JP2893529B1 - 和風洋生菓子の製造方法とその包装方法 - Google Patents

和風洋生菓子の製造方法とその包装方法

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JP2893529B1
JP2893529B1 JP10154253A JP15425398A JP2893529B1 JP 2893529 B1 JP2893529 B1 JP 2893529B1 JP 10154253 A JP10154253 A JP 10154253A JP 15425398 A JP15425398 A JP 15425398A JP 2893529 B1 JP2893529 B1 JP 2893529B1
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rice cake
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cake dough
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Abstract

【要約】 【課題】今までにない新規な洋生菓子の製造方法とその
包装方法を提供する。 【解決手段】薄厚の餅生地シート(4)を、略半球状に
窪んだ底面を有する雌型(7)の内底面に沿って敷き詰
め、次いで、その内部に気泡入りクリーム(1)を充填
するとともにイチゴ等の詰め具材(2)を入れ、更に、
内部に該クリーム(1)と該詰め具材(2)とが内包さ
れた該薄厚餅生地シート(4)の上面に蓋をするように
ケーキスポンジ(3)を載置するとともに、該ケーキス
ポンジ(3)の上面にクリーム(5)を塗布し、その
後、該薄厚餅生地シート(4)の各端部(4a・・4
a)をクリーム(5)に向かって折り込むことにより該
端部(4a・・4a)同士を互いに重ね合わせ、該雌型
(7)を逆さにして中身を取り出すことにより和風洋生
菓子(A)を製造し、その表面に粉糖をふりかけてから
包装用容器に収容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、今までにない新
規な洋生菓子の製造方法とその包装方法に係り、詳しく
は、通常和菓子で使用する餅生地を用いてクリームやケ
ーキスポンジ等を包むようにした和風感覚の洋生菓子の
製造方法とその包装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外包材を用いて内包材を包み込むように
した菓子等の製造方法としては、餅生地からなる外包材
を掌の上に載せて平たく伸ばし、次いで、その中央付近
に内包材としてのあんを置き、その後、外包材の端縁部
を少しずつ摘みながら閉じ合わせることにより手作業で
あんを包み込む手段や、内包材としてのあんを押し出す
ように吐出する内管と、外包材としての餅生地を押し出
すように吐出する外管とを備えた、二重管構造の吐出口
を有する包あん機なる装置を用い、吐出口における内管
と外管の間から餅生地を押し出すとともに内管からあん
を押し出し、成形しながら切断することにより、内管か
ら押し出されたあんの周囲を内管と外管の間から押し出
された餅生地により自動(機械)的に包み込む手段があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
手作業による手段においては、暖かい掌の上で外包材に
よる内包材の包み込み作業を行ってなるものであるた
め、内包材として気泡入りクリームを用いた場合は、該
気泡入りクリームの立体的形状を保持しながら包み込む
ようにすることは非常に困難である。すなわち、内包材
としての気泡入りクリームは、保形性を維持しつつ気泡
を逃がさないようにするためにできるだけ低温に、具体
的には、少なくとも15℃以下の温度に冷却されること
が望ましく、体温に近い暖かい掌の上では該気泡入りク
リームが加温されて潰れたようにダレてしまうのであ
る。しかも、外包材として本願発明において意図するよ
うな均一な薄厚に伸展成形された餅生地を用いた場合は
体温の伝わりが早く、餅生地からなる外包材の掌の上へ
の載置、気泡入りクリームの餅生地上への載置、餅生地
での気泡入りクリームの包み込み、と言った一連の作業
をより手早くこなさなければならないが、餅生地が薄厚
に伸展成形されたものであることから、丁寧に注意して
扱わないと該餅生地がちぎれやすく、相当の熟練を要し
なければ好ましい状態での包み込み行うことが出来ない
のである。
【0004】一方、後者の包あん機なる装置を用いた上
記自動(機械)的な手段においては、外包材としての餅
生地を内管と外管の間から押し出して成形切断するもの
であることから、このような押し出し手段によって均一
な薄厚の餅生地からなる製品を得ることは非常に困難で
ある。なぜなら、このような餅生地の押し出し成形切断
は、餅生地が押し出しの際に内管及び外管との間におい
て圧力・摩擦力による負荷を受けることとなり、ある程
度の厚みを有する餅生地であれば押し出し成形すること
が可能であっても、本願発明において意図するような薄
厚の餅生地シートを押し出し成形することは、薄厚伸展
の途中で餅生地がちぎれてしまったり、均一な厚みとす
ることが出来ないと言った恐れを多分に有し、極めて困
難である。
【0005】また、上記包あん機なる装置は、本願発明
のように内包材と外包材との適用取扱温度が大きく異な
るときには適応することができないものである。すなわ
ち、気泡入りクリームは、前述のように保形性を維持し
つつ気泡を逃がさないようにするためにできるだけ低温
に、具体的には、少なくとも15℃以下の温度に冷却さ
れることが望ましく、また、外包材としての餅生地は、
上記包あん機により途中で無闇にちぎれることなく成形
することを可能とするための伸展性と柔軟性を付与する
ために比較的高温であること、具体的には、使用する生
地原料や添加物の種類、量によって異なるが、大体40
℃前後の温度に加温されることが望ましく、このような
適用取扱温度が大きく異なる二つの材料を、二重となっ
た吐出口の内側と外側から同時に押し出して包み込むよ
うにすることは非常に困難なのである。
【0006】このように、掌の上で手作業により柔らか
い気泡入りクリームを薄厚の餅生地シートで包み込むこ
と、及び包あん機なる装置を用いることにより柔らかい
気泡入りクリームを柔軟な薄厚の餅生地シートで自動的
に包み込み成形することには多くの不都合があり、他の
手段によらなければ前記和風感覚の洋生菓子を円滑に製
造することは出来ないものである。
【0007】そして何よりも、上記両手段においては、
外包材の容積に比較して内包材の容積を大きくすること
に限界があった。
【0008】そこで、予め均一な薄厚に伸展成形された
餅生地シートを用いることにより作業台の上で柔らかい
気泡入りクリームを包み込むようにようにする方法が考
えられるが、包み込む柔軟な薄厚の餅生地シートと包み
込まれる柔らかい気泡入りクリームのデリケートな性質
を何ら考慮せずに単純に包み込むようにしたのでは、外
観が歪な形状となったり、伸展性を有する薄厚な該餅生
地シートに皺が入ったり、該餅生地シートがちぎれてし
まったりすることとなってしまう。
【0009】すなわち、単純に作業台上に平面的に敷か
れた餅生地シートの上部に気泡入りクリームを載置し、
その後に薄厚の餅生地シートが気泡入りクリームを包み
込むように形成するようにしたのでは、気泡入りクリー
ムの包み込みが行いづらいことは勿論のこと、包み込み
作業中に加えられる圧力により気泡入りクリームが餅生
地シートにより押されて潰れ、また、外観が変形した歪
な形状のものとなってしまったり、包み込みに際して餅
生地シートの端部を必要以上に伸張し過ぎてしまい、該
餅生地シートに皺が入ったり、その端部付近を誤ってち
ぎってしまったりすることがある。
【0010】また、上記包み込み方法においては、柔軟
な薄厚の餅生地シートの上部に直接柔らかい気泡入りク
リームが載置されたものとなることから、包み込み終了
後の製品はデリケートな性質のものであり、これを包装
容器へ収容する際や、食する際に移動させようとして把
持しようとすると、把持した該底部付近は必要以上に変
形してしまったり、破れてしまい体裁の悪いものとなっ
てしまう。そして、変形等してしまった箇所は二度と元
の形状に修復することが出来ないものである。
【0011】そこで、上述のような変形、皺、破れ等の
出来上がり製品の外観上の問題点を回避するためには、
相当に熟練した技術を有する者が一つずつ丁寧に製造す
るしかないが、これでは大量生産はおぼつかない。
【0012】さらに、製造された前記和風感覚の洋生菓
子は、柔らかい気泡入りクリームを含む内包物が全体的
に柔軟な薄厚の餅生地シートで覆われてなるものである
が、該気泡入りクリームは取り扱い温度等に注意しない
と成分が分離して離水するとともに、その包含している
気泡が放出されて保形性が維持できなくなり、移動等の
取り扱いが非常に困難なものとなってしまうとともに、
適度な大きさの蓋付きの容器に収容することが出来ない
ものであった。
【0013】本願発明は、このような課題に対処しよう
とするものであり、組み合わされる内包材の素材と外包
材の素材の性質を十分に考慮しつつ、前記和風感覚の洋
生菓子を製造する方法とその包装方法を提供することを
目的とするものであり、以下に記載の発明の完成により
その目的を達成することが出来たものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するため、予めほぼ均一な薄厚に成形された餅生地
シートを単に用いるようにしただけでなく、該薄厚の餅
生地シートを、保形性を有する気泡入りクリームを包み
込んだ後の形状である略半球状となるよう窪ませて形成
しておき、この窪んだ略半球状に形成された薄厚の餅生
地シートの内面空間内に該気泡入りクリーム等を充填す
ることとするとともに、該気泡入りクリームの中に詰め
具材を配置し、出来上がり製品の立体的形状を保持する
ために、出来上がり製品において該気泡入りクリームの
台座となるケーキスポンジを充填後の該気泡入りクリー
ムの上に載置し、その後、該餅生地シートの端部を互い
に重ね合わせて製造するようにしたものであり、具体的
には、ほぼ均一な薄厚の餅生地シートを略半球状に窪ま
せる工程と、略半球状に窪んだ該餅生地シート上の空間
に気泡入りクリームを充填する工程と、該気泡入りクリ
ームの中に詰め具材を配置する工程と該詰め具材が配置
された気泡入りクリームに蓋をするようにケーキスポン
ジを載置する工程と、該餅生地シートの端部を該ケーキ
スポンジの外表面に折り込むことにより該端部を重ね合
わせ、該気泡入りクリームと該詰め具材と該ケーキスポ
ンジとを全体的に包んでなる工程と、該餅生地シートに
より包まれた該気泡入りクリームと該詰め具材と該ケー
キスポンジとからなる製品の上下を反転する工程、とに
より製造するようにしたものである。
【0015】すなわち、本願発明は、予め別途ほぼ均一
な薄厚のシート状に成形された餅生地を用いることによ
る気泡入りクリームの充填、及び包み込みが完了した後
の製品の形状(外観)及びその取り扱いを十分考慮し
て、該薄厚の餅生地シートを予め窪んだ半球状に形成す
るとともに、該気泡入りクリームの充填後に適度な硬さ
を有する台座部材を載置してから包み込みを行うように
したものである。
【0016】これにより、通常和菓子で使用する餅生地
を用いてクリームやケーキスポンジ等を包むようにした
和風感覚の洋生菓子を製造することが出来ることとな
る。
【0017】また、本願発明は、ほぼ均一な薄厚の餅生
地シートを略半球状に窪ませる工程を、略半球状に窪ん
だ内面を有する雌型を用いて該雌型の内面に沿って該餅
生地シートを敷き詰めることにより行うようにしてなる
ものであり、該雌型の内面に沿って敷き詰められた該餅
生地シート上の空間に気泡入りクリームを充填する工程
と、該気泡入りクリームの中に詰め具材を配置する工程
と、該詰め具材が配置された気泡入りクリームに蓋をす
るようにケーキスポンジを載置する工程と、該餅生地シ
ートの端部を該ケーキスポンジの外表面に折り込むこと
により該端部を重ね合わせ、該気泡入りクリームと該詰
め具材と該ケーキスポンジとを全体的に包んでなる工程
の終了後、該餅生地シートにより包まれた該気泡入りク
リームと該詰め具材と該ケーキスポンジとからなる製品
を該雌型から一体的に取り出す工程を行うことにより製
造するようにしたものでもある。
【0018】すなわち、本願発明は、略半球状に窪んだ
内面を有する型枠材を用いることによりほぼ均一な薄厚
の餅生地シートを略半球状に形成し易くするようにした
ものである。
【0019】これにより、気泡入りクリームを包み込む
ために薄厚の餅生地シートの端部を必要以上に持ち上げ
たり、引っ張り過ぎたりせずに該気泡入りクリームの包
み込みが行え、該薄厚の餅生地シートがちぎれてしまう
恐れを無くすことが出来るとともに、気泡入りクリーム
の充填が確実、且つ、容易に行えることは勿論のこと、
包み込みが完了した後の製品の形状が美麗なものとな
り、さらに、食する際に把握しても、無闇に変形して体
裁の悪いものとなってしまうことがなく、また、包装容
器へ収容の際に製品が無闇に変形して体裁の悪いものと
なってしまうことにないようにすることが出来ることと
なる。
【0020】また、本願発明は、ほぼ均一な薄厚の餅生
地シートを略半球状に窪んだ内面を有する雌型の内面に
沿って敷き詰めることとする工程を、該雌型の内面に該
餅生地シートを介してほぼ適合することとなる略半球状
に突出した先端部を有する雄型を用い、該先端部に該餅
生地シートを配置し、次いで、該餅生地シートの上に該
雌型を被せ、その後、該雄型と該雌型とを共に反転して
から該雄型だけを除去することにより行ったり、もしく
は、該雌型の窪んだ内面空間に該餅生地シートを配置
し、次いで、略半球状に突出した先端部を有する雄型を
用い、該先端部により該餅生地シートを該雌型の内面に
押し込み、その後、該雄型だけを除去することにより行
ったりするようにしてなるものでもある。
【0021】また、本願発明は、気泡入りクリームに蓋
をするようにケーキスポンジを載置する工程後、該ケー
キスポンジの上面にクリームを塗布する工程を経てから
ほぼ均一な薄厚の餅生地シートの端部を重ね合わせる工
程を行ったりするようにしてなるものでもある。
【0022】また、本願発明は、餅生地シートの厚みを
2.0〜6.0mmの厚みに調整するようにしたり、気
泡入りクリームの温度を15℃以下に保たれるように環
境温度及び原材料温度を調整して各工程を行うようにし
たり、雌型から取り出された製品の表面の少なくとも一
部に粉類をふりかけるようにしたものでもある。
【0023】さらに、本願発明は、上述の製造方法によ
りそれぞれ製造した製品を、皿状基体とドーム状蓋体か
らなる包装用容器に収容してなるものでもあり、その
際、該製品を雌型から取り出さずにそのまま包み込み端
部が下となるように皿状基体に載置し、その後雌型だけ
を除去し、ドーム状蓋体を被覆保護することにより包装
するようにしたものでもある。
【0024】
【発明の実施の形態】本願発明は、ほぼ均一な薄厚の餅
生地シートを略半球状に窪ませる工程と、略半球状に窪
んだ該餅生地シート上の空間に気泡入りクリームを充填
する工程と、該気泡入りクリームの中に詰め具材を配置
する工程と該詰め具材が配置された気泡入りクリームに
蓋をするようにケーキスポンジを載置する工程と、該餅
生地シートの端部を該ケーキスポンジの外表面に折り込
むことにより該端部を重ね合わせ、該気泡入りクリーム
と該詰め具材と該ケーキスポンジとを全体的に包んでな
る工程と、該餅生地シートにより包まれた該気泡入りク
リームと該詰め具材と該ケーキスポンジとからなる製品
の上下を反転する工程、とにより製造するようにしたも
のであり、例えば、ほぼ均一な薄厚の餅生地シートを略
半球状に窪ませる工程を、略半球状に窪んだ内面を有す
る雌型を用いて該雌型の内面に沿って該餅生地シートを
敷き詰めることにより行い、該雌型の内面に沿って敷き
詰められた該餅生地シート上の空間に気泡入りクリーム
を充填する工程と、該気泡入りクリームの中に詰め具材
を配置する工程と、該詰め具材が配置された気泡入りク
リームに蓋をするようにケーキスポンジを載置する工程
と、該餅生地シートの端部を該ケーキスポンジの外表面
に折り込むことにより該端部を重ね合わせ、該気泡入り
クリームと該詰め具材と該ケーキスポンジとを全体的に
包んでなる工程の終了後、該餅生地シートにより包まれ
た該気泡入りクリームと該詰め具材と該ケーキスポンジ
とからなる製品を該雌型から一体的に取り出す工程を行
うことにより製造するようにしたものでもある。
【0025】この際、薄厚の餅生地シートは、餅米を用
いることにより作るようにするよりも、餅粉を用いるこ
とにより作るようにすることが望ましい。なぜなら、餅
米をついて餅生地を成作するようにすると、空気を抱き
込んで均一な薄厚の餅生地シートに成形し難いうえに、
餅生地が白っぽくなり、表面はザラつき裂けやすくなっ
てしまうが、餅粉を用いて餅生地シートを成形するよう
にすると、透明感のある表面がなめらかな比較的裂けに
くい好ましいものとすることが出来るからである。
【0026】また、薄厚の餅生地シートは、冷却した場
合でも固くならず柔軟性と伸展性を有するように、餅粉
100に対して砂糖を100〜300%添加したものと
することが望ましい。
【0027】そして、薄厚の餅生地シートの厚みは、
2.0〜6.0mmに調整したもの、好ましくは3.0
〜4.0mmの厚みに調整したものとすると良い。すな
わち、生地シートの厚みが2.0mmより薄いと製造時
等に破れてしまいやすく、また、生地シートの厚みが
6.0mmより厚いと、餅生地のモチモチ感と気泡入り
クリームのフワフワ感とのバランスの良い食感が得られ
ないからである。
【0028】また、ほぼ均一な薄厚の餅生地シートを略
半球状に窪んだ内面を有する雌型の内面に沿って敷き詰
めることとする工程は、雌型の内面に餅生地シートを介
してほぼ適合することとなる略半球状に突出した先端部
を有する雄型を用い、該先端部に該餅生地シートを配置
し、次いで、該餅生地シートの上に該雌型を被せ、その
後、該雄型と該雌型とを共に反転してから該雄型だけを
除去することにより行うようにしたり、または、雌型の
窪んだ内面空間に該餅生地シートを配置し、次いで、略
半球状に突出した先端部を有する雄型を用い、該先端部
により該餅生地シートを該雌型の内面に押し込み、その
後、該雄型だけを除去することにより行うようにしたり
すると良い。
【0029】この場合、前者の方法は、餅生地シートを
略半球状に突出した先端部を有する雄型の先端部に配置
することにより、該餅生地シートの略中心位置に略半球
状の窪みを成形することで、より好ましい略半球状に窪
んだ餅生地シートとすることができ、また、餅生地シー
トが無闇に伸張して厚みが不均一なものとなったり、破
れてしまう恐れがないので好ましいが、反転させる必要
がある点で不便であり、また、オートメーション化には
不利である。一方、後者の方法は、該餅生地シートを介
して該雄型の先端部が該雌型の窪んだ内面に適合した状
態で反転させる必要が無く便利であり、また、オートメ
ーション化する場合に有利であるが、その反面、雌型の
窪んだ内面空間に配置された餅生地シートを雄型で押し
込むことにより略半球状に窪んだ餅生地シートとするも
のであることから、餅生地シートは雌型と擦れながらそ
の内面に向かって押し込まれることとなり、この擦れに
より餅生地シートが部分的に伸張して厚みが不均一なも
のとなったり、破れてしまう恐れがある。
【0030】また、この際、略半球状に窪んだ内面を有
する雌型は、載置面に対して安定した載置が可能となる
よう外面の底部が平坦であるものが好ましい。なお、該
雌型の外面底部を平坦なものとしたことに伴ってその内
面底部も平坦な形状に成形したものとし、雄型の先端部
を、前記雌型の内面と餅生地シートを介してほぼ適合す
るように、最先端部を平坦とした形状に成形しても良
い。この場合、該雌型から取り出した製品の頂部が平坦
で潰れたようになってしまうのではないかと言った心配
があるかもしれないが、包み込み終了後の製品を反転し
て該雌型から取り出し、該雌型の内面底部の形状に伴っ
て平坦となった部分を頂部とした状態にしておくと、頂
部に位置する平坦となった部分は自然に丸味を帯びた弧
状のものとなる。これは、ゴム風船に水を入れたときに
丸く膨らむのと同じ原理と考えられる。すなわち、水を
入れたゴム風船のゴムが、その弾性力により内部の水の
外への圧力との関係で自然に丸く膨らんだ形状となるよ
うに、該餅生地シートにも弾力性があるため、内部の柔
らかい気泡入りクリームの外側への圧力と関係で自然に
丸く膨らみ、上述したように頂部に位置する平坦となっ
た部分は自然に丸味を帯びた弧状のものとなる。
【0031】ここで、略半球状とは、厳密に球体の半分
の形状のものに限らず、全体として球体を半分にした状
態に類する形状のものを言い、例えば、お椀型や釣り鐘
型も含むものである。また、必ずしも全体が湾曲してい
る形状のものに限らず、例えば、本願発明の実施例を説
明する図3の(イ)に示された、平坦な内面底部を有す
る雌型の内面(7a)や、同実施例において雄型を使用
する場合を説明する図3の(ロ)に示された、前記雌型
の内面(7a)と餅生地を介してほぼ適合する、最先端
部が平坦である雄型の先端部(6a)のように、一部が
平坦となっているが全体として球体を半分にした状態に
類した形状のものも含まれる。
【0032】また、気泡入りクリームとしては、生クリ
ーム、又は生クリームに乳化剤、安定剤等を添加したも
の、又は植物性油脂だけを使用した植物性(合成)クリ
ーム、又は乳脂肪と植物性油脂を組み合わせたコンパウ
ンドクリーム、又はバタークリーム、又はサワークリー
ム、等をホイップしたもの、或いは上記各クリームをム
ースにしたもののことを言う。
【0033】また、詰め具材としては、イチゴやマロン
等のフルーツ及びその加工品等の固形物の他、餡、ゼリ
ー、等の半固形物のことを言うものである。そして、こ
の詰め具材を気泡入りクリームに内包させることによ
り、いわば「核」の役割を果たして、薄厚餅生地シート
に包まれた気泡入りクリームの立体的形状での保持を強
化することとなる。従って、該詰め具材は、上述のよう
に「核」の役割を果たすことが可能であれば、上記固形
物や半固形物を単独で用いたものに限らず、これら固形
物もしくは半固形物を複数用いても良いし、又はこれら
固形物と半固形物とを複数組み合わせて用いたものとし
ても良い。
【0034】さらに、本願発明で言うケーキスポンジ
は、卵、砂糖、小麦粉、水、油脂、必要に応じて膨張
剤、乳化剤等の材料を使用し、卵の気泡性を利用してス
ポンジのように軽く膨らませて焼き上げたもので、各種
ケーキの台として使用されているものである。
【0035】そして、本願発明の製造方法による製品に
おいて、気泡入りクリームの下部にこのケーキスポンジ
を配置することとすると、該ケーキスポンジが柔らかい
クリームを保持するための台座となり、立体的形状の保
持を強化することが出来、クリーム中に詰め具材を内包
した場合に該詰め具材が下方に落ち込み中心位置からズ
レてしまうことを防止することが出来るとともに、製造
工程上の作業時や製品の運搬時における取り扱いが容易
なものとなる。
【0036】また、本願発明は、気泡入りクリームに蓋
をするようにケーキスポンジを載置する工程後、該ケー
キスポンジの上面にクリームを塗布する工程を経てか
ら、ほぼ均一な薄厚の餅生地シートの端部を重ね合わせ
る工程を行ってなるようにしたものでもある。
【0037】このようにケーキスポンジと薄厚の餅生地
シートとの間にクリームを介在させることにより、該ク
リームが接着剤としての役割を果たし薄厚餅生地シート
の端部が無闇に開口してしまわないようにすることが出
来ることとなる。また、ケーキスポンジと薄厚餅生地シ
ートとが接していると食したときに食感がボソボソと
し、味気もないものであるので、ここにクリームを介在
させることは、食感・風味等の面でも改善されることと
なる。なお、ここでの「クリーム」は、既述の「気泡入
りクリーム」に限らないが、該「気泡入りクリーム」を
そのまま使用しても良い。
【0038】また、本願発明は、気泡入りクリームの温
度が15℃以下に保たれるように環境温度及び原材料の
温度を調整して各工程を行うようにすることが望まし
い。すなわち、気泡入りクリームは特にその全部又は一
部に生クリームを使用した場合には、15℃よりも温度
が高くなるとその成分が分離して離水するとともに、そ
の包含している気泡が放出されて保形性が維持できなく
なる恐れがあるからである。
【0039】そして、本願発明の製造方法による製品
は、気泡入りクリームとケーキスポンジとを全体的に薄
厚餅生地シートを用いて包んでなる製品を、その製品自
体の温度が15℃以下に冷却することが望ましい。すな
わち、製品温度が15℃より高くなると、上述したよう
に、気泡入りクリームの成分が分離して離水するととも
に、その包含している気泡が放出されて保形性が維持で
きなくなり、同時に、該気泡入りクリームから離水した
水分を外側の薄厚餅生地シートが吸収して、ふやけてベ
チャベチャした状態でダレたり破れたりし、さらには、
中味の保形性を無くしたクリームが露出する等の現象が
起こり、製品としての価値が著しく損なわれてしまう恐
れがあるからである。
【0040】また、本願発明は、上述した製造方法によ
り製造した製品の表面の少なくとも一部に粉類をふりか
けるようにしたものである。このように、製品の表面の
少なくとも一部に粉類をふりかけることにより、外観が
体裁良く美麗なものとなることは勿論のこと、そのまま
では粘着性を有する餅生地の表面をコーティングして非
粘着性とし、製品の表面が手や包材に無闇にくっついて
しまうことを防止して、作業時や製品の運搬時における
取り扱いを容易なものとすることが出来る。ここで、粉
類とは、単なるくっつき防止に作用する澱粉粉の他、く
っつき防止とともに味覚や着色等に作用する粉糖、ココ
アパウダー、抹茶、等のことを言う。
【0041】さらに、本願発明は、上述の各製造方法に
よりそれぞれ製造した製品を、皿状基体とドーム状蓋体
からなる包装用容器に収容してなるものでもあり、その
際、該製品の包み込み端部が下となるように皿状基体に
載置し、その後ドーム状蓋体にて被覆保護することによ
り該製品を包装するようにしたものでもある。この場
合、製品の皿状基体への載置は、該製品はデリケートで
あり、なるべく無闇に触れない方が好ましいことから、
雌型から製品を取り出さずに、包み込み端部が下となる
ように雌型ごと製品をそのまま皿状基体に載置し、その
後、雌型だけを除去するようにすると良い。なお、包材
としてのドーム状蓋体は、内部に被覆保護された製品の
外観を楽しむために透明なものとすると良く、好みに応
じて適宜着色するようにしても良い。
【0042】
【実施例】以下、本願発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。本願発明における和風洋生菓子(A)は、図
1(ト)に示すように、生クリームをホイップした気泡
入りクリーム(1)と、該気泡入りクリーム(1)の内
部に内包されるイチゴ等の詰め具材(2)と、該詰め具
材(2)を内包した気泡入りクリーム(1)を上部に載
置するケーキスポンジ(3)と、該ケーキスポンジ
(3)の下部に介在するように塗布されるクリーム
(5)と、これら全体を一体的に包み込む求肥生地から
なる薄厚餅生地シート(4)とからなるものであり、そ
の製造方法としては、図1(イ)乃至(ト)に示すよう
に、求肥生地からなる縦横12cm程の正方形をし、厚
さ3mm程の薄厚の餅生地シート(4)を、略半球状に
窪んだ内面を有するボール容器様の型枠部材としての直
径8cm程の雌型(7)の内面に沿って敷き詰め
((イ)参照)、次いで、その内部に気泡入りクリーム
(1)を充填するとともに((ロ)参照)、詰め具材
(2)としてイチゴを入れ((ハ)参照)、更に、内部
に該クリーム(1)と該詰め具材(2)とが内包された
該薄厚餅生地シート(4)の上面に蓋をするようにケー
キスポンジ(3)を載置するとともに((ニ)参照)、
該ケーキスポンジ(3)の上面にクリーム(5)を塗布
し((ホ)参照)、その後、該薄厚餅生地シート(4)
の各端部(4a・・4a)をクリーム(5)に向かって
折り込むことにより該端部(4a・・4a)同士を互い
に重ね合わせ((ヘ)参照)、該雌型(7)を逆さにし
て中身を取り出すことにより和風洋生菓子(A)を製造
するものである((ト)参照)。そして、各工程は、作
業環境及び原材料の温度を気泡入りクリームが15℃以
下の温度に維持されるように保ちながら行うようにす
る。
【0043】薄厚の餅生地シートを予め窪んだ略半球状
に形成する手段としては、図2に示すように、略半球状
に突出した先端部(6a)を有する雄型(6)を用い、
該先端部(6a)に餅生地シート(4)を配置し
((イ)参照)、次いで、該餅生地シート(4)を介し
て該雄型(6)の先端部(6a)にほぼ適合することと
なる形状の窪んだ内面(7a)を有する雌型(7)を該
餅生地シート(4)の上に被せ((ロ)参照)、その
後、該雄型(6)と該雌型(7)とを共に反転してから
((ハ)参照)、該雄型(6)だけを除去することによ
り行うようにする((ニ)参照)。
【0044】また、薄厚の餅生地シートを予め窪んだ略
半球状に形成する他の手段としては、図3に示すよう
に、略半球状に窪んだ内面(7a)を有する雌型(7)
に餅生地シートを配置し((イ)参照)、次いで、該餅
生地シート(4)を介してほぼ適合することとなる形状
の突出した先端部(6a)を有する雄型(6)を用いて
上方から押さえることにより、該餅生地シート(4)を
該雌型(7)の内面(7a)に押し込み((ロ)参
照)、その後、該雄型(6)だけを除去することにより
行うようにしても良い((ニ)参照)。
【0045】この際、図4に示すように、略半球状に窪
んだ内面(7a)を有する雌型(7)の外面底部(7
b)を、載置面(20)に対して安定した載置が可能と
なるよう平坦なものとすると良い。なお、該雌型の外面
底部を平坦なものとしたことに伴ってその内面底部も平
坦な形状に成形したものとし、雄型の先端部を、前記雌
型の内面と餅生地シートを介してほぼ適合するように、
最先端部を平坦とした形状に成形しても良い。
【0046】また、気泡入りクリーム(1)は、生クリ
ームをホイップすることにより製造し、また、ケーキス
ポンジ(3)は、卵、砂糖、小麦粉、水、油脂、膨張
剤、等の材料をよく混ぜた後、焼き上げることにより製
造し、さらに、薄厚餅生地シート(4)は、餅粉と水、
砂糖等からなる原料を蒸練してなる生地を薄厚に延ばす
ことにより製造する。
【0047】また、ケーキスポンジの下部と薄厚餅生地
シートとの間に介在させてなるクリームには、気泡入り
クリーム(1)と同様のものを用いるようにした。
【0048】また、本願発明における詰め具材は、前述
したようにイチゴの他、マロン等のフルーツ及びその加
工品や、餡、ゼリー、等を用いるようにしても良いが、
イチゴを詰め具材とすると、お餅のモチモチ感とクリー
ムのフワフワ感とのバランスの良い食感に加えて、イチ
ゴのジューシー感もミックスされ、また、イチゴのショ
ートケーキの風味にお餅の風味が加味されることとな
り、今までにないおいしさを有するものとなるので、イ
チゴを用いると好ましい。
【0049】また、気泡入りクリーム(1)と詰め具材
(2)の薄厚餅生地シートの内部への充填及び配置は、
図5に示すように、まず、略半球状に窪んだ内面を有す
る雌型(7)の内面に沿って敷き詰めた薄厚の餅生地シ
ート(4)の内部に、少量の気泡入りクリーム(1a)
を充填し、次いで、該少量の気泡入りクリーム(1a)
の上部に詰め具材(2)を配置してから、残りの気泡入
りクリーム(1b)を該詰め具材(2)を埋め尽くすよ
うに充填することにより行うようにしても良いし、図6
に示すように、予め、略半球状に窪んだ内面を有する雌
型(7)の内面に沿って敷き詰めた薄厚の餅生地シート
(4)の内部に、所定量の気泡入りクリーム(1)を全
量充填し、次いで、該気泡入りクリーム(1)の内部に
詰め具材(2)が埋められるように、該詰め具材(2)
を押し込んだり充填したりして配置することにより行う
ようにしても良い。
【0050】そして、以上のような手段により製造され
た和風洋生菓子(A)は、雌型から取り出さずにそのま
ま包み込み端部が下となるように皿状基体(9)に載置
し、その後、雌型だけを除去し、そして、図7に示すよ
うに、その表面に粉類として粉糖(8)をふりかけてか
らドーム状蓋体(10)を被覆することにより、該皿状
基体(9)と該ドーム状蓋体(10)とからなる包装用
容器の中に収容して保護し、冷蔵庫内で冷却しながら、
もしくは、冷凍庫内にて冷凍して保存しておくこととす
る。
【0051】また、本願発明においては、薄厚の餅生地
シートを窪んだ略半球状に形成することを一つ一つ行わ
ずに複数まとめて行うようにしても良く、その手段とし
ては、図8に示すように、略半球状に突出した先端部
(16a)が形成された雄型(16)を内部に複数収容
する、上面に複数の突出口(15・・15)が形成され
た雄型盤(11)と、餅生地シートを介して該雄型(1
6)の先端部(16a)にほぼ適合することとなる形状
の窪んだ内面(17a)を複数有する雌型(17)とを
用い、まず、該雄型盤(11)の上面に餅生地シート本
体(14)を載置し((イ)参照)、該餅生地シート本
体(14)の縦横に製品一個当たりに適した大きさとな
るよう切り込み(12・・12)を入れることで分割さ
れた餅生地シート(14′)を形成する((ロ)参
照)。次いで、該雄型盤(11)の内部に収容された雄
型(16・・16)を上方に突出させることで先端部
(16a)に該餅生地シート(14′)が被された状態
とし((ハ)参照)、さらに、該餅生地シート(1
4′)の上に該雌型(17)を被せる((ニ)参照)。
その後、雄型(16)を具備する雄型盤(11)と雌型
(17)とを共に反転し((ホ)参照)、該雄型(6)
を除去することにより略半球状に窪んだ餅生地シートを
多数まとめて形成するようにするものである((ヘ)参
照)。
【0052】また、略半球状に窪んだ餅生地シートを多
数まとめて形成する他の手段としては、図9に示すよう
に、略半球状に窪んだ内面(17a)を複数有する雌型
(17)と、餅生地シートを介してほぼ適合することと
なる形状の先端部(16a)を有する複数の雄型(16
・・16)とを用い、まず、該雌型(17)の上面に餅
生地シート本体(14)を配置し((イ)参照)、該餅
生地シート本体(14)の縦横に製品一個当たりに適し
た大きさとなるように切り込み(12・・12)を入れ
ることで分割された餅生地シート(14′)を形成する
((ロ)参照)。次いで、略半球状に突出した先端部
(16a)を有する雄型(16)を用いてそれぞれの餅
生地シート(14′)を上方から押さえることにより、
該餅生地シート(14′)を該雌型(17)の内面(1
7a)に押し込み((ハ)参照)、その後、該雄型(1
6)を除去することにより略半球状に窪んだ餅生地シー
トを多数まとめて形成するようにするものである。
((ニ)参照)。
【0053】なお、上述した和風洋生菓子(A)の製造
方法は、型部材に対する薄厚の餅生地シートの配置か
ら、気泡入りクリーム及び詰め具材の充填、ケーキスポ
ンジの載置、該薄厚の餅生地シートによる包み込み、及
び型部材からの製品の取り出しまでの各工程を、何れも
手作業により一個一個製造するようにしても良いし、或
いは、各工程をそれぞれ行う装置により全体をオートメ
ーション化して大量生産するようにしても良いし、或い
は、一部の工程を手作業、もしくは、装置により行うよ
うにしても良いことは言うまでもない。
【0054】さらに、本願発明においては、詰め具材の
種類を適宜選択することにより製品の種類を増やすだけ
でなく、薄厚の餅生地シートや気泡入りクリーム、及び
ケーキスポンジに、好みに応じて各種の着色料や香料等
を加えることにより製品の種類を増やし、該製品の外観
や香りを楽しむようにすることも出来るものである。
【0055】
【発明の効果】以上のように本願発明によれば、餅生地
が途中でちぎれてしまったりすることなく、容易に柔ら
かい気泡入りクリームを柔軟な薄厚の餅生地シートで包
み込むことが出来ることとなった。
【0056】しかも、薄厚の餅生地シートを型枠材を用
いることにより予め窪んだ略半球状に形成するようにし
たので、包み込み作業中に保形性を有する該気泡入りク
リームが潰れたり、外観が変形した歪な形状のものとな
ってしまったり、包み込みに際して餅生地シートの端部
を必要以上に伸張し過ぎて薄厚な該餅生地シートをちぎ
ってしまったりしてしまう、という恐れのないものとす
ることが出来た。
【0057】また、気泡入りクリームの充填後に適度な
硬さを有する台座部材としてケーキスポンジを載置して
から包み込みを行うようにしたので、出来上がり製品に
おいて該ケーキスポンジが台座の働きをして、従来の菓
子類に比して多量のクリームを包み込んでも、製造工程
上の作業時や製品の運搬時等における取り扱いを容易な
ものとすることが出来る。
【0058】また、餅生地シートの包み込み端部が底面
部に位置することとなるので、包み込み後の体裁が良く
なるばかりでなく、該包み込み端部が無闇に剥がれてし
まったり、該包み込み端部が邪魔となって非常に食べづ
らいものとなってしまうと言うこともない。
【0059】また、詰め具材の種類を適宜選択すること
により製品の種類を増やすことができ、しかも、詰め具
材としてイチゴを用いることとすると、お餅のモチモチ
感とクリームのフワフワ感とのバランスの良い食感に加
えて、イチゴのジューシー感もミックスされ、また、イ
チゴのショートケーキの風味にお餅の風味が加味される
こととなり、今までにないおいしさを有するものとする
ことができる。
【0060】また、製造された製品の表面に粉類がふり
かけられることで、薄厚の餅生地シートの表面が雰囲気
中の水分により容易に湿ってベタついたものとなってし
まうということが防止され、移動等の取り扱いが行い易
くなるとともに、蓋付き容器への収容や製品の搬送の際
に製品の表面と容器とのベタつきを気にすることなく、
適度な大きさの蓋付きの容器に容易に収容することが出
来ることとなる。
【0061】さらに、出来上がり製品を皿状基体とドー
ム状蓋体からなる包装用容器に収容することにより、該
製品が包装用容器によって被覆保護されその取り扱いが
容易となり、また、該ドーム状蓋体を透明なものとした
り着色したりすると、外観的にも楽しむことが出来る。
【0062】そして、製品を容器に収容するときに、雌
型から取り出さずにそのまま包み込み端部が下となるよ
うに皿状基体に載置し、その後、雌型だけを除去してか
ら、ドーム状蓋体にて被覆保護するようにすると、柔ら
かい気泡入りクリームが柔軟な薄厚の餅生地シートによ
り包み込まれおり、変形しやすくデリケートな性質を有
する該製品に全く触れることなく、該容器に収容するこ
とが出来ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)乃至(ト)本願発明の和風洋生菓子の製
造方法を説明する概略側面図。
【図2】(イ)乃至(ニ)略半球状に窪んだ薄厚の餅生
地シートを形成する方法を説明する概略図。
【図3】(イ)乃至(ハ)略半球状に窪んだ薄厚の餅生
地シートを形成する他の方法を説明する概略図。
【図4】本願発明において用いる雌型を説明する概略側
面図。
【図5】(イ)乃至(ハ)気泡入りクリームと詰め具材
の薄厚餅生地シートの内部への充填及び配置の方法を説
明する概略側面図。
【図6】(イ)乃至(ハ)気泡入りクリームと詰め具材
の薄厚餅生地シートの内部への充填及び配置の他の方法
を説明する概略側面図。
【図7】本願発明の和風洋生菓子の包装方法を説明する
概略斜視図。
【図8】(イ)乃至(へ)略半球状に窪んだ薄厚の餅生
地シートを多数まとめて形成する方法を説明する概略
図。
【図9】(イ)乃至(ニ)略半球状に窪んだ薄厚の餅生
地シートを多数まとめて形成する他の方法を説明する概
略図。
【符号の説明】
A・・・和風洋生菓子 1・・・気泡入りクリーム 2・・・詰め具材 3・・・ケーキスポンジ 4・・・薄層餅生地シート 4a・・・端部 5・・・クリーム 6・・・雄型 6a・・・先端部 7・・・雌型 7a・・・内面 7b・・・外面底面 8・・・粉糖 9・・・皿状基体 10・・・ドーム状蓋体 11・・・雄型盤 12・・・切り込み 14・・・餅生地シート本体 14′・・・分割された餅生地シート 14′a・・・端部 15・・・突出口 16・・・雄型 16a・・・先端部 17・・・雌型 17a・・・内面 20・・・載置面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−69144(JP,A) 特開 平4−104766(JP,A) 特開 昭51−54955(JP,A) 特開 昭63−105641(JP,A) 特開 平3−10642(JP,A) 特開 平7−246053(JP,A) 特開 平6−62719(JP,A) 特開 平1−95721(JP,A) 登録実用新案3051089(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23G 3/00 - 3/32 A23L 1/10 A21C 1/00 - 15/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ均一な薄厚の餅生地シートを略半球
    状に窪ませる工程と、略半球状に窪んだ該餅生地シート
    上の空間に気泡入りクリームを充填する工程と、該気泡
    入りクリームの中に詰め具材を配置する工程と、該詰め
    具材が配置された気泡入りクリームに蓋をするようにケ
    ーキスポンジを載置する工程と、該餅生地シートの端部
    を該ケーキスポンジの外表面に折り込むことにより該端
    部を重ね合わせ、該気泡入りクリームと該詰め具材と該
    ケーキスポンジとを全体的に包んでなる工程と、該餅生
    地シートにより包まれた該気泡入りクリームと該詰め具
    材と該ケーキスポンジとからなる製品の上下を反転する
    工程、よりなることを特徴とする和風洋生菓子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ほぼ均一な薄厚の餅生地シートを略半球
    状に窪ませる工程は、略半球状に窪んだ内面を有する雌
    型を用いて該雌型の内面に沿って該餅生地シートを敷き
    詰めることにより行ってなることを特徴とする請求項1
    に記載の和風洋生菓子の製造方法。
  3. 【請求項3】 略半球状に窪んだ内面を有する雌型の内
    面に沿ってほぼ均一な薄厚の餅生地シートを敷き詰める
    工程は、該雌型の内面に該餅生地シートを介してほぼ適
    合することとなる略半球状に突出した先端部を有する雄
    型を用い、該先端部に該餅生地シートを配置し、次い
    で、該餅生地シートの上に該雌型を被せ、その後、該雄
    型と該雌型とを共に反転してから該雄型だけを除去する
    ことにより行ってなることを特徴とする請求項2に記載
    の和風洋生菓子の製造方法。
  4. 【請求項4】 略半球状に窪んだ内面を有する雌型の内
    面に沿ってほぼ均一な薄厚の餅生地シートを敷き詰める
    工程は、該雌型の窪んだ内面空間に該餅生地シートを配
    置し、次いで、略半球状に突出した先端部を有する雄型
    を用い、該先端部により該餅生地シートを該雌型の内面
    に押し込み、その後、該雄型だけを除去することにより
    行ってなることを特徴とする請求項2に記載の和風洋生
    菓子の製造方法。
  5. 【請求項5】 気泡入りクリームに蓋をするようにケー
    キスポンジを載置する工程後、該ケーキスポンジの上面
    にクリームを塗布する工程を経てからほぼ均一な薄厚の
    餅生地シートの端部を重ね合わせる工程を行ってなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の和風洋
    生菓子の製造方法。
  6. 【請求項6】 餅生地シートは2.0〜6.0mmの厚
    みに調整したものであることを特徴とする請求項1乃至
    5の何れかに記載の和風洋生菓子の製造方法。
  7. 【請求項7】 気泡入りクリームの温度が15℃以下に
    保たれるように環境温度及び原材料温度を調整して各工
    程を行ってなることを特徴とする請求項1乃至6の何れ
    かに記載の和風洋生菓子の製造方法。
  8. 【請求項8】 雌型から取り出された製品の表面の少な
    くとも一部に粉類をふりかけてなることを特徴とする請
    求項1乃至7の何れかに記載の和風洋生菓子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載の製造方
    法により製造した製品を皿状基体とドーム状蓋体からな
    る包装用容器に収容してなることを特徴とする和風洋生
    菓子の包装方法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至8の何れかに記載の製造方
    法により製造した製品を雌型から取り出さずにそのまま
    包み込み端部が下となるように皿状基体に載置し、その
    後、雌型だけを除去してからドーム状蓋体にて被覆保護
    してなることを特徴とする和風洋生菓子の包装方法。
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