘導された成長
抑制に明らかに近似した。
ターフェロンの効果がエンドトキシン汚染によらないこ
とを示している。この事はポリミキシンBをγ−インタ
ーフェロンと共に添加することによりエンドトキシン抑
制が結果に影響を及ぼさないためである。成長−同期細
胞は種々の濃度における組換えγ−インターフェロンに
よって、およびポリミキシンBの添加(50μg/ml)
(B)または添加しない(A)で影響される。96−ウエ
ル微量滴定斑における16個の平行培養物の平均を示して
おり、変動係数を常に2%以下にした。Pmはポリミキシ
ンBと称する。マウスγ−インターフェロンにより得ら
れた成長およびIa形質発現における効果(Genetechによ
り得られた)は組換えラットγ−インターフェロンによ
り得られた効果(Holland Biotechnologyにより得られ
た)と同一であった。これに対して、ヒトγ−インター
フェロンはラット細胞におけるIa形質発現を誘導しなか
った。
胞増殖の抑制を誘導し、I−A抗原の形質発現は成長抑
制およびI−A形質発現が生体内での現像と関係すると
いう仮定の試験を助長する。それ故、ラット頚動脈にお
ける平滑筋増殖はバルーン カテーテル損傷によって誘
導し、損傷時からのすべての複製細胞を浸透ポンプを介
して連続的に受ける3H−チミジンで標識付けした。細胞
複製およびI−A形質発現を、内膜肥厚を達成し、しか
も増殖がまた続いた場合に、損傷後14日で分析した。結
果を表1に示す。
も1サイクルを通じて生じたことを示す3H−チミジンで
あった。免疫組織化学により検出できるI−Aは細胞の
10.9%で発現した。また、大部分の全内膜平滑筋細胞は
3H−チミジンにより標識付けされ、I−Aポジティブ細
胞の8分の1だけが3H−チミジン ポジティブであっ
た。3H−チミジン−ネガティブ平滑筋細胞のうち、半分
以上がI−Aポジティブであった。
を殺す直前、24時間3H−チミジンを注射することによっ
て、手術から14日中に分析した。この場合、25.5%の細
胞が3H−チミジン ポジティブであったが、しかしこれ
らの細胞はなにもI−Aを発現しなかった。これらの結
果を表IIに示す。
−A形質発現を誘導する機構が増殖を抑制することを示
している。この考察は、14日浸透ポンプで標識付けした
ラットから得たオートラジオグラフィー分析によって支
持した。第8図は、I−A形質発現平滑筋細胞が、損傷
についての応答中、ネオインチマ(neointima)におけ
るI−Aネガティブ形質発現平滑筋細胞より僅かに複製
されることを示している。動脈損傷はラットの頸動脈バ
ルーニングによって加えられ、複製細胞は14日にわたる
浸透ポンプを介して連続的に注入する3H−チミジンによ
って標識付けした。I−A形質発現は同じセクションの
免疫組織化学およびオートラジオグラフィーによる3H−
チミジン吸収によって調べた。I−Aポジティブ及びI
−Aネガティブ細胞における銀粒子の数は4種の病変に
おいて数えた(病変当りの50個のI−Aポジティブおよ
び50個のI−Aネガティブ細胞)。動物間には有意な差
がなかったので、すべての5種の病変からのデータは統
計的分析にプールした。I−Aポジティブ細胞とI−A
ネガティブ細胞間における銀粒子の差はP<0.01で異な
り、平均±SDを図面に示している。細胞の3H−チミジン
標識増殖集団において、該当りの銀粒子の平均数は、I
−Aポジティブ細胞と比較した場合に、I−Aネガティ
ブ細胞におけるより約2倍高かった。多くの3H−チミジ
ンは各付加増殖により細胞に蓄積すると予想されてお
り、細胞当りの粒子数は明らかに細胞当りの放射能に関
係する。それ故、I−Aポジティブ平滑筋細胞とI−A
ネガティブ平滑筋細胞との間の差は、I−Aポジティブ
細胞がI−Aを発現しない平滑筋細胞よりDNA合成の少
数サイクルで生ずることである(このタイプの合成につ
いて討議するため;クローエスAWおよびシュワルツSM
氏:損傷頸動脈における平滑筋移行の重要性Circ Res」
56:139〜145(1985)。
内実験パイロットを行った。内膜病変を上述するように
フォガーティ2Pバルーン カテーテルによって普通頸動
脈に加えた。4匹のラットには、組換えラットγ−イン
ターフェロンを7日間にわたり1日に200,000U.s.cで与
え、他の4匹のラットには同量の賦形薬(塩化ナトリウ
ム溶液)を注射した。
1%パラホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝液を注いで
固定した。処理(左)および未処理(右)頸動脈をOCT
培地に埋置し、n−ヘキサン/液体窒素中でスナップ凍
結した。10μmクリオスタット セクションを100μm
ごとにカットし、ネオインチマで占める区域をポイント
−サンプリング法を用いる形態計測により調べた。結果
を表IIIに示す。
有意に抑制することを示しており、この抑制がγインタ
ーフェロン処理中止後、1週間持続することは注目すべ
きことである。この事は、内側細胞が損傷後、臨界的な
時点において複製および移行するという仮説を支持す
る。この時点における増殖の抑制は病変の大きさを持続
的に減少するように思われる。
γ−インターフェロンの抑制作用を示している。
形成により生ずる脈管狭窄の治療に、および好適例にお
いて脈管手術および/または血管形成による動脈狭窄の
治療に用いることができる。γ−インターフェロンは治
療効果を生ずるのに十分な量でかかるγ−インターフェ
ロンを含有する薬剤を患者に投与する必要がある。特定
の場合において要求される実際の投与量および治療時間
は医師によって定めることができる。投与量は標的細
胞、例えば表皮ケラチン細胞にクラスII−MHC抗原の形
質発現を誘導するのに十分な量にする必要がある。
第77670号に記載されているように生(native)γ−イ
ンターフェロンのセクションを有するポリペプチド、お
よびここに記載する方法により狭窄を抑制することので
きるすべてのアミノ酸配列またはその他のの変異体、ま
たは他の動物からの細胞を用いる類似体を意味する。か
かる変異体としては、アミノ酸残基を除去、挿入または
置換する特定部位の突然変異誘発の体位遺伝子または生
成物を例示できる(例えば、欧州公開特許明細書第1463
54号参照)。獣医学治療の場合、γ−インターフェロン
は治療すべき動物の種類に一致させて、または作用する
ように用いる。ヒト治療においては、欧州特許出願明細
書(EP)77670号に示されている配列のdesCysTyrCys変
異体の必要があり、必要に応じて最後の4つの残基を翻
訳プロセシングにおいて除去するC−末端変異体を用い
ることができる。生配列を利用するγ−インターフェロ
ンは既知方法を用いる自然源から精製により得ることが
できる。同じ分子またはその変異体は既知方法により組
換え源(recombinant sources)から得ることができ
る。
フェロン(20×10fb)1.0または0.2mg/ml、コハク酸0.2
7mg/ml、コハク酸二ナトリウム六水和物0.73mg/ml,マン
ニトール40mg/ml、ポリソルベート20 0.1mg/mlまたは
(qs ts)水1gを含有する。この水性調剤は臨床により
定められるように、ヒトにおいて最大致死量以下の治療
投与量で投与す。また、γ−インターフェロンは再構成
凍結乾燥調剤から投与することができる。
で任意の普通の投与経路で、例えば静脈内または肺内経
路で投与することができる。投与は治療レベルを維持す
るのに十分に連続注入または丸薬投与することができ
る。γ−インターフェロンは、必要に応じて狭窄を生ず
る過程において少なくとも使用し、しかる後に脈管構造
を適当に治療するのに十分は時間にわたって継続使用す
ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】治療効果を生み出すのに十分な量のγ−イ
ンターヘロンを含有することを特徴とする脈管狭窄治療
用医薬組成物。 - 【請求項2】前記脈管狭窄が血管細胞の成長あるいは拡
散活動によって引き起こされた請求項1に記載した脈管
狭窄治療用医薬組成物。 - 【請求項3】前記脈管狭窄が閉塞性の動脈硬化を治療す
ることに伴う再狭窄である請求項2に記載した脈管狭窄
治療用医薬組成物。 - 【請求項4】前記再狭窄が脈管手術及び/または血管形
成に伴う動脈硬化である請求項3に記載した脈管狭窄治
療用医薬組成物。
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