JP2882548B2 - 有機錫エステルを含む反応混合物から同化合物の回収法及び回収した有機錫化合物の再使用 - Google Patents

有機錫エステルを含む反応混合物から同化合物の回収法及び回収した有機錫化合物の再使用

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はジスタンオキサンジエステルを含
む反応混合物から同化合物を回収する方法に関し、そし
て好ましい実施態様において回収したジスタンオキサン
ジエステルを更に次の反応に循環再使用する。
【0002】
【発明の背景】サッカロース分子は3個の第1級ヒドロ
キシル基と5個の第2級ヒドロキシル基を有している。
それ故、ヒドロキシル基の反応も含めてサッカロース誘
導体を製造したい場合は、希望のヒドロキシル基だけを
反応させる、反応配向性が合成上大きな問題となる。例
えば人工甘味料4,1′,6′‐トリクロロ‐4,
1′,6′‐トリデオキシガラクトサッカロース[スク
ラロース(sucralose)]はサッカロースか
ら、4、1′及び6′の位置にあるヒドロキシル基を塩
素で置換して誘導する(同甘味料製造の際、4の位置の
立体配置(configuration)が逆転する。
従って得られる化合物はガラクトサッカロースになる。
同化合物、及びその合成法は、米国特許第4,343,
934号、第4,362,869号、第4,380,4
76号、及び4,435,440号に開示されている。
塩素原子を希望の位置だけに配向させることは、特に置
換されるヒドロキシル基の反応性が異なる(2個が1
級、そして1個が2級であり、更に6の位置にある第1
級ヒドロキシル基は、最終生成物では置換されないの
で、合成は更に複雑になる)。この甘味剤の製造につい
ては、サッカロース誘導体の合成について説明があるだ
けであり、ある特定のヒドロキシル基、及びそれと類似
のヒドロキシル基だけを誘導するか、又は特定の数のヒ
ドロキシル基だけを誘導することが要求されるが、後者
の場合、特定のヒドロキシル基だけが誘導されるとは限
らない。商業的には例えば、サッカロース基体のモノエ
ステル表面活性剤が、サッカロース分子のモノ置換で製
造されている。
【0003】本出願者の中の数人、及び本出願の出願
者、Noramco社の共同研究社がある種の錫化合物
を中間体として利用してサッカロース‐6‐エステルを
製造する利用価値の高い方法を開発した。例えば、ジス
タンオキサンを使用したサッカロース‐6‐エステルの
製造法が、Naviaの1988年、7月18日に出願
した米国特許出願番号第220,641号:発明の名
称、PROCESS FOR SYNTHESIZIN
G SUCROSE DERIVATIVES BY
REGIOSELECTIVE REACTION(位
置選択性反応によるサッカロース誘導体の合成法)(出
願者は本出願者と同じ)に記載されている。Navia
は、適当なジ(ハイドロカルビル)錫化合物、例えばジ
ブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシド、ジブチル錫
ジメトキシド、他をヒドロキシル基含有化合物、例えば
1価アルコール又は単純フェノールと組み合わせて反応
性のジスタンオキサン中間体[即ち、1,3‐ジ(ハイ
ドロカルビルオキシ)‐1,1,3,3‐テトラ(ハイ
ドロカルビル)ジスタンオキサンを形成し、これをサッ
カロースと反応させて1,3‐ジ(6‐サッカロース)
‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタ
ンオキサンが得られることを開示している。Navia
は又、これらの有機錫‐サッカロース付加物を、適当な
溶媒又は溶媒混合物中、適当なアシル化剤で処理すると
容易にサッカロース‐6‐エステルが製造されることも
記載している。
【0004】錫化合物を経由する又別のサッカロース‐
6‐エステルを製造法が、本出願と同時出願した、D.
S.Neiditch、N.M.Vernon及びR.
E.Wingard(Neiditch他と略記)らの
米国特許出願番号第[NOR8]、発明の名称:SUC
ROSE‐6‐ESTER PRODUCTIONPR
OCESS(サッカロース‐6‐エステルの製造法)に
記載されている。Neiditch他の記載した方法
は、サッカロースを、不活性有機媒体中ジ(ハイドロカ
ルビル)錫オキシドと1,3‐ジ(6‐O‐サッカロー
ス)‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジ
スタンオキサンを生成するのに十分な時間および温度で
反応させることからなる。Neiditch他の方法の
好ましい実施態様では、こうして得た1,3‐ジ(6‐
O‐サッカロース)‐1,1,3,3‐テトラ(ハイド
ロカルビル)ジスタンオキサンをアシル化剤と、サッカ
ロース‐6‐エステルが生成するのに十分な温度および
期間反応させる。
【0005】錫化合物を経由する更にもう一つのサッカ
ロース‐6‐エステル製造法が、R.E.Walku
p、N.M.VernonおよびR.E.Wingar
d(Walkup他)により1990年、 の日付
で、米国特許出願番号第[NOR 7]、発明の名称:
SELECTIVE 6‐ACYLATION OFS
UCROSE MEDIATED BY CYCLIC
ADDUCTS OF DIALKYLTIN OX
IDE AND DIOLS(ジアルキル錫とジオール
の環状付加物を経由するサッカロースの選択的6‐アシ
ル化法)(出願者は本出願と同じ)に記載されている。
Walkup他が記載した方法は、下記の(a)ジ(ハ
イドロカルビル)錫オキシド、例えばジアルキル錫オキ
シドを2価アルコール、アルカノールアミン又はエノー
ル化可能なα‐ヒドロキシケトン(即ち、エンジオール
にエノール化できるα‐ヒドロキシケトン)と、不活性
有機反応媒体中、水を共沸蒸留で除去しながら十分な反
応温度及び反応期間反応させて、該ジアルキル錫オキシ
ドと該2価アルコール、アルカノールアミン又はエノー
ル化可能なα‐ヒドロキシケトンとの環状付加物を生成
させ、(b)段階(a)で得た環状付加生成物をサッカ
ロースと、サッカロースが適当な程度溶解する不活性有
機反応媒体、例えば2極性非プロトン液体中、十分な温
度及び期間反応させて6‐O‐[ジハイドロカルビル
(ヒドロキシ‐又はアミノ‐又はオキシハイドロカルビ
ル)スタンオキシル]サッカロースを生成させ、そして
(c)段階(b)で得た生成物をアシル化剤と反応させ
てサッカロース‐6‐エステルを得る段階からなる。
【0006】Naviaの方法、Walkup他の方法
及びNeiditch他の方法で、サッカロース‐6‐
エステル(S‐6‐E)を含む反応混合物は又、副生
物、1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラ
(ハイドロカルビル)ジスタンオキサン又はジスタンオ
キサンジエステル(DSDE)も含んでいる。本発明は
該DSDEを回収し、そして好ましくは回収した錫化合
物を更にS‐6‐E製造に再利用する方法を提供するも
のである。
【0007】
【発明の要約】本発明は、DSDE、サッカロース‐6
‐エステル及び極性非プロトン溶媒を含む混合物からD
SDEを抽出することからなる方法において、その段階
が、(a)該混合物を、少量の水の存在下、水と実質的
に非混和性の有機溶媒と接触させて抽出混合物を形成す
る際に、水を該1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,
3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキサンを、
該極性非プロトン溶媒からなる第1相から、該有機溶媒
からなる第2相へ分配させるのに十分な量の水を使用す
る、(b)該抽出混合物を2相の混合物を形成するのに
十分な期間及び温度で撹拌して、抽出混合物中の1,3
‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロ
カルビル)ジスタンオキサンの大部分を該第2相へ含ま
せ、そしてサッカロース‐6‐エステルの実質的に全部
を該第1相に含ませ、そして(c)該第1相を該第2相
から分離する、ことからなることを特徴とする方法を提
供する。
【0008】抽出混合物中に少量の水が存在すると、D
SDEを該有機溶媒に分配し、一方S‐6‐Eを極性非
プロトン溶媒に留まらせることを可能にするか、それを
かなりの程度行って、該有機溶媒によってDSDEを略
定量的に抽出し、一方サッカロース‐6‐エステルを同
極性非プロトン溶媒中に残すことができる。
【0009】
【従来の技術】サッカロースの6‐位置を、有機錫化合
物を仲介して位置選択的にアシル化してサッカロース‐
6‐エステルを製造することは、上述したNavia、
Walkup他、及びNeiditch他の特許出願に
記載されている。人工甘味料4,1′,6′‐トリクロ
ロ‐4,1′,6′‐トリデオキシガラクトサッカロー
スの製造法でサッカロース‐6‐エステルを利用するこ
とは、例えばR.E.Walkup、N.M.Vern
on、及びJ.L.Naviaにより1989年7月1
8日に出願された米国特許出願番号第382,147
号、発明の名称:IMPROVED SUCROSE‐
6‐ESTER CHLORINATION(改良され
たサッカロース‐6‐エステルの塩素化法)(出願者は
本出願と同じ)に記載されている。出願者の知る限りで
は、サッカロースをアシル化し、その場でDSDEを分
配して二つの有機溶媒層に分け、該分配を少量の水を加
えて促進することについては、今までの文献に記載はな
い。 〔発明の詳細な説明〕
【0010】本発明は、ジスタンオキサンジエステル、
サッカロース‐6‐エステル及び極性非プロトン溶媒を
含む混合物からジスタンオキサンジエステルを、該混合
物を、少量の水の存在下、水と実質的に混和せずそして
DSDEを溶解する有機溶剤と接触させて抽出する方法
からなる。DSDE、S‐6‐E、及び極性非プロトン
溶媒を含む混合物は、上述のNavia、Neidit
ch他、及びWalkup他の特許出願に記載されてい
るいずれかの方法によって製造することができる。これ
ら3つの方法は、本発明の方法で使用する反応混合物の
性質を価値あるものに向上するうえで有用であると考え
られる。従って、これら3つの方法について、本発明の
方法を説明する下記の実施例でやや詳細に述べる。
【0011】上に示したように、本発明の方法は出発混
合物として、サッカロース‐錫付加物を、適当なアシル
化剤(例えば無水酢酸)で極性非プロトン媒体、例えば
N,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、N‐メチルピロリドン(NM
P)、N,N‐ジメチルアセトアミド(DMA)、ヘキ
サメチル燐酸アミド(HMPA)及びその他のサッカロ
ースが溶解する極性非プロトン溶媒(好ましい極性非プ
ロトン溶媒は、DMFである)中で選択的にアシル化し
た生成物を使用し、サッカロース‐6‐エステルと、普
通有機溶媒に実質的に溶解するアシル化錫化合物とを生
成させる。本発明により、このように誘導された有機錫
副生物(DSDE)を、サッカロース‐6‐エステル反
応媒体を少量の水で処理、続いて適当な有機溶媒で抽出
して媒体から分離する。
【0012】この抽出効率は、抽出の前に反応媒体に少
量の水を添加すると著しくそして実質的に増加する。錫
化合物の抽出除去は非常に効率的である(最適条件下
に、2回バッチ抽出しただけで抽出可能な有機錫の99
%以上が分離される)。抽出可能な錫化合物を除去した
後に残るラフィネート(即ち錫化合物抽出後に残る液
体)には極性非プロトン溶媒、アシル化サッカロース誘
導体(種としてS‐6‐E)、残存水、及び相互溶解の
ために残る抽出剤を含んでいる。水を除去し(サッカロ
ース‐6‐エステルを塩素化してスクラロース‐6‐エ
ステルにするときに除去しなければならない)そして残
存物を蒸留法で蒸発させると、極性非プロトン溶媒に溶
解したアシル化サッカロースの溶液が得られる。DMF
を極性非プロトン溶媒として使用すると、これらの蒸留
残液は、先に挙げた米国特許出願番号第382,147
号に記載された塩素化反応に、サッカロース‐6‐エス
テルを更に処理したり、あるいは単離したりせずに、直
接使用するのに適している。(Walkup他の方法に
よってS‐6‐Eを製造した場合、エステル化したジオ
ール、アミノアルコール、又はエノールの除去は塩素化
の前に行うことができる)。塩素化反応の1次生成物は
スクラロース‐6‐エステルであり、同化合物は加水分
解するとアシル基を離し、高強度甘味剤スクラロースを
与える。
【0013】かくして、本発明は、サッカロースを錫を
仲介した6‐アシル化反応してアシル化炭水化物素誘導
体を形成する際に得られる有機錫副生物を、優先的にそ
して効率的に分離する抽出技術を提供し、それによって
この反応により生成したままの未精製炭水化物生成物を
次の塩素化反応に、直接中間体のS‐6‐Eを単離する
ことなしに利用することを可能にした。この分離が、少
量の水を添加して実施できるという事実は、スクラロー
ス製造の加工に先立って、水をサッカロース‐6‐エス
テル溶液から分離しなければならず、そしてこの水除去
コストはその存在量に比例するので、本発明の重要な特
長である。本発明の分離工程の結果生じたDSDEはス
クラロース反応に、抽出溶媒を除去し、そして当量量の
アルコキシドで処理して反応性ジスタンオキサンジアル
コキシドを生成させるか(Naviaの方法による再利
用)、又は僅かに過剰な苛性水溶液と反応させてジ(ハ
イドロカルビル)錫オキシド(上述した3種類のサッカ
ロース‐6‐エステル製造法のいずれかで再利用する)
を形成して再利用することができる。
【0014】固体生成物の単離を避けることにより、サ
ッカロース‐6‐エステルの総収率の増加を(上記の方
法で製造することとして)実現できる(例えばこの方法
で、サッカロース‐6‐ベンゾエート(S‐6‐B)9
0ないし93%、サッカロース‐6‐アセテート(S‐
6‐A)88ないし91%収率で、製品単離に結晶化を
使用すると固体S‐6‐Bの収率約80%、そして固体
S‐6‐Aの収率65%である。同方法の利点として更
に、使用する溶媒の種類を減らせる(例えば結晶化では
アセトン又はメタノールが使用される)、結晶化母液の
循環再利用の必要性が無くなる、極性非プロトン溶媒、
例えばDMF蒸発の必要性が無くなる、そして同製造法
に必要な装置の総数を減らすことができる(例えばS‐
6‐Eの単離及び乾燥装置)などが挙げられる。
【0015】DSDEの抽出除去を実行するのに有用な
溶媒として、水との相互溶解度が低い脂肪族及び芳香族
炭化水素、エーテル、塩素化炭化水素、ケトン及びエス
テルが挙げられる。(水との相互溶解度が低いとは、抽
出溶媒の水溶解度が約1重量%以下であり、水の抽出溶
媒溶解度が約1重量%以下であることを意味する、両者
の溶解度は約20℃以下で測定)。これらの溶媒はしば
しばDMF又はその他の極性非プロトン溶媒と混和する
が、サッカロース‐6‐エステルが存在すると、抽出混
合物を2相に分離する傾向を促進する。一方少量の水を
加えると、DSDEを効率的に分配し、それによって抽
出を進行させる。使用できる溶媒は、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタン、及びその他の脂肪族炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、キュメン、及びその他
の芳香族炭化水素類、ジエチル、メチルt‐ブチル、ジ
イソプロピル、及びその他のエーテル類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ジ‐、トリ‐及びテト
ラクロロエタン、ポリ塩化脂肪族、及び芳香族炭化水
素、クロロベンゼン、及びその他の塩素化炭化水素類、
メチルi‐ブチルケトン、及びその他の水非混和性ケト
ン類、及び水非混和性エステル、例えば安息香酸メチ
ル、酢酸イソプロピル、及びバレリアン酸エチルが挙げ
られる。好ましい溶媒は極性が最小であり、脂肪族炭化
水素がDMFとの相互溶解度が低いので好ましい。溶媒
の蒸留分離を助けるために、溶媒の沸点は常圧下60な
いし100℃が好ましく、最も好ましい溶媒沸点は常圧
下75ないし85℃である。
【0016】抽出溶媒は、存在するDSDEを効率的に
抽出するのに十分な量、例えばDSDE1g当たり少な
くとも約1ml、好ましくはDSDE1g当たり1.5
ml、より好ましくは抽出混合物中に存在するDSDE
1g当たり少なくとも約2mlが使用される。最初の抽
出段階には前述の割合が適当である。実際には、2ない
し3段階の抽出操作を通常行い、第2、第3抽出段階で
は、抽出溶媒の量は大きく減らすことができる。次段階
抽出で使用する抽出溶媒の割合は普通は、ラフィネート
中に残っているDSDEの量が抽出操作を行う度に段々
少なくなるので、上に示し多量よりも多くなり、そして
操作を容易にするには最少量はある一定量に止どめなけ
ればならない。通常の情況の下では、第1抽出段階で使
用する溶媒の量の約1/3ないし1/2が、第2及び第
3抽出段階、そして(もし必要ならば)更に後続段階で
使用される。下記の実施例には使用した抽出溶媒の量の
オーダー(次元)が示してある。使用抽出溶媒の量の上
限は支持してある量よりは多いが、これは操作性よりも
経済性の為である。しかし、第1抽出段階でDSDE1
g当たり抽出溶媒を5ml以上使用することは殆ど無
い。
【0017】分配を容易にするのに使用する水の量は、
部分的には使用する抽出溶媒の性質に左右され、溶媒の
極性が大きくなるにつれて、必要な水の量は増加する。
抽出操作を実施するもう一つの好ましい目的は、サッカ
ロース‐6‐エステルの溶液、例えばDMF溶液を形成
することであり、得られた溶液は、米国特許出願番号第
382,147号に記載された方法で直接塩素化するの
に適している。なお同方法では、溶液は無水状態にすべ
きで、使用する水の量は経済的理由から最小にすること
が重要である。下表は、サッカロース仕込み量100g
規模でのサッカロース‐6‐エステル反応混合物から
(実施例8、初めの2パラグラフに記載されている方法
で製造した)、シクロヘキサン及び水の量を色々と変え
て、錫化合物ジスタンオキサンジアセテート(DSD
A)を抽出した際のデータを示したものである。一段抽
出を用いた。実際の商業的な生産では、恐らく一段以上
の多段法(例えば二段又は三段)が使用されよう。
【0018】
【表1】
【0019】水が存在しないと、抽出は非効率的である
が、少量の水を添加するだけで十分に効率的に、そして
効果的に錫化合物を炭化水素相に分配することができ
る。総抽出供給量(即ち、シクロヘキサンを除いた、S
‐6‐AプラスDSDEのDMF溶液)は540gで、
その中には約92.6g(0.154モル)のDSDE
が含まれていた。本発明を実施する際に使用する抽出溶
媒は好ましくは炭化水素溶媒であり、そして使用する水
の量は、抽出混合物中に存在するDSDE1モル当たり
約3モルないし約20モルである。好ましい抽出溶媒は
ヘキサン、シクロヘキサン及びヘプタンであり、水の好
ましい割合はDSDE1モル当たり約5モルないし約1
0モルである。
【0020】DSDEを効果的に有機相に分配するのに
少量の水(DSDEモル基準)を極性非プロトン溶媒相
に添加することが必要であるという事実は驚くべきであ
り、当技術分野の熟達者といえども予測できなかった。
水が効果的にDSDEの分配を行うのは、一つの理由と
して水がDSDEと系中に存在する各種炭水化物との間
の相互会合作用を破壊する為であると考えることができ
る。[4価の有機錫化合物は、もしリガンド性を有する
基(例えばヒドロキシル基)が存在すると5及び6配位
化合物を形成する傾向がある、参考のために、S.Da
vid,S.Hanessian,Tetrahedr
on,41,643 (1985)及びA.Davie
s,et al.,J.Chem.Soc.Dalto
n Trans.,297(1986)を参照された
い]。いずれにせよ、水の添加に続いてDSDEを極性
非プロトン溶媒から比較的極性の低い溶媒に抽出し、そ
して一水塩として得る。これは添加した水がDSDE‐
炭水化物会合を破壊して、抽出しやすいDSDE・H2
O化合物を形成することを示唆している。
【0021】下記実施例で本発明の実際を説明する。
【0022】
【実施例1】DSDBをシクロヘキサン及び水で抽出分離したNav
ia法によるサッカロース‐6‐ベンゾエートの製造 500mlの四つ口丸底フラスコに撹拌機、温度計、凝
縮器、及びDean‐Starkトラップを装備し、そ
れに5.16g(純度87.4%、80.4mモル)の
水酸化カリウム、100mlのn‐ブタノール及び35
mlのヘキサンを加え、得られた混合物を加熱還流し
た。45分間に亙って生成した水(約2.5ml)をヘ
キサンとの共沸によってDean‐Starkトラップ
に捕集した。反応器内容物に、32.2g(44.5m
モル)のジスタンオキサンジベンゾエート(DSDB、
下記実施例6に記載されているように製造)を50ml
の熱ヘキサンに溶解した溶液を添加した。得られた混合
物を30分間還流状態に維持し、その間ヘキサンを溜出
させた。熱反応混合物を直接別の容量500mlの上記
と同じ装備をした丸底フラスコに、空気中の水分が入ら
ないように注意しながら、真空濾過した。濾別ケーキ
を、ブタノール‐ヘキサン1:1(体積)混合溶媒で2
回、合計量100mlで洗浄した。固体上安息香酸カリ
ウム(乾量12.4g、理論量の96.6%)を捨て
た。
【0023】白濁濾液(1,3‐ブトキシ‐1,1,
3,3‐テトラブチルジスタンオキサン(DBDS)の
ブタノール溶液を含んでいる)に25.0g(73.1
mモル)のサッカロースを150mlの熱(約90℃)
DMFに溶解した溶液を添加した。反応器を真空蒸留器
に取り付け、水道アスピレーター真空下、塔頂温度65
ないし66℃(容器温度70ないし73℃)で溜出物を
捕集した。
【0024】約200mlの溜出物を分離してから、更
に50mlのDMFを容器に加えた。蒸留を、蒸留物の
合計が312mlになるまで続けた。蒸留残渣を50m
lのDMFで希釈し、透明な短黄色の1,3‐ジ‐(6
‐O‐サッカロース)‐1,1,3,3‐テトラブチルジ
スタンオキサン(DBSS)のDMF(体積約130m
l)溶液を生成した。
【0025】得られた溶液を18ないし20℃に冷却
し、18.2g(80.6mモル)の安息香酸無水物を
1度に加えた。一晩撹拌してから、反応混合物を分離漏
斗に移し、50mlのシクロヘキサンと5ml(278
mモル、DSDB基準で6.24当量)の水で処理し
た。分離器の内容物を穏やかに撹拌し、得られた相を分
離した。上層を分離し、下層(DMF)を更にシクロヘ
キサンで抽出した(5 ×50ml)。抽出物を一緒に
して濃縮し35.0gの回収DSDS(残渣溶媒を含
有)を粘凋な黄色油状物として得た。同油状物は放置し
て置いたら固体状に変化した。下層を真空下50℃で濃
縮し、粘凋な黄色シロップ(46.1g)を得、これを
HPLC分析したら59.5重量%のサッカロース‐6
‐ベンゾエート(27.4g、84.1%収率)、6.
4重量%のサッカロースジベンゾエート、及び0.7重
量%の未反応サッカロースを含んでいた。残存錫を原子
吸光分光分析によって分析したら、DSDBとして計算
して0.9重量%であった。
【0026】
【実施例2】メチルt‐ブチルエーテルと水を用いた粗サッカロース
‐6‐ベンゾエート混合物からDSDBの抽出除去 実施例1に使用した手順と同じに、DSDBとS‐6‐
Bを含む粗反応混合物を5mlの水(278mモル、D
SDB基準で6.24当量)の水で処理し、それからメ
チルt‐ブチルエーテル(MTBE)(6 × 100m
l)で抽出した。抽出液を一緒にし、これをシリカゲル
薄層クロマトグラフィ(TLC)(Rf=約0.5、展
開液:15:10:2の比のCHCl3‐CH3OH‐H
2O、5%エタノール硫酸散布それから炭化)で分析し
たところ、幾らかのS‐6‐Bを含んでいることが判っ
た。これを50mlの水で逆洗し、得られた水相を前の
抽出からのラフィネートと一緒にした。集めたMTBE
抽出を濃縮したところ33.4gの回収DSDB(残存
溶媒を含んでいる)が年長なシロップとして得られ、こ
れを放置しておいたら固化した。下層を一緒にして50
℃で真空濃縮し46.6gの淡黄色シロップが得られ、
これをHPLC分析したところ58.2重量%のサッカ
ロース‐6‐ベンゾエート(27.1g、60.8mモ
ル、83.3%収率)及び0.3重量%の未反応サッカ
ロースを含んでいた。S‐6‐Bはサッカロースモノベ
ンゾエートが100%を占め、全ベンゾイル化炭水化物
物質の87.4%に達した。試料中の残渣錫は、原子吸
光分光光度分析法によって分析し、DSDB基準で0.
14重量%であった。
【0027】
【実施例3】キュメンと水を用いた粗サッカロース‐6‐ベンゾエー
ト混合物からDSDBの抽出分離 先の実施例と同じ様に実施して、サッカロース‐6‐ベ
ンゾエートとDSDBの反応混合物を製造し(体積約1
70ml)、それを100mlのキュメン(イソプロピ
ルベンゼン)と10ml(556mモル、DSDB基準
で12.5当量)の水で処理した。濁った2相系を激し
く撹拌し、そして放置して2つの透明な液相を得た。そ
れらを分離し、ラフィネートを更にキュメン(3×10
0ml)で抽出した。得られたラフィネートは50℃、
真空下に濃縮し、46.5gのシロップ状生成物を得
た。これをHPLC分析したところ50.6重量%のS
‐6‐B(23.5g、52.7mモル、72.1%収
率)、及び3.6重量%の未反応サッカロース及び6.
0重量%のサッカロースジベンゾエートを含んでいた。
サッカロースジベンゾエートはサッカロースモノベンゾ
エートが100%を占め、全ベンゾイル化炭水化物物質
画分の91.2%に達した。試料中の残渣錫は、DSD
Bとして計算して、0.04%(原子吸光法)であっ
た。
【0028】
【実施例4】メチルt‐ブチルエーテル/シクロヘキサンと水を用い
てDSDBを抽出分離するサッカロース‐6‐ベンゾエ
ートの製造 先の実施例1と同じ様に実施して、サッカロース‐6‐
ベンゾエートとDSDBの反応混合物を5ml(278
mモル、DSDB基準で6.24当量)の水で処理、次
いでMTBEとシクロヘキサン1:1(体積比)混合溶
媒で抽出した(6×50ml)。抽出物を一緒にして蒸
発し35.0gのDSDB(溶媒を含んでいる)を得
た。ラフィネートは50℃、真空下に濃縮し、46.1
gのシロップ状生成物を得た。これをHPLC分析した
ところ59.5重量%のS‐6‐B(27.4g、6
1.4mモル、84.1%収率)を含んでいた。シロッ
プ中のDSDB残量は0.4%であった。
【0029】
【実施例5】抽出回収したDSDBを利用した循環再利用実験 抽出回収したDSDBを使用してサッカロース‐6‐ベ
ンゾエートを製造した一連の実験の結果を要約する。方
法は実施例1に述べたのと同じであり、ただ規模を倍に
した。最初に使用したDSDBは実施例6Aの方法で製
造し、安息香酸無水物を使用、そして5%水性アセトニ
トリルから結晶化分離し、そして残ったDSDBはその
前のサイクルからの循環DSDBを使用して調製した。
【0030】6回サイクルして錫化合物の回収率は平均
97.7%であり、不足分は安息香酸カリウムの濾過ケ
ークに付着したもの及び機械的な損失によるものであ
る。サッカロース‐6‐ジベンゾエートの収率は、最初
のサッカロース仕込み量基準で平均87.7%であっ
た。
【0031】本実施例は本発明の、ジスタンオキサンジ
エステルの抽出生成物を、最初にアルコール性アルカリ
と反応させて1,3‐ジ(ハイドロカルビルオキシ)‐
1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)‐ジスタ
ンオキサンを製造し、得られた生成物をNavia法で
使用して、1,3‐ジ(6‐O‐サッカロース)‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)‐ジスタンオ
キサンを生成させ、これをアシル化剤と反応させてサッ
カロース‐6‐ベンゾエートとジスタンオキサンジエス
テルとを発生させる実施態様を示したものである。商業
的な実生産では本方法を更に繰り返す。本実験では製造
した1,3‐ジ(ハイドロカルビルオキシ)‐1,1,
3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)‐ジスタンオキサ
ンは1,3‐ジアルキルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)‐ジスタンオキサン、特に1,3‐ジブ
トキシ‐1,1,3,3‐テトラブチルジスタンオキサ
ンである。
【0032】
【表2】
【0033】
【実施例6】ジスタンオキサンジエステル(DSDE)の製造 2つの方法で、標準として、又実施例1ないし5に報告
した実験で使用したジスタンオキサンジエステルを製造
した。
【0034】A.カルボン酸とジブチル錫オキシドから ジブチル錫オキシド(DBTO、100g、0.40モ
ル)を酢酸又は安息香酸(24.1又は49.1g、
0.40モル)とトルエン又はシクロヘキサン(200
ml)中で還流し、反応で生じた水はDean‐Sta
rkトラップ中で分離した。水分離に約2時間を要し
た。得られたDSDEは溶液の状態か、又は溶媒を除
き、そして200mlの5%水性アセトニトリル(DS
DB)、又は100mlの5%水性DMF(DSDA)
に溶解して結晶化、そして単離した。2種類のジスタン
オキサンジエステルは1水和体として結晶化し、下記の
特性を有していた。
【0035】
【表3】
【0036】a.文献:D.L.Alletson e
t al.,J.Chem.Soc.,5469,(1
963),58ないし60℃ B.無水物とジブチル錫オキシドから DBTO(100g、0.40モル)をシクロヘキサン
(200ml)中、60℃でスラリーにし、酢酸又は安
息香酸無水物(20.4又は45.2g、0.20モ
ル)を添加した。60℃で2時間撹拌を続け、その時点
でDBTOが完全に溶解した。得られたDSDEは溶液
状態で使用するか、又は方法Aに示した方法で単離し、
同じ収量で、同じ性質を示す生成物を得た。
【0037】
【実施例7】Naviaの方法を使用したジブチル錫オキシドからサ
ッカロース‐6‐アセテートの製造 DBTO(114g、460mモル)をn‐ブタノール
(220ml)及びシクロヘキサン(50ml)中で還
流し、4.0mlの水をDean‐Starkトラップ
中に捕集した。次いで真空蒸留で合計230mlの混合
溶媒を除き、n‐ブタノール中に溶解したDBDSから
なる淡褐色で僅かに濁っている油状物を得た。
【0038】サッカロース(150g、438mモル)
を110℃でDMF(450ml)に溶解し、得られた
溶液を90℃に冷却してから、上記の油状物に添加し
た。もう1度真空をかけ、反応容器温度80ないし85
℃で蒸留を続け、200mlの蒸留物を捕集した。蒸留
には3時間を要した。DMF(100ml、80℃)を
添加し、真空蒸留を続け、更に150mlの流出物を集
めた。これを150mlのDMFを使用して繰り返し、
更に100mlの流出物を集めた。残渣はDMFに溶解
したDBSSからなり、これを20℃以下に冷却した。
【0039】無水酢酸(49.2g、482mモル)を
滴下し、外部から冷却して温度を10ないし20℃に維
持できるように発熱を制御した。添加に40ふんを要し
た。得られた溶液は20ないし25℃で更に0.5時間
撹拌し、シクロヘキサンで抽出(3x250ml)、最
初の2回の抽出物それぞれに水(15ml、833mモ
ル、DSDA基準で3.62当量)を添加した。抽出物
(DSDAからなる)は合わせて循環再使用用に保存
し、ラフィネートは真空下に濃縮して原重量の30%に
濃縮して水を除き、次いでDMF(100ml)で希釈
し、塩素化してスクラロース‐6‐アセテートを製造用
に保存した。得られた溶液(288g)はHPLCで分
析したところ、98.2g(256mモル、58.4%
収率)のサッカロース‐6‐アセテートを含んでいた。
同溶液を原子吸光分光光度法で定量したところ,0.0
7%の錫を含んでいた。これはDBTO0.4gに相当
する。
【0040】
【実施例8】Neiditch他の方法を使用する、抽出性有機錫の
ジブチル錫オキシドへの変換による循環再使用のための
回収 1,000ml容量の4つ口丸底フラスコに撹拌器、温
度計、60ml添加漏斗、及び短いVigreux塔、
Dean‐Stark蒸留用受器及び還流凝縮器からな
る蒸留用頭部装置を装備し、それに76.4g(0.3
07モル)のDBTO、100g(0.292モル)の
サッカロース、及び350mlのDMFを充填した。混
合物は100ないし110℃に加熱してサッカロースを
溶解し、ついで85ないし90℃に冷却して、滴下漏斗
を経由してシクロヘキサン(100ml)を(穏やかに
還流させながら)添加した。混合物を加熱して4.5時
間激しく還流させ(反応温度:90ないし95℃)De
an‐Stark受器の水相下層を捕集した。必要に応
じて更にシクロヘキサンを添加し、温度を95℃以下に
維持した。
【0041】得られた透明な褐色の水分に敏感な溶液は
DMFとシクロヘキサンとの混合物中にDBSSを含ん
だものであり、これを0℃に冷やして32.8g(0.
321モル)の無水酢酸を滴下、その間、氷浴で冷却し
て温度を10℃以下に維持した。その後、反応混合物は
暖めて20ないし25℃にし、1時間撹拌した。
【0042】水(25ml、1.39モル、DSDA基
準で9.05当量)と更にシクロヘキサン(250m
l、合計シクロヘキサン含量約350ml)を添加、得
られた混合物を激しく10分間20ないし25℃撹拌
し、1,000mlの分別漏斗に移した。相分離してか
ら、下層を更に水(25ml、1.39モル、DSDA
基準で9.05当量)で処理、シクロヘキサン(2×1
50ml)で抽出した。抽出工程で全錫含量の99.5
%が除去された。DMF主体のラフィネート(S‐6‐
A、水、及び移行してきたシクロヘキサンを含んでい
る)を50mmHgの圧力下、最高70℃で分別蒸留し
て水とシクロヘキサンとを除き、残渣をHPLC分析し
た(96.1g、0.250モル、S‐6‐Aの収率8
5.7%)。
【0043】シクロヘキサン抽出物(DSDA含有)を
合わせて濃縮し、得られた油状物を加熱し(70℃以
上)、少しづつ細い流れにして5分間に亙って1.1N
水酸化ナトリウム水溶液(300ml)を95℃で非常
に激しく撹拌しながら、それに添加した。顆粒状のDB
TOが急速に形成された。得られたDBTOスラリーを
90ないし95℃で10ないし15分間激しく撹拌、次
いで30℃に冷却、そして濾過した。DBTOケークを
水で徹底的に洗浄(3×100ml)そして乾燥した
(乾燥時25ないし33%損失)。
【0044】回収したDBTOはこの実施例8に記載し
た方法を使用してS‐6‐Aを製造、DSDAを抽出、
DBTOとして回収、そして再び循環再使用、Neid
itch他の方法によってS‐6‐Aを製造した。ジブ
チル錫オキシトの回収量(純度で補正してある)、サッ
カロース‐6‐アセテート、及びDBTOの仕込み組成
の繰り返し実験用のデータが下記表2に示してある(D
BTOが1/2水和物として単離されていることに注
意)。
【0045】以上の実施例は本発明の実施態様として、
回収したDSDEをアルカリ水溶液で処理、ジ(ハイド
ロカルビル)錫オキシドとして回収(この場合、ジアル
キル錫オキシド、特にジブチル錫オキシド)、同化合物
を循環再使用、Neiditch他の方法によってサッ
カロース‐6‐エステルを製造する方法を示したもので
ある。回収された酸化錫は又、Navia又はWalk
up他の方法ででも再使用することが可能である。
【0046】
【表4】
【0047】
【実施例9】抽出性錫試薬回収してから粗サッカロース‐6‐ベンゾ
エート/DMF混合物の塩素化 本実施例では、(本発明の実施態様に従って)DSDB
を抽出してから得られるラフィネートの直接塩素化につ
いて説明する。同反応は、高強度の非栄養的(nonn
utritive)あるいは低カロリー甘味剤であるス
クラロース製(sucralose)造の為の中間段階
として利用されている。
【0048】容量500mlの4つ口丸底フラスコに撹
拌器、温度計、凝縮器、アルゴンガスシール及び滴下ろ
うとを装備し、同フラスコに実施例1と同様に製造し
た、16.8gのサッカロース‐6‐ベンゾエート(1
0.0g、22.4mモル)シロップを投入、それを9
0mlの乾燥DMFに溶解した。得られた透明な淡黄色
溶液を‐38℃に冷却し、合計35.3mlのホスゲン
(491mモル)を24mlのトルエンに溶解した溶液
をそれに滴下した。添加は発熱的であり、その間内部温
度が‐38から+14℃に上昇した。
【0049】得られたスラリーを65℃に加温し、そう
して生じた透明溶液を、82ないし83℃で1時間、そ
れから112ないし113℃で3時間加熱した。反応混
合物は8℃に冷却、十分に予備冷却した(5℃以下)
4.0N水酸化ナトリウム溶液で処理してpHを9ない
し11に上げた(116ml)。この添加操作は大変発
熱的であり、温度が8℃から51℃に上昇する。混合物
はpH9ないし10で3分間撹拌し、それから酢酸を滴
下添加して中和した。混合物は酢酸エチルで抽出し(4
×200ml)、抽出物を合わせて150mlの水で洗
浄、活性炭を使用して45℃で脱色した。黄色の濾過液
を真空下50℃で濃縮し、橙色の残留シロップを50m
lの水、及び50mlのMTBEで処理、そして50℃
に暖めた。2相混合物に結晶を植え付け、激しく撹拌
し、そして室温に冷却、この際スクラロース‐6‐ベン
ゾエートが結晶化した。得られた固体を吸引濾過して集
め、真空下50℃で乾燥、6.17gのオフホワイト固
体を得た。HPLC分析したところ、生成物は91.5
%のスクラロース‐6‐ベンゾエート(5.65g、1
1.3mモル、50.2%収率)を含んでいた。結晶化
からの母液を濃縮して7.82gのシロップを得、これ
はHPLC分析で、28.8%の生成物(18.6%収
率)を含んでいた。
【0050】.
【実施例10】抽出性錫分離後の粗サッカロース‐6‐アセテート/D
MFシロップの塩素化 本実施例は(本発明の実施態様に従って)DSDA抽出
後、ラフィネートを直接塩素化する方法を更に説明する
ものである。同塩素化はスクラロース製造における一中
間段階として行われる。
【0051】容量1,000mlの4つ口丸底フラスコ
にオーバーヘッドスターラー、温度計、アルゴンガス導
入口、及び真空蒸留装置を装備し、それに105gのサ
ッカロース‐6‐アセテートシロップ(39.5g、1
03mモル、実施例8と同様に製造し、DSDAを除去
した)及び272gのDMFを投入した。得られた溶液
を35℃で真空蒸留(3ないし5Torr)し、発生す
る水分及び残留する揮発性物質を除去した。合計約7
0.5gの蒸留物が捕集された。
【0052】残渣(298g)を約0℃に冷却、撹拌し
ながら、121g(943mモル)の市販クロロメチレ
ン(ジメチルアンモニウム)クロリド(Aldrich
Chem.Co.製)を滴下し、発熱反応なので温度
は0℃から32℃に上昇した。混合物を114℃で30
分間に亙って加熱し、同温度を3時間維持した。反応混
合物を0℃に冷却、238gの16%冷(0ないし5
℃)水酸化ナトリウムを一時に添加した(最終pH:9
ないし10)。反応熱で温度が54℃に上昇した。混合
物を濃塩酸で(pH7に)中和、14gの脱色炭で処
理、濾過助剤の濾過床を通して濾過した。
【0053】DMFを生成物混合物から水蒸気蒸留によ
って除去した。スクラロース‐6‐アセテートを含む水
溶液を減圧下、50℃で濃縮、10gの脱色炭素で処
理、そして濾過助剤を通して濾過した。濾液を酢酸エチ
ル(2×500ml続いて1x300ml)で抽出し
た。酢酸エチル抽出物を合わせて、150mlの水で洗
浄、そして濃縮してシロップ(61.1g)を得た。同
シロップは自然に結晶化し始めた。
【0054】半固体状の残渣をMTBE(100ml)
と共にこすった。得られた固体を真空濾過して集め、室
温で真空乾燥して15重量%の吸蔵溶媒を含むスクラロ
ース‐6‐アセテート、26.8g(70.6重量%、
18.9g、43.0mモル、41.7%収率)を得
た。母液には更に2.2%収率の生成物が含まれてい
た。
【0055】
【実施例11】再結晶したスクラロース‐6‐ベンゾエートのスクラロ
ースへの変換 容量2,000mlの4つ口丸底フラスコにオーバーヘ
ッドスターラー、温度計、乾燥管、及び栓を装備し、そ
れに207gの91.4%純度のスクラロース‐6‐ベ
ンゾエート(189g、378mモル、実施例9に記載
されているように製造)と1,000mlのメタノール
を充填した。混合物を加熱して固体を溶解し、25ml
の0.84M水酸化カリウム(21mモル)メタノール
溶液を一時に添加し、撹拌を室温で5時間行った。
【0056】反応混合物を弱酸イオン交換樹脂(酸型)
を加えて中和した。得られた溶液を濾過し、樹脂をメタ
ノール(2×250ml)で洗浄した。濾液を合わせて
蒸発させ、柔らかい泡状物(245g)を得、これを
1,000mlの水に溶解、そして酢酸エチル(3×2
50ml)で抽出、安息香酸メチル、未反応スクラロー
ス‐6‐ベンゾエート、及びその他の非極性不純物を除
去した。水相を濃縮して粘凋な淡褐色溶液(487g、
29.0重量%のスクラロースを含み、粗収率94.0
%)を得、これを活性炭で脱色した。得られた溶液を7
0℃で真空下に181gに濃縮し、そして同溶液を最初
は3.5ないし4.0時間かけてゆっくりと40℃に冷
却、次いで10℃で1.5時間冷却した。生成物を真空
濾過し、真空下45ないし50℃で乾燥、112g(2
82mモル、74.5%収率)のスクラロース[融点:
119 ‐ 120℃分解;[α]20°/D +87.
1°(C, 1.23,H2O)]。無色結晶生成物の純
度はHLPC分析で99.6%であった。
【0057】
【実施例12】スクラロース‐6‐アセテートの脱アシル化 1,000mlの4つ口丸底フラスコにオーバーヘッド
スターラー、温度計、還流凝縮器、及び栓を装備し、
その中で結晶性の粗スクラロース‐6‐アセテート(1
14g、258mモル、上記実施例10に記載されたよ
うに製造)を400mlのメタノールに溶解した。溶液
を油浴で55ないし60℃に暖め、3.5mlの30w
/v%KOHメタノール溶液を添加した。15分後にT
LC(薄層クロマトグラフィ、展開液:80:17:
3、CHCl3‐CH3OH‐HOAc、5%エタノール
硫酸を散布そして炭化)で調べたところ、反応は殆ど完
了していた。更に15分後に反応混合物を40gのメタ
ノール洗浄した弱酸性イオン交換樹脂(酸型)で中和し
た。樹脂を濾別、メタノール100mlで2回洗浄し
た。濾液と洗浄液とを合わせ、蒸発して粘凋シロップを
得、これを水で希釈し、更に濃縮して残留メタノールを
除いた。残渣を活性炭で脱色、そして真空下60℃で濃
縮した。生成物の結晶化は、撹拌下にシロップに種結晶
を植え付け、一晩かけて徐々に室温まで冷却して行っ
た。回収量は80.5g(乾量)の96.6%純度のス
クラロース(77.8g、195mモル、75.6%収
率)であった。母液には更に21.0g(52.8mモ
ル、15.9%収率)が残っていた。以下にNavi
a、Neiditch他、及びWalkup他の方法の
概略を示す。
【0058】Naviaの方法は、1,3‐ジ(ヒドロ
キシカルビルオキシ)‐1,1,3,3‐テトラ(ハイ
ドロカルビル)ジスタンオキサン[簡単の為にジ(ハイ
ドロカルビルオキシ)‐ジスタンオキサンとする]とサ
ッカロースとを反応させて、1,3‐ジ(6‐O‐サッ
カロース)‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビ
ル)ジスタンオキサン[簡単の為にジ(ハイドロカルビ
ル)‐スタンオキシルサッカロースとする]を生成さ
せ、これをアシル化剤と反応させてサッカロースー6‐
エステルを生成させることからなる。この反応の副生物
は1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラ
(ハイドロカルビル)ジスタンオキサン又はジスタンオ
キサンジエステルである。2つの反応を以下に、DBT
Oを使用してジ(ハイドロカルビルオキシ)‐ジスタン
オキサンをその場で生成させ、そして安息香酸無水物を
アシル化剤として使用する一般的な実験法で説明する。
【0059】メタノール(100ml)、サッカロース
(5.00g)、及びジブチル錫オキシド(3.64
g、サッカロース基準で1.00モル当量)を適当な反
応容器に仕込む。反応容器の内容物を約2時間還流し、
そしてメタノールを蒸発する。この反応の生成物は1,
3‐ジ(6‐O‐サッカロース)‐1,1,3,3‐テ
トラブチルジスタンオキサンである。白色固体をDMF
(100ml)に取り、3.64gの安息香酸無水物
(サッカロース基準で約1.10モル当量)を添加す
る。反応容器の内容物を室温で一晩撹拌する。生成物は
サッカロース‐6‐エステル(この場合はS‐6‐B)
で、副生物としてDSDE(この場合はDSDB)が生
成する。
【0060】サッカロースとジ(ハイドロカルビルオキ
シ)ジスタンオキサンの反応成分は、希望の1,3‐ジ
(6‐O‐サッカロース)‐1,1,3,3‐テトラ
(ハイドロカルビル)ジスタンオキサンが生成する割合
で使用する。Navia法を実施する好ましい態様で
は、ジ(ハイドロカルビルオキシ)‐ジスタンオキサン
をジ(ハイドロカルビル)‐錫オキシド(DHTO)を
低級アルコール例えばメタノールと反応させてその場で
生成させ、DHTOとサッカロースは好ましくは約1:
1の化学量論関係で使用する。これはサッカロースを過
剰に使用するとS‐6‐E生成物がサッカロース及び希
望しないサッカロースエステル類で汚染されるからであ
る。一方DHTOを過剰に使用するとS‐6‐Eがサッ
カロースジエステルで汚染される。最も好ましい化学量
論比はDHTOを極く僅かに過剰(1ないし3モル%)
(サッカロース基準)に使用して、生成物中のサッカロ
ースを殆ど無くすことである。
【0061】DBTOの代わりに、他のジ(ハイドロカ
ルビル)錫オキシド、この中でハイドロカルビル基は錫
に結合することができ、それぞれアルキル、シクロアル
キル、アリール、又はアリールアルキル、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ベンジル、
フェネチル、フェニル、ナフチル、シクロヘキシル、及
び置換フェニルである。好ましいハイドロカルビルき
は、炭素原子数が8個以下のアルキルである。錫オキシ
ドの代わりに、ジ(ハイドロカルビル)錫ジアルコキシ
ド、ジハライド、ジアシレート、又はその他の有機錫化
合物が、現場でジ(ハイドロカルビルオキシ)ジスタン
オキサンを発生できる限り使用することができる。
【0062】反応は、サッカロース及びジ(ハイドロカ
ルビルオキシ)‐ジスタンオキサンの溶媒である有機液
状反応媒体中で実施する。ジ(ハイドロカルビルオキ
シ)‐ジスタンオキサンを使用現場で生成させる際、反
応媒体は好ましくは又、ジ(ハイドロカルビルオキシ)
‐ジスタンオキサンを発生させるのに使用する化合物の
溶剤でもある。より好ましくは反応媒体は又、現場でジ
(ハイドロカルビルオキシ)‐ジスタンオキサンを発生
させるのに使用する反応成分の一つである。広範囲の脂
肪族及び脂環族アルコール又はフェノールが反応媒体と
して使用することができる。DHTO(又はそれと等価
の反応成分)とアルコール又はフェノールとの反応は常
圧寒流条件下に実施するのが多くの場合最も経済的であ
る。この目的のためには、低級アルキル一級アルコール
が好ましい。かくて、好ましい反応媒体は一級低級アル
カノール類、例えばメタノール、エタノール、n‐プロ
パノール、n‐ブタノール、n‐ペンタノール、及びn
‐ヘキサノールである。更に反応成分/反応媒体として
使用できるアルコール類及びフェノール類はフェノー
ル、置換フェノール類、例えば低級アルキル置換フェノ
ール類、シクロヘキサノール、及び置換シクロヘキサノ
ール類、例えば低級アルキル置換シクロヘキサノール類
である。不活性有機液体、例えばトルエン、キシレン、
及びその他の炭化水素類がもし希望されるならば、反応
の希釈剤として使用できる。
【0063】サッカロースとジ(ハイドロカルビルオキ
シ)‐ジスタンオキサンとの反応は、ジ(ハイドロカル
ビル)‐スタンオキシルサッカロースを形成するのに十
分な温度で、十分な時間実施する。例示されている反応
温度は約50℃から約100℃である。例示されている
反応時間は約1ないし24時間である。ジ(ハイドロカ
ルビル)‐スタンオキシルサッカロースは、反応媒体を
蒸発させて回収し、これは必要ならば減圧下に行うこと
もできる。蒸発させてえられるジ(ハイドロカルビル)
‐スタンオキシルサッカロースは、更に精製することな
く直接アシル化で使用される。
【0064】アシル化剤は(サッカロース基準で)1モ
ル当量よりも僅かに多く(1ないし5%)使用するのが
好ましい。アシル化反応で使用するアシル化剤の選択は
アシル化生成物がどのような用途で使用されるかも1要
因として考慮される。例えばアシル基を保護基として使
用する場合は、例えば本出願の発明の背景の項で論じた
人工甘味料の製造においては、安息香酸又は酢酸無水物
が使用される。これはこれらが安価である、同アシル基
が合成の適当な段階で容易に脱離できる、そしてアシル
化した化合物がアシル基が脱離される前に経験しなけれ
ばならない反応に対して安定である為である。もしS‐
6‐Eが合成の最終の生成物である場合は、使用するア
シル化剤は、エステル生成物にとって望ましいアシル基
を発生するアシル化剤である。
【0065】これらの原則を念頭に置けば、使用できる
アシル化剤として、各種の安息香酸及び置換安息香酸
(例えば4‐ニトロ安息香酸、3,5‐ジニトロ安息香
酸等)、アルカン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪
酸、シクロヘキサンカルボン酸、飽和及び不飽和両方の
長鎖脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、リノレ
ン酸等、例えば28個以下の炭素原子を有する不飽和
酸、例えばアクリル酸及びメタアクリル酸、置換酸、例
えばクロロ酢酸、シアノ酢酸、フェノキシ酢酸等、及び
飽和及び不飽和ジカルボン酸、例えばフタル酸、マレイ
ン酸、グルタル酸等の無水物が挙げられる。
【0066】アシル化反応は、不活性有機反応媒体、例
えばDMF、又はその他の極性非プロトン溶媒、例えば
DMSO、NMP、DMA、HMPA、及びその他のサ
ッカロースが溶解する極性非プロトン溶媒中で実施す
る。DMFが、低コスト、沸点が比較的低い、そして更
にスクラロース製造の工程段階の溶媒として適している
ので好ましい。アシル化反応はS‐6‐Eを製造するの
に十分な反応温度及び反応時間実施する。
【0067】無水物が液状ならば、そのまま希釈せず
に、あるいは不活性補助溶媒で希釈して、サッカロース
‐有機錫付加物に添加できる。無水物が固体の際は、固
体状態で添加するか、又は適当な不活性溶媒に溶解して
溶液として添加できる。無水物は一遍に全部加えること
ができるし、又ゆっくりと一定期間で添加することもで
きる。
【0068】無水物の化学量論は本発明を実施して好結
果を得るには重要な一面である。無水物があまりに少な
いとS‐6‐E生成物が残存サッカロースで汚染され
る。過剰すぎるとサッカロースジエステルで汚染され
る。最も好ましい化学量論比は無水物を、サッカロース
基準で僅かに(5ないし10モル%)過剰に使用し、生
成物中にサッカロースを殆ど無くすることである。
【0069】アシル化温度は0℃以下ないし約30℃が
実験で使用される。許容できるアシル化反応温度の上限
は、熱的に活性化され、好ましくないサッカロースモノ
‐又はジエステルを生成する非位置選択的アシル化反応
が何度の温度で始まるかで決められる。実用的な立場で
見ると、この温度限界は酸無水物反応性の関数である。
例えば無水酢酸は比較的反応性であるので、同化合物を
使用したアシル化反応は通常約20℃以下で実施する。
安息香酸無水物は反対に幾分反応性が低いのでアシル化
反応は、室温か又はそれより僅かに高いところで実施す
る。
【0070】アシル化反応は穏やかな発熱反応である。
初期反応温度及び無水物のジ(ハイドロカルビル)錫‐
サッカロース付加物への添加速度によっては、アシル化
反応を外部から冷却することが必要であり、それによっ
て熱的に活性化される非位置選択性アシル化反応を最小
にする。
【0071】サッカロース付加物のアシル化を完結させ
るのに必要な時間は、反応成分の濃度(アシル化反応は
多次元工程であるので)、アシル化剤の反応性、及び反
応混合物の温度に依存する。実験室では1時間ないし数
日の時間が使用されるが、アシル化剤が消費されるのに
要する時間より長く反応時間を引き延ばしても利点は無
い。典型的な条件下では反応時間は一般に約1ないし約
5時間の範囲ないである。
【0072】Neidlitch他の方法の概略を以下
に説明する。
【0073】本方法はサッカロースとジ(ハイドロカル
ビル)錫オキシドとの反応を不活性有機媒体中で実施す
る。使用することができるDHTOはNavia法につ
いて記載したものと同じである。
【0074】DHTOとサッカロースとは広範囲の化学
量論比で使用することができる。しかし、約1:1の量
論比が好ましい。これは過剰のサッカロースを使用する
と、S‐6‐Eがサッカロースと望ましくないサッカロ
ースエステル類で汚染される。一方、DHTOを過剰に
使用すると、S‐6‐E生成物がサッカロースジエステ
ルで汚染される。最も好ましい化学量論比はDHTOを
(サッカロース基準で)非常に僅かに(1ないし3モル
%)過剰に使用して、生成物中にサッカロースが殆ど存
在しないようにする。
【0075】Neiditch他の方法は不活性有機反
応媒体中で実施する。不活性とは、反応媒体がサッカロ
ース又はDHTOと反応する有機官能基を持っていない
ことを意味する。多くの場合、本発明の目的を達成する
ために、不活性有機反応媒体は極性非プロトン溶媒と補
助溶媒とからなる混合溶媒系である。極性非プロトン溶
媒はサッカロースを溶解する目的で使用し、補助溶媒は
サッカロースとDHTOとの反応によって生ずる水全部
を共沸的に分離し、そして又DHTOの溶解性を促進す
る目的で使用される。使用できる極性非プロトン溶媒に
は、Naviaの方法について述べた際に挙げられたも
のが含まれる。DMFが好ましい極性非プロトン溶媒で
ある。
【0076】縮合反応で生ずる水を共沸除去できる補助
溶媒には、塩素化炭化水素、例えばクロロホルム、各種
飽和及び芳香族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、及びトルエン、
ケトン例えばメチルエチルケトン、及びメチルイソブチ
ルケトン、非環状及び環状エーテル、例えばテトラヒド
ロフラン及びその他のここに示す基準にあった不活性有
機液体が挙げられる。広範囲の有機液体が、本発明の補
助溶媒として使用するのに適している。補助溶媒の基本
的な基準は、(1)同溶媒が極性非プロトン溶媒、DH
TO及びサッカロースと混合物を形成し、その混合物は
大気圧下内部反応温度で、約75℃ないし約125℃の
温度範囲で還流する、(2)DHTOとサッカロースと
の縮合反応で生ずる水を共沸し、それによって反応中の
水の除去を容易にする。そして(3)反応混合物中のD
HTOの溶解度を促進し(普通、DHTO類は極性非プ
ロトン溶媒中に余り溶解しないので)、それによってD
HTOとサッカロースとの反応速度を高める。
【0077】水と非混和性であり、そして水と一定組成
の、最低沸点の共沸物を形成する補助溶媒が好ましい、
しかしこれらは実験的に測定されるのであるが、このよ
うな補助溶媒を使用する反応系は、一般的には水‐共沸
沸点又は純粋溶媒の沸点のいずれよりもかなり高い温度
で還流する。これらの系から生ずる溜出物の水‐補助溶
媒組成はDHTO‐サッカロース縮合反応の間を通して
一定ではない。
【0078】好ましい補助溶媒として、その化学的な安
定性、脱水効率、コスト、及び沸点などの理由で、シク
ロヘキサン、n‐ヘプタン、及びイソオクタン(2,
2,4‐トリメチルペンタン)が挙げられる。
【0079】サッカロースとDHTOとの反応は、約7
5℃ないし125℃の温度範囲で実施される。75℃以
下では反応が遅くなって非経済的であるし、125℃以
上では炭水化物が分解する傾向がある。好ましい反応温
度は約80℃ないし100℃、より好ましくは約85℃
ないし約90℃である。
【0080】サッカロースとDHTOとの反応生成物は
ジ(ハイドロカルビル)スタンオキシルサッカロースで
あり、これはNavia法の生成物と同じである。この
生成物は、Navia法と同様にアシル化され、同じ生
成混合物が生成する(即ち、サッカロース‐6‐エステ
ルとDSDE副生成物。
【0081】Walkup他の方法の概略を以下に説明
する。
【0082】本方法の第1段階は、DHTOと2価アル
コール、アルカノールアミン、又はエノール化可能なα
‐ヒドロキシケトンとの反応を、不活性有機媒体、例え
ば通常の液状炭化水素中で行い、該2価アルコール、ア
ルカノールアミン、又はα‐ヒドロキシケトンの環状付
加物を形成するのに十分な温度及び時間実施して水を除
去することからなる。使用する不活性有機媒体は好まし
くは共沸蒸留によって水を除去できる媒体である。約8
0℃ないし145℃の沸点を有する炭化水素が好まし
い。このような不活性有機媒体の代表的な例はシクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、いずれかのキシレン、又
はそれらの混合物である。
【0083】Walkup他の方法で使用するジ(ハイ
ドロカルビル)錫オキシドはNavia法をで示したも
のと同じである。DHTOを2価アルコール、アルカノ
ールアミン、又はα‐ヒドロキシケトンと反応させる。
2価アルコール類の明確な実例として、アルカンジオー
ル、例えばエチレングリコール、2,3‐プロパンジオ
ール、2,3‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオー
ル、1,4‐ブタンジオール、1,3‐プロパンジオー
ル、1,2‐ペンタンジオール、1,2‐ヘキサンジオ
ール、及び例えば炭素原子が約8個迄のその他のアルカ
ンジオール、そしてシクロアルカンジオール例えば1,
2‐シクロヘキサンジオール、1,2‐シクロペンタン
ジオール、等が挙げられる。好ましくは2価アルコール
上のヒドロキシル基はそれらが結合している炭素鎖上で
互いに炭素原子4個以上離れない。使用できるアルカノ
ールアミンの明確な実例として、エタノールアミン、2
‐アミノ‐1‐プロパノール、及び1‐アミノ‐2‐プ
ロパノールが挙げられる。好ましくはアルカノールアミ
ン上のアミノ基とヒドロキシル基は、それらが結合して
いる炭素鎖上で互いに炭素原子4個以上離れない。エン
ジオールへのエノール化が可能なα‐ヒドロキシケトン
の明確な実例として、ベンゾイン(2‐ヒドロキシ‐2
‐フェニルアセトフェノン)及びアセトイン(3‐ヒド
ロキシ‐2‐ブタノン)が挙げられる。DHTOとの反
応で使用される好ましい化合物はアルカンジオール、特
にエチレングリコールであり、同化合物は収率が優れて
おり、又それ自体安価である。
【0084】DHTOは通常使用する不活性有機媒体に
不溶で、媒体中に懸濁することもできる。ジオール、ア
ルカノールアミン、又はα‐ヒドロキシケトンは、付加
物生成には(化学量論的には僅かに過剰に)添加され、
得られた混合物は還流するまで加熱する。還流は通常約
80℃ないし約145℃の温度で行う。ジ(ハイドロカ
ルビル)錫オキシドとジオール、アルカノールアミン、
又はα‐ヒドロキシケトンとの縮合反応の結果生ずる水
は共沸的に除去し、環状付加物の均一な無色溶液を得
る。反応時間は約2時間から約4時間が、この段階では
一般的である。
【0085】これらの中間体は濃縮そして結晶化して単
離する。通常溶媒を蒸発してジ(ハイドロカルビル)錫
付加物の固体、又は半固体を形成し、これをDMF又は
その中にサッカロースが適当な程度溶解し、そして本発
明の段階(b)の反応媒体として使用される別の溶媒に
分散する。そのような溶媒としてDMF、DMSO、D
MAその他、及び上述したようにサッカロースが溶解す
るその他の極性非プロトン溶媒が挙げられる。
【0086】段階(b)で、サッカロースを段階(a)
の付加生成物とDMFのような不活性有機反応媒体から
なる反応混合物に添加する。得られた懸濁液は室温で6
‐O‐[ジヒドロカルビル(ヒドロキシ又はアミノ‐又
はオキソハイドロカルビル)スタンオキシル]サッカロ
ース中間体を形成するのに十分な時間撹拌する。通常約
12ないし24時間を要する。そうでなければ、熱(例
えば約85℃以下)を与えてサッカロースの溶解速度を
上げ、反応時間を約60分に短縮する。
【0087】段階(c)で、反応性の6‐O‐[ジヒド
ロカルビル(ヒドロキシ‐又はアミノ‐又はオキソハイ
ドロカルビル)スタンオキシル]サッカロース中間体を
含み、そして段階(b)の生成物を含む、通常濁ってい
る混合物を2モル当量のアシル化剤例えばカルボン酸無
水物と室温で反応させる。混合物は撹拌し、薄層クロマ
トグラフィ(TLC)で調べてアシル化反応の終点を判
断する(一般的に約2ないし約7時間を要する)。これ
らの濁った混合物は、この段階を実施する間に透明な結
晶になる。
【0088】反応混合物は水又はメタノールを添加して
急冷し、必要ならば濾過して余計な固体を除き、望まし
くは抽出してジ(ハイドロカルビル)錫副生物を除き、
減圧下に穏やかに加熱して濃縮してガム状又は油状残渣
を得、それを次の反応、例えばS‐6‐Eをスクラロー
ス製造に使用する時は塩素化に送る。必要ならばその前
にアシル基の官能性を調べる。
【0089】本発明の主なる特徴及び態様は以下のよう
である。
【0090】1.1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,
3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキサ
ン、サッカロース‐6‐エステル、及び極性非プロトン
溶媒を含む混合物から、1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンを抽出することからなる回収法において、(a)該
混合物を、少量の水の存在下、水と実質的に非混和性の
有機溶媒と接触させて抽出混合物を形成する際に、該
1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラ(ハ
イドロカルビル)ジスタンオキサンを、該極性非プロト
ン溶媒からなる第1相から、該有機溶媒からなる第2相
へ分配させるのに十分な量の水を使用する、(b)該抽
出混合物を2相の混合物を形成するのに十分な期間及び
温度で撹拌して、抽出混合物中の1,3‐ジアシルオキ
シ‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジス
タンオキサンの大部分を該第2相へ含ませ、そしてサッ
カロース‐6‐エステルの実質的に全部を該第1相に含
ませ、そして(c)該第1相を該第2相から分離する、
ことからなることを特徴とする回収法。
【0091】2.極性非プロトン溶媒がN,N‐ジメチ
ルホルムアミドである上記第1項の方法。
【0092】3.該有機溶媒が炭化水素、エーテル、塩
素化炭化水素、ケトン及びエステルからなる群れの一つ
である上記第1項記載の方法。
【0093】4.該有機溶媒が炭化水素、エーテル、塩
素化炭化水素、ケトン及びエステルからなる群れの一つ
である上記第2項記載の方法。
【0094】5.該有機溶媒が脂肪族炭化水素である上
記第1項記載の方法。
【0095】6.該有機溶媒が脂肪族炭化水素である上
記第2項記載の方法。
【0096】7.同脂肪族炭化水素がヘキサン、シクロ
ヘキサン又はヘプタンである上記第5項記載の方法。
【0097】8.同脂肪族炭化水素がヘキサン、シクロ
ヘキサン又はヘプタンである上記第6項記載の方法。
【0098】9.該有機溶媒がキュメン又はメチルt‐
ブチルエーテルである上記第1項記載の方法。
【0099】10.該有機溶媒がキュメン又はメチルt
‐ブチルエーテルである上記第2項記載の方法。
【0100】11.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンが1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)ジスタンオキサンである上記第1項記載
の方法。
【0101】12.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンが1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)ジスタンオキサンである上記第2項記載
の方法。
【0102】13.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンが1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)ジスタンオキサンである上記第5項記載
の方法。
【0103】14.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンが1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)ジスタンオキサンである上記第6項記載
の方法。
【0104】15.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンが1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)ジスタンオキサンである上記第7項記載
の方法。
【0105】16.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンが1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
ラ(アルキル)ジスタンオキサンである上記第8項記載
の方法。
【0106】17.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(アルキル)ジスタンオキサンが
1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラブチ
ルジスタンオキサンである上記第11項記載の方法。
【0107】18.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(アルキル)ジスタンオキサンが
1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラブチ
ルジスタンオキサンである上記第12項記載の方法。
【0108】19.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンのアシル基がアセトキシ又はベンゾイルオキシ基で
ある上記第1項記載の方法。
【0109】20.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンのアシル基がアセトキシ又はベンゾイルオキシ基で
ある上記第2項記載の方法。
【0110】21.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンのアシル基がアセトキシ又はベンゾイルオキシ基で
ある上記第15項記載の方法。
【0111】22.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンのアシル基がアセトキシ又はベンゾイルオキシ基で
ある上記第16項記載の方法。
【0112】23.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サン生成物を、更に次の段階のアルコール性アルカリと
の反応に供し、それによって1,3‐ジアルキルオキシ
‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタ
ンオキサンを形成する上記第1項記載の方法。
【0113】24.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(アルキル)ジスタンオキサン生成
物を、更に次の段階のアルコール性アルカリとの反応に
供し、それによって1,3‐ジアルキルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンを形成する上記第11項記載の方法。
【0114】25.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サン生成物を、更に次の段階のアルコール性アルカリと
の反応に供し、それによって1,3‐ジアルキルオキシ
‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタ
ンオキサンを形成する上記第2項記載の方法。
【0115】26.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(アルキル)ジスタンオキサン生成
物を、更に次の段階のアルコール性アルカリとの反応に
供し、それによって1,3‐ジアルキルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サンを形成する上記第12項記載の方法。
【0116】27.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サン生成物を、更に次の段階のアルコール性アルカリと
の反応に供し、それによってジ(ハイドロカルビル)錫
オキシドを形成する上記第1項記載の方法。
【0117】28.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキ
サン生成物を、更に次の段階のアルコール性アルカリと
の反応に供し、それによってジ(ハイドロカルビル)錫
オキシドを形成する上記第2項記載の方法。
【0118】29.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(アルキル)ジスタンオキサン生成
物を、更に次の段階のアルコール性アルカリとの反応に
供し、それによってジアルキル錫オキシドを形成する上
記第11項記載の方法。
【0119】30.同1,3‐ジアシルオキシ‐1,
1,3,3‐テトラ(アルキル)ジスタンオキサン生成
物を、更に次の段階のアルコール性アルカリとの反応に
供し、それによってジアルキル錫オキシドを形成する上
記第12項記載の方法。
【0120】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・イー・ウオルカツプ アメリカ合衆国ジヨージア州30677ワト キンズビル・マウンテンローレルドライ ブ1021 (56)参考文献 特開 平2−73096(JP,A) 特開 昭62−187477(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/22 C07H 13/00 - 13/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,
    3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキサン、サ
    ッカロース‐6‐エステル、及び極性非プロトン溶媒を
    含む混合物から、1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,
    3,3‐テトラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキサン
    を抽出することからなる回収法において、 (a)該混合物を、少量の水の存在下、水と実質的に非
    混和性の有機溶媒と接触させて抽出混合物を形成する際
    に、該1,3‐ジアシルオキシ‐1,1,3,3‐テト
    ラ(ハイドロカルビル)ジスタンオキサンを、該極性非
    プロトン溶媒からなる第1相から、該有機溶媒からなる
    第2相へ分配させるのに十分な量の水を使用する、 (b)該抽出混合物を2相の混合物を形成するのに十分
    な期間及び温度で撹拌して、抽出混合物中の1,3‐ジ
    アシルオキシ‐1,1,3,3‐テトラ(ハイドロカル
    ビル)ジスタンオキサンの大部分を該第2相へ含ませ、
    そしてサッカロース‐6‐エステルの実質的に全部を該
    第1相に含ませ、そして (c)該第1相を該第2相から分離する、ことからなる
    ことを特徴とする回収法。
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